妹「ねえ、お兄ちゃん」

兄「何だい？」

妹「どうして私たちには家がないの？」

兄「お父さんお母さん、いなくなっちゃったからね」

妹「どこへ行っちゃったの？」

兄「遠い遠いところだよ」

妹「私もう大きいからわかるよ。死んじゃったんでしょ？」

兄「……うん、そうだよ」

妹「わかってた。だからいいんだ」

兄「ごめんな、こんな生活しかさせられなくて」

妹「いいの……」

妹「えへへ、たくさん集まったよ」

兄「上手くなったじゃないか！　すごいよお前」

往来の人「アッ！？　ねえ！　俺の財布がぁ！？」

往来の女「私のもないわ！」

兄「いっけね、ずらかろうぜ」

妹「うん」


兄「ハア、ハア、ハア」

妹「はーっ、はーっ」

兄「はあ、はあ、よし、ここまで来れば大丈夫だろ」

妹「はあ、はあ、ねえ、お兄ちゃん？」

兄「ん？」

妹「私たち、変わってるよね。みんなこんな生活してないよね。逃げたり、隠れたり、家がなかったり」

兄「他人なんて関係ないじゃないか。俺はお前さえいてくれればそれで幸せだよ？　お前は違うのか？」

妹「ううん、私もお兄ちゃんがいてさえくれればそれでいいよ」

兄「お姉さん、お久しぶり」

中年女「あら、久しぶりじゃない、子猫ちゃん」

兄「あの、またお小遣い欲しいんだけど……」

中年女「いいわいいわ。いくらでも。その代り、また私のマンションにいらっしゃいな」

兄「もちろん！　喜んで」


妹「お兄ちゃん。私もお兄ちゃんみたくちゃんと稼ぎたい」

兄「バッ！？　こんなやり方お前には絶対させないからな！？」

妹「なんで？私だってできるよ？おじさんたちをだますだけじゃなくて、ちゃんと最後まで……」

兄「そんなこと許すか！　ダメだ！」

妹「なんで……」

兄「お前にはきれいなままでいてほしいんだよ。俺が堕落するのはいい。でもお前は……お前だけは……」

妹「わかったよ、お兄ちゃん」

妹「ねえ、お兄ちゃん？」

兄「どうかしたのかい？」

妹「お股から血が出てきた」

兄「！？…な！？これは…」

妹「ねえ、お兄ちゃん、私、死ぬの？」

兄「いや！死なない！大丈夫！大丈夫だから！えぇ…ど、どうしよう」

妹「お兄ちゃん、私、怖い……」

兄「だ、大丈夫、大丈夫だって！で、でもどうすれば…あの、初めて、だよね？」

妹（ｺｸｺｸ）

兄「せ、生理用品…か？必要なのは？ど、どうすりゃいいんだ、おい！誰かああああ！！」


中年女「で？私のところに来たと」

兄「はい」

中年女「まったく、まあ薬も生理用品も渡して説明もしといたからいいけど。しかし妹と二人路上生活していたとは」

兄「ｱﾊﾊ、バレちゃった」

中年女「隠すようなことでもないでしょ？」

兄「いや、なんとなく、かっこ悪いじゃん？」

妹「そんなことのためにあの娘に初潮もろくに対応できないような生活をさせてるの？」

兄「面目ない」

妹「ねえ、お兄ちゃん？」

兄「どうかしたのかい？」

妹「お股から血が出てきた」

兄「！？…な！？これは…」

妹「ねえ、お兄ちゃん、私、死ぬの？」

兄「いや！死なない！大丈夫！大丈夫だから！えぇ…ど、どうしよう」

妹「お兄ちゃん、私、怖い……」

兄「だ、大丈夫、大丈夫だって！で、でもどうすれば…あの、初めて、だよね？」

妹（ｺｸｺｸ）

兄「せ、生理用品…か？必要なのは？ど、どうすりゃいいんだ、おい！誰かああああ！！」


中年女「で？私のところに来たと」

兄「はい」

中年女「まったく、まあ薬も生理用品も渡して説明もしといたからいいけど。しかし妹と二人路上生活していたとは」

兄「ｱﾊﾊ、バレちゃった」

中年女「隠すようなことでもないでしょ？」

兄「いや、なんとなく、かっこ悪いじゃん？」

中年女「そんなことのためにあの娘に初潮もろくに対応できないような生活をさせてるの？」

兄「面目ない」