加賀(提督が泣いている……) (27)
加賀(夏の夕暮れ、誰もいない建造ドックの片隅で)
加賀(いつも凛々しい提督が、子どものように泣いている)
加賀(…………)
加賀(……何があったのかしら?)
加賀(もう少し、近づいて……)
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提督「ううっ、ぐすっ、ひっく」メソメソ
提督「欲しいよう、欲しいよう……」メソメソ
加賀(……欲しい?)
加賀(何が……?)
提督「レーベとマックスに、『ダンケシェーン』って言われながら」グスグス
提督「私の顔に、ちっちゃなお尻をこすりつけて欲しいよう!」ウエーン!
加賀「」
提督「あのプリケツに、顔をもみくちゃにされたいんだよぅ……」メソメソ
加賀(…………)
加賀「何を泣いているのかと思えば……」
提督「だ、誰だっ!?」
加賀「私よ」スッ
提督「加賀っ!」
提督「い、いつからそこにいたんだ!?」
提督「もしや、聞いていたのか?」
加賀「ええ」
加賀「全部、聞かせてもらったわ」
提督「なんだと……!?」
提督「なら、鳳翔さんと新婚ごっこをしたり」
提督「雷ママと授乳ごっこをしたり」
提督「潮のマゾ気質を開花させたり」
提督「逆に、香取や鹿島に、マゾ豚として躾けてもらったりという」
提督「そんな暗い欲望を、すべて聞かれていたというのかぁー!」ウワァァァ!
加賀(九割方、初耳だったわ)
提督「くっ、いいだろう、笑わば笑え!」
提督「そして、憲兵に突き出すなりなんなりするがいい!」
提督「私も帝国軍人だ! それぐらいの潔さは持ち合わせている!!」キリッ!
加賀「……」
提督「……」
加賀「はぁ」
提督「っ!」ビクッ!
加賀「心配しなくても、そんなことはしないわ」
加賀「今日のことは、見なかったし、聞かなかったことにしてあげる」
提督「ほ、本当か?」
加賀「ええ。こんなことで、前線指揮官を失うわけにはいかないでしょ」
提督「そ、そうか……」ヘナヘナ
提督「恩に着る……」ガクッ
加賀「ただ、聞かせてもらえるかしら?」
加賀「あの願望、決して不可能ではなかったわ」
加賀「相手はどれもケッコン相手」
加賀「望めば叶うものもあったはずよ」
加賀「それなのに、なぜ、そうしないの?」
提督「それは……」
提督「いくらケッコンをしていて」
提督「深い絆を結んでいるとはいえ」
提督「戦時中は、カッコカリなんだ」
提督「私からその制限を越え、羽目を外すことは許されない」
提督「ましてや、私は責任ある立場」
提督「周囲に知れ渡るような乱行は、ご法度だろう」
加賀「なるほど」
加賀「だからこうして、王様の耳はロバの耳のように」
加賀「人知れず、内に秘めたものを吐き出していたわけね」
提督「ああ、そうだ」
提督「そうしなければ、過ちを犯してしまいそうだったからな……」フッ
提督「すまないな、このような上官で」
提督「だが、作戦立案、指揮だけはきちんとこなそう」
提督「だから、これだけは、この場所だけは、そっとしておいてくれ……」
加賀「……」
加賀「……いいえ」
加賀「よくないわ」
提督「なにっ!?」
加賀「そのような誤魔化しで、本当に欲求は解消するの?」
加賀「私には、そうは思えないわね」
提督「しかし……!」
加賀「ええ、分かっているわ」
加賀「みんなに知られたらよくないこと……」
加賀「なら、ここですればいいのよ」
提督「っ!?」
加賀「今まで通り、こっそりとしていたことを」
加賀「ここで実際にすればいいの」
加賀「相手は私が務めるわ」
加賀「これも秘書艦の務め、上官の精神安定に」
加賀「一肌、脱がせていただきます」キリッ
提督「加賀……!」
提督「い、いいのか?」
提督「本当に、いいのか……?」
提督「聞いての通り、私の欲望は、とんでもないものばかりだぞ?」
加賀「ええ。構わないわ」
加賀「早速、指示を出してもらえるかしら?」
提督「加賀ぁ……!」キラキラ
提督「で、では、私がこうして横になるから!」スッ
提督「加賀は、私の顔にお尻を落としてくれないか?」ハァハァ
加賀「お尻を?」
加賀「こうかしら?」ストン
提督「はぁぁあっ、ああっ!」
提督「もっと! もっと強く!!」
加賀「こう?」グリグリ
提督「ンンンンンンンンン!!!!」
提督「そう! そうだ!」
提督「すごいぞ、加賀! 素晴らしいぞ、加賀!」
提督「さすが、一航戦だぁぁぁ!!」
加賀「上々ね」
提督「でも、でも、まだ足りない!」
提督「分かるか、加賀!? 決め台詞だ!」
提督「さっき聞いていただろう!? それを言うんだ?」
加賀「決め台詞?」
提督「そう! 尻で私をこねくりまわしながらぁぁぁ!!」
加賀「確か……」
加賀「……そう」
加賀「ダンケシェーン」グリグリッ
提督「ビッテシェェェェェェンンンン(どういたしまして)!!!!」ビクンビクン
提督「ようし、調子が出てきたぞ!」
提督「さ、さあ、次は新婚プレイだ!」
提督「ご飯の前にお風呂だからな!?」
加賀「ええ」
加賀「望むところです」
ワハハハハ……
ハハハ……
……
赤城(……)
赤城(す、すごいものを見てしまいました)コソッ
この日から、しばらくの間。
提督と加賀は活き活きとするようになり、
そして赤城は、ぎぐしゃぐとおかしな様子を見せるようになるが、
それはまた、別のお話。
~完~
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