西住みほ「ドラフト・ウォー!」 (216)

大洗女子学園 生徒会室

『戦車道プロリーグのドラフトが始まろうとしています。今年はどのような選手が選ばれるのでしょうか』

杏「西住ちゃんにはそんな話ないよね」

みほ「ないです、ないです! そもそもちゃんと大学にいってないと」

桃「大学リーグでの活躍が必須だったな」

みほ「はい。まだまだ中学、高校の実績だけでは評価されない世界ですから」

杏「ま、仕方ないかなぁ。何十輌相手に殲滅させる戦術を組むのと、フラッグ車一輌を倒せば終わりでいい戦術では、前者のほうが重宝されるよねぇ」

みほ「はい。選ばれるとしたら愛里寿ちゃんのほうがまだ可能性はあると思います。とはいっても、卒業見込みじゃないと無理でしょうけど」

柚子「色々あるのねぇ」

杏「……」

桃「それはさておき、事務を終わらせるか。戦車道に関する書類も溜まっているからな。すまないが、頼む」

みほ「はい」

柚子「あとで美味しいケーキ用意するからね」

みほ「そんな。お構いなく」

杏「ドラフト会議、いいねぇ」

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数日後 大洗女子学園 廊下

優花里「やはり将来は西住殿がプロリーグで活躍するところ、見たいです」

みほ「無理無理! 私はとてもプロなんて」

優花里「そんなことないと思うのですがぁ」

ツチヤ「ドリフトだって! どこ走るのかなぁ」

ホシノ「ドラフトって書いてあるようにしか見えないけど?」

優花里「自動車部のみなさん、どうされたのですか」

スズキ「このポスターが気になってね」

ナカジマ「今度、ドラフト会議があるらしいですね」

みほ「ドラフト会議?」

優花里「ええと……」


『大洗女子学園オールスターVS黒森峰女学園オールスタードラフト会議決定!! 戦車道受講者は緊張して待て!!』


みほ「え、えぇ!?」

優花里「ど、どういうことですか、西住殿!!」

みほ「わ、私に訊かれても困るよぉ」

ナカジマ「主催は大洗女子学園生徒会ってなってますが」

優花里「つまり、今回も会長の計画というわけですか」

みほ「そうなるの、かな」

ホシノ「けど、これって黒森峰と試合をするってこと?」

ツチヤ「練習試合かぁ」

スズキ「オールスターっていうのが気になる」

優花里「ドラフト会議と言っていますから、オールスターを選抜するんでしょうけど」

みほ「詳細は会長に聞いてみないと」

ナカジマ「これは忙しくなるよぉ」

ホシノ「また整備で徹夜かな」

ツチヤ「うれしそうだねぇ」

スズキ「自動車弄ってる時間のほうが短いってのは考え物だけど」

優花里「西住殿、今から会長のところに行きますか?」

みほ「うん、そうだね。行ってみよう」

生徒会室

杏「読んで字のごとくだよ。この日、オールスターチームの選手を選抜する」

桃「黒森峰女学園の代表は西住まほ。大洗女子学園の代表は……」

杏「私だ」

優花里「そこは西住殿ではないのですか!?」

杏「こういうのやってみたかったんだよねぇ。なんだか楽しそうだしな」

みほ「は、はぁ」

柚子「ごめんね、びっくりさせて。でも、今回西住さんは観客席で座っていればいいから」

桃「呼ばれたら大きな声で返事をするように」

みほ「わ、わかりました」

優花里「それでオールスターチームをドラフト会議で決めるってことですよね?」

杏「うん。各チーム5輌編成。搭乗車輌とその乗組員をドラフト会議で決める」

優花里「戦車も対象なのですか!?」

杏「勿論、戦車や選手が被ったら抽選になる」

みほ「同じ戦車はダメってことですか」

桃「公平さを期すための措置だ」

みほ「5輌だけとなると、絞るのも大変そう……」

杏「そういうのを取捨選択するのが戦車道ドラフト会議の醍醐味だよねぇ」

優花里「普通、戦車までは選抜しないのですが」

杏「まぁまぁ」

柚子「場所はここ、大洗女子学園の体育館でするの」

桃「その日は大洗全域に抽選の様子を放送するつもりでいる」

優花里「テレビまで!?」

柚子「超ローカルだけどね」

みほ「本格的すぎる……」

杏「何事も本気でやらなきゃ、面白くないからな」

桃「会長の言う通りです」

柚子「それじゃあ、楽しみにしててね」

優花里「分かりました」

みほ(会長、誰を選ぶつもりなんだろう……。それにお姉ちゃんが誰を選ぶのか気になる……)

戦車倉庫

優季「ねえ、きいたぁ? ドリフト会議」

桂利奈「きいたー! 誰がえらばれるのかなぁ!?」

あや「ドリフトってどんなことするの?」

あゆみ「やっぱタイヤを溝に落とし込んで走るんじゃない?」

梓「なんの話?」

カエサル「一体、何人が選ばれるのか」

おりょう「選ばれし者……。選ばれた者はまさに新選組ぜよ」

左衛門佐「赤備えだな」

カエサル「神聖隊だ!!」

エルヴィン「やっぱり第2SS装甲師団でしょ」

おりょう・左衛門佐・カエサル「「それだぁ!!」」

みどり子「例のイベントで盛り上がっているけど、こういう浮ついたときこそ風紀が乱れやすいんだから」

希美「私たちで風紀を守ろう」

モヨ子「うん」

典子「西住さん! 次のドリブル会議なんですけど!!」

みほ「ああ、うん。どうしたの?」

典子「やはり全国の高校戦車道選手は平等に選ばれるチャンスがあるのでしょうか!?」

みほ「あー……。そういえばどうなんだろう……」

妙子「ありますよね?」

みほ「あると、思うけど」

忍「つまり、私たちの八九式も夢のオールスターに組み込まれるということか」

あけび「すてきっ!」

みほ「みんなは選ばれなくてもいいんだ」

典子「西住まほさんは八九式のすばらしさを理解していると思う」

妙子「間違いないですよね!」

みほ「……」

沙織「私が選ばれちゃったらどーしよー! 一気に全国デビューじゃない!?」

華「決勝は全国放送だったかと」

麻子「どうでもいい」

ねこにゃー「みんな平等にチャンスがあるんだぁ」

ももがー「えらばれたいぃ!」

ぴよたん「でも、ねこにゃーだけが選ばれることもあるずら?」

ねこにゃー「おぉぉ……そ、そんな事態にはならないと思うけど……」

ももが「そのときは応援するなり!」

ぴよたん「ファイトだっちゃ!」

ねこにゃー「ありがとう、ボク、がんばるにゃー」

優花里「みなさん、期待に胸を膨らませているようですね。私もなんですが」

みほ「やっぱり、選ばれるって自分が特別ってことだし、嬉しくなると思うな」

優花里「それは西住殿もですか?」

みほ「どうだろう……」

優花里「何か?」

みほ「と、とにかく、どっちのチームに選ばれていいように心構えだけはしておかないと」

優花里「そうですね!! でも、西住殿と敵になったらちょっと嫌ですぅ……」

みほ「それは私もだけど、どうなるかは分からないから」

黒森峰女学園 会議室

エリカ「どうぞ」

まほ「ありがとう。オレンジペコ……。一年にして隊長車の装填手を任されてる……」

エリカ「ダージリン隊長はその才能に目をかけているようですね」

まほ「なるほど。次を」

エリカ「はい」

まほ「ローズヒップ……。車長を務めるほど能力は高いが、落ち着きのなさがマイナス要素……」

エリカ「事実、ダージリン隊長も頭を悩ませているとか」

まほ「隊長の裁量次第ということか。次」

エリカ「こちらです」

まほ「継続高校隊長ミカ……」

エリカ「我々もこの人物の恐ろしさは身に染みていますね」

まほ「驕るつもりはないが、私、みほ、エリカがいたときですら辛勝だったからな」

エリカ「実力は認めざるを得ません」

まほ「そうだな。次を」

数日後 大洗女子学園 体育館

沙織「おぉー!! なんかすっごーい!!」

麻子「テーブルがいくつも並んでいるな」

優花里「本物のドラフト会議みたいですよー!!」

華「あら? 既に誰かが……」

絹代「全員、敬礼!!!」

みほ「わっ!?」

絹代「この度はこのような名誉ある式に参加させていただき感謝しています!!」

福田「キンチョーしているであります!!」

みほ「知波単学園のみんなも……」

絹代「あ、あの、西住隊長……わ、私たちがその、お、おーるすたーちーむという誉れ高き栄光を手にする可能性はいかほどでしょうか……?」

みほ「あ、え、えーと、みなさん、平等に選ばれる可能性はあると思います」

絹代「おぉ!! 聞いたか!! 我々の知波単魂もついに戦車道の高みへときたぞー!!」

「「おぉぉ!!!」」

みほ(きっと各校から何人かは選ばれるよね……偏ったりはしないよね……)

福田「体がふるえるでありますぅぅ……」

絹代「落ち着け、福田。深呼吸だ」

沙織「やっぱりみんな選ばれたいんだね」

華「わたくしも少しドキドキしてきましたわ」

麻子「緊張が移ったか」

アンチョビ「なんだ、我々が一番乗りではなかったか」

みほ「安斎さん。こんにちは」

アンチョビ「アンチョビと呼べ。アンツィオの席はどこだ」

優花里「あちらみたいですよ」

アンチョビ「グラーツィエ」

ペパロニ「おらおらードラフト一位指名確実のアンチョビ姉さんが通るぞー」

カルパッチョ「どうもすみません」

アンチョビ「一位にはならないと思うが、私の取り合いでケンカだけはしてほしくないな」

ペパロニ「絶対に姉さんが一位ですってー」

アンチョビ「そうとも限らないだろ。各校にも優秀な選手がいるのだからな」

桃「各自のテーブルに高校名と名前が書かれている。その通りの席に着け」

絹代「はっ!!」

福田「了解であります!!」

桃「もう着いているものは答えなくていい」

絹代「申し訳ありません!!!」

アンチョビ「もう始めるのか」

桃「まだ代表者が到着していない。そのまま待っていてくれ」

柚子「飲み物が欲しいかたは言ってくださいねー」

桂利奈「コーラ!!」

優季「コーヒーがいいなぁ」

ダージリン「では、ダージリンを」

梓「わぁ!?」

あゆみ「ダージリンさん!? 居たんですか!?」

ダージリン「ええ。いましたわ」

桃「聖グロリアーナのテーブルはそこではない。移動するように」

ダージリン「これは失礼」

オレンジペコ「もうダージリン様、恥ずかしいことをしないでください」

ダージリン「大洗のみなさんと交流しようとしただけよ」

ローズヒップ「ふふ。ダージリン様は5分で見破られてしまいましたわね。わたくしは7分間、バレない自信がありますわよ」

アッサム「5秒でバレると思います」

みほ「わざわざありがとうございます」

ダージリン「あら、みほさん。別によろしくてよ。こういう催しはもう少し先にならないと参加できないと思っていましたし」

みほ「もしかして、ダージリンさんはプロに……」

ダージリン「戦車を嗜む者としては目標の一つです。みほさんは違いまして?」

みほ「私は……プロなんて……」

ダージリン「……」

ローズヒップ「どちらに選ばれるのかドキドキしますわー!」

アッサム「敵同士になる可能性もありますわね」

オレンジペコ「ダージリン様と戦うことになんてなったら……」

ダージリン「全てを知り尽くしているのはお互いさまよ。こんな格言を知ってる? 平等はあらゆる善の根源であり、極度の不平等はあらゆる悪の根源である」

典子「続々と集まってきてるな」

カエサル「お。知らぬ間に参加しているところがあったようだ」

おりょう「むむ。あれは継続高校ぜよ?」

ミカ「……」ポロロン

エルヴィン「そのような隅にいないでこちらにきたらどうだ」

ミカ「もう少しここで賑やかな景色を眺めていることにするよ」

左衛門佐「混じりたくないのか?」

ミカ「物事はね、近くで見るより遠くから見たほうがいい。一本の木だけでは寂しいけど、森であればその雄大さに圧倒されるときもある」

カエサル「なんて詩的なんだ」

おりょう「よくわからないが、感動ぜよ」

ミカ「では、一曲奏でようか」

アキ「なんでそうなの?」

ミッコ「気にしたら負け」

みほ(ホントにここまでの人たちが集まるなんて……。会長の行動力って相変わらず凄いなぁ……)

愛里寿「人がたくさんいる……」

みほ「え!?」

みほ「……あれ?」

優花里「西住殿、どうしました?」

みほ「えっと、愛里寿ちゃんの声が聞こえた様な気がして」

沙織「え!? どこどこ!? どこにいるの!?」

華「わたくしは見ておりませんが」

麻子「別の高校にいったって聞いたが」

優花里「まだ入学先は決まっていないという話ですけどね」

みほ「気のせいだったのかな……?」

ケイ「グッモーニン!!」

みほ「ケイさん!」

ケイ「ミホー!」ギュゥゥ

みほ「わぁぁ!?」

ケイ「大洗っていつも楽しそうなレクリエーションを考えるわよね。そのアイディアはどこからアウトするわけ?」

みほ「会長がこういうお祭り大好きなだけで……」

ケイ「それは知ってるわー。アンジー自体がもうファニーだもんね! お! ヘイ!! ミカー!! 久しぶりねー!!」タタタッ

みほ「はぁ、びっくりしたぁ」

沙織「ケイさんって、いつも変わらないよねー」

ナオミ「うちの隊長がすまない。髪を乱してしまったな」

みほ「い、いえ、別に」

アリサ「で、いつ始まるのよ、ドラフト会議は」

優花里「それがまだみなさんが到着されていないようなので」

アリサ「早くしてほしいわ。こっちだって暇じゃないんだから」

ナオミ「そんなこと言って、一番に駆けだしていったのは誰だったか」

アリサ「余計なこと言わないでください!!」

華「皆さんが楽しそうでなによりです」

アリサ「違うっていってるでしょ!?」

ノンナ「カチューシャと同じように言い訳をしている人がいますね」

カチューシャ「あんなこといってないわよ!! 私は本当に来たくなかっただけ!!」

クラーラ「дичиться」

>>18
カチューシャ「あんなこといってないわよ!! 私は本当に来たくなかっただけ!!」

カチューシャ「あんなこといってないわよ!! カチューシャは本当に来たくなかっただけ!!」

杏「みんな到着したみたいだねぇ」

絹代「心の準備はできておりますゆえ!!」

カチューシャ「黒森峰がいないみたいだけど?」

杏「だいじょーぶ、今しがた到着した。かわしまぁ」

桃「はっ。全員、席に着け」

ミカ「……」ポロロロン

桃「継続高校、指定されたテーブルに着け」

ミカ「ここで見ていることに決めたから気にしなくてもいいよ」

桃「……」

アキ「あの、こっちは欠席したとでも思ってもらえたらそれで」

杏「まぁまぁ、ああしたいっていうならさせておけば?」

桃「わかりました」

ミカ「どうやら、ドラフト会議を始めるようだ」

アキ「いや、それはそうだって」

ミカ「でも、その次はあるかな」

桃「それではこれより第一回大洗女子学園オールスターVS黒森峰女学園オールスタードラフト会議を開始する!!」

柚子「西住まほさん、どうぞ壇上へ」

まほ「……」

杏「よく来てくれたね。あんがと」

まほ「いや。こういうことも悪くないと考えただけだ」

優花里「始まりますね。できればあんこうチームは同じチームがいいのですが」

みほ「そうだね」

ダージリン「わたくしは、みほさんたちと同じ戦車に乗りたいですわ」

みほ「ダージリンさん!? いつこっちのテーブルに!?」

ローズヒップ「わたくしもいますわ!!」

桃「こらぁ!! テーブルを移動するなぁ!! スポットライトを当てるとき面倒になるだろ!!」

ローズヒップ「バレましたわ!!」

ダージリン「貴方と一緒にいると、どこにも隠れられませんわね」

エリカ「賑やかな連中ね」

優花里「あれ? 逸見殿は私たちのテーブルなのですか?」

エリカ「今来たばかりで、どこに行けばいいのかわかないのよ」

華「あちらに黒森峰のみなさんが座っておられますが」

エリカ「え?」

小梅「こっちでーす」

エリカ「早く言いなさいよ!!」

みほ「あはは。またあとで」

エリカ「負けないわよ、みほ」

みほ「な、なにに?」

エリカ「ふんっ」

沙織「指名順位で競うつもりなんじゃない?」

みほ「そんなので競われても……」

華「負けないようにしましょう、みほさん」

みほ「あ、う、うん」

桃「静粛に! おほん。では、まずは戦車の選抜から行う。選抜できる戦車は各校が所有している戦車に限る!」

ナカジマ「レオポンが選ばれる可能性あるかも」

桃「お二人には既に1位から5位までの車輌を選んでもらっている。それではまずは1位の戦車を発表してください」

杏「ほいさ。えー、大洗女子学園オールスター一位指名の戦車はぁ……」

典子「八九式!!」

アンチョビ「P40!!」

杏「Ⅳ号戦車!」

「「おぉ~」」

沙織「やっぱり、私たちのこと会長は狙ってるよね!!」

優花里「間違いありません!!」

みほ「……」

まほ「黒森峰女学園オールスター一位指名戦車は……」

小梅「どれを選ぶんでしょうか」

エリカ「そんなの言うまでもないわね」

まほ「VI号戦車ティーガーI」

「「おぉ~」」

麻子「どちらも五人乗りか」

杏「被らなくてよかったぁ」

まほ「流石だ。強力な戦車を選ばないということは、人選にかなりの自信があると見える」

杏「どうも。けど、お姉さんには負けちゃうと思うけどねぇ」

桃「では、このまま一位指名戦車の搭乗者を発表してもらいます」

カエサル「なるほど。事実上、一位の車長、装填手、通信手、砲手、操縦手というわけか」

みどり子「そういうわけでもないんじゃない? 一輌に優秀な選手を固めるのも危険な感じがするし」

杏「んじゃ、発表するよー。車長はぁ……」

ダージリン「ふっ」

カチューシャ「……」キリッ

アンチョビ「来たか」ガタッ

絹代「に、西住隊長の愛車に乗れるのか……!! この私が……!!」ガクガク

杏「西住ちゃーん!!」

「「やっぱりぃ」」

柚子(スポットライト、オン)バンッ!!

みほ「え? え? わたしですか!?」

エリカ「……」チッ

ケイ「まぁ、私でもミホを選ぶわねぇ」

アリサ「私は何位なんですか!?」

ナオミ「落ち着け」

桃「では、続いて黒森峰女学園」

まほ「車長は……」

ねこにゃー「自分ってありなのかな」

ももがー「代打、オレ。みたいな?」

エリカ「来たわね」ガタッ

アンチョビ「アンツィオの風が吹く」

まほ「西住みほ」

「「やっぱりぃ」」

エリカ「……」

ペパロニ「姉さんはきっとあれっすよ、二位指名なんですって」

アンツィオ「まぁ、西住流には敵わない、じゃない、強いからな。この結果はあり得た」

みほ「わ、私なの!?」

優花里「流石西住殿!! ダブル指名ですよ!!!」

カエサル「我々の隊長ならば当然だな」

梓「西住先輩、かっこいい!!」パチパチ

優季「かっこいいですぅ」

みほ「うぅぅ……」

ダージリン「……」ズズッ

オレンジペコ「残念でしたね」

ダージリン「そうね」

オレンジペコ「あれ?」

アッサム「あまり悔しくなさそうですわ」

オレンジペコ「そうですわね……」

柚子「それでは抽選をします。この箱には白と赤のボールが入っています。赤いボールを取ったほうが指名選手を獲得できます」

杏「まけないよぉ」

まほ「みほは渡さない」

杏「とったぞー!!」

「「おぉぉ!!!」」

桃「西住みほを獲得したのは、大洗女子学園!!!」

まほ「……」

桃「西住まほ監督。では、車長を改めて選抜してください」

まほ「わかった」

みほ(お姉ちゃん、監督なんだ……)

まほ「黒森峰オールスターチーム隊長車、車長、逸見エリカ」

エリカ「……はい……」

小梅(すごく元気がない!?)

柚子「指名されたかたは壇上へあがってください」

みほ「……」

エリカ「……」

沙織「あれ? 二人とも、なんか元気なくない?」

優花里「どうしたのでしょうか?」

桃「続いて、通信手の指名してください」

杏「うちの隊長車、通信手はぁ……」

沙織「お色直しとかよかったかなぁ?」

華「沙織さん、まだ決まったわけではありませんよ」

沙織「けど、このアマチュア無線――」

杏「サンダース、アリサちゃーん」

アリサ「ホワット!?」

「「おぉ~!!!」」

ケイ「サプラーイズね」

ナオミ「サンダースの恥にならないようにな」

アリサ「ど、どうして……わたしが……べ、別にうれしくなんてないのに……まぁ、指名されたんじゃ仕方ないわね……まったくぅ……」

まほ「通信手、武部沙織」

沙織「えぇぇぇ!?」

「「おぉぉ~!!!」」

麻子「黒森峰も意外な人選だな」

杏「通信手としての腕はピカイチだもんねぇ」

アリサ「ふんっ。あんたたちのレベルが低いだけよ」

みほ「よ、よろしくお願いします」

アリサ「私の足だけは引っ張らないでよね」


沙織「わ、わたしでいいのかなぁ?」

エリカ「隊長が選んだのだから間違いないわ。よろしくね」

沙織「みぽりんとは敵同士だけど、こうなったらやるっきゃないよね! うん!」

まほ(みほの動きを完璧に把握できる人間がこちらにいるだけで優位になる)


桃「それでは装填手を発表してください」

杏「装填手はぁ、カルパッチョ!」

アンチョビ「キター!!!」

ペパロニ「アンツィオ一位指名っすよ!!! どーだ!! みたかー!! アンツィオはノリと勢いだけじゃないんだー!!」

カルパッチョ「ペパロニさん、恥ずかしいからやめて」

アンチョビ「何を恥じることがある!! アンツィオから一位指名の選手がでたんだぞ!! 今日はカルパッチョの選抜決定祝いだー!!!」

あや「すっごい嬉しそう」

あゆみ「心の底では選ばれないって思ってたんじゃない?」

優季「表情は正直だねぇ」

アンチョビ・ペパロニ「「カルパッチョ!! カルパッチョ!!」」

カルパッチョ「もう……」

カエサル「……」

おりょう「たかちゃんは複雑なようぜよ」

エルヴィン「仕方ないな」

カエサル「う、うるさい!!」

桃「静かに!!」

まほ「装填手、オレンジペコ」

オレンジペコ「……え?」

ローズヒップ「やりましたわー!!! こちらも一位指名ですわよー!!! マジでうれしいですわー!!!」

アッサム「貴方が選ばれたわけではありません」

オレンジペコ「わ、わたしが……? オールスターに……?」

みほ「予想外の人選なのかな」

アリサ「他にも有能な人はいるのにね」

カルパッチョ「肩身が狭いですね」

みほ「そんなことありません」

アリサ「ま、あとの選び方でわかることもあるわよ」


オレンジペコ「ど、どうして私なんでしょう?」

まほ「実力がある者を選んでいるだけだ。他意はない」

オレンジペコ「勿体ないお言葉です」

沙織「よろしくねー」

エリカ「……」


ダージリン「人選が読めませんわね」

カチューシャ「どうしてカチューシャが一位じゃないのよ」

ノンナ「まだこれからですよ」

カチューシャ「どっちも見る目がないわね。もう帰っちゃおうかしら」

杏「砲手はぁ、ノンナー!!」

「「ですよねー」」

ノンナ「行ってきます」

カチューシャ「ぶぅー! ノンナが先じゃないのよー!!!」

クラーラ「カチューシャが選ばれるとしたら車長かと」

まほ「砲手、山郷あゆみ」

「「えぇぇぇぇ!?」」

あや「あゆみがぁ!?」

優季「うっそぉ」

あゆみ「え? 私?」

桂利奈「すっごーい!! 一位指名だなんてー!!」

カチューシャ「どういうことよ!!! 普通、ノンナでしょ!!」

まほ「何か文句でもあるのか?」

カチューシャ「……ないけど」

あゆみ「わ、わわわ、私でいいんですか!?」

優花里「てっきり、五十鈴殿かナオミ殿かと思ったのですか」

華「何か考えがあるのでしょう」


沙織「わーい、大洗から二人目だー」

あゆみ「き、きき、緊張します……」

エリカ「隊長の考えが分からないわ」

オレンジペコ「将来性を見ているのでは?」


アリサ「人選ミス?」

カルパッチョ「あの子、優秀なのですか?」

みほ「え? はい。勿論、砲手としての能力は高いですが、それでも五十鈴さんやナオミさんと比べてしまうと……」

ノンナ「あえてトップクラスの砲手を選ばなかったということは、隊長車にそこまで望んではいないということかと」

アリサ「でも、早めに選んでおかないと取られちゃうんじゃないの?」

ノンナ「最悪、取られてもいい、と考えているのではないでしょうか」

みほ「エリカさんなら……沙織さんから私の行動や癖を聞くだろうし……オレンジペコさんの装填速度、山郷さんの命中率を考えれば……バランスはとれているかもしれない……だとしたら……」

アリサ(この子、もう色んなことを考えてるの……?)

杏「そうきたかぁ」

まほ「定石通りの配役では汲みやすく、対処もされやすい」

杏「そうだねぇ」

まほ「また、先日送られてきたデータを見ても、山郷あゆみは砲手として優秀だった。隊長車の砲手を務めてもらうには申し分ない」

杏「ありがとう。褒められると、うれしくなっちゃうね」

まほ「貴方を褒めたわけではない。が、貴方が選抜候補なら、間違いなく砲手として一位指名していたが」

杏「ますます小躍りしたくなっちゃうな。アンアンってね」フリフリ

まほ「やめて」

桃「それでは最後のポジション、操縦手を指名してください」

杏「ほいさ。操縦手は、河西ちゃーん!!」

「「おぉぉ~!!!」」

忍「わたしぃ!?」

典子「ついにバレー部の時代だー!!!」

妙子「これでバレー部復活間違いなし!!!」

あけび「全然、関係ないですけどね!!」

まほ「こちらの操縦手は……」

ローズヒップ「キワマシタワー!!!」ガタッ

ダージリン「フライングですわよ」

まほ「同じく、河西忍」

「「えぇぇぇぇ!?」」

忍「またしても私ですか!?」

典子「まさかのダブル指名だなんて!!」

妙子「ますますバレー部の時代きてます!!!」

あけび「ホントにきてるかもぉ」

ローズヒップ「……」スッ

ダージリン「そう。そうして座っていなさい」

典子「しかし、何故河西なのでしょうか!! こちらには冷泉さんという優れた操縦手もいるのですが!!」

麻子「そんな奴がいるのか」

みどり子「嫌味にしか聞こえないわよ」

まほ「決勝時の操縦技術には目を見張るものがあった。マウスの上で精密な動きができたのも河西忍という選手の能力が高いからだと判断した。それだけだ」

>>43
ローズヒップ「キワマシタワー!!!」ガタッ

ローズヒップ「キマシタワー!!!」ガタッ

忍「ま、まさか、そこまで評価されていたなんて……」

杏「あの思い切りのいい操縦は河西ちゃんしかできないもんねぇ」

柚子「では、抽選をしまーす」

まほ「次は私からとってもいいだろうか」

杏「いいよー」

まほ「では……」ゴソゴソ

まほ「これだ」バッ

桃「白、だな」

柚子「白ですね」

まほ「……」

杏「とったどー!!!」

桃「河西忍を獲得したのは大洗女子学園!!!」

杏「いえーい」

まほ「くっ……!!」

みほ(会長にくじ運で勝てる人っているのかなぁ……)

まほ「では、操縦手、継続高校、ミッコ」

ミッコ「お……?」

ミカ「よかったじゃないか。さぁ、栄光の燭台に自分の火を灯してくると良い」

ミッコ「じゃ、いってくる」

アキ「いいなぁ……」

ミカ「羨ましいなら、懇願してくるといい」

アキ「お願いしたところで選ばれないと思うけど」

ミカ「どうかな。そこまで真剣に考えてはいないんじゃないかな」

アキ「それ、失礼だって」

ミカ「そう?」

杏「あの片輪走行、すごかったもんなぁ」

まほ「ティーガーでできるとは思わないが」

杏「そんなことできるならやってほしいけどね」

ミッコ「ムリムリ」

桃「これで両チームの一位指名車輌、搭乗者が決定したことになります。選抜選手、整列!」

杏「うちらの隊長車チームはこんな感じだ」


使用車輌 Ⅳ号戦車H型

車長  西住みほ
通信手 アリサ
装填手 カルパッチョ
砲手  ノンナ
操縦手 河西忍


まほ「私たちは……」


使用車輌 VI号戦車ティーガーI

車長  逸見エリカ
通信手 武部沙織
装填手 オレンジペコ
砲手  山郷あゆみ
操縦手 ミッコ


優花里「こうみると、いいチームですね」

華「ええ。敵になるのならどちらも手ごわいです」

ダージリン「双方共にただ能力が高いものを寄せ集めてはいませんのね……。トップクラスをあえて外している感じがしますわ」

桃「どんどん行くぞ。続いて、車輌第二指名だ」

「「おぉぉ~!!」」

柚子「選ばれた人たちはこのまま待っていてください」

ノンナ「Да」

アリサ「それで、あの面子とはどう戦うつもりなの、車長さん?」

みほ「え? そんな、まだ殆ど決まっていないので……作戦なんて……」

アリサ「え? そ、そうなの」

忍「西住先輩となら心強いです!!」

カルパッチョ「共にがんばりましょうね」

みほ「はい、やれるだけのことはやります」

アリサ「……」


沙織「みぽりんのことだから、もう色々と戦略練ってそう。どうするの、エリりん!?」

エリカ「ふん。所詮、個を寄せ集めたチームに過ぎないわ。付け入る隙はいくらでもある」

ミッコ「こっちも寄せ集めじゃないの?」

オレンジペコ「どうでしょう?」

杏「使用車輌、二位指名は、クルセイダーMk.III!!」

「「おぉぉぉ!!!」」

ダージリン「まぁ……」

アッサム「意表をつかれましたね」

ローズヒップ「来ましたわ……これがわたくしでなくて、だれが選ばれるというのです……」

ローズヒップ「わたくし、ローズヒップの出番ですわね!!!」

まほ「黒森峰オールスターも二位指名はクルセイダーMk.IIIだ」

「「おぉぉぉぉ!!!」」

ローズヒップ「これで確信に変わりましたわ!! わたくしの取り合いがはじまりますのねー!! さいこうですわー!!」

ダージリン「どう思う、アッサム?」

アッサム「二位指名の車長にローズヒップを選ぶなど、あり得ないと思うですが」

ダージリン「同感ですわ」

杏「どうやら、考えてることは同じみたいだねぇ」

まほ「厚い皮膚より早い足、だ」

みほ(もしかして、二人とも……同じ人を狙っているのかな……)

柚子「それでは抽選でーす」

杏「よっと……えーと……」ゴソゴソ

杏「ほいっ!」

柚子「赤いボールでーす」

桃「抽選の結果、大洗女子学園がクルセイダー獲得!!」

まほ「……」ガクッ

みほ「お姉ちゃん……」

エリカ「ちょっと!! 何度も大洗が勝つのはおかしいわ!! 何か操作しているんじゃないでしょうね!!」

桃「確率の問題だ」

柚子「不正はありませんよ」

エリカ「け、けど……」

まほ「よせ、エリカ。見苦しいことはやめろ」

エリカ「ですが、先ほどから悉く狙いの選手も戦車も取りこぼして……」

まほ「全ては私の運が悪いだけよ。――黒森峰、二位指名戦車、ヤークトパンター」

「「あぁ~」」

優花里「クルセイダーは三名、ヤークトは五名になりますね」

華「では、人数ではまほさんのほうがより多くを選べるのですね」

ケイ「そういう駆け引きもあるのね。ドラフトって奥がディープねー」

ナオミ「戦車までは選ばないが」

杏「んじゃ、こっちからね、クルセイダー車長兼装填手はぁ……」

ローズヒップ「お先に失礼しますわ。ダージリン様」

杏「秋山ちゃーん!!」

優花里「へ?」

「「えぇぇぇぇぇ!?」」

沙織「ゆかりん!?」

みほ「優花里さん!? あ、ううん、いいかも……」

梓「秋山先輩だって!!」

あや「あんこうチームから車長が二人もでたー」

ケイ「ワォ! オッドボール三等軍曹がここで頭角を現したわね」

ローズヒップ「……」スッ

絹代「高練度のあんこうチームが続々と選ばれていくというのに……我が知波単は……!!」

福田「車長はまだ三名しか選ばれておりません。次こそは西隊長の名前が高らかに宣言されるであります」

絹代「そうなればいいが……」

優花里「わ、わたしなどでよろしいのでしょうか!?」

杏「いいに決まってる。前から秋山ちゃんは独り立ちができるって思ってたしなぁ」

優花里「いいのでしょうか!? 西住殿!! このような大役を私が請け負っても!!」

みほ「いいんじゃないかな。優花里さんの知識は私以上だし、それに作戦の立案だってできるし」

優花里「おぉぉ……!! あ、秋山優花里!! クルセイダーの車長、務めさせていただきます!!」

杏「まぁ、向こうが秋山ちゃんを選ばなければいいけどな」

まほ「ヤークト車長、ダージリン」

ダージリン「こんな格言を知ってる? 光は、それがどこからくるかを考えない人をも照らす」キリッ

オレンジペコ(あ、嬉しそう)

アッサム(ダージリン様、ご機嫌ですわ)

ローズヒップ「……」

ダージリン「二位指名というのが聊か不満ではありますが、車長を任された以上は尽力いたします」ズズッ

杏「次いくよぉ。クルセイダー砲手兼通信手に、アッサムちゃぁん」

「「おぉぉ!」」

アッサム「クルセイダーの砲手とは、因果ですわね」

ローズヒップ「……」

オレンジペコ「アッサム様が大洗のチームへ行ってしまうなんて……」

ダージリン「昨日の友は今日の敵、ね」

まほ「ヤークト通信手、近藤妙子」

「「おぉぉぉ!!!」」

典子「近藤!! お前がよばれたぞ!!!」

あけび「よかったね!!」

妙子「これといって取り得もないけど、私でいいのかなぁ?」

典子「これだけ能力を見てくれているとなれば」

あけび「八九式が選ばれるときも近いですね、キャプテン!!」

典子「車輌三位指名は八九式で決まりだ!!」

桃「ないと思うぞ」

杏「最後、クルセイダー操縦手に、冷泉ちゃぁん」

「「あ、あぁ~」」

優花里「納得の選抜ですね!!」

アッサム「そうですね……」

ローズヒップ「……」

アッサム(ローズヒップ……)

まほ「待て。ヤークトの操縦手に冷泉麻子を選択している」

杏「やっぱり、お姉さんもクルセイダーに冷泉ちゃんの乗せたかったか」

まほ「稀有な操縦技能を持つものに、あの戦車を与えてみたいと考えるのは不思議なことではない」

みほ(やっぱり、麻子さん狙いなんだ……)

沙織「肝心の麻子はなにしてるのよ」

麻子「ぐぅ……」

沙織「ね、寝てる!?」

優花里「冷泉殿、マイペースでありますね」

ミッコ「そういえばⅣ号戦車で変態的な操縦をしてたっけ。試合が楽しみだ」

杏「冷泉ちゃん、ゲットぉ」

まほ「……」

桃「大洗が冷泉を獲得」

エリカ「いい加減に……!!」

まほ「待て、エリカ」

エリカ「隊長!! これはおかしいです!! 断固、抗議するべきかと!!」

桃「不正はない」

まほ「貴方達を疑う気はないが、角谷さんは余程の運を持っていると思われる。非凡な私では到底敵わないほどに」

杏「じゃんけんは絶対に負けないよ」

まほ「そこで、次から抽選はみほにしてほしい」

杏「へぇ」

みほ「お、おねえちゃん!?」

まほ「それならば納得もできる」

杏「いいねぇ。西住ちゃん、抽選してくれる?」

みほ「あ、は、はい」

まほ「これでいい。残りのヤークト搭乗者は黒森峰から選出する」

桃「各車長を選ぶか」

ダージリン「まほさんらしい、手堅い選抜ですわね」

妙子「黒森峰の選手に囲まれるなんて、なんだか……居心地が……」

ダージリン「近藤さん。マウスの車長さんが貴方に熱い視線を送っていましてよ」

妙子「あぁ……うぅ……キャプテーン!! たすけてくださぁい!!」

桃「では、二位指名はこれで終了。結果はこうだ」

大洗女子学園オールスター二位指名

使用車輌 クルセイダーMk.III

車長兼装填手 秋山優花里
砲手兼通信手 アッサム
操縦手     冷泉麻子


黒森峰女学園オールスター二位指名

使用車輌ヤークトパンター

車長  ダージリン
通信手 近藤妙子
砲手・装填手・操縦手 黒森峰女学園戦車道各車長

優花里「西住殿と同じチームで一安心ではありますが、向こうには逸見殿とダージリン殿がいますからね」

みほ「うん。三巡目の車長で、差がでてくるかもしれない。もしケイさんとミカさんが相手になるとすれば……通用する戦術が限られてくるかもしれない……」

アリサ「やっぱり、色々考えてると思わない?」

カルパッチョ「ええ。らしいといえばそれまでですけど」

忍「やるときはやる。だから頼りになるんですよね、西住先輩は」

アリサ「頼りにはなるわね。ケイ隊長が一目置くのがわかるわ。けど……」


ダージリン「ふふ……」

沙織「なに笑ってるんですか?」

ダージリン「いえ。別に」

エリカ「不思議な人ね」

ダージリン「お気になさらず。ただ、心の憂いが晴れただけですので」

沙織「どーいういみぃ?」

ミッコ「こういう人の話は聞き流していたほうがいい」

オレンジペコ「……」コクコクッ

あゆみ「ペコさんがすごい頷いてる」

カチューシャ「もう帰る」

クラーラ「Да ты что!?」

カチューシャ「誰もカチューシャのこと選ばないし! ぜんぜん、面白くないわ! だから、帰る!」

クラーラ「подождите」テテテッ

カチューシャ「ついてこないで!!! なんて言ってるのかわからないわよ!!!」

杏「三位指名車輌はぁ」

絹代「九七式中戦車か!?」

アンチョビ「セモベンテだと!?」

杏「KV-2だ」

カチューシャ「……」ピクッ

まほ「こちらはT-34」

カチューシャ「……」ピクッ

杏「車長はカチューシャしかいないと思っている」

まほ「右に同じだ」

カチューシャ「……ふん。今更、カチューシャを煽てたって遅いんだから」

柚子「それでは抽選を行いまぁす」

杏「西住ちゃん。たのむよぉ」

みほ「は、はい!」

みほ(カチューシャさんをここでチームに引き込めれば……!!)ゴソゴソ

みほ「えい!!」

まほ「……」

桃「赤いボール。大洗女子学園、カチューシャを獲得!!」

カチューシャ「ふん。このカチューシャが味方になるんだから、負けなんて許さないわよ。いいわね、ミホーシャ!」

みほ「はい! よろしくお願いします!!」

まほ「……」

エリカ「あ、あの……」

沙織「なんで、こんなに運がないのかなぁ」

ダージリン「持って生まれた才能、ですわね」

オレンジペコ「何気に酷いですね、その言い方」

まほ「……ふっ。想定内だ、みほ」

みほ「え……?」

まほ「私のここまでの勝率は0%。流石に対策の一つも練る」

杏「どういう意味かねぇ」

まほ「次に角谷さんが指名するであろう人物を、ここで引き抜く」

杏「ふぅん」

まほ「三位指名、サンダース、ケイ」

ケイ「イッエーイ!!! ヤッホー!! アイム、スーパーヒロイーン!!」

アリサ「隊長!? 何をいっているんですか!?」

ケイ「いやー、ここまで待たされたらテンションの上げ方を忘れちゃったわ。ドンマイ」

アリサ「意味がわかりません……」

みほ「ケ、ケイさんが……!!」

優花里「恐れていた展開になりましたね……」

杏「西住ちゃんのお姉さんは、自分の弱点すらも逆手にとるんだ。油断できないね」

カチューシャ「そんな質よりも量な車長に後れをとるわけないでしょ」

ケイ「ふっふーん。こっちがダイナミックなだけで相手がミニマムになることだってあるんだから」

杏「まぁまぁ。んじゃ、次、装填手からでいい? こっちは二人もいるからなぁ」

優花里「そういえばKV-2は装填手が二名必要になるんですね」

みほ「あ、そっか。会長は誰にするつもりなんだろう……」

杏「装填手、一人目は、猫ちゃーん」

ねこにゃー「おぉぉ……ボ、ボク……ですかぁ……?」

ももがー「ついにきたなりー!!」

ぴよたん「激やばー!! ねこにゃー、三位指名でしかも装填手なんてー!!」

エリカ「そういえば化け物染みた装填速度だったわね、三式中戦車。何かあったの?」

沙織「筋トレ、してたみたいだけど」

エリカ「それだけであんな速度を維持できるわけないでしょ。ふざけないで」

沙織「ふざけてはないんだけどね」

まほ「T-34、装填手、丸山紗希」

「「えぇぇぇぇ!?」」

桂利奈「紗希ちゃんがぁ!? マジですかぁ!?」

まほ「本当だ。上がってこい」

紗希「……」

まほ「期待している」

紗希「……」コクッ

ダージリン「一年生、ですわよね? まほさんと対峙しても尚、あの落ち着きよう。只者ではありませんわね」

オレンジペコ「大物になる予感がします」

あゆみ「よかったぁ! 紗希ちゃんがきてくれてたぁ」

紗希「……」

沙織「みんなで頑張ろうね!」

紗希「……」

妙子「紗希ちゃんの助言で一発逆転もあるもんね」

紗希「……」

エリカ「あら。無口かと思ったのに、結構喋るのね」


アリサ「なんていっているのか、全然聞こえないわね……。盗聴器があれば……!」

カルパッチョ「盗み聞きはいけませんよ」

みほ(このまま順当にいけば、きっとあの人の取り合いになる。四巡目で引き抜かないと、勝ち目が薄くなるかもしれない)

柚子「――三巡目の結果はこちらです」


大洗女子学園オールスター

使用車輌 KV-2

車長  カチューシャ
通信手 ニーナ
砲手  ぴよたん
装填手 ねこにゃー
装填手 ももがー
操縦手 ルクリリ


カチューシャ「大丈夫なんでしょうね、このメンバーで。頼れる同志を差し置いて、装填手を務めるんだから生半可なことをしたら粛清してやる!!」

ねこにゃー「が、がんばるにゃー」

ももがー「KV-2の砲弾でもお手玉してみせる!」

ニーナ「それは無理だとおもうんだけんども」

ぴよたん「それが二人ならできちゃうずら」

ルクリリ「嘘も大概にしてほしいな」

カチューシャ「あーっはっはっは。やれるもんならやってみなさい。そんなことができたら、あんこう踊りしてあげるわ」

ノンナ「……」メモメモ

黒森峰女学園オールスター

使用車輌 T-34/76

車長 ケイ
通信手・砲手  プラウダ高校選手
操縦手・装填手 黒森峰女学園選手


ケイ「うーん。ミカとか欲しかったのになぁ」

ダージリン「あのミカさんを車長以外のポジションに置くなどとは、贅沢ですわね。ケイさんらしいですが」

ケイ「けど、これだと面白味がないっていうか」

ダージリン「心配いりませんわ。このドリームチームで楽しめない、面白くない、ということはまずありませんでしょうし」

ケイ「それもそうね。けど、そろそろ欲しいわ」

ダージリン「まほさんのことです。次は彼女を指名するはず」

杏「んじゃ、四巡目にいこうかねぇ」

まほ「まず聞いておきたい。何故、ここまで彼女の名前を挙げなかった」

杏「ん? 確かに能力は折紙付きだ。けど、優先順位をつけるとなると、やっぱりこの順位になるよねぇ」

アキ「もしかしてミカのことじゃない?」

ミカ「どうだろうね。風のみが知る、かな」

杏「四位指名車輌、ファイアフライ!!」

ナオミ「ナイスチョイス」

まほ「四位指名車輌、マチルダ歩兵戦車」

ダージリン「ここで……」

ローズヒップ「……」

オレンジペコ「とても大人しいのですが」

ダージリン「心配ね」

杏「で、肝心の車長は……」

まほ「当然……」

アキ「きた!!」

ミカ「……」ポロロン

杏「知波単学園、西ちゃぁん!!」

まほ「継続高校、ミカ」

まほ「……なに?」

杏「そうきたかぁ。あいたぁ。そこは五位指名だったんだよねぇ。ま、いっか」

みほ「ちょ、ちょっと待ってください!! 会長!!」

杏「なに?」

みほ「西さんは確かに優れた選手です。けど、ミカさんと比較するとなると……」

杏「先にミカを取るべき、か。うん。西住ちゃんの言いたいこともわかる」

みほ「なら、どうして……」

杏「やるなら、超劣勢のほうが面白くない?」

みほ「え、えぇぇ……」

杏「そのほうが燃えるしな」

杏「常勝の名門で副隊長を務める逸見エリカ。対大洗において無敗のダージリン。正面からの勝負に滅法強いケイ。そして、黒森峰を追い詰めるほどの才を有するミカ」

杏「みーんな、恐ろしいほど強い!」

優花里「なんだか、こちらの戦力が劣っている気が……」

カチューシャ「それがなによ。ダージリン以外、見るべきところなんてないじゃない」

みほ「カチューシャさん……けど……」

カチューシャ「ミホーシャはワクワクしないの? こんなに大きな連中を上から押しつぶせる機会なんて、そうないわよ」

みほ「私は……そんなこと……」

ミカ「風も水も、流れに逆らうことはしない。自然のままに過ぎていく。でも、ヒトは違う」

みほ「え……」

ミカ「選ばれることを選ぶことはできない。だから、怖いと思うのかもしれないね」

みほ「えっと、言っている意味がよく……」

ダージリン「みほさん、自分はプロになる資格などないとお考えなのでは?」

みほ「な……!?」

まほ「……」

みほ「わ、私は、だって……その……」

ダージリン「けれど、このドラフト会議に参加して自身の中にある感情には気が付いているでしょう」

みほ「……」

ダージリン「強者ばかりが集い、その強者で固められていくチーム。そしてそんなチームと戦える」

ダージリン「楽しくないわけがありませんわね。だからこそ、強者ばかりがいるプロを目標にする。それでいいのでは?」

みほ「……」

優花里「もしかして西住殿、例の件を気にして……プロに躊躇いが……」

絹代「ああ、ああ、あああの……!! わ、わたしの名前が呼ばれたようなきがしたのでありますが……き、ききまちがいでしょうか……!!」ガクガク

福田「西隊長!! きき、きき、ちがいじゃないと思われます!!」

絹代「や、やはりそうか……!! そうなのか!! これは夢現ではないのだな!!」

華「別に西さんは気が違っているわけではないと思いますけど」

エリカ「突っ込むところはそこなの?」

絹代「この西絹代をご指名していただき、至極光栄であります!! 我が肉体と魂は角谷殿と西住隊長に捧げる所存であります!!!」

杏「苦しゅうない、苦しゅうない」

絹代「西住隊長!! 知波単の突撃は封印します!! どのような戦略にも、歯車の一部として扱ってください!!」

みほ「あ、いや、何もそこまで……」

絹代「何を言うのです! おーるすたーに恥じぬ戦いをします!!」

みほ「あ、ありがとう」

沙織「そっか……」

ダージリン「貴方も、このイベントがどのような意味を持つのか分かってきたのではなくて」

沙織「みぽりんを見てると、そうなのかなって。私が感づいたんだから、麻子や華も分かってるのかも」

ダージリン「みほさんは良い友人に囲まれて幸せですわね」

沙織「そう言われると、なんだか自信がなくなっちゃいますけど、でもみぽりんとの友達度では負けるつもりはありませんからっ」

杏「ファイアフライ、肝心要の砲手はぁ、勿論ナオミちゃーん!!」

ナオミ「クールだ」

華「残念ですわ。少し撃ってみたかったのですが」

まほ「マチルダⅡ砲手、五十鈴華」

沙織「やっと名前がでたわね、華!」

華「選ばれたからには、大輪の花を咲かせてみせますわ」

絹代「名砲手五十鈴殿が敵側に下るとは……!! 西住隊長、何か策はあるのでしょうか!?」

みほ「大丈夫、大丈夫。ナオミさんが砲手だし」

ナオミ「チハの隊長だったか」

絹代「は、はっ! ナオミ殿!!」

ナオミ「車長、つまりボスなのだから、ナオミと呼んでほしい。私も君のことはキヌヨと呼ばせてもらう」

絹代「あ、ありがとうございます!!」

ナオミ「実に硬い。もっと肩の力を抜け。そうだ、ガムでも噛む?」

絹代「が、がむはその、歯ごたえがあまり……」

ナオミ「なら、チョコレートはどう?」

華「よろしくお願いします」

ミカ「挨拶をされても困るかな。こちらから貴方にかけることができる言葉はとても少なくてね」

華「そうですか。では、わたくしから一方的にご挨拶をするということにしておきましょう」

ミカ「貴方がそれを望むのなら、この旋律を捧げよう」ポロロロン

華「ありがとうございます」

あゆみ「あの二人の世界についていけません」

オレンジペコ「安心してください、誰もついていけませんから」

ミッコ「入り込めるとしたら一人ぐらいか」

ダージリン「その音楽に合う紅茶はローズマリーかしら?」

華「いいですね。お菓子は何が良いですか」

ミカ「陽気な調べが、全てさ」

ダージリン「完璧ですわ」

エリカ「よくわからないけど、気が合うのね、あの三人」

ケイ「まさにファミリーじゃない。いいわね。私は入っていけないけど」

妙子「凄い人が私の車長になったんだ……」

杏「続いて、装填手は、カエサルちゃーん」

カエサル「日本で二番になるより、大洗で一番になりたいものだ」

おりょう「やはり選ばれたぜよ!」

左衛門佐「ひなちゃんよりも下位指名だが」

エルヴィン「無念だ」

カエサル「だから、うるさいぞ!!」

カルパッチョ「わーい、たかちゃんも一緒だぁ」

カエサル「ひなちゃんもいい加減、カエサルと呼んで!!」

まほ「マチルダⅡ装填手、磯辺典子」

「「おぉぉ~」」

典子「私ですか!!」

あけび「キャプテンまで!? あぁ……アヒルチームで残されたのが……私だけだなんて……」

典子「さ、佐々木……。すみません!! 指名を辞退することはできるのですか!!! このまま佐々木を残していくことなんて……私には……」

まほ「できない。早く、上がって来い」

典子「はい!!!」

妙子「キャプテーンだー」

典子「待たせたな、近藤!! もう一人じゃないぞ!!」

妙子「はいっ!!」

エリカ「またうるさいのが来たわね」

沙織「エリりん、そういうこと言わないの。磯辺さんはね、結構凄いんだから」

エリカ「例えば?」

沙織「ちゃんと考えてるところとか!」

エリカ「普通じゃない」

紗希「根性だけじゃないところがすごい」

エリカ「ふぅん。なるほどね」

典子「たとえ西住隊長率いるオールスターチームでも、気合と根性で勝つぞー!! バレー部ぅ、ファイトー!!」

妙子「おー!!!」

ケイ「いいわねー。こういうの大好きよ!! バレ―部、ファイトー!! イエーイ!!」

ダージリン「……勝てるわね」

オレンジペコ「根拠は?」

杏「操縦手にぃ、ツチヤちゃーん」

ツチヤ「ありゃ、ここで?」

ナカジマ「待った甲斐があったね」

ホシノ「おぉ、大抜擢!」

スズキ「というか、ダブル指名になったりして」

ナカジマ「自動車部としては鼻が高くなるねー」

まほ「マチルダⅡ操縦手、ホシノ」

「「えぇぇぇ~!?」」

ホシノ「私、か?」

ナカジマ「あのぉ、理由はあるんですか? ツチヤはレオポンの操縦手だからわかるんですが」

まほ「資料には大洗一速い女とあるが、間違いだったか?」

ホシノ「ま、まさかそこまで能力を調べてあるなんて……」

スズキ「ホシノのプロフィールを見ただけじゃ……」

ツチヤ「まぁいいんじゃない? ホシノとはいつかこういう日が来ると思ってたしさ」

ホシノ「確かに。戦車ではあるけど、車に違いはないからね。本気でいく」

桃「四巡目の結果発表をする」


大洗女子学園オールスター


使用車輌 ファイアフライ

車長  西絹代
砲手  ナオミ
装填手 カエサル
操縦手 ツチヤ


ナオミ「それじゃあ、ボス。新たな仲間に挨拶を」

絹代「ふぁっくゆー」クッチャクッチャ

カエサル「(ち、知波単の隊長って、こんなにも軟派だったか? ガム噛んでるし……)」

ツチヤ「(誰かの影響かなぁ。うちらの車長、こわそー)」

福田「西隊長!! 西隊長がー!!」

みどり子「ちょっと誰よ!! 西さんを不良にしたのは!!」

ナオミ「肩の力を抜いてあげただけよ。そう目くじらをたてることもない」

絹代「ぎぶみーちよこれいとー」クッチャクッチャ

黒森峰女学園オールスター


使用車輌 マチルダⅡ歩兵戦車

車長  ミカ
砲手  五十鈴華
装填手 磯辺典子
操縦手 ホシノ


ミカ「この音に合わせて、装填、砲撃、移動を行うだけでいい」ポロロン

華「了解ですわ」

典子「あのー、バレーボールに例えてはもらえませんか?」

ホシノ「音楽を聴きながらドライブするのは割と好きだ」

ミカ「それでいい。このチームは既に完成していると言っても過言じゃないよ」

アキ「過言だって!!」

エリカ「まとまりがなさそうで、ありそうなチームになったわね」

あゆみ「ああいうチームには隊長としてどういう指示を出すんですか?」

エリカ「……」

ダージリン「分からない、という答えね。まだまだですわね、逸見さん」ズズッ

柚子「それではいよいよ、五巡目となりました」

桃「ここまで名前を呼ばれていない者、緊張して待て!!」

ペパロニ「過呼吸でしにそうっす!!」

アンチョビ「焦るな。我々の名前が呼ばれるときが多分くる、じゃなかった、絶対に来る!!」

優季「桂利奈ちゃんは呼ばれてもよさそうだけどぉ」

桂利奈「えー、そうかなぁ?」

あや「梓だって、ありえるじゃん」

梓「私なんて、そんな」

ローズヒップ「……」

杏「じゃ! 最後の指名、言っちゃうか! 五位指名戦車はP40ぅ~」

アンチョビ「来たぞ!! ペパロニ!!! アンツィオの熱い風が!!」

ペパロニ「トマトソースの匂いと共に、颯爽とやってきたっすね!! 姉さん!!」

優季「なんだかくさそぉ」

まほ「五位指名戦車、ポルシェティーガー」

「「おぉぉぉ~!!!」」

ナカジマ「レオポンの再評価の波が来ちゃったか」

みほ「お姉ちゃん、どうしてレオポンさんを?」

まほ「色々と内部を弄っているそうだな」

ナカジマ「うっ……」

スズキ「けど、ルールに違反はしてませんから、何卒穏便に……」

まほ「そのポルシェティーガーただ興味があるだけだ。他意はない」

ナカジマ「よかったぁ。話せる人で」

みほ(黒森峰で唯一購入を見合わせた戦車だから、扱ってみたかったのかな?)

杏「それを選ぶってことは五巡目の車長は、あの子かな」

まほ「ここまで私が指名しなかったのは、彼女を貴方に譲ろうと思っていたからだ」

杏「どうしてまた?」

まほ「あの者とみほが共に戦うところを見てみたかった。だが、貴方は頑なに指名しない」

杏「だって、面白くないじゃん」

エリカ(どういうこと。ミカ以上のダークホースがいるっているの?)

みほ(澤さんのこと? 可能性はあるけど、私と澤さんは一緒に戦ったし……)

杏「とりあえず車長の発表といこうかねぇ。P40は車長兼砲手だからな。ちゃんと選ばないと」

優花里「P40の車長はその技量が試されますからね」

忍「戦況を見ながら撃つなんて、とてもできない」

カチューシャ「ま、カチューシャならヨユーだけどね」

ノンナ「ですね」

麻子「本当か?」

杏「車長は、チョビ子ぉ」

「「おぉぉぉぉぉ!!!!」」

アンチョビ「アンチョビ!!!」

ペパロニ「ドゥーチェ!! ドゥーチェ!! ドゥーチェ!!」

アンチョビ「はーっはっはっはっは!! この場にいる奴らは思っていたことだろう!! どーせ、アンツィオからは一人も選ばれないと!!!」

「そんなこと思ってたやつがいるんすか!?」

「カチコミに行きましょう!!」

ペパロニ「落ち着け! これはドゥーチェの予想に過ぎない。それに現実を見ろ。我がアンツィオ高校副隊長カルパッチョは何位指名だった?」

「「一位指名!!!」」

アンチョビ「そうだ!! 一位指名だ!! そして私は五位指名だ!!」

「カルパッチョ姉さんと比べるとショボくないっすか?」

アンチョビ「バカをいうな!! あの壇上にいる者たちを見ろ!! あの場に立てると評価されていることがどれだけ凄いことなのかを!!!」

ペパロニ「とにかくすげーっすよ!! だって、西住流と同格ってことっすもんね!!」

アンチョビ「ああ!! その通りだー!!」

「姉さん、マジすっげー!!」

「ある意味、姉さんが西住流、みたいな?」

アンチョビ「そう捉えても問題はない!!」

ペパロニ「ドゥーチェ!! ドゥーチェ!! ドゥーチェ!!」

「「ドゥーチェ!! ドゥーチェ!! ドゥーチェ!!」」

アンチョビ「エ ウナ フィガータ ラ トゥア ヴィータ!!!」

アリサ「な、なによあれ」

忍「すごい愛されているんですね!」

カルパッチョ「はい。みなさん、本当にドゥーチェのことを慕っているんです」

みほ「アンチョビさんって、カリスマがありますよね」

まほ「ポルシェティーガー車長、島田愛里寿」

みほ「え……」

アンチョビ「し、島田……?」

杏「ふっふーん」

ダージリン「あら」

ケイ「アリスがきてるわけ?」

カチューシャ「あいつが……?」

エリカ「隊長、何を言っているのですか? 島田愛里寿はそもそも高校生では……」

杏「それが今は高校生なんだよねぇ」

エリカ「なんですって?」

桃「事実だ。大洗女子学園に入学する予定だったのだが……」

柚子「諸事情により、黒森峰女学園に編入することが決定したそうです」

みほ「く、黒森峰にぃ!?」

優花里「島田殿が入学したのですか!?」

沙織「ずるいずるい!! 黒森峰ばっかり!!」

まほ「彼女が黒森峰への編入を決めた理由には……」

みほ「私……?」

まほ「ああ。お前が大きく絡んでいる」

みほ「ど、どうして」

杏「言われたよね。西住ちゃんとは戦えなくなるから大洗へは入学したくないって」

みほ「だから、愛里寿ちゃんは……」

まほ「黒森峰ならば存分に戦うことができ、且つ戦う可能性が最も高いから。島田愛里寿はそう語った。彼女の決意は固い。流派よりも、みほとの対決に拘るほどに」

ダージリン「島田さんのほうが先を見据えているようですわね、みほさん?」

みほ「……!」

ケイ「ライバルと一緒に戦うのはフェスティバルのときぐらいでいいもんね。私だって、本当ならダージリンやカチューシャとずっとライバルでいたいわ」

ノンナ「島田流が西住流の息がかかった場所で戦車道をする。どれほどの覚悟でしょうか」

カチューシャ「シベリア送りにされても正気を保っていられそうではあるわね」

ダージリン「そんな島田さんを見て、みほさんは何を想うか」

みほ「わたしは……」

愛里寿「呼ばれたみたいだが、どうしたらいい?」

みほ「愛里寿ちゃん!!」

優花里「ホントに来ていたのですか!?」

愛里寿「呼ばれたから」

エリカ「ま、まさかあの子が入学してくるなんて……」

ケイ「エリカ、ずっと副隊長に収まるつもりじゃないんでしょ?」

エリカ「あ、当たり前でしょ!! 私だって、西住流の技術を叩き込まれた身……。島田流なんかに負けるわけ……!!」

愛里寿「逸見さん」

エリカ「な、なによ!?」

愛里寿「私は隊長に興味はない。先輩の逸見さんが隊長で構わない。けど……」

エリカ「けど、なに?」

愛里寿「――みほさんを撃破するのは、私。それだけは譲らない」

エリカ「な……!?」

ダージリン「ふふっ」

ミカ「ある意味、隊長の座を奪われるよりも強烈な宣言だね」

みほ「あ、愛里寿ちゃん……」

愛里寿「だから、このオールスター戦でも私はみほさんを撃破するつもりでいる」

みほ「……」

愛里寿「だから、センチュリオンで……」

まほ「ポルシェティーガーだ」

愛里寿「え?」

まほ「お前が乗るのは、ポルシェティーガーだ」

愛里寿「ポルシェ……ティーガー……?」

ナカジマ「結構、すごいんですよー」

スズキ「とっておきもあるしー」

ツチヤ「島田さんなら絶対に気に入ると思う」

ホシノ「車内はボコで埋め尽くしておくから」

愛里寿「……乗る!」

まほ「よし」

エリカ「く……!! 島田愛里寿……。やっぱり只者じゃないわね……」

沙織「エリりん、年下が相手なんだから本気にならなくても」

アンチョビ「おいおい、どういうことだ! 聞いていないぞ!! 向こうは西住流と島田流の連合じゃないか!!」

みほ「そ、そうですね」

アリサ「あんなオールスター中のオールスターに勝てるわけ?」

優花里「私では突破口すら思いつきませんが……」

ねこにゃー「でも、西住さんなら勝利する方法を思いつくかも」

カチューシャ「カチューシャはもう10通りの戦略を思いついているけど、ここはミホーシャの考えを聞こうかしら」

ノンナ「流石です、カチューシャ」

華「思いついているのなら、教えてほしいです」

忍「最後は根性と気合です!! 西住隊長!!」

桃「静粛に!! まだ発表は終わっていないぞ!!」

杏「それじゃあ、次行くよぉ。P40の装填手はそど子ぉ」

みどり子「名前を略さないでください!!!」

アンチョビ「おー! お前が同乗してくれるのならありがたい。こちらも気兼ねなく命令ができる」

みどり子「なんでそうなるんですか」

アンチョビ「お前の名には親近感が湧くからだろうな。よろしくな、そど子」

まほ「ポルシェティーガー装填手、ナカジマ」

ナカジマ「およ? 私ですか」

まほ「ポルシェティーガーを運用するためには貴方の力が必要になることは明白だ」

ナカジマ「ま、全車輌の整備も任せてくださいよ」

まほ「期待している」

優花里「あぁ、有能な整備士までも……」

ホシノ「スズキが欲しくなる」

杏「続いてぇ、通信手は澤ちゃぁん」

梓「は、はい!!」

優季「やったぁ。あずさ、やるじゃぁん」

梓「本来のポジションじゃないけど、がんばります!!」

みほ(澤さんならどの役割でもちゃんとこなせるだろうな)

アリサ「確か車長だった子ね」

まほ「ポルシェティーガー通信手、澤梓」

「「え……えぇぇぇ~!!!」」

桂利奈「ダブル五位指名だぁ!」

あや「なんか微妙だけど、けど、すごい!!」

梓「微妙っていうな!」

柚子「抽選になりまーす」

まほ「……」

エリカ「隊長、ここは丸山紗希に抽選をさせるというのはどうでしょうか」

まほ「何故だ」

エリカ「彼女は底知れないなにかを持っているような気がするからです」

まほ「底知れない何か、か」

紗希「……」

杏「ここで澤ちゃんを取らるわけにはいかないからな。西住ちゃん、たのむよぉ」

みほ「……そうですね。澤さんは必要になります」

絹代「はやくしてほしいであります」クッチャクッチャ

みどり子「西さん、ちょっと来なさい」

絹代「なんでありますか、カモ殿」クッチャクッチャ

桃「次はどちらが引く?」

みほ「お姉ちゃんからでいいけど」

まほ「……」

エリカ「隊長、丸山紗希に任せてみましょう」

まほ「そうだな。丸山」

紗希「……」

まほ「頼めるか」

紗希「……」コクッ

忍「紗希ちゃんか。確かに友達と一緒に宝くじ買いにいったら、さらっと一等を当てそう」

優花里「丸山殿は神秘的な感じがありますよね。どことなく」

優季「紗希ちゃぁん、がんばってぇ」

柚子「はい。どうぞ」

紗希「……」ゴソゴソ

紗希「……白いボール」ニッコリ

桃「え、えーと、大洗女子学園、澤梓を獲得!!」

まほ「……」

エリカ「すみません!! 隊長!! すみません!!!」

まほ「気にしていない」

沙織「ここまでくると、普段からついてないのかなって思っちゃうよね」

妙子「まほさんって薄幸なんでしょうか」

ミカ「黒森峰の隊長に幸多からんことを」ポロロン

ケイ「みんなー、あんまり同情しちゃバッドよ。まほがかわいそうじゃないの。まほ、ドンマイっ!」

まほ「……」

ミッコ「一番心を抉ってるような」

優花里「澤殿までこちらとは、大幅な戦力アップですよ、これ!」

アンチョビ「チーム内評価は抜群のようだな。これは楽しみだ」

梓「精一杯、がんばります」

ニーナ「なかよくなれるといいなぁ」

カチューシャ「こんなに小さいのに期待だけは大きいのね」

ノンナ「それだけのポテンシェルがあるということでしょうね」

愛里寿「私たちの監督は運がないのか。チーム全体に影響がでるかもしれないし、困るな」

ダージリン「そこを実力でカバーするのが、まほさんですわ」

愛里寿「カバーできればいいが」

まほ「……通信手、スズキ」

スズキ「はぁーい。完全に整備目的だろうけど、やりますよー」

ホシノ「これで自動車部が揃ったわけだ」

ナカジマ「ツチヤだけは向こう側だねぇ」

ツチヤ「これはヤバくない?」

カエサル「戦車の整備、大幅に遅れるか」

カチューシャ「プラウダもいるんだから心配ないわよ!!」

アリサ「サンダースの整備班が何人いると思ってるのよ」

ツチヤ「あ、それならなんとかなるか」

優花里「どう思います、西住殿」

みほ「ポルシェティーガーに弱点は殆どなくなったと思ったほうが良いかも」

華「あの車輌を熟知している自動車部が二人も乗り込むのですから、運用に関しては盤石といえます」

杏「んじゃ、P40、そして最後の指名になる」

アンチョビ「操縦手か。できればペパロニを推したいが」

みほ「私もです。ペパロニさんの運転は勢いがいいから」

アンチョビ「その所為で自滅することもあるがな」

みほ「あはは」

アリサ「……」

カルパッチョ「始まったときとは少し違いますね」

アリサ「そうね」

麻子「西住さんはもう自覚しているからな」

アリサ「なにが?」

麻子「今が、一番面白いことにだ」

杏「操縦手はぁ……」

ダージリン「……」ズズッ

アッサム「……」

オレンジペコ(ダージリン様もアッサム様も願っていますわ……。私も願っておかないと……)

杏「ローズヒ――」

ローズヒップ「よばれましたですわよー!!!」ガタタッ

愛里寿「……!?」ビクッ

ローズヒップ「わたくし、ローズヒップの名が高らかに宣言されましたですわー!!!」

ローズヒップ「ダージリン様ー!! わたくし、よばれましたわー!!」キャッキャッ

ダージリン「よかったわね。あと紅茶が零れていますわよ。はしたない」

アッサム「はぁ……」

オレンジペコ「よかった」

桃「おい!! 会長はまだ名前を最後まで言ってはいないぞ!!」

杏「いいからいいから」

桃「ですが……」

杏「どーぞ、お姉さん」

まほ「ああ。ポルシェティーガー操縦手、ローズヒップ」

ダージリン「な……」ガシャーン!!!

妙子「きゃ!? だ、大丈夫ですか!?」

ローズヒップ「……」

杏「面白い人選だねぇ。レオポンチームを外してまでローズヒップを選ぶなんて」

まほ「確かに操縦手には大洗自動車部が適任だろう。だが、操縦手に充てることができるのは自動車部員全員を得られたときだけだ」

杏「走行中に修理するには操縦手だけは別じゃなきゃいけないもんな」

まほ「試合中に止まって修理など、乱戦においては恰好の的になる」

ダージリン「ダブル指名ですって……」

オレンジペコ「予想の斜め上をいきましたね」

優花里「ローズヒップ殿が静かになりましたけど、いいんですか?」

アッサム「突然のできごとにまだ事態を把握できていないのでしょう」

柚子「最後の抽選になりまーす」

みほ「えっと……」

まほ「……」

エリカ「た、隊長!! わ、私が引きます!! 先ほどの失態を返上するチャンスをください!!」

まほ「エリカ……」

エリカ「必ず、隊長が描く理想のチームに近づけます!!」

まほ「そうだな。ここはエリカに――」

沙織「ちょっと待って!!」

まほ「……」

沙織「お姉さんはそれでいいんですか。理想のチームを作るなら、自分の力で作らないといけないって思うんです!!」

エリカ「何を言ってるのよ!! 未だに抽選で選手を得られていないのよ!?」

沙織「それでもお姉さんにはちゃんと正面からみほと戦ってほしいもん!」

ケイ「いいこというわね、サオリ。確かに自分で選んだ対戦相手からエスケープしちゃうのは、戦車道精神に反するんじゃない?」

まほ「……」

ミカ「運命は自らの手でなければ切り開くことはできない。そこに他人の助力はあったとしても、他人では扉を開けられはしない」

ダージリン「まほさん、こんな格言を知ってる? 人生における成功の秘訣は、成功しなかった人だけしか知らない」

あゆみ「監督、がんばってください!!」

愛里寿「まほさんが後悔しないのなら、私が抽選をしてもいいが」

まほ「そうだ。西住流が退くことはありえない」

みほ「お姉ちゃん……」

まほ「最後の勝負だ、みほ」

みほ「……わかりました」

まほ「私が引く。構わないな」

みほ「はい」

まほ「……」ゴソゴソ

まほ(確率は二分の一。二回に一回は当たりを引けるはず)

まほ(何度も何度も運などに負けてはいられない)

まほ(これだ)グッ

みほ「(お姉ちゃん、これだって思うのとは逆のを取ってみるのはどうかな?)」ボソッ

まほ「……」ゴソゴソ

まほ「これだ」バッ

杏「おぉ!」

桃「む……。黒森峰女学園、ローズヒップを獲得!!」

エリカ「た、隊長!!」

沙織「やったぁ!! やったよー!! エリりん!! やっぱりお姉さんは最後はキメてくれるだって!! 信じてあげなきゃ!!」

まほ「……」

杏「ありゃ、取られちゃったね」

みほ「すみません、会長」

杏「いいよ。でも、操縦手は誰にしよっか」

みほ「阪口さんがいいと思います。阪口さんの操縦技能なら、引けをとらないと思いますし」

杏「阪口ちゃんね。よーし、それでいこー。P40の操縦手は阪口ちゃーん」

桂利奈「あい!!」

優季「やったね、桂利奈ちゃん」

桂利奈「うん! みんなの分もがんばってくる!!」

あや「応援してるからねー」

優花里「阪口殿の成長もすばらしいですからね。この選抜は手堅いかと」

忍「大洗の操縦手はみんな、冷泉先輩に教えてもらっていますからね」

桂利奈「先輩のスパルタがあったからこそです!」

麻子「私は私ができることしか教えていないが」

優花里「冷泉殿のできることというのが、普通ではないような……」

杏「これでうちらはぜーんぶ終わりだ。あとはお姉さんが好きに選んでいいよー」

ローズヒップ「……」

ダージリン「何を呆けているの、ローズヒップ。貴方の席はここよ」

ローズヒップ「ダージリンさま……。ダージリン様!! わたくし、えらばれましたわ!! それも二度も!!!」

ダージリン「ええ、そうね」

ローズヒップ「わたくしの実力がみとめられたのですわねー!!」

エリカ「良いから早く座りなさい」

ミカ「邪気の無い歓喜ほど、見ていて気持ちの良い物はないね」

ローズヒップ「わたくしは五位指名のローズヒップですわー!!」テテテッ

ダージリン「もう……」

華「ローズヒップさんはこうしたことに慣れていないのですか?」

ダージリン「誰かに認められたい、という気持ちは誰よりも強いでしょうね」

華「それは何故でしょう?」

ダージリン「努力家ではあるけれど、あの落ち着きのなさが災いして結果が出ないことが多かった。本人の頑張りは悉く空回りし続けていましたわ」

ダージリン「彼女がどれほどの涙を流してきたのか、知っている人間は少ない」

華「それで選ばれることにあれほどまで喜んでいるのですね」

まほ「ポルシェティーガー砲手、赤星小梅」

小梅「へぇ!?」

まほ「お前だ。上がって来い」

小梅「あ、ああ、は、はい!!」

みほ「赤星さんが……」

優花里「西住殿が助け出した選手ですよね」

みほ「うん」

小梅「私を選んでいただき、ありがとうございます」

まほ「頼むぞ」

小梅「はい!!」

沙織「結局、黒森峰の人は殆ど選ばれたね」

エリカ「当たり前でしょ。貴方達とは練度が違うんだから」

あゆみ「色々、勉強させてもらいます!」

小梅「私でよかったらなんでも聞いてください」

典子「では、バレーボールは好きですか!?」

桃「それでは結果を発表する!」


大洗女子学園オールスター


使用車輌 カルロ・アルマート P40

車長兼砲手 アンチョビ
装填手    園みどり子
通信手    澤梓
操縦手    阪口桂利奈


アンチョビ「気が付いてみれば私以外は大洗なのか。では、アンツィオの戦い方ではなく、大洗の戦い方でいくぞ!!」

みどり子「別にこっちに気を遣わなくても、アンツィオのやり方でいいんじゃないですか。私たちは車長の安斎さんに従いますけど」

アンチョビ「アンチョビ!! いきなり私のやり方を指示したところで、混乱するのは操縦する者であり、装填する者だ。慣れている戦法でいく」

梓「けど、私たちもアンチョビ先輩の言うことを実行すつ自信はあります」

アンチョビ「では、実行してもらう。大洗の戦い方でいく!! いいな!!」

桂利奈「あい!!」

アンチョビ「いい返事だ、カリーナ!! 私たちの強さが島田流や西住流に劣らないことを見せつけてやれー!!!」

みどり子「安斎さんって盛り上げるのが上手いのね」

>>186
梓「けど、私たちもアンチョビ先輩の言うことを実行すつ自信はあります」

梓「けど、私たちもアンチョビ先輩の言うことを実行する自信はあります」

黒森峰女学園オールスター


使用車輌 ポルシェティーガー

車長  島田愛里寿
装填手 ナカジマ
通信手 スズキ
操縦手 ローズヒップ
砲手  赤星小梅


ナカジマ「島田さんについていけるかは分からないけど、精一杯装填手に徹しますから」

スズキ「あと、レオポンの修理も任せて」

愛里寿「分かった」

ローズヒップ「ポルシェティーガーだろうと、わたくしを止めることはできませんですわよー!!」

愛里寿「私が停止と言えば止まってほしい。できないなら降りてほしい」

ローズヒップ「……!?」

小梅「えっと、ローズヒップさんの操縦についていけるようにします。躍進射撃の機会が多くなりそうなので」

愛里寿「そのときの状況によるから、別に増えないと思う」

小梅「いや、あの、ローズヒップさんのフォローを……」オロオロ

絹代「うぅぅ……私はどうかしていたようだ……ナオミ殿はみんなもしていると言っていたが……カモ殿は誰もしていないと……」

絹代「周りをみてみれば西住殿も秋山殿も、ケイ殿だってガムなどは噛んでいなかった……」

絹代「なんて汚点を作ってしまったんだ……!!」

絹代「知波単の突撃魂をもう一度……!!」

ナオミ「戻ったか。もう少しキヌヨの面白いところを見ていたかったけど」

みどり子「ナオミさん。西さんが風紀を乱したら、どうなるか考えたことはある?」

ナオミ「いきなりどうしたの?」

みどり子「あれを見て」

ナオミ「ん?」

福田「まざー●●●かーでありますっ」クッチャクッチャ

玉田「ぎぶみーちよこれいと」クッチャクッチャ

細見「ふぁっくみー」クッチャクッチャ

寺本「あいむすぴーくいんぐりっしゅ」クッチャクッチャ

みどり子「みんな西さんの影響をすぐに受けるのよ。責任とってみんなを更生させてくれるの?」

ナオミ「そ、そーりー……」

杏「西ちゃんも戻ってきたところで、改めてオールスターチーム両軍の整列というこうか」

まほ「ああ。――総員、整列!!」

杏「両隊長、一言ある?」

エリカ「私はこのときを待っていたかもしれないわ、みほ」

みほ「え……」

エリカ「あなたを叩き潰す、このときをね」

みほ「逸見さん……」

エリカ「どちらが隊長として優れているのか、証明してみせるわ」

沙織「みぽりん、ごめんね」

みほ「ううん。戦車道を続けて行けば、きっとこういうこともあるから」

沙織「それって……」

みほ「受けて立ちます、逸見さん」

愛里寿「みほさんを倒すのは私だから。誰にも邪魔はさせない」

エリカ「今のあなたは一隊員でしょ。黙っていなさい」

愛里寿「これだけは譲らないっていったはずだ」

エリカ「隊長は私よ。言うことを聞きなさい」

愛里寿「私はただみほさんを倒したいと言っているだけだ」

エリカ「それは私の役目よ。隊長を倒すのは隊長に決まっているでしょ」

愛里寿「そんな決まりはない」

エリカ「あるのよ。このオールスターチームではね」

愛里寿「……」

エリカ「ふんっ。分かったら、大人しく――」

愛里寿「では、私が隊長になる」

エリカ「な、なんですって!?」

愛里寿「逸見さんを倒せば、私が隊長になれるのか」

エリカ「な、何言ってるのよ!! 私がオールスターチームの隊長に選ばれたのよ!?」

愛里寿「変更は今からでもできるはず」

エリカ「できるわけないでしょ!!」

まほ「できるぞ?」

エリカ「え……」

まほ「隊長車をポルシェティーガーに変更するだけで済む」

エリカ「待ってください、隊長!! それでは指揮系統が総崩れに……!!」

ダージリン「指揮系統? 果たしてそんなものは最初からあったのかしら疑わしいですわね」

ミカ「嘘と悲しみの音色が聞こえてくるようだ」ポロロン

ケイ「いいじゃない、アリスとエリカの真剣勝負もみてないわ。レッツ、バトル!」

エリカ「煽らないで!!」

みほ「みなさん、落ち着いてください」

エリカ「みほ!! 貴方はどっちに落とされたいのよ!!」

みほ「へぇ!?」

愛里寿「みほさんは私に落とされたいはず」

みほ「落とされるのが前提なの……」

優花里「西住殿は絶対に撃破させません!!」

カチューシャ「ミホーシャを落とす前に、カチューシャに落とされる可能性は考えないの?」

絹代「隊長に近づくものは蛍の火が払いのけてみせます!!」

アンチョビ「アンツィオと大洗が合わされば無敵だ!! トマトソースとチーズとオリーブオイルとアンチョビが合わさったようにな!!」

桃「静粛に!!」

柚子「はーい、みなさん、自分の席にもどってくださぁい」

梓「はぁーい」

優季「これからなにするのかなぁ」

ペパロニ「このまま練習だな。P40を持ってこないと」

桃「会長、どうぞ」

杏「うん。いやぁ、随分と盛り上がったね。面白かったよ。んじゃ、解散。みんな、気を付けて帰ってねぇ」

みほ「……」

エリカ「……」

愛里寿「……?」

ダージリン「ふふっ」

ミカ「やっぱりね」ポロロン

アキ「え? え? なに? 解散って、今から練習とかするんじゃあ……」

ミカ「まだ気が付かない? これはまやかしの宴だったのさ」

ミッコ「もしかして茶番だった……?」

杏「茶番じゃないよ。ちゃんと真剣に考えたんだからねぇ」

オレンジペコ「えっと、試合は……?」

桃「オールスターチームで試合をするなどと一言も言っていないはずだが」

あゆみ「えぇぇぇ!?」

絹代「いや、しかし、招待状にはこうして『大洗女子学園オールスターVS黒森峰女学園オールスタードラフト会議決定』と書いてあります!!」

杏「ドラフト会議は今したよ。でも、試合をするとは書いてないんだな、これが」

絹代「た、確かに書かれてはいませんが……!!」

アリサ「だったら、なんのためのドラフト会議だったわけ?」

杏「私がやってみたくなったから!」

カチューシャ「それだけのためにこんなことをしたわけ!?」

エルヴィン「なんという知将だ」

おりょう「見事に騙されたぜよ」

左衛門佐「むねんでござるぅ!」

カエサル「我々の一喜一憂はなんだったんだ!!」

杏「楽しかったよね?」

ケイ「あっはっはっは!! そうねー!! もうすっごく楽しかったわ、アンジー!」

アリサ「隊長!! こんな無意味なイベントに参加させられたことを怒るべきでは!?」

ケイ「いいじゃない。アリサだって、ステージ上ではずっと満足げだったわけだし」

アリサ「わ、わわわ、私はべつにそんな顔をしては……!!」

ミカ「帰ろうか」

アキ「え? いいの、ミカ?」

ミカ「役目は十分すぎるほどに果たしたさ。これ以上ここに居ても意味はないからね」

アキ「そ、そういうものなの」

ミカ「ミッコ、どうだった?」

ミッコ「……ま、割と楽しかった」

ミカ「それはよかった。ありがとう。実に有意義な時間だったよ」

杏「こちらこそ、きてくれてあんがと」

ミカ「またそのときが来たら、誘って欲しい」

杏「必ず誘うよ、ミカ」

ミカ「さようなら」

ダージリン「わたくしたちも帰りましょうか」

オレンジペコ「ダージリン様は気が付いていたのですか?」

ダージリン「さぁ、けど、こんな言葉は知っているわ。ある真実を教えることよりも、いつも真実を見出すにはどうしなければならないかを教えることが問題なのだ」

オレンジペコ「気がついてはいたのですね」

ダージリン「ご想像にお任せするわ」

ローズヒップ「学園艦に戻りますの!?」

ダージリン「ええ。ローズヒップ、貴方はこの会議について言いたいことはありまして?」

ローズヒップ「え? うーん、そうですわね……」

ローズヒップ「わたくし、これからも練習をいっぱいして、見事に一位指名をもぎ取りますですわ!!」

アッサム「ふっ……」

ローズヒップ「あら? 何かおかしなことを言いました?」

ダージリン「角谷さん、みほさん。そして大洗のみなさん。楽しい時間をありがとうございます。第二回があれば是非とも参加させてほしいですわね」

杏「もっちろん。いつでも歓迎する」

ダージリン「いや、聖グロリアーナで開催しようかしら……」

オレンジペコ「ドラフト会議だけをするなんて許可が下りないと思いますけど」

ケイ「じゃね、バーイ」

杏「バイバーイ」

みほ「さ、さようなら」

アリサ「何よ。散々、人のことを弄んで」

ナオミ「確かに残念だ。キヌヨとのチームは味わったことのない臭いがしていたというのに」

絹代「お褒めにいただき、光栄であります!!」

福田「隊長! ガムはもういいでありますか!」

絹代「当たり前だ!! あのようなものは噛んではいけない!! 魂までガムのように歯ごたえがなくなってしまうぞ!!」

ナオミ「それは心外ね。次はフーセンガムに挑戦する?」プクーッ

絹代「お、おぉ……!! それはまだ成功した試しがなくて……!!」

アリサ「楽しいか楽しくないかは別にして、無駄な時間でしたね」

ケイ「そうでもないんじゃない」

アリサ「はい?」

ケイ「アンジーが意味のないことをするとは思えないし、それにアリサの近くにいなかった? 少しだけ前向きになった子」

アリサ「それは……」

カチューシャ「納得できないわ!!」

アンチョビ「説明してほしいところだな」

まほ「これは――」

杏「楽しかったんだから文句いわない。チョビ子もカチューシャも楽しんでたくせに」

アンチョビ「確かに楽しんではいたが」

ペパロニ「アンチョビ姉さんの五位指名パーティーはしていいのか、ダメなのか。そこが問題だ!!」

カルパッチョ「そうなのですか?」

クラーラ「Было весело」

ノンナ「クラーラもこういっていますし、カチューシャも納得されてはどうですか?」

カチューシャ「日本語で言いなさいっていってるでしょ!?」

エリカ「隊長は知っていたのですか」

まほ「角谷さんから事前に説明を受けていた」

エリカ「では、このイベントの意味はなんですか」

杏「まぁまぁ、逸見ちゃん。私がやりたかっただけだから。それ以上でも以下でもないよ」

愛里寿「……」

麻子「怒る人は怒るだろうな」

優花里「正直、私もあのドリームチームと試合はしてみたかったですが」

華「ですね。わたくしも胸が熱くなりました」

みほ「……」

沙織「みぽりん、どうだった?」

みほ「え?」

沙織「最後のほうとか、みぽりんも意見だしたりして楽しんでたよね」

みほ「最初は選ばれることに申し訳ない気持ちでいっぱいだった。怖くなって逃げ出した私が戦車道の代表として選ばれちゃいけないって思ってたから」

みほ「けど、私たちのチームとお姉ちゃんのチームがどんどん出来上がっていくのを見ていたら、どう指示を出せばいいのかな、どう動けばいいんだろう、みんなはどんな作戦を考えてくるんだろう」

みほ「そんなことばかりを考えてた」

華「楽しんでいたのですね」

みほ「そうだと思う。試合ができれば、きっと……」

愛里寿「なら、しよう」

みほ「愛里寿ちゃん?」

愛里寿「試合、今すぐじゃなくてもいい。けど、今日決定したチームで。私もしてみたい」

みほ「うん。私も」

愛里寿「約束」ギュッ

みほ「約束だね」

まほ「……戻るぞ」

エリカ「隊長、教えてください!! 一体、どうして!!」

小梅(みほさんにはもっと上を目指してほしい。私はそう思います)

愛里寿「次は試合会場で」

みほ「うんっ」

アンチョビ「カルパッチョが西住流に染まることを期待したんだが」

カルパッチョ「どうしてですか?」

アンチョビ「西住流とアンツィオのノリと勢いが混じることで化学反応を起こし、そしてアンツィオも戦車道が盛んになるはずだ。わが校の未来は約束されたようなものだろう?」

カルパッチョ「……いいえ。貴方がいるだけで、十分です。ドゥーチェ」

カチューシャ「折角、カチューシャがやる気を出したのに、もう頼まれたって参加はしないわ。ピロシキー」

ノンナ「嘘ですね」

クラーラ「嘘です」

ねこにゃー「みんな帰っちゃったにゃぁ」

桂利奈「なんだか寂しい」

杏「片付け、はじめー」

桃「はっ」

柚子「みんなー、テーブル畳むの手伝ってー」

みほ「あの、会長」

杏「私は、ファンなんだ」

みほ「はい?」

杏「だからこそ、西住ちゃんがテレビで活躍するのを見てみたくてさ。背中、押したくなった」

みほ「……」

杏「西住ちゃんの人生だ。私はこれ以上、言えないけど」

みほ「実際、考えないようにしていました。けれど、自分の気持ちがこうやってはっきりわかった今、考えないわけにはいきません」

杏「進路の選択肢が増えちゃった?」

みほ「はいっ。増えちゃいました」

杏「そっか」

優季「試合みたかったなぁ」

忍「うん。私も出てみたかった」

桃「こら!! しっかり働け!! 片付くまで帰れないぞ!!」

柚子「桃ちゃんも運んでよぉ」

モヨ子「そど子としては残念よね」

みどり子「べ、別に。イベントが大きくなればなるほど風紀は乱れるんだから」

おりょう「カエサルの装填技も見れはしないぜよ」

左衛門佐「いつか実現するといいんだが」

カエサル「あれだけのメンバーが一堂に会するのは困難だろうからな」

エルヴィン「それも試合をするとなれば資金面での問題もある」

ナカジマ「ホシノがマチルダでドリフトするところは見てみたかったかもね」

ホシノ「ファイアフライでドリフトされるほうが驚く」

スズキ「ま、どっちも厳しいだろうけど」

ツチヤ「いけるんじゃない?」

桃「お前たち!! なにをしている!! 手が止まっているぞ!!」

通学路

沙織「はー、なんか疲れたよねー」

華「大きなお祭りをしたあとのようで、心地のいい疲労感がありますね」

優花里「ああやって選手を指名するのって、ワクワクしますね」

麻子「あのチームでの試合を望んでいる人が多かったな」

沙織「それは麻子もでしょ」

みほ「うーん……」

優花里「西住殿、何をしているのですか?」

みほ「え? うん。試合の日時はどうしようかなって」

沙織「試合って?」

みほ「みんなの都合が良い日があるなら、そこでしたいんだけど」

華「それは、もしや……」

麻子「やるのか」

みほ「あれ、ダメかな?」

優花里「やりましょう!! 西住殿!! 不肖、秋山優花里、微力ながらもお手伝いさせていただきます!!」

数日後 生徒会室

桃「会長、西住からの提案書です」

杏「んー」

柚子「もう一度ドラフト会議を行ったうえで、試合をしたいそうですよ」

杏「そうなんだ」

桃「今度は我々も選抜対象にするとのことです」

杏「ふぅん」

柚子「西住さんが言っていました。私も会長のファンですから、って」

杏「……行くか」

桃「はい」

柚子「行きましょう」

杏「次のドラフト会議、全員で一位をとりにいくぞー!!」

桃「勿論です!!!」

杏(……私ももうちょっとだけ続けるよ、西住ちゃん。西住ちゃんとも戦ってみたいしな)


おしまい。

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