死に戻り (13)
スマホが鳴った。
知らない音が。
男は驚き、いつのまにかあったアプリを開く。
<タスケロ>
と、文字が表示された後、少女の居場所や、様々な情報が現れた。
男は表示された場所へと向かっていく。
何が起きるのかも知らずに。
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男「えーと、これに出てる場所に行けば...いいのかな?」
会社から帰る途中であった男はその場所へと、小走りで向かう。
男「イタズラ...では無さそうだし、行って何か無かったら帰ればいいしな」
男が表示されている場所へたどり着くと、そこは交差点であった。何の変哲もない、普段と変わりない。
男「やっぱ、何かのイタズラだっのか...?しょうがないし、帰るかぁ」
「きゃあっ!」
耳に響くとても高い声の、悲鳴が聞こえた。
男「!?」
男が驚き、交差点へ振り向くと、其処には
男「人が...轢かれた!?」
軽自動車に轢かれ、横たわる女性がいた。
既に交差点は騒然としており、混乱の中にあった。
そしてその時男は気が付いたのだ。その女性が、
先程スマホに現れた女性と、同じだという事に。
男「どうなってるんだよ...なんなんだよこれ!」
男は叫ぶんだ。すると、
<タスケロ>
その表示がされる瞬間にいた。
男「なんなんだ...?夢...?未来予知...?クソっ!どうなってる!」
男「これが本当なら、助けなきゃ!あの人を!」
男は走り出した。さっき、いや、未来で轢かれた女性の元へと。
男は先程とは違い、全速力で走った。そして、交差点にまたあの女性を見つけた。
男「いた!あの人だ!あの人を!」
男「すいません。あの、すいません。」
女「はい?」
男「あ、あの!えっと、その...」
女「?」
ここでそのまま言う訳にはいかなかった。言ってしまえば、ただ頭のおかしい人だと思われてしまう。どうすればいいのか
男(そうだ!道案内をして貰えば!)
男「あ、あの!dmビルってとこに行きたいんですけど、道がわからなくて...」
女「え、あ、そういう事でしたか、このビルは、あそこを左に曲がって...」
男(よし、これで時間は稼げるはず...)
男がそう思った瞬間に、後ろを猛スピードで車が走って行った。
そして、歩道に植えてある木にぶつかり、停止した。
男(あれが...さっきの...)
女「あ、危なかったですね...」
男「そ、そうですね...あ、ビルの場所教えてくれて、ありがとうございました。」
女「いえいえ。それでは」
その女性は、不幸な事故で死ぬ事はなく、過ぎ去っていった。
そして、スマホのアプリには
<コンプリート>
の文字が浮き出ていた。
男「さて...これでいいのかな、ん?アプリの名前...なんだこれ...「死に戻り」?」
男は、車に轢かれて死んだあの女性を思い出し、まさかと小さな声で呟いた。
男「あーあー。随分遅くなっちゃったなー。」
時計は既に、8時を過ぎている。いくら家がもうすぐだと言えども、急がなくてはならない。
男「ただいまっと...はぁぁぁ...なんか今日は疲れたなぁ...もうさっさと寝るかな...」
男はささっと風呂に入ってから、ベッドで就寝した。
こうして、死んだはずの女も、それを救った男も、元の平凡な生活へと、戻っていった。
その日は、誰も死ななかったかのように
男の中のアプリにまた
<タスケロ>
の文字が現れた。
男はそれを見て、それに表示される居場所を見て、あるときは女性を、あるときは、子供を助ける。
誰にも気づかれまいと、誰にも認められまいと、関係なかった。
そしてまた
「死に戻り」というアプリに
<コンプリート>
が現れる。
終わり
物足りなく感じると思いますが...明日も仕事があるので、これで終わりです。
きっと他の誰かが書いてくれると信じてます!
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