提督「長波が見せつけてきて落ち着けない」 (109)


長波「艦隊、帰投したぞー」ガチャ

提督「ご苦労さ――」

提督(こいつ……前を一切隠さないだと!?)

長波「いやー、楽な海域だと思って油断したらやられちゃったよ。あ、これ報告書だ」

提督「あ、ああ。ありがとう」

提督(俺はこんなに動揺してるのに、何で長波は平然と報告書を渡せるんだ。俺のことを男として見てないのか、自分が女だという自覚が余り無いのか、どっちだ?)



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長波「提督、聞いてくれよー。さっき戦闘中にさー」

提督「あ、ああ」

提督(机に手をついて身を乗り出すだと? まるでじっくり見てくれと言わんばかりじゃないか。でもこんな近くで見ていたら視線でバレるから我慢我慢……)


長波「――って事があってな」

提督「ほ、ほうほう」

提督(胸が気になって話が頭に入ってこない! 男の性でどうしても胸に視線が……いや駄目だ、ここは長波の目を見てしっかり会話を……)

長波「……提督、ちゃんと話聞いてるか?」

提督「あ、ああ! 勿論!」

長波「ならいいけどさ……で、続きだけど……」

提督(まだ続くのかよ! 話が長い所は女らしいけど目の毒なんだよ!)


長波「――ってことがあったんだよ。酷いと思わないか?」

提督「あ、ああ。確かにそれは酷いと思うな」

長波「おっ、提督は分かってくれるのか。良かったー」

提督(よく分からなかったからはいって言っちゃったけど、もう長波のせいにしとこう。てかいい加減俺も言ってやるか)


提督「なあ、話は後でまた聞くから入渠してきたらどうだ?」

長波「あっ、そう言えば中破してたんだったっけ」

提督(忘れてたのかよ! もしかして長波って天然入ってるのか?)

長波「じゃ、また後で来るから執務頑張れよ」

提督「ああ、言われなくても終わらせておく」

提督(よし、これで生殺し状態から解放される……)


長波「……あ、そうだ」

提督「?」

長波「提督さ、あたしが夢中になって話している間……胸をチラチラ見てたろ?」

提督(バレてると思ったよ、畜生!)

提督「す、スマン! つい……」

長波「ま、別にいいけどさ」ガチャ

提督「へ、今なんて言った?」

バタン

提督「……どういうことなの?」

――――――


書き溜め無くなったから急いで書いてくる
ついでにこれでも置いとく

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深夜テンションだから落ち着かせようと葬式ソング聞いても効果無し
投下


別な日


提督(前の事が気になったから駆逐艦には少し厳しい海域に出撃させてみたが……そう言えばあいつ、あんなもの持ってるくせに駆逐艦だったな)

長波「艦隊、帰投したぞー」ガチャ

提督「ご苦労。また中破したのか」

長波「ははは、主力艦隊の空母に爆撃されてさ……勝てたから問題はないだろ?」

提督「まあ、誰も轟沈して無ければ問題ないぞ」


提督(相変わらず、胸を隠そうとしないな。よし、今日は殴られる覚悟で見続けてみよう)ジーッ

長波「轟沈に関しては、提督の指示もしっかりしてるからまずありえないけどな。あ、これ報告書」

提督「ありがとう。疲れただろうから、ドックに行って入渠してくるといい」

長波「……」

提督(あれ、反応がない。ガン見してるのに特に嫌な顔してないし、何故かその場から動かないし……マジで見られても平気なのか?)


提督(仕方ない、もう少しじっくり見させてもらうとしよう。それにしても、駆逐艦だというのにでかすぎだろ)

提督(浜風といい、浦風といい、潮といい駆逐艦の発育には色々と謎が多い。あ、最近だと村雨も成長していた気がするな。実にけしからん)

提督(出撃したからか鎖骨から胸にかけて汗が滲んでいるな。何というか……目の毒だ。でも相手は駆逐艦だ、絶対に手を出してはいけない)

提督(そうだ、夕雲型は駆逐艦なんだ。自分に言い聞かせて手を出さないように徹底せねば)

提督(夕雲型は駆逐艦夕雲型は駆逐艦夕雲型は駆逐艦夕雲型は駆逐艦夕雲型はご……駆逐艦)


長波「……あのさ」

提督「は、はいいい!?」

提督(やばい、動揺しすぎた)

長波「そ、そんなに驚くなよ……ところで一つ聞いてもいいか?」

提督「な、何だ?」


長波「提督はさ、大きい胸が好きなのか?」

提督(ええっ!? ここでそれ聞いちゃうの!?)

提督(こ、ここはどうする……素直に答えたほうがいいのか?)

長波「……」モジモジ

提督(頬を赤くしながらじっと待ってるだと……いつもの勝ち気、男勝りなイメージの長波からは大きく外れて、か、かわいい)


提督「……胸で判断するのは失礼だと思ってはいるが、大きい方が好きではあるな」

提督(ど、どうだ?)

長波「そうか……答えてくれてありがとな、提督」

提督「ど、どういたしまして……」

長波「……」

提督「……」


提督(急に居心地が悪くなったな……そろそろ長波には退場してもらうか)

提督「そ、そろそろ入渠してきた方がいいと思うぞ」

長波「そ、そうだな。行ってくる!」ガチャ バタン

提督「……ふう」

提督(少なくとも、俺のことを男として見ていないわけでは無さそうだな。その割に見せつけやがって……次また見せつけられたらそろそろヤバイかもしれないぞ)

――――――

また書き溜めてくる

再現は鉄格子が無くて無理

寝る
残りは日曜になる前に多分投下出来る


また別な日


提督(また出来心で長波をかなり難度の高い海域に同行させてしまった……今回ばかりは大破して即、ドック送りになりそうだけど)

長波「艦隊、帰投したぞー」ガチャ

提督「ご苦労」

提督(中破で踏みとどまったか……流石夕雲型で屈指の武勲艦だ)


長波「はい、報告書」

提督「ありがとう。さ、早く入渠してくるといい」

長波「……」

提督「どうした、何か報告忘れか?」

長波「いや、その……早く帰っちゃうと提督が胸をじっくり見れないだろうから、少しこのまま待機してようかなって」

提督(照れくさそうにしながらそんな事を言うなんて……健気だけど、健気だけど……見るだけに留めないとしょっぴかれる!)


長波「……」モジモジ

提督(何で今日こんなに恥じらってるの!? この前あんなこと言った俺のせいなの!?)

提督(落ち着け……夕雲型は駆逐艦夕雲型は駆逐艦夕雲型は駆逐艦夕雲型は駆逐艦夕雲型はくち合法夕雲型は合法夕雲型は合法夕雲型は合法)

提督「ああもう、こんな状況で落ち着いてられるか! 長波!」ガバッ

長波「て、提督!?」ビクッ


ガチャ

憲兵「ドーモ、テイトク=サン。ケンペイデス」

提督「アイエエエエ! ケンペイ!? ケンペイナンデ!?」

ドクボウヘレンコウスル

チガウンデス、コレニハワケガ

長波「び、びっくりした。まさかいきなり襲ってくるなんて……」

長波(もし、止められてなかったらあたしはどうなってたんだろう)

――――
――


また書き溜めてくる


提督「ひどい目に遭った……ん?」

長波「よっ、提督。釈放されたのか」

提督(良かった、ちゃんと服を着直してた)

提督「ああ……一度目だったからか全力で謝ったら厳重注意で許してもらえた」

長波「今まで真面目にやってたおかげだな」

提督「ああ……でも次また目撃したら今度は独房行きと言われたけど」


長波「中々厳しいな……なあ、提督」

提督「なんだ?」

長波「あのさ……さっきの事についてだけど」

提督「あ、ああ」


長波「その、提督は少なからずあたしに対してそう言う感情を持っていたって事でいいんだよな?」

提督(え、ええ!? てっきり失望されてケダモノとか言われて二度と触るなとか言うと思ってたから予想外なんだけど!)

提督「え、えーっとだな」

提督(どうする……正直なところ、胸を自分から見せつけてきて、俺の理性が負けたせいで襲ったんだよな。だから長波に対してそういう気持ちがあったわけでは……いや待て)

提督(俺が胸をガン見しても今までそこまで気にしないどころか、わざわざ見せてくれたのは長波だけだ。つまり長波の寛大な心に惹かれていたと言っても過言ではない……多分)


提督「正直なところ、長波が思っているものとは違うかもしれないし、合っているかもしれない」

長波「えっ、どういう事だ?」

提督「さっき手を出してしまった事については、ぶっちゃけると胸をじっくり見ていいと言われて理性が負けたからだ。つまり、あの時の俺は長波よりも胸の方に意識が向いていた」

長波「……」

提督「でもな、こんな俺がじーっと胸ばっか見ても殴ったり軽蔑したりするどころか許してくれるというお前の器の広さに俺は無意識に惹かれていた可能性はある」


長波「……あたしって、そんな事をするイメージがあるのか?」

提督「ある」

長波「即答かよ! まったく……」

提督(どうやら俺の中のイメージ像が不満だったらしい。でも初見でここまで寛大な人だなんて思うほうが少数だと思うが)


長波「まあ、怒る気は無いけどさ……提督が無事なのも確認したし、あたしは部屋に戻るよ」

提督「ああ、分かった」

長波「じゃ、また明日な」テクテク

提督「ああ、また明日」

提督(何というか、この鎮守府に勤めてここまで長波の事を深く知れるとは思わなかったな。いや、そんなに深くもないのか?)


長波「……」ピタッ クルッ

提督(おや、まだ何か用でもあるのか?)

長波「言い忘れてたけどさ、さっきのあれは驚きこそしたけど――」カァァ

提督「さっきのあれって、襲――」

長波「いや、やっぱ何でもない。じゃあな!」タッタッタ

提督「えっ!? な、長波!」

提督「あの反応、まさか……」

――――――

深夜テンションで書いた物をいつものテンションで続き書くのは難しいね
今日中に終わらない事が確定したから風呂にでも入ってから書き溜めてくる

http://mmoloda-kancolle.x0.com/image/219404.png

艦これ改買ったけどSS書いてたほうが楽しいのは何故だろうな
投下


提督(この日を境に――)


提督「おはよう、長波」

長波「お、おはよう。提督」

提督「ところでこの前の事だけど――」

長波「あ、そう言えば艤装の整備しなくちゃいけないんだった。ごめん、ちょっと行ってくる!」ダッ

提督「ちょ、長波ー!?」


提督(何故か長波は――)


提督「長波ー」

長波「……」ダッ

提督「ええっ!?」


提督「おかしいなー、ここら辺に逃げたと思うんだけど」キョロキョロ

長波「……」


提督(俺とまともに話してくれなくなった)

――――――


提督(……やっぱあの日襲ったのがいけなかったのか? あんなに避けようとするなんてそうとしか考えられない)

提督(でも、それなら襲われた時点でもっと取り乱してもおかしくないし、あの日言いそびれた言葉も何だか気になるし……)

提督(だから確認したいけど、見つかった時は姉妹の誰かと居て聞きづらいし、一人の時は見つからないし……色々と詰んでね?)


夕雲「提督、遠征から戻ってきたわ」ガチャ

提督「ご苦労様。報告書を見せてくれ」

夕雲「はい、どうぞ」

提督「ふむ……今回は大成功ってところか。さすが主力オブ主力の夕雲型だな」

夕雲「うふふ、ありがとうございます」

提督「どういたしまして。次の遠征まで、ゆっくり休んでくれ」


夕雲「……提督、一つ訊きたいことがあります」

提督「訊きたいこと?」

夕雲「ええ、長波の事についてです」

提督(やっぱり気になっちゃうか……姉だから当然だろうけどさ)


夕雲「最近、提督のことを避けようとしているでしょう? 私から色々と訊いてみても、何でもないの一点張りで口を開かないんです」

提督「……それで、俺から何があったかを訊きたいわけか」

夕雲「はい」

提督「そうだな……俺も丁度困ってたからさ、相談に乗ってくれるか?」

夕雲「ええ、勿論よ」ニコッ


提督「ありがとう、夕雲」

夕雲「礼を言うにはまだ早いわ。相談の前に、お茶を用意しますね」

提督「ああ」

――――
――


提督(夕雲が淹れたお茶を飲みつつ、俺は夕雲に対して経緯を説明した)

提督(ここ最近、よく長波と話していたが資料の整理中に事故があって押し倒す形になり、それを憲兵に見られてしょっぴかれ、その後から長波に避けられるようになったと嘘を言った)

提督(さすがに長波の胸を凝視していたとか、理性が負けて押し倒したとか言えないし、仕方ない)

提督「――ということがあって、長波と話せなくてな」

夕雲「そんなことがあったのですか。災難でしたね」

提督「ああ」


夕雲「……でも、あの子がそれだけで提督を避けるとは思えませんね」

提督「……どういう事だ?」

夕雲「あの子、戦闘で中破して服が破けても、あまり恥じらいを持たない子なんです。ここ数日の間に何回かはボロボロの服のままここに向かったのですが、提督は覚えていますか?」

提督「ああ、何度か中破したまま来たことがあったな」


夕雲「そうですか。その時、長波は胸を隠していましたか?」

提督「いや、全く隠そうとしなかったな。俺からは隠すよう言ったけど」

夕雲「あら……あの子が迷惑掛けてごめんなさい」

提督「別に謝らなくてもいいさ」

提督(むしろ得しか無いし)


夕雲「提督は、長波が自分を見ても避けないで、また今まで通り話してくれるようになって欲しいんですよね?」

提督「ああ。一度は部屋を訪ねるとか考えようとしたんだが、それだと門前払いされかねないし、どうすればいいと思う?」

夕雲「うふふ、実は夕雲にいい考えがあります」

提督「なに、本当か!? 教えてくれ!」

夕雲「ええ。方法についてですが――」

――――
――

書き溜め切れたから北方ウィークリーしながら書いてくる

今夜の投下無し
明日の夜には完結させるからまってて


夕雲「(提督、準備はいいですか?)」

提督「(OKだ」」

夕雲「(では、いきますよ)」コンコン


長波『誰だ?』

夕雲「私よ、長波」

長波『ああ、ちょっと待ってて』ガチャリ

長波「よっ、夕雲姉」

夕雲「こんばんは、長波。ちょっと話したいことがあるから、入ってもいいかしら?」

長波「いいぞー」


夕雲(ここでドアをを押さえて)

夕雲「(……今です)」

長波「ん?」

提督「うおおおおおお」ダダダダダ

長波「て、提督!?」


提督「悪いが俺も入らせてもらうぞおおお!」ズザザ―

長波「なっ、こら勝手に入るな!」

夕雲「ごめんなさい。提督がどうしても長波と話したいらしいみたいなので……後はお二人でどうぞ」グググ

長波「ちょっ……ドアごと押すなって!」


提督「よし、確保!」ガシッ

長波「ちょっ、あたしに触れるなって!」ジタバタ

夕雲「えいっ」バタン

長波『で、出てけって!』

提督『やだね! 絶対に話つけるまで帰らないからな!』

ドタバタ

夕雲「……ふう、少々強引でしたが、ここまではうまくいきましたね。後は提督次第ですよ」

夕雲(頑張ってください、提督)

夕飯食べたら残り投下する

ぽいの庭を聴きながら投下


提督「……落ち着いたか?」

長波「……暴れても無駄だから諦めた」

提督「それなら良かった」

提督(いやー、何度か叩かれて身体が凄い痛い。艦娘ってほんと力強くてまともに相手にしたくないと思うよ)

長波「で、話ってなんだ」

提督「(ここ最近、俺を避けようとしている事だ)」

長波「何で小声なんだよ」

提督「(他の誰かに胸ガン見してたとか聞かれたらマズイだろ)」

長波「(確かにそうだな……分かったよ)」


提督「(で、何で俺のことを避けたんだよ)」

長波「(……恥ずかしくなったから)」

提督「(へ?)」

長波「(だから……提督に胸見せたりとかしただろ。それが今になって恥ずかしくなって、提督の顔もまともに見られなくなった)」

提督「(そ、そうか……てっきり嫌われたのかと思ってた)」

長波「(何であたしが提督の事を嫌うんだよ)」

提督「(だって俺、お前の事襲ったし……)」

長波「(あっ……)」カァァ

提督(めっちゃ顔が赤くなってら)


提督「(前は気にしてないように見えたけど、その後結局避けられたから本当は嫌だったんじゃないかと思ったんだ)」

長波「(そ、そうか……)」

提督「(嫌われてないことが分かって良かった。それが一番怖かったからな)」

長波「(悪かったな……誤解させて)」

提督「(俺は怒ってないから、気にしなくていいよ)」ナデナデ

提督(胸をガン見させてもらったし)


長波「(とっくに分かってると思うけど、あたしは胸を見られる事はあまり気にしないんだ。見られても減るもんじゃないし)」

提督(その潔さと言うか、さばさばしたと言うか、そういう所はいいと思うけど気にしろよ)

長波「(だから報告の時も何も気にせずあんな格好でしたけどさ……実は二回目以降はちょっとだけ別な理由もあったんだ)」

提督「(別な理由?)」

長波「(うん。いつも書類を片付けて、疲れている提督が少しでも元気になればいいかなって思ってさ)」

提督(お前ってやつは……)


長波「(でも、それはあたしの胸だけに興味があったからだと思い込んでたから出来たんだ。この前襲われた時に、それだけじゃないと思い始めて……提督の答えを聞いて少しはあたしに興味があるって事が分かった)」

提督「(なるほど。今までの事が恥ずかしくなったから俺の事を避けたってことか)」

長波「(そういう事)」

提督「(まあ、それが普通なんだし良かったんじゃないか? それに憲兵が居なかったら取り返しがつかなかったかもしれないんだし)」

長波「……」

提督「(どうした、黙りこんで)」


長波「(……あのさ、提督)」

提督「(なんだ)」

長波「(提督って、好きなやつはいるのか?)」

提督「(え、何で今その質問するの?)」

長波「(あたしにとっては大事なことだから)」


提督「(そうだな……正直な話、こいつはいい子だなと思ったことやこいつはセクシーすぎて我慢するのが大変だとか、こいつには余計なことを絶対に教えたくないだとか思う艦娘は今までいた)」

提督「(でも艦娘の中でこいつが一番好きって思った奴は居なかった)」

長波「(居なかったって事は、今は好きな奴が居るってことか?)」

提督「……」

長波「(おい、なんか言えよ)」


提督「(その前に、俺の質問にも答えてもらえないか?)」

長波「(突然だな……答えたら言ってくるの?)」

提督「(ああ)」

長波「(じゃあいいよ。何が知りたいんだ?)」

提督「(この前言ってた、驚きこそしたけどなんちゃら……ってやつの続きが気になる)」

長波「(えっ)」


提督「(俺の予想じゃ襲ったことについてだと思ってたんだけど、合ってるか?)」

長波「(あ、合ってるけど……何でもないって言っただろ)」

提督「(何でもないって言うのは九五割、何かあるんだぞ)」

長波「(それ950%ってことじゃねえか! 正しくは九割五分だろ!)」

提督「(まあそこはどうだっていいんだ。とにかく言いかけてた続きを教えなさい)」


長波「(え、ええーっと、気持ちの整理をしたいからちょっち待って)」

提督「(ああ、言うまで待ってやる)」

長波「……」

提督「……」

長波「(……正直に言うぞ)」

提督「(ああ)」


長波「(あたしは、提督に襲われた時……驚いたけど、嫌ではなかったんだ)」

提督「(……やっぱりか)」

長波「(え、何で納得してるのさ)」

提督「(だって、あの言い方ならそう続くのが普通だし、逃げたせいで尚更そうだと思ってた)」


長波「(……あの時に戻って、自分を殴りたい)」

提督「(まあ、生きてればそういう事もあると思って諦めろ)」

長波「(長く生きてる提督が言うと説得力があるな)」

提督「(だろ)」ドヤッ

長波「(ドヤ顔で台無しだ)」クスッ

提督「(……こ、これは長波の緊張を解すためにやったことだから。それより、長波の質問に答えないとな)」

長波「……」ゴクリ


提督「(結論からすると……いる)」

長波「(それはさっきの口ぶりから分かったよ。で、相手は誰なんだ?)」

提督「(教えるわけ無いじゃん)」

長波「(はあ?)」

提督「(だって教えたら絶対広まるもん! 女子間の噂の広まり方って恐ろしいほど早いとか聞いたし! だから幾ら信頼できる艦娘から聞かれても絶対教えないぞ)」


長波「(それは最もだな……あたしからもう一つ訊きたいことがある)」

提督「(いいぞ)」

長波「(その艦娘に対しての気持ちって、他の艦娘から積極的なアプローチされたら心変わりしちゃう程度だったりするか?)」

提督「(そうだなー、俺はあまり恋愛とかしたことないから、割りとあっさり心変わりしちゃうかもしれないな)」

長波「(……そっか。ありがとな、提督)」


提督「(どういたしまして。最後になるけど、これからは逃げないでくれよ?)」

長波「(多分大丈夫。ただ胸は隠しちゃうかもしれないけど)」

提督「(それは少し残念だけど、仕方ないか)」

長波「(正直すぎだろ)」

提督「(お前の前でくらい、正直でもいいだろ)」

長波「(……その言い方、何かずるい)」

提督「(ずるいか?)」

長波「(うん、凄いずるい)」


提督「……ま、大人だからって事にしてくれ。じゃ、そろそろ部屋に戻るかな」

長波「そう言えば結構時間経ってるのか」

提督「会話が弾めば時間なんてあっという間さ。長波も早く寝ろよ」テクテク

長波「あっ、ちょっと待ってくれ」


提督「ん、どうした?」ピタッ

長波「……明日からはパワーアップした長波サマを見せてあげるから、覚悟しといてね」

提督「なんじゃそりゃ。ま、期待してるよ」

長波「おやすみ、提督」

提督「おやすみ、長波」

――――――


数日後


提督「書類多すぎ……辛い」グデー

提督(結局、あれから長波が本当に胸を隠すようになっちゃったから、執務中の楽しみが一つ減ってマジでやる気がだだ下がりだよ畜生)

提督(でも恥じらって隠す長波ってのも新鮮で可愛いからそれが救いではあるんだけどさ……いや、それでもあの胸をガン見したい)


長波「艦隊、帰投したぞー」ガチャ

提督「ごくろー……ん、その花束どうしたんだ?」

長波「これか? 何か今日は三周年だって言うから、代表で花束持つことになったんだ。夕雲姉も持ってるぞ」

提督「へー、三周年って言ってもうちはまだこの前二周年迎えたばっかりなんだけどなー」

長波「細かいことは気にしない。ところで提督は花とか詳しいか?」


提督「いや全然。チューリップはわかるけどもう一つの方が全くわからん」

長波「これか? リナリアって名前で日本だと姫金魚草って言うんだ」

提督「へー、全然知らない名前だ。それは長波が選んだのか?」

長波「そうだよ。何か気に入ったからこれにしたんだ」

提督「そうか。長波に合ってると思うぞ」


長波「へへ、ありがとな。あ、これ報告書な」

提督「忘れかけてたな。ありがとう」

長波「どういたしまして、じゃ、あたしは休憩してくるよ」テクテク

提督「ああ」


長波「……」ピタッ ガチャリ

提督(え、何で鍵を掛けたの?)

長波「……」パサッ テクテク

提督(使ってない机の上に花束を置いたと思ったら、こっちに近づいてきて……なんだろう?)


長波「提督、こっちを向いてくれるか?」

提督「あ、ああ……」

長波「……」ムギュ

提督「!?」

提督(長波が、自分の胸元へ頭を抱き寄せた……だと!?)


長波「あはは、顔が一気に赤くなってやがんの」

提督「……どういう風の吹き回しだ?」

長波「お疲れの提督を癒やしてやろうと思っただけだぞ? 最近は死にそうな表情してたし」

提督「死にそうってそんな大げさな……でも、これは嬉しすぎる」

長波「提督は素直だな。ま、満足するまでこのまま胸を貸してやろう」ナデナデ

提督(何で長波からこれほどまでに母性を感じるんだ……夕雲型の本気だというのか? でもまあ、幸せだからいいかー)

提督(あー、ダメになるうううううう)


―部屋の外―

長波『どうだ、元気になったか?』

提督『いや、まだ足りない!』

長波『それくらい元気なら十分だな』

提督『そんなああああ!』

憲兵「……今日は提督からではないようだ。見逃してやろう」スタスタ


終われ

新規絵長波サマの中破を見て深夜テンションと勢いで書いた
こうなるとは思わなかったけど

とりあえず満足したから長波入渠させて眺めつつHTML依頼してくる

(ちなみに角煮って何の事か知らない)

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