恵美「……いやまいったね」
志保「なにがですか」
恵美「いやーまいった」
志保「……あのですね。いったいなにを迷うことがあるんですか」
恵美「いやね。プロデューサーに言われたんだよ。あ、ここでいうプロデューサーはマネージャー的な人のことね」
志保「わかってますよ」
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恵美「『鳴り物入りで始まったお前たちのラジオだけど、未だに方向性が定まっていないように思える』」
志保「まだ初めて1ヶ月ですよ。そんなもんじゃないんですか?」
恵美「『だからここで、1つコンセプトを打ち立てて放送を始めてみたらどうだ?』だってさ」
志保「……コンセプト」
恵美「でさ。アタシやりたいラジオがあるんだよね」
志保「ダメです」
恵美「ちょっとwww否定するスピードおかしくない?wwww」
志保「あなたが!! そういう提案をして!!!! ろくな結果になったことがないからですよ!!!!!!」
恵美「いやいやこれは大丈夫だって……アタシはね? このラジオが聴く人にとって支えになるような番組になってほしいんだよ」
志保「……なるほど?」
恵美「この番組ってさ。アタシらと同世代のリスナーが多いんだよ。中にはさ、誰にも打ち明けられない悩みを持ってるリスナーもいるわけ
そんなリスナーにとっても、ここが助けになる番組にしたいわけ」
志保「私達にそんな大役果たせますかね」
恵美「大丈夫大丈夫。いや実はね。今までそういうメール読まなかったけど届いてるんだよ」
志保「そうなんですか?」
恵美「東京都八王子市、ひろひろ。17歳。高校生。ほら、やっぱり同年代ばっかりなんだって」
志保「そうですね。今まで意識してなかったけど」
恵美「『僕は今同じ高校の仲間とバンドをやっています。ですがこの前、ボーカルが抜けてしまいました。どうしたらいいですか?』ほら、普通の質問じゃん」
志保「確かに普通の質問ですね……これ宛先間違えてません? エヴァーグリーン宛じゃないですか? 楓さんに送ったメールでしょ?」
恵美「違うよwwwwじゃあ志保。答えてあげてよ」
志保「なんで私が」
恵美「ほら、志保って普段こうクールな感じのキャラで通してるじゃん。そういう子から応援された方が嬉しいもんだって」
志保「別にクールな感じにしたつもりはないですけど……」
恵美「ほらほら、ひろひろくんが待ってるよ」
志保「……はい、やっぱり新しく募集を」
恵美「いやいや待って待って」
志保「なんですか」
恵美「せっかくだからさ。このひろひろくんに語りかけるように言ったげなよ」
志保「なんでですか」
恵美「いいじゃんいいじゃん。なんかこうさ。アタシらパーソナリティとリスナーの繋がりが強い番組にしたいんだよね」
志保「そういうことなら……えー、コホン
ひろひろさん。こんばんは、メールありがとうございます。北沢志保です
えー。ボーカルが抜けてしまったということですが。
逆にこれからひろひろさんのバンドにぴったりなボーカルの方がひろひろさんのバンドにやってくるかもしれません
焦らずに待ってみたらどうでしょうか……斯様に思います」
恵美「……うん! うんうん! いい感じじゃん!」
志保「私たち本当にこんなラジオがやりたかったんでしたっけ……まあ。まだ1枚だしいいか」
恵美「じゃあ次のメール行くよ。東京都葛飾区、もやしシンポジウムちゃん。14歳。中学生。恵美さん志保さんこんばんは。はいこんばんは」
志保「こんばんは」
恵美「えー。ラジオネームにもあるように、わたしはもやしが大好きです。志保さんには好きな野菜はありますか?」
志保「好きな野菜……えー。もやしシンポジウムちゃん。私はサンチュが好きです。サンチュってドレッシングでも焼肉のたれでも、どんな味でも美味しくいただけるでしょ?
私もどんな環境でも輝ける、そんなアイドルになりたい……えー。斯様に思います」
恵美「おおお!!」
志保「おおお!! じゃないでしょ。今のどこに驚くところがあったんですか」
恵美「いやーまさかこんなところで志保のアイドルへの想い入れが聴けるなんてねえ! なんかこう、リスナーと本音でぶつかってるって気がするね」
志保「……まあ、確かに」
恵美「まだまだいくよ。京都府京都市、塩見神社のお稲荷さん」
志保「ん?」
恵美「え?」
志保「お稲荷さん?」
恵美「いや、稲荷寿司のことじゃないの?」
志保「……まあ。それならいいんですけど。怖いんですよ。このラジオのリスナーパイズリとか検尿とかいるから」
恵美「心配しすぎだってwwww『恵美さん志保さんこんばんは。私は東京に憧れてます。近々上京しようと思ってますが勇気が持てません
私の背中を押してください』だって」
志保「なるほど。えー。塩見神社のお稲荷さん。東京に憧れているということですが、お稲荷さんはなぜ東京に憧れているんでしょうか
私の周り、シアターにも家元を離れ寮で暮らしている人がいますが、みんな苦労しているように見えます。それでも、どうしても東京でもやりたいことがあるなら……
一歩、飛び出てみてもいいんじゃないでしょうか……斯様に思います
お稲荷さんねえ……」
恵美「えー。東京都四ツ谷、封印された下半身さん」
志保「ダメです」
恵美「え? なにが?」
志保「いいですか。もやしシンポジウムとひろひろはいいですよ。稲荷寿司も……まあぎりぎりセーフですよ。封印された下半身は完全にアウトですよ」
恵美「まあまあ内容はいいこと言ってるんだって。『私は友達を作るのが苦手です。つい壁を作ってしまいます。2人は私の友達になってくれますか?』だって
アタシはなるけど志保はどうする?」
志保「いやですよこんな下半身に枷をかけてるような人」
恵美「まあまあメールはまだ届いてるからね。東京都港区、勃起しちゃった天道くん」
志保「はいダメ!!! 完全にアウトですよ!!!」
恵美「え~なにがダメなの?」
志保「なにもかもがダメでしょうがこんなの!!!!」
恵美「いや落ち着いてよ。この天道くんはね? 『夢を叶えるために必死に頑張ってたけど現実を知って辛い』って言ってるんだよ?」
志保「それがどうしたって言うんですか」
恵美「ほら、ポッキーってお菓子あるじゃん。あれってポキポキいうからポッキーなわけじゃん?
きっとこの天道くんも。心が折れちゃったんだよ。心がボキって」
志保「勃起って漢字で書いてあるでしょうが!!! なんですかその詭弁は!!! 茜さんでもまだストレートに言いますよ!!!」
恵美「いやほら、ニュアンス的なものだってwwwそういうニュアンスを志保が受け取っちゃってるんだってwww」
志保「ニュアンスじゃないでしょうが!!!!」
恵美「えー。まだまだメールの方募集してます! 所恵美と北沢志保のオールナイトニッポン!」
恵美「えーっと、メール、届いてるみたいだね」
志保「もういいですよ。ってなんでBGMまで……ちょっと! これ絵本じゃないですか! 静香! あなたの仕業でしょ!! さっさと止めなさい!
人の曲をこんなコーナーのBGMにしないで!!!!」
恵美「時刻はもう2時を回ってるけどね、まだまだメール読んでくよ~
東京都渋谷区、姉が性癖さんのメールだよ。ねえすごいよこの人! 職業医者だって!!!」
志保「この人が病院に行った方がいいでしょうが!!! なんですか姉が性癖って!!!! もういいんですよ!! こんな名前の人の質問に答えなくって!!!」
恵美「えー、『志保さん恵美さんこんばんは。お2人は薬は好きですか』」
志保「どうだっていいですよそんなの!!!!」
恵美「どうだっていいってことはないでしょ。じゃあ次のメールは……あっ、すごいよ志保! 外国の人から来てる!
志保「ラジオネームは」
恵美「えー。時刻は2時6分を過ぎました」
志保「別にわざわざ言わなくていいですよ!!! 風花さんだってそんなに何度も言いませんよ!!」
恵美「車を運転するときはね。エンジンをかけてから乗ってくださいね」
志保「当たり前でしょうが! もっとこう、安全運転をしてください的なことを言ってください! どうせ言うなら!」
恵美「えーっと『漢字が好きな志保さんにお願いです。漢字や四字熟語を紹介するコーナーを作ってください』だって!」
志保「ラジオネームは」
恵美「え?www」
志保「だからラジオネーム次第ですよ。質問なんてどうでもいいです」
恵美「ちょっとwwwやめなよwww一生懸命考えてるんだからさwww
えー、東京都江戸川区、チンコ・ブラリーノ・スチュアート」
志保「ダメです!!!!! ダメに決まってるでしょうが!!!!」
恵美「ちょっと待ってよ。ダメってことはないでしょ。この人外国の人だよ? 本名かもじゃん」
志保「百歩譲ってスチュアートはいいですよ!!! チンコ・ブラリーノなんて名前があるわけないでしょ!!!!」
恵美「エロマンガ島みたいなものなんじゃないのwwww」
志保「もういいんですよこの人たちの質問なんか答えなくたって!!!!」
恵美「いやいやリスナーは大事にしようよ。あっ、ほら。最初に答えたひろひろからお礼のメールが来てるよ」
志保「えっ? お礼?」
恵美「『恵美さん志保さんこんばんは。ひろひろです。志保さん勇気が出る言葉をありがとうございました
無理に焦らずゆっくりと待ってみようと思います。本当にありがとうございました』」
志保「……こう言われると悪い気はしないですね。まあひろひろさんはね。名前的にも内容的にも真剣に考えても問題ないですし」
恵美「あ、PSあるよ」
志保「PS?」
恵美「『PS.僕のラジオネームひろひろですが、この番組に送る時に適当に考えた名前でした
ですが、このラジオを聞いてパーソナリティと僕たちリスナーの心を通じ合わせることの大切さに気づきました
なので、ラジオネームを改名しようと思います』」
志保「え? いや、別に改名の必要は」
恵美「『ラジオネーム・ひろひろ改め、騎乗位』」
志保「いいですよ!!!!改名しなくて!!!!何が騎乗位ですか!!!!ナニとドコでつながろうとしてるんですか!!!この馬鹿面が!!!!」
恵美「ちょっとwwwwいくらなんでも馬鹿面はないでしょwwwwww」
志保「いいんですよこんな人たちに遠慮なんてしなくて!!!!」
恵美「もう落ち着いてよ~。ほら、これなんかいいんじゃないの。
『私はラジオパーソナリティになりたいと思っています。ラジオをやる上で気をつけるべきところを教えてください』
志保はなんだと思う?」
志保「ラジオネーム」
恵美「え?ww」
志保「だからラジオネームは!!」
恵美「いや普通だよ。ほら、よくJupiter大好きっ子とかいるじゃん。あんな感じ。別に下ネタじゃないよ」
志保「下ネタじゃないなら言っていいでしょ!!教えてくださいよ!!!」
恵美「東京都台東区、鷺沢文香の大ファン」
志保「なんでオールナイトニッポン聴いてるんですか!!! 文化放送聞きなさいよ!!!」
恵美「いやいやありがたいじゃん。わざわざ聞いてくれてるんだよ。はい、そういうわけでね。時刻は2時30分を回りましたが」
志保「もういいですよそれ! 風花さんも川島瑞樹もそんなに何度もいいませんってば!」
恵美「車を運転する時はね、ガソリンを入れてから運転してくださいね」
志保「当たり前でしょうが!!!」
恵美「じゃあ志保はどんなラジオネームがいいの?」
志保「なんていうんですかね……ほら。例えばくまのプーチンとか。
ほら、くまのプーさんとプーチンでうまいことかかってるじゃないですか。
ウィットに富んでて小粋でいいんじゃないですか?www」
恵美「いや、あれだけ言っててwwwwくまのプーチンってwwww」
志保「別にいいでしょ!!! 騎乗位とか勃起した天道くんとかよりよっぽどマシですよ!!!!」
恵美「じゃあこれは? 東京都豊島区、今夜も斎藤、15歳。
『私は女の子が普通着るような服装がわかりません。アイドルの2人に教えて欲しいです』
だって、女の子みたいだね」
志保「……うん。いいと思いますよ。ほら、この人は今夜は最高と斎藤をかけてるんでしょ。自分の名前が斎藤だからって……
って、この人斎藤じゃないじゃないですか!!!! 本名永吉じゃないですか!!!!
なにが今夜も斉藤ですか、この人は毎晩永吉ですよ!!!」
恵美「じゃあなに、この子も名前改めさせちゃう?」
志保「いや、できたらそうさせたいですよ」
恵美「エンディングー!」
志保「えっ!? もう!?」
恵美「いやー、今日はふつおたしか紹介できなかったねえ」
志保「本当ですよ……というか、ふつおたというか今日はラジオネーム紹介しただけなんじゃないですか?」
恵美「だねえ。いやー、まいったね」
志保「もうそれはいいですよ!!! エンディングなんですから!!!」
恵美「いや、そりゃ今からまた始まりはしないよ~。エヴァーグリーンだってあるんだから」
志保「わかってますよ……あーもう、2時間まるまるリスナーの頭の悪いラジオネームに費やして……
この溜まってるコーナーのはがきどうするんですか?」
恵美「そうだねえ。ガッテンも北沢俳句も魂リクもできなもできなかったし」
志保「いや、それガッテン以外しなくていいコーナーですから」
恵美「wwwwwwまあ。リスナー的にはネタ書き溜める時間ができてよかったんじゃない?
来週のたとえてガッテンはライブに必要なもの対決。恵美チームのお題はペンライト。志保チームのお題は松田亜利沙
じゃあ宛先紹介よろしくっ」
志保「はい。葉書の人は郵便番号、100-8439、ニッポン放送、北沢志保と所恵美のオールナイトニッポンまで
メールの人はshihomegu@allnightnippon.com。shihomegu@allnightnippon.comまで」
恵美「まだ1週間あるからドシドシ送ってきてね~。この後は、高垣楓さんのオールナイトニッポンエヴァーグリーンだよっ」
志保「それではまた来週、火曜日の1時にラジオの前でお会いしましょう
お送りしたのは765プロライブシアター第4期生、北沢志保と」
恵美「えっへっへ。765プロライブシアター第4期生、所恵美が喋ってましたっ」
志保「おやすみなさい」
恵美「いい夢見てね♪」
志保「北沢志保と」
恵美「所恵美のっ」
志保・恵美「「オールナイトニッポン!」」
終わりです
今日の放送を聞いていてもたってもいられなくなっていちばん好きなやりとりをいちばん好きなアイドル達にやってもらいました
またあの2人に出会うことが出来るその日を1人のリスナーとして楽しみにしてます
暖かくして寝ろよー。僕から以上!
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