翠「事務所に遮光カーテンを設置しました」 (24)

ブリノワPの皆さん許してください

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千秋「えっ、急にどうしたの?」

翠「これでもう光を貯めさせません」

千秋「南条さん?」

翠「違います」

千秋「どうしたの?」

翠「もう嫌なんです、発光テープ」

千秋「蓄光テープよ」

翠「どっちでもいいです」

千秋「よくないわ、それにこれは佐城さんからもらった特別な蓄光テープなの」

翠「それですよ!」

千秋「えっ?」

翠「いっつもいっつも佐城さん佐城さんって……いい加減にしてください」

千秋「そ、そんなに私佐城さんの話してないわよ?」

翠「してますよ」

千秋「してないわよ」

翠「じゃぁその身体に巻きつけた蓄光テープはなんですか?」

千秋「佐城さんにもらったの」

翠「冷蔵庫にある雪見大福は?」

千秋「佐城さんが宣伝してたから」

翠「先週行って来た美術館は?」

千秋「雪の美術館」

翠「雪美ちゃんだらけじゃないですか!」

千秋「雪の美術館は地元なのだけど……」

翠「とにかく、少しは雪美ちゃん以外のことも考えてください」

千秋「……ペロちゃんのこと?」

翠「実質雪美ちゃん!」

千秋「難しいわね」

翠「昔のストイックな千秋さんに戻ってください」

千秋「あら、今はストイックじゃないかしら?」

翠「雪美ちゃんに対してだけストイックすぎるんです」

千秋「たまにはいいじゃない」

翠「いつもじゃないですか」

千秋「そんなことよりこのカーテンほんと暗いわね、開けてもいいかしら?」

翠「ダメです」

千秋「光らせたいのだけれど」

翠「捨ててください」

千秋「佐城さんから頂いたものを捨てるなんてとんでもないわ」

翠「ただテープを細くしただけじゃないですか」

千秋「贈り物は気持ちなのよ」

翠「どんな気持ちがあるんですかそれ……」

千秋「……慕情とか?」

翠「それ千秋さんの願望ですよね」

千秋「とりあえずカーテン開けるわね」

翠「やめてください」

千秋「佐城さんにテープに蓄光しておいてって頼まれてるの」

翠「なんですかそのたまごっちに餌やってみたいなの」

千秋「例えが古くないかしら?」

翠「すみません、先ほど菜々さんとレッスンしていたので」

千秋「ちょっと失礼じゃない?」

翠「あと千秋さん、もう一点あるのですが」

千秋「何かしら?」

翠「どうして猫耳をつけているのですか? もしかして雪美ちゃんに飼われたいとか……」

千秋「おかしいかしら? 高峯さんもつけているのだけど……」

のあ「…………………………………………………………………にゃん」

翠「確かにみくさんもつけてますし特に問題ありませんね」

千秋「そうよ」

翠「でも首輪は誰もつけてないですよね」

千秋「アイドルなんだから、人と同じことをしていてはダメよ」

翠「アイドルなんですから人の道は外さないでください」

千秋「翠さん、今日はやけにイライラしているわね。 どうかしたの?」

翠「今まで溜まっていたものが爆発しただけです」

千秋「溜まっているの? だったらこの佐城さ」

翠「ストーーーーーーーーーーップ!」

千秋「いきなり大きな声を出したらびっくりするじゃない」

翠「それ以上はやめましょう」

千秋「そうね、また後でこっそり渡すわ」

翠「いえ、そういうことではありません」

千秋「翠さん、本当にどうしたの?」

翠「私も限界なんです。 毎日毎日佐城さん佐城さんって」

千秋「佐城さんのこと、苦手なの?」

翠「苦手じゃないですよ。 むしろ好きです」

千秋「それじゃぁいいじゃない」

翠「そ、それはそうなんですけど……」

千秋「何か事情があるのかしら?」

翠「それは……」

千秋「何か特別な事情があるの? 私で良ければ話してくれないかしら?」

翠「それは……言えません」

千秋「そう」

翠「千秋さんは、雪美ちゃんしか好きじゃないんですか?」

千秋「どうでもないわよ。 事務所のメンバーもみんな好きよ」

翠「でも、私の話は全然してくれないじゃないですか」

千秋「そうかしら」

翠「ブリヤントノワールでずっと一緒なのに」

千秋「それはそうだけれど……」

翠「もっとこう…私の話もしてくれてもいいんじゃないですか?」

千秋「翠さん……もしかして寂しかったの?」

翠「寂しくなんてないです」

千秋「それじゃぁカーテンをあけてもいいわね?」

翠「だめです」

千秋「わかったわ、それじゃぁ翠さんにこれをあげるわ」

翠「えっ、これは雪美ちゃんからもらった大切なテープなんじゃ」

千秋「いいのよ、それに佐城さんもきっとそうすると思うわ」

翠「千秋さん……………」

千秋「さぁ、カーテンをあけて光を蓄えましょう」

翠「はい!」


終わり

おまけ

雪美「ただいま………」

千秋「おかえり佐城さん」

翠「雪美ちゃんおかえり」

雪美「翠……テープ……千秋と……お揃い……」

翠「ど、どうかな?」

雪美「素敵……光るとこ……みたい……」

翠「う~ん、まだ外は明るいからあんまり見えないわね」

千秋「大丈夫よ、こうすれば」シャーッ

翠(そうか、遮光カーテンだから閉めれば暗くなる!)

雪美「……!? すごい……暗くなった……」

千秋「翠さんが買ってきてくれたのよ」

雪美「翠……ありがとう……。 暗闇……翠……綺麗………」ウットリ

翠(あっ、雪美ちゃんなんて可愛い顔するの)キュンッ

千秋「あっ……」

雪美「ふふっ…………」

本当に終わり

以上です。
これからも膝の上の恋人こと佐城雪美ちゃんをよろしくお願いします。

前作です。

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