死に戻り (13)

スマホが鳴った。
知らない音が。

男は驚き、いつのまにかあったアプリを開く。

<タスケロ>

と、文字が表示された後、少女の居場所や、様々な情報が現れた。

男は表示された場所へと向かっていく。
何が起きるのかも知らずに。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1466176697

男「えーと、これに出てる場所に行けば...いいのかな?」

会社から帰る途中であった男はその場所へと、小走りで向かう。

男「イタズラ...では無さそうだし、行って何か無かったら帰ればいいしな」

男が表示されている場所へたどり着くと、そこは交差点であった。何の変哲もない、普段と変わりない。

男「やっぱ、何かのイタズラだっのか...?しょうがないし、帰るかぁ」

「きゃあっ!」

耳に響くとても高い声の、悲鳴が聞こえた。

男「!?」

男が驚き、交差点へ振り向くと、其処には

男「人が...轢かれた!?」

軽自動車に轢かれ、横たわる女性がいた。

既に交差点は騒然としており、混乱の中にあった。

そしてその時男は気が付いたのだ。その女性が、
先程スマホに現れた女性と、同じだという事に。

男「どうなってるんだよ...なんなんだよこれ!」

男は叫ぶんだ。すると、

<タスケロ>

その表示がされる瞬間にいた。

男「なんなんだ...?夢...?未来予知...?クソっ!どうなってる!」

男「これが本当なら、助けなきゃ!あの人を!」

男は走り出した。さっき、いや、未来で轢かれた女性の元へと。

男は先程とは違い、全速力で走った。そして、交差点にまたあの女性を見つけた。

男「いた!あの人だ!あの人を!」

男「すいません。あの、すいません。」

女「はい?」

男「あ、あの!えっと、その...」

女「?」

ここでそのまま言う訳にはいかなかった。言ってしまえば、ただ頭のおかしい人だと思われてしまう。どうすればいいのか

男(そうだ!道案内をして貰えば!)

男「あ、あの!dmビルってとこに行きたいんですけど、道がわからなくて...」

女「え、あ、そういう事でしたか、このビルは、あそこを左に曲がって...」

男(よし、これで時間は稼げるはず...)

男がそう思った瞬間に、後ろを猛スピードで車が走って行った。

そして、歩道に植えてある木にぶつかり、停止した。

男(あれが...さっきの...)

女「あ、危なかったですね...」

男「そ、そうですね...あ、ビルの場所教えてくれて、ありがとうございました。」

女「いえいえ。それでは」

その女性は、不幸な事故で死ぬ事はなく、過ぎ去っていった。

そして、スマホのアプリには

<コンプリート>

の文字が浮き出ていた。

男「さて...これでいいのかな、ん?アプリの名前...なんだこれ...「死に戻り」?」

男は、車に轢かれて死んだあの女性を思い出し、まさかと小さな声で呟いた。

男「あーあー。随分遅くなっちゃったなー。」

時計は既に、8時を過ぎている。いくら家がもうすぐだと言えども、急がなくてはならない。

男「ただいまっと...はぁぁぁ...なんか今日は疲れたなぁ...もうさっさと寝るかな...」

男はささっと風呂に入ってから、ベッドで就寝した。

こうして、死んだはずの女も、それを救った男も、元の平凡な生活へと、戻っていった。

その日は、誰も死ななかったかのように

男の中のアプリにまた

<タスケロ>

の文字が現れた。

男はそれを見て、それに表示される居場所を見て、あるときは女性を、あるときは、子供を助ける。

誰にも気づかれまいと、誰にも認められまいと、関係なかった。

そしてまた
「死に戻り」というアプリに
<コンプリート>
が現れる。

終わり

物足りなく感じると思いますが...明日も仕事があるので、これで終わりです。
きっと他の誰かが書いてくれると信じてます!

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