スレタイ通りガルパンの武部沙織が秘密の彼氏とイチャイチャするだけの話です
先日最終回を迎えた作品とクロスする予定です
そのため独自解釈あります、ご了承下さい
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『秘密事』
ガチャ
沙織「ごめーん、待たせちゃった!?」
沙織「今日は久しぶりに会えるからご飯作ってあげる予定だったのに遅れちゃった!」
沙織「戦車道の練習が思ったより長引いちゃって……」
沙織「えっ私の身体からいい香りがする?」
沙織「うう、やっぱりそんなことまでわかっちゃうんだ……」
沙織「練習終わってからのお風呂、今日は念入りにしてきたんだ」
沙織「久々に貴方に会えるのに、第一印象が汗臭いじゃいやだったから……えっ?」
沙織「『そんなの自分は気にしない』?そりゃあ、貴方はそういう人だって知ってるけど」
沙織「女の子はすっごく気になるの!」
沙織「うん……でも、ありがと」
沙織「すぐに作るから、ちょっと待っててね」
沙織「えっ、『自分も何か手伝いたい』?」
沙織「『一人だけ待ってるのは心地良くないし、何より沙織に悪い』?」
沙織「うーん確かに一人で全部作るのは大変だけど、今日は休んでて大丈夫だよ」
沙織「えっ遠慮してるわけじゃないんだけど……」
沙織「この前お料理手伝ってもらったことあったじゃない?」
沙織「その時は食材切ってもらったけど……」
沙織「貴方、勢いつきすぎて食材どころかまな板まで両断しちゃったから……」
沙織「ああ!嫌なこと思い出したからって落ち込まないで!」
沙織「慣れないことすると、どう勢いつければいいかわからないのは誰でもあるから!」
沙織「私も慣れない戦車の車長したとき、よくわからなくて友達強く蹴りすぎちゃったことあるから!」
沙織「だからね、冗談でも貴方が落ち込んでるところは見たくないから……」
沙織「元気出して、ね?」
沙織「うん、じゃあ早くご飯食べて元気になろうね」
沙織「じゃーん、お待たせしました!」
沙織「今日のご飯は何でしょうか?」
沙織「正解は~男の人が大好きな、肉じゃがでーす!」
沙織「そうだよ、初めて貴方に作ってあげた料理」
沙織「お仕事で長く会えなかったから久しぶりに作ってあげようって、ずっと決めてたんだ」
沙織「会って間もなかったころのこと覚えてる?」
沙織「ずっと気になってた『本当に男は肉じゃがが大好物なのか』って疑問聞いて見たけど……」
沙織「その答えが『肉じゃがとは何だ?』だもんね」
沙織「しょうがないから実際に作って食べてもらったけど」
沙織「貴方ったら本当に美味しそうに全部食べちゃうんだもん」
沙織「友達に食べてもらうためにお料理するのも楽しかったけど、それとは別の嬉しさがあったな……」
沙織「何より、長年の疑問の答えも出たしね!」
沙織「ごちそうさまでした」
沙織「今日も美味しく食べてくれたみたいで満足満足♪」
沙織「実はね、今私学園艦のお料理クラブに入ってるんだ」
沙織「学園艦の料理好きが集まって、情報交換したり調理実習したり頑張ってるんだよ」
沙織「サンダースやアンツィオにプラウダ、黒森峰とかいろんな学校の人から勉強してるんだ」
沙織「今なら貴方からどんな注文されても作れる自信あるよ!」
沙織「え?『沙織が作ったものなら何でも大好きだ』って?」
沙織「や、やだもー!!いきなりそんな嬉しいこと言っちゃだめー!!」
沙織「そうだ、食休みに映画でも観ない?」
沙織「実はね、今日戦車道の後輩の娘からオススメだからってBD貸してもらったんだよね」
沙織「洋画みたいだけど世界的に大ヒットして、日本でもすごい人気らしいよ」
沙織「過激な描写でも話題になったらしいけど、ヒーロー映画だから貴方も楽しめると思うよ」
沙織「タイトル?ええっとねー確か……」ゴソゴソ
沙織「わかった、『デッドプール』だって」
デップー視聴中
沙織(確かに過激な内容だとは聞いてたわ……)
沙織(いきなり血が飛び散るアクションシーンなのは驚いたよ)
沙織(けど腐っても戦車道履修者、これくらいの荒事じゃ動じないわ)
沙織(でもね……)
沙織(○○○○シーンがいきなり始まるのは聞いてないよ桂里奈ちゃん!しかも結構長い!)
沙織(普段彼氏がいないなんて嘘ついてる私への当てつけなのー!?)
沙織(そして何より落ち着かないのは……)
沙織(彼がすごい熱心にこの映画に食いついてるってこと!!)
沙織(なんなの?普段落ち着いてる彼もやっぱり狼なのよーってこと!?)
沙織(あーもー、映画の内容入って来ないー!!)
デップー視聴後
沙織「す、すっごい面白い映画だったねー」
沙織(頭に内容入ってこなくて、こんな感想しか出ない……)
沙織「えっ『あの赤い覆面男の剣技は見てて面白い』?」
沙織「『思わず夢中になって見入ってしまった』?」
沙織「そ、そうだよねー!男の子ならそういうことに夢中になるよねー!!」
沙織(うう、なんか私一人だけ空回りしてるみたいで恥ずかしいー!!)
沙織「さてと、気を取り直して」
沙織「また耳掃除してあげるから、ここに寝て」
沙織「ほらー、恥ずかしがらないの!ほっといても自分じゃやらないんだから」
沙織「この前した時から随分経ってるんだから、ちゃんと見ないとだめだよー?」
沙織「はいはい、じゃあ私の膝におねんねしましょうねー」
沙織「うんうん、素直でよろしい。じゃあ始めるねー」
沙織(あっ…………)
沙織(首の所、傷が増えてる……)
沙織(この前掃除したときは、無かったのに……)
沙織(お仕事、やっぱり大変なんだね)
沙織(なのに、そんなこと微塵も顔に出さなくて)
沙織(私、本当にこれでいいのかな……)
沙織「え!?耳の中痛い!?」
沙織「ごめんなさい、ちょっと耳かき深く入れすぎちゃった!」
沙織(考え事で手元狂っちゃうなんて、私って……)
沙織「そろそろ帰らなくちゃだね」
沙織「え、寮までの帰り道一緒に行こうって?」
沙織「大丈夫だよ、学園艦だから怪しい人なんかいないし」
沙織「夜の闇には何が潜んでるかわからない?」
沙織「うーん、貴方がそう言うと説得力あるなー」
沙織「そうだね、せっかくだから一緒に行こうか」
夜の街道
沙織「やっぱりついて来てもらって良かったな」
沙織「同じ夜道でも貴方がいてくれるだけですごい安心出来るよ」
沙織「あっ空を見て、月が綺麗……」
沙織「貴方と初めてあったのも、こんな月が綺麗な夜道だったよね」
沙織「あの時貴方と出会わなかったら、私はいまここにいなかったんだよね」
沙織「そう思うと私って本当に幸運で幸せ者だなー」
沙織「今日も友達とおしゃべり出来て」
沙織「いつも通り学校に通えて」
沙織「みんなと戦車乗って」
沙織「大好きな貴方と一緒にいられて」
沙織「本当に本当に幸せで」
沙織「本当に、これでいいのかなって、思っちゃう……」
沙織「首に出来た傷、お仕事で付いたんだよね」
沙織「耳かき嫌がったのは恥ずかしいんじゃなくて、その傷を隠すためだったんだね」
沙織「それなのに私ってばそんなこと気づかずに舞い上がっちゃって……」
沙織「私に出来ることなんて、たまにご飯作ったり身の回りのお世話するくらいで」
沙織「貴方は命懸けでみんなのために戦ってるのに、それを助けることも出来ない……」
沙織「思えば私って普通の女の子だよね……」
沙織「あんこうチームの中だって、みぽりんみたいに戦車道の達人じゃないし……」
沙織「華みたいに美人で花を生ける心も技術もないし……」
沙織「ゆかりんみたいに戦車にも全然詳しくないし……」
沙織「麻子みたいに天才でも運動神経抜群でもない……」
沙織「本当に料理すきでおしゃべり好きな女の子……」
沙織「最近いつも考えちゃうんだ……」
沙織「私なんかよりもっと貴方にふさわしい人がいるんじゃないかなって……」
沙織「前はあんなに彼氏欲しいって思ってたのに……」
沙織「そのために一生懸命頑張ってきたはずなのに……」
沙織「今は全然、前向きに考えることができないよ……」
沙織「私って貴方と一緒にいていいのかな……?」
???『ふう、やれやれ』
魔導輪ザルバ『どうやらここは俺様の出番のようだな』
これは牙狼って奴かい?(視た事無いんです、すいません)
沙織「ザルバ……」
ザルバ『久々の男女二人の逢瀬、水を差しては不味いと黙ってはいたが……』
ザルバ『こうも関係に暗雲が漂っては口を出さずにはいられまい』
ザルバ『これも全部小僧が無口すぎるのが悪い』
ザルバ『口が堅いのは騎士にとって美徳だが、女を泣かせる場合は別だ』
ザルバ『だから沙織、嬢ちゃんが気に病むことは一つもないぞ』
ザルバ『嬢ちゃんには小僧があるホラーと戦ったときの話をしよう』
沙織「でも、それって普通の人には話しちゃいけないんじゃないの……?」
ザルバ『今回は特別だ、それに……』
沙織「それに?」
ザルバ『そのホラーは嬢ちゃんがいなかったら勝てなかったかもしれないんだからな』
沙織「それって、どういう……?」
ザルバ『詳しいことは言えんが、そのホラーの宿主は昔少し名を馳せた女優でな』
ザルバ『元々可愛らしい笑顔で銀幕を賑わしていたらしい』
ザルバ『しかし撮影の帰り道に熱狂的なファンに襲われてな』
ザルバ『その時の怪我で顔に怪我を負ってしまい、もう二度と映画には出られなくなってしまった』
ザルバ『怪我で人前に出ることも出来ず、ただ老いるのを待つ身でしかなかったところをホラーに憑依されたらしい』
沙織「そんな、可哀想……」
ザルバ『そのホラーには厄介な能力があってな』
ザルバ『相手の記憶を読み取って、その者の大切な存在の姿を皮として被ることが出来るってものだ』
ザルバ『その力は性別も関係なく、生きてる者や死んだものにも変身出来てな』
ザルバ『更には思考や性格までも再現出来るという、まさに役者の業が形になったかのような能力だった』
ザルバ『その能力を使って人々を誘惑しては貪り食っていてな』
ザルバ『その力は討伐に来た騎士を逆に返り討ちにしてしまうほどだった』
沙織「…………」
ザルバ『その状況を見かねて遂に黄金騎士である小僧に声がかかったわけだ』
ザルバ『ちょうど嬢ちゃんが廃艦を賭けて大学選抜とやらと試合をしてた頃だな』
沙織「 ! 」
沙織「だからあの時連絡しても会えなかったんだ……」
ザルバ『悪いな、嬢ちゃんが頑張ってるときに小僧も俺様も力になれなくて』
沙織「ううん、貴方達がみんなのために戦うのは当たり前だから」
沙織「それより、そのホラーはどうなったの?」
ザルバ『ああ、俺様達はホラーの居所を突き止めて捕まっていた人間達を開放したんだ』
ザルバ『そしてホラーと戦闘になり、小僧は終始押していたんだがな』
ザルバ『一瞬の隙を突かれてホラーに能力を使われてしまったんだ』
ザルバ『その時ホラーが擬態したのが……』
沙織「まさか……」
ザルバ『そう、嬢ちゃんだ』
沙織「…………」
ザルバ『嬢ちゃん、どうした?」
沙織「私、やっぱり貴方の役に立ってない……」
沙織「大切な戦いの時なのに、私と付き合ってることが足を引っ張ってることにしかなってない……」
ザルバ『嬢ちゃん……』
沙織「でも大丈夫だから!貴方がここにいるってことは、私に変身したホラーはもう倒しちゃったってことでしょ?」
沙織「貴方はちゃんと私の姿をしたホラーを倒してきたってことなんだから……!」
沙織「だから大丈夫!だいじょ……う……ぶ…………」
沙織「うっうっううう……」
ザルバ『嬢ちゃん……』
ザルバ『小僧はな、嬢ちゃんの姿をしたホラーを』
ザルバ『斬らなかったんだ』
沙織「えっ……」
ザルバ『それどころか剣を鞘に収めて完全に無褒美になっちまった』
ザルバ『当然ホラーはその隙を見逃すはずがなく、小僧は一方的に嬲られ続けたさ』
沙織「そんな……どうして!!」
ザルバ『俺も当然反撃するように言ったがな、小僧は一点張りでこう言ったよ』
ザルバ『『例え本物じゃないと分かっていても、沙織を斬ることは出来ない』ってな』
ザルバ『『沙織がいたから俺はただの魔戒騎士から守りしものになれた』』
ザルバ『『沙織という太陽がいるから、俺は影でいられる……』』
ザルバ『『その太陽を傷つけたら、俺は俺でいられなくなるかもしれない……!』』
ザルバ『『例え斬ったのが本物じゃないとしても、俺はあいつのそばにいる資格があると思えない!』』
ザルバ『小僧にとってはな、嬢ちゃんはそこまでの存在だったんだよ』
沙織「……それじゃ」
沙織「それじゃ、どうやってそのホラーを倒したの?」
ザルバ『それなんだがな……』
ザルバ?『逆に聞くが嬢ちゃん』
ザルバ?『俺様がいつ自分がザルバだって名乗った?』
沙織「……え?」
ザルバ?『おいおい、ちゃんと言っただろ?』
ザルバ?『そのホラーは生死を問わず、思考や性格までコピー出来るってな』
沙織「……は?」
ザルバ?『俺様は更に言ったぜ』
ザルバ?『そのホラーは、嬢ちゃんがいなかったら、勝てなかっただろう、ともな……!』
沙織「あ……ああ……!」
ザルバ?『雑魚の魔戒騎士と違って美味かったぜ、黄金騎士様はよ……!」
沙織「い、いや……」
ザルバ?『だがな、残念なことが2つある』
ザルバ?『黄金騎士の最期の姿を見せられないってことと……」
ザルバ?『そして、黄金騎士に嬢ちゃんの断末魔の声を聞かせられねえってことがな!』
沙織「いやー!!!!!!」
ビシッ!!
ザルバ『あ痛!!』
沙織「え?」
ザルバ『なんだよ小僧、嬢ちゃんをちょっとビックリさせてみただけじゃないか』
沙織「はい!?」
ザルバ『あまりに嬢ちゃんが真剣に興味深々なもんだから、少し悪戯心が疼いただけで……』
沙織「…………」
キュッキュッ
ザルバ『おい小僧、何をする!!』
キュッキュッキュッキュッ
ザルバ『指輪の表面を指で擦るな!!』
キュッキュッキュッキュッキュッキュッ
ザルバ『摩擦熱で表面の温度が上ガガガガガガ!!!!』
沙織「……ダメだよ」
ザルバ『おう沙織、助けてくれ!!」
沙織「私も、する!!」
ザルバ『嬢ちゃん!!?』
キュッキュッキュッキュッキュッキュッ
ザルバ『熱い熱い熱い熱い熱い熱い!!!!!!』
キュッキュッキュッキュッキュッキュッキュッキュッ
ザルバ『あれ、これって初めての二人の共同作業ってやつになるんじゃないかな?(現実逃避)』
キュッキュッキュッキュッキュッキュッキュッキュッキュッキュッキュッキュッ
ザルバ『すいませんごめんなさい二度としません許してください何でもしますから』
沙織「ちゃん反省した?」
ザルバ『はい、申し訳ございませんでした……』
沙織「うん、よろしい」
ザルバ『さて、随分話が脱線してしまったな』
沙織「脱線させたのザルバじゃん」
ザルバ『ホラーの能力は容姿だけでなく性格や思考もコピーすると言ったよな?』
ザルバ『更にヤツは人間や騎士を襲ってかなり力をつけたホラーだ』
ザルバ『その能力はまさに本人を再現してると言っても過言ではない』
ザルバ『つまり嬢ちゃんの姿をしたヤツはホラーとしての人格と嬢ちゃんの人格を併せ持ってると言っていい』
ザルバ『そこで小僧は、嬢ちゃんだけに効く攻撃を始めたのさ』
沙織「私だけに、効く攻撃?』
ザルバ『つまり』
ザルバ『嬢ちゃんへの想いを、ぶちまけたのさ』
ザルバ『まず手始めに『沙織好きだー!!』』
沙織「い、いきなり直球!?」
ザルバ『『あいつの笑顔見るだけで、ホラーに受けた傷なんて吹っ飛ぶ!!』』
沙織「そんな風に思ってくれてたんだ……!」
ザルバ『『本当はもっといつも近くにいたいぞ!』』
沙織「私だってそうだよ!」
ザルバ『『戦車道を頑張ってる沙織が好きだ!』』
沙織「私もいつだって貴方に頑張ってって思ってる!」
ザルバ『『でもいつも戦車で怪我しないか心配なんだー!』』
沙織「私だってそうだよー!」
ザルバ『『今だって大変な思いをしてる沙織のもとに駆けつけたい!』』
沙織「私だって会いたいの我慢して大変だったんだから!」
ザルバ『『こんなときに番犬所は仕事入れやがって!!』』
沙織「じょ、上司への愚痴に」なっちゃった!?」
ザルバ『『元老院付きの騎士になったら沙織との時間減ってしまうだろうが!!』』
沙織「出世コース蹴っちゃった!?」
ザルバ『『魔戒騎士の掟が無かったら、文科省に殴り込み出来るのに!!』』
沙織「魔戒騎士じゃなくてもダメだよーーー!!!」
ザルバ『『ルールで認められるなら大洗の制服来て轟天駆って試合会場に駆けつけたい!!』』
沙織「ルールが大丈夫でも大丈夫じゃないからソレーーー!!!」
ザルバ『これ以外にもあと78くらいあるけど、全部聞くか?』
沙織「も、もう十分想ってくれてるのはわかったから、次の話して!?」
ザルバ『ホラーも小僧の告白を聞いて今の嬢ちゃんみたいに身動きが取れなくなってな』
ザルバ『思わず嬢ちゃんの皮を脱ぎ捨ててホラーの体に戻ってしまった』
ザルバ『まあその後は鎧召喚してズバーって流れだな』
沙織「そこ、ザックリ流しちゃうんだ……」
ザルバ『まあ、魔戒騎士の戦いって大体はそんな感じだしな』
ザルバ『だがな、ホラーも最後に意地を見せてきた』
ザルバ『命事切れる瞬間、再び嬢ちゃんの姿に変わったホラーは決死の覚悟で小僧に語りかけた』
ザルバ『『姿形、人格まで再現出来る私なら、その女となんら変わらないはずだ!!』』
ザルバ『『私はお前に全てを尽くす!!だからその愛を少しでも私に分けてくれ!!』とな』
ザルバ『それは決して芝居なんかじゃない、魂の叫びだった」
沙織「…………」
ザルバ『だがな、小僧は首を縦に振らなかった』
ザルバ『小僧は言った、『お前の能力は完璧だが、あいつから模倣出来ないものがあった』とな』
沙織「それって……?」
ザルバ『『あいつの優しさと、笑顔だ』、そう小僧は答えた』
沙織「 ! 」
ザルバ『それを聞いたホラーは元の人間の姿に戻った後、消滅していったよ』
ザルバ『その表情は悔しそうにしていたが、俺様には笑ってるようにも見えたな』
ザルバ『とまあ、これで俺の話は終わりなんだが……』
沙織「ごめんなさい!」
ザルバ『うお!?』
沙織「あなたがそんなにも私のことを想ってくれてるなんてし知らなかった!」
沙織「私だけじゃなくて貴方も苦しかったってやっとわかった!」
沙織「それなのに自分だけが必要とされてないなんて勝手に思い込んでた……」
沙織「そんな私に貴方は失望しちゃったかもしれない……」
沙織「でも私は……!」
ギュッ
沙織「あっ!」
沙織「うん、私も貴方に会えて良かった……」
沙織「今はまだみんなに貴方のこと言えないけど……」
沙織「いつかちゃんと彼氏と彼女って言えるようになったら」
沙織「みんなに最高の彼氏だって自慢してやるんだから!」
沙織「だからね」
沙織「私も、大好きだよ……」
ザルバ『うむ』
ザルバ『これは、ワム!だな』
沙織「あ、でも」
沙織「魔戒騎士のお仕事はちゃんとしないとだめだよ!」
沙織「いくら私のことが心配でも、自分のことを疎かにしたらダメなんだから!」
沙織「見てるのが心配だからって、戦車道のことは自分できちんと出来るんだからね!」
沙織「番犬所さんや元老院さんからのお仕事だってめんどくさいなんて思っちゃいけないよ!」
ザルバ『ははっ、こりゃあ釘を刺されちまったな小僧!』
沙織「それに今度からは私の偽物が出てもちゃんと戦うこと!」
沙織「そのせいで貴方が怪我するのは嫌だし……」
沙織「偽物の私を斬ったからって、私は貴方のことをキライにならないよ」
沙織「それに……」
沙織「貴方は太陽に光を受けるだけの影じゃないよ」
沙織「貴方が」
沙織「貴方だけが、みんなから闇を照らし出すことが出来る光なんだから」
沙織「あっ、もうこんな時間!」
沙織「早く帰らないと寮の門限切れちゃう!」
ザルバ『随分話に付き合わせてしまったな、急がないと』
沙織「そうだ、ザルバ」
ザルバ『なんだ嬢ちゃん?』
沙織「今日はいろんな話を聞かせてくれてありがとう!」
沙織「これはそのお礼!」
チュッ
ザルバ『おお!これは大きすぎる褒美をもらってしまったなって……」
ジャキン!!!
沙織「えー!!?ま、魔戒剣なんて抜いてどうしたの!?」
ザルバ『やれやれ、嫉妬から魔導輪に剣を突きつけるとは……』
ザルバ『これだから、お前はまだまだ小僧なんだ』
寮前
沙織「ここまで送ってくれてありがとう」
沙織「それじゃあ二人共、また次に会える日にね」
ザルバ『ああ、そうだ沙織』
沙織「なあに?」
ザルバ『小僧と一緒に見てた映画、デッドプールって言ったか』
ザルバ『あれはとても面白かった、今度会うときはまた見せてくれ』
沙織「えーーー…………」
ザルバ『さて、嬢ちゃんは無事に送り届けたことだし』
ザルバ『ここからは魔戒騎士の時間だぜ、小僧』
大洗女学園校庭
ザルバ『さて、ここが指定された場所だな』
ザルバ『小僧、指令書を燃やしてくれ』
シュボッ、フワワワワ-ン
『やー黄金騎士ちゃん、御足労済まないねー』
『実はある腕の立つ法師の計算でね、この艦にホラーが現れるって出ちゃったんだよねー』
『まあちょっと強いくらいのホラーらしいからさ、彼女に会うついでにパパッと退治してくんないかな?」
『じゃあ後はお願いねー』
シュン……
ザルバ『…………』
ザルバ『いつ読んでもチャラチャラした指令書だな……』
ザルバ『まあ小僧はまだ未熟だが、腕は確かだからな』
ザルバ『ちょっと強いくらいのホラーなら、パパッと倒して……』
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
ザルバ『ってなんだ、この強烈な気配は……!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!
ガッシャーーーーーーン!!!!!!
ザルバ『な、夜空の空間に穴が!!』
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!!
ザルバ『おいおいなんだ、この穴の奥から感じるホラーの気配は!!」
ザルバ『こいつは、ちょっと強いくらいなんて表現じゃねえ!!」
ザルバ『これは伝説級の災厄クラスのホラーじゃねえか!?』
ザルバ『こんなもんほっといたら、この艦どころか世界中が闇に包まれちまう!!』
ザルバ『チクショー、神官の嬢ちゃん三味線引いてやがったな!?』
ザルバ『廃艦が撤回されたからって調子乗ってやがるな!?』
ザルバ『こんな性格してるから他の二人と違って背も小さけりゃおっぱいもないんだ!!』
ザルバ『小僧!!ここは出し惜しみせずに、本気で行け!!』
ヒュンッ!!ジャキンッ!!!!
ザルバ『絶対に死ぬんじゃないぞ、小僧!!』
黄金騎士ガロ「ああ、わかってる!!」
黄金騎士ガロ「絶対にこの艦は、この世界は守ってみせる!!」
黄金騎士ガロ「みんなが、俺の太陽が」
黄金騎士ガロ「安心して朝を迎えられる夜を守るために!!!!」
次の日の朝・通学路
沙織「それでね!彼は言ってくれたのよ!『お前のことは絶対に守る』って!!」
みほ「へー(棒読み)」
優花里「ほー(無関心)」
麻子「ぐー(寝ながら歩いてる)」
花「みなさん、あそこのコンビニで何か買って食べません?(朝ごはん5人分食べてきた)」
みほ「まさか沙織さんのエア彼氏話にファンタジー要素が出てくるなんて……」
麻子「長い幼馴染生活でもこれは初めての傾向だ」
優花里「でも武部殿の話、変に臨場感と迫力があって……」
華「なんだか、妙に説得力があるんですよねー……」
みほ「それにしても、なんで沙織さんって彼氏いないんだろう?」
みほ「あんなにかわいくて、努力もしてるのに……」
優花里「武部殿に彼氏がいないのは、大洗七不思議の一つですからねー」
みほ「え!?七不思議ってそんな俗っぽい内容なの!?」
優花里「他にも……」
・西住みほはなぜあんなにボコ狂いなのか
・五十鈴華の胃袋はブラックホールなのか
・秋山優花里はなぜあんなにもじゃもじゃヘアなのか
・冷泉麻子はなぜあんなにも朝弱いのか
・生徒会長はなぜあんなにお子様ボディなのか
優花里「といったものがあります」
華「見事に不思議関係ない俗な内容ですね」
麻子「というか半分以上あんこうチームが占めてるが、いいのかコレ……」
みほ「ちょっと一番上の話してた人教えてくれない?」
みほ「ところで、やっぱり七不思議の7番目って誰も知らないの?」
優花里「これにはいろいろな噂があるんですが……」
優花里「最近有力なのが……」
沙織「あーーーん、早く彼氏欲しーーーい!!」
眼鏡の老人「七不思議の7番目、それは……」
眼鏡の老人「『大洗の夜に舞う黄金の狼は何者なのか』……」
眼鏡の老人「この噂の真偽を知るものは誰なのか?」
眼鏡の老人「それは意外と彼女達の近くで惚気話を披露する、幸せそうな女の子なのかもしれません」
趣のある洋館
眼鏡の老人「青年と少女はまだ恋をしてはいけない宿命」
眼鏡の老人「しかし二人が誰しもが認める間柄になったとき」
眼鏡の老人「その出会いはどんな陰我にも負けない、輝かしい絆となることでしょう」
眼鏡の老人「おや、どうやらお前は誰だという方が何人かおられるようですね?」
眼鏡の老人「私は……」
眼鏡の老人「いえ、やめておきましょう」
眼鏡の老人「もしあなたが黄金の狼の話を追い続けてくれるなら、私とはまたすぐに会うことになるでしょう」
眼鏡の老人「私のことは、その時までのあなたとの秘密事、ということにしましょう」
眼鏡の老人「これもまた、一つの出会いなのでしょうから……」
以上で終わりになります。
魔戒烈伝がすごい面白かったのと、ガルパン世界が平和なのは誰か影で邪悪から守っている人が居るのでは?
そう思ったことを衝動的に話にしてみました。
劇中の黄金騎士は鋼牙でも雷牙でも大牙でも流牙でもレオンでも雷吼でもゴウキでもない、ガルパン世界にいるかもしれないと妄想した騎士です
映像作品の黄金騎士は2枚目のクールガイなので、初めての方は安心して各シリーズをご視聴ください
自分の駄設定や妄想を拝見してくださった方々に大変感謝いたします
本当にありがとうございました
劇中でさおりん自分のこと普通とか言ってたけど、黄金騎士の彼氏いる時点で一番普通じゃねえな、と思ったのは秘密
沙織(ソウルメタルは魔戒騎士にしか使えないけど)
沙織(魔戒剣を戦車の上に乗せても走行出来る……)
沙織(ってことは戦車にも魔戒騎士になる資格があるってこと?)
本当に終わり
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