艦娘の吐息入り缶詰を売ることになった (22)
電「……病院…行きますか」
提督「自分は正常だ」
電「司令官さん おかしい人ほど自分を正常と言うのですよ」
提督「いいから。艦娘たちの息を収集する」
提督「駆逐艦代表は秘書艦のお前だ」
電「はわわっ それ以上寄ると上層部に報告しなければなりません」
電「セクハラは大罪なのです!」
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提督「その上層部からの命令なんだよ」
電「……はぃ?」
提督「軍費のためお前らのフィギュアとか生写真とか売ってるのは知ってるだろ」
電「説明は受けたのです」
提督「それで次握手会やりたかったらしいんだよ」
提督「でも握手会で戦線抜けるとか本末転倒じゃん?」
提督「遠隔地にいて生の感覚を味あわせるにはどうするかって考えたらしい」
提督「それで 全十種 『艦娘の吐息入り缶詰』」
電「基地外だろ」
提督「なのです♪」
電「…それで 工場もないのにどうやって缶詰を作るのですか?」
提督「おお 協力してくれるのか!」
電「軍務であれば…」
提督「じゃ、まずこのドラム缶にさ」
電「ドラム缶!?」
提督「そうそう ドラム缶に息を入れて鼠輸送。本土で缶詰めにする」
電「敵潜水艦に襲われる危険を冒して空気を! 運ぶ! 鼠輸送!」
提督「やめて心が痛い」
電「…ぁ………」
電「はぁん……」
電「………んっ」
提督「なにやってんの?
電「吐息…ですよね?」
提督「馬鹿。ドラム缶を息で満たすんだぞ。もっと腹に力を入れて!」
電「フゥ~ウ、フゥ~ウ」
提督「もっと大量に!」
電「ンオガッ! 」
提督「お疲 次は付属品のサイン色紙1000枚だ すべてにキスマークも頼む」
電「腕腱鞘炎。唇がかさかさです」
提督「よし 一人目完了! 次は空母代表…指定は赤城か 呼んできてくれるか?」
赤城「電ちゃんからお話は聞きました ですがご協力しかねます」
提督「貴様 軍務に背くというのか!」
電「いえ、電が赤城さんを見つけた時にはもう食堂にいて…」
赤城「ポーキの重油炒め~三式弾を添えて~ おいしゅうございました。なので匂いが」ゲプッ
提督「…オエッ」
電「ガソリンスタンドの匂いがするのです」
提督つモンダミン
提督「いや、それだとモンダミン匂になるか… よしサインとキスマークだけ頼む」
提督「息なんて誰のでもわかるまい」フーフー
電(あ なんか雲行きが怪しく)
提督「えーと、次は重巡……おっ。指定は愛宕か」
電「協力してくれそうなのです!」
提督「よしでは愛宕は任せた こっちは軽巡代表指定の…龍田…に頼んでくる」
提督「せめて天龍だろ…」
電「幸運を祈るのです…」
電(ふぅ、快く息を吹き込んでもらえたどころか色紙にパイ拓まで頂けました)
電(司令官さんは生きて帰ってくるでしょうか…)
提督「遅かったな」
電「よくぞ…ご無事で」
提督「ふっ、海軍提督の力を舐めるなよ ほらみろ! 龍田のサイン色紙1000枚!」
電「……息は?」
提督「ばっかお前龍田様にそんなこと頼めるかよ土下座してサインを1枚頂くのが限界」
提督「ちゃんと残り999枚は妖精さんが模写した! 本物同様!」
電「それって…問題…ないですか…?」
提督「バレなければ犯罪ではない あとキスマークは俺のだとバレるから近くにいた武蔵に頼んだ」
電「はわわっ こんな大きく… べったり… 濃厚… 龍田さんのイメージと違うのです」
提督「あと吐息は」
電「それ以上言わなくていい」
提督「軽空母指定は隼鷹 航巡は鈴谷だったから楽勝に貰えたなぁ 順調順調♪」
電(二日酔いゲロ吐いた後の息 こんなもの買う人がかわいそうなのです)
電(あとうちの鈴谷さんはまだレベル15…)
提督「次、戦艦は…あ、やべ指定が武蔵だ」
提督「武蔵のキスマークは龍田のところで使ってるんだよなぁ」
提督「さすがにもう一回頼むのは」
提督「とりあえず息は用意して」フーフー
提督「誰のキスマークなら武蔵っぽいと思う?」
電「雄々しいキスマークだったので…男らしい方で…」
提督「ここでこそ俺か!」ブッチュー
電(全部お前じゃん…)
提督「サインだけは本人に書いてもらおう いやぁ良心的」
提督「次潜水艦」
伊19「おもしろいことやってると聞いたのね!」
提督「あ、本人から来た」
伊19「吐息はいい線言ってるけど… サインとキスマークなんてありきたりなの!」
伊19「ここはぁ うふっ オッパイでパイ拓を」
電「あ、それもうやりました」
伊19「えっ ガーン じゃ下の……拓はさすがに 二番煎じで我慢するのね」ペタリンコ
提督「愛宕に続いてパイ拓二人目か」
提督「大きいの二人だけだとバランス悪いから小さめの拓も一つ」
電「うむ拒否する」
提督「えーと最後。雷巡が……よかったー 指定は木曾だ」
電「男らしくチャッチャとやってくれそうなのです!」
提督「いやー 大井じゃなくてよかったよ。あいつ結構小ぶりな唇だかな」ブッチュー
提督「その点木曾ならある程度大きくてもキャラ的に大丈夫」フーフー
提督「サインも男らしい字で許容されるだろ」カキカキ
電(もはや何も言うまい)
電「ん? 全十種で販売するとおっしゃったような?」
提督「ああ 定価3千円」
提督「全十種集めるともれなく握手会への抽選権が当たる」
電「……まぁそれはそれとして」
電「駆逐軽巡重巡雷巡航巡・戦艦に空母軽空母潜水艦 まだ9種みたいなのです」
電「あと一種類は?」
提督「ああ、最後の一つは本土で用意済みでな」
電「どなたですか? 明石さん? 航空戦艦? 給油艦?」
提督「俺」
電(その後、吐息入り缶詰めは好調な売れ行きを見せ、考案者にはボーナス出たと聞きました)
電(なぜ最後の一つが提督のものだったのか)
電(それは)
『海外艦予定でしたが 許可がおりませんでした 代役です』
電(と記載 拒否された艦娘の分は発売しない=他は本物 という印象を植え付けるため)
電(また炎上商法で 製品の知名度を向上させるため)
電(事実 ネタとして提督の吐息入り缶詰は他9種と遜色ない個数が販売できたそうです)
電(あと本気で購入した人も)
暁「買っちゃった♪ 買っちゃった♪ 司令官の吐息入り缶詰」
響「ふむ、キスマーク付きの色紙とは洒落てるね」
雷「じゃーん! 30箱に1つ入っている手編みの編みぐるみが当たったわ!」
暁「えっ すごーい見せて見せて~」
響「そういえば電の愛情たたっぷり編みぐるみ ヤフオクで6万。凄いな」
電(さて電は編んだ覚えないのです)
電(誰がどう作ったかなんて消費者にはわからないもの)
電(それならそこらのポロ着を大破後の服として売れば…)
電(ゴクリ)
おわり
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