提督「流れの提督」 (44)

提督「……」

鎮守府「……」ボローン

提督「……マジか……」ペラッ

提督「はぁーぁー何だよこれ……やっと明日から提督になれるって思ったのに……何で……」

提督「何で着任予定の鎮守府が襲われて機能停止してんだよぉー!」

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『通達
君が明日から着任予定の鎮守府が深海棲艦に襲われて壊滅しました、現在復旧作業中ですが目処は立っていません、しばらく待って下さい
なお他の鎮守府及び提督の空きはないのでしばらく自由にしてて下さい
            元帥より』

提督「軽いよ!文章が!しかも元帥ってマジモンか?新米相手にわざわざ書かねえよな?……まぁいいかとりあえず」チラッ

鎮守府『……』ボローン

提督「どうみても廃墟、どうにもならんなこれ……はぁ、せめてドックとかが無事ならなんとか……中入ってもいいのかな?」

提督「作業員とかも居ないんだよな……まぁ外からぐるっと見てみるか」

提督「見た感じどこも壊れててどうにもならなそうだな……どうすっかなぁ寮とか引き払っちまったもんなぁ……てか俺の荷物も昨日送ったよな?今朝には届いてるって言ってたけど」チラッ

鎮守府「……」ハイキョー

提督「……せめて服とか残ってないかな?」ガショガショ

……カ……

提督「こりゃひでえ……無理か」ガサガサ

……カ……アケ……マー……

提督「ん?何だ?何か聞こえて」

……ダレカ……アケテ……クマー……

提督「!人の声!待ってろ!今探すから!」ガサガサガショガショ

……クマー……

提督「これは……建造用のドックか?瓦礫で半分潰れてるが」

??『開けてくれクマー』

提督「間違いないこの中だ!完全に潰れてないから無事だったのか。待ってろ!今開ける!ふぎぎぎぎ」ギギギ

提督「かってえ!つかこれ素手じゃ無理だ、瓦礫使ってこの!てこの原理……でぇ」ギギギィ

??『おっ今少し動いたクマ』

提督「だぁーしゃらい!うおっ」ギギギガコン

??「開いたクマー助かったクマー」

提督「いてて、大丈夫か?」

??「何とか大丈夫クマ、一体何がって何だこれ!めちゃくちゃクマ!」

提督「建造されたばかりか?」

??「そうクマ、一体何があったクマ?」

提督「深海棲艦に襲われたんだよ、俺も明日からここに着任するはずだったんだが、タイミングが悪すぎる」

??「向こうからしたら絶好のタイミングだったクマね」

提督「そうだな、提督がまだ着てなくて艦娘も初期艦が一人……ん?」

??「何だか色んな意味で先行き不安クマ」

提督(あれ?俺まだ着任してないよな?初期艦とそのほかの施設とかの管理運用の為に何人か人が居たりはするだろうけど、あと妖精か)

??「あっしかも艤装が無いクマ!何でクマ!」

提督(建造とかは基本的に提督の俺の指示でやるはずだよな?だとしたら)

??「ドックの中にもないクマ……もしかして建造途中で投げ出された状態クマ?まぁこの状況じゃ命があっただけ良かったクマか……」

提督(こいつ誰が建造したんだ?)

??「はぁ……あっ忘れてたクマ、助けてくれてありがとうクマ、球磨は球磨型の1番艦の球磨だクマ、よろしくクマ」

提督「おう、よろしく」

球磨「それでこれからどうするクマ?」

提督「え?何が?」

球磨「何がって明日からここに着任するはずだったんだクマ?なら建造されてた球磨の提督になるクマ」

提督「あぁまぁそうなるな」

球磨「状況も状況クマ、とりあえず提督に何か指示とか来てるんじゃないクマ?」

提督「あーこれ」ピラッ

球磨「クマ?……」ベシッ

提督「投げ捨てるな、そんなんでも一応れっきとした指示書だぞ」

球磨「軽すぎるクマ!そもそも球磨は死ぬところだったクマ!生まれていきなり死ぬとかゴメンだクマ!」

提督「そりゃそうだ、まぁとりあえずお前の事も確認するために一回連絡してみるよ」

球磨「頼むクマ」

提督「……あと一つ聞いときたいんだけど」

球磨「何だクマ?」

提督「誰がお前を建造したかとか分かるか?」

球磨「分かる訳ないクマ、と言うか提督じゃないクマ?」

提督「明日着任予定だぞ?本当なら今はまだここにいなかったんだよ」

球磨「ああそうかクマ、なら分からないクマー」

提督「そうか、とりあえず連絡してくる、ここは危ないからとりあえず瓦礫から出とけ」

球磨「了解クマー待ってるクマー」ガショガショ

提督(……着任前に建造されてて艤装は無し、色々と疑問が残るな……とりあえず連絡するか)ガショガショ

提督「えっと番号は……」ガショガショ

ガチャガチャ

提督「ん?何の音だ?」

ガチャガチャ

提督「球磨……じゃねえよな?あっち行ったし、何の音だ?あの瓦礫の下か?」ガショガショ

ガチャガチャ

提督「……なんかやな予感もするが、とりあえず瓦礫をどかして……くっのおっがっ」ズリズリ

提督「はぁはぁ……ん?何だこりゃ?床に鉄の扉?地下室か?」グイッ

??「……」ガチャガチャ

提督(……なんかちっさい人が一心不乱に作業してるー!)

??「……ん?うわっ!」ビクゥッ

提督「えっとお前妖精か?」

妖精「そっそうだけど……お願い!皆に黙ってて!提督とか明石とか特に!」

提督「いや俺提督なんだけど」

妖精「……終わった……僕の城……」

提督「落ち着け、とりあえず出てこい外に」

妖精「はい……えっ?えっ?」

提督「もしかして気付いてなかったのか?」

妖精「なんか外やたら騒がしいと思った、でもこれ……えっ?」

提督「深海棲艦の襲撃があったんだよ、ご覧の通り鎮守府は壊滅、明日着任するはずだった俺も完全ノープラン状態だ」

妖精「そっそんな……皆いなくなた?」

提督「そうなるな、とりあえず無事だったのは球磨とお前だけか、ちょっと連絡してくるから、あっちにいる球磨と一緒に待ってろ」

妖精「はい……」トボトボ

提督「……城……要は秘密の工廠って所か?まぁこれは報告する必要はないか」ガショガショ

提督「おーい」スタスタ

球磨「あっやっときたクマ」

妖精「何て言てた?」

提督「とりあえず球磨と妖精は俺の指揮下に入るとよ、そんで諸々の都合ですぐに着任出来る場所もないから何とかしてくれとよ」

球磨「……えっ?してくれ?」

提督「してくれ」

球磨「……完全に投げっぱクマー!」

提督「てかこの状況でどうしろと……鎮守府が無くなった提督と艤装の無い軽巡、そして妖精一人……せめてマトモな施設の一つでもないと何も出来んな」

球磨「てか球磨の艤装は本当にどこいったクマ?まず艤装を何とかしないと海にも出れないクマ」

提督「艤装なら工廠だよな?でもあれじゃなぁ……」

妖精「……あの」

提督「ん?」

妖精「艤装と工廠あればいいのか?」

提督「え?まぁそうだけど、あと入渠用のドックがあればとりあえず何とかはなるか?」

球磨「それで最低限クマけど」

妖精「ならなんとかなるかも」

提督「え?」

球磨「どうするクマ?」

妖精「こっち」トテトテ

提督「ん?さっきの工廠の方か?」

球磨「とりあえず着いてってみるクマ」

妖精「ここ」

提督「さっきの地下室か?」

妖精「中色々ある」

球磨「色々って本当に色々あるクマ」

提督「アレとかコレとか何だ?用途が分からん」

妖精「僕の城!色々造た!全部ちゃんと使える!」

提督「使える?って何にだ?」

妖精「まずこれ」

球磨「そのカプセルは何だクマ?」

妖精「ドック!」

提督「ドック?」

妖精「艦娘入ると怪我治る」

球磨「入渠ドッククマ?」

妖精「こち工廠台、艤装とか装備造れる」

提督「おおってことは球磨の艤装もか?」

妖精「多分造れる!」

球磨「確かに色々あるクマ」

妖精「でも建造のまだない」

提督「さすがにそこまで贅沢は言わんよ、とは言えこのままじゃ不便だな、かと言って鎮守府があれじゃなあ」

妖精「大丈夫!こち来て」

球磨「クマ?奥に何かあるクマ」

提督「ガレージか?あれはトラック?てかトレーラーか?少し小さいが」

妖精「コレ乗る!動ける!」

球磨「えっとつまり、そのトレーラーに色々積めるクマ?さっきのカプセルとか」

妖精「僕頑張た、色々造た」

提督「さしずめ移動式鎮守府か?いや執務室とかがないから鎮守府と言うよりは工廠か」

妖精「これで艤装と工廠大丈夫、ドックもある、艦娘出撃できる」

提督「まぁそうだが、確かに本営は当てにならんし」

球磨「とりあえず艤装をまず用意して欲しいクマ」

妖精「頑張る、でも資源ないから」

提督「やれるだけやってくれ、資源は最悪本営に支給してもらうから」

妖精「分かた、今から造る」ガチャガチャ

球磨「とりあえず最低限は何とかなりそうクマ」

提督「だといいがな」

妖精「……」ガチャガチャ

妖精「出来た!艤装!」

球磨「おっもう出来たクマ?」

妖精「資源足りない、だからあるもの色々寄せ集めた、だから形変、妖精もいない」

球磨「この際使えれば文句は無いクマ」

妖精「これそう」

球磨「クマ……確かに不格好クマ、でもちゃんと動くクマね」カチャカチャクイクイ

提督「後は海に出れるかか?とりあえず試してみるか」スタスタ

球磨「あっトレーラーの方はどうクマ?」

提督「何とか大丈夫そうだ、変なボタンとかレバーもあるけど一応普通のトレーラーみたいだ、俺でも動かせる」

妖精「色々付けた、でも僕運転出来ない、ずとそのまま」

提督「そりゃその体格じゃ無理だろ」

球磨「とりあえず海に行ってくるクマ」スタスタ

提督「おう俺もついてくぞ」スタスタ

妖精「いてらしゃい、僕準備してる」

球磨「……ちょっと不安クマ」

提督「まぁ俺もいるし試しにだから」

球磨「クマ……む……おおっ大丈夫そうクマ」パシャ

提督「ふむ、とりあえずこれで目処は立ちそうだな」

球磨「クマ、一時はどうなるかと思ったクマ」

提督「まぁまだ資源とかの問題もあるけどな、遠征しようにも球磨一人じゃなぁ」

球磨「本営からの支給待ちクマ?」

提督「まぁその辺も考えないとな、とりあえず戻るか」

球磨「クマ……クマ?」

提督「どうした?」

球磨「気のせいクマ?今電探に何か……何も無いクマね」

提督「まあ艤装も正規の物じゃないしな、とりあえず戻ろうか」

球磨「クマー」パシャパシャ



??「……艦娘……確認……報告」バシャチャポン

一旦ここまでで、また後で来ます

敵に地上戦力とか上陸能力とか無さそうだし、海上封鎖して海から陸軍叩いた方が敵にとっては有利だと思う。

あと艦娘着任前の新規で立ち上げた鎮守府だったから迎撃能力もなくあっさり陥落、妖精さんや憲兵さんもそれを知ってるからさっさと撤退したものと予想。

>>1です、ちょっと今日はもう書けそうにないのでとりあえず酉だけ付けときます

あと大体>>25さんの通りです、練度1の初期艦一人しか艦娘がおらず、即時撤退で被害を最小限に食い止めました、鎮守府が壊れたものの艦娘含めた人的被害がほぼなかったのが元帥の軽い反応の理由です

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