ちひろ「みんな大好きありすちゃん」 (36)
【モバマス・デレステSS】です
※注意事項
・百合と思われる描写があります。苦手な方はブラウザバックを
――――事務所
ちひろ「というわけで、ありすちゃんに一度だけ好きなように命令出来る契約書を作ってみました」
ありす「どういうわけですか!?」
パチパチパチパチ!!
ありす「この拍手はなんですかっ!?」
フレデリカ「それはもちろん、みーんなありすちゃんに好きなことさせられるのが嬉しいからだよ☆」
ありす「頭が痛くなってきました……」
文香「……しかし、ちひろさんはどうしてまたそのような物を……ありすちゃんにとっては迷惑なものにしか思えませんが……」
ありす「文香さん……!」キラキラ
ちひろ「ありすちゃんに迷惑? いえいえ、そんなことはありませんよ。むしろこれはありすちゃんだけでなく皆さんにとっても有益なことです!」
周子「どういうことなん?」
ちひろ「では説明しましょう」パチンッ
ドンッ
ありす「ひゃあ!? も、モニターが突然目の前に!?」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1466967547
※千川ちひろ
http://i.imgur.com/TjheXoP.jpg
※橘ありす
http://i.imgur.com/wiZJ8a3.jpg
※宮本フレデリカ
http://i.imgur.com/kija9e2.jpg
※鷺沢文香
http://i.imgur.com/4scuFal.jpg
※塩見周子
http://i.imgur.com/ReyIzmI.jpg
ちひろ「まずこの画面に表示されているのは、以前行ったストレスチェックの結果になります」ピッ
奏「そういうのって他人に見せていいものなのかしら?」
ちひろ「本当はダメですが説明のためです。そして、ここ、ありすちゃんの結果を見て下さい」トントン
志希「うーんと、ストレス度が『69』って書いてるねー。ありすちゃん、ストレスなんか貯めちゃうなんてだめだにゃー♪」
ありす「……その原因みたいな人がなにを……」
ちひろ「それが、そうでもないんですよありすちゃん」
ありす「……はい?」
ちひろ「次に、アンケート式ではなく新しく晶葉ちゃんに開発してもらったストレス度測定器で調べた結果なのですが」ピッ
文香「……この時は、ありすちゃんのストレス度が『12』ですね」
奏「日付は……あら、前回の時から3日で随分下がってるわね、なにがあったのかしら」
ちひろ「私も気になって調べてみました。そうすると周子ちゃん、志希ちゃん、フレデリカちゃんのストレス度にも減少が見られたんです」
周子「へぇー」
志希「ふむふむ」
フレデリカ「なるほどなるほどー……なんで?」
ありす「さ、下がったって言っても、3人とも最初からストレス度が1桁だったのが0になってるだけじゃないですか!?」
ちひろ「ですが、値が下がったのには理由があります。ありすちゃんはもう分かっているんじゃないですか?」
ありす「ま……まさか、でもそんな……」
文香「なにがあったんですか……?」
ありす「この期間は、私が大魔導師のお仕事を企画プレゼンするための練習をしていて、そこを偶然周子さん達に見られて……」
奏「あぁ……なるほど」
志希「そういえばそうだったー♪ いやー、ありすちゃんがすごい可愛いことしてるからついねー♪」
フレデリカ「うんうん、熱弁するありすちゃんの姿や、大魔導師の衣装を着て喜んでるありすちゃんのお手伝いをしただけだって☆」
周子「あれは本当に良い物見たわー」
ありす「最初から最後まで私のことを可愛い可愛いって弄ってただけじゃないですかちょっと黙ってて下さい!」
3人「「「はーい……」」」ションボリ
ありす「とにかく、その期間はそこの人たちに妙に絡まれていたくらいで、それでストレスがなくなるなんてありえません!」
ちひろ「いえそれがですね、この結果からさらに色々調べた結果、私は一つの結論を導き出すしかありませんでした」
文香「それは……なんでしょうか……?」
ちひろ「ズバリ【ありすちゃんは他人に何かされるとストレスがなくなり、ありすちゃんになにかした人もストレスがなくなる】です!」
ありす「……はい?」
周子「やっぱり」
志希「そうだよねー♪」
奏「……なんだか納得出来るわね」
文香「え、そ、そんな、ありすちゃん……///」
フレデリカ「この意見にありすちゃん反論どうぞ!」
ありす「ありえませんっ! 嘘です!! そんなこと絶対にないですっ!!」バンバンッ
ちひろ「しかしですね、これはもう事実としかいいようがないんですよありすちゃん。元に」ピッ
ちひろ「今もこうしてありすちゃんのストレス度を計測していますが、数値は減少し続けているでしょう?」
ありす「」
奏「本当ね、61、60……あっ、今59になったわ」
志希「んー、でもまだ微妙に数値が高いねー? ちひろさんが契約書作ったのってもしかして?」
ちひろ「さすが志希ちゃん。私が契約書を作ったのはありすちゃんの特性を最大限に活かし、契約者とありすちゃんのストレスを一瞬でなくすためです!」
ありす「……誰か助けてください……」
文香「……ちひろさん、仮に結果が事実として、どうしてそれが契約書を作るまでになるのでしょうか……」スタッ
ちひろ「と、いいますと?」
文香「これまでの話には……ちひろさんにはなんの得もないような気がします。本当はもっと別の所に理由があるのではありませんか……?」
ありす「さすが文香さん! そうです、ここまで聞いた内容ではちひろさんに得があるとはとても思えません! 私になにをするつもりですか!」
文香「……それがもしありすちゃんをひどい目に合わせるものであるなら、私はちひろさんを許せません……!」
奏(ふふっ、ありすちゃんを守るように立ち塞がるなんて文香ったら……でも)
周子(流石に相手が悪いんじゃないかなー)
ちひろ「利ならありますよ。皆さんが元気でいてくれることが私にとって最良なんですから! それに文香さん、考えてみてください」
文香「え」
ちひろ「この契約書によってありすちゃんに好きなことをさせられるんですよ? そしてありすちゃんも皆さんもストレスがなくなって元気になる」ヒソヒソ
ちひろ「つまり誰も損をしない。ありすちゃんだって契約書のせいだと言い張ってしまえば、どんなことをしても問題がない」ヒソヒソ
ちひろ「それに私の方でも万全の対応をしますし、これほど安全にストレスのない幸福な生活を送れるなら、安いものだと思いませんか?」ヒソヒソ
文香「そ、それは、その……」
ちひろ「私はあくまでアシスタントですから、皆さんの心と身体の健康を守れればいいんです……分かってくれますよね?」ニコッ
文香「あ、あぁ……そ、そうですよね、ありすちゃんのためなら……」グルグル
ちひろ「そう、なにも、問題、ないんです」ニコニコ
文香「なにも、問題、ない……ない……ない……」グルグル
ありす「文香さーん!?」ガーン
フレデリカ「わー、フミカちゃんがなんか妙な雰囲気になっちゃったよシキちゃん!」
志希「ちひろさんって怖いねーフレちゃん!」
飛鳥「……はぁ、もういいかな。そろそろボクはこの茶番に付き合いきれなくなってきたよ」
ありす「飛鳥さん……?」
奏「あら居たの飛鳥」
飛鳥「最初からね。なんだかありすに対して面白そうな話があったから聞いていたけれど、ナンセンスにもほどがある内容で呆れてしまったよ」
ちひろ「はぁ……ちなみに、飛鳥ちゃんはどの辺りがお気に召しませんでしたか?」
ありす「こ、こうなったら飛鳥さんだけが頼りです! どうにか、ちひろさんを論破してください!」
飛鳥「いいだろう。まず仮にストレスの話が本当だったとしても、もう一つの重要な部分が現実的ではないことを皆理解していない」
志希「もう一つ……んー、契約書のことかにゃー?」
飛鳥「そうさ。例えありすの力でストレスを一瞬で無くすことが可能でも、そもそも他人になんでも命令出来る契約書なんて存在するはずがない」
飛鳥「それともありす、キミはあんな紙切れ一枚でどんな命令も聞いてしまうような弱い人間だったのかい?」
ありす「そ、そんなことはありません!」
飛鳥「フッ……だったらなにも問題ないじゃないか。ボクの知ってるありすなら」
ありす「あ、飛鳥さん……」
飛鳥「そういうわけだよちひろさん、あなたの言っていることには致命的な弱点がある。ありすは契約書なんかに従う弱い女の子じゃないってことさ」
ちひろ「なるほど。しかしどうして飛鳥ちゃんはこの契約書の力が本物だと思わないのでしょうか」
飛鳥「簡単な話さ。人になんでもさせてしまうような力はもはやギアス――神の呪いや魔術の類だ、そんなものが人間に用意出来るはずがない」
周子「でも契約書を用意したのがちひろさんだしなー」
飛鳥「ボクだってちひろさんの色々なウワサは聞いているよ。だが、それら全てが本当のことだとはどうしても思えない」
ありす(まぁ……私もちょっと不思議です……ちひろさんが鬼や悪魔だなんてそんな怖いことがあるわけないですし……)
飛鳥「ボクは、ボク自身で確かめたことしか信じない主義なんだ。だから悪いねちひろさん、あなたの言葉は信用できない。ありすのためにも」
ありす「……いま初めてちょっとだけ、飛鳥さんのことをカッコイイって思いました」
飛鳥「……微妙に酷いなキミ」
ちひろ「そういうことですか。分かりました、でしたらまず飛鳥ちゃんがこの契約書を使ってみませんか?」スッ
飛鳥「……なに?」
ちひろ「これが本物だと思わないのなら、どんなことでもいいので試しにありすちゃんに命令してみてください。それで全て解決しますから」ニコッ
飛鳥「……いいだろう」パシッ
ありす「ちょ、ちょっと飛鳥さん!?」
奏「あら、いいの飛鳥? もしそれが本物だった時、命令した内容によっては大変なことになるかもしれないわよ?」
飛鳥「そういうことにはならないさ。だからありすもそんな不安そうな顔をしないで、ボクを信じてくれ」
ありす「……わ、分かりました……!」
フレデリカ「うーん、美しい友情! って感じだけど止めたほうがいいかなぁ……?」
志希「一応飛鳥ちゃんの言葉も正しく聞こえるからねー、このまま見てようよ♪」
周子「ほんとはなにが起きるか分かってるんとちゃうん志希ちゃん?」
志希「にゃは? さてどうかなー、あたしだって契約書に本当にスゴイ力があるのか気になってるしねー♪」
飛鳥「それで、使い方はどうなっているんだいちひろさん。この枠のところにボクの名前を書けば良いのかな?」
ちひろ「いえ、その必要はありませんよ。誰かがその契約書を持った時点で、もうその人専用になっていますから」
飛鳥「……? どういう――」
ジジッ……
ありす「ひゃ!? あ、飛鳥さん!? け、契約書を見て下さい!」
飛鳥「……これは、さっきまでなにもなかった枠の中にボクの名前が浮かび上がっている……!?」
志希「……いきなり予想外のことになったー」
文香「これは……確かに枠の中に飛鳥ちゃんの名前が……それに名前の隣には『29』という数字まで……」
奏「あら文香、元に戻った?」
文香「はい……まだ頭がふわふわしますけど……」
飛鳥「ちひろさん、この数字は一体……!」
ちひろ「はい、そちらは今の飛鳥ちゃんのストレス度になりますね」
文香「契約書の真ん中にはありすちゃんの名前と『58』という数字……これは今のありすちゃんのストレス度ということでしょうか……」
ちひろ「そうなります。これだけでも契約書の力が本物であるという証明になったと思いますがどうでしょう?」
飛鳥「……い、いや、これくらいならまだ手品かなにかでも同じことが再現出来るはずだ。ボクはまだ信じないぞ……!」
周子「うーん、意地を張るのもいいけど流石に危なそうだしやめておいたら? ちょっとやばいかなーって感じがしてきたよ……?」
奏「周子の言う通りね、飛鳥、引き下がるなら今の内よ」
飛鳥「いいや、ここで引き下がるのはボクのプライドが許さない。それで、この後はどうすればいいんだちひろさん」
ちひろ「もうすでに使用条件は全て満たしていますから、最後はありすちゃんにさせたいことを口にすれば完了ですよ」
飛鳥「そうか……なら……普段のありすなら絶対にしそうにないことを言ってみるしかなさそうだ」
フレデリカ「フレちゃん大好きー! って叫ぶとか?」
志希「志希お姉さま愛してるー! とか!」
ありす「そんなに言われたいなら、二人共大っ嫌い! って今ここで叫んであげますけど」
フレデリカ・志希「「ごめんなさい」」
文香「しかしまた……どうしてありすちゃんが普段しそうにないことを命令しようと……?」
飛鳥「そのほうがこの契約書の効果が本物かどうか確かめやすくなるからさ。……さっきの二人のは最悪ありすがやりそうだし却下するとして」
ありす「し、しませんよ絶対! そ、それであの……大丈夫ですよね……?」
飛鳥「心配しなくていいさありす。こんなものはまやかしだと、すぐに証明してみせる」
奏「けど、普段のありすちゃんがしそうにないことっていったら、他にどんなことがあったかしら……」
飛鳥「そうだな……ふむ、ここは一つ『奏さんのようにありすがボクにキスをする』なんてのはどうだろう」
ありす「なっ、そ、そんなこと――」キィィ
キィン!
飛鳥「……なんだ? 今の甲高い金属音みたいなのは」
周子「あたしも聞こえたー。けどどこから……」
ありす「……飛鳥さん」
飛鳥「どうしたありす、キミもさっきの音を聞いたのかい?」
ありす「はい……それで少しお話があって……ちょっと屈んでくれませんか?」
飛鳥「屈む? いいけど、一体なにを――」グイッ
ありす「ん……」チュ
飛鳥「!!?!?」
文香「……え……ありす、ちゃん……?」
フレデリカ「わぉ……わーお☆」
周子「あらー」
志希「ありすちゃん大胆ー♪」
奏「……これは大変ね」
ありす「ん……んんっ……ぷはっぁ……ど、どうでしたか飛鳥さん///」ニコニコ
飛鳥「」
ありす「……あれ? 返事がありません……仕方ないですね、もう一回」グイッ
飛鳥「まっ――んんっ!?」
ありす「んっ、んくっ……んんっ、ちゅ……♡」
周子「さっき奏ちゃんみたいにって飛鳥ちゃんが言ってたから、結構激しい感じになっちゃてるねー」
奏「いくらなんでも私もあそこまではしないわよ……」
文香「……ありすちゃん、キス、上手なんですね……」ドキドキ
志希(……さっきの音がトリガー? いや、それならあの音を聞いた全員が影響を受けてるはずだし……うーん)
志希「考えても分からないことがあるんだねーちひろさん?」
ちひろ「ええ、世の中不思議なことばかりですね」ニコッ
飛鳥「んんっ……んうっ!? ――や、やめろ、も、もう良い! ありす、まて、止まってくれ! お願いだ!!」ゼーハー///
ありす「んっ、もういいんですか? そうですか、これで飛鳥さんが満足してくれたなら私も――」キィン
ありす「わたし、もうれし……い――……あぁああああ!? わ、私なんてことをっ!?」ジタバタ///
ボッ
フレデリカ「きゃ!? 飛鳥ちゃんの契約書が燃えてなくなっちゃった……!」
ちひろ「契約終了という判断になった契約書はその場で消滅するようにしていますから」
飛鳥「な、なんてことはこっちの台詞だ!? こ、こんな激しいキス……いや、そもそもボクは初めてだったんだぞ!?」
ありす「わ、私だってそうですよ!! 飛鳥さんがあんな変なことを言うから!」
飛鳥「し、仕方がなかったんだ! まさか本当にこんなことになるなんて想像も……あぁ///」
ありす「そ、そこで照れないでくださいよもう!! うぅ……///」
奏「二人共大丈夫よ、女の子同士ならファーストキスにはカウントしないって話だから」
ありす「そんなの……///」
飛鳥「フォローになってない……///」
文香「……すごかったですからね……」
ちひろ「さて、これで契約書が本物であると納得していただけましたか?」
飛鳥「……納得したよ……大変な目にあった……///」
ありす「私が、飛鳥さんと……うぅ……思い出しちゃだめ、思い出しちゃ……あぅ……///」
周子「うーん、でもこの様子じゃありすちゃんのストレス度下がるごろか上がってる気がするんだけど」
ちひろ「そうでもありませんよ。ちょっと待ってて下さい」ゴソゴソ ピッ
ちひろ「……はい、今計測器で調べた結果をモニターに表示しますね」ピピッ
志希「へぇー、ありすちゃんも飛鳥ちゃんもストレス度が『0』になってる。これは興味深いなー」
奏「二人共、気持ちよかったのかしら」
ありす「コメントしたくありません……///」
飛鳥「同じく……///」
ありす・飛鳥「「…………」」ジーッ
ありす・飛鳥「「……///」」プイッ
ちひろ「では改めて、この契約書を皆さんにお配りしたいと思います」
フレデリカ「本当に貰ってもいいのかなー? なんだかプロデューサーにバレたら怒られちゃいそう」
ちひろ「そんなことはありませんよ。そもそもプロデューサーさんにはバレないように――」
モバP「――わざわざ出張に行かせたんだからな」
全員「「「!?」」」
ちひろ「なっ、プロデューサーさん!? どこから!!」
モバP「ここだッ!」ヒュオッ
パリーンッ!
志希「うわっ!? キミ、窓を突き破ってくるなんて映画みたいなことしちゃう!?」
周子「……待って、ここってビルの13階だった気がするやけど」
モバP「細かいことはどうでもいい! ちひろさんなに考えている!? ありすはまだ12歳だぞ、それをそんな!」ズシンッズシンッ
ちひろ「いやしかしですね、これはアイドルの皆さんのためを思って……! というかもうイギリスから戻ってきたんですか!?」
モバP「嫌な予感がしてすぐに仕事は終わらせた! そしてこの契約書の件についてはアレほど駄目だ言ったはずだ! だというのに……!」
ありす「あ、あのプロデューサーさん、私、飛鳥さん以外にはまだなにもされないですからそんなに怒らないで……怖いです……」ビクビクッ
モバP「……すまないありす、俺が遅かったばかりに。ちひろさんにはよく言っておく」
ちひろ「むぅ……」
モバP「それとここにいる皆にお願いがある。この契約書の話は聞かなかったことにして欲しい」
志希「えぇー!? ……っと思ったけど、そうだよねー、冷静に考えたらありすちゃんが可哀想だもん」
文香(……ここまで聞いたらもったいない気もしますが……――私は一体なにを考えて……!?)
周子「んー、それはいいけどさー、プロデューサーさんはいいの? むしろこういう契約書使いたくなったりは……」
モバP「ならないな、『待てますか』と聞かれて『待てる』と答えた以上、ありすの気持ちを踏みにじることなど絶対にしない!」
フレデリカ「おおー」パチパチ
モバP「それにここにいる皆なら、わざわざ契約書を使わなくてもありすはほとんどのお願いを聞いてくれるはずだぞ、なんせ――」
ありす「プ、プロデューサーさん!? それ以上は言わないで下さい!!」カァァ///
モバP「おっとすまん。というわけで俺は今からちひろさんと話してくるから、あとは好きに過ごしてくれ。では行くぞちひろさん」
ちひろ「分かりましたよ……その前に窓を直させて下さい」パチンッ
カシャン
奏「割れた窓が勝手に直ったわ……どうなっているの……?」
ちひろ「むぅ、うまくいくと思ったんですがねぇ……まったくプロデューサーさんを出し抜くのは面倒ですよ」
モバP「ちひろさんはアイドル達を大事にしすぎて時々手段を選ばなさすぎる! だから――」
バタンッ
周子「……さて、とりあえずここであったことは皆綺麗さっぱり忘れるとしよっか!」
志希「はいはーい! 周子ちゃん、二人ほど忘れられない思い出が出来た子達がいるけどどうするのかにゃー!」
ありす・飛鳥「「……志希さん?」」
志希「……にゃ、にゃは、冗談だって……怖いから睨まないでー」
奏「まぁ、起きちゃったことはいずれ時間が解決してくれるわ。それに、今は二人っきりにさせてあげるのが得策ね」
フレデリカ「えっ!? むしろこういう時ってお互いちょっと離れたほうがいいんじゃないのかな?」
奏「まぁ、よっぽど二人の気持ちが整理出来てない場合はね、でも、ありすちゃんも飛鳥も、そうじゃないんでしょう?」ニコッ
ありす「そ、それは……」
飛鳥「……どこまで見透かしてるんだ奏さん?」
奏「どこまででしょう♪ まぁとりあえず、一旦私達も外に出るから、後は二人で話し合って頂戴。文香もそれでいいわね?」
文香「……奏さんが、そう言うのなら」
周子「よーし決まり! それじゃ、あたし達は下の喫茶店にいるから、落ち着いたらありすちゃん達もおいでよ」
フレデリカ「待ってるからねー☆」ヒラヒラ
バタンッ
ありす「……」
飛鳥「……」
ありす・飛鳥「「あの……!」」
ありす「……飛鳥さんからどうぞ」
飛鳥「……キミは……いや、ありす、さっきは本当に悪かった。ボクの不注意のせいで、その……」
ありす「……本当に驚きましたよ。まぁ、契約書が悪かったんですから、飛鳥さんが全部悪いわけじゃないです」
飛鳥「そう言ってもらえると助かるな」
ありす「それで……」
飛鳥「……なんだい?」
ありす「飛鳥さんは、どう思ったんですか? その、私との、ええと……///」
飛鳥「……奏さんがあんなに好きなのもよく分かった気がするよ。いや、それとも相手がありす、キミだったからなのかな……///」
ありす「っ……! あ、あの、変なことを聞きますけど! 私は、いずれプロデューサーさんとキスをしたいと思っています!」
飛鳥「やっぱりか」
ありす「で、ですけど、その時に下手だって思われたくなくて、だから、ええと、飛鳥さん!」
飛鳥「……いいよ、練習としてなら、いくらだって付き合ってあげるさ。それがありすの願いなら」
ありす「あっ……ありがとうございます!」
飛鳥「それでどうする? 早速1回練習してみるかい? ボクはいつだっていいけれど」ドキドキ
ありす「えっ!? え、ええと、えーと……それじゃあ――」
――1時間後、周子達と合流したありすと飛鳥の表情は、どこかお互い気恥ずかしそうで、それでいてとても
幸せそうであり、この日を境に二人の親愛度は急速に高まっていくのであった。
〈終〉
デレステのイベントコミュでありすちゃんと飛鳥くんの絡みがいろいろと良すぎたので
元々飛鳥くんの一コマで共演していて相性良さそうだなとは思っていたけど、あんなにお互い他の子とは違う感じで会話するなんて……
読んでくださった方ありがとうございました
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