ダイヤ「千歌さんの、あの日」 (22)
タイトルに反して下ネタはなしです
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1465650809
―登校―
梨子「うぅ…あつ~い…こんな中、この坂道をのぼって通学なんて…」
曜「ほんとに…こうも暑いと、夏バテとか心配だよね~。みんな体調くずしてないかな」
梨子「あ、そういえば千歌ちゃん、昨日ちょっと元気なかったみたいだけど、もしかして夏バテかな…」
曜「んー…たぶん違う…かな、千歌ちゃん、あの日がけっこう辛いみたいでさ」
梨子「あ、そうなんだ。じゃあきっと今日も…」
曜「うん…おそらく…、おっ、噂をすれば前方に千歌ちゃん発見」
「」ヨロヨロ
梨子「な、なんかすごいフラフラじゃない…?」
曜「朝練は見学だね、こりゃ」
梨子「もう校門の目の前だけど、荷物だけでも持ってあげないと……ん?あれは…」
ダイヤ「あら、千歌さん、おはようございます」
千歌「…」フラフラ
ダイヤ「ちょっと?千歌さん?聞いてますの?」
千歌「…ぅあ?…うん…おはょ…」
ダイヤ「もう…暑いからってだらけていてはいけません!あなたは仮にもリーダーなのですから、他の部員の模範となっていただかなくては…」クドクド
千歌「…ん」
ダイヤ「…きちんと朝食はとっているのですか?どうせまた寝坊して食べていないのでしょう?そのようなことでは、そのうち体調を…」クドクド
梨子「ダイヤさーん!」タタタ
ダイヤ「あら、梨子さんに曜さん、おはようございます」
曜「はぁはぁ…、あ、あの…千歌ちゃんは…今日は…あの…お客さんが来てる日で……だから、その…」
ダイヤ「旅館のお手伝いが忙しかったとでもおっしゃいますの?ですがそれはそれ、これはこれです。学校生活に支障をきたすようでは…」
梨子「そういう意味ではなくて…あの、ざ、ざぶとんが…///」
ダイヤ「?…何の話ですの?」
千歌「…も……だ…」フラッ
ダイヤ「っ!千歌さん!?」ガシッ
曜「千歌ちゃん!?大丈夫!?」
梨子「す、すぐ保健室に…」
曜「こんな早い時間じゃまだ開いてないよ!と、とりあえず部室に…!」
ダイヤ(…こんなに顔色が悪かったなんて…わたくし…まったく…)
曜「ダイヤさん!わたしがかついで行きますから!……ダイヤさん?」
ダイヤ「…わたくしが連れていきます…」
梨子「ダイヤさん…」
ダイヤ(わたくしの…責任ですわね…)
―部室―
ダイヤ「みなさんは練習に行ってください…8人で看病するわけにもいきませんから…」
果南「ん…わかった、何かあったらすぐ呼んでね」
バタン
ダイヤ「…ふぅ」
ダイヤ(とりあえずイスを並べて寝かせてありますから、保健室が開くまではここで休ませましょう)
ダイヤ(曜さんから聞きましたが、千歌さん、今日はあの日でしたのね…しかもいつもかなり重い方だとか…)
ダイヤ(最近暑いですから、その疲れと…そしてあの坂道でかなり消耗していたのでしょう)
ダイヤ(それを…わたくしは…)
ダイヤ「反省…しなくてはなりませんね…」
千歌「…んぅ…、あ…れ?」ムク
ダイヤ「あ、まだ起きては…」
千歌「んー…だいじょうぶ、だよ……おみず…」ポワポワ
ダイヤ「わたくしが取りますから…どうかせめて座っていてください」
千歌「ん…ありがと…」
ダイヤ「……その…さきほどは…」
千歌「…うん…ごめんね、ダイヤちゃんのこと…無視…しちゃって」
ダイヤ「っ!そ、そんなこと…!あなたに先に謝られてしまってはわたくしは立つ瀬がありません!」
ダイヤ「わたくしのせいなのです…!あなたの元気がないことをわかっていながらもあんなところで引き留めて…」
ダイヤ「…しかもあなたの顔色が悪いことにすら気づいていなかったなんて…わたくしはあなたに、リーダーのなんたるかを説教する資格なんてありません…!」
千歌「…さっき…ダイヤちゃんの言葉は…ほとんど耳に入ってこなかったけど…」
千歌「…ダイヤちゃんがわたしを思ってくれてるってことは…ちゃんと伝わってたよ…?」
ダイヤ「っ!…でも…!それで事態を悪化させてしまっては元も子もありません…!」
千歌「…ダイヤちゃんはちょこっと不器用なだけだよ……わたし…気づいてたよ…?ダイヤちゃんが何回も…わたしのバッグに手を伸ばしたりひっこめたりしてたこと…」
ダイヤ「…!」
千歌「ダイヤちゃんは誰よりもやさしくって…ちょっぴり不器用で…」
千歌「…何事にも一生懸命で……時々頑張りすぎて空回りしちゃうけど…」
千歌「わたしも…みんなも…そんなダイヤちゃんだからこそ、一緒に頑張りたいって思うんだよ…?」
ダイヤ「……ふふっ、わたくしのだらだらとした説教よりも、よっぽど身にしみますわね…」
千歌「…えへへ……一応、リーダーだからね」
ダイヤ「そんな青白い顔で言われても説得力ありませんわよ?…まだしばらく時間がありますから…横になっていてください」
千歌「んーん……やだ」
ダイヤ「…もう…あなたのことを心配して言っているんですのよ?」
千歌「…うん…、でも…今はもうちょっと…ダイヤちゃんの顔…見てたいかなって…」
ダイヤ「っ!?////」
千歌「…いまのダイヤちゃん…なんかお姉ちゃんって感じ…えへ…」
ダイヤ「」キューン
ダイヤ「で、ではわたくしのひざを貸してさしあげますから…それで良いでしょう?」
千歌「えへへ…やったー…ダイヤお姉ちゃんのひざまくらだー」ポスッ
ダイヤ「ふふっ、手のかかる妹が増えてしまいましたね」
千歌「……じゃあ…もういっこおねがい…」
ダイヤ「はいはいなんです?」
千歌「あたま…なでてほしいの」
ダイヤ「~~~っ////」
千歌「ねっ…いいでしょ?」
ダイヤ「…///」ナデナデ
千歌「ふふっ、やっぱり優しいね……かお、あかいよ…?」ニコ…
ダイヤ(な、なんですの…!この弱弱しい笑顔……!なぜこんなにもわたくしを惑わせるんですの!?)
ダイヤ(くっ!なんとか保ってくださいわたくしの姉としての理性…!そ、そう!わたくしにはルビィが…!)
ダイヤ(あぁ……なでまわしたい!いやむしろ抱きしめたい!抱きしめてめちゃくちゃになでなでしたい…!)
千歌「…すぅ……すぅ…」
ダイヤ「…」
ダイヤ(…ほっ、すぐに寝てしまったようですわね……よかった…)
ダイヤ(なんでしょうか、この無性に甘やかしたくなる衝動は…危うく暴発するところでしたわ…)
ダイヤ(…しかし、心なしか顔色もよくなってきたようですわね…くちびるもきれいな桜色で…やわらかそうで…)
ダイヤ(…)
ダイヤ(……って!?何を考えていますの!?お、落ち着きなさいわたくし…!)
ダイヤ(あぁ…でも改めて見ると愛らしい顔立ちをしていますわね…そして普段のやかましさとのギャップがたまらないこの寝顔っ…!)
ダイヤ「…」
ダイヤ(……うふっ、すこしくらい触ってもバチは当たりませんわよね!だってわたくしはダイヤお姉ちゃんですもの!妹に触れるだけで何を躊躇する必要がありましょうか!いいえ!ありません!)
ダイヤ(では失礼して…)ソー
バアン!
ダイヤ「っぅひゃぁぁん?!!??」ビクッ
梨子「なにしようとしてるんですかダイヤさーん!?」
曜「責任とって看病してるかと思えば…そんな責任の取り方はいりませんよっ!?」
果南「うんうん…千歌は年上の母性をくすぐるのがうまいからなぁ…」
曜「千歌ちゃん!この人といたら何されるかわかんないよ!?さぁ、教室に行こう!」ユサユサ
果南「あ、こら、具合悪いんだからそっとしといてあげなよー…それに…」
千歌「……ん…ぅ…う…うるさーい!曜ちゃんきらい!」
曜「へぼぁっ!?」バターン!
果南「…それに無理やり起こすと超機嫌がわるくなるんだから…」
梨子(ふふっ、ここは『あざと医』であるこのわたし、桜内梨子の出番だよ!)スッ
梨子「千歌ちゃーん?わたしと一緒に保健室でねんねしようねー?」
千歌「いやっ!梨子ちゃんこわいもん!ダイヤちゃんがいいっ!」プイッ
梨子「がーん!?」
ダイヤ「そうですわ!この子はわたくしといるのが一番なんですのよ!?」
果南「ダイヤも変なスイッチ入ってるし…」
果南「千歌ー?もうチャイムなっちゃうし、ダイヤに迷惑かけたくないでしょ?」
ダイヤ「迷惑なんてありえません!仲間の…いいえ、家族のためなら授業のひとつやふたつ…!」
千歌「それはだめ!」
ダイヤ「…千歌さん?」
千歌「それはだめ…だもん…」
果南「うん、いいこだね。おんぶしてあげるから保健室いこうねー」
千歌「…うん…」
果南「…よいしょ…んじゃ、行ってくるね」
ダイヤ「うぅ…いい子に育ちましたわね…」グス
果南「あんたは親か。……あとさ、ねぇダイヤ…」
ダイヤ「?」
果南「千歌のお姉さんは、一人で十分だと思わない?」ボソッ
ダイヤ「んなっ!……くっ、まんまとやられました…!」
果南「んじゃ、後でね~♪」
バタン
曜「」チーン
梨子「うぇーん!わたしこわくないもーん!」メソメソ
ダイヤ「~っ!」ワナワナ
ダイヤ「…明日は必ず…あなたを打ち破ってみせますわー!!」バーン
―翌日―
ダイヤ「お、おはようございます。…体調はいかがですか?」ソワソワ
千歌「あ、おはよー!いやーなんか昨日は迷惑かけちゃったみたいでごめんね!登校してたはずなのに気づいたら保健室で寝ててびっくりしたよー」アハハ
ダイヤ「」
果南「」プッ
おわり
弱った千歌ちゃんと世話焼きダイヤさんが見たかっただけの自己満でした
お付き合いいただいた方、ありがとうございました
6月26日ぷかぷかサンシャイン当選しました!
が、ソロ参戦ということに…誰か声かけてください笑
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません