P「Never say neverってさ」
凛「?」
P「凛の持ち歌で」
P「非常に素晴らしい歌だと思うんだ」
P「思うんだが」
P「ちょっと歌詞の意味が良く分からないところがあるんだよ」
凛「歌詞の意味が?」
凛「そんなに難しくないと思うけど...」
P「うーん」
P「担当アイドルの持ち歌を把握しきれてないっていうのは」
P「プロデューサーとして問題だと思うんだ」
凛「まあそう...なのかな...?」
P「だからちょっと今ここで」
P「歌ってみてくれないか?」
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凛「今ここで!?」
P「頼む!」
P「こんなに綺麗な一流アイドルに、自分のためだけに歌ってもらうなんて」
P「贅沢すぎる頼みであることくら凛「いいよ///」
P「!?」
P「いいのか!?」
凛「だって、プロデューサーのためだから...///」
凛「『自分のために歌ってくれ』」
凛「つまりプロポーズだもんね///」
P「?」
P「(何かの例えか?)」
P「(まあ歌ってくれるんならいいか)」
P「よし、じゃあ早速頼む」
凛「うん!」ハァハァ
凛「ずっと強く~♪そう強く~♪あの場所へ~♪走り出そう~♪」
P「ストップ」
凛「!?」
P「そこが分からないんだよ」
凛「早すぎない!?」
凛「まだ歌い始めて10秒と経ってないんだけど!?」
P「なあ凛」
P「あの場所っていうのはどこなんだ?」
凛「え?」
P「家の近所にある公園のことか?」
凛「いや違うけど」
P「じゃあトイレか?お腹痛いのか?」
凛「そんなわけないじゃん!!」
P「じゃあどこなんだ?」
凛「...」
凛「...これは」
凛「たぶん」
凛「事務所だよ!」
凛「事務所に行かないと何も始まらないからね!!」
P「なるほど事務所か...」
P「きっとそうだな!!」
P「さすが凛!やっぱり凛は常識人かわいいなあ!」
凛「ありが...今かわいいって...P「さあ次行こう次!」
凛「う、うん...」
凛「それじゃ」
凛「過ぎてゆく~♪時間取り戻すように~♪駆けてゆく~♪輝く靴~♪」
P「ストップ」
凛「また!?」
凛「歌わせる気無いでしょ本当は!!」
P「いや俺は純粋に疑問に思ったところで止めてるだけだ」
凛「じゃあここの何が気になるの?」
P「輝く靴」
凛「?」
P「輝く靴ってなんだ?」
凛「...」
凛「確かに...」
P「そりゃあいい革靴とかだったら光沢はあるだろうけど」
P「輝くってほどじゃないだろ?」
凛「第一私、革靴なんて履かないしね...」
P「そうなんだよ」
P「だったらこの輝く靴は何を指してるんだ?」
凛「...」
凛「...これは」
凛「たぶん」
凛「長靴だよ!!」
凛「事務所に行こうとしたら雨が降ってたから長靴を履いてたんだよ!!」
P「...」
P「...なるほど」
P「だったらその前の『駆けてゆく~♪』のところも」
P「雨で急いでいた、ということで辻褄が合うな!!」
凛「そうそう!」
凛「『過ぎてゆく~♪時間取り戻すように~♪』」
凛「大雨で電車が遅れてた分を取り戻すために走ってたんだよ!」
P「すごいじゃないか!」
P「今のところ俺の疑問は全部解消されてるぞ!!」
P「ほんっとに凛はクールかわいいなあ!!」ナデナデ
凛「ありが、ん?今なんてP「この調子で次だ!!」
凛「...了解」
凛「今はまだ~♪届かない~♪背伸びしても~♪」
凛「諦めない~♪いつか辿り着ける日まで~♪」
P「待て」
P「おかしくないか?」
凛「何が?」
P「凛、お前まだ事務所に辿り着いてないのか?」
凛「!!」
P「しかも『今はまだ届かない』『背伸びしても』」
P「お前の身長は165センチ」
P「女の子の中じゃなかなかに高い方だ」
P「それが背伸びしても届かないって相当だぞ!?」
凛「!!!!」
P「電車から降りてなおかつ走ってるのに」
P「駅からどんだけ時間かかってるんだよ!!」
凛「確かにこれは不自然...」
凛「...」
凛「...これは」
凛「たぶん」
凛「寝過ごして降りる駅を間違えたんだよ!!」
凛「だからいくら走っても届かないんだ!!」
P「...」
P「...そういうことか!!」
P「実は疑問だったんだ」
P「雨で電車が遅れたくらいで全力ダッシュするか、って」
P「雨だけだったら自己責任ではないが」
P「寝過ごしたんなら話は別!!」
凛「まだ高校生とはいえ」
P「遅刻は厳禁!!」
凛「だから私こんなに焦ってるんだね...」
P「そりゃ165センチでいくら背伸びしても届くはずないな...」
P「これに気づくなんてやっぱり凛はロングヘアーかわいいなあ!」
凛「それほどでも、なんか雑になってP「いよっしゃBメロ突入だ!」
凛「...はいはい」
凛「目を閉じれば~♪抑えきれない~♪」
凛「無限大の未来が~♪そこにあるから~♪」
P「これはわかった」
凛「さすがにここまでくるとね」
P「もう曲も1番の中盤」
凛「ここまで様々な歌詞を解読してきた私たちにとって」
P「こんな簡単な歌詞」
凛「楽勝だね」
P「ああ」
凛「じゃあ答え合わせを」
P「任せろ」
P「...これは」
P「たぶん」
P「ダッシュ中に怒られる姿を想像してるんだ!!」
凛「Excellent!!」
P「嫌なことっていうのは想像したくなくても想像しちまうもんだよな...」
凛「『目を閉じても 抑えきれない』」
凛「本当にそうだよ本当に...」
P「そりゃ怒られることを想像してたら次々浮かんできて」
凛「無限大の未来に感じるよな...」
P「怒られてる時間ってのは異常に長く感じたりするからな...」
P「しかもこの場合怒られるであろう場所に自分から向かっていってるわけだもんな...」
凛「無限大の怒りがそこにあるんだろうね....」
凛「ちなみにプロデューサーの最近あった嫌なことは?」
P「お互いの仕事が忙しくて凛となかなか会えない」
凛「...」
凛「だったらあたしアイドルやめP「さあサビだサビ!!」
凛「....もう///」
凛「振り返らず前を向いて~♪そして沢山の笑顔をあげる~♪」
P「ふむ...」
凛「今度はどうしたの?」
P「これ今から怒られに行くはずだったよな?」
凛「私たちの解読によるとそのはずだけど」
P「『振り返らず前を向いて』ってのはわかるんだよ」
P「仕事があるから後ろを向いてるわけにはいかないからな」
凛「事務所に行かないとね」
P「でも『たくさんの笑顔をあげる』ってのはどういうことだ?」
P「遅刻してきてたくさんの笑顔なんてあげたら」
凛「干されるね」
P「だろ?」
P「凛は何がしたいんだ?干されたいのか?」
凛「いや作詞したの私じゃなくてNBGI(遠山明孝・八城雄太)だし」
P「うーんさすがにサビは難解だな...」
凛「...」
凛「...これは」
凛「たぶん」
凛「事務所についてみたら意外と怒られなかったんだ!」
凛「思ってたより全然怒られなかったことによって得た安心」
凛「安心は心からあふれだして顔にも表れたんだ!」
P「だから『たくさんの笑顔』なのか!!」
P「つまり凛はクールかわいいんじゃなくて笑顔かわいいんだな!」
凛「それただ笑顔褒めてるだけP「やっぱりサビは解読し甲斐があるな!」
凛「...」
P「ん?どうした?」
P「さぁ!次に行こう!」
凛「...はーい」
凛「いつも~♪いつも~♪真っすぐに~♪見つめて~♪」
P「なあ凛」
凛「止めずに話しかけないでよ!」
凛「それで何?」
P「おまえはいつも」
P「真っすぐに誰かを見つめてるのか!?」
P「アイドルにスキャンダルはご法度だぞ!!」
凛「いやだからこの歌詞書いたの私じゃなくてNBGI(遠山明孝・八城雄太)だってば!」
P「なんだそうか...」
P「お前に誰か好きな人でもできたんじゃないかと思ってヒヤヒヤしたぞ...」
凛「....」
凛「....それって嫉妬なの?」
P「そんなわけないだろ!」
P「プロデューサーがアイドルに恋なんてするわけないだろ!」
凛「....じゃあなんでさっきからちょくちょくP「ほら1番もあとちょっとだ!」
P「さっさと済ませてレッスンをしよう!!」
凛「....」
P「ヘイ!ハリアップ!」
凛「....わかったから」イラ
凛「弱気になったりもするよ~♪そんな時には強く抱きしめて~♪」
P「誰にだああああああああああああああああああ!!!!!!」
P「誰に抱きしめて欲しいんだ!!!!!!」
P「誰だ!!!!凛に手を出したやつは誰だ!!!!!」
P「マスコミ各社を煽って社会的に消してやる!!!!」
P「二度と表を歩けないようにしてやる!!!!!」
P「さあ凛名前を言え!!!!!」
P「その男の名は何だ!!!!」
凛「....」
凛「安心してプロデューサー」
凛「私、そんな関係の人いないから!」
P「じゃあなんでこんな歌詞の歌を歌ってるんだ!!!!」
凛「悪いのはNBGI(遠山明孝・八城雄太)だから...」
P「そうか悪いのはNBGI(遠山明孝・八城雄太)か....」
P「ふぅ、少し熱くなりすぎたな」
P「NBGI(遠山明孝・八城雄太)を消すだけで許してやろう」
P「どうも凛のことになると感情が抑えきれないんだ....」
凛「....」
凛「....もう最後だね」
P「あぁ、これで全てが終わるんだ」
凛「じゃあ行くよ...!」
P「...こい!」
凛「強く~♪そう強く~♪あの場所へ~♪走り出そう~♪」
P「....」パチパチ
P「素晴らしかった....」パチパチ
P「おそらく最後の歌詞のあの場所というのは」
凛「現場だね...!」
凛「そもそも私遅刻してたんだった!!!」
凛「サビに入ってから急に精神世界の話になってたけど」
凛「これすっごい現場に迷惑かかってるからそれを考えないようにしてただけだ!!」
P「凛はクールでロングでピアスかわいいけど一人の女の子だもんな....」
P「自分のせいで迷惑かけてるなんて分かったら心細くもなるさ」
凛「.....」
凛「ねえプロデューサー」
凛「ひとまず歌詞の解読は終わったけどさ」
凛「今度は私が聞きたいことあるんだけど」
凛「いいかな?」
P「そんなの当り前だろ」
P「わざわざ歌ってもらったんだから」
P「凛からならどんな質問でも答えるよ」
凛「....」
凛「じゃあ聞くけど」
凛「なんでプロデューサー解読してるときに」
凛「ちょくちょく私を褒めてきたの!?」
凛「私のこと好きなの!?ねえ!?」
凛「勘違いしちゃうよ!?いいの!?」
凛「アイドルがプロデューサーに惚れちゃっていいの!?」
P「......」
凛「.....」
凛「....ねえ」
凛「答えてよ」
凛「このままじゃ私気持ちの整理が付かないよ....」
凛「そんなわけないっていくら心の中で否定しても」
凛「期待が消えないよ....」
P「凛」
P「その答えは」
凛「.....」
P「Never say never」
P「だ」
凛「.....」
凛「.....ちょっと意味調べていい?」
P「おう」
凛「....」スマホポチー
凛「エキサイト翻訳でいいか」ポチー
<決して、決して言ってはならない>
凛「!?」
凛「普通にYahooで調べてみよ」
凛「ニコニコ大百科がある」ポチー
<直訳で「できないなんて言わない」「できないなんて言うな」>
凛「!?」
<意味としては「可能性はまだある」「決してあきらめるな」などといった、励ましに使われる言葉である。>
凛「!?」
凛「....」
凛「ごめんプロデューサー」
凛「どういう意味で言ったの?」
P「最後に曲名で締めたら綺麗かなと」
凛「意味は?」
P「ない」
凛「....」
P「さっ、仕事仕事」ガシッ
凛「じゃあ」
凛「『可能性はまだある』ってことでいいよね?」ギロリ
凛「自分で言ったもんね?」ギロリ
P「....」ダラダラ
凛「返事は!?」
P「っはい!!!!」
凛「私」
凛「『決してあきらめ』ないから」ギロリ
凛「そのつもりでよろしく」ニッコリ
P「」
【完】
最後までお付き合いいただきありがとうございました
このSSが少しでも読者の方の人生の糧になれば幸いです
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