上条「また世界を縮めてタイムセールに間に合ったぜ……」 (20)


ステイル「……まさかタイムセール如きのために三沢塾を早々に解決するとはね」

上条「お、まだいたのかステイク」

ステイル「ステイル! マグヌスだ!! いい加減に覚えろ」

ステイル「……チッ、何を言おうとしたのかド忘れしてしまったよ」

上条「例の約束頼んだぞー」てくてく

ステイル「報酬の話か、手配しておく」


ステイル(……もう見えなくなったか、歩きとは思えない早さだな……まったく)

ステイル(禁書目録の『竜王の息吹』の余波を受けてから、最初の頃とは大違いだ)

ステイル(一体、何を見たのやら……)




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< ガチャッ……パタンッ


上条「ただいま」

< 「お帰りー、夕食作っといたからね」

上条「その声は!」バッ!


御坂「あ、タイムセール間に合ったの? 良かったじゃない」


上条「ビリビリ……! 良かった、今夜の夕食はお前の料理か……!」

御坂「安物より私が持ってきた食材の方がいいんでしょ、有り難く食べなさいよねー」

上条「おう! ビリビリも食べてくか?」

御坂「私はそろそろ寮に戻らないと、それにアンタに一言伝えとかないとさ」

上条「?」


< パチパチッ……!

御坂「足、見せて」ギロッ

上条「はい?」

御坂「い! い! か! ら!」

上条「上条さんは健全な男子であって、あぁ……そんな……////」


< バサッ


御坂「…………っ」

上条「……」

御坂「足の『痣』……広がってんじゃないのよ」


上条「ちょっと転んでさ……」

御坂「嘘つかないで」

上条「まいったな、何でそんなに怒るんだよ……」

御坂「……」


御坂「……帰る、今のアンタは私の知ってる『あの馬鹿』じゃない」

御坂「変な力を使うようになってから、アンタ……どんどんおかしくなってる」


上条「待てよ、御坂……」

< バタンッ!


上条「…………」

上条(止めるならもっと『速く』止めるべきだったな……)



──────── 『お前に足りないものはッ! それはァ!!』




──────────『情熱思想理念頭脳気品優雅さ勤勉さ! そして何よりもォッ!!』






上条「『速さが足りない!!』」ガバァッ!





< チュン……チュン……


上条「……夢…か」

上条「……」

上条「またあの人の夢か」


上条(……俺に皆を救える『速さ』をくれた、名前も分からない……あの人)


上条(…………)

上条(御坂、三沢塾の日からずっと来てないな)

上条(街でも会わないし、どうしてるのかな……)


上条(……まだ明け方だけど、たまには散歩でもするか)

< ズキッ

上条「ッ!」ドサッ

上条(脚が……)

上条(今日は休むか……? どうせ夏休みの宿題はもう終わった)

上条(けど、御坂が気になる……あぁ、もやもやしてきた)


上条「時間が勿体ない、行くか」ザッ



上条「フッ、フッ、御坂ッ!」タッタッ

上条「御坂ッ! フッ、フッ、御坂ッ! 御坂ッ!」タッタッ

上条「フッ、フッ、御坂ッ!御坂ッ!」タッタッ

上条「御坂の胸はッ! フッ、フッ、掌サイズ!」タッタッ

上条「フッ、フッ、御坂ッ! 御坂ッ!」タッタッ

上条「御坂の髪はッ! フッ、フッ、指に絡むサラサラ!」タッタッ

上条「フッ、フッ、御坂ッ!」タッタッ

上条「御坂ッ! フッ、フッ、御坂ッ! 御坂ッ!」タッタッ



< 「ミサカを連呼するのはどちら様でしょうか、とミサカは首を傾げます」

上条「!」ピタッ

< ダッ!!


上条「おはようビリビリ、今日は朝から早いじゃないかいやぁあ速いのは良いことだ俺も毎日朝早くからこうしてお前の名前を呼びながら実は全力疾走マラソンで学園都市を一周しててだな!」

御坂妹「……お姉様の知り合いですか、とミサカは該当する人物がいるか記憶を辿ってみます」

上条「む、お姉様? ビリビリの妹なのか?」

上条(そんな話、『病室での夜』でも聞いたこと無かったんだけどな)

御坂妹「そんなところです、とミサカは……」

上条「こんなところでもなんだし、少し話さないか?」

上条「御坂の妹さん」


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