鎮守府空母のLINE事情 最終部 (577)
※艦これSS
空母組がLINEグループでたわいもない話をするSS。
※前作
①鎮守府空母のLINE事情
鎮守府空母のLINE事情 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1435587886/)
②鎮守府空母のLINE事情 第二部
鎮守府空母のLINE事情 第二部 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1436800803/)
③鎮守府空母のLINE事情 第三部
鎮守府空母のLINE事情 第三部 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1461068028/)
※前作を読んでいないと内容分からないかもしれません。ごめんなさい。
※最終部となりますが、よろしくお願いします。
※現参加メンバー:赤城、加賀、蒼龍、飛龍、瑞鶴、翔鶴、大鳳、龍驤、鳳翔、 瑞鳳、秋津洲、雲龍、天城、葛城、グラーフ
お話は、前作(第三部)から1年後のお話です。
よろしくお願いします。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1464496396
外出先でID変わってますが、>>1です。
皆様コメント等ありがとうございます!! また、ここまでお読み頂き、本当に感謝感謝です。
今日は更新できないかもしれませんが、時間を見つけ進めていきますので、どうぞよろしくお願いします(-_-;)
皆様、暖かいコメントありがとうございます~(´;ω;`)
それでは亀更新とはなりますが、よろしくお願い致します!
【AM9:00】
大鳳:空母の皆様、おはようございます。本日の出撃、演習予定をお知らせ致します。
大鳳:二航戦のお二人、雲龍さん、天城さんは、乙提督指揮の下、前線基地での防衛をお願い致します。
ソウ☆リュウ:大鳳ちゃんおっはー。了解~
ヒ☆リュウ:ういっすういっす
雲龍:分かりました
♪天城♪:大鳳さん、了解です
大鳳:軽空母、龍驤さん、瑞鳳さんは、同じく前線基地での後方警戒をお願い致します。
RJ:あいよー
卵焼き☆マスター:はーい☆
大鳳:五航戦のお二人、加賀さんは、私とともに最前線海域への進軍です。出来る限り深海棲艦との戦闘を避け、中枢泊地へのコンタクトをとります
大鳳:いつものとおり、攻撃がなされた段階で撤退とします。指揮は甲提督より発出されます
ずいずい:ほいほい
翔鶴:大鳳さん。承知いたしました
加賀:分かりました
大鳳:グラーフさん、葛城さんは、本日演習への参加をお願い致します。この度の演習では攻撃は必要ありません。回避の機動性を高めるよう専念してください。本日の演習指揮は、丙提督です。
Graf:了解した。任せてくれ
瑞葛城:OKでーす
大鳳:では、本日も皆さん、よろしくお願いします!!
むくれ顔赤城:……
秋津洲かも:……
お母さん:……
大鳳:はっ!!!
むくれ顔赤城:出撃なくて超ひまかも
秋津洲かも:せっかく1年前にカタリナちゃん手に入ったのに、全然出撃できてないかも!!
お母さん:お店に誰も来なくて暇かも
大鳳:皆さんwwwww
ずいずい:赤城さん、手の怪我直ってないんだからダメでしょwww
ヒ☆リュウ:そーそ。ここはあたしたちに任せてくださいってばよ!
ソウ☆リュウ:鳳翔さんは、その……。今日出撃終わったらお店行きますからw
卵焼き☆マスター:秋津洲ちゃんも、きっと今後出番あるから大丈夫だよ
むくれ顔赤城:あーそうですか
むくれ顔赤城:どうせ私は今空母専用の練習巡洋艦ですよ。鹿島さんくらいの色気しか持ってませんよ!!!
翔鶴:ええwwwww
RJ:おまえ駄々こねんなやー。しゃーないやんけ、まだ弓引けんのやから
むくれ顔赤城:どうせ私は香取さんのように妖艶ですよ!! 鹿島さんのように有明の嬢王ですよ!!!
瑞葛城:有明とか言うなしwww
Graf:アカギ。貴艦には、その、香取程の妖艶さもないし、鹿島程の色気もないと思うのだが……
むくれ顔赤城:傷つくわ!!!
むくれ顔赤城:いやツッコミ待ちなとこ正直ありましたけど!! はっきり言われると傷つきますわ!!
加賀:赤城さん。私にとって貴方は、香取より妖艶で、鹿島より色気がある最高の女性だわ
むくれ顔赤城:ちょっと嬉しいわ!!!
秋津洲かも:あぁ~。じゃあ今日も暇かも? 私することないかも?
RJ:いっつもやん
秋津洲かも:くぁあぁあああううううあぁあああ!!!! なんてこというかも!!! ぷんぷん通り越してギガスティックダイアーおこかも!!
大鳳:あ、秋津洲さんは、明日演習予定ですので。安心してくださいw
お母さん:わたしもひさしぶりに
お母さん:しゅつげきしたいかも
大鳳:ほ、鳳翔さんは、その
ずいずい:鳳翔さんには、鳳翔さんしかできないことがあるんですよ!!
翔鶴:そうです! またお料理教えてください!
お母さん:えー
お母さん:どうしよっかな~
卵焼き☆マスター:お母さんwww
ヒ☆リュウ:ここ1年で色々とテクニックを覚えましたねえw
むくれ顔赤城:あ、じゃあ私、鳳翔さんのとこでお料理勉強しておきます
RJ:やめえ。お前は居酒屋鳳翔を潰すつもりか
【AM10:00】
赤城:あー
赤城:みんな、行っちゃいましたねえ
お母さん:そうねえ
秋津洲かも:今日は何するかも?
赤城:私はリハビリですかねー
お母さん:あかぎさん、けいかはどう?
赤城:鳳翔さん。ようやく震えが治まり、弓は持てるようになってきました
赤城:でも力が入らないので、完全復活はまだまだ厳しそうですがw
秋津洲かも:赤城さん轟沈寸前だったんだし、仕方ないかも!
秋津洲かも:ゆっくり休むかも~。秋津洲はいつでも側にいるかも
赤城:えへへ、ありがとうございます
お母さん:まあまあ、ていとくがいうとおり、ほんとうにてきとわかいして、へいわになるのなら
お母さん:もう、ゆみをひかなくてもよいですからね
赤城:そうですねー……
秋津洲かも:赤城さん、寂しい?
赤城:あ、いえいえ
赤城:鎮守府全体が和解に向けて歩みだしたというのに
赤城:私が何もできないことが
ザブングル赤城:悔しいです!!!!!
秋津洲かも:それすっごい懐かしいかもwww
お母さん:あ、ざぶんぐる、って、しってる
お母さん:はやてのよおーにー、ってやつよね
ザブングル赤城:それロボットの方ですけどねw
秋津洲かも:よーっし。じゃあ秋津洲は今日は、大発改修の練習しとくかもー
お母さん:あきつしまさんは、どりょくかねー
秋津洲かも:……みんなが頑張ってるのに
秋津洲かも:役立たずって言われるの、嫌だし
赤城:役立たずなんかじゃありませんよ、秋津洲さんは
秋津洲かも:いやいや、分かってるかも。私じゃ皆の戦力にはなれてないし、大艇ちゃんの出番も少ないし
秋津洲かも:でも、みんなの力にはなりたいかも。少しでも良い物を作って、それが生かされるなら
秋津洲かも:秋津洲は、それで良いかも。ふふ
赤ナレフ:ちきしょう・・・!! 自分の回りで感動する言葉を言う奴ぁ スゲー迷惑だぜッ! このオレはッ!
お母さん:だれそれ(笑)
赤城:でも感動しました。秋津洲さん、ありがとう
秋津洲かも:ふふふ、当然のことかも!!
赤城:さーて、私も頑張らなきゃー!!
お母さん:あ、そうだそうだ
お母さん:あのね、すこしだけ、そうだんがあるんだけど、いいかしら?
赤城:はいはい、なんでしょう?
お母さん:えーっと
お母さん:おつていとくさんのことなんだけど
赤城:ほい
お母さん:ふつかにいっかいは、おみせにきてくれるの
秋津洲かも:ふぇー。ああ、でも確かにあの人、お酒強そうかも
赤城:よくカウンターに座ってらっしゃいますよね。それが何か?
お母さん:ええっとね
お母さん:きてくれるのは、いいのだけど
お母さん:あのひと、おみせしまるまで、ずっとなにもしゃべらないで、のんでるの
秋津洲かも:へー
赤城:何か、悩みごとでもあるのでしょうか?
お母さん:うーん。そうよねえ
お母さん:話しかけようともおもったのだけど
お母さん:なんか、すっごくけわしい顔してるから
お母さん:はなしかけづらいのよねえ・・・
秋津洲かも:鳳翔さんの前だから、きっと緊張してるのかも!
お母さん:ええ(笑) だって、1ねんかん、ずっとくるんですよ?
お母さん:もうなれてくれたとおもうんだけどなぁ
赤城:ふーむ。私も彼とは日に数回顔を合わせますが
赤城:特に、これといって悩んでる様子はないですけどねえ
お母さん:そうよねえ
お母さん:ああ、ごめんなさいねひきとめて。ちょっときになったので
赤城:いえいえ。今日は私もお店に顔出しますねw もしおられるようでしたら、話しかけてみます
お母さん:ありがとうあかぎさん。ちょっとわたしも心配だったから(笑)
ほしゅかわりにきぼうをかいてみりゅ
・???「ラブリー♡マイエンジェル瑞鶴せ♡ん♡ぱ♡い♡、と私のラブラブ新婚生活」
・???「1年の時を経て進化したうちの胸部装甲のお披露目会や!」
・???「丙提督に手作り料理(卵焼き)ごちそうしたいな♪」
・???「ワタシを小馬鹿にしたモノマネばかりするオオグイ女を地の文で懲らしめたいデース!」
・???「あの根暗性悪ロートル一航戦にこんどこそギャフンと言わせてやるんだから!」
更新が遅くてすみません……。
ようやく仕事が一段落つきました! 明日(といっても6/1ですがw)少量となりますが、更新させて頂きます。
亀更新で本当申し訳ありませんが、どうぞ暖かく見守って頂けますと、幸いです(^^;)
【PM12:00】
Graf:演習組は、午前演習を終了したぞ
瑞葛城:疲れたー。でもMVP獲れて良かったっす~
赤城:おお、お疲れ様でした
秋津洲かも:お疲れかもー
Graf:しかし、毎日このような演習で大丈夫なのだろうか。攻撃よりも回避に重点を置いてはいるが…
赤城:んー、まあ一応これも甲提督からの指示ですしねえ
瑞葛城:和解するのに攻撃はいらないって言うんですよね? いや確かにそうではあるんですけど
瑞葛城:やられたらやりかえさないと、こっちが沈んじゃいますよ。今のとこは運よく誰も被害には遭ってないですが
秋津洲かも:元は、あの丙提督が指揮した内容だったよね?
赤城:……
秋津洲かも:あ
Graf:アカギ。まだ許してないのか。もう一年だぞ
赤ードワゴン:ケッ、あんちくしょうの名を見るだけで虫唾が走るぜッ
赤ードワゴン:あいつはくせえッ! 甘ちゃん以下のにおいがプンプンするぜッ! 提督は提督らしく、艦娘を迎えになんて来なきゃいいんだよォ~ッ
瑞葛城:突然のスピードワゴンwwwww
Graf・ツェペリン:そんなことを言うものではないぞッ 赤ードワゴンくん! 彼も彼とて必死だったのだよッ メメタアッ
赤ードワゴン:なッ! ア、アンタは、ウィル・グラーフ・ツェペリのおっさんッッ
Graf・ツェペリン:パパウパウパウッ グラカッター!!
秋津洲かも:グラちゃんすごくノリよくなったよねえ
Graf:ふふ。元々私はJOJOのシュトロハイムの大ファンだったのだ
お母さん:あら、おふたりとも、おつかれさまでした
瑞葛城:鳳翔さん、ただいまですー。今日これからランチ行ってもいいですか?
お母さん:ええ、もちろんですよ
瑞葛城:了解です! あ、お茶碗はいつものでお願いします!
秋津洲かも:ん? 専用のお茶碗があるかも?
瑞葛城:いや、瑞鶴先輩がいつも使っているお茶碗
秋津洲かも:えええ……
【PM1:00】
瑞葛城:いやぁ、やっぱ最高ですわこの茶碗
瑞葛城:瑞鶴先輩の味がしますわ
赤城:(鳳翔さん、え、本当に瑞鶴さんのお茶碗を出してあげてるんですか?)
お母さん:(いいえ)
秋津洲かも:いいえwwwww
瑞葛城:分かってないですねえ、皆さん
瑞葛城:これは、瑞鶴先輩の使用済みのお茶碗と思いながらご飯を食べる妄想プレイなんですよ
瑞葛城:すると不思議なことに、遠くにいても瑞鶴先輩と心が通っていると思えるのです
瑞葛城:私はそういうことに
瑞葛城:幸せを感じるんです
赤城:そ、そうですかw
ずいずい:あんたさぁ……
瑞葛城:キャー、ズイカクセンパーイ!!
翔鶴:皆さん、お疲れ様です。鳳翔さんのところでランチ中ですか?
秋津洲かも:お疲れかも~。んにゃ、私と葛城ちゃんだけで来てるかも
赤城:瑞鶴さん、翔鶴さん、進軍お疲れ様です。昼休憩です?
翔鶴:そうですー。中枢泊地から一度前線基地へ戻り、こちらも昼食の最中で
大鳳:翔鶴さんのお弁当。とっても美味しそうなんですよ
ずいずい:知ってる? この弁当実はさあ
翔鶴:(◎ ◎)
ずいずい:おいしそうだよね~
大鳳:何かの圧力に遮られた感がぱないwww
赤城:あ、加賀さんはお元気ですか?
大鳳:加賀さんは今、甲提督からの指揮を聴講中です。更なる進軍へ向け、ベテラン空母のご意見を聞いておきたいようで
赤城:なるほどなるほど
ずいずい:大鳳はそういう時さー、嫉妬したりしないの?
大鳳:えっ?
ずいずい:いや、だってカッコカリとは言え、甲提督はあんたの旦那じゃん
大鳳:いやいやw 加賀さんですし、そんなこと心配しませんよ
瑞葛城:他の子に話しかける瑞鶴先輩に嫉妬しました。私とだけ話してください
ずいずい:うるせえ
翔鶴:瑞鶴、箸が進んでないわよ。時間もないのだから、早めに食べないと
ずいずい:あぁ、そだね
大鳳:私も今度から、お弁当作ろうかなぁ
秋津洲かも:そういえば、前線基地では皆何食べてるかも? 翔鶴さんは持参のお弁当だけど
ずいずい:私は大体ラーメン持ってきてるよ。加賀さんはおにぎりとか
秋津洲かも:大鳳ちゃんは?
大鳳:いかなる時もプロテインです
ずいずい:お前は一体どこへ向かおうとしてるんだ
sageも出来ない池沼が増えたな
>>71
【審議中】
∧,,∧ ∧,,∧
∧ (´・ω・) (・ω・`) ∧∧
( ´・ω) U) ( つと ノ(ω・` )
| U ( ´・) (・` ) と ノ
u-u (l ) ( ノu-u
`u-u'. `u-u'
____ ________ ________
|書き込む| 名前: | | E-mail(省略可): |sage |
 ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧ ∧ 。 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
( ゚Д゚) / < ここに「sage」(半角)と
⊂ つ | 入れるとスレがあがらない。
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>>1です
たくさんのコメントありがとうございます……!
更新が遅くなってすみません。続きます~
【PM1:00】
ソウ☆リュウ:ふいー、午前警戒終わり~。前線基地に戻りやした
ヒ☆リュウ:ただいマッスルリベンジャー
秋津洲:おかえりかも~。皆無事かも?
雲龍:ただいまです。無事でした
♪天城♪:流石にもう、攻めてくる深海棲艦は影も見ませんね
赤城:前線基地ができて半年経ちますしね。あちら側も、こちらに攻撃の意思がないことを気付き始めているかもしれません
ソウ☆リュウ:最初はどーなることかと思いましたけどねぇ
ヒ☆リュウ:はぁ!? 提督さん何言ってんの!? アウトレンジで爆撃されたいの!?
ソウ☆リュウ:瑞鶴ちゃんが激おこで突っかかってたのが懐かしい
♪天城♪:赤城さんが負傷された後でしたしね
ヒ☆リュウ:私だったらアウトレンジじゃなくてアウトレイジ風に言ってたわ。馬鹿野郎! この野郎!! 爆撃するぞダンカンおい!!
ソウ☆リュウ:たけしやめろwww
雲龍:お腹、すいたです
ソウ☆リュウ:おお、んじゃそろそろご飯にすっかね。後方警戒側のりゅうちゃんらも待ってることだし
赤城:今日の皆さんのご飯はどんな感じですー?
ヒ☆リュウ:そりゃあもう多聞丸弁当ですよ
ソウ☆リュウ:私はゼリーにしました。最近ちょっと太ってしまって
♪天城♪:私と姉様は巻き寿司です~
赤城:美味しそうですね~
赤城:残ったらください
ソウ☆リュウ:いや私ゼリーなんですけどwww
秋津洲かも:そういえば、気になったんだけど
ソウ☆リュウ:ほいほい
秋津洲かも:飛龍さんいつの間に、名前変わったかも?
ヒ☆リュウ:ん? あー多聞丸LOVEのやつ?
秋津洲かも:うんうん
ヒ☆リュウ:やーなんとなくかねぇ
ソウ☆リュウ:そういえば私も聞いたことないけど。なんかきっかけがあったの?
ヒ☆リュウ:蒼龍がこないだ大破した時からかな
ソウ☆リュウ:へ?
ヒ☆リュウ:多聞丸のことは今でも好きだよ。だけどそれって結局過去のことなんだよね
ヒ☆リュウ:過去に縛られてちゃ守るモノも守れないし。それこそ多聞丸に怒られちゃうなーと思いました
ヒ☆リュウ:だから変えた。今あるものを守り抜くために。コンビである蒼龍のためにもね
秋津洲かも:かっこいい……!!
♪天城♪:これは惚れてしまいますねw
ソウ☆リュウ:ひひひひひひ飛龍やめろよはずかしししししししい
ヒ☆リュウ:LINEで慌てても全然慌ててる感しねえよw
赤城:なんかかっこいいですねえ
ア☆カギ:私もこれにしよう
ヒ☆リュウ:鍵みつけたみたいな言葉になってますからやめてくださいw
【PM2:00】
RJ:後衛警戒組戻ったで~
卵焼き☆マスター:戻りましたー☆
赤城:お疲れ様でした~
お母さん:おかえり
RJ:なんや飛龍と蒼龍ができたてのカップルみたいな感じやったんやけど。なんかあったん?
赤城:ああ、百合に目覚めてましたよ
RJ:さらりとえげつない嘘をつくなおまえw
卵焼き☆マスター:でも二人とも嬉しそうだったよね。私も祥鳳と仲良くしなきゃな~
赤城:んん? 別に祥鳳さんと仲悪い感じはしませんけど
卵焼き☆マスター:うーん、そうなんですけどぉ。たまに私が存在感忘れてるらしいんですよ。一応お姉ちゃんなんですけどね
RJ:でも姉妹おるってええなあ。うち妹も姉もおらへんからなあ
お母さん:りゅうちゃん。わたしがいるじゃない!
RJ:どこの雷やきみは
お母さん:しまいはいないけど、みんないるから、たのしいよね
RJ:んー。まーねえ
卵焼き☆マスター:りゅうちゃん、ご飯食べよー? 卵焼きいっぱい焼いてきたよ
RJ:おお、いいねえ。ほなうちのたこ焼きと交換しょー
卵焼き☆マスター:OKOK~
赤城:そういえば瑞鳳さんも名前変わりましたよね
お母さん:ますたーしたってすごい
お母さん:なにかきっかけがあったの?
卵焼き☆マスター:えーっとねえ
卵焼き☆マスター:卵焼きのことは今でも研究中だよ。だけど私が頑張ってたのって結局過去のことなんだよね
卵焼き☆マスター:過去に縛られてちゃ作る料理も作れないし。それこそ目玉焼きに怒られちゃうなーと思いました
卵焼き☆マスター:だから変えた。卵焼きの名誉を守り抜くために。コンビであるりゅうちゃんのためにもね
赤城:すごくコピペ感が伝わる文言www
RJ:あんたうちといつコンビ組んだんやwww
卵焼き☆マスター:絶賛今組んでるじゃん(・@@・)プップクプー
RJ:いやそうやけどさw
赤城:これで、お二人が食事を済ませて出撃した後、私はこう聞かれるんですね
赤城:なんや龍驤と瑞鳳ができたてのカップルみたいな感じやったんやけど。なんかあったん?
赤城:私はこう答えます
赤城:ああ、いつもの通り物凄く、百合百合してましたよ
赤城:と
RJ:デジャブやめろやwww
卵焼き☆マスター:いつも百合百合してないんですけどwww
お母さん:かつらぎさんがよろこびそう
【PM4:00】
赤城:よし、今日のリハビリ終わりました~
お母さん:あかぎさん、おつかれさま
お母さん:きょうはみんな、おみせくるかしら?
赤城:え? どうでしょうか。私は行きますよ~
お母さん:あらあら
お母さん:それじゃあ、わたしといっしょにおかいものにいかない?
赤城:おお、大丈夫ですよ! 初めてですね、こういう風に誘っていただけるの
お母さん:ふふふ
お母さん:もしよかったら、おりょうりもみていかれませんか?
赤城:いや、それは……w 私つまみ食いしますよw
お母さん:だいじょうぶよ。わたしがみてるから
お母さん:あかぎさんも、おりょうりおぼえないとね。かんむすをやめたら、およめにいくかもしれないのだし
赤城:ええ~w どうなんでしょうかねえ
赤城:私は戦い以外知らない女ですから(笑)
お母さん:だいじょうぶよ。あなたなら
赤城:むー。でも、ぜひ行かせていただきます。帰ってきた皆さんにお料理も作ってあげたいですし
お母さん:うん♪ 待ってるね(^^
【PM7:00】
大鳳:前線基地より、艦隊、皆帰投いたしました!
翔鶴:お疲れ様でした
ずいずい:おつー
ソウ☆リュウ:お疲れお疲れ~
ヒ☆リュウ:やっぱ鎮守府がいいねー、安心する
Graf:皆、お疲れ。どうだった、最前線海域での戦果は?
大鳳:今日は会敵はありませんでした。皆、中枢泊地近海で身を潜めているのでしょうか
ずいずい:まーこっちが攻撃してこないっての分かってきただろうし
翔鶴:後は、あちらの代表とコンタクトさえ取れれば、これまでの作戦が報われますね
ヒ☆リュウ:どうなるかねー。結局和解が無理でドンパチになりそうな気はするけどな
ソウ☆リュウ:んな希望もないこと言わないの。大丈夫だよ、きっと
加賀:赤城さんが部屋にいない
加賀:赤城さんが部屋にいない赤城さんが部屋にいない赤城さんが部屋にいない赤城さんが部屋にいない赤城さんが部屋にいない赤城さんが部屋にいない赤城さんが部屋にいない赤城さんが部屋にいない赤城さんが部屋にいない
加賀:赤城さんどこ赤城さんどこ赤城さんどこ赤城さんどこ赤城さんどこ赤城さんどこ赤城さんどこ赤城さんどこ赤城さんどこ赤城さんどこ赤城さんどこ赤城さんどこ赤城さんどこ赤城さんどこ赤城さんどこ赤城さんどこ赤城さんどこ
RJ:怖いわwww
卵焼き☆マスター:加賀さんどうしたのwww
翔鶴:あまり一航戦のお二人が離れることありませんからねw 不安になったのでしょうか
ずいずい:加賀さん、私がいるじゃない!!
加賀:は?
大鳳:wwwwwwwww
秋津洲かも:加賀さん、赤城さんは鳳翔さんのところかも!
加賀:!!!
瑞葛城:先輩、さっきの言葉私に向けて言ってもらえますか。たまりませんわほんま
ずいずい:もうそういうのいいからちゃんとツッコんでくれる? それ雷ちゃんじゃーん!!とかさあ
瑞葛城:ツッコんでくれる、とかもうやばいですわハァハァ、どっちがどっちにツッコむんですかハァハァ
♪天城♪:かつらぎ・・・
皆様、コメントありがとうございます~!
続きます!
【PM8:00】
ソウ☆リュウ:くぁ~、お腹いっぱい!
ヒ☆リュウ:足柄ちゃんカレーはやっぱ美味しいわぁ。辛いけど
翔鶴:これから重巡組は夜間警戒ですよね? なのにカレーを作る余裕があるなんて凄いなぁ
ずいずい:軽巡組もさっき前線基地に出発してたよ。あいつがいないと夜静かでいいわ
瑞葛城:え、今日の夜間出撃は那珂ちゃんと神通ちゃんですよ?
ずいずい:……マジか
翔鶴:まぁまぁ。川内さんがいないと夜が来たって感じしないしw
卵焼き☆マスター:あれ、加賀さんと赤城さんは?
RJ:今日は鳳翔んとこやろ
卵焼き☆マスター:ああ、そうだっけ
♪天城♪:加賀さん、大丈夫ですかね? 近頃はほぼ出撃なので
雲龍:ちょっと疲れてるようにもみえます
RJ:ぶっちゃけ赤城が抜けたんは相当痛いからなぁ
RJ:翔鶴らも育ってはきたけど、やっぱりあいつら一航戦はベテラン中のベテランや。甲提督からの信頼もばっちりやしな
卵焼き☆マスター:その負担を今、加賀さんが一人で負ってるもんね…
ソウ☆リュウ:しかし、そんな加賀さんを支えてるのが我々!!
ヒ☆リュウ:にっこにっこ二航戦!!!
ずいずい:サマーウィーwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
Graf:居酒屋鳳翔から帰投した
RJ:ん? まだ八時やで。早いな
Graf:いや、酒は飲んでいない。今日は日本食の晩御飯が食べたかったのだ
ソウ☆リュウ:グラちゃんすっかり日本食にハマったねえ
Graf:ビスマルクの勧めもあってな
Graf:私はあれが好きなのだ。ヒジキとサトイモ。あとナットー
ずいずい:日本人より日本人しとるのお
翔鶴:でも嬉しいですね~。そういう風に仰ってもらえると
ヒ☆リュウ:あ、加賀さんと赤城さんいた? あんま飲ませないようにせんとね。加賀さん明日出撃だし
Graf:ああ。カガはそこまで飲まないと言っていたぞ。タシナムテイド? だったか
Graf:アカギは珍しく、厨房に立っていたな
卵焼き☆マスター:へぇ
RJ:やばいやん。全部食われるで食材
Graf:いやいや。ホウショーに料理を教わっていたそうだ。アカギも私に手料理を出してくれたが、なかなか美味かったぞ
Graf:サンマの、ニガイトコ、という料理らしい
ソウ☆リュウ:赤城さん……
♪天城♪:(身は誰が食べたんでしょうね……)
Graf:そういえば今日もカウンター席にいたな。アドミラール・乙は
RJ:またか!
ずいずい:え? そんなにいますっけ
RJ:いや存在感消しとるけど、うちらが行った時ほぼ100%でおるで
翔鶴:あぁー、確かに、ずっと静かに飲んでるイメージはあります
卵焼き☆マスター:お店に居る時、帽子被って私服だよね? 艦娘に気を使ってくれてるのかなぁ
ヒ☆リュウ:実はあの人が店に居る時、私らが飲んだ分の料金、少しだけ払ってくれてるんだよ
ソウ☆リュウ:へ? そうなの?
ヒ☆リュウ:うん。鳳翔さんからは、あの人恥ずかしがるから内緒ね、って言われてるけど
ソウ☆リュウ:意外とかわいいな乙提督w
翔鶴:そうだったんですか! 確かにここ最近、料金が安いなーとは感じていたのですが
ずいずい:やるじゃん乙提督さん
RJ:うち、そういう隠れた男気好き
ヒ☆リュウ:黙っててもよかったけどさ。良い部分なんだから皆には知ってもらおうと思って
♪天城♪:素晴らしいですね。今度、皆で何かおかえししましょう
雲龍:色々してあげた方が、いいのかしら。気持ち良いこととか
瑞葛城:雲龍姉まずエロから離れて
RJ:それに比べて丙はなぁ
ずいずい:もう1年たつんだし、もちっと堂々としてほしいよね。未だによく噛むし
卵焼き☆マスター:いやでも優しいじゃんあの人
翔鶴:下戸でしたっけ? お酒も飲まないですし、素敵な好青年だと思いますけど
ヒ☆リュウ:私はどっちかっつったら男勝りな乙さんの方が好きだけどな
ソウ☆リュウ:えー。私丙さん派だけどな。艦娘にすごい気使ってくれるし
♪天城♪:うおおw 見事に別れましたねw
雲龍:わたしは乙さんの方が、好きです
瑞葛城:私は瑞鶴先輩かなぁ
Graf:私としては、アドミラール・丙を推すぞ。軟弱な姿のように受け取れるが、彼のおかげで基地航空隊が設営でき、1年前にアイオワを救出できた
RJ:一人だけ瑞鶴推しおるんやけど
ずいずい:あいつは放っておいていいです
ソウ☆リュウ:あれ? 誰がどっちが好きなんだっけ。ごちゃごちゃしてよーわからんw
RJ:んじゃいっせーのーせでどっちの提督がいいか多数決とろ
ヒ☆リュウ:OK
RJ:いっせーのーせ
翔鶴:丙提督
ヒ☆リュウ:乙
ソウ☆リュウ:丙
雲龍:乙
Graf:アドミラール・丙
ずいずい:乙
瑞葛城:瑞鶴先輩
卵焼き☆マスター:丙
RJ:乙
♪天城♪:わわわ・・・
♪天城♪:えーw どうすればいいですかw
RJ:4対4やな。天城の意見で勝利が決まるで
瑞葛城:ちょっと待ってください一人抜けてます
RJ:やかましい
ずいずい:乙っしょ。天城は男っぽいの好きそうだし
卵焼き☆マスター:天城ちゃんには優しそうな丙さんが似合ってるよ
ヒ☆リュウ:天城っちどんな男の人がタイプなの?
♪天城♪:いやぁ、あまり考えたことがないので……
秋津洲かも:ここで登場のわたしかも!!
RJ:あかん、これ絶対意見別れるパターンやw
ヒ☆リュウ:いや、じゃあさ。みんなどんな男の人が理想なの?
ソウ☆リュウ:そりゃ甲提督みたいななんでもデキルマンでしょ
ヒ☆リュウ:きゃつを例えに出してはいかんよ・・・パーフェクトアイアンマンだからきゃつは
RJ:うちは別に、旦那さんにはなんも求めんで
RJ:最後まで隣で笑ってくれてたらええ。それだけやぁ
ずいずい:なんちゅー模範解答や・・・
RJ:いやそりゃ男前で頼りになる方がええけどやなw 最後は心や心
翔鶴:そうですねぇ。私も、私をずっと好きでいてくれる方なら。それだけでいいですかね
ヒ☆リュウ:じゃありゅうちゃん、例えばこう、自分が理想とする旦那様との甘いシーンを再現してみてよ
ソウ☆リュウ:見たい見たい
RJ:ええw 恥ずいやんw
瑞葛城:なんかこんなこと1年前もあったような(笑)
秋津洲かも:絶対これ笑い取る流れにしか行かないかもw
RJ:まーえーわ。やったるわ。これがうちの理想の旦那様や!!
卵焼き☆マスター:いえーい!
RJ:旦那「りゅう~。ただいま~」
RJ:うち「おっかえりぃ~! 今日は早かったんやな。待ってたんやでぇ」
♪天城♪:はじまったーw
雲龍:いい感じ
RJ:旦那「……ああ。僕ぁ幸せだなぁ」
RJ:うち「はぁ? どないしたん、突然」
RJ:旦那「だって、こんなに可愛いお嫁さんが毎日「おかえり」って出迎えてくれるんだもの」
RJ:うち「あ、あんたぁ!! そんなこと言っても褒めへんで!! さっさとお風呂入り!!!/////」
瑞葛城:///// この線なんですかwww
ずいずい:照れだよ照れ
ソウ☆リュウ:甘いなぁ。甘いよ
RJ:旦那「りゅうちゃん、オレ。風呂より先に、やりたいことができちゃったよ」
RJ:うち「え? あっ、いや、その。も、もしかしてあんたぁ、うちが欲しいとか言うんやないやろな/////」
RJ:旦那「当たりだよぉ!!」ガバッ
RJ:うち「あっかーん!! うち、ちょっちピンチすぎやぁ!!!」
RJ:終わり
ヒ☆リュウ:ド甘じゃねえかwwwwwwww
ずいずい:なんだよこれwwwwww
ソウ☆リュウ:期待してたのとなんか違ったwwwwww
RJ:ええやんか!! こういう家庭、ええやんか!! 憧れるやんか!!
瑞葛城:先輩に失礼ですけど、ちょっと殴りたくなりました
RJ:うっさい!!!
ソウ☆リュウ:じゃ、次飛龍ね
ヒ☆リュウ:ええ? なんであたし!?
ずいずい:飛龍さんこういうのあんま言いたがらないですよね
ソウ☆リュウ:今回もうまく回避するつもりだろうが、そうはいかぬ
RJ:せやせや~。うちもやったんやからやりぃや
♪天城♪:飛龍先輩w 見て見たいですw
ヒ☆リュウ:もうー。しょうがないなぁ
ヒ☆リュウ:いくよー
ヒ☆リュウ:多聞丸「おいどんは、多聞丸でごわす!!!!」
翔鶴:でたwwwww
ずいずい:ただの多聞丸じゃねえかwwwww
秋津洲かも:ごわすてなにwwwww
ヒ☆リュウ:あたし「多聞丸。おにぎり食べる?」
ヒ☆リュウ:多聞丸「頂くでござる!!!」
ソウ☆リュウ:いや語尾揃えろよwwwww
RJ:いつの時代の人やござるてwwwwww
ヒ☆リュウ:あたし「あーかっこいいわぁ。ね、多聞丸。もっと食べて食べて!」
ヒ☆リュウ:多聞丸「うまい!! うまいで候!!!」
ヒ☆リュウ:あたし「ほらご飯粒がほっぺについてる~。めっ、そんなんじゃ多聞丸に怒られるよ?」
ヒ☆リュウ:多聞丸「ぬうう、多聞丸殿に負ける訳にはいかないですがな!!!」
ずいずい:お前は多聞丸じゃなかったのかwwwww
卵焼き☆マスター:語尾変わり過ぎwwwww
♪天城♪:なんなんですかこれwwwww
ヒ☆リュウ:はい、終わり
雲龍:ええっ?
RJ:突然終んなw
ソウ☆リュウ:あんたの理想の男性はあんな不安定な言葉遣いでいいのか・・・
ずいずい:ただ多聞丸がご飯食べてただけなんですけどw
ヒ☆リュウ:いーの!! とりあえずご飯いっぱい食べてくれたら私は幸せなの!!
卵焼き☆マスター:ま、まあ。好みは人それぞれだしねw
瑞葛城:よし、次私いきますわ
ずいずい:いかんでいい
Graf:では私が
ずいずい:グラはとりあえず翻訳してからにしてくれ
RJ:んなら翔鶴いこか
翔鶴:えっ
卵焼き☆マスター:ああ、いいねいいね! 翔鶴ちゃんのこういうの、見たことないし
翔鶴:いやいや、私は、ちょっと、こういうのは・・・
ずいずい:いーじゃんいーじゃん。翔鶴姉の・ちょっと甘いシーン・見って見ったい~
ソウ☆リュウ:んじゃ次翔鶴ちゃんで決定ー
翔鶴:うう、分かりました・・・あ、でも、期待しないでくださいね・・・?
秋津洲かも:了解かも!
翔鶴:じゃあ、いきます
雲龍:どきどき
翔鶴:旦那様「翔鶴。今日の晩御飯、すっごく美味しいよ」
翔鶴:私「あら本当? うふふ、瑞鶴と一緒に考えたメニューなんです」
翔鶴:旦那様「相変わらず姉妹で仲が良いね。君達が幸せだと、僕も何故か幸せになるんだ」
翔鶴:私「嬉しい。そんな風に、私達姉妹のことを想ってくれる貴方と結ばれて、私は本当に幸せです・・・」
卵焼き☆マスター:激甘だ・・・!
RJ:ああ、こいつぁ甘い・・・!
ずいずい:間違いない、この旦那は良い奴だわ・・・!
翔鶴:旦那様「今度は瑞鶴さんも呼んで、皆で食事をしようか」
翔鶴:私「とても良いですね。はい、是非」
赤鶴:旦那様「そして3人でベッドで戯れよう」
加鶴:ワタス「よっしゃあぁああああ!!! 犯ったるでええええ!!!!」
加鶴:ワタス「グッポォグッポォしたるでえええええ!!!!」
赤鶴:旦那様「で、出たぁ・・・! 速吸モード突入やぁ・・・!!」
翔鶴:ちょっと
秋津洲かも:突然の赤城さんと加賀さんwwwww
RJ:一航戦やったんかwww 一瞬マジで気がつかんかったわwww
ソウ☆リュウ:翔鶴ちゃん頭おかしくなったのかと思った・・・
ずいずい:速吸出すのやめてくださいよw いや声似てるけどw
雲龍:グッポォてなんですか
♪天城♪:姉様、そこはその・・・聞かない方が良いかとw
翔鶴:もう!! 今からもっとラブラブしたかったのにー!!
ヒ☆リュウ:あれ
ヒ☆リュウ:いなくなった?
卵焼き☆マスター:本当だwww 既読がなくなってるwww
RJ:嵐のように過ぎ去っていったなw
Graf:まさにHeretical Lehre
ずいずい:じゃ、翔鶴姉、続きを
翔鶴:えええ
秋津洲かも:大丈夫大丈夫。ちゃんと途中まで覚えてるかも!
翔鶴:じゃあ・・・。はい。続けます
翔鶴:旦那様「そうだ翔鶴。来週は土日が休みが取れそうなんだ。どこか一緒に出掛けないか?」
翔鶴:私「わぁ! 久しぶりに二人でデートですね! 嬉しいです・・・」
翔鶴:旦那様「喜んでくれて良かった。どこか行きたいところはあるかい?」
翔鶴:私「なら私、貴方と初めて出会ったあそこに行きたいです」
加鶴:ワタス「あそこぉぉおぉおおおおおぉおぉお!!! あぞごにイギだいのぉぉぉおおおお!! イグ、イグのぉおおおおおおお!!!!!」
赤鶴:旦那様「らめぇぇええええ!! 翔鶴が19になってるのぉぉおおおおお!! 旦那も一緒にイグのぉおぉおぉぉおぉおおお!!!!!」
RJ:お前らええ加減にせえよwwwwwwwwwwwww
ずいずい:やめろしwwwwwwwwwwwww
翔鶴:もうー!!!!!!
赤城:まだまだですね翔鶴さん。二度あることは三度あるんですよ
翔鶴:いやまだ二度目だったんですけどw
加賀:ワタスの格納庫に何か御用?
翔鶴:なんでワタスってなまってるんですかwww
大鳳:皆さん、おつかれさまですぅー
ヒ☆リュウ:あれ、大鳳ちゃんも来たの?
大鳳:あ、今日私、赤城さんと加賀さんとで、鳳翔さんのところで飲んでたんです
大鳳:ちょうど小休止に入ったところで、LINEが盛り上がっていたのでw
赤城:何やら面白いことをやっているじゃないですか
加賀:よし、次いきなさい、七面鳥が好きな五航戦
ずいずい:なんだと焼き鳥空母
秋津洲かも:あ、じゃあ私いきたいかも!
ソウ☆リュウ:おお、いいねいいね
卵焼き☆マスター:秋津洲ちゃんのはたまに腹筋やられるんだよなぁ
♪天城♪:秋津洲さん、期待してますねw
雲龍:えろいやつで、おねがいします
秋津洲かも:任せとけ!! かも!!
Graf:あの。えろいとはなんなのだろうか? よくウンリューが使っているが
赤城:あれです
赤城:ハイエースでデストロイヤーをダンケダンケです
大鳳:赤城さん憲兵呼ばれますよwww
秋津洲かも:じゃあ行くかも
秋津洲かも:私かも「ああー。最近恋愛してないかも」
秋津洲かも:私かも「素敵な王子様みたいな人が、迎えに来ないかなぁ。ね? 大艇ちゃん」
秋津洲かも:二式大艇ちゃんかも「ふふ。アキちゃん。僕人間になれたかも」
秋津洲かも:私かも「ええええ!!? あの大艇ちゃんが、人間になれたかも!!?」
秋津洲かも:二式大艇ちゃんかも「そうかも。アキちゃんへの愛が、僕を人間に変えたのさ。かも」
秋津洲かも:私かも「すっごいイケメンかも!! 大艇ちゃん、かっこいいかも!!!」
秋津洲かも:二式大艇ちゃんかも「任せてくれかも。アキちゃんも超かわいいかも。エロカッコカワイイ宣言かも」
秋津洲かも:私かも「大艇ちゃん、私とケッコンしてほしいかも!!!」
秋津洲かも:二式大艇ちゃんかも「実は僕も昔から、君のことが大好きだったかも。やばいかも。両想いかも」
秋津洲かも:私かも「きゃあああああ!!! カッコ良すぎかもぉおおおお!! 二式大艇ちゃん最高かもぉおぉおお!!!」
秋津洲かも:終わりかも
ずいずい:お前の話は毎回ツッコミどころが多すぎるわwwwwwwwwww
ソウ☆リュウ:なんでいつも相手はかもをつけてるんだよwwwwwwwwww
赤城:何一つ信憑性のない会話に草www
♪天城♪:二式大艇さん人間になれたんですねwww
RJ:さらっとカッコカワイイ宣言取り入れんなやwwwww お前あれ言われて嬉しいんかいなwww
ヒ☆リュウ:夢があっていいなぁ
Graf:ああ、ブラボーだ・・・
加賀:ハラショー
秋津洲かも:やりきってやったかも・・・! これが秋津洲流戦闘後悔術かも・・・っ!!
ずいずい:後悔すんじゃねえよw
Graf:よし!! 翻訳は終了したぞ! 次は私だ!!
赤城:おおお、なんと
卵焼き☆マスター:翻訳済なら、今回は安心できそうだねw
大鳳:そういえば私、こういう妄想話に加わるの初めてです
大鳳:既に腹筋やばいんですがwww
Graf:ふふふ、覚悟するんだな。タイホー
RJ:いやちょー待て。これ笑いを取りにいくんやないで? 甘い話をするのが前提やからな?
ヒ☆リュウ:頼むぜグラちゃん
Graf:もちろんだ。ゲキアマという奴をプレゼントしてくれる
Graf:行くぞ!!
Graf:एडमिरल「जैसा मैं दुनिया में आप में से ज्यादातर प्यार」
Graf:मैं「मैं भी प्यार करता हूँ।」
ずいずい:どこで翻訳したんだお前wwwwwww
翔鶴:読めないぃぃいwwwwwwww
ソウ☆リュウ:何語これwwwwwwww
Graf:एडमिरल「मैं कैसे करता है, तो क्या होगा , लेकिन मैं भी कोशिश कर के बिना सेक्स आपको पसंद करने के लिए करना चाहते हैं?」
赤城:続けるんですかwww
瑞葛城:読めないってだからwww
RJ:あかんほんまに分からんwww どこの言葉なんやこれwww
雲龍:これヒンドゥーです
♪天城♪:姉様なんで知ってるのwww
提督「私は世界の誰よりもあなたを愛している」
雲龍「嬉しいわ」
提督「君の全てを好きにしたい。だから、セックスしよう」
お粗末yahoo翻訳をできる限りまともに解釈するとこうなるな
>>171
雲龍になってて草
うわああああすまんグラーフだったああぁぁぁ
>>173に言われるまで全く気づかんかった…
1です。
更新が遅れて申し訳ないです・・・!
今日か明日、時間があれば更新します!たくさんのコメントありがとうございます!!
皆様たくさんのコメントありがとうございます~
続きます!
ずいずい:翻訳したら草www
卵焼き☆マスター:え、なんて書いてあったの?
ずいずい:自分で調べてwww
Graf:ドイツのぉぉおおおおおおお翻訳力はぁあああああああ!!!
Graf:世界一ぃぃいいいいいぃいいいいぃ!!!
ヒ☆リュウ:世界一どころか読めねーって言ってんでしょwww
ソウ☆リュウ:シュトロハイム推しは分かったからwww
雲龍:とりあえずエッチぃ単語が入ってましたので
雲龍:鼻血でてます
瑞葛城:雲龍姉ェ
卵焼き☆マスター:はぁ。もう、みんなほんっとダメダメだね!
卵焼き☆マスター:私があまっあまのを見せてあげるんだから!
赤城:うおお、瑞鳳さん、頼りになります!
加賀:さすがに気分が高揚すりゅ
Graf:मैं「लिंग!! लिंग!! लिंग!! लिंग!!」
瑞葛城:まだやってたのかよwww
ヒ☆リュウ:グラちゃんもうええからw
RJ:あんた飲んでないやろな?w
卵焼き☆マスター:よーし、んじゃ行きまーす!!
卵焼き☆マスター:私「わ~っ☆ 遅刻遅刻ぅ~っ! 学校遅れちゃうよぉ!」
卵焼き☆マスター:私の名前は瑞鳳! 鎮守府学園に通うピチピチの●●歳! 今日は目覚まし時計が鳴らなくって、食パン咥えて走るハメになっちゃったの! チョベリバ~!
ソウ☆リュウ:草wwwww
RJ:お前笑いとりにきとるやろ絶対www
赤城:少女漫画の典型的なスタートですね・・・
秋津洲かも:チョベリバってwww
卵焼き☆マスター:私「よぉし、あの角を曲がればもうすぐ学校だわ!」
卵焼き☆マスター:ドォン!
卵焼き☆マスター:私「きゃあっ! な、何かにぶつかった!? ちょっと、どこ見てるのよ!」
卵焼き☆マスター:九九艦ばくん「す、すみません! 大丈夫ですか?」
卵焼き☆マスター:私「きゅんっ……♡」
翔鶴:九九艦ばくんwwwwwwwwww
ずいずい:せめて人にしろやwwwwww
大鳳:お腹痛いお腹痛いwwwwwwwwwww
卵焼き☆マスター:九九艦ばくん(な、なんて可愛い子なんだ……! 卵焼き食べたい……!)
卵焼き☆マスター:私(か、かわいい……! 卵焼き作ってあげたい……!)
雲龍:なんで卵焼き!?
♪天城♪:姉様wwwww
瑞葛城:卵焼きのくだりが急すぎるwww
卵焼き☆マスター:??「ちょっと待ったぁーーーー!!」
卵焼き☆マスター:私「ん!? なに!?」
卵焼き☆マスター:天山くん「瑞鳳さんはオレのものだァーッ!!!」
卵焼き☆マスター:私「あ、あなたは私の幼馴染の天山くん!」
卵焼き☆マスター:九九艦ばくん「なんだって!? 僕は瑞鳳さんに永遠の愛を誓ったんだ! 渡してたまるかぁ!!」
卵焼き☆マスター:私「待って二人とも! 私のために争うのはやめてーっ!!」
大鳳:ダメだ展開に全くついていけませんwwwwwwww
赤城:瑞鳳さん真面目にやってくださいwww
加賀:天山と九九艦爆は人なのかしら。それとも艦載機なのかしら
卵焼き☆マスター:在りし日の戦(いくさ)飛行機の記憶を持った、人間です
ずいずい:どこかで見たことのある設定だなぁ
卵焼き☆マスター:???「おうおうおう! 二人で盛り上がってるとこ悪いが、瑞鳳はオレのものだってばよ!」
卵焼き☆マスター:私「あ、貴方は!?」
卵焼き☆マスター:烈風くん「オレだオレだオレだーッッッ!!!」
卵焼き☆マスター:私「ああ! あなたは私の憧れの先輩、烈風さん!」
赤城:また増えたwww
ソウ☆リュウ:とりあえず全員艦載機なんだねw
♪天城♪:今のところ烈風先輩に憧れる要素なかったんですけどwww
卵焼き☆マスター:???「ナンセンスですね・・・瑞鳳さんは僕のものに決まっています」
卵焼き☆マスター:私「こ、今度は誰!?」
卵焼き☆マスター:天山村田くん「おはようございます瑞鳳さん。今日も貴方のために死んできます」
卵焼き☆マスター:私「あ、あなたは私の後輩である天山村田くんっ!」
RJ:村田殺すなやwwwww
ずいずい:てか長げえよwww まだ出てくるの?w
卵焼き☆マスター:???「ふっふっふ。若造共が騒いでおるわ。瑞鳳ちゃんはわしのものだというに」
卵焼き☆マスター:私「あ、あなたは……!?」
卵焼き☆マスター:瑞雲くん「瑞雲は艦隊にて最強。これ揺るがない事実だから」
卵焼き☆マスター:私「ず、瑞雲師匠!」
ヒ☆リュウ:瑞鳳ちゃん装備できねえだろ瑞雲www
翔鶴:なんの師匠なんですか瑞雲くんはwww
瑞葛城:瑞雲を持って瑞鶴先輩のあそこへ突撃。これだ!!
ずいずい:いやこれだじゃねえ
卵焼き☆マスター:私「はぁぁ……こんなイケメン達に囲まれて……」
卵焼き☆マスター:私「どうしよおおお私ぃぃいいいいい!!!」
卵焼き☆マスター:終わり
♪天城♪:唐突www
ソウ☆リュウ:あれなのね。瑞鳳ちゃんはハーレムに憧れてるのねw
Graf:まるで空JOJO太郎のようなモテっぷりだな
龍驤承太郎:呼んだ?
Graf:パウッ
瑞葛城:よし、ほな次こそ私いきます
ずいずい:やめろ
翔鶴:あ、じゃあ大鳳さんは初参加ですので、大鳳さんでいかがでしょうか?
大鳳:ええwww 私ですか?www
赤城:大鳳さんだと甲提督との甘い生活を見るだけのようなw
RJ:ええやんええやん。大鳳がどんなこと望んどんか気になるし
ヒ☆リュウ:じゃあ次大鳳ちゃんで
大鳳:なんと・・・!
ソウ☆リュウ:あ、ちょっと待って
ソウ☆リュウ:皆さんあれですよ
ソウ☆リュウ:これ本当に甘くなりそうですから
ソウ☆リュウ:大鳳ちゃんに成りすますのなしですからね(特に一航戦のお二人)
加賀:わかっているわ
赤城:もちろんですとも
大鳳:えーw じゃあ行きますね
大鳳:甲提督「大鳳。今日は良い天気だね」
大鳳:私「ええ、提督。こんな晴れた日は、二人でハッスルしたいわねっ!」
大鳳:私「そんなことより私のビッグハリケーンバストはどう? そんなに気になるの?」
大鳳:私「いやいやそんなことより。さあ、犯るわっ!!」
大鳳:私「この変態を見たかったの・・・!」
大鳳:私「万全の補給と性訓練があれば、淫乱などとは言わせないわ!」
大鳳:うち「よし、たまには長くローションお風呂に入りまっせ!」
大鳳:提督「ここがいいんだろはぁはぁ」
大鳳:私「ああっ! ね、燃料という名の汁が! 淫乱に気をつけないと!」
大鳳:私「E風ね・・・」
大鳳:私「さぁ、大鳳イクわよ! タウイタウイのみんなも一緒にイク?」
♪天城♪:なんですかこれwwwwwwww
翔鶴:大鳳さんが多すぎるwwwwww
大鳳:ちょっと待ってください私一回も発言してないんですけど
大鳳:全員大鳳ちゃんになってて草wwwww
大鳳:蒼龍あんた自分で言いながらやるなよwww
大鳳:いややるよそりゃwww
大鳳:みんな卑猥なことしか言ってないやんかwww
翔鶴:名前戻してくださいよw
大鳳:いや、本当の大鳳ちゃんはどれなの?w
大鳳:提督「ぱんぱんしてほしかったんだろ、おうっおうっ」
大鳳:雲龍姉だこれwww
大鳳:さすがに気分がE風します
大鳳:もう! 戻してくださいよお! 本当に誰が誰か分からないです!
~2分後~
大鳳:ふああ、ようやく皆さんが元に戻ってくれましたねw
RJ:人多すぎてほんまに誰が誰か分からんかったな
加賀:じゃあ次、赤城さんお願いします
赤城:え!? 私ですか!?
ずいずい:あー、いいっすねえ
ヒ☆リュウ:最近赤城さんこういうの参加してなかったし
大鳳:赤城さんの理想、見て見たいですぅ
赤城:ボケ倒しますけどいいでしょうか
ソウ☆リュウ:いやいやw ちょっと皆がふざけすぎたんで、甘めのをお願いしたいです
秋津洲かも:いいかも^^
ずいずい:↑^^ これやめろ
加賀:赤城さん、貴方の理想の生活を、お願いします。ハァハァ
赤城:加賀さん息荒いですよw
Graf:アカギ、期待しているぞ
雲龍:えっちぃのでも万事OKです
♪天城♪:いやいや、ここまで来たら甘いのをお願いしましょうよ姉様
赤城:恋人できたらとか、結婚生活を妄想するんですよね? うーん
赤城:うーん
赤城:うーん・・・
赤城:いやぁ、やめましょうよこれw
Graf:なにぃぃいぃいいいいいいぃいい!!!
卵焼き☆マスター:甘い成分の補給準備は万全だったのに!!
加賀:赤城さんが言うので、やめましょう
ソウ☆リュウ:そうっすねー
翔鶴:そうですね、やめましょう
赤城:あ、なんか、すいませんw
赤城:私はあれですよ。皆さんが幸せになってくれれば、それでいいですよw
大鳳:天使ですか
ずいずい:よし、んじゃ私いきまっせ
ヒ☆リュウ:さすが空母の切り込み隊長
RJ:お前ほんま
RJ:絶っ対からくりサーカスなしな
ずいずい:分かってます分かってます
ソウ☆リュウ:フリじゃないからね?
ずいずい:分かってます分かってます
ずいずい:ほな行きますー
ずいずい:あ、そうだ、彼氏役の名前は鳴海っていいますんで
RJ:全然分かってないやないかwwwww
※ずいずいの物語は割愛します
一ヶ月後
【PM7:00】
大鳳:艦隊、母港に帰投いたしました!
大鳳:深海棲艦との初コンタクトは無事終了です! 我が艦隊に、被害艦はありません!
赤城:お疲れ様でしたぁ~
赤城:無線、聞いてましたよ。おめでとうございます
お母さん:すごいわねぇ、やくしんよね
ずいずい:イェーイ
翔鶴:加賀先輩、瑞鶴、翔鶴、ともに、帰投致しました
秋津洲かも:うっほほほぉ! すごいかも! どうだったかも!?
加賀:敵は約十隻で待ち受けていたわ
加賀:こちらが敵意のないところを見せると、相手も何もしてこなかったわね
ヒ☆リュウ:ヒューッ! 怖えー!
ソウ☆リュウ:ま、相手が攻撃してこなかったのも、今までの苦労の結果って訳じゃん?
♪天城♪:敵艦隊はどんな編成でした?
大鳳:我々の認知している名称ですが、中枢棲姫、戦艦棲姫、重巡棲姫、防空棲姫等の精鋭部隊でしたね
ずいずい:正直戦ったら勝てる気しなかったわ……
瑞葛城:防空棲姫とか・・・マジすかw
RJ:おまえのような駆逐艦がいるか
ずいずい:龍驤さん艦載機とばせる駆逐艦じゃないすか
RJ:殺すぞ
加賀:とはいっても私達は甲提督からの発言を拡声器で伝えるだけ
加賀:理解したかは不明ですが、声を聴いた後、静かに立ち去っていったわ
雲龍:甲提督はなにを話したんですか
翔鶴:まずは彼女らに対し敵意がないことを説明しました。その後、できることなら、話し合いを設ける場所が欲しいと
♪天城♪:……素朴な疑問なんですが、深海棲艦にこちらの言語は通じるんでしょうか……
加賀:彼女達が時折、カタコトだけれど私達人間の言葉を話すことは知っていて?
加賀:まだ解明はされていないけれど、彼女達は独自の音波を持ち、私達が認知できるメッセージを発しているそうよ
Graf:従って、こちら側の意見も奴らには理解ができる、との見解で声をかけた訳か
Graf:確かに、私も戦闘中に時折、彼女らの声が聞こえるのだ。しかもドイツ語でな
ずいずい:ええw あいつらドイツ語も喋れるんかいw
加賀:五航戦。音波といったでしょう。
加賀:例えば彼女らが私達に向け「赤城さんめっちゃ好き」と音波を発したら
加賀:聞く側にとっては「赤城さんめっちゃ好き」という音波だけが届く。つまり日本語だろうがドイツ語だろうが、その意味は人間に伝わる仕組みよ
ずいずい:いや分かりますけど例えwww
卵焼き☆マスター:みんなおかえりー!
卵焼き☆マスター:ちなみに深海棲艦の音波論を説いたのは、我が艦隊の丙提督なんだよ?
RJ:へー
ずいずい:へー
瑞葛城:へー
ヒ☆リュウ:へーって言おうとしたけど、3人いるからいいや
ソウ☆リュウ:つかなんであの人そんなこと知ってるの
卵焼き☆マスター:……さあw そこまでは知らないけど
Graf:彼は勤勉だからな。敵との和解となれば、敵のことを知らねば始まるまい
♪天城♪:最近丙提督の目の隈すごいですもん。ずっと作戦のことを考えてるのでしょうか
雲龍:夜な夜なえっちぃびでお見てるのかも
RJ:いや、あいつ毎晩、全艦載機のチェックもやっとるやろ
RJ:こないだうちの流星が見事に整備されとったで。まぁあんまり触ってほしくはないんやけどね
お母さん:へー
翔鶴:鳳翔さんw
赤城:ワタシ、ムリ、スルヒト、キライ
大鳳:なんで先住民族風www
秋津洲かも:そういえば、どうして丙提督って深海棲艦との和解なんて思いついたんだろう
ソウ☆リュウ:たしカニ
ヒ☆リュウ:あれじゃない? 異種格闘技戦の頂点を決めたいとか
♪天城♪:和解したかったんじゃないんですかw
ずいずい:こんな感じ?
ずいずい:全選手、入場ッッッ
瑞葛城:刃牙だ!!
RJ:タララッ タララッ タララッ タララッ タラララララ
ずいずい:深海棲艦の村田殺しは生きていた!! 更なる研鑚を積み深海凶器が甦った!!! 武神!! ツ級だァ――――!!!
ツ賀:ツァ!!
ずいずい:デカァァァァァいッ 説明不要!! 2m40!!! 310kg!!! 高雄型重巡洋艦・愛宕だ!!!
赤宕:ぱんぱかぱーん
ずいずい:若き貧乳王が帰ってきたッ どこへ行っていたンだッ チャンピオンッッ 俺達は君を待っていたッッッ
ずいずい:その胸は見事に平ら! 龍驤の登場だ――――――――ッ
RJ:おい
RJ:工廠裏行こうぜ
RJ:久しぶりに キレちまったよ
卵焼き☆マスター:標準語www
雲龍:愛宕さんでかすぎませんか
Graf:ズイカク。貴艦も、その、人の胸ことを言えぬと思うのだが・・・
ずいずい:あんだとゴルア
皆様、たくさんのコメント、本当にありがとうございます!!!
以後、少し真面目な展開となりますが……! 最後までお付き合い頂けますと、幸いです。
よろしくお願いします!
更に、その二日後
【PM7:00】
大鳳:艦隊、帰投致しました!
大鳳:深海棲艦との再コンタクト、終了です! 二日前と同じく、我が艦隊に被害はありません!
赤城:お疲れ様でした!
お母さん:みんな、おつかれさま
秋津洲かも:お疲れかも!!
ソウ☆リュウ:今回は私達も中枢泊地前線までいったけど、ありゃほんとひやひやもんだね
卵焼き☆マスター:はじめてあんな近くで深海棲艦見た……
ヒ☆リュウ:ね。しかも前回より精鋭が揃ってたし。あたしも流石にびびったw
翔鶴:コンタクト部隊の皆様、お疲れ様でした
ずいずい:おつおつ~。今日もいました? 防空棲姫
ヒ☆リュウ:いたいたw あいつ怖いわ~。ずっと睨んでたもんこっち
RJ:ヘーエ、キタンヤア、ヘーエ、キタンヤア~
RJ:とかいうん? やっぱ
ソウ☆リュウ:いや関西弁ではなかったよw
♪天城♪:皆様、お疲れ様でした!
瑞葛城:演習組の雲龍型も戻りました~
雲龍:どうなりましたか、コンタクト的なやつ
大鳳:演習組の皆様も、お疲れ様です!
大鳳:深海棲艦へのコンタクトは、良好でした。ただ、あちら側の要求に答えねばなりません
♪天城♪:要求?
翔鶴:無線で聞いた限りですが、三日後でしたよね?
大鳳:ですです
大鳳:あちら側からの意見概要をまとめますとですね
大鳳:君ら(海軍&艦娘側)の意見は理解した。話し合いの場を設けてほしいとのことだが、こちらが指定する日時、場所へ来い
大鳳:日時は三日後、午後六時。場所は、中枢泊地より北方30キロ付近に位置する無人島
大鳳:我々(深海棲艦側)からは2名の代表人員を派遣する。貴様らの方も代表の2名(甲提督を含む)を連れて来い
大鳳:和平への協議になることは理解している。しかしながら、まだ貴様らを信頼した訳ではない
大鳳:同無人島へは本日以後の上陸を禁ずる。これを破った場合、協議はなしだ
大鳳:協議の間、4名(深海棲艦側&提督側)以外の者が現れた瞬間、裏切り行為と認め、即刻協議を中止する。以後は交渉の余地はない
大鳳:我々(深海棲艦側)も他の仲間は連れてこないと約束する。だから貴様らも、必ず2名で来い
大鳳:また本日以後、中枢泊地近海にて、我らの仲間が撃沈されたならば、協議の余地はない
大鳳:一部、戦闘を好む過激派の深海棲艦も存在するが、彼女達を撃沈することも許さない
大鳳:以上
大鳳:です!
雲龍:……?
瑞葛城:え、今のでわかんないの雲龍姉
天城:つまり、三日後に深海棲艦の代表と協議をするということでいいんですよね?
大鳳:そうです
RJ:実際文字にしてみるとわかるけど、あちらさんも結構な条件だしてきたな
ずいずい:まあでも普通じゃないです? いきなり信用しろってのが無理な話だし
赤城:肝としては、甲提督の臨場ですね。こちらの頭を出してこいというのなら、あちら側も恐らく代表が来るとは思います
赤城:しかし問題なのは、彼女らがもし暗殺を企んでいた場合。我々は甲提督を守り切れない状況下だということです
お母さん:そうね
ソウ☆リュウ:甲提督は普通の人間だからなぁ
翔鶴:でもどうするんです? もし罠だとしたら、確実に甲提督は人質に取られるか、殺されます
大鳳:……
♪天城♪:それに、協議中は無人島付近に誰も近づいてはならないんですよね?
RJ:せやな。文を見る限りやけど、4人以外のやつが入ってきたら中止、とあるから
RJ:『人間側も深海棲艦側も』、協議中はその無人島に近づけんっちゅーことや
♪天城♪:それだと、助けようにも助けられないんじゃ……
卵焼き☆マスター:え、でも、あっちも代表2人でくるんだよね? そんなに危ないのかなぁ
赤城:瑞鳳さん。あちら側が、2人で来るという『確証』はないですし、こちら側もその事実を調べることもできないんです
卵焼き☆マスター:ん、んん?
赤城:今日から待ち合わせ場所の無人島への立ち入りは禁止です。従って、深海棲艦側が十分戦闘の準備をする時間があります
赤城:ですから、私達からすると、無人島の武器や設備、体制なども調べることができません
赤城:もし今回の協議が罠であるとしたら。彼女らからすると、こちらのトップである甲提督を殺害する絶好のチャンスなんです
卵焼き☆マスター:ああ、そっか、そうですね
秋津洲かも:甲提督はその条件を飲んだかも?
大鳳:……はい
ずいずい:元気だしなって大鳳
ソウ☆リュウ:甲提督もきっと、何も考えてない訳じゃないしさ、ねっ?
ヒ☆リュウ:しかもその無人島に連れていく艦娘は、赤城さんにするんだって
秋津洲かも:ええ!? 大鳳ちゃんじゃないかも!?
赤城:秋津洲さん。これは当然の考えです
赤城:もしその無人島で提督と私が殺されてしまったのなら
赤城:深海棲艦が、我々に攻め込む絶好の機会となります
赤城:その時のことを考慮すると、戦闘能力の高い艦娘を臨場させないのは、当然の選択です
赤城:ましてや私は、今艦隊において戦闘能力を持たぬ艦娘
赤城:私が選抜されたのは、その理由からです
大鳳:すみません……赤城さん……
赤城:大丈夫です。大鳳さん
赤城:私の命に代えても、甲提督だけは、守り抜きます
ヒ☆リュウ:いやいやいや
ヒ☆リュウ:かといって赤城さんが死んでいい訳じゃないですからね
ソウ☆リュウ:そうですよ。そんなこと言わないでください
赤城:まあ、大丈夫ですよw この赤城、そう簡単にやられはしませんから
ずいずい:これで赤城さん殺されたら、私多分丙提督爆撃するわ
翔鶴:何言ってるの。丙提督は関係ないでしょう
ずいずい:いや、根本の作戦発案はあいつじゃん
赤城:瑞鶴さん
赤城:私も当初、彼のことを誤解していました
赤城:自らが危険を犯すこともせず、理想だけを掲げ、艦娘に無理難題を押し付けるだけと
赤城:しかし、それは違いました
赤城:彼にどんな想いがあったのかは知りませんが、ここ一年以上、彼の行動を観察するに
赤城:彼は誰よりもその責任を感じ、誰よりも努力を欠かさず、誰よりも艦娘の無事を祈っていますよ
ずいずい:へー
ずいずい:赤城さんがまあ、そう言うなら
赤城:(*'▽')
瑞葛城:そういえば、加賀さんいませんね
雲龍:グラーフさんも、いない
大鳳:グラーフさんは、空母の夜戦展開を考慮し、丙提督と作戦会議中です
大鳳:加賀さんは今、甲提督とともに海軍本部(大本営)の総務部へ行っています
卵焼き☆マスター:総務部?
大鳳:はい
大鳳:いわゆる、深海棲艦との和解を証明するための、誓約書の決済をもらいにです
ヒ☆リュウ:やべえw 難しい話だなw
秋津洲かも:ど、どういうことかも?
大鳳:えーっとですね
大鳳:今回深海棲艦と協議できるといっても、戦争をやめますという誓約書がなければ、和平は成立しません
大鳳:まあようするに、人間側(海軍)は貴方達(深海棲艦)を攻撃しませんよ、という、海軍本部から発出された誓約書が必要です
大鳳:これを深海棲艦側が納得して、ハンコ(というか彼女たちを証明するもの)を押せば、和平は成立します
ソウ☆リュウ:たかだか紙切れ一枚なのにねえ
翔鶴:でもその書面があることによって、海軍(人間側)はその誓約に従わなければならない、という事実ができる訳ですね?
大鳳:そうですそうです。その後、同誓約書は国会へと渡り、人間が深海棲艦を攻撃しないという法ができる訳です
赤城:これも難しい問題ですね
赤城:我々(人間側)が戦争をしない、攻め込まない、という証明にしかならない
RJ:あっち側(深海棲艦側)からすりゃ、「なんやねん書類て」というもんやからな
大鳳:しかし、誰かがそれを成し遂げねば、今後の和解への可能性も全て否定されることになります
ずいずい:ま、いいや。とりあえずその書類を今、甲提督さんと加賀さんが取りにいってる訳だ
大鳳:ですね。ただ決済がなければ、誓約書は発出されませんけどw
赤城:恐らくですが……
赤城:海軍はこの誓約書に、決裁をしたくないはずです
ずいずい:え? なんでですか?
ずいずい:甲提督、大本営にも和解のこと説明してると思ってたんで、すんなり貰えると思うんですけど
加賀:はぁ。本当、五航戦のツインテールアウトレンジ嬢はバカですね
ずいずい:むっ
赤城:あら加賀さん、今はLINE大丈夫なんですか?
加賀:ええ。赤城さん
加賀:甲提督は今、総務部副主任をつとめる同期生と、個室で話をしているわ
加賀:誓約書への決済は恐らく、内密に行われることでしょう。発出日の記載は三日後になっていました
赤城:やはり、そうですか
雲龍:??? 全然わからないです
♪天城♪:つまり大本営である海軍上層部は
♪天城♪:私達が和平に向けて歩いていたことを知らない……?
大鳳:実は私も、詳しいことは聞いてないんです
大鳳:しかし、甲提督が言うには
大鳳:深海棲艦と和平協定を結ぶことは、海軍の一部を敵に回す可能性があると
翔鶴:なるほど
翔鶴:とすれば、今回の協議ぎりぎりの時間まで、誓約書の存在を気付かれなくするという必要がありますね
秋津洲かも:え? 翔鶴ちゃん意味分かるかも!?
ずいずい:いやいやいや。ていうかさ
ずいずい:今までここの艦娘みんな、大本営が和解のこと承認してると思ってたよね?
ずいずい:私達、誰にも成し遂げられないことを、頑張ってたつもりなんだけど。なんか軍に変な奴でもいるの?
加賀:正の道を歩んでいるのは事実よ。安心なさい
加賀:そしてそれを艦娘に告げなかったのも
赤城:駆逐艦等の幼い子達に。一部の人間の悪意を見せたくなかった、という点もあります
ずいずい:ど、どういうことだってばよ……
瑞葛城:つまり瑞鶴先輩は私のことが好き。そういうことですね?
加賀:そうです
ずいずい:おいコラ
赤城:私達艦娘は基本、提督の許可がなければ鎮守府の外へ出ません
赤城:従って、情報漏えいの心配もありません
赤城:そして先程加賀さんが言った通り、私達は、正の道を歩くという認識を持っていれば大丈夫です。それは嘘じゃないですから
赤城:ただし、この度の交渉が失敗に終わるのなら
赤城:私達が歩いてきた道が、正という証明はできません
加賀:この和平交渉が成立すれば、これまでの戦いの歴史がひっくり返る
加賀:艦娘の必要性も、海軍の必要性も、なくなってくる
加賀:その時、困るのは誰?
加賀:導きでる答えは、自分で考えなさい
ずいずい:えー、了解っす
RJ:ま、とりあえず
RJ:うちの鎮守府が、上層部に和平を内緒にしようがなんだろうが
RJ:今回、相手さんと仲良くなったら、結果オーライってことやな
ヒ☆リュウ:分かりやすくいうと、そうかもね
♪天城♪:海の平和が保たれる。こんな素敵なことはありませんもんね
秋津洲かも:でもでも
秋津洲かも:これが、これがもし、罠だったら……?
お母さん:それも、しんぱいですが
お母さん:わなとわかっていても、それいじょうのかのうせいがあるのです
お母さん:わたしたちは、ていとくを、しんじましょう
卵焼き☆マスター:そうだね……
~同時刻 海軍本部 総務部個室~
甲提督「……やはり無理か」
副主任「ああ。お前も知ってるとおり、元帥の書類決済はまず、軍上層部で確認が必須だ。誓約書は各部の全員が印を押した後、元帥の決済印を押せる」
甲提督「……」
副主任「まず各部の決裁者が誓約書を確認する時点で、和解の情報は軍全体に認識されるだろう。とはいえ各部の重役どももかなりの歳だからな。書類の見通しなんて適当なとこはあるが」
甲提督「……」
副主任「しかし。……意思は変わらんのだろう?」
甲提督「ああ。もちろんだ。これは『オレ達同期3人』を含め、先生の意思でもある」
副主任「……」
甲提督「オレ達がここで立ち止まってしまえば。先生の意思は永久に消え去ってしまう。先生が存在した意味すらなくなってしまう」
甲提督「その存在に生を見出している人もいる。彼女のためにも、オレは止まる訳にはいかん」
副主任「……分かった。覚悟を決めよう。先生のため、そして、彼女のためにも」
甲提督「すまない」
副主任「なに言ってんだ、同期の好だろ。……それに何よりこれは、深海棲艦との和解を一番望んでいた、あいつの為でもあるんだ」
甲提督「……弟は、必死に頑張ってくれている。目元なんか、あいつにそっくりだ」
副主任「もう、六年になるか」
甲提督「ああ。彼がいたからこそ、オレは踏ん切りがついた。海の平和を取り戻し、あいつの死も、軍の闇も、全て暴いてやる」
副主任「了解だ。決済の件は任せろ。この時のために、オレは副主任の地位まで上り詰めた。上層部の年寄どもが書類に目を通す前に、無理矢理にでも印を押させてやる」
甲提督「……お前には、かなりの危険が伴うが……」
副主任「なに、大したことはない。昔の軍とは違う。流石に海軍本部でいきなり処刑等されんさ。……ま、クビは確定かもしれんな。はっはっは」
甲提督「付き合うぞ」
副主任「お前は上にいけ。そして、和平が成立したのなら。海軍を復興させるのはお前の役目だ」
甲提督「……」
副主任「オレのことは心配するな。でもまぁ、そうだな。最後に、加賀に会わせてくれないか」
甲提督「最後とか言うな。加賀もお前に会いたがっていたぞ。彼女が自らの意を発するのは珍しい。時間は5分程しかないが、良いか?」
副主任「十分だ」
【PM9:00】
加賀:甲提督とともに、鎮守府に戻りました
大鳳:加賀さん、お疲れ様でした!
赤城:加賀さん、お疲れ様ですー
赤城:どうでした?
加賀:やはり、誓約書の件は
加賀:協議の時間ぎりぎりまで、決済はもらわないようになりそうね
赤城:あ、いやw すみません、そのことではなくw
赤城:久しぶりに、お会いできたんじゃないです? あの人に
加賀:あ
加賀:赤城さん、ここ全体窓なので……
ずいずい:加賀さんお疲れー
ずいずい:なになに!? あの人って誰のこと!?
翔鶴:加賀先輩、お疲れ様でした
翔鶴:あの人って誰ですかぁあああああ!!!
RJ:加賀、おつー
RJ:ほっほう……? あの人っちゅーんはまさか、まさかまさかまさかか!?
Graf:カガ、お疲れだったな
Graf:あの人というのは、Fuck Buddyのことか
加賀:……
赤城:これあれですか
赤城:私、やってもーたりんこですか
加賀:やってもーたくまりんこです
ソウ☆リュウ:加賀さん、お疲れっしたー
ソウ☆リュウ:あの人の前だと……九九艦爆がはみでちゃうから……
ソウ☆リュウ:的な感じですかですか!!?
ヒ☆リュウ:加賀さん、おつっすー
ヒ☆リュウ:加賀さんへ、第二次あの人攻撃の要を認めます、急いで!!!
秋津洲かも:加賀さん、お疲れかも~
秋津洲かも:あの人って厚化粧の人のことかも!? 失礼かも!!
卵焼き☆マスター:恋のにおいがする!!!
卵焼き☆マスター:加賀さんどういうこと!? あの人と卵焼き食べりゅつもり!?
加賀:はぁ……
赤城:ご、ごめんなさいw
加賀:いえ。別に隠すことでもありませんから
加賀:それに、皆が思っているような、関係ではありません
ずいずい:じゃあどういう関係だってばさ!! おうおう!!
翔鶴:瑞鶴、あまり先輩失礼なこと言ってはダメよ。けどまあ、今日は許します
RJ:許すんかいwww
翔鶴:だって加賀先輩のこういう話初めて聞いたんですもん!
加賀:じゃあ、そうね
加賀:和平がうまくいったら、話すことにするわ
ヒ☆リュウ:おお、マジすか!
ソウ☆リュウ:なんかうまく回避された感はありますけどw
RJ:あ、そや、ごめん、加賀の話は一旦置いといて
RJ:ちょっとさ、この空母LINE窓のことで、ツッコミしてもええ?
赤城:?、はいはい
RJ:……さっきめっちゃシリアスな会話やったなぁ……
赤城:wwwww
ずいずい:あの赤城さんが、すっごい戦闘モードでしたよねw
卵焼き☆マスター:一航戦の二人は、真面目モード入ると、時々何言ってるかわかんないくらい冷静なんだよなぁw
大鳳:あの……私としては夫の危機ですので、シリアスになってもらわないと困るんですがwww
翔鶴:夫!!!!!!
ソウ☆リュウ:夫!!!!!!!
Graf:ヒューッ
ヒ☆リュウ:いいねぇ。夫呼び、痺れるねぇ
大鳳:(し、しまった……w)
RJ:ええやんええやん、かわいいやんか
ずいずい:ていうか、大鳳はもうやったの?
大鳳:え?
ずいずい:いや、その、あれさ
雲龍:えっちぃ話ですか!!?
雲龍:えっちぃ話ですか!!?
ずいずい:二回言うなwww
大鳳:だからー! そういうのは内緒です!
※これより先のお話は、LINEを使用しない展開が進みます。(シリアスを含む)
どうか、ご容赦の程、よろしくお願い申し上げます。
各自が不安を抱えつつ、日は一日一日と過ぎていった。
深海棲艦との和平交渉という、戦況を覆す鎮守府の試み。
果たして彼らの願いは届くのか。
ある者は寝ずの作戦を考え
ある者は祈り、願い
ある者は自問自答する
そして、時は過ぎ。三日後。
協議の開始時間である二時間前の午後四時、全艦娘は提督室へと集合していた。
~鎮守府 提督室~
赤城「……」
加賀「……」
蒼龍(……やだねぇ。この重い雰囲気)
飛龍(しゃーないよ。相手の出方次第で、最悪の展開も考えうるんだから)
瑞鶴(甲提督さん、いつ戻って来るのかな?)
翔鶴(一時間前に本部を出発したというから、もうすぐだとは思うけれど……)
龍驤「おーい君らぁ、そろそろ作戦概要説明してもええんちゃう?」
丙提督「……あ、いや。あはは……」
乙提督「龍驤殿。提督が戻るまでしばし待ってほしい。某らも『提督』と呼ばれはすれど、彼の部下でありますからな。皆への作戦説明は、勝手に行うことができないのであります」
龍驤「あ、そーお? まぁ、そんならしゃーないけど」
瑞鳳「……」
天城「……」
雲龍「……」
葛城(お腹すいたな……)
グラーフ「……」
秋津洲「な、なんか空気重いかも……はは」
鳳翔「……」
雷「あ、ねえねえ司令官! これ見て! 第六駆逐隊で千羽鶴作ったのよ! 赤城さんと提督が、無事に戻って来れるように!」
乙提督「……おお。素晴らしい出来でありますな」
電「はわわ……雷ちゃん、今はみんな、静まっているので……」
天龍「おい雷! すまねえな筋肉提督、こいつら静かにさせるからよ」
乙提督「天龍、電。気にするでない。提督も喜んでくれるであろう」
乙提督「赤城殿。ぜひこれを、協議場へ持っていくであります。お守りであります」
赤城「……ありがとう、ございます」
ピピピッ
大淀「前線基地より入電! 中枢泊地北方の無人島へ、二隻の深海棲艦が向かっている信号を確認したとのこと!」
乙提督「む!」
丙提督「……」
大淀「姿までは捉えられておりません! しかし同信号は、中枢泊地姫、防空棲姫と認められます!」
赤城「……」
乙提督「2隻。ということは、今のところは、罠ではなさそうですな」
丙提督「……まだ、分かりませんが……」
ガチャリ
大鳳「ただいま、帰投いたしました!」
甲提督「待たせた。皆揃っているか?」
乙提督「お疲れであります。ええ、皆揃っているであります」
甲提督「よし。無人島の様子は?」
丙提督「たった今、前線基地より、2隻の深海棲艦が無人島へ向かっている情報が入りました」
甲提督「了解した」
甲提督「えー……。皆、聞いてくれ。今回の作戦を改めて説明するとともに、我が鎮守府の行動の真意を皆に教示させてもらう」
甲提督「納得できぬ部分はあるかもしれないが、時間はない。すまないが簡潔に説明する」
赤城「……」
加賀「……」
甲提督「我々は1年以上前から、深海棲艦とのコンタクトを試みてきた。それはもちろん皆が知るとおり、彼女らとの和解のためだ。海の平和のためだ」
甲提督「そして本日、ようやく念願が叶い、彼女らとの話し合いの機会を設けることができた。これは、皆の努力のおかげだ。改めて礼を言う」
甲提督「ただ作戦に移る前に一点だけ説明させてもらう。今回の和平については、海軍本部の上層部へは内密としていた。何故ならば、和平を快く思う連中だけではないからだ」
那智「……なんだと?」
千代田「へ?」
吹雪「ど、どういうことですか? 司令官」
甲提督「簡潔に言えば、我らと深海棲艦が戦争することで得をする人間が存在する。その人間は、和平は望んでいない」
甲提督「だからこれまで、上層部へは『虚偽の報告』をし、奴らの目をごまかしてきた。一年前に『前線基地を作る』という報告をした後、同基地の建設理由等で戦いの記録を上手く隠してきたのだ」
夕立「んん? なんか、よく分からないっぽい」
江風「つまり、今回の和平協議って、大本営は知らないってことなンかな」
甲提督「江風、そのとおりだ」
妙高「し、しかしそれでは……海軍を敵に回してしまうということでは……」
甲提督「妙高。それをこれより説明する」
甲提督「俺の同期の手腕もあり、海軍最高位である元帥の印が押された和平誓約書が、先程手に入った」
甲提督「これより私と赤城で和平交渉の協議場へ赴き、この誓約書に深海棲艦代表のサインをさせる」
甲提督「そうすれば、海軍は誰もその命に逆らうことはできない。元帥が発出した誓約書だからな。我々を含め、その誓約書へ反する行為を行うことは、軍への反抗と認められる」
甲提督「ようするに、その書類があるだけで、我々の行為は正当行為だと認められるという仕組みだ。従って、海軍が敵に回ることはないので安心してほしい」
Верный「……暁、どういうことかわかるかい?」
暁「と、当然よ! えーっと。えーっと」
長門「提督よ。大体の事情は掌握した。しかしそれは、この度の協議で誓約書に深海棲艦のサインがないと成立しないのではないか?」
大和「私もそう思います。もし和平交渉が失敗したら……」
甲提督「もし、和平が失敗に終わった場合。全ての責任を俺になすりつければ良い。既に俺の辞表は机内にある」
阿武隈「エッ……! じゃ、じゃあ……!」
甲提督「そう。和平に向けてコトを進めていたのは『俺の独断だ』と記載してある。君達艦娘は、一切関係ない。俺に脅されて命令に従ったと言えば良い」
甲提督「それにもしこの協議が罠であったとしても、作戦が『和平を拒む海軍の連中』に把握されてしまったとしても、どちらにしろ俺の命はない」
大鳳「……」
隼鷹「おいおい提督よぉ。そんなもんケッコンした大鳳にとっちゃすっげえ苦しいことだろうよ! ちゃんと説明したのかこいつに!」
甲提督「……ああ。説明はした」
隼鷹「だったらよぉ!」
龍驤「隼鷹。黙っとき。男の覚悟やで」
千歳「りゅうちゃん止めないで。提督、私からも言わせて頂きます。どうしてそんな大事なことを今まで皆へ黙っていたんですか!」
甲提督「千歳。これを皆へ伝えれば、どうなると思う? 皆、俺の命の危険を説き、作戦を中止することを提案しただろう」
千歳「それは……!」
甲提督「だから今説明することにした。ここで止められては、これまでの努力も、前提督が残した意思も、消え去ってしまうからだ」
赤城「……」
瑞鶴「……ねえ、提督さん、私からも確認させてほしいんだけど」
甲提督「なんだ、瑞鶴」
瑞鶴「もしこれが。協議ってのが罠だったら、赤城さんまで危険な目に遭うよね?」
甲提督「……」
赤城「瑞鶴さん。私は大丈夫ですよ」
瑞鶴「いや、でも……」
赤城「空母の皆にも黙っていてごめんなさい。実は、和平協議への参加を決めたのは、私の意思なんです」
瑞鶴「え……」
赤城「もちろん、今私が艦娘としての能力がないこともあるけれど……。それ以上に、私は。私的理由もあり、深海棲艦との協議へ参加することにしました」
赤城「はっきり言うと、私はここにいる誰よりも、彼女達を憎んでいる自信があります。しかしながら、それを乗り越えないで和平など、有り得ぬことです」
赤城「憎しみという壁を越えねば、互いの和平は成立しません。だからこそ、私が協議に参加する意味があるのです」
甲提督「赤城さん。……すまない……」
赤城「いえ。それに、私の心を救ってくれた貴方を、みすみす殺させやしません」
赤城「だから安心してください。大鳳さん」
大鳳「……はい……!」
那珂「えーっとぉ、今は暗い話になってるけどぉ」
那珂「結局のところ、協議が罠じゃなくって、うまく相手からサインをもらえば、万事オッケーってことだよね?」
甲提督「那珂。その通りだ」
神通「問題は、その間に邪魔が何も入らないこと……」
川内「そうか! つまり夜戦ね!?」
瑞鶴「いやなんでだよ。争っちゃいけねーんだっつの」
グラーフ「アドミラール。では作戦の説明を頼む。といっても、この協議が罠であった場合の作戦とは思うが」
甲提督「ああ。ではこれより、全ての展開を予想した作戦説明をさせてもらう」
甲提督「まず、俺と赤城さんが敵に捕らえられてしまった場あ――――」
ピピピピピッ
大淀「っ! 本鎮守府近海にて、敵の姿を確認!」
甲提督「!」
大淀「これは……潜水艦……!? 1、2、いや、そんな……!」
丙提督「何がありました!?」
大淀「にわかに信じられませんが……鎮守府近海が、凡そ二百隻の潜水艦に囲まれている信号をキャッチしました!」
乙提督「なん……だと……!」
陽炎「に、二百!? なによ二百って!」
不知火「総力戦……ですか」
甲提督「大淀、詳細が判明次第続報を頼む。少将、君は駆逐、軽巡の哨戒指揮を頼みたい」
乙提督「しょ、承知であります! あ、いや、しかし、和平交渉のために、深海棲艦を撃沈することは許されないのでは!?」
甲提督「……いや。彼女らからの要求は『中枢泊地近海』の深海棲艦を撃滅しないことだ。従って我が鎮守府への攻撃が認められるなら、攻撃は可能だ」
乙提督「な、なるほど……。よし、駆逐、軽巡部隊は某の元へ集合してくれ!!」
島風「ほっほーい!」
初風「な、なんなの? 何が起こってるの?」
時津風「ん~。めっちゃ敵が来たってことでいいんじゃないかなぁ」
五十鈴「ほらみんな、早く集まってったら!」
丙提督「これは……彼女らが言う『過激派』の深海棲艦ということでしょうか?」
甲提督「いや。まだ分からん。たまたま今日が、鎮守府への攻撃対象だったのかもしれん」
ピピピピピッ
甲提督「こんな時に電話……? あいつか」
甲提督「オレだ。どうした」
副主任《はぁ。はぁ。おい、まずいぞ。『会計部』の奴らが和平のことに気付いた!》
甲提督「なに……!」
副主任《どうやら俺もマークされてたようだ。誓約書へ会計部の印を押した際、不穏な空気はしていたが》
副主任《情報のリークもあったかもしれない。内通者の可能性がな。とにかく俺は一旦身を隠す! 今お前に与えられる情報としては……!》
副主任《会計部の専用船舶が10隻程別鎮守府を出発したとのことだ、それに、車両でそっちへ向かっている連中もいる!》
甲提督「……!」
副主任《まだ協議場の情報は流れていないと思うが……。とにかく気をつけろ! 奴ら手段を選ばんぞ。あいつの二の舞になるなよ!》
甲提督「……ああ。了解した。お前はとにかく、今そこから逃げろ」
プチッ
丙提督「……何か、あったんです?」
甲提督「……」
甲提督「君に、一点だけ確認させてほしい」
丙提督「え? あ、は、はい」
甲提督「君は、実のお姉さんを。……軍で不慮の死を遂げたお姉さんを、どう思っていた?」
丙提督「……!」
丙提督「……僕は……!」
甲提督「……いや。いい。分かった。君の目を見ただけで十分だ」
乙提督「ほらー! 某の前に、順にならぶであります! こちらは軽巡! こちらは駆逐艦であります!」
神風「みんな! 司令を困らせないの! 早く並んで!」
阿武隈「あたしの指示にも従ってくださいィィィイイイーー!!」
甲提督「……」
ピピピピピッ
夕張「ええ!? また緊急音!? 今度はなに!?」
大淀「……嘘……!」
甲提督「大淀。どうした?」
大淀「前線基地より南東方約100キロ沖にて……凡そ、五百以上の深海棲艦の信号をキャッチ……!」
丙提督「え!?」
甲提督「なに……!」
大淀「同信号はゆっくりと北進しつつあります……! その方向には、今回の協議場である無人島が……!」
甲提督「艦種は分かるか」
大淀「未だ遠方の確認なので、確定ではありませんが……! 戦艦レ級の団体、軽巡ツ級、空母ヲ級などが多数存在していたようです!」
瑞鳳「え、ええ!?」
利根「なんという戦力じゃ……! これは……!」
甲提督「……く……!」
金剛「比叡ェ、これどーいうコトネ!?」
比叡「わ、えっと、えっと、霧島お願い!」
霧島「お姉様方。私の計算によると……。つまり、五百を越える深海棲艦が、和平協議の行われる無人島へ向かっているのです!」
榛名「そんなの、一体どうやって……!」
瑞鶴「提督さん! やっぱこれ罠だよ! 行かない方がいいって!!」
甲提督「……待ってくれ、今、考えている……!」
雲龍「天城、これ、どういうこと?」
天城「姉様、今大変な事態が起きています。和平交渉が罠である可能性がとても濃厚になったのです」
葛城「五百の深海棲艦が、和平交渉の場所へ向かってるんだよね? 甲提督殺す気満々ってことじゃない!」
蒼龍「しかもツ級とレ級とか……」
飛龍「あたしは最後の一艦になっても、叩いてやるよ!! 提督、指示ちょうだい!!」
球磨「どういうことクマー!!」
北上「まーまー姉ちゃん。落ち着いて」
秋津洲「やばいよこれ……やばいかも!」
ビスマルク「ふんっ。上等じゃない。五百だかなんだか知らないけど全て破壊しつくしてやるわ!」
プリンツ「ビ、ビスマルク姉様! 今回は深海棲艦を倒しちゃダメなんですー!」
陸奥「……まずいわね。皆混乱しているわ、長門」
長門「しかし、我々は提督の指揮がないことには動けん……」
甲提督(鎮守府近海は潜水艦で囲まれ、会計部からは和平を認めぬ人間が勢ぞろいで出発したと考えるべきだろう)
甲提督(そして更に、和平交渉場へは多くの深海棲艦が集結している。奴らが罠の一角であるのか、それとも過激派と呼ばれる連中であるのかも不明)
甲提督(どちらにせよ、交渉場へ赴くのであれば。五百の艦隊を止める手腕が必要だ。艦隊指揮が存在せぬ状態ではこちら側に轟沈する艦娘が出てもおかしくはない)
甲提督(内通者の問題もある。恐らくだが彼は――――いや、しかし――――!)
丙提督「みんな、一旦落ち着いて。聞いてください」
甲提督「っ!」
丙提督「この五百隻の深海棲艦は、恐らく、和平交渉に来ている深海棲艦とは別物です」
赤城「……!?」
甲提督「……どういうことだ?」
丙提督「提督。僕が相手の頭であるのなら、最初からこのようなミスを犯すことはしません」
丙提督「理由としては、無人島へ向かっている二隻の深海棲艦が、前線基地のレーダーが届く範囲で『あえて先に信号をキャッチ』させたと思えるからです」
甲提督「聞こう。話してくれ」
丙提督「はい。今無人島へ向かった二隻の内一隻は、中枢泊地姫、通称中枢棲姫です。彼女は一年前、深海棲艦の中でも随一と言える程の艦隊感知能力を持っていました」
丙提督「あの時僕達が彼女を退けさせたのは、基地航空隊のおかげです。基地航空隊が陽動をかけることにより、艦隊が彼女の感知を逃れ、攻撃に繋がったのです」
甲提督「……それが、彼女があえて我々に信号をキャッチさせるのとどう関係がある?」
丙提督「彼女らも恐らく。こちら側に『2人で来ている』ということを証明したかった。和平の意思を尊重したかったのだと思います。それ程の感知能力を持つ彼女が、前線基地のレーダーに気が付かない訳がないからです」
丙提督「そして五百を越える敵艦の位置。前線基地から凡そ南東に100キロ以上の離れている状態では、さすがに中枢棲姫のレーダーにも引っ掛かっていない」
丙提督「つまり五百の艦隊は『何故かしら中枢棲姫に気付かれてはいけない理由がある』と推測できます」
甲提督「……なるほど、もし五百の艦隊が中枢棲姫の仲間であるとしたら。我々の前線基地のレーダーに引っかかるような馬鹿なことはしない」
丙提督「その通りです。このことから協議の日時を聞いた際に彼女らが発言した『過激派』を考慮すると……。彼女ら深海棲艦の中にも、和平を快く思っていない連中がいると思われます」
甲提督「……つまり五百の艦隊は。中枢棲姫が我々人類と和平交渉をすることを知っていて」
丙提督「ええ。それでも、和平交渉を潰すため、中枢棲姫のレーダーから離れ、交渉中に殴り込みに来る可能性が高いです」
長波「なんか、すっげぇ難しい話してんなぁ……」
高波「長波姉様、これって、どういうことなのでしょう?」
イタリア「ローマ、分かる?」
ローマ「姉さん……。もうちょっと理解するようにしてよ……」
鳥海「つまり結論から言うと。和平交渉自体は罠ではない可能性が高いということです。でも、深海棲艦側に戦闘を好む種族もいて、その連中が和平交渉の邪魔に入る可能性があるんです」
摩耶「おお! やるな鳥海! そういうことか!」
加賀「しかしそれが分かったとして、五百の戦力があることに代わりはないわ」
赤城「……それに、今言ったことは全て貴方の推測ですよね?」
丙提督「う……。そ、そうです」
甲提督「……」
甲提督「君の作戦立案能力を買って、あえて命令させてもらう」
甲提督「我々は、君の作戦指揮下に入ろう」
丙提督「えっ」
赤城「提督!?」
甲提督「赤城さん。聞いてくれ」
甲提督「彼は紛れもなく、先生の意思を継ぐ人間だ。艦隊指揮能力も含めてね」
赤城「え……!」
甲提督「時間はない。もし、今君に作戦の発案があれば、考えうる作戦を聞かせてくれ」
丙提督「りょ、了解しました……!」
乙提督「……提督殿。それは、某が指揮する駆逐・軽巡艦隊も、彼の指揮下に入るという意味でよろしいですかな?」
甲提督「……ああ。不満はあるか?」
乙提督「……」
乙提督「いえ、ないであります」
甲提督「……君に、一つ確認したいことがある」
乙提督「は……?」
甲提督「君は彼よりも階級が上で、彼よりもうんと年上だ」
乙提督「……」
甲提督「だが、一年間ともに過ごしてきた我々にとって、隠し事はなしにしたい。彼の指揮に不満や、不安があるのなら、今ここで言ってくれ」
乙提督「……それは……!」
甲提督「……」
乙提督「な、ないで、あります。某は、彼の頭脳と指揮能力を認めておりますから……!」
甲提督「意志はどうだ。深海棲艦と和解する意志だ。一年前に誓った我等の盃に、嘘偽りはあるか?」
乙提督「……!」
乙提督「な……ないで……あります……!」
甲提督「……分かった」
乙提督「……」
甲提督「色々な理由があったのだろう。だが、君を咎めることはしない。オレは君を信じる」
乙提督「提督殿……!」
朝潮「司令官、咎めるとは、一体何を咎めるのでしょうか?」
阿賀野「ん? ん? なんか二人の提督さんが、分かり合ったの?」
能代「阿賀野姉! いいから対潜装備の準備して!」
丙提督「……提督。作戦を立案します」
甲提督「!、聞かせてくれ」
丙提督「その前に一つ、確認させてください」
甲提督「ああ」
丙提督「多くを語る必要はありません。先程あった提督への電話は、海軍本部から『和平交渉を止める輩』がこちらに向かっているという内容で良いでしょうか?」
甲提督「……さすがだな。その通りだ。別鎮守府からは10隻の船が海へ出発し、車両でこちらへ向かっている連中もいる」
丙提督「主犯は、会計部、ですね?」
甲提督「ああ。君も睨んでいたのか」
丙提督「……はい。僕が今まで、その『真実を話せなかった理由』は、貴方には分かると思います。今の会話を聞くまでは……」
甲提督「もちろんだ。分かっている。だからこそ少将へ、その確認をさせてもらった」
乙提督「……」
丙提督「ご配慮頂き感謝します。では、作戦を話します」
甲提督「うむ!」
丙提督「まず、鎮守府近海の潜水艦哨戒は、少将指揮に任せます。出撃艦娘は全駆逐、軽巡、そして一部の軽空母」
甲提督「軽空母は……彩雲の必要性を考慮して、という判断で良いか?」
丙提督「その通りです。同時に、艦攻での哨戒を目的とします」
丙提督「そして、出来ることなら秋津洲さんを、この鎮守府へ残しておきたいです」
甲提督「……何故だ? どちらかというと敵の編成をいち早く暴くため、遠方索敵が可能な彼女には、五百の艦隊方面へ向かってほしかったが」
丙提督「彼女が唯一発艦できる二式大艇、カタリナ、そして改造された大発は、会計部への対策のため必須です」
乙提督「っ……」
秋津洲「ふぇっ!? あ、あああああたしかも!?」
丙提督「秋津洲さん。作戦は後に説明します。提督、次に五百の艦隊への対策を。秋津洲さんの処遇は、その後に指示して頂ければ結構です」
甲提督「うむ、続けてくれ」
丙提督「五百の艦隊へは、全戦艦、赤城さん以外の全空母、重巡、潜水艦、とにかく残っている艦を総出撃させます。目的は同大規模艦隊を引き留めること。その際、敵は絶対に撃沈してはなりません」
武蔵「敵を撃沈せず、引き留める……だと?」
丙提督「はい。基本は前線基地を防衛ラインとしてください。前線基地より深海棲艦を、北方にある無人島へ近づけてはなりません」
翔鶴「そ、そんな無茶な!」
高雄「五百の艦隊が、提督達が先程言った『過激派』という深海棲艦なら……有無を言わさず攻撃してくる可能性が高いんですよ!?」
丙提督「一隻でも撃沈してしまった場合、中枢棲姫が提示してきた条件を破ることとなります。この時点で和平交渉は終わりです」
瑞鶴「あ、あんたさぁ! そんな無茶苦茶な作戦、どーやって展開しろってのよ! 相手が攻撃してくるのに、私達は攻撃せずに沈めっての!?」
丙提督「いえ。この作戦では絶対に『一人の艦娘も轟沈させません』。そして、その作戦には前線基地から発出される高度な艦隊指揮が必須となります」
甲提督「……まさか」
丙提督「ええ。……提督。貴方は前線基地を基盤とし、五百の艦隊を迎え撃つ指揮をお願いいたします」
赤城「何を馬鹿なことをっ! 提督は私とともに協議に向かわなければなりません!」
甲提督「もしや、君が……?」
丙提督「……はい」
丙提督「赤城さん。深海棲艦との和平交渉は、提督の代わりに、僕が行きます」
赤城「は、はぁ!?」
甲提督「それは……いくらなんでも許されない。まだ中枢棲姫らが罠を張っていないとは言い切れない。君が殺される可能性だってあるんだぞ!」
赤城「それに! 相手は甲提督を……あ、提督を連れて来いと明示しているんです! 相手はまだ提督の声しか聴いていませんが、それがバレてしまったら……!」
丙提督「しかし、それ以外に、誰も失わずに作戦を成功させる先が見えません」
丙提督「僕が前線基地へ赴き、作戦指揮を展開することも考えました。しかし、僕は艦娘の皆さんへの指揮は未熟です。提督のような臨機応変の素晴らしい作戦の展開はできません。百戦錬磨の提督なら、五百の艦隊を相手してでも、相手を撃沈させることなく戦うことが可能と見受けます」
甲提督「……!」
龍驤「君の言うことはよー分かった。でもや、一番大事なとこが抜けとるやろ」
丙提督「……」
龍驤「君に深海棲艦との和平交渉ができるんか、ちゅーとこや」
赤城「そ、そうです。一番重要なのは、そこです!」
丙提督「……や。やれます」
龍驤「あぁん?」
龍驤「声小さいやろ! そんなんで赤城守れるんかいなあんたぁ!」
丙提督「っ……」
丙提督「やります!!! 僕が赤城さんを守って、和平交渉も成功させてみせます!!!」
赤城「……!」
龍驤「……やればできるやん」
甲提督「……よし。分かった。君の指示に従おう。誓約書を渡す」
赤城「提督!?」
赤城「何を考えているんです!? 私は、貴方でないと……!」
甲提督「赤城さん、先程言ったとおりだ。彼を信じてくれ」
赤城「っ……!」
丙提督「ありがとう……ございます……!」
甲提督「……俺が前線基地で指揮を行うとして、一つ作戦の提案があるが、良いか?」
丙提督「はい、なんでしょう」
甲提督「夕張、そして明石を前線基地へ派遣したい」
丙提督「問題ありません。長期戦を見越す、ということですね?」
甲提督「ああ」
明石「へっ? あ、あたしが前線に参加ですか?」
夕張「わ、私対潜装備準備してたんだけど……」
甲提督「明石、夕張。遅れをとらぬよう、高速艦に引っ張ってもらってくれ。君らが長期戦の鍵だ」
スゥッ
甲提督「さぁ、みんな! 今聞いたとおりだ! 自らの役目は分かったはず!! 協議までの時間は……残り1時間半だ! 早急に出撃準備に取り掛かってくれ!!」
「「「「は、はいっ!」」」」
乙提督「……」
雷「司令官! 第六駆逐隊は、対潜哨戒の準備ができたわ! いつでも出撃できるわよ!」
乙提督「あ、ああ」
電「司令官さん……その……せ、精一杯頑張ります……!」
乙提督「……」
乙提督「雷、電。君達は、その。深海棲艦と和解することは、どう思うでありますか?」
雷「へっ?」
電「ど、どうしたのですか? 急に……」
乙提督「君達の……。君達の意見を、聞かせてほしいのであります。これは自分のけじめなのであります」
雷「そうね……。今まで憎しみあってきた私達だけど……」
雷「もし仲良くなれるのなら、仲良くなりたいわ!」
電「わ、私達も。できることなら……戦いたくはないのです。この海を、平和な世界に、したいのです!」
乙提督「……」
乙提督「……く……!」
乙提督「某は……!」
雷「し、司令官? どうしたの? 泣いてるの!?」
電「はわわ……!」
乙提督「いや……。決心がついたのであります。君達のおかげであります」
雷「へ……?」
乙提督「皆は、某の命を賭けても。必ず守ってみせるであります……!」
鳳翔「……」
川内「やったー! 夕方過ぎれば夜戦だぁ!」
神通「姉さん……相手は潜水艦ですよ」
鳳翔「……川内さん、少しいいですか?」
川内「ん?」
加賀「……提督。迎撃部隊、全員準備が整ったわ」
甲提督「うむ」
大鳳「……」
飛龍「……」
蒼龍「……」
瑞鶴「……」
翔鶴「……」
甲提督「皆、良い顔だ。君達を指揮することを、とても誇りに思う」
丙提督「……」
赤城「……」
甲提督「これは、俺が君達に命令する『最後の命令となる』。ここに、一隻の艦娘の轟沈もなく、和平への道を歩むことを誓おう」
甲提督「全艦ッッ、抜錨!!!!」
甲提督「暁の水平線に、誰の死も見ぬ勝利を刻むのだ!!!!!」
オオオーーーーーーッッッ!!!!
赤城「……」
丙提督「赤城さん、行きましょう。僕らは、近海の潜水艦が哨戒された隙を狙い、船舶で無人島へ出発します」
赤城「……私はまだ……」
丙提督「え……」
赤城「私はまだ。貴方が協議場へ来ることに、完全に納得した訳ではありません」
丙提督「っ……」
丙提督「僕だと……心配とは思いますが……」
丙提督「必ず、僕が赤城さんを守ると、誓います!」
赤城「……そうではなくて……」
丙提督「え……?」
赤城「っ。いえ。時間もありません。行きましょう」
丙提督「は、はい! よろしくお願いします!」
~鎮守府近海~
潜水カ級「オオオオ……」
潜水ヨ級「フウウウ……」
潜水ソ級「コオォォ……」
祥鳳「敵艦隊発見! 攻撃隊、発艦始めてください!」
飛鷹「多少数が多くったってえっ!」
龍鳳「私達、改装空母をなめないで!」
瑞鳳「彩雲! 天山! 攻撃開始よ!!」
ブゥゥゥン!
矢矧「よし、T字不利は回避! 軽巡矢矧、出撃します!! 皆続いて!」
龍田「はいは~い♪ 死にたい船はどこかしら~?」
野分「舞風、行くよ!」
舞風「華麗に舞うわよぉ!」
萩風「嵐! 爆雷投下です!」
嵐「任せとけぇ!!」
ドォン ドォン ドォン
潜水カ級「グウウ……!」
潜水ヨ級「ギャアア……!」
天龍「オラオラどけどけぇ! 迎撃部隊のお通りだぁ!」
リベッチオ「チャオー! 邪魔する潜水艦は容赦しないよ~!」
白雪「皆さん! 一斉攻撃です! 開始してください!」
夕雲「ふふっ。夕雲型の皆さん、参りますよ!」
風雲「ええ! 行くわ! てーーーっ!!」
~鎮守府 提督室~
大淀「少将! 軽空母、軽巡、駆逐艦にて鎮守府近海の潜水艦哨戒、開始しました! 現在のところ、順調です!」
乙提督「うむ! そのまま継続して哨戒を続けるであります! 被害艦が出た場合は、すぐに鎮守府へ帰投措置を!」
大淀「了解です!」
乙提督(……)
乙提督(皆、必ず無事で帰って来るであります)
乙提督(誰一人として、絶対に沈めないであります!)
大淀「っ! 駆逐3隻、軽巡1隻が中破! やはり数が多すぎます!」
乙提督「中破艦を下げるであります! 後衛の第二次攻撃部隊、出撃!」
大淀「了解です!」
ドォン ドォン ドォン
甲提督「よし、沖への道筋が開いた。全艦、前線基地へ向け進撃開始!!!」
加賀「了解」
飛龍「了解っ!!」
蒼龍「大鳳ちゃんは、船近くで提督を守ってね!」
大鳳「了解です!」
瑞鶴「大丈夫かな、ホント……」
翔鶴「やってやるしかないわ。私達で必ず!」
アイオワ「BBシックスワン。アイオワ、出撃する。Sally、go!」
ザラ「ほらポーラ! 行くわよ!」
ポーラ「ワ、ワインが飲みたい……」
羽黒「私が……守ってみせます!」
足柄「勝利が!! 婚期が!! 私を呼んでいるわーーーっ!!!」
筑摩「姉さん、行きましょう」
利根「うむ!! 出陣じゃぁー!!」
伊58「いいでちか? ゴーヤについて来るんでちよ!」
呂500「大丈夫、任せて、ですって!」
~鎮守府 提督室~
大淀「……よし、提督を含む前線基地への機動部隊、無事鎮守府近海を突破しました!」
乙提督「彼は……? 彼と、赤城殿の船は?」
大淀「無事、鎮守府近海を越えました! とりあえず、第一目標は達成です!」
乙提督「ふう……。よかった、であります……」
大淀「しかし、まだまだ潜水艦の数は減りません! 敵艦の鎮守府への上陸危険を認め、引き続き、対潜哨戒を行います!」
乙提督「了解であります!」
ブーーーッ ブーーーッ
大淀「……? こんな時に、鎮守府へ来客?」
乙提督「……来たで、ありますか」
大淀「カメラを見るに、海軍本部の腕章をつけています……。会計部の方が、何故こんな時に……」
乙提督「……」サッ
大淀「しょ、少将? どこへ……!」
乙提督「大淀殿。某はこれより、来客を迎え入れるであります」
大淀「そんな! し、指揮はどうするおつもりですか!?」
乙提督「第一目標は達成したであります。後は、提督殿らの成功を祈るのみ。近海で哨戒中の皆は、期を見て撤退させるであります」
大淀「え、ええ?」
乙提督「大淀殿。この来客は『命を賭してでも止めねばならぬ存在』であります。今は多くは語れぬが……かたじけない」
大淀「ど、どういうことで……!」
《きゃああっ!!》
大淀「!?、さ、更に駆逐二隻が大破!!」
乙提督「……っ。大淀殿、頼んだでありますぞ。被害が起こる前に、皆を撤退させてくれであります」
大淀「しょ、少将!!」
~無人島組 船上 丙提督&赤城~
丙提督「……」
赤城「……」
丙提督「……」
赤城「……」
丙提督「なんとか、無人島へは時間までに着きそうですね」
赤城「……そうですね」
丙提督「……」
赤城「……」
丙提督「あの……赤城さん?」
赤城「はい」
丙提督「その……。お、怒ってらっしゃいますか……?」
赤城「なにがですか」
丙提督「いや。その。ぼ、僕なんかが、交渉に参加することになって……」
赤城「……別に。ここまで来たらやるだけです」
丙提督「……」
赤城「……あなたはもう少し、自分を大切になさってください」
丙提督「えっ」
赤城「一年前も大破した艦娘を迎えにきたり。寝ずの晩を幾晩も過ごしたり。そして今回は一番危険な役を買って出て」
赤城「無鉄砲がすぎます」
丙提督「す……」
丙提督「すみません……」
赤城「……」
赤城「……その、気になっていたことがあるのですが……」
丙提督「?、はい」
赤城「どうして貴方は、深海棲艦との和平交渉等を発案されたのですか?」
丙提督「……」
丙提督「姉の、意思だったんです」
赤城「お姉様……ですか」
丙提督「はい」
丙提督「昔、僕が子供だったころ、姉とともに実家近くの近海へ海水浴にいきました。その海域では深海棲艦の出現もなく、安全な海だと言われていたのです」
丙提督「そこで僕は調子に乗って沖まで泳ぎ、足がつって溺れてしまったんです。姉は砂浜から急いで僕を助けに向かったそうですが、間に合わず」
丙提督「このまま死んでいくのだろう、と、薄れゆく意識の中で、僕を助けてくれたのが、人型の深海棲艦でした」
赤城「え……」
丙提督「僕自身はその後のことは覚えていません。ただ、その深海棲艦は溺れた僕を助け、姉へ僕を預けてくれた後、再び深海へと戻って行ったそうです」
丙提督「その時から姉は『深海棲艦は本当は悪い奴らではないのではないか。人類と分かり合えるんじゃないか』と言い始めました」
赤城「……」
丙提督「それから姉は、軍に入りました。僕を助けてくれた深海棲艦に恩返しをするために。提督となって深海棲艦と和解することが、姉の夢だったのです」
丙提督「海軍士官学校では志を共に持つ、良い教官と同期生に囲まれていたようで、毎週僕の元へ嬉しそうな手紙が届いていました」
赤城「……そう、ですか」
赤城「お姉様は、今どちらの鎮守府に?」
丙提督「……」
丙提督「死にました。六年前に」
赤城「え……」
丙提督「……あ、そろそろ無人島が近づいてきましたね。準備をしましょう」
赤城「……はい」
~前線基地近海~
大鳳「提督。もうすぐ前線基地に到着するわ!」
提督「よし、この距離なら各艦載機が飛ばせるな。空母部隊! 敵の数と艦種を把握し、同時に制空権を取る! 全艦載機、発艦始め!!」
瑞鶴「あいよっ! アウトレンジから決めてやるわ!」
翔鶴「全艦載機、発進!!」
蒼龍「そうね、大物を狙って行きましょう!」
飛龍「攻撃はしちゃダメなんだよね? あぁ~、むずがゆいなぁ」
天城「烈風に見とれてる暇では……なさそうですね」
雲龍「稼動全機、発艦はじめ」
葛城「っしゃーーー!! 瑞鶴先輩との出撃久しぶりだヒャッホー!!」
隼鷹「ヒャッホーっていいな! 次使わせてもらうぜヒャッハー!!」
龍驤「隼鷹うっさい! こっちも攻撃隊、発進!!」
千歳「さあ、早く戦いを終わらせてお酒を飲みましょう!」
千代田「おねえ、いくわ! おねえ、おねえぇええええええ!!!!」
ブゥゥゥン!
大鳳「全艦載機、敵の数を確認!!」
大鳳「っ……! 確認できる限りで、五百七十二の艦隊と判明! 艦種は戦艦レ級、空母ヲ級等が100体以上! 旗艦は……戦艦レ級eriteと思われます!」
甲提督「……予想以上の敵艦隊だな。しかし、やるしかない」
甲提督「各空母へ伝達! 既に敵はこちらの艦隊にも気付いたはずだ! 各艦載機は落とされるまで出来る限り陽動をかけてくれ! 攻撃はしなくていい、回避に重点を置け!!」
瑞鶴「あいよぉ! ここまで来たらやるっきゃないよね!」
翔鶴「艦載機の皆さん、頑張って……!」
甲提督「戦艦、重巡は前線基地前で横列に並べ! 同並びを防衛ラインとする! それ以上深海棲艦を北進させてはならん! ここが最後の砦だ!!」
金剛「OKネー! 提督ゥー!!」
伊勢「私達が最後の砦……。ふふっ、いいね!」
日向「この日向。瑞雲とともに前線基地を防衛するぞ」
扶桑「山城、大丈夫? ここが正念場よ?」
山城「任せてください、扶桑姉様!!」
大鳳「提督、前線基地に船をつけます!」
ゴツッ
甲提督「よし、上陸した! 基地へは俺、明石、夕張のみを置いて皆固定位置へ進撃! 艦載機が撃ち落とされるまで、敵艦隊に近づくな! とにかく時間を稼ぐんだ!」
大鳳「……私も、皆と共に行ってくるわ」
甲提督「……ああ」
大鳳「あなたも、気を付けて」
甲提督「君も」
大鳳「……」
甲提督「……大鳳。その。なんだ」
大鳳「え?」
甲提督「こんな俺についてきてくれて、ありがとう」
大鳳「……」
甲提督「……深海棲艦と和解して。空母の皆で祝杯をあげよう。……その後は、二人きりで」
大鳳「……ふふっ。ええ! では、行ってきます!」
甲提督「ああ!!」
~鎮守府 応接間~
乙提督「……」
コンコン ガチャリ
会計部長「失礼するよ」
会計部員「……」
会計部員「……」
乙提督「……」
会計部長「やあやあ、少将。久しぶりじゃの。どうした? 怖い顔をして」
乙提督「……」
会計部長「それに、軍本部からの来訪に誰も迎えが来んとはの。失礼な鎮守府じゃ全く」
乙提督「……申し訳ないであります。本鎮守府は現在、多数の潜水艦からの攻撃を受けております。従って、人員不足であります」
会計部長「そうかそうか。それは大変な時じゃの。いやはや、すまんかった」
乙提督「お付きの会計部員4名は、物騒な恰好をしておりますな。皆、三八式歩兵銃を持っておりますが」
会計部員「……」カチャ
会計部長「なに。気にするでない。保険のためじゃよ」
乙提督「……」
会計部長「それに、抵抗されるのであればこちらの命も危ないのでな」
乙提督「……」
会計部長「……して。君以外の2人の提督はどこに行っておる?」
乙提督「……自分への命令は『和平交渉の日程が分かったら教える』ということだけであります。2人の提督の行方を教えるのは、任務ではないであります」
会計部長「ほっほ。大層な口を聞くようになったの」
会計部長「お前がこの鎮守府へ潜入して1年と少し。どうだ、辛かったか?」
乙提督「……そのようなことはないであります。艦娘を含め、皆、暖かい人ばかりであります」
会計部長「ほう。それは良かった。落ちこぼれ提督の貴様を『わざわざわしがスカウト』し、ここへ送り込んだ甲斐があるというものだ」
乙提督「……」
会計部長「だが、君への命は違うだろう? この鎮守府で和気藹々と過ごすことではない。他の2人の異端提督の行動を逐一報告することだ」
乙提督「……」
会計部長「今もその命は続いている。さ、早く2人の提督の場所を教えなさい」
乙提督「……その前に。艦娘皆を銃殺しないと、約束してほしいであります」
会計部長「は?」
乙提督「貴方が某へ命じた脅しであります。和平交渉の日程を教示しない場合、『本鎮守府の艦娘を全員射殺』すると」
会計部長「……ああ。そんなことを言ったな」
乙提督「だから。その約束を無効にする書類を作っておいたであります。ここに、サインをしてほしいであります」
会計部長「何を言ってる。貴様へ命じたのは他の提督2名の行動把握だ。彼らの居場所を教えぬかぎり、この書類にはサインできん」
乙提督「某が命じられたのは、和平交渉の日程を教えること、だけであります」
会計部長「屁理屈がうまくなったようだ。……あまり我々をなめるな」
乙提督「……っ……」
会計部長「半年程前から、貴様からの報告が虚偽を含むものが多くなった。その頃から疑問には思っていたが……艦娘への情が湧いたか。バカめ」
乙提督「……」
会計部長「いいから、さっさと2人の提督の居場所を教えなさい。奴らはどこで、深海棲艦と和平交渉を行うつもりだ」
乙提督「……ませぬ」
会計部長「あ?」
乙提督「艦娘と2人の提督を銃殺せぬと誓って頂けるまで、絶対に居場所を教えませぬ!!!」
会計部長「……」
乙提督「会計部長。教えてほしいであります。某には、本鎮守府の2名の提督が『異端』だとは、どうしても思えないのであります」
会計部長「……ほう」
乙提督「彼らは某より若くして、頭脳明晰、指揮力抜群、それでいて艦娘からの信頼は抜群であります」
会計部長「……」
乙提督「そして、弛まぬ努力もあり、見事深海棲艦との和平交渉を本日までに実行いたしました」
乙提督「そんな彼らが、何故『異端』なのでありますか! 何故和平交渉を邪魔する気なのですか!」
会計部長「……勘違いするな。我々は交渉を邪魔するつもりはない。それに、2人の提督も処分するつもりはない」
乙提督「へっ。そ、そうなのでありますか?」
会計部長「ああ」
会計部長「我々は交渉場に赴き、中枢泊地一帯の主である中枢棲姫を暗殺するのだ」
乙提督「っ! で、ですから、それでは! 和平の道は歩めませぬ!!」
会計部長「はぁ。こんなことだろうとは思っていたが……」
会計部長「なぁ少将。この国が何故、海軍が存在できると思う? 過去戦争を行ったこの国は、二度と戦争をしないと誓ったはずなのに」
乙提督「そ、それは……! 深海棲艦という、海を支配する生物が現れたからで……!」
会計部長「そうだな。奴らの出現により、国は再び、海軍を復興することができたのだ。深海棲艦との戦いのためにの」
会計部長「すると国は国民へ重税をかけ、海軍へ金を回すようになった」
会計部長「それは海に面する他国も同様だ。国民は海軍へ多く金を回し、深海棲艦との戦いに備える。従ってその結果、国は国同士で。人間は人間同士で争わなくなったのだ、そうではないか?」
乙提督「……」
会計部長「人間同士の戦いがない世界。こんな素晴らしいことがあるか? 全ての国が総力を上げ、深海棲艦と戦っているのだ。そのためにも我々は、一提督の発案した和解案等で、平和を崩す訳にはいかん」
乙提督「……そのような仮初の平和など、詭弁であります」
会計部長「……なんだと?」
乙提督「では、今まさに命を賭けて戦っている艦娘はどうなるでありますか。生物として生まれた深海棲艦は、人間同士の平和のために殺され続けるでありますか」
会計部長「……」
乙提督「彼女達も生を受け、生きているであります。艦娘も、解体し艤装を外せば元は人間であります。彼女らには人権がないと仰るのですか」
会計部長「貴様……。勘違いするな。艦娘(あれ)は兵器、そして深海棲艦など虫ケラ同様であるぞ」
乙提督「彼女達は自らの意思を持った人間であります!!!!」
乙提督「そして深海棲艦も、我々と話すことのできる種族であります!!!!」
乙提督「確かに人同士が争わぬことは素晴らしいことだ!! しかし、ならば!! その両方が争わぬ世界を作れば良いだけであります!!!」
乙提督「貴方の意見は綺麗ごとを並べた詭弁にしか聞こえませぬ!! 深海棲艦を邪魔者とすれば、海軍に多額の金銭が入って来る!! その金を使い、自らが贅沢をしたいと!!!」
会計部長「……黙れ。一介の少将ごときが、わしに意見するか。それこそ貴様が言っていることが詭弁ではないか」
乙提督「いいえ、某も時間を使い、会計部の真意を確かめたのであります」
会計部長「ほう」
乙提督「会計部が多額の金を横流しし、核兵器や水爆兵器の開発に手を染めていることに」
会計部長「……」
乙提督「その関係者には、別途報酬も与えられているであります。もちろん貴方を含めてであります。甘い汁を吸い、この世を混沌となすおつもりですか」
会計部長「……はぁ。面倒くさい。おい、地上部隊に連絡しろ」
会計部員「ハッ!」
会計部長「今『潜水艦哨戒を行っている艦娘を全員、後方から射殺せよ』とな」
乙提督「なっ……!」
~中枢泊地(前線基地)より北方30キロ先 無人島~
ゴトッ
丙提督「提督、無人島へ到着しました。これより赤城さんと共に上陸を開始します」
甲提督《了解した。こちらは既に五百の艦隊と交戦を開始している。もし和平交渉が上手くいったら、同じく無線で一報してくれ。幸運を祈る》
丙提督「了解です」
ザッ ザッ
丙提督「……深海棲艦の姿が見えませんね」
赤城「……」
丙提督「海中に潜んでいるんでしょうか」
赤城「……いえ。砂浜に2つの足跡があります。彼女らも上陸していることでしょう」
(……キタカ……)
丙提督「!?」
赤城「焦らないで。これは深海棲艦からの音波です。貴方がこの謎を解いた張本人でしょう?」
丙提督「あ、ああ。そうでしたね……。急に声が聞こえたのでびっくりして……」
(ソコカラホッポウへムカッテアルケ。小屋ガアル。ソコデフタリデマッテイル)
丙提督「りょ、了解した! しばし待っていてくれ!」
(……キサマ、ダレダ)
丙提督「僕は、君達と交信した提督だ! 艦娘の代表だ! 今からそっちへ行く!」
(……マアイイ。モウヒトリハカンムスカ)
赤城「私は航空母艦、赤城。艦娘の代表として和平対談へ参加します」
(アカギ……? ホウ……。イイダロウ、ハヤククルガイイ)
丙提督「……ふう……」
赤城「……もう少し堂々としてください」
丙提督「あ、いや。す、すみません」
赤城「船の電探では、今のところ他の深海棲艦の反応はありません。まずは、罠ではないことに安心するべきでしょうか」
丙提督「そうですね。って、あ、赤城さん!?」
赤城「……はい?」カチャ
丙提督「ゆ、弓と矢を持って行くんですか!?」
赤城「当然です。相手が貴方を暗殺しないとは言い切れません。それにこれは相手にとっても同じ条件。納得してくれるはずです」
丙提督「で、でも今、赤城さんは怪我で……!」
赤城「……分かっています。ですが、ブラフとはいえこちらにも戦力があることを証明しておかないと、相手の思うツボですよ」
丙提督「ま、まあ。それはそうなんですけど……」
赤城「とにかく時間がありません。行きましょう」
丙提督「……はい」
~無人島 小屋内~
ガチャリ
丙提督「……失礼します」
赤城「……」
中枢棲姫「……キタカ」
防空棲姫「……ヘエ。ホントニフタリデキタンダァ」
丙提督(これが……深海棲艦。思ったより二人とも小さいな。赤城さんよりは少し大きいというくらいか)
丙提督(部屋は木製で狭く正方形の形。室内には机と椅子のみ。窓もなし)
丙提督(他の深海棲艦の気配も感じられない。取り急ぎ、僕等を殺すつもりではなく、話は聞いてくれそうだ)
丙提督「……本日は、交渉の機会を与えて頂き、ありがとうございます」
中枢棲姫「……」
防空棲姫「……」
丙提督「早速ですが、貴方がたが発す音波を、少しだけ柔らかにして頂けないだろうか。我々もできる限り貴方がたの意見を聞き逃したくない。それに、貴方がたも我々の言葉を理解しやすくなるはずだ」
中枢棲姫「……ワレラノオンカンヲヨクシッテイルナ。……ヤワラカクとは、こういうことで良いか」
防空棲姫「面倒くさいことをさせる……」
赤城(……! 声が人間に近くなった……!)
丙提督「ありがとう。とても聞き取りやすくなった」
中枢棲姫「……早速だが、貴様らの意図を確認したい。この場を設けたのは、我らと和平交渉を行いたい、という認識で良いのか?」
丙提督「そのとおりだ。僕達人類は、君達深海棲艦と和解したい」
中枢棲姫「なるほど。……周囲には他に人間も存在していないようだな、その意見のことは信じよう」
中枢棲姫「しかしながら。我らは貴様らと交渉するつもりはない」
丙提督「っ!? 何故だ!」
防空棲姫「元はと言えば、貴様らが我らの海を犯してきたのだ。我らは安息に暮らしたいだけ。そちらが手を出さないのであれば、こちらも手出しはしなかった」
赤城「……」
丙提督「……それは……」
丙提督「まず、人類を代表して謝罪する。君らの領域を犯し、汚し、本当に申し訳なかった」
中枢棲姫「……」
防空棲姫「……謝罪すれば、撃沈された我らの同胞が帰ってくるとでも?」
赤城「っ……」
丙提督「人類側が君達に犯した罪は、拭えるものではない。しかしながら、こちら側も多くの尊い命が失われた」
中枢棲姫「それは人間側の言い訳にすぎない。我らが占領する海へ進出してきた貴様らの自滅だろう」
丙提督「……いや。しかし。貴方がたが生息する海は、誰のものでもない。我々人類も、一部の海の生物を食す。そのためにも君達が海全てを支配するというのはこちらも譲渡できない」
防空棲姫「なんだと? このニンゲンフゼイガ……!」ガタッ
中枢棲姫「……手は出すな。やめろ」
丙提督「それに、貴方も知っていると思うが『陸に上がり人間を殺す深海棲艦もいた』ことは事実だ。それが、貴方がたが言っていた『過激派』の連中ということなのだろう?」
防空棲姫「!」
中枢棲姫「……よく分かっているな。そのとおりだ。我々にも様々な仲間は存在する。人間を殺すことを快楽とする連中もな」
丙提督「やはりそうか。……だからという訳じゃないが。どちらがどちらへ攻め込んだというのは、この際話すべきではない。不毛だ」
中枢棲姫「……ふむ。なるほど。貴様は頭も良さそうだ。そこは認めてやる」
丙提督「……どうも」
中枢棲姫「だが……。交渉の余地がないと言ったのは、変わることはない。何故なら――――」
中枢棲姫「貴様が、先日我らと話した『提督』なる人物と、同一人物ではないからだ」
丙提督「……!」
赤城「い、いや、それは」
防空棲姫「黙れ艦娘。我らはこの人間に問うている」
中枢棲姫「私は指定したはずだ。『我らと交渉した代表を連れてこい』と」
丙提督「……」
中枢棲姫「口約束も守れぬ輩が、和平交渉などと……我らも甘く見られたものだな」
~前線基地 南方30キロ 海域~
ブゥゥゥン ボンッ ボンッ
ツ級「……」
ツ級「……カカ……」
レ級「クク……ムダナコトヲ……!」
~前線基地内~
ブブッ
翔鶴《こちら翔鶴! 烈風、紫電、全て撃ち落とされました!》
瑞鶴《わっ、提督さんこっちもダメだ! 烈風全滅だよ!》
蒼龍《やだやだぁ! 私のもダメみたい!》
甲提督「ちぃ……!」
甲提督(時刻は午後七時。日も落ちてきた。空母での艦載機運用は不可能になる……!)
甲提督(あれの完成まで待つしかない、か)
加賀《提督。私の艦載機も残り少ないわ。なんとかぎりぎりまで粘ってみるけれど。次の作戦指示をお願い》
甲提督「了解した! 空母部隊は防衛ラインより前線基地へ帰投! 艦載機を艦攻へ積みなおし、すぐに前線へ復帰してくれ!」
雲龍《……? 提督、正気なの? これより夜になれば、空母部隊は目が利かないし、艦載機は役にたたないわ》
天城《それに、艦攻だと相手を攻撃してしまうのでは!?》
大鳳《雲龍さん、天城さん、提督を信じてください! 今は持っている艦載機で、出来る限り敵の足止めを!!》
雲龍《ん……了解》
明石「提督ぅー! この改修は2時間じゃやっぱり無理ですよお!」
夕張「ちょ、ちょっと規模が大きすぎてね……あはは」
甲提督「君達には無理難題を言う。本当にすまない。しかし、やりきってくれ!!」
長門《提督よ、戦艦の弾薬装填は、全員完了したぞ!》
陸奥《指示待ちよ~。いつでもいけるわ!》
愛宕《提督ぅ? 重巡部隊もOKよ!》
衣笠《衣笠さんに指示をくださいなっ!》
甲提督「戦艦部隊、重巡部隊承知した! 空母の艦載機が全てやられた後、30秒おきに全弾発射を繰り返す!!」
甲提督「目標は敵部隊の1キロ先でいい! 水壁を作り奴らの進撃を止めることが目的だ!」
甲提督「この攻撃が意図的に外していると勘付かれても構わない! とにかく相手を撃沈させることなく、時間稼ぎをすることを念頭に置け!!」
大和《了解です!》
武蔵《敵部隊を撃沈しないようにか……難しい注文だな》
加古《ね、眠くなってきた……》
古鷹《加古、寝ちゃダメだったら!!》
甲提督(……この水壁も、長い時間はもたん……!)
甲提督(願うことなら、敵艦隊から大量の艦載機が飛んでこないことを祈るしかないな)
龍驤《!!、おい、あかん!! 敵さん方向からぎょうさん艦載機が飛んでくるでっ!!》
隼鷹《さすがにこの数は……ヒャッハーだねぇ……》
甲提督「くっ!」
【現在の状況】
□無人島
・赤城&丙提督
・中枢棲姫&防空棲姫
□□□ ●
□□□ ▷駆逐 ●
□□□ ●
鎮守府 ▷軽巡 潜水艦 □中枢泊地
□□□ ●
□□□ ▷軽空母 ●
□□□ ● (防衛ライン)
--------------------
□前線基地(甲提督&ほぼ全艦隊)
↑↑↑
●●約500の敵艦隊●●
※見辛く分かりにくくすみません…
~鎮守府 応接間~
乙提督「ま、待つであります!!」
会計部長「……なにかね」
乙提督「潜水艦哨戒部隊は、年端もいかぬ駆逐艦や軽巡洋艦の部隊であります! それを後方から射殺するなどと……!」
会計部長「君が2人の提督の居場所、そして和平交渉場を教えてくれれば、すむことだが?」
乙提督「っ……!」
会計部長「少将。君もさぁ。良い歳なんだから、それくらい理解してくれたまえ」
会計部長「何を迷う必要がある? 和平交渉が決裂すれば、今までの戦況と変わりはない。元通りだ。君もまた、駆逐や軽巡の子と仲良く鎮守府で頑張ってくれれば良い」
乙提督「しかし……!」
会計部長「深海棲艦と和解することは、海軍にとって利益はないのだよ。国民からの軍資金はすぐに集まらなくなるだろう。君がその埋め合わせをできるのかね?」
乙提督「……」
会計部長「ようし、分かった。金が欲しいか? いいだろう、2人の居場所を教えてくれたなら、今の倍の給与を出すぞ」
乙提督「か、金の問題ではないであります!!」
会計部長「面倒くさいなぁ。おい、見せしめに駆逐艦を後ろから3人程殺せ」
会計部員「ハッ」
乙提督「や、やめるであります!! 分かった!! 居場所を教えるでありますから!!」
会計部長「……それで良い。さぁ、さっさと吐け」
乙提督「……その前に、教えてほしいであります」
会計部長「なんだ。時間もない、手短に言え」
乙提督「ほ、本当に。本当に、我が艦隊の人員は誰も殺さないと誓ってくれるでありますか……?」
会計部長「そんなことか。ああ、約束してやる。この書類にサインが欲しいか?」
サラサラ
会計部長「ほら、サインしたぞ。君らには手を出さないと誓おう。約束だ」
乙提督「……」
会計部長「早く言わないと、本当に殺すぞ。奴の姉と同じ運命は辿りたくないだろう」
乙提督「……奴の姉?」
会計部長「おっと」
乙提督「どういうことでありますか。某は、その話を知らないであります」
会計部長「……別に。貴様が知るべきことではないさ」
乙提督「まさか、彼の……。若き提督の姉のことでありますか!」
会計部長「……」
乙提督「噂には聞いたことがあるであります。六年前、初めて深海棲艦と和解を試みた若き女性提督がいた。しかし、同提督は交渉場に赴くこともできず、謎の死を遂げたと……!」
乙提督「まさか、貴方がたが……! 会計部が彼の姉を殺した……!?」
会計部長「……」
~無人島 小屋内~
丙提督「……確かに。僕は、貴方達に『言葉を発した提督』ではない」
防空棲姫「フハッ! ボロを出したな。この和平交渉は決裂だ! 我らの指定した条件を裏切るなど、やはり貴様ら人間は信用ならない!!」
丙提督「待ってくれ。しかし『僕が君達に発した言葉』であることに違いはない。声を発していたのは、代わりの者だ」
中枢棲姫「……なんだと?」
赤城「て、提督? どういう……!」
丙提督「君達が音感に優れていることは知っている。先程、僕が指示させてもらった通りだ。従って、艦娘を通して音声を発し会話した時に、こちら側のトップである提督の声を発すことは、危険であると判断した」
丙提督「だから君達が提示した『自分達と交渉した代表を連れて来い』ということに対して、僕が来たことは間違っていない。僕が本来の、鎮守府での最高権限者である提督だからだ」
中枢棲姫「……」
防空棲姫「何を言い訳じみたことを! 姫、さっさとこいつを殺し、深海へ戻るべきだ。こいつは信用ならない!」
中枢棲姫「……少し待て。おい、貴様。アカギといったか」
赤城「……はい」
中枢棲姫「こいつが言っていることは本当か? このような体を震わせている情けない人間が、お前たち艦娘のトップなのか?」
丙提督「……」
赤城「そうです。彼が言うことに間違いはありません。彼が、私達のトップです」
中枢棲姫「……」
中枢棲姫「貴様らも情けない指揮官を持ったものだな」
丙提督「なんと言われようと構わない。だが、事実だ。それに君達と本気で和解をしたいと思ったから、本来前線に出るはずのない僕が、交渉場へ赴いた」
中枢棲姫「まあ……いいだろう。では貴様が、チンジュフとかいう場の最高責任者である証明をしてみせろ」
丙提督「分かった。これを見てくれ」
サッ
防空棲姫「なんだ、これは?」
丙提督「海軍最高位、元帥の印が押された和平誓約書だ。これは鎮守府の最大権利者しか受領することのできない書面。君達がこの書類にサインをすれば、人間と深海棲艦の和平が決定する」
中枢棲姫「……こんな紙きれ一枚がか? ふふっ。なんとも軽薄なものだな」
赤城「しかし。事実です」
防空棲姫「だが、これが最高位という証明にはならないだろう。今重要なのは、貴様がチンジュフの代表であるかどうかだ」
丙提督「今の交渉に、そこまでの証明は必要ない。それに、『それ以外では証明しようも』ない。君達がこの書類にサインをして、平和を感じる以外には」
防空棲姫「ぐっ……!」
中枢棲姫「ほう。それなりに交渉はできるようだ。まるで貴様、北方チンジュフに居た『オンナテイトク』のようだな……」
丙提督「!」
丙提督「女……? 今、女提督と言ったのか!」
中枢棲姫「……? そうだ。もう六年も前になる。我らと交渉するという日程を決めながら、交渉場へ人間の暗殺部隊を送り込んだ鬼畜な女提だ」
赤城(六年前……女性提督……まさか!)
丙提督「……暗殺部隊だと……? その時、そちらへ被害はあったのか?」
中枢棲姫「いや。なかった。何故か事前に警告が入ったのだ。交渉場から逃げろ、とな」
中枢棲姫「その指示が送られてきたのは、今、貴様がいる鎮守府からだった」
赤城(……六年前は、前提督が鎮守府を指揮していた時)
赤城(丙提督のお姉さんと、亡くなった提督は、知り合いだった?)
丙提督「……そうか。被害がなく安心した。そして、代わりに謝罪させてもらう。すまなかった」
中枢棲姫「我々もその女提督のことは恨みはしたが、貴様らの鎮守府の提督には信頼を覚えた。……しかしその人間も、4、5年前に亡くなったと聞いたがな」
赤城「……」
中枢棲姫「だからこそ、貴様らを信頼し、この度交渉に乗ることにしたのだ。言うなればこれは、亡くなった提督とやらに対する恩情」
丙提督「……そうか。しかし、女提督のことも悪く思わないでほしい。彼女も彼女で本当に君達と交渉するつもりだった。必死だった。命懸けだった」
防空棲姫「バカなことを! 暗殺部隊を送っておいて、何を言うか!」
ギュウ…
丙提督「彼女は身内に。軍に殺されたんだ。我々人類と深海棲艦が争って、金を儲けている連中に」
中枢棲姫「ほう……」
~鎮守府 応接間~
乙提督「会計部長殿! 答えるであります!」
会計部長「……うるさいのぉ」
乙提督「貴様ら会計部が……会計部が、和平を望んでいた女性提督を殺害したでありますか!」
会計部長「殺したなどと物騒なことを。彼女は『崖下へ落ちて死んでいった』のだよ。勝手にね」
乙提督「人間が自ら落ちていったとでも言うのでありますか! そしてその言い方だと、まるで『死ぬ瞬間を見ていたような』言い方であります!」
会計部長「……あーあー、分かった分かった。そうだ、我々が殺したのだ。これで良いか?」
乙提督「……! なんという、非人道的なことを……!」
会計部長「何を言う。一人の人間の損害で、深海棲艦との和解が止められたのだ。言うなればこれは、必要悪だったのだよ」
乙提督「それを行って、貴様らは何を得たであります……! 変わらず軍へ金銭が回り、裕福な生活をし、更なる兵器を生み出したでありますか……!」
会計部長「やだなぁ。だから言ってるじゃないか。国同士が争わないために、深海棲艦との争いは必要なのだよ」
乙提督「悪魔め……!! それでも貴様ら、軍人でありますか!! この国へ忠義を誓った人間でありますか!!」
パンッ
乙提督「ぐあっ!!」
会計部長「次は足ではすまんぞ。さあ、早く交渉場を言え、少将。今なら命は助けてやる」
乙提督「ぐ……!」
会計部長「貴様が口を割らぬのであれば。艦娘をひっとらえ、拷問させるか」
会計部長「都合の良いことに、通信室へは『眼鏡をかけた可愛らしい艦娘』が無防備でいるようだしのぉ」
乙提督「大淀殿を……ッ!?」
乙提督(く……!)
乙提督(すまないであります。提督殿……!)
~前線基地周辺海域~
ブゥゥゥン
龍驤「みんな! 敵さんの艦載機がきたで!! 防御態勢とってや!!」
加賀「葛城さん。まだ艦載機が残っているわね? 出来る限り敵の艦載機を落として」
葛城「そ、そんな無茶なぁ! 私の艦載機は今、敵の上空ですよお!」
加賀「くっ……!」
バババババババッ ドォン ドォン
摩耶「っしゃあ!! ここで防空巡洋艦、摩耶様の出番だぜッ!!」
秋月「秋月型、潜水艦哨戒を終え、艦隊に追いつきました!」
照月「照らす月の下で防空戦です!!」
初月「ふ……さすが甲提督だ。対空能力の優れた僕等に真っ直ぐこちらへ向かうよう指示していたのは、こんな意図があったのだな」
皐月「僕も前線基地に合流したよ!!」
霞「朝潮型防空駆逐艦、霞改二乙の力、見せてやるんだからっ!!」
瑞鶴「うおお! あんたらぁ、ナイスタイミング!!」
初月「瑞鶴。二度と君を沈ませるものか!!」ドォン
飛龍「とはいっても、流石に全艦載機を落とすことは厳しそうだねえ」
蒼龍「飛龍! ほら早く! 前線基地に戻って艦載機補充するよ!」
飛龍「おっと、了解了解!!」
甲提督《よし、このタイミングだ! 戦艦部隊、一斉放射!!》
比叡「りょーかいですっ!!」
霧島「私の計算によれば、ここが敵艦隊から前方1キロの距離!! 速度、狙いもよし!!」
大和「なぎはらえ!!!」
アイオワ「オープンファイア!!!!」
ドン ドン ドン ドンッ
甲提督《続いて重巡・航巡部隊! 遠距離砲撃、開始!!》
青葉「はいはいっ! 青葉、いっきまっすよぉ!」
高雄「馬鹿め、と言って差し上げますわ!!」
最上「僕らの出番だね、三隈、行くよ!!」
三隈「ええもがみん。くまりんこ!!」
鈴谷「五百隻とか……うわ! キンモッ!!」
熊野「とぉおおおおおおおおっ!!!」
ドン ドン ドン ドンッ バシャアアアッッ
甲提督《よし、このまま砲撃を続け、奴らの進行先へ水壁を出し続けろ!! 交渉が終わるまで、絶対に無人島へ近づけさせるな!!》
~無人島 小屋内~
中枢棲姫「――――つまり。貴様らカイグン内には、我々と和解することを納得していない連中もいるということだな」
丙提督「……そういうことだ。しかし、それは隠す気もない。互いの和平に何も障害がないことの方が不自然だからだ」
中枢棲姫「……ふ。その通りだ。どうやら貴様、私と同じ考えらしい」
防空棲姫「姫! このような身内で争っている人間どもなど、すぐに我らを裏切るぞ! 即刻交渉は中止した方が良い!! この場で奴らを殺すべきだ!!」
赤城「……」グッ
丙提督「赤城さん。大丈夫。弓は持たないで」
赤城「しかし……!」
丙提督「絶対に、大丈夫だ」
赤城「っ……!」
中枢棲姫「……なあ。一つ、聞かせてくれ。提督とやら」
丙提督「なんだ」
中枢棲姫「我々がここで、貴様らの書類にサインを行ったとしよう。そうすれば、貴様の言う和平に納得しないカイグン連中はどうなる? 野放しか?」
丙提督「それは、責任を持って海軍から懲罰を与える。彼らの身は、人間の手によって拘束されることとなる」
中枢棲姫「ほう、面白い。それほどまでにこの『書類』というのは、意味のあるものなのか」
丙提督「ああ」
中枢棲姫「……なるほど」
中枢棲姫「では、この和平誓約書という書類は。貴様らが軍の一部を裏切ってまで、命懸けで持ってきた証ということに相違ないか?」
丙提督「ああ。理解が早くて助かるよ。その通りだ」
防空棲姫「ふん。身内で争っている貴様らニンゲンの書類など、当てになるものか」
丙提督「しかしながら、君達と和解するに当たってはこうするしかなかった。それに、そちらも過激派という深海棲艦が存在していることから、僕等のことも理解できないことではないはずだ」
中枢棲姫「……まあ、な」
赤城「これは。この書類は。私達が共存するための唯一の希望です。これに、嘘偽りはありません」
防空棲姫「……ちっ……」
丙提督「こちらの意見を言ったのだから、そちらの意見も聞かせてくれ。もしこの和平交渉が成立したのなら、過激派の深海棲艦はどんな処遇となる?」
中枢棲姫「……皆殺しだ」
丙提督「えっ」
中枢棲姫「何を驚くことがある。和平の為には『仕方のない犠牲』だ。それ程までに奴らは手をつけられない。――――事実、我らで決まっていた条約を破り、4、5年前に貴様らの鎮守府を襲撃したのは過激派の連中だ。元々は我らの仲間であったのだがな」
赤城「!」
防空棲姫(……ほう……)
防空棲姫「赤城、顔色が変わったな。まるで我々を全員『殺す』かのように睨みをきかせているじゃないか」
赤城「貴方達が……あの人を……!!」
丙提督「赤城さん。落ち着いて」
丙提督「この深海棲艦たちが、鎮守府を襲撃した訳ではありません」
赤城「……っ……」
赤城「すみません……」
防空棲姫(……どうやらこの艦娘。過去の襲撃に憎しみを持つ一人か)
防空棲姫(和平交渉を決裂させるための、良い駒かもしれんな)
中枢棲姫「……まぁ、皆殺しとは言ったが。我らも過激派の連中との交渉の時間は欲しい。同じ種族ではあるのでな。出来る限り彼らを救ってやりたいとは考えている」
丙提督「それを聞いて安心したよ。では、交渉に対して話を進めても良いだろうか?」
中枢棲姫「貴様らの書類、そしてこれまでの話を聞くに、納得できる部分は多い。いいだろう、話だけは聞いてやる」
丙提督「ありがとう。では早速、一点程確認させてくれ。君はこの海域……いわゆる、この全て海でどれだけの権力を持っている?」
防空棲姫「失礼な人間だ。我らの力を侮っているのか。この場で頭を握りつぶしても良いんだぞ」
中枢棲姫「黙れ防空。お前の発言は深海棲艦の品位を下げる。これより物騒なことを発言をすることは許さん」
防空棲姫「……分かった」
丙提督(やはり中枢棲姫の方が位は上、か)
中枢棲姫「分かりやすく言ってやろう。私は全て海で、4分の一を占める海域を支配しているトップだ」
中枢棲姫「他の3つの海域のトップとも友好関係は築いている。もしこの交渉が成立するなら、全ての海域の深海棲艦へ和平の情報が行き渡るだろう」
丙提督「……なるほど。僕らが和平に向けての礎になる可能性は、充分にある訳だ」
中枢棲姫「そういうことだ。まぁ、それは――――貴様らの条件次第だがな」
丙提督「……さすがに、仲良くなりましょう、と言うだけの交渉ではないことは分かっているか」
中枢棲姫「当然だ。貴様ら人類も海を必要としているのだろう? その権利をなくして、交渉は成り立たぬからな」
丙提督「……」
中枢棲姫「どれだけの海を渡す必要がある? 陸から数百メートル程か? まさか、世の海半分を人類へよこせ等と言うつもりではあるまいな」
丙提督「……どちらでもない。僕等人類が必要な海は――――全てだ」
中枢棲姫「ハッ!!」
防空棲姫「我慢ならぬぞ姫。奴はここで殺す! これで奴らに交渉の余地等ないことが判っただろう!!」
丙提督「最後まで聞いてくれ。僕等人類は、海を利用するが、君達の平穏を脅かすつもりはない。それに、人類側から君達に、絶対に攻撃を仕掛けないと約束する」
中枢棲姫「ほう、それは面白い冗談だ。我らは貴様らに攻撃を受けないと約束され、その代わりに貴様らは自由に海を航海し、自由に海洋生物を侵食する訳か」
丙提督「細かな条約は後に造ればいい。今は、君達の食生活さえ、知らないのだから。そして、重要なのはそこじゃない」
中枢棲姫「んん……?」
丙提督「君達深海棲艦は、自由に陸地を行き来できるようになる。我々人類が住んでいる、地上だ。どこへでもだ。誰も君達を襲わないと約束しよう」
中枢棲姫「馬鹿な。我々の生息地は深海だ。我らが地上に降り立つ利益はない」
丙提督「いや。必ず利益はあるはずだ。食料、生活用品、そして限りある知識。地上に来れば、君達の利益幅は格段に広がる。それに今日君達がこの場に来ているとおり、地上でも生活ができる種族もいるのだろう?」
中枢棲姫「……」
防空棲姫「……」
丙提督「それに、生息地の話で言えば。我々人類は海の中で息ができない。生活すらできないんだ。だから、君達が住む深海を脅かすことはない。はっきり言ってこれは、人類側で言えば破格の条件だ」
中枢棲姫「……貴様が言っていることが本当に起こるとして。それは人類からすれば、とても恐ろしい状況になるな。これまで海で貴様らを殺してきた我々が、貴様らが住む地上を自由に歩くのだから」
丙提督「……ああ」
中枢棲姫「それを、貴様ら人間全員が黙っているとは思えん。我らに恨みを持つ人間も多数いる。そうは思わないか?」
丙提督「その通りだ。だからこそ我々海軍は固定概念を捨て、君達の地上従来を全力でサポートする企業となる」
中枢棲姫「……」
防空棲姫「貴様らがサポート? ふん、裏切り者も存在するカイグンとやらの堅物が、我らの地上案内役に成り下がると言うのか」
丙提督「ああ。しかしながら、軍という名称は捨てる訳にはいかない。武力も完全には捨てる訳にもいかない。何故なら、この和平交渉に納得しない『過激派』連中が、互いに必ず存在するからだ」
中枢棲姫「貴様ら人間が自らを防衛するためにも武力は必要。そして、我ら深海棲艦の過激派散策にも協力するという意味でも、武力は捨てられない。と、理解して良いのか?」
丙提督「そのとおりだ。今日この書類にサインが行われたからといって、すぐさま全ての問題が解決する訳じゃない」
丙提督「少し強い言い方になってしまうが、和平に向けての邪魔者を排除する力だけは、失う訳にはいかない。そのことは理解してくれ」
中枢棲姫「……分かった。お前と話すのは面白い。話を続けろ。詳しい未来が見えているのなら、その構図もだ。そして、地上に降り立つことにより我らが持てる利益も分かりやすく説明せよ」
丙提督「了解した。話が分かる代表で良かった。こちらも何も考えていない訳ではないのでね」
赤城「……」
防空棲姫(……ちぃ。このままでは、この人間の思うツボだ)
防空棲姫(奴ら人間どもを許してなるものか。必ずこの交渉にも穴がある)
防空棲姫(和平など冗談ではない。なんとかして防ぐ方法を考えねば……。ん?)
赤城「……」
防空棲姫「……ニヤリ……」
~前線基地 南方10キロ 海域~
ドンッ ドンッ バシャアッ!
レ級「……サッキカラコイツラ……」
レ級「アア。ワレワレニ砲撃ヲアテルツモリガナイヨウニミエル」
ヲ級「テイサツブタイノヒコウタイハ全滅。ドウスル、レ級」
レ級「ククク……ソウカ、ワカッタゾ」
レ級「ヤツラ、時間稼ギヲシタイダケダ」
ヲ級「??、ワレワレヲコウゲキスル意思ガナイト?」
レ級「アア。コウショウヲジャマサレタクナイダケダロウ」
レ級erite「……ナラ、サッサト、殺スカ」
レ級erite「全艦隊、最大戦速デ進行セヨ」
レ級erite「目指スハ無人島ダ。人間ノダイヒョウモ、中枢棲姫モ。全テコロセ」
~前線基地内~
甲提督「……」チラ
甲提督(午後八時を過ぎたか。日も落ち、既に海上は暗闇と化した)
甲提督(従って空母はもう利用できない。なんとか、この嘘っぱちの水壁で時間稼ぎができれば良いが)
ブブッ
長門《提督! 奴らが進行スピードを上げたぞ!!》
陸奥《は、早いっ! すごい勢いで防衛ラインへ近づいてくるわ!!》
甲提督「なに!? 水壁は!?」
金剛《ずっと撃ちっぱなしだけど、こいつら全然止まらないネ!!》
比叡《な、なんで!? 撃たれるのが怖くないの!?》
甲提督(く……。流石にもう限界か。奴らとしても、和平交渉を止めれば良いだけだからな)
甲提督(だが防衛ラインを越えられてしまえば、感知能力に長けた中枢棲姫が艦娘の存在に気付いてしまう!)
甲提督(そうなれば交渉は中止をせざるを得ない。それだけは絶対に避けねばならないっ!!)
グラーフ《……提督。位置についたぞ。ここなら敵艦隊が全て見渡せる》
甲提督「!!、ナイスタイミングだ!」
甲提督「空母部隊!! 艦攻の補充は済んだか!! これよりは夜間に目の利くグラーフの指示に従え!! 全艦攻を敵艦隊へ発進させよ!!」
雲龍《提督……? さっき言ったじゃない。私達は夜間目が利かないわ。艦載機は飛ばせない》
天城《いえ姉様。恐らく私達空母は『夜でも目の利く』グラーフさんからの無線指示を聞く形です!》
葛城《グラ子の誘導で、艦載機を操作するっての!? で、できるかなぁ……》
甲提督「無理を言うが、手はない! グラーフ、夜間に目の利く空母は君だけだ!! 頼めるか!!」
グラーフ《natürlich。もちろんだ。このグラーフ・ツェッペリンがただの空母でない所を見せてやろう。艦隊、我に続け!》
加賀《グラーフさん。敵の位置、動きを指示してくれれば良いわ。その前方へ艦攻を飛ばします》
瑞鶴《で、でもさ! これ相手に攻撃はしちゃいけないんでしょ!? む、無理っぽくない!?》
加賀《では諦めてそこで立っていなさい。七面鳥と呼ばれて良いのなら》
瑞鶴《あんだとコラーーッ!! やってやろうじゃねえかチクショー!!!!》
グラーフ《皆、私を信用してくれ。必ず適切な指示をしてみせる》
翔鶴《提督。空母部隊全艦攻、発艦致します!!》
甲提督「了解した!! 戦艦、重巡部隊は一度前線基地へ戻れ! 弾薬を補充しろ!!」
明石「て、提督、もう弾薬は全出庫されてますよぉ!」
甲提督「なに……!」
夕張「前線基地に残っている資材は後……爆撃機だけです!」
甲提督「く……!!」
甲提督(どうする……! もう長くはもたんぞ……!)
erite じゃなくて elite な
~鎮守府 応接間~
会計部長「さぁ、少将。さっさと彼らの居場所を吐け」
乙提督「く……!」
乙提督(限界でありますか……! かく上は……!)
ピリリリリッ
会計部長「ん? ああ、本部からか」
乙提督(電話……?)
会計部長「私だ。……ああ、ああ。そうか、分かった。船舶部隊に位置を教えろ」
ピッ
会計部長「少将。君の手を煩わせるまでもなかったよ。どうやら優秀な本部の会計部員が、二人の提督の位置情報を掴んだそうだ」
乙提督「なっ、なにっ!?」
会計部長「無線が独自の電波を発すことは知っているだろう? 彼らに無線対話をさせたことは失敗だったな。まぁ、解析には時間もかかったが」
乙提督「ぐ……!」バッ
会計部員「動くな!!」カチャリ
乙提督「っ」
会計部長「……非常に残念だ。君のような無能なスパイを失うことは……」
会計部長「まぁ安心してくれ。君を殺した後、残りの艦娘もすぐに天へ送ってやる」
乙提督「な……! そ、それでは約束が違うであります! 艦娘には手を出さないと書類にもサインをしてくれたではありませんか!!」
会計部長「あぁ。これ?」サッ
ビリビリビリ
会計部長「はい。これで約束はなしね」
乙提督「貴様……っ!」グググ
>>350
ほんまやぁ! ご指摘感謝です、ありがとうございます!
続きます!
会計部員「おい、動くなと言っている。お前も軍人の端くれだろう。上官の命に従え」
乙提督「何が軍人か……! 何が平和か……!」
乙提督「約束一つも守れぬ貴様らに……! 艦娘や深海棲艦の命さえ見出せぬ貴様らに……!!」
乙提督「人と生物が手を取り合い生きる道を妥協した貴様らには!! 生きる資格等ないであります!!!」
会計部長「ああ、そう? でも実際はさ、金を持った人間が勝ち組だよ? お前はもう死ぬけど、結局何ができたの?」
会計部長「提督やらせてもまともな勝利もあげないくせに。軍に入ってただ金をもらって生活してただけのくせに。お前らと私とではどこが違う?」
乙提督「……意思であります」
会計部長「……は?」
乙提督「某以外の2人の提督は……。亡き人からの『強き和平の意思』を引き継いでいるであります」
乙提督「幾分の哀しみを背負ったでありましょう。しかし彼らは曲げなかった。自分の信念を曲げなかった!!」
乙提督「某が裏切り者と分かっていても、彼らはこの鎮守府を某に任せてくれた!! 某を信じてくれた!!!」
乙提督「彼らの意思が某に伝わった!!! 某はその『強き和平の意思』に従い、行動をするのであります!!!」
乙提督「自らが金の欲にまみれた貴様らと同等にするな!!!」
会計部長「うるさいなぁホント。偉そうなことを言っても、お前が裏切り者ということに変わりないだろう」
乙提督「その通りであります。従って某は、その責任を取らなければならない」
会計部長「……おい。銃を構えろ」
会計部員「……」カチャ
会計部員「……」カチャ
乙提督「撃ってみるが良い。某はいくら撃ちこまれようとも、貴様ら全員を殺すまで死なないであります」
会計部長「ほう……。特殊装甲を持つ艦娘さえ撃ち殺せる、この銃に耐えられると?」
乙提督「貴様らの悪意に、この鎮守府の艦娘を一人とて殺させてなるものか」
乙提督「例え頭を撃ち抜かれようとも、ここにいる全員を殺すまで、某は死にはせぬ!!!」
会計部長「ほ、ほう。やってみるが良い……。おい!! 何してる!! 早く撃て!!!」
会計部員「っ!!」
乙提督(…………雷、電。みんな…………)
乙提督(…………)
乙提督(ありがとう……であります。どうか、幸せに――――)
~無人島 小屋内~
丙提督「――――――の場合は、軍が対応する」
中枢棲姫「では――――となった場合、どうなるのだ」
丙提督「それは――――」
赤城「……」
防空棲姫「……なぁ、赤城よ」
赤城「……なんでしょう」
防空棲姫「互いの代表は話し込んでいる。少し、我らだけで話をしないか?」
赤城「……」
防空棲姫「……互いに戦ってきた我らだ。所謂ライバル同士の我らしか分からぬ話題もあるだろう」
赤城「……少しなら」
防空棲姫「そうか。ではこちらに来い。耳を貸せ」
赤城「……?」
防空棲姫(――――良いことを教えてやろう)
防空棲姫(5年前に、貴様らの鎮守府を襲撃した輩のことだ)
赤城(なんですって……?)
防空棲姫(……聞いてくれるか)
赤城(も、もちろん)
防空棲姫(あの時鎮守府を襲った輩は下っ端だった。しかしな、その下っ端連中に、指示を出した者がいる)
赤城(だ……誰?)
防空棲姫(それは――――私だ)
赤城「!!」
防空棲姫(驚いたか? 私が憎いか?)
赤城「貴方が……!!」
防空棲姫(それともう一つ、良いことを教えてやる)
防空棲姫(この交渉は、罠だ)
赤城「……!」
防空棲姫(今は貴様らの隙を伺っている。私は話し合いが終わった瞬間、この人間を殺すだろう)
赤城(何故それを……私に教える……!)
防空棲姫(いわゆる交渉というやつだ)
防空棲姫(お前がこちら側、深海側へ来るのであれば、お前の命だけは助けてやる。私は艦娘は嫌いではない。あくどい考えを持つ人間よりはな)
赤城(……)
防空棲姫(どうだ……? お前には悪い条件ではないだろう? だから、悪いことは言わん)
防空棲姫(お前の手で、この人間を殺せ。そうすればお前は生き残れる)
赤城「……!」
防空棲姫(それとも、私を射るか? その震えている手でできるのならばな……。くくく……)
赤城「貴様……!!」
~鎮守府 応接間~
バタンッ!
会計部長「ん?」
乙提督「はっ!?」
ブゥゥゥゥン
会計部員「な、なんだ!?」
会計部員「小さい艦載機が、部屋で飛んでる……?」
乙提督「これは……零式艦戦21型……?」
会計部員「お、おい!! こっちに銃口を向けてるぞ!!!」
ダダダダダダダダダダダダッ
会計部員「うわぁあああっ!!」
会計部員「あちっ! あちちちっ!!」
会計部長「な……っ!!」
シュウウウウウ…
乙提督「こ、これは……一体……!」
鳳翔「……失礼致します。提督」
乙提督「ほ……」
乙提督「鳳翔殿!!?」
鳳翔「……」
会計部長「な、何が起きた!? おい皆!! 生きているか!!」
会計部員「あ、あれ? 撃たれて……ない?」
会計部長「くっ、艦娘か! おい何をしてる、早く銃で奴らを殺せ!!」
会計部員「む、無理です……!」
会計部長「あぁ!? 何故じゃ!!」
会計部員「4人とも皆、銃のみが破壊されています……!」
会計部長「なんじゃと……?」
乙提督「な、何故こんなところに来たのでありますか! ここは危険であります! そ、それに貴方は、駆逐艦と共に潜水艦哨戒に行っていたのでは!?」
鳳翔「……いいえ。提督。私は本日、貴方へ『辞表』を出したはずです。従って、貴方の指揮下には入っていないのですよ」
乙提督「え……」
会計部長「き、貴様ァ……鳳翔! 一艦娘の分際で我々に手を出したな!? どんな理由があろうと人間へ手を出した艦娘は軍法で銃殺刑だ!!」
鳳翔「その法も適用されません。本日付で私は艦娘を引退した身。退艦時、演習場にあった艦載機が『たまたま』暴走し、貴方がたへ危害を加えたのです」
会計部長「は……?」
鳳翔「退艦時の引き上げの際に、艤装の不具合が発生した場合の適用刑はありません。ですから、まあ、これは私の『独断の落ち度』です」
会計部長「何を言っている、この、艦娘風情が……!」
乙提督「鳳翔殿、そんなことは良い! 早くここから逃げるであります!! 某は、貴方を失う訳には……!」
鳳翔「提督。他にも聞いてほしいことがあります。私はもう一つ、罪を犯しました」
乙提督「えっ?」
ガチャッ トン
川内「川内参上っ!! 夜戦、もとい隠密行動なら任せておいて!」
乙提督「せ、川内? 何故君が、窓から……」
川内「ね、ね、提督。これなーんだ?」サッ
乙提督「録音……機……?」
会計部長「まさか……!」
鳳翔「貴方の指示がありつつも、私は川内型の皆様に協力してもらいました。これも、私の『独断』です。申し訳ございません」
バタン!
那珂「はっあ~い♪ 艦隊のアイドル! 那珂ちゃんだよ~!」
神通「……応接間に、失礼致します……」
鳳翔「那珂さん、神通さん。武器は破壊されました。彼らを拘束してください」
会計部長「な、は、はぁ!?」
会計部員「に、逃げろ!! 全部録音されてたんだ!!」
那珂「……ええ~? 逃がす訳ないじゃん! ね? 神通ちゃん」
神通「ええ、那珂ちゃん」
神通「お金の為に艦娘を殺そうとした、彼らには、そうですね」
神通「きつい訓練が必要と思われます」ゴゴゴゴゴ
会計部長「ひっ……!」
川内「あ、それとさあ。録音した音声は、マスコミ? って奴に通じてるから、逃げられないよ~」
鳳翔「……だから、安心してください。提督」
鳳翔「私のお店に来てくれた、大事な大事なお客様を。空母の皆を暖かく見守ってくれた貴方を。こんな穢れた輩に殺させはしません」
乙提督「鳳翔殿……」
那珂「那珂ちゃん必殺 ★ ロープまきまき~っ!!」
会計部長「お、おい! やめろ!」
神通「動いたら、零距離で、主砲を発射します」
会計部員「ひぃぃ……」
会計部長「わ、我々を拘束しても無駄だ!! 既に交渉場へは10隻の船舶で暗殺部隊が向かっているのだからな!!」
鳳翔「……そうですか。では、後をお願いしますね。皆さん。あ、それと。他の艦娘皆さんへは他言無用です」
那珂「はぁーいっ!!」
神通「了解です」
川内「あーあっ。最後の夜戦だったかもしれないのになぁ~!! あ、でも」
川内「溜まったうっぷんは、この人達で晴らせばいっか★」
会計部長「えっ」
川内「じゃ、拘束室行ってきまーす!!」
バタンッ
ヤ、ヤメロオオオオオオオオ!! ウルサイダマレ!!
鳳翔「……」
乙提督「……」
鳳翔「……大丈夫ですか? 提督」
乙提督「鳳翔殿……。某は……」
乙提督「某は……!」
鳳翔「あなたは『立派な提督』です。どんな理由があれ、私達を最後の最後まで守ってくれました」
乙提督「しかし……!」
鳳翔「悔いることはいつでもできます。しかし、今守れるものは『今』しかありません」
乙提督「!」
鳳翔「今、まさに。あなたの指揮を必要としている皆がいます」
鳳翔「ここで貴方は過去を見ますか? それとも、未来へ進みますか?」
鳳翔「私のお店に来て下さった方は、真っ直ぐな想いを持つ方ばかりですが……それは私の、勘違いでしょうか……?」
乙提督「いや!! 違うであります!!!」
サッ
乙提督「我々は未来を見て歩くであります。過去の偉人に、恥じないように!!」
鳳翔「……」
乙提督「ありがとう鳳翔殿。おかげで目が覚めたであります」
乙提督「某が皆を、守ってみせるであります!!!」
鳳翔「……はい……!」
ブブッ
乙提督「秋津洲殿!! 準備はできているでありますか!!」
~鎮守府近海~
秋津洲「おおっ! ようやくお声がかかったかも!!」
秋津洲「もっちろん準備万端かも!! 大艇ちゃんも、カタリナちゃんも、早く飛びたがってるかも!!」
乙提督《承知した! では連絡していたとおり、両機を上空に上げ、索敵を開始するであります!!》
乙提督《近海から『無人島へ向かっている船舶』を発見次第報告を!! 合計10隻であります!!》
秋津洲「オッケー!! よーし、二人とも、いっけーっ!!」
ブゥゥゥゥゥン
ブゥゥゥゥゥン
秋津洲「……今のところは、無人島方面へ向かってる船は……」
秋津洲「!!、提督、早速見つけたかも!! うわぁ、みんな銃を持ってるよぉ!」
乙提督《承知した!! こちらから他部隊に作戦を伝える!!》
~無人島へ向かう船舶内~
暗部隊「……おい。会計部長からの無線で、変な声が響いてるんだが」
暗部隊「は?」
暗部隊「すげえ、悲鳴みたいに聞こえるんだけど」
暗部隊「もしかしてしくじったか? いや、まさかな」
暗部隊「まあいい。今は放っておけ。我々はどちらにしろ、交渉を決裂させれば良いだけのこと」
ボボボボボボ
暗部隊「……なあ、すげえスピードで近づいて来る船があるんだが」
暗部隊「あ? オレらのクルーザーは70キロ出てるぞ。追いつく船なんかある訳……」
江風「ちーっす」
大潮「こんちわー」
暗部隊「か、艦娘!!?」
暗部隊「な、なんでこいつらこんなスピードの船に!!」
江風「おうおう! 秋津洲の姉貴の改修能力をなめンじゃねーぜ!!!」
大潮「大潮!! こんな大発!! 初めてです!!!」
暗部隊「こ、こちらのクルーザーが抜かれた!?」
暗部隊「ええい、そんなこたぁいい! さっさと奴らを銃で殺せ!!!」
江風「よいしょっと」【装備:WG42】
暗部隊「な……!」
大潮「これぶっ放して、船を止めればいいんだよね?」【装備:WG42】
江風「ああ。足止めさえすりゃいいってさ。こいつらの回収は、溺れた後でいいんだと」
暗部隊「ま、待てっ!! 話し合おうっ!!」
江風「え? なンか言った?」ドォォォン
暗部隊「撃つなってぇぇええええええ!!!」
~前線基地内~
龍驤《あかんっ! うちの流星もやられた!!》
グラーフ《ちっ。ジュンヨウ! 敵対空砲撃が来るぞ!!》
隼鷹《うおおマジだ! ボンッ く、すまんあたしの天山もやられた!!》
大鳳《提督っ!! 敵艦に、防衛ラインを突破されました!!》
甲提督「くっ……! 明石、夕張!! 『あれ』の完成は!?」
夕張《こちら整備室! もう少しです! もう少しなのに……!》
ドォン
明石《わぁあっ!? 爆発!? 提督、前線基地も敵に攻撃されてますよぉ!!》
甲提督「……!」
金剛《防衛ラインは絶対に突破させないネー!! ドォン!! シット!!》
比叡《金剛お姉 ドォン!! わっあああっ!!》
甲提督「どうした! 何があった!?」
大和《戦艦部隊、体を張り敵の進行を食い止めます!!》
霧島《我々にはもう弾薬はありません!! ですが、敵の標的になることくらいなら……!》
甲提督「何を言っている!!? そんな馬鹿な真似はやめろ!! 戦艦部隊は後退せよ!!」
武蔵《……だが、他に手はない》
アイオワ《日本の戦艦と共に沈む。そういうのも、いいカモね!!》
甲提督「ダメだ!! 絶対に一艦の被害も出さん!! 君らは後退せよ!!」
ローマ《提督。……作戦はあるの……?》
甲提督(考えろ……考えろ……!)
甲提督「…………ある!!」
甲提督「船に乗った俺が拡声器を使い、敵の目を、俺の方へ向ける」
ビスマルク《大した作戦ね……。しかし、そんな命令受ける訳にいかないわ!! 貴方に危険が及ぶじゃない!!》
甲提督「勝算はある。航空戦艦、航巡、残りの瑞雲を全て飛ばし、俺の船を撹乱してくれ!!」
伊勢《ええ……? いいのかなぁ、それってば》
利根《しかしやるしかなかろう!! でもそれも、長くは持たんぞ提督ぅ!!》
甲提督「分かっている! 1分で外へ出る! 待っててくれ!!」
大鳳《提督……》
甲提督「!」
大鳳《……》
甲提督「大丈夫だ、大鳳。俺は死なん!!」
大鳳《はい……》
甲提督「戦艦、重巡部隊!! 敵から砲撃を受けぬ場所へ後退した後に、観測機をこちらの船へ飛ばしてくれ、撹乱させる機は多く必要だ!!」
羽黒《了解です!!》
那智《提督貴様、死んだら許さんぞ!!》
甲提督「ああ! 明石、夕張!! 完成したら俺に知らせろ!! しかし、敵の砲撃が基地へ続くようなら君らも撤退するんだ!」
明石《……なにいってんですか! ここまで来たら、やるっきゃないでしょ!!》
夕張《後で感想聞かせてくださいよ!!》
甲提督「……了解だ!! 互いに幸運を!!」
~無人島 小屋内~
丙提督「……赤城さん」
中枢棲姫「……」
赤城「フーッ……フーッ……!!」
防空棲姫「……おお、怖い怖い」
丙提督「弓と矢を、下ろすんだ」
赤城「うう……っ……!!」ギリギリ
中枢棲姫「……防空。貴様……」
防空棲姫「なんだ? 私は赤城に耳打ちをしただけだぞ」
中枢棲姫「……何を話した」
防空棲姫「さぁ。しかし、重要なのはそこではないのではないか?」
中枢棲姫「……」
防空棲姫「ここは和平交渉の場だ。なのに赤城は、私に『矢を射ようと』している。これがどういうことか分かるか?」
中枢棲姫「黙れ。貴様が行動を起こさねば、こやつは弓を引くこともなかっただろう」
防空棲姫「何故そう言える? 私が例え『何を言ったとしても』赤城はここで弓を引く『覚悟』があったということだ。私達を殺す意思があったということだ」
赤城「ぐ……ううっ……!!」
丙提督「赤城さん。……大丈夫。弓と矢を、僕に、渡して」
防空棲姫「黙れ人間!!! この艦娘は私を殺そうとしているのが見て分からんか!!」
中枢棲姫「お前が彼女の逆鱗に触れることを行ったのだろう」
防空棲姫「だ・か・ら。そうだったとしても、こちらを殺そうとする意思には違いないだろう。和平を望む場で、そのような行為が許されるのか?」
中枢棲姫「……」
赤城「わ、私は……! 私はっ!!」
丙提督「大丈夫。貴方が何もなしに、そんなことをするとは思えない」
丙提督「和平交渉もうまく進んでいる。だから、僕を信じて、弓を下ろして。ほら、涙も拭くんだ」
赤城「う……!」
中枢棲姫「ん……?」ピクッ
防空棲姫「どうした、姫」
中枢棲姫「……艦娘を感知した。ここより、南方30キロメートル沖」
丙提督「!」
防空棲姫「ふはっ」
中枢棲姫「数は……。どんどん増えているな。5隻、10隻……。ゆっくりとだが、こちらに向かっている」
防空棲姫「やはり罠だったのだ!!!」
防空棲姫「姫!! 一刻も早くこいつらを殺し、海に戻るぞ!! こいつらは人の皮を被ったただの暗殺者だ!!」
中枢棲姫「……」
丙提督「聞いてくれ。これには訳がある」
防空棲姫「聞く必要はない。ふふっ、我らの感知能力を甘く見たな。貴様を殺して交渉は終わりだ」
防空棲姫「赤城が今にも矢を放つかもしれん。姫、指示をくれ、私がこやつらを血の海にしてやる」
中枢棲姫「……」
~鎮守府 応接間~
秋津洲《提督ぅ! どんどん船が沈没していってるかも!! さすが私の大発かも!!》
乙提督「ああ、そうでありますな! 秋津洲殿の、努力のおかげであります!」
ブブッ
大潮《司令官! 大潮と江風組です!》
大潮《こちら、5隻の船舶をロケットランチャーで仕留めました!!》
乙提督「よくやったであります!! け、怪我はないでありますか!?」
大潮《もっちろん!! アゲアゲです!!》
乙提督「良かった……!」
鳳翔「……ふふっ」
ブブッ
睦月《提督! 睦月、如月組も、頑張ったにゃしぃ!!》
如月《うふふ。もう睦月ちゃんったら……。司令官、こっちは4隻を沈めたわ。人間さんは、無・事・よ♡》
乙提督「さすがであります!! 人間さんは、そのまま放置で構わぬであります!! 衰弱したところで回収作業とするであります!!」
如月《りょ・う・か・い♡ うふん♡》
睦月《およよ? まだ船舶ってあるのかなぁ?》
乙提督「ん?」
睦月《無人島近くへ向かう、小さーい水飛沫が見えるけど……》
乙提督「ま、待つであります。えーっと、大潮ペアが5隻、睦月ペアが4隻でありますから……」
鳳翔「まずいです。1隻取り逃がしています!」
乙提督「!、睦月! そこから見える船舶を、追うことはできるでありますか!?」
睦月《えええ!? ど、どうかなぁ。結構離れてるけど……》
乙提督「急ぐであります! 1隻も無人島へ近づけてはならないであります!!」
~無人島 小屋内~
中枢棲姫「弁を述べろ。テイトクとやら」
防空棲姫「なっ……!」
丙提督「……ありがとう」
防空棲姫「何故だ姫!! こいつは交渉の条件を裏切ったのだぞ!!!」
中枢棲姫「厳密に言えば裏切ってはいない。『協議の間4名以外の者が現れた瞬間に裏切り行為と認める』と、指示している」
防空棲姫「しかし!! 赤城はまだ弓をおさめない!!」
赤城「う……!」ギリッ
中枢棲姫「それはお前への怨恨からだ防空。人間に恨みを持つお前の意見も分からんではないが、今は冷静になれ」
防空棲姫「くっ……!」
丙提督「では、説明する。何故艦娘が君に感知されたか。それは、中枢泊地付近の前線基地で『過激派』と思われる深海棲艦の進行を、艦娘の別部隊が引き留めていたからだ」
中枢棲姫「……なんだと?」
丙提督「五百以上の深海棲艦部隊が、今この無人島へ向かっている。……僕等も最初は、この艦隊が君達の罠だと思った。僕達を殺すためのね」
丙提督「でもここへ来るまで。君の意見を聞くまで確定しなかった。だから僕達は、君達の条件を守るため、五百の深海棲艦を『一体も撃沈すること』もせず、引き留めることしかできなかったんだ」
中枢棲姫「つまり、今、お前らの別部隊の艦娘は。――――我々が過激派と呼ぶ深海棲艦と戦っていると?」
丙提督「その通りだ」
中枢棲姫「我らが指定した『中枢泊地近海にて、我らの仲間が撃沈させるな』という命を、今も守りつつ戦っているというのか」
丙提督「ああ。だから『過激派と呼ばれる深海棲艦も撃沈してはならない』という条件も、守っている」
中枢棲姫「……にわかには信じ難い話だな。それでは貴様らの別部隊は、ただ攻撃を受けるだけで、全滅するではないか」
丙提督「いや、しない。それどころか一隻の轟沈艦も出さないはずだ。何故なら、僕よりも指揮能力が優れた『違う提督』が、命を賭け艦隊を指揮しているからだ」
中枢棲姫「……」
丙提督「しかし。君の感知に艦娘が引っかかったのなら、防衛ラインを突破されたということ。従って、後退をせざる得ない状況になったということ」
丙提督「交渉を急がせるつもりはない。しかし……!」
丙提督「この意見を本物であると、信じてもらうしかない。このままでは、別部隊の艦娘は全滅する……!」
中枢棲姫「……」
中枢棲姫「……お前の目は。あのオンナテイトクにそっくりだ」
丙提督「!」
中枢棲姫「裏切りの目などしていない。真っ直ぐ未来を見る眼。私はその目が、好きだった。彼女と語り合った理想は、今も胸に覚えている」
丙提督「姉に、会ったことがあったのか!」
中枢棲姫「やはり貴様、奴の身内だったか。ああ、交渉場を約束する前に、一度だけ会ったことがある。ふふ……とんだ阿呆でな。艦娘を一人もよこさず、我らの元へ無防備にやって来たのだ。船に乗って一人でな」
中枢棲姫「奴の目は本気だった。言葉に嘘偽りもなかった。だから今日まで、本当に奴が我らを裏切ったのかどうか、ずっと疑問だったのだ」
丙提督「……」
中枢棲姫「……だが今日確信した。貴様の言葉、条件、心意気。それだけで十分だ。貴様の姉は、誰よりも我らと、和解を求めていた第一人者だったのだな」
丙提督「う……!」
中枢棲姫「今になって分かった。私の判断はやはり、間違っていなかっ――――」
防空棲姫「嘘だっ!!!」バッ
丙提督「っ!?」
中枢棲姫「防空……!?」
防空棲姫「動くな人間。動けばお前の喉を掻っ切る」
赤城「そ、その刃を下ろしなさい!!!」バッ
防空棲姫「ふ、ふふっ。赤城よ。貴様こそ弓と矢を置け。もっとも、そんな震えた手では、矢も射えぬだろうがな」
赤城「く……!」ブルブル
防空棲姫「怪我か? 精神を病んだか? お前のような攻撃力のない艦娘が交渉場に来るとはな」
中枢棲姫「防空。私を怒らせるな。……刃をおさめろ」
防空棲姫「姫!! あんたは騙されてるんだ!! あのオンナテイトクは裏切り者だ!!!」
中枢棲姫「いや。彼女は裏切り者ではなかった。憎むべきはカイグンの和平を良く思わぬ連中だ」
防空棲姫「違う!!! こいつらは私達を信じ込ませてはめようとしているんだ!! 私があのオンナテイトクを信じたように!!!」
丙提督「……君も……?」
防空棲姫「貴様が喋るたびに虫唾が走る……! あのオンナを思い出してしまう!」
中枢棲姫「……提督とやら。そのオンナテイトクと、誰よりも親しくなったのは、ここにいる防空なのだ」
丙提督「え……」
防空棲姫「奴は私達を騙し!! 殺そうとした!! それに間違いはないんだ!!」
丙提督「で、でも、それは……」
中枢棲姫「防空はどうしてもオンナテイトクが我らを裏切ったと信じられなくてな。……交渉場へ一人趣き、暗殺部隊に返り討ちにされたのだ」
中枢棲姫「幸い、撃沈は間逃れたものの、自身は撃沈寸前の損害を受けた」
防空棲姫「そうだ!! 人間を信頼等してはならない!! 私は心にそう誓ったのだ!!!」
防空棲姫「貴様を殺し、貴様の姉の名残も、5年前にいた提督とやらの信頼も、全て消し去ってやる!!!」
赤城「……!」ピクッ
丙提督「……防空さん。信じてください。姉は、軍に殺されたのです」
丙提督「貴方を裏切るつもりなどなかった」
防空棲姫「うるさい! うるさいうるさい!! 黙れ黙れ!!!」
防空棲姫「貴様はここで殺す!!!! これは揺るがない!!! 我らと人間に、和平など必要ない!!!」
中枢棲姫「……!」
中枢棲姫「赤城、貴様。震えが……」
赤城「……」ギイイッ
赤城「私は、守ります」
赤城「この命を捨ててでも。彼を、全てを。守ります」
丙提督「あ、赤城さん、ダメだ!」
赤城「……提督。私を、信じて」
丙提督「え……」
防空棲姫「赤城ィ!! 射れるものなら射ってみろ!!! その瞬間、この人間の首が飛ぶぞ!!!」
赤城「防空さん。私は、射る」
赤城「全てを。貴方を含めて全てを――――救うために」
防空棲姫「うぁあぁあぁああああああっ!!!」
ピシュッ トンッ!!!
赤城「……」
丙提督「あ……!」
中枢棲姫「……赤城……!」
防空棲姫「……キサマッ……!」
丙提督「小屋の壁に……」
丙提督「射った……?」
「ぎゃぁぁああぁぁあぁああっ!!!」
中枢棲姫「!」
防空棲姫「外から、悲鳴が……」
赤城「……はぁ……はぁ……」
丙提督「まさか」
赤城「……そうです」
赤城「小屋の外で『人間』が、殺意を持って立っていることを感じました」
中枢棲姫「防空! 確認しろ!!」
防空棲姫「あ、ああっ!」
ガチャ
暗部隊「ひ、ひいぃぃいっ!!」
防空棲姫「……!」
暗部隊「深海棲艦だっ!! 暗殺は失敗っ!! 皆、退避せよっ!!!」
防空棲姫「貴様ら……!」
中枢棲姫「防空! 報告しろ! 何があった!」
防空棲姫「……人間どもの暗殺部隊が、外へ4人いた。一人は赤城の矢で、肩を射抜かれていた」
中枢棲姫「何故……私が感知できなかった」
丙提督「お、恐らくだが。奴らは会計部の人間は新型兵器の開発を行っていた。多分、新型の不感知スーツをつけていたのかと」
中枢棲姫「……これは、聞くまでもないが。赤城」
赤城「……はい」
中枢棲姫「そなたは私達を。守ってくれたのか」
赤城「……そう……です……」
赤城「提督を含め。皆を守り。救ってあげたいと思ったから……」
中枢棲姫「……」
丙提督「赤城さん……!」
赤城「もう二度と。私の前で、誰も死なせない」
赤城「今度こそ私は、守り切ると」
赤城「そう、決心したのです。……震えは、自然に、おさまりました」
防空棲姫「……姫」
中枢棲姫「なんだ」
防空棲姫「私は逃げた連中を追う。後のことは任せて良いか」
中枢棲姫「……ああ。ではお前も『彼らを認める』ということだな?」
防空棲姫「……」
防空棲姫「完全に信頼した訳ではない。だが、赤城は私を救ってくれた」
赤城「……」
防空棲姫「赤城……。お前のことを逆撫でするような嘘をつき、すまなかった。5年前にお前らの鎮守府を襲ったのは『過激派』の連中だ」
赤城「……もう、いいのです」
赤城「私達はお互いに、全員、心に傷を持っていた。復讐者しかいなかった」
赤城「でも今日。その全員で、憎しみを生むぬ道を、誕生させたのです。憎むことはもう、必要ありません」
防空棲姫「……ああ。そうだな」
丙提督「……でも、信じてくれるのか? 結果的にだが、交渉場に人間の暗殺部隊が来てしまった。僕達は……君達の指示を守れなかった」
中枢棲姫「ふん。最初からあのような無謀な指示を、貴様らが守り抜けるとは思っておらぬ」
中枢棲姫「例え無謀な指示でも『約束を守り切ろうとする貴様らの意思』が見たかったのだ」
丙提督「……では……」
中枢棲姫「ああ。さっさとその誓約書をよこせ。……次こそは『平和の約束』を守れ。人間」
中枢棲姫「……いや、違うな」
中枢棲姫「世界で一番勇敢な『姉』を持ち、その意思を貫き通した弟よ」
丙提督「……!」
丙提督「……ありがどう……っ!」
赤城「あ、すみません。防空さん?」
防空棲姫「なんだ」
赤城「で、できればでいいんですが……その。い、生け捕りにしてあげてくださいね」
防空棲姫「……承知した。生涯拷問する用だな?」
赤城「ちがーう!!」
~無人島 南方10キロ沖~
ツ級「ツァ!! ツァ!!」
ボン ボボン
扶桑「うっ! 私の瑞雲も……ここまでね……!」
ザラ「観測機もやられた……!」
榛名「じゃあまさか!」
金剛「提督の船を守れる艦載機が……なくなってしまったデース!?」
大鳳(待っていて提督。貴方は私の命をかえても守って見せる!!)
ヲ級「ククク……!」
レ級「フハハハ! ニゲレルモノナラニゲテミロ!」
ドォン ドォン
甲提督「くそっ……!」
ブルルルル プスン
甲提督(船の燃料切れ!?)
甲提督「ち……」
甲提督(俺の命運も、ここまでか……)
バシャッ
レ級elite「……ヨウ。テイトク」
甲提督「お前が……敵艦隊の旗艦か」
レ級elite「ソウダ。モウ、オマエ、ニゲナイノカ?」
甲提督「燃料が切れてしまった。ゲームオーバーだ」
レ級elite「フーン。ヒサビサニタノシカッタノニナ」
甲提督「……頼みがある。こちらからはお前の艦隊に、一度も攻撃を当てなかった。オレは殺されても良い。艦娘は見逃してやってくれないか」
レ級elite「ヤダ。ダッテ、ニンゲンヤ、カンムスコロスノ、タノシイモン」
甲提督「……外道め」
レ級elite「チンジュフッテノヲ、バクゲキシタノモ、タノシカッタナァ」
甲提督「そうか。お前が5年前の、首謀者か」
レ級elite「シュボウシャ、ッテ、ナンダ?」
甲提督「……」
甲提督「お前が、先生を……!」
レ級elite「??、アハハ。マァイーヤ」
レ級elite「オマエムカツク。シネ」
甲提督(――――――大鳳、すまない)
甲提督(先生、今そっちに――――)
ガシッ
中枢棲姫「久しぶりだな、レ級」
レ級elite「!!? オ、オマエ、チュウスウ!?」
甲提督「!?」
中枢棲姫「我のいない海で、好き勝手暴れてくれたな。この機を見逃すと思ったか」
レ級elite「ナ、ナンデ!? オマエ、ムジントウニ、イタハズジャ……!」
中枢棲姫「我ら深海棲艦は、人間と和解した。もう戦いは必要ない。この銃口をおさめよ」
レ級elite「イ、イヤダ」
中枢棲姫「……ほう」
中枢棲姫「貴様、この広大な海を支配する私に」
中枢棲姫「楯突くと言うのだな……?」ゴゴゴゴゴ
レ級elite「ハ、ハナセヨッッ」バッ
大鳳「提督ぅうーーーっ!!!」
甲提督「!、大鳳!」
大鳳「ちゅ、中枢棲姫に、レ級elite!? あなた、そこから離れて!!」
甲提督「い、いや、待て!!」
レ級elite「ニンゲント、ワカイッテナンダヨ!! コイツラコロスト、オモシロイジャン!!」
中枢棲姫「……貴様の発言には品位がない。深海棲艦の誇りすら忘れたか」
レ級elite「ケッ! エラソーニイイヤガッテ!! イツモオマエニハ、ムカツイテタンダ!!」
レ級elite「ココデ、コロシテヤルヨ。オマエモ、ボウクウモ!! コッチニハ、500ノ、カンタイガイルノダ!!」
中枢棲姫「ほう……面白い」
バシャッ バシャッ バシャッ バシャッ
リコリス棲姫「……」
駆逐古鬼「……」
重巡棲姫「……」
集積地棲姫「……」
潜水棲姫「……」
水母棲姫「……」
泊地水鬼「……」
港湾水鬼「……」
北方棲姫「ぽっ!」
中間棲姫「……」
レ級elite「ハ……!? ハァ!? オマエラ、ドコカラ……!!?」
中枢棲姫「500の艦隊か。まぁ、この面子なら十分もかからず殲滅してやろう」
レ級elite「マ、マテヨ!! マテッテ!! コンナノキイテナイ!!!」
ブブッ
甲提督「船の無線? こちら、提督だ!」
丙提督《提督。こちら、無人島交渉組です! 僕と赤城さんも無事です!!》
丙提督《そして、全艦隊へ、伝達をお願いします》
丙提督《フタヒトサンマルを持って、人類は深海棲艦と和解が成立!!!!!》
丙提督《中枢棲姫から、誓約書へのサインを、頂きました!!!!》
大鳳「え……」
甲提督「……」
甲提督「よくやってくれた!!!!」
ブブッ
乙提督《提督殿!! こちら、鎮守府であります!!!》
乙提督《鳳翔殿や川内型の活躍もあり、和平を望まぬ海軍会計部の連中を、拘束!!!》
乙提督《会計部が秘密裏にしていた内容も、全て明らかになったであります!! マスコミもその事実を掴んだため、某らが暗殺される危険もなし!!!》
甲提督「……! 大義であった!!」
乙提督《某は……! いえ、無線で言うことではありませぬ!! とにかく、貴官の帰投を心待ちにしております!!!》
甲提督「ああ! もう少し、待っていてくれ!!」
ブブッ
明石《そしてそしてぇー!!》
夕張《提督、遅くなってごめんなさい!!!》
夕張《あ・れ。完成しましたーっ!!!》
甲提督「……君らにも……苦労をかけた!」
明石《ああっ。もしかしてもしかして、遅すぎました!?》
甲提督「いや」
甲提督「ベスト・タイミングだ」
中枢棲姫「……おい、人間。巻き添えを食うぞ。さっさとここから逃げろ」
甲提督「ありがとう。うちの代表は、どうだった?」
中枢棲姫「まあ。悪くはなかった。姉そっくりだ」
甲提督「……そうか。姉と同期だった俺にとって、それは最大の賞賛だ」
中枢棲姫「ふん」
甲提督「最後に一つ確認させてくれ。この五百の艦隊は、君達が戦うのか?」
中枢棲姫「……そうだ。逃げる者は放っておく。それ以外は人類と深海棲艦の和平を拒む者、そして『殺しを生きがいにしている連中』とみなす」
甲提督「分かった。では、こちら側も君達に協力する」
中枢棲姫「今まで攻撃せずに防御に徹していたのだろう。さっさと帰投した方が良いのではないか?」
甲提督「昔から、やられっぱなしってのは性に合わなくてね。特にうちの『空母』は」
甲提督「それに、君達にとっても戦いやすい環境を用意した」
中枢棲姫「環境? ふっ、まぁ良い。こちらはこちらの戦い方でやつらを仕留めさせてもらう」
甲提督「了解した。敵部隊は既に捕捉してある。彼らをこれから『多大な光』で覆う。それが攻撃対象だ」
中枢棲姫「……最初で最後の、人間と深海棲艦の共闘ということか」
甲提督「こういう展開、燃えるだろ?」
中枢棲姫「……悪くはない。久しく、暴れてなかったのでな」
甲提督「では、戦いの後、また会おう」
中枢棲姫「ああ」
大鳳「あなた。もしかして『あれ』って……」
甲提督「ああ」
甲提督「最後の戦いが真夜中じゃ、暁が見えない。それじゃ格好がつかないじゃないか」
大鳳「……ふふっ」
甲提督「艦攻は使い果たしたが、艦爆は残っている。船に乗りながら指示したが、全空母は積載済みか?」
大鳳「ええ。もちろん。貴方が船で、敵を引きつけてくれたおかげでね」
甲提督「よし。明石!! 夕張!! 前線基地へ取り付けた『96式150cm探照灯』50セット、『大型探照灯』50セットを敵に照射せよ!!!」
明石《あいあいーっ!!》
夕張《待ってましたぁ!!!》
パパパパパパパパパパパパッ
甲提督「同時に照明弾、1000セットを敵500艦隊へ向け同時発射!! てーーーっ!!!」
明石《ひゃー!! 金が飛ぶぅーーーっ!!!》
夕張《これは、マジで後で感想、聞かせてくださいっっ!!》
ドンドンドンドンドンドンドンドン
大鳳「わあっ!! とっても明るいわ!! 敵が丸見えよ!」
甲提督「……さあ、我らが空母部隊」
甲提督「準備は出来ているか?」
加賀《ええ。もちろん》
蒼龍《万事準備オッケーですよっ!! 提督っ!!》
飛龍《っしゃーんなろー!!! 多聞丸見てろ!! あたしの最後の晴れ舞台!!》
瑞鶴《よっくもやってくれたわね!! アウトレンジで超爆撃よ!!!》
翔鶴《提督。いつでもご指示を。大鳳さんは提督を側で守ってあげてください》
雲龍《これだけの光があれば逃がさないわ。雲龍、突撃します》
天城《提督、天城、今なら十分活躍できます!》
葛城《瑞鶴先輩と一緒なら、何も怖くありません!!!》
グラーフ《夜戦空母の力、とくと見るが良い。Intensive Erosを見せてやろう!!!》
龍驤《艦載機のみんなぁ!! 最後のお仕事お仕事ぉ!!》
瑞鳳《正規空母にだって負けないんだから!! やってやりゅう!!!!》
隼鷹《ヒャッハー!!! 早く終わらして祝杯だぁあああ!!!》
千歳《鎮守府にいる軽空母の分も、発艦します!!!》
千代田《いつでもいいわよっ!! 提督っ!!!》
甲提督「――――よし」
甲提督「全空母部隊、既に捕捉している敵艦へ向け、爆撃開始!!!!」
甲提督「作り物の光だとしても気にするな!! 我々の正義は揺るがない!!!! 我々の平和は、今この時より始まる!!!!」
甲提督「光輝く暁の水平線に、勝利を刻むのだ!!!!!」
※本日はここまでです。
誤字脱字、多くてすみません。
もう少しだけ続きますので、最後までお付き合い頂けますと、幸いです。
皆様コメントありがとうございますー!
続きます!
こうして、鎮守府における一世一代の和平交渉は成功に終わった。
レ級eliteを旗艦とする深海棲艦部隊は探照灯の光、そして中枢を統治する姫らの圧力に怯え大半は逃走。
反抗する深海棲艦のみ撃沈対象とされ、勝負は1時間もかからぬ内に決着した。
深夜にも関わらず、業務上横領や不正金銭利用の情報リークにより、携わっていた海軍(主に会計部)は全て憲兵にて摘発される。
翌日までには軍の2割以上の人員が拘束され、同日中に最高位である元帥は退官を表明。
海軍の上層部、幹部が一斉に入れ替わるという異例の事態となった。
鎮守府最高指揮官である甲提督、補佐役である乙提督、丙提督は表彰を受け、階級も躍進。
乙提督に関しては、録音された声明もあり『会計部に操られていたもの』と認められ、懲罰等はなかった。
全艦娘に対しても「和平功労」の称号が与えられ、彼女達の身の安全は保障された。
また影の功労者である総務部副主任の彼も、その身は無事だった。
国会は深海棲艦との和平を認め、交渉も滞りなく進み、彼女達にも地上での生活権が与えられた。
人間側としても中枢海を含む大規模な海への航海が自由となった。
未だ全世界の海域で和解が行われた訳ではないものの、少しずつ、人類と深海棲艦は平和の道を歩き出す。
そして――――和平交渉から10日後。
【9:00】
大鳳:空母の皆様、おはようございます~!
大鳳:皆様、起きておられますか?
赤城:おはよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!
加賀:おはよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!
ソウ☆リュウ:お・き・て・りゅ
ヒ☆リュウ:よぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!
大鳳:wwwwwwwwwwww
赤城:大鳳さん
赤城:おはよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!
加賀:はるとおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!
大鳳:なんでそんなテンションMAXなんですかwww
ソウ☆リュウ:だって平和になったじゃん!!!!!
ヒ☆リュウ:毎日これくらいのテンションじゃないとやってらんないよ!!!!
大鳳:いやさすがにもう10日たちましたしw
赤城:大鳳さん
赤城:おはよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!
加賀:おはよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!
大鳳:いやだからもういいですからwww 分かりましたからwww
赤城:いやー、平和になりましたねえ
加賀:さすがに気分がほわほわします
大鳳:ほわほわってw
ソウ☆リュウ:とはいっても、まだまだやることいっぱいあるんですけどね
ヒ☆リュウ:深海棲艦が地上に上がって来た時、対応するのってあたしたち艦娘だし
ヒ☆リュウ:過激派だかなんだか知らないけど、そいつらの捜索もあるし
ソウ☆リュウ:結局は出撃がなくなったくらいで、逆にやること増えてね? って感じだよね
大鳳:ふふふ。でも、もう
大鳳:撃沈される心配は、ありません
ソウ☆リュウ:まあ、ねー
ずいずい:ちーっす
翔鶴:おはようございますー
大鳳:瑞鶴さん、翔鶴さん、おはようございます
赤城:おはよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!
加賀:おはよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!
大鳳:いやだからもういいですってwww
ずいずい:相変わらず元気ですねえ、一航戦のお二人はw
翔鶴:元気でるわよね。このテンションw
赤城:エンニョイ!!! 音楽は鳴り続ける!!!
加賀:エンニョイ!!! 届けたい 胸の鼓動!!!
赤城:あいこっこーろおどるあんにょーるわかす だんっ だんっ だんっ
加賀:うぇうぃごー
ずいずい:なんでココロオドルwwwwww
翔鶴:せめて英語部分ちゃんと歌ってくれませんかw
赤オワ:もしかして
赤オワ:あかオワが、モストバレーボール?
加オワ:リアリー!?
赤オワ:サンクス!!! ちっ(舌打ち)
ずいずい:アイオワのMVPボイスやめろやwwwwww
翔鶴:舌打ちじゃありませんってあれwww
ヒ☆リュウ:あれでも絶対バレーボールって言ってるよね!!!
ソウ☆リュウ:いやヴァリュアブルだから
RJ:おはよーさん。一航戦相変わらずやなぁ
赤城:龍驤さん
赤城:おはよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!
加賀:おはよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!
RJ:うるせえよw ログ見たわw そろそろやめろやw
卵焼き☆マスター:おはようです。卵焼きは?
赤城:食べりゅううううううううううううううううううううううううううううう!!!!
加賀:ハルトおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!
卵焼き☆マスター:ここまで言ってくれると気持ち良いねw
RJ:加賀おまえさりげなくハルト言うなwww
秋津洲かも:おはようかも!!
秋津洲かも:今日もみんな、元気かも?
赤城:……
加賀:……
ソウ☆リュウ:……
ヒ☆リュウ:……
秋津洲かも:ええええええ……
ずいずい:おう秋津洲いじめやめろやwww
翔鶴:秋津洲さん、今回の件で一番の功労者ですよwww
RJ:ほんまでも、頑張ったよなぁあんた
秋津洲かも:えへへー。これが本当の秋津洲の実力かも!!!
赤城:秋津洲さん
秋津洲かも:ん?
赤城:しゅごいいいいいぃいぃいぃぃいぃぃいいいいい!!!!!
加賀:しゅごいのぉぉぉおおおおお!!!! あきあきしゅごいのぉおぉぉおぉおぉおお!!!!
ソウ☆リュウ:らめぇえぇええぇえええええイグのぉぉおおおぉおおおおお!!!!
ヒ☆リュウ:あきあきイッチャうのぉおぉおぉぉぉおおぉおおおお!!!!!
秋津洲かも:全然凄いと思われてない気がするかも……!!!
お母さん:みんな
お母さん:おはよう
赤城:おはようございます
加賀:おはようございます
ソウ☆リュウ:おはようございます
ヒ☆リュウ:おはようございます
RJ:おいwww
大鳳:鳳翔さんにはやらないんですかwww
ずいずい:わかりやすい人達だなぁ
お母さん:あの
お母さん:わたしにも、あれ
お母さん:やってほしい
赤城:おはよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!
加賀:おはよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!
ソウ☆リュウ:おはよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!
ヒ☆リュウ:おはよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!
卵焼き☆マスター:素直すぎるwww
翔鶴:さすが空母のお母さんw
お母さん:ありがとう(笑)
Graf:ドイツのぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!
Graf:おはようはぁああああああああああああああああああああ!!!!
赤城:おはよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!
加賀:おはよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!
ずいずい:日本語じゃねえかw
翔鶴:もうなにこのテンションw
Graf:清々しい朝だな、こんな日はやはり
Graf:おはよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!
大鳳:wwwwwwww
RJ:グラ子おまえほんまボケ役になったなw
卵焼き☆マスター:最近グラちゃんのLINEツボるんだけどwww
瑞葛城:おはよーござーまーす
♪天城♪:おはようございます
雲龍:おはようです
お母さん:みんな、おはよう
ずいずい:雲龍型も揃ったか
赤城:皆さんおはようです~
大鳳:今日皆さんのテンション高いのは、やっぱりあれでしょうか
大鳳:『和平交渉お疲れ様でした祝勝会』があるからでしょうかw
ソウ☆リュウ:まあ、それもあるw
ヒ☆リュウ:3時からだったっけ? 第一宴会場だったよね?
大鳳:ですです
ずいずい:葛城あんた、一発芸ね
瑞葛城:瑞鶴先輩にキスすれば良いですか?
ずいずい:ほんまにしたらガチで殴る
♪天城♪:私昔、あれやったことあるんですけど・・・地獄ですよw
雲龍:春雨ちゃんと出てたよね
加賀:正直、あの時はあまり笑えませんでした
赤城:加賀さん直球w
RJ:んで、今日は皆休みなん? 午前予定あるやつおるん?
大鳳:今日は、艦娘は全員お休みですよー
翔鶴:大鳳さんはデートとか行かないんですか?
大鳳:ええ?w いや、無理です無理ですw 甲提督は半年先まで休みないくらいですから
ソウ☆リュウ:ひえー
Graf:深海棲艦との対談、国会への出席、海軍の立て直し、これらの責務がある訳だしな
ヒ☆リュウ:それに、今回の件の最大功労者だもんねえ
卵焼き☆マスター:それに軍で特進でしょ? もしかして元帥にもなれるんじゃないかな?
大鳳:どうなんでしょうねえ
RJ:どうなん? やっぱ寂しいん? 奥さんとしては
大鳳:まあ。あんまりゆっくりできないのは、寂しいですねw
大鳳:でも彼が今までよりも生き生きとしているので
大鳳:私も嬉しいです
赤城:これはあれですね
赤城:一発★やっちゃいたいGIRLですね
RJ:奥さんのとこ否定せんしな
大鳳:いやいやwww
ヒ☆リュウ「私の名前は?」
(一番頑張ったのは秋津洲という艦娘かも。艦娘の中でも一番かわいいと評判らしいかも)
>>435
……
皆様、暖かいコメント、ありがとうございます……!
あでも、秋津洲いじめはやめてください(笑)
寂しくなりますが、本日で、同SSは終了予定です。
どうぞ最後まで、お楽しみ頂けますと幸いです。
ずいずい:ってか大鳳さ、今日は旦那さんについてなくて良いの? めっちゃ忙しいんでしょ?
大鳳:ああ、今日は一日、艦娘とともに休んでくれと言われました
大鳳:あの人も、執務室で大事な用事があるとのことで
RJ:……怪しい
卵焼き☆マスター:怪しいね
翔鶴:いや大丈夫でしょうw あの甲提督ですよ?
ソウ☆リュウ:甘いなー、翔鶴ちゃんは
ヒ☆リュウ:男ってのぁね。浮気する生きモンなんだよ by多聞丸
大鳳:多聞丸さんそんなこと言いましたっけw
赤城:でも彼なら絶対に浮気しないでしょうねぇ
加賀:ここだけの話、あの人は大鳳さんにベタ惚れですから
大鳳:え
赤城:いつも気にしてますよ。あなたのことを
赤城:ぶっちゃけ、私が甲提督と話すときは、あなたの話題ばかりです。ケッ
RJ:ケッとかいうなやwww
卵焼き☆マスター:うわぁ。本当相思相愛だねーw
大鳳:////////
瑞葛城:いいなぁ~。これはおしどり夫婦ですわ
秋津洲かも:ラブラブかも~
♪天城♪:私達も早く、殿方を見つけないと!!
雲龍:天城はすぐできるでしょ
瑞葛城:雲龍姉私もフォローしてよ
卵焼き☆マスター:でもホント、大事な用事ってなんだろうね?
大鳳:あの人が、大事な用というので
大鳳:多分……
~提督室~
甲提督「――――何度言ったら分かるんだ。そこは艦娘の任意に任せると言っている」
甲提督「ああ。ああ。そうだ。彼女達が一番の功労者だから当然の処遇だ」
甲提督「縮小の話は理解している、だが、彼女らとて解体してすぐに普通の人間の生活ができる訳がないだろう?」
甲提督「……。なんだと? もしこれが制定されぬ場合、私が国会へ直接伺い直訴を――――」
コンコン ガチャッ
乙提督「失礼致します」
甲提督「っと。中将、少し待っててくれ。防衛庁からでな」
乙提督「ああ、いえ、お気になさらず」
甲提督「すまん」
乙提督「……」
ソウダ、アア、トリイソギジュウヨウヨウケンガデキタ、アトデハナス
チン
甲提督「ふう。ようやく頭の固い連中との電話が終わった。待たせてすまない」
乙提督「……大変そうでありますな。そのような時に、時間を作っていただき、大変恐縮であります」
甲提督「何言ってる。君のためなら、いくらでも時間を作るさ」
乙提督「……」
甲提督「それで、話とは?」
乙提督「その……これを、受け取ってほしいであります」
サッ
甲提督「……なんだこれは」
乙提督「見ての通り、辞職願であります」
甲提督「……」
乙提督「この度和平交渉が成立し、国も平和への道を歩き出しました。しかしながら、某が行っていたスパイ行動というものは、許されるものではないであります」
乙提督「結果的に提督殿の力になれたものの、某が皆を裏切っていたことは事実。この罪は拭えぬものであります」
乙提督「従って。某は軍の規定うんぬんではなく。一人の人間として、その処罰を受けるべく、軍を去らせて頂きます」
甲提督「……中将」
乙提督「はい」
甲提督「昔、テレビドラマで憧れてな。一度、やってみたかったことがあるんだ」
乙提督「はっ?」
ビリビリビリ
乙提督「!、て、提督殿! 何を!」
甲提督「……軍を去るだと? 馬鹿なことを言うな。君はこの鎮守府に居てもらわないと困る」
乙提督「し、しかしですな! それでは、部下にも世間体にも、示しがつかぬであります!」
甲提督「部下に示し? 君のことを悪く言う艦娘は『一人として』いない。世間体? そんなもの、俺が全て取っ払ってやる」
甲提督「それに、君がいなければ和平交渉は成功しなかった。君がいなければ鎮守府の被害は計り知れないものとなっていた」
甲提督「君は軍を再興させた一人者に間違いはない。そんな君が軍を去ることは、俺にとっても、艦娘にとっても、軍にとっても大損害だ。そんなことは許さん」
乙提督「そ、それは……嬉しくはあるのですが……。け、けじめとしてですな」
甲提督「じゃあ、一つ、聞かせてくれ。……君はこの鎮守府が好きか?」
乙提督「えっ……」
甲提督「……」
乙提督「……もちろんであります。某にとって、ここは、家であります」
乙提督「某が尊敬する2人の提督、そして娘のように愛くるしい艦娘達、居心地の良い居酒屋、鎮守府全体の暖かい雰囲気」
乙提督「……どれをとっても、某にとって、ここは、最高の居場所であります」
甲提督「……ああ。だが君は、それでも軍を去ると」
乙提督「っ。そ、そうで……あります」
甲提督「そうか。なら君に、処罰を与える」
乙提督「!、りょ、了解であります」
甲提督「その生涯をかけ、この鎮守府で、深海棲艦の陸上支援を行いつつ、艦娘たちの成長を見守ってくれ」
乙提督「え……」
甲提督「……実は、俺と大鳳はもうすぐ、ここを去らねばならない」
乙提督「さ、去るとは? 一体どうして……!」
甲提督「和平交渉を行った責任者として、世界の各鎮守府を回り、全海域の深海棲艦との交渉に移る。和平が成立したと言っても、まだまだ一部の海域だけだからな」
乙提督「そ、それはしかし……」
甲提督「もちろん上層部からの命もあるが、俺がそうしたいと思ったんだ。全海域の平和を取り持ちたいと」
甲提督「それに君も知っているとおり、艦娘の必要性がなくなってきた今、彼女達の多くを解体措置とし、人間に戻った後の生活を支援してあげなければならない」
乙提督「……」
甲提督「解体した後は、船としての記憶が混同する娘も出てくる。それらを支えてくれる人間も必要となる」
乙提督「……そう、ですな……」
甲提督「ああ。だから、全ての面に関しても、この鎮守府を守ってくれる存在が必要不可欠だ。これは『君にしか』頼めない」
乙提督「……」
甲提督「艦娘の皆から愛され、土壇場での指揮能力にも長け、深海棲艦との交渉にも不満がない君だからこそ、お願いできる」
甲提督「俺の生涯のお願いだ。俺や大鳳、そして先生が愛したこの鎮守府を、守ってやってくれないか」
乙提督「う……!」
乙提督「ぬうっ……うっ……!」
甲提督「……どうした?」
乙提督「……某はこれまで……無能だと罵られ、どこにも居場所がない男でした……! どこにも必要とされていなかったのであります……!」
乙提督「そして、う……嬉しいのであります……! 某が大好きなここに、居続けられると思うと……!」
甲提督「……ひとつだけ訂正させてもらおう、君程、有能な指揮官はいない」
乙提督「う、ぐっ……!」
甲提督「では、命令する! 中将!」
乙提督「はっ!!」
甲提督「君は同鎮守府の最高指揮官となり、生涯ここに居座り、近海の平和と、艦娘の未来、そして深海棲艦の未来を見届けよ!!!」
乙提督「了解であります!! 同命、某の全てを賭け、全うするであります!!!!」
甲提督「……」
乙提督「……」
甲提督「くっ、ふふふっ……くくっ……」
乙提督「ふははっ、ふはははっ!」
甲提督「すまん、笑いがな。……はっはっはっ!」
乙提督「わ、笑い過ぎでありますぞ、提督殿。某は本当に、軍を去るつもりでしたのですから、ふふっ」
甲提督「……しかし本当に、良くやってくれた。中将。この鎮守府を、頼むぞ」
乙提督「ええ。了解したであります。若き彼もいることですし、どんな困難も乗り越えてみせましょう」
甲提督「…………いや。彼は、鎮守府には残らない」
乙提督「えっ」
甲提督「……」
【AM11:00】
赤城:お腹すきました・・・
加賀:ですね
ずいずい:今日宴会だから、もうちょっと我慢しましょw
お母さん:おいしいりょうり、つくるからね
翔鶴:楽しみですー!
赤城:でも3時ですよ!! 3時!!!
赤城:3時て!!!
赤城:我慢できないであります!!!
RJ:乙提督や!
卵焼き☆マスター:あ
卵焼き☆マスター:そういえば、さっき乙提督さんに会ったよ
卵焼き☆マスター:なんか憑き物がとれたみたいにすっきりした顔してたw
お母さん:あら。なにかうれしいことでもあったのでしょうか
ヒ☆リュウ:今日は宴会で鳳翔さんの料理であります!! 楽しみであります!!!
ヒ☆リュウ:スキップであります!! スキップであります!!
ヒ☆リュウ:って感じでしょ多分
♪天城♪:あのガタイでスキップとかwww
ソウ☆リュウ:え、てか今日提督も来るの?
大鳳:いや、来ないですよw さすがに艦娘だけです
加賀:私達が想像する以上に、彼らは業務に追われていますから
ずいずい:丙提督はうまくサボってそうだよね。頭良いし
赤城:そんなことないでしょう
ずいずい:えっ
赤城:彼だって頑張っていますよ。特に、見えないところで一番苦労してます
雲龍:あれ?
瑞葛城:ん?
Graf:アカギ。貴艦は彼のことを毛嫌いしていなかったか?
赤城:え
赤城:いや、別に、嫌いではないです
ソウ☆リュウ:あれっすか
ソウ☆リュウ:異常な状況下を経験した二人は、恋に落ちやすいとかいうあれっすか
赤城:そんなんじゃないです
大鳳:(あれ? これは)
ヒ☆リュウ:赤城さんが大人しい
赤城:いや、ちょっとコメントし辛いんですよ、今
赤城:エアーマンが倒せなくて
ずいずい:ロックマンやりながらLINEしてたんすかwww
加賀:加賀はE缶だけは最後までとっておくゥーーーーーッッ!!!!
赤城:加賀さん次死んだら交代ですよ
~提督室~
コンコン ガチャ
丙提督「失礼します」
甲提督「……ああ」
丙提督「退官の準備、書類精査、押印、荷物のまとめも終わりました。一週間後までに業務の引き継ぎを行い、ここを去ります」
甲提督「……考えは、変わらないか?」
丙提督「ええ。両親との約束でしたから」
甲提督「……」
丙提督「姉が軍で亡くなったこともあり、本来親にとっては、僕を軍へ入れることさえ嫌だったことでしょう」
丙提督「自分で和平案を提案しておいて、すごく、勝手ではあるのですが……。本当に、申し訳ありません」
甲提督「……いや。君の願いならなんだって聞くさ。気にすることはない」
甲提督「長い農家生活で、ご両親も少しずつ介護が必要になってきているのだろう? ましてや愛する娘を一人亡くされたのだ。俺としても、君には出来る限り親御さんの側に居てほしいと思う」
丙提督「……ご配慮頂き、ありがとうございます。本当にすみません」
甲提督「いいさ。……まぁ、というのはただの俺の強がりだがな」
丙提督「え……」
甲提督「この際だからはっきり言っておく。君は優秀すぎる。軍としても、国家としても、君が今の立場を去るのは大きすぎる痛手だ。絶対に我々が失ってはならぬ存在だ」
丙提督「……いえ、そんな」
甲提督「謙遜しなくて良い。俺などすぐに追い抜かれ、君は海軍元帥への道をまっしぐらだったろう。だから君が軍を去ることは、どうしても止めたかった」
丙提督「……」
甲提督「しかし、とある約束もあり、俺は完全に君を止めることはできないんだ」
丙提督「……約束、ですか?」
甲提督「ああ」
サッ
甲提督「君の姉から預かっていた手紙だ。もし自分が軍に殺されたら、君に渡してくれと頼まれていた。……読んでみると良い」
丙提督「姉が……」
ササッ
甲提督「……あいつは昔から、誰よりも元気で明るい奴でな。容姿も良くて、同期の中でも太陽のような存在だった」
丙提督「……」パラ
甲提督「人の幸せばかりを願い、行動に移す。当時深海棲艦との和平を求める者が『異端』と呼ばれた時代でも、彼女は和平への意見を変えなかった。彼女の行動理念は決まって他人の幸せだった」
丙提督「……」パラ
甲提督「俺も、教官であった先生も。彼女の純粋な想いにうたれ、深海棲艦との和平を志した内の一人」
丙提督「……」パラ
甲提督「多くを語るつもりはない。だがその手紙に書いてあるとおり、君は『あの時溺れたことを後悔』しなくて良い。彼女は自らの意で、深海棲艦との和平を志した」
丙提督「……う……」パラ
甲提督「今は亡き彼女が願うことは、終わりなき平和と、全ての生物の幸せ。そして、君達家族のこと。だから、遠慮することはない。君は、姉さんの書いた内容のとおり――――」
丙提督「……ぐ……!」パラ
甲提督「――――軍を退役し。精一杯、幸せになれ」
丙提督「ううっ……!」
甲提督「……手紙は、君の幸せを願うことばかりだ。……良い姉を持ったな」
丙提督「はい……!」
甲提督「……あぁ。それと」
丙提督「?、は、はい」
甲提督「君に、確認したいことがある」
丙提督「え……」
甲提督「一年前、君は言ったな。この鎮守府で『心から笑っていない艦娘』がいると」
甲提督「その人を、幸せにしたいと」
丙提督「……はい」
甲提督「まだその気持ちは、変わっていないか?」
丙提督「……」
丙提督「もちろんです」
甲提督「分かった。その言葉だけで十分だ」
甲提督「君と彼女の幸せを、心より願っている」
丙提督「……」
甲提督「しかし、まあ。俺はまだしも、あの『連中』は一筋縄では納得しないと思うがな。……精一杯頑張れ」
丙提督「あはは……」
甲提督「……そして、たまにで良い。ここへ顔を出せ」
甲提督「その時は何よりも優先して俺も帰港する。……一緒に、姉さんの墓参りに行こう」
丙提督「はいっ!!」
【PM2:00】
赤城:あれ。加賀さん、鎮守府に総務部の車来てますよ?
加賀:え
赤城:うふふ。行かなくて良いのですか?
加賀:だから赤城さん
加賀:ここ全体窓なので
ずいずい:あーーーーーーーーーーっ!!!!
ずいずい:そうだ忘れるとこだった!!!
翔鶴:加賀先輩!!!!
翔鶴:言い逃れはできませんよ!!!!
ソウ☆リュウ:加賀さん
ソウ☆リュウ:乙wwwwwwwwwwww
ヒ☆リュウ:ねえねえ、総務部の人って誰なんですか、どんな関係なんですか!!!??
ヒ☆リュウ:加賀さぁぁあああああああああん!!!!!
加賀:いや、本当に
加賀:なんでもありません
赤城:嘘をつくなぁああああああああああああああああ!!!!
ずいずい:赤城さんwww
翔鶴:こっち側に回ってくれたwww
加賀:(´;ω;`)
赤城:ごめええぇえええええええええええええええんん!!!!
赤城:誰だ加賀さんを泣かせたやつぁあああああああああああ!!!!!!
ソウ☆リュウ:おいもう寝返ったぞ!!
ヒ☆リュウ:この機を逃すでない!! 二度とこんなチャンスはないぞ!!
【加賀 がグループから退出しました】
ずいずい:逃げたwwwww
翔鶴:加賀先輩、逃がしませんよ!!!
ソウ☆リュウ:おっしゃ、部屋いくぞ!! 加賀さんを捕獲せよ!!
ヒ☆リュウ:突撃じゃぁーーー!!!!
・・・・・・・・・・1時間後
~鎮守府 第一宴会場~
赤城「えー、どうも皆さん。艦娘代表、司会のあかぎんこです」
赤城「本日はお日柄も良く、和平交渉お疲れ様でした祝勝会にぴったりの天気でございますね」
蒼龍「イエーイ!!!」
瑞鶴「室内だから天気関係ないぞー!」
飛龍「いいぞー赤城さん!! ボケ倒せー!!」
翔鶴「先輩、もう逃がしませんからね!」
加賀「……」イライラ
赤城「あはは。ではでは、あまりお待たせしてもあれですので、皆様お手元のグラスをお持ちくださいー!」
天城「はーい!」
葛城「くそう……瑞鶴先輩の隣が良かったのに……」
雲龍「料理……美味しそう」
グラーフ「höchste。最高の品だ」
秋津洲「二式大艇ちゃん連れてくれば良かったかなぁ」
龍驤「お前らはよグラスを持てやw」
鳳翔「うふふ」
瑞鳳「持ちました~」
大鳳「赤城さーん、皆大丈夫そうです~!」
赤城「了解です!!」
赤城「はいでは皆さんご一緒に~」
赤城「和平成立おめでとう!! かんぱーーい!!」
「「「「「「かんぱーい!!」」」」」」
~提督室~
カンパーーーーイ!
キャハハハハハ
副主任「……艦娘の飲み会。盛り上がってるな」
甲提督「ああ」
副主任「混ざらなくて良いのか?」
甲提督「そんな野暮なことはしないよ。それに、今日中に終わらせないといけない執務が山積みだ」
副主任「はは、大変だな」
甲提督「お前も、来週には総務部長だろう。こっちでゆっくりする暇はあるのか?」
副主任「ない」
甲提督「ふっ、じゃあ戻れよ。俺達が海軍を再興するんだ。休んでる暇なんかないだろう」
副主任「まぁ、いいじゃないか。今日くらいは」
副主任「先生と、あいつの念願が、ようやく叶ったんだ」
甲提督「……」
副主任「30年モノを持ってきた。あいつ、シャンパン好きだったろ」サッ
甲提督「……ならオレは、先生の好きだったヘネシーを出そう」サッ
副主任「良いね」
甲提督「……ここまで。長かったな」
副主任「ああ」
トッ
甲提督「ようやく。堂々とこの写真を飾れる」
副主任「先生と俺達3人か。……懐かしいな」
甲提督「……気のせいだと思うが……。二人が、笑っている様に見えるんだ。満面の笑みでさ」
副主任「気のせいじゃないさ。俺も、そう見える」
甲提督「ふ……」
副主任「じゃあ、乾杯」
甲提督「ああ。乾杯」
・・・・・・・・・・3時間後
~鎮守府 第一宴会場~
陸奥「お姉さんのいうコト聞かないとぉ……」
陸奥「解体☆しちゃうぞ?」
不知火「……バーン!」
陸奥「お後がよろしいようで……」
アハハハハハハハ!!
イヤヨロシクネーダロ!! アハハハハハハハ!!
赤城「はいー! 皆さんのリクエストに応えて漫才を行って頂いた、陸奥さん&不知火さんでした~、拍手!!」
パチパチパチパチ
赤城「さあ! 盛り上がってるところですが、そろそろ時間も迫って参りました」
赤城「始まりがあるものは終わりもあります。大変、申し訳ないのですが……」
赤城「少しだけ、お真面目モードで、聞いてください」
加賀「……」
蒼龍「……」
飛龍「……」
赤城「……私は、この鎮守府が大好きです」
赤城「艦娘の皆さん、頼り甲斐ある3人の提督、そして、今は亡き、前提督のことも」
赤城「みんな、大好きです」
大鳳「……」
瑞鶴「……」
翔鶴「……」
赤城「この度、和平という大きな偉業を成し遂げたのも」
赤城「誰一人として、欠けていては、達成されなかったことと思います」
瑞鳳「……」
龍驤「……」
鳳翔「……」
秋津洲「……」
赤城「だからこそ、今まで秘書艦をつとめた私から皆さんに、送りたい言葉があります」
赤城「ありがとう」
赤城「深海棲艦と和解し、誰もが撃沈されることのなくなった世になり」
赤城「こんなに、嬉しいことは、ありません」
赤城「みんな、本当に、ありがとう」
ワァアアアアアア!!
パチパチパチパチ アカギサン、イイゾー!
赤城「えへへ。ありがとうございます」
赤城「……皆さんもご存じと思いますが、平和な世となり、艦娘の必要性も少なくなりました。従って私達艦娘の多くは、一週間後に退艦いたします」
赤城「もちろん私もその内の一人。解体され人として生きるのであれば、様々な困難もあることでしょう」
雲龍「……」
天城「……」
葛城「……」
赤城「でも、絶対に、大丈夫」
赤城「だって私達は、誰にも不可能と言われた、深海棲艦との和平を成立させたのですから!!」
赤城「それに――――」
赤城「こんなにも素晴らしい仲間がいるのですから!!」
ワァアアアアアア!! パチパチパチパチ
赤城「うふふ。さぁ、残りの艦娘生活は、あと一週間ですが」
赤城「たっくさんの思い出を刻んで参りましょう! それでは、解散です!」
ワァアアアアアア!!
いつまでも鳴りやまぬ拍手、止まらぬ涙。
鎮守府最後の宴会は、こうして堂々幕を閉じた。
そして、時は過ぎ。
一週間後。
~LINE~
赤城:さーて、身支度も済ませました!
加賀:ですね
赤剛:このLINEグループともおさらばですか……悲しいデース
ずいずい:最後まで金剛さんネタ持ってくる赤城さんwww
赤剛:いやいや、さっき直接お別れを言ったとはいえ
赤剛:寂しいじゃないデースカー!
加叡:このグルも、気合い、入れて、おさらばします
ソウ☆リュウ:でもほんと、寂しくなりますねえ……
ヒ☆リュウ:別にさ、LINEグルくらい繋がっててもよくない?
赤城:ダメですよw 海軍の秘密情報も飛び交ったりするんですからw
赤城:これは。けじめです
翔鶴:ううー、悲しいですぅ( ノД`)!!
大鳳:個人ラインは、いいんですよね!?
加賀:ええ。ただし、軍の機密を漏らしてはダメですよ
大鳳:了解です(´;ω;`)
RJ:結局今回、艦娘を引退するんは、うち、赤城、加賀と
卵焼き☆マスター:私、鳳翔さん、秋津洲ちゃん、雲龍型のみんなだね
お母さん:わたしはじつは、もう、たいかんしてるのだけどね(笑)
RJ:ああ、乙くん助けるためやったっけ。鳳翔いっつも居酒屋おるから変わらんもんと思ってたわw
ソウ☆リュウ:んで、残るのは私達二航戦、大鳳ちゃん、五航戦、グラーフちゃん
翔鶴:まだ完全に、過激派がいなくなった訳ではないですからね
ずいずい:仕方ないからさ。私達が一航戦の意思を受け継いでやりまっせ
加賀:仕方ないので。今回くらいは期待してあげるわ
秋津洲かも:分かりやすい二人かもwww
卵焼き☆マスター:グラちゃんは、この鎮守府離れちゃうんだよね?
Graf:ああ。私はドイツへ帰港し艦娘を継続するそうだ。あちらでも和平に向け歩き出すためにな
RJ:せっかく仲良うなれたんになぁ
Graf:ふふ。忙しくはなりそうだが
Graf:たまにはこちらの鎮守府へ顔を出すさ
RJ:おー、待っとるで!
雲龍:私達も、さびしいです
♪天城♪:でも、艦娘経費削減の関係もありますから、仕方ありませんよね・・・
葛城:瑞鶴先輩、毎日会いにきます!!
ずいずい:いやたまにでいいからw とりあえず仕事見つけろw
赤城:さて、では!
赤城:寂しいですが、そろそろお別れです
赤城:私から、このグループを抜けさせてもらいますね
加賀:いえ、待ってください
赤城:ん?
加賀:赤城さん
赤城:はい
加賀:あなたは、このグループの、最後まで残ってください
赤城:え?
加賀:皆から、あなたに伝えたいことがあるそうですから
赤城:???
赤城:まあ、はい。わかりました
雲龍:加賀さん、あれを言えばいいのですよね
加賀:はい
雲龍:りょかいです
雲龍:赤城さん
赤城:はい
雲龍:私は、よく分からなかったので、何もしてません
赤城:え
【雲龍 がグループを退出しました】
赤城:ええwwwwwww 抜けたwwwwww
♪天城♪:赤城さん
♪天城♪:私もよく分からなかったので、何もしてませんが
♪天城♪:意気込みは、痛い程、伝わりました
赤城:え、ちょっと待ってちょっと待って
【♪天城♪ がグループを退出しました】
赤城:なんで!?
瑞葛城:赤城さーん
瑞葛城:私もよく分かりませんが
瑞葛城:20回くらいぶん殴りました
【瑞葛城 がグループを退出しました】
赤城:殴る? なにを?
Graf:赤城よ
Graf:Er ist die Welt des Menschen
Graf:glücklich
【Graf がグループを退出しました】
赤城:翻訳できないwww 加賀さん、これ、なんですか?
加賀:まあまあ
秋津洲かも:赤城さん
秋津洲かも:私、この一年間、リハビリしてた赤城さんと一緒に頑張ってきたかも
秋津洲かも:私みたいな落ちこぼれが頑張れたのも、赤城さんのおかげかも!
秋津洲かも:だからちょっと認めたくなくって、何回か蹴っちゃった
赤城:蹴る?
秋津洲かも:ふひひ! じゃあね!
【秋津洲かも がグループを退出しました】
赤城:……
卵焼き☆マスター:赤城さん
RJ:赤城ー
卵焼き☆マスター:私はりゅうちゃんと一緒に、話を聞きました
赤城:話って、なんのです
RJ:正直なとこ、うち的には認めたなかったから、腕折ったんやけど
赤城:腕を折る!?
RJ:それでもあいつ、引かんかったで
卵焼き☆マスター:えへへ、じゃあねっ☆
【RJ がグループを退出しました】
【卵焼き☆マスター がグループを退出しました】
赤城:んんん?
お母さん:赤城さん
赤城:はい
お母さん:あなたのしあわせを、いつまでも、ねがっています
赤城:え
【お母さん がグループを退出しました】
赤城:もー、なんなんですかあ!
赤城:これで最後なんですよ!? お別れなんですよ!?
加賀:まあまあ
ずいずい:赤城さーん
翔鶴:赤城さん
ずいずい:すいません、めっちゃ爆撃しました
翔鶴:私は瑞鶴を止めてましたw
ずいずい:ケッ、チキショー! 認めてやるよ! お似合いだよ!!
翔鶴:失礼いたします
【ずいずい がグループを退出しました】
【翔鶴 がグループを退出しました】
赤城:……
赤城:なんとなく分かってきました
ソウ☆リュウ:赤城さん
ヒ☆リュウ:赤城さーん
赤城:はい
ソウ☆リュウ:私達二航戦は
ヒ☆リュウ:赤城さんが大好きです!!!
赤城:私もです
ソウ☆リュウ:だから、許してね☆
ヒ☆リュウ:ぼっこぼこにしました
ソウ☆リュウ:では、おそまつ!!!
【ソウ☆リュウ がグループを退出しました】
【ヒ☆リュウ がグループを退出しました】
赤城:加・賀・さ・ん?
加賀:♪~( ̄ε ̄;)
大鳳:赤城さん
大鳳:私も、赤城さんのことが大好きです
大鳳:今の彼と結ばれたのも、赤城さんのおかげです
大鳳:だから私は、あなたが幸せになることを
大鳳:誰よりも祈ってます
大鳳:あ、でも
加賀:加賀さんには負けちゃうかもですw ふふ
赤城:大鳳さん、私もあなたの幸せを、心より祈っております
大鳳:ありがとうございます(^^ めちゃくちゃ嬉しいです
大鳳:あああ・・・
大鳳:退出したくないなあ
大鳳:でも、終わりは、始まりの合図ですもんね
赤城:……ええ
大鳳:ありがとうございましたっ!!!
【大鳳 がグループを退出しました】
赤城:さーて
赤城:加賀さん
加賀:はい
赤城:説明してもらいましょうか
加賀:はい
赤城:なかなか私は納得しませんよ?
加賀:ごめんなさい
加賀:もう、勘付かれているとは思いますが
加賀:この一週間で、私達空母全員一人一人に、挨拶へ回った人物がいます
加賀:その人は、私達に対して『絶対に赤城さんを幸せにする』と言いました
赤城:……
加賀:私達は皆、貴方のことが大好きです
加賀:ですから、本当にその人が、貴方を幸せにできるか、心配でした
赤城:はい
加賀:だから、その人は言いました
加賀:皆が納得するまで、僕を試してくれて良いと
加賀:殴っても、蹴っても、爆撃してくれても
加賀:僕は絶対に、倒れないと。死なないと
加賀:もう二度と、赤城さんに、悲しい想いをさせないと約束する、と、言いました
赤城:……
加賀:だから、納得していない人達は
加賀:皆で、その人に手を出しました
赤城:腕を折ったという人もいましたが
加賀:はい
加賀:私は彼の、片足を折りました
赤城:ええ?
加賀:それでも彼は、立ち上がってきました
加賀:絶対に自分は死なないと言って。このくらいで倒れているようでは、貴方を幸せにできないと
加賀:そう言って、何度も立ち上がりました
赤城:……
加賀:赤城さん
加賀:怒ってますか?
赤城:はい
赤城:結構な、激おこぷんぷん丸です
加賀:ふふ
加賀:でも、これだけは言えるわ
加賀:私を含め、全空母は、その人のことを許し
加賀:その人なら、貴方を幸せにできると、確信しました
赤城:……
加賀:赤城さん、今まで、本当にありがとう
加賀:これから、その人をLINEに招待するわ
加賀:片足を折って歩けないから、その点は、許してあげてください
赤城:……
赤城:加賀さん
加賀:はい
赤城:今まで、そして、全てを含めて
赤城:ありがとう。大好き
加賀:赤城さん
加賀:私もです
加賀:では
【加賀 がグループに 丙提督 を招待しました】
【加賀 がグループを退出しました】
赤城:……
【丙提督 がグループに参加しました】
赤城:なんですか、名前、丙提督って
丙提督:あ
丙提督:えっと
丙提督:赤城さん?
丙提督:これ、見れてますか
赤城:……見れてます
丙提督:赤城さんですか!?
赤城:……はい
丙提督:あ
丙提督:すみません、ラインがまだ
丙提督:不慣れなもので
赤城:……
丙提督:あの
丙提督:赤城さん
丙提督:聞いてほしいことが。あります。
赤城:……
赤城:はい
赤城:……
赤城:あれ
赤城:提督ー?
赤城:もう5分くらい経つんですが
赤城:……
赤城:あの、何かありましたか?
丙提督:僕と貴方が出会ってもう1年以上経ちます。最初に貴方を見た時、なんて威厳溢れた艦娘なのだろうと目を疑ってしまいました。凛々しい顔をされ、服装、佇まい、全てが凛としたもので日本人女性の代表を描いたような人だと思い、物凄く感銘を受けたことを覚えています。鎮守府に配属された新人提督の僕としては、ああ、こんな人を指揮することなど僕にできるのだろうかと、とても不安に思ったことを覚えています。もちろん、加賀さんやその他空母の皆様も、凄く凛々しく往々としており、赤城さんには劣るものの、皆とても頼り甲斐がある艦娘だなということが印象強いです。それで僕が鎮守府を回った時も赤城さんが丁寧に優しく教えてくださり、あ、僕はその時緊張しすぎていて、何がなんだかすら覚えていなかったような状態なのですが、それでも貴方は変わらず凛として前を歩き出し、僕達に暖かく言葉を投げかけてくださりました。そして僕が、あの自己紹介の時に、和平交渉のことを話せたのも、あなたのおかげで
赤城:なっが!!!
丙提督:あ、すみません
丙提督:あの、僕はですね
赤城:……見にくいので短文でいいです
丙提督:ご
丙提督:ごめんなさい
赤城:なんで謝るんですか
丙提督:いや、その
赤城:情けないですねぇ
赤城:和平交渉の時の、頼もしかった貴方はどこにいったのでしょうか
丙提督:う
丙提督:すみません……
赤城:また謝った
丙提督:えっと
赤城:もう
丙提督:お、怒って、ますか?
赤城:はい
丙提督:すみません……
赤城:もういいです。私から言いたいことが山ほどありますので、言わせてください
丙提督:はい……
赤城:貴方、バカじゃないですか?
丙提督:え
赤城:自分を殴れだ蹴れだ、爆撃しろだと
赤城:艦娘にお願いしたそうじゃないですか
丙提督:はい……
赤城:挙句の果てには、片腕と片足を骨折したですって?
丙提督:……
赤城:はっきり言わせてもらいます
赤城:バカ以外の言葉が見つかりません
赤城:他の艦娘にも迷惑をかけて。何を考えてるんですか
丙提督:すみません……
赤城:それに私が一番怒っているのは
赤城:貴方が自ら怪我を負ったことです
丙提督:……
赤城:バカ!!!
赤城:もっと自分を大切にしてください!! バカ!!!!
丙提督:すみません……
赤城:謝って済む問題じゃないんですよ!!!
赤城:貴方はこの世に一人しかいないのですから!!!
赤城:もし運悪く、貴方が死んでしまっていたら
赤城:亡くなった貴方のお姉さんや、貴方を愛している人が悲しむことを考えないんですか!!!!
丙提督:……
赤城:バカ!!!
赤城:バカバカバカ!!!!
赤城:男の人はいつでもそうです!! 自分だけが犠牲になればいいと思ってるんだから!!!
丙提督:赤城さん
赤城:残された人の身になってちゃんと考えてください!!!!
赤城:あの人もあなたも一緒!!! 好き勝手に行動して、好き勝手に怪我して死んで!!!
丙提督:赤城さん
赤城:心配するこっちの気持なんか露知らずで!! 無鉄砲です!!! 大馬鹿です!!!!
赤城:貴方なんか大っ嫌いです!!!!!
丙提督:赤城さん聞いてください!!!!!!!!!!!!
丙提督:この度のことは、その
丙提督:本当に、すみませんでした
丙提督:僕の軽率な行動で
丙提督:また、貴方を傷つけてしまいました
丙提督:本当に、申し訳ありません
赤城:だから、謝ってすむ問題では
丙提督:でも僕は!!!!!!!!!
丙提督:どんな攻撃を受けても、もう、絶対に死にません!!!!!!!
赤城:ええ……?
丙提督:全員の空母からの攻撃を受けました!!
丙提督:でも僕は死にません!!!!
丙提督:絶対に、赤城さんより先に死にません!!!!!
丙提督:絶対に以後、赤城さんを悲しませるようなことはしません!!!!!!!
丙提督:だから僕と
丙提督:結婚してください!!!!!!!!!!!!
赤城:ええっ、はぁ?
丙提督:僕は、とてつもなく情けなくて、意気地もないし、弱くて
丙提督:軟弱な人間でした
丙提督:軍の学校では、深海棲艦は「悪」だと教え込まれ
丙提督:自問自答する日々を、ずっと、送っていました
赤城:……
丙提督:でも、この鎮守府へ来て
丙提督:あなたと出会えたことで
丙提督:僕は、姉の意思を思い出し、再び深海棲艦との和解を提案することができました
丙提督:怯えてばかりの時もありました
丙提督:僕なんかが、本当に、姉の念願の想いを形にできるのか
丙提督:不安で不安で、眠れない日々が続きました
丙提督:でも、いつだって勇気をくれたのが
丙提督:あなたの寂しい笑顔でした
赤城:……どういうことですか
丙提督:貴方はこの艦隊で
丙提督:誰よりも戦いを経験し
丙提督:誰よりも哀しみを背負い
丙提督:誰よりも強くて、弱くて
丙提督:誰よりも皆の幸せを重んじていて
丙提督:誰よりも心から笑っていませんでした
赤城:……
丙提督:貴方の笑顔はとても素敵なのだけれど
丙提督:それを見る度僕は
丙提督:貴方を心から幸せにしたいと、誓いました
赤城:同情ですか
丙提督:違います!!!!!!!
丙提督:貴方を見る度苦しくなって
丙提督:貴方を見る度胸がどきどきして
丙提督:貴方を幸せにしたいと毎日考えてました
丙提督:貴方が姉に似ていたとか、貴方が可哀想だとか、そう思ったんじゃない!!
丙提督:これが同情心なら、貴方を放っておけばいいだけだ!!
丙提督:放っておける訳がないですよ!!
丙提督:貴方とともに生涯を歩きたいと思ったから
丙提督:貴方とともに幸せになりたいと思ったから!
丙提督:だから僕は、貴方に結婚を申し込むんです!!!!!
赤城:わ、わかりましたって。わかりましたよ……もう
丙提督:あ
丙提督:すみません。僕ばかり喋ってしまって……
赤城:……
赤城:あの、一つ聞きたいのですが
丙提督:はい!
赤城:私が、貴方を好きでなかったらどうするのですか?
丙提督:え、あ
丙提督:それは
丙提督:えっと
赤城:貴方の気持ちだけをぶつけられても困ります
丙提督:その、通り、です。すみません……
赤城:じゃあ。諦めますか?
丙提督:いえ、諦めません!
赤城:私は先程貴方を、大嫌いと言いましたが
丙提督:う……
丙提督:ご迷惑なら……
赤城:別に。迷惑とも言ってません
丙提督:う
赤城:もう。相変わらず優柔不断で意気地なしですねぇ
丙提督:すみません……
赤城:そんなこといいから俺について来い! ってくらい言えないんですか
丙提督:いや、その
赤城:じゃあ、勝手ですけど
丙提督:えっ
赤城:私の質問に答えて頂けませんか
丙提督:は、はい
赤城:私、過去に愛した人がいます
赤城:深く深く愛しました
赤城:それでも良いんですか?
丙提督:過去のことは関係ありません
丙提督:僕は、今の貴方を好きになりました
赤城:私は未だに彼のことを忘れられていません
赤城:これからも忘れられないかもしれません
赤城:そんな女、嫌じゃないですか?
丙提督:嫌ではないです
丙提督:その気持ちも含めて、僕は貴方を愛します
赤城:今は亡き彼のことを愛していても?
丙提督:全部含めて貴方を愛します!!
赤城:そうですか
赤城:じゃあ、他にも質問させてください
丙提督:はい
赤城:私お酒大好きなんですけど、貴方飲めませんよね?
丙提督:飲めるように努力します
赤城:嫌がられて飲まれても困るんですが
丙提督:では、赤城さんが困らぬように、お付き合いします
赤城:……
赤城:空母寮で、加賀さんが私の隣の部屋だったのですが
赤城:毎晩、私はうなされているようです
赤城:とてもうるさいと思います
丙提督:構いません
丙提督:ずっと側にいます
赤城:それに、私は
赤城:お酒を飲まないと、眠れません
赤城:あの日から、心の底から酔えた日はありません
赤城:ほぼ毎日、悪夢を見ています
赤城:きっと貴方を苦しめます
丙提督:では僕は少しでも、貴方を幸せにするよう努力します
赤城:……
赤城:それに私、デリカシーありません
赤城:誰よりも大食いで
赤城:誰よりもはしたないです
丙提督:僕は、いっぱい食べる女性が大好きです
赤城:お金……かかります
丙提督:僕の実家、農家なので大丈夫です
赤城:えっ
丙提督:えっ
赤城:あ、いや
赤城:えっと
赤城:それに私は
丙提督:赤城さん
赤城:貴方より年上だし
赤城:年増だし
赤城:貴方にはもっと相応しい人がいると
丙提督:いませんってば!!!!!
赤城:う
赤城:それに私
赤城:戦いしか知らない女で
丙提督:これから僕と一緒に覚えましょう!!!!
赤城:か
赤城:解体されたとはいえ
赤城:艦むすでしたし
赤城:普通の、人間じゃあひません
丙提督:関係あるかそんなこと!!!!!
赤城:ちょっとま
赤城:まって
丙提督:赤城さん!!
丙提督:僕は貴方が世界一大好きです!!!!
赤城:ま
丙提督:絶対に幸せにするなんて言えません!!
丙提督:でも僕が、貴方と結ばれたなら
丙提督:僕は、世界で一番幸せになる自信があります!!!!
赤城:うてない
赤城:う
丙提督:精一杯、生きている時間を使って
丙提督:貴方を幸せにします!!!!!
丙提督:だから僕と
丙提督:結婚してください!!!!!!!
赤城:だめ、わたし
丙提督:いいからもう!!!
丙提督:黙って俺に、ついてきてください!!!!
赤城:まって
赤城:まって
赤城:まっ
丙提督:あ・・・
丙提督:待ちます!!!
丙提督:……
丙提督:……
丙提督:赤城さん?
丙提督:あれ、既読しない
丙提督:ま
丙提督:待ってます
赤城:ごめんなさい
赤城:待たせました
丙提督:いえ!!
赤城:あの
赤城:一つだけ、言っていいでしょうか
丙提督:はい!!
赤城:こういうのは
赤城:LINEじゃなくて
赤城:その
赤城:直接言ってくれると
丙提督:!!!!
丙提督:待っててください、今からそっちに行きます!!!!
赤城:あ、いえ
赤城:あなたも、足骨折してますので
赤城:私がそちらに伺おうと
赤城:……あれ
赤城:提督?
赤城:おーい
赤城:もしかして、今向かってきてます?
赤城:……既読しない
赤城:ふふ
赤城:あなたって本当に
赤城:馬鹿ですね
赤城:こんな私を好きになってくれるなんて
赤城:こんな私を愛してくれるなんて
赤城:……
赤城:多分、あなたの性格でしょうから
赤城:今、足を引きずりながら、必死に、私の元へ来てくれているのでしょう
赤城:私は、恥ずかしがりですから
赤城:今の内に、LINEに答えを書かせてください
赤城:色々、くだらない質問をして
赤城:ごめんなさい
赤城:あなたの覚悟を聞くようなことをして
赤城:ごめんなさい
赤城:提督。私も、あの日から、貴方のことをずっと異性として見ていました
赤城:貴方が、夜も眠らず
赤城:全艦娘のことを考え、作戦を練っていたことや
赤城:艦載機の全てをチェックしてくれていたり、防犯で寮の周りを回ってくれていたことも、知っています
赤城:いつの間にか、あなたへの想いが、彼の面影を追いかけるものではなく
赤城:あなた自身への好意と変わり、愛へと変わっていました
赤城:私もあなたが好きです
赤城:私を含め、過去の提督をも認めてくれたあなたのことを
赤城:心より愛しています
赤城:こんな私でよかったら
赤城:精一杯、あなたを幸せにするため尽力いたしますので
赤城:生涯、隣にいさせてください
赤城:それと
赤城:私より、一日でも長く生きてほしい、なんて
赤城:望みません
赤城:ああ、その、生きていてくれれば、嬉しいですが
赤城:そんな我が儘は言いません
赤城:あなたが、私のためを想って、無理をすることが、心配です
赤城:怪我をすることが心配です
赤城:もう二度と、自分を傷つけることなんて、しないで
赤城:あ、そうだ
赤城:すみません
赤城:一つだけ、最後の我が儘を、言わせてください
赤城:これから先
赤城:1日でも
赤城:1分でも
赤城:たった、1秒でもいいので
赤城:できるだけ長く、私の側にいてください
赤城:それだけしか、望みません
赤城:こんな私で良ければ
赤城:どうか
赤城:あなたのお嫁さんにしてください
二年後
甲提督「えんだあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
乙提督「いやああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
~居酒屋鳳翔~
ガラリ
龍驤「よお、もう揃ってる?」
鳳翔「あら龍ちゃん。いらっしゃい。ええ、皆もう始めてるわ」
龍驤「お、りょーかい。ごめんなぁ、うちだけちょっと遅なってしもて」
乙提督「……」
龍驤「ありゃ、キミまたカウンターで一人酒かいな」
乙提督「お、おお、龍驤殿。き、奇遇でありますな」
龍驤「奇遇いうてキミィ。うちがここ来たときほぼ100%でおるやないか」
乙提督「そ、某は、酒が好きでありますから……」
龍驤「……ふーん。まぁええわ。ほなうちら団体席でやっとるからね」
乙提督「う、うむ」
軽空母 龍驤
二年前に艦娘を引退(解体)後、居酒屋鳳翔の付近で駄菓子屋を経営しながら暮らす。
解体された駆逐艦など、年端も行かぬ子供達の成長を見つつ、就職難の艦娘の相談役も買って出る。
ガラリ
龍驤「ういーっす。ごめんごめん、遅れたわぁ」
蒼龍「りゅうちゃん遅いよ~」
飛龍「ヒャッハー! こっちはもう始めちまってたぜ、イェイ!!」
瑞鶴「龍驤さんお疲れっすー」
翔鶴「お疲れ様でした。何かあったんですか?」
龍驤「なんやもなんも、元駆逐艦どもが時間関係なしに相談に来よってなぁ。まだまだ艦娘としての意識が全部取り除けてないらしいわ」
瑞鳳「ひゃあ。大変だねえ。まぁ解体されたからって、艦の記憶が全部なくなる訳じゃないし」
龍驤「乙くんも結構フォローしてくれてんけどな。駆逐艦ら、皆あの人大好きやから」
乙提督「……鳳翔殿。その。熱燗をいただけるだろうか」
鳳翔「あら、今日はペースが早いですね」
乙提督「い、いや。うむ」
乙提督
鎮守府からは異動することもなく、他国へと飛ぶ甲提督の右腕となり、海軍の再興を担う補佐を務める。
深海棲艦の陸上進出への支援や、解体された後の艦娘の処遇についての相談役も。
現在では「鎮守府の父」と呼ばれ、海の平和を見つつ、変わらず居酒屋鳳翔へ通い続ける。
鳳翔
和平交渉の際に既に退艦していた彼女は、居酒屋鳳翔にて経営を継続。
現在では元艦娘の他に、多くの一般人も同店を利用。人気の居酒屋と変わり、平日でも客足は絶えぬ程。
解体後の艦娘の成長を暖かく見守りつつ、忙しい毎日を送っている。
龍驤「そいや、お前ら最近どうなん。二航戦」
蒼龍「ええ? まぁぼちぼちかねぇ」
飛龍「蒼龍と一緒に頑張ってるよ。鎮守府近海の防衛っても、反乱起こすような深海棲艦いないし」
蒼龍「平和に向けて歩き出して2年たつしね。いやぁ、でも未だに街を深海棲艦が歩くのは違和感あるわぁ」
飛龍「ネェ、キチャッタァ。ネェ、キチャッタァ」
蒼龍「防空棲姫のマネやめろしwww」
飛龍&蒼龍
自らの意思もあり、未だ解体とはならず、艦娘として鎮守府近海の防衛を担う。
全ての深海棲艦が友好的とはいかず、今も深海へ潜む少数の過激派捜索を同時に行っている。
恋愛事情に関しては2人曰く「彼氏? いませんよ。なめてんの?」と声を揃えて発すことが癖になっているとか。
龍驤「こないだなー。駆逐棲姫がなー。春雨やらと駄菓子屋来てなぁ」
瑞鶴「ええwww まぁああいうタイプの深海棲艦は人間の容姿に近いっすもんね」
龍驤「仲良うやっとるみたいで安心したわ。つかあいつら似すぎ」
翔鶴「あはは。確かに」
龍驤「……翔鶴おまえ、まだ左手の薬指に光るモンが見えんやん」
翔鶴「え? ええっ?」
瑞鶴「あ、そーだ聞いてくださいよ。そろそろさぁ、翔鶴姉も艦娘引退して落ち着けば良いんじゃないかって勧めてるんですけど」
翔鶴「い、いやだから。もう少し近海が安全になってからだってば……!」
翔鶴
未だ解体を望まない艦娘の一人。蒼龍、飛龍らとともに近海の警備にあたる他、最前線海域での過激派捜索の旗艦を勤める。
軍を退いた一航戦のためにも、自らがその意思を継ぎ、海の平和を守ると誓う。
兼ねてより噂されていた男性との交際は謎?であるが、妹艦である瑞鶴からは「そろそろ幸せになったら?」等としつこく勧められている。
瑞鶴
翔鶴とともに艦娘として軍へ残り、二度と翔鶴を沈めぬよう、旗艦の彼女を後衛から支えている。
艦娘、空母としての能力も向上し、一航戦を越えた歴代最強の空母艦娘として過激派グループの深海棲艦から恐れられている。
アウトレンジからの集中空爆を受けた敵は跡も残らぬ程。「瑞鶴を見たら逃走せよ」とまで噂される。
……おかげで一般男性らも近づかぬことから、「恋人? なに、爆撃されたいの?」が口癖。
瑞鳳「艦娘を引退して2年かあ。まだ記憶の中には艦のことも残ってるけど、人として生きることもすごく楽しいよ? ねえ、りゅうちゃん」
龍驤「そうやなぁ。うちも最初はちょっち不安やったけど。今はすっごい楽しいで」
龍驤「恋人はおらんけどな!!!」
瑞鳳「うふふ」
瑞鳳
艦娘を引退後、猛勉強の末保育士の資格を取得。
鎮守府付近の保育園にて小さな子供達の面倒を見つつ、紙芝居などで艦娘の良き伝統を伝えている。
彼女が造る卵焼きは給食での大人気目玉メニューとなり、どこかの企業が販売を目論んでいる。らしい。
瑞鶴「あ、そろそろ解決の時間じゃない!? 名探偵天城の事件簿録!!」
翔鶴「ああ、そうね。テレビつけましょうか」
ピッ
天城《そう……犯人はあなたです》
天城《この天城の目をごまかすことはできません》
天城《まるっと全部、お見通しだぁ~っ!!》
龍驤「おいこのセリフwwwwww」
瑞鳳「まるゆちゃんの丸ぱくりwwwwww」
蒼龍「いやでもすごいよなぁ。艦娘から女優に転向なんてさ」
飛龍「雲龍ちゃんは何してるんだっけ?」
翔鶴「グラビアアイドルですw」
飛龍「ああ、そうだそうだw」
瑞鶴「二人ともテレビで見ない日ないくらいだもんね。マネージャーの葛城も、忙しいみたいっすよ」
天城
雲龍と街中を歩いていた際、TV界にスカウトされ、今ではお茶の間での大人気女優「天城」となる。
元艦娘という経験も活かし、どんな大舞台でも緊張せず、堂々たる演技で不動の地位を確立した。
雲龍
天城と同時にTV界へとスカウトされ、グラビア界へと進出。
天然な性格も功を期し、時折バライティ番組にも出演。写真集は売り切れ続出。
葛城
忙しい姉二人のスケジュールを管理する敏腕マネージャー。
そんな中でも憧れの瑞鶴先輩には、毎日LINE連絡を忘れない。
天城《また一つ、つまらない事件を解決してしまいました……》
《こうして、名探偵天城は、鮮やかに事件を解決したのであった!!》
デンデン!
ダンダカ、ダダンダーンダダダーン♪
瑞鶴「でたー!!!」
飛龍「安定のエンディングテーマ、加賀岬www」
翔鶴「さすが演歌の申し子www」
コノテニヨセル フクサシュノイロ♪
瑞鳳「まさか加賀さん、本当に演歌歌手になるとはねぇ」
蒼龍「あ、そういえば今日、加賀さん来ないの?」
龍驤「いや、誘っとるで。遅れるとは言っとったけど」
ガラッ
鳳翔「みんな、料理お待たせ~。そしてぇ」
加賀「……遅れました」
鳳翔「加賀さんの登場でーす」
翔鶴「きゃー、加賀せんぱーい!」
龍驤「よっ! 待ってましたー!」
加賀「……」ピース
加賀
艦娘を引退後、演歌界へ進出。
和平交渉の後、元々発売していた【加賀岬】は更にバカ売れしミリオンヒット。
忙しく過ごす中、鎮守府へはよく立ち寄り、今でも各空母の練習に指示を出す。
瑞鶴とは相変わらず仲が良い。
加賀「皆、元気そうね。安心したわ」
瑞鳳「元気元気~♪」
飛龍「艦娘のあたしらは、こないだ加賀さんと会ったばかりですけどねw」
龍驤「鳳翔、もう客あんまおらんやろ? こっち来て一緒に飲もうや」
鳳翔「ええ? でもまだ、乙提督さんがいらっしゃるし」
翔鶴「……ちょっと待ってください」
翔鶴「加賀先輩。その左手の薬指は……」
加賀「……ウ……」
瑞鶴「はあ!? 聞いてないけど!?」
加賀「まあ。言ってませんから」
瑞鶴「にゃにぃいいいいい!!!」
蒼龍「マジすかー! 加賀さんマジすかー!!」
飛龍「そういえば、あれ以来聞いてませんでしたけど。そろそろ教えてくれません? あ・の・人・の・こ・と!」
加賀「……」
鳳翔「加賀さん。今は赤城さんもいないのだし、言っていいんじゃない?」
加賀「……そうですね」
瑞鳳「わぁ、やったあ!」
加賀「……昔、鎮守府が爆撃され、提督が亡くなったすぐ後のこと」
加賀「赤城さんは何も喋れなくなり、私もどうして良いか分からなかった。そんな時、無我夢中で私は、海軍本部の総務部へ泣きじゃくりながら懇願したの」
加賀「赤城さんを、助けてください。と。彼女を救える提督を、送ってくださいと」
加賀「……その時、既に次の配属が決まっていた別の提督を押しのけて、あの『甲提督』を鎮守府へ送ってくれたのが」
加賀「この指輪の、送り主よ」
瑞鶴「……マジすか」
翔鶴「……素敵ですね」
赤木「…ステーキですね」
飛龍「そーかぁ。そんな理由があったんですね」
蒼龍「ち。なら、なんも言えないっ!! 認めてやりますよっ!!」
瑞鳳「ふふ。あ、そういえば今日、秋津洲ちゃんは?」
龍驤「今日は来れんってさ。深海棲艦への接待で忙しいんやって」
秋津洲
顔も良い、器量も良い、とのことから艦娘代表の『深海棲艦歓迎大使』に選ばれる。
日夜海からの来訪者に対応し、彼女達の地上生活をサポートするため、明石や夕張とともに機材の開発も。
鳳翔「……ね、加賀さん」
加賀「はい」
鳳翔「幸せ?」
加賀「……はい」
鳳翔「うふふ、私もとっても嬉しいわ」
鳳翔「こうして、貴方達が幸せになってくれることが、私の一番の幸せなのかも」
龍驤「なーに言っとるんやあ。人の幸せばっか気にしとったら、いつまでたっても自分の幸せ掴めへんで?」
鳳翔「いやあ、だって」
鳳翔「私を好いてくれる男性なんか……」
乙提督「ほ、鳳翔殿!!!」
鳳翔「わぁ!?」
瑞鶴「な、なんだなんだぁ!?」
翔鶴「乙提督さん?」
瑞鳳「び、びっくりしたぁ」
鳳翔「て、提督? あの、な、なんでしょう?」
乙提督「そ、某は……」
乙提督「某は、ずっと……!」
鳳翔「え……」
乙提督「貴方のことを……!!!」
バタン
飛龍「ええ!? なんで扉閉めるの!?」
蒼龍「ちょっと! りゅうちゃーん!!」
龍驤「邪魔したらあかん。あれ本気や」
加賀「……ふふ」
瑞鶴「ありゃー。やっぱそうだったか」
翔鶴「これは後で、鳳翔さんから事情聴取ですねw」
瑞鳳「あーあぁ。みんな幸せになっていくなぁ~。羨ましい!!」
飛龍「あたしらもそろそろ、本気で幸せになること考えますかねぇ」
蒼龍「うむうむ」
瑞鶴「人として。艦娘を引退して、人間としての幸せを作る、かぁ。それもありですよねぇ」
翔鶴「幸せと言えば、加賀さん」
加賀「ん?」
翔鶴「赤城さんの様子は、どうされてます? 幸せそうですか?」
加賀「……そうね」
加賀「最近、赤城さんから、LINEで写真が送られてきたの」
龍驤「ほえー」
加賀「翔鶴さん。貴方の個人LINEへ写真を送るわ」
加賀「良ければ今の空母グループへ、転送してくれないかしら。彼女が幸せかどうかは、その写真を見れば分かるから」
~ドイツ 某鎮守府 執務室~
グラーフ「――――以上が、ドイツの深海棲艦の状況だ。アドミラール」
甲提督「なるほど。了解した。今日は上がってくれていい。ご苦労だった」
大鳳「グラーフさん、お疲れ様です」
グラーフ「ああ。……久しく二人に会えて嬉しかった。これからもよろしく頼む」
甲提督「こちらこそ」
Graf「では私はここで失礼する。そうだ、ホテルは最高級の場を用意しておいた。ゆっくりと、身を休めてくれ」
大鳳「は、はい……えへへ」
バタン
甲提督「……ふう」
大鳳「あなた、疲れてる?」
甲提督「少しな。だがまだまだ。俺は止まることはできん。皆の平和のためにも」
大鳳「……無理はしないで。辛いときは、私に、言ってね?」
甲提督「ああ。ありがとう。大鳳」
ブーッ ブーッ
大鳳「あ」
甲提督「携帯の着信? LINEか」
大鳳「え、ええ」
甲提督「俺に気にすることはないぞ、見てくれていい」
大鳳「でも、せっかく、二人きりになれたのだし」
甲提督「この時間なら、空母窓とかいうグループだろう? いいんだ、見てやってくれ」
甲提督「君が空母達とのLINEを見ている時、笑いを堪えきれずに、とても幸せな笑みを浮かべる」
甲提督「俺は、君のその笑顔を見るのが、大好きなんだ」
大鳳「ふふ……」
大鳳「ありがとう、じゃあ。見るわね?」
甲提督「ああ」
パッ
大鳳「……」
大鳳「……」
大鳳「……」
大鳳「……う」
大鳳「……う……ううっ」
甲提督「大鳳?」
大鳳「うう……!」
甲提督「どうした? 泣いてるのか……?」
大鳳「……ええ」
大鳳「とても嬉しくて……涙が、止まらないの……」
甲提督「え……」
大鳳「あなたも見て」
大鳳「この、とても素敵な笑顔を……」
鎮守府空母のLINE事情
艦!!!
story:助
イラスト提供:ろる 様
。゚(゚´Д`゚)゜。ウァァァン >>1乙つうううううううううううううううううううううううううううう
全俺が泣いた
>>511が不覚すぎてまだ鼻水がとまらねーや
ビスマルク「番外編で『鎮守府海外艦のLINE事情』の続きを書いてもいいのよ?』
完結したばかりで>>1さんには申し訳ないですけど地味に番外編で出てきた艦娘のその後も、私、気になります!
余力があれば、いつか是非
乙、面白かったよ
けど最後の大鳳から赤城へのLINEでの話で一部ミスがあって笑った
加賀:加賀さんには負けちゃうかもですw ふふ
これ加賀やなくて大鳳だよな?
>鳳翔「加賀さん。今は赤城さんもいないのだし、言っていいんじゃない?」
>加賀「……そうですね」
何とも意味深な終わり方ですな
あとがき
皆様、この度は「鎮守府空母のLINE事情」を最後まで読んでくださり、本当に、本当に、ありがとうございました。
まずお礼を言わせて頂きたいのは、コメントをくださった数々の方々です。
皆様のおかげで、放置していた同SSを完結することができました。
「書くのやめた方が良いかな…」と思ったとき、いつも元気付けて頂いたのが、皆様のコメントでした。
大変、大変感謝しております!!!
元々、私が執筆していたのはここ(VIP)ではありませんでした。
「ちょっと他でも書いてみようかな」という軽々しい気持ちで投稿したのが
この物語のきっかけです。
ぶっちゃけ伏線や構成等何も考えていなかったので、最終部に色々と詰め込みすぎましたことを
この場を借りて、お詫び申し上げます。
また、個人的にかなり多忙となり、
空いた時間を見つけ急ピッチで書いたので誤字脱字めっちゃありますね(笑)
どうぞ、ご容赦いただけますと幸いです。
そして、何より。
この度の拙作にも関わらず、多忙の中イラストを提供してくださった「ろる」様に、最大の敬意と感謝を送らせてください。
ろる様、本当に、ありがとうございます!!!
(この笑顔の赤城さんを送って頂いたとき、涙が出る程感動いたしました。本当にありがとうございます)
作者である私のツイッターや、ろる様のツイッターも、公開しても良いというお返事は頂いたのですが…
何分VIPでの投稿が不慣れなため、こちらで公開して良いのかも分かりません(笑)
明日には「鎮守府空母のLINE事情」という題名をつけ、呟かせていただこうと思ってますが
「やめた方が良いよ!」
というご意見があれば、控えさせていただきます。
しかしまあ、ほんと。読み返せば読み返す程、ご都合展開ですねw
提督もできれば出したくはなかったのですが、
「赤城さんに幸せになってほしい」
とのご意見を多数頂き、私自身もとても大好きなキャラだったので、
批判承知で、物語を完結させて頂きました。
わー、あとがきめっちゃ長いwww 一言で言えば「くぅ疲」ですw
でも、後悔はありません。
ここまで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。大大大感謝です。
鎮守府『空母』のLINE事情は、これにて、本当の終わりです。
関連のある続編、番外編、別鎮守府編を執筆することも考えております。
2016年の夏コミには受かっておりますので、
もしかしたらまた、彼女達のLINEに会えることがあるかも…!?
と、言ってみたりします(笑)
>>522
ああ、本当だ!!
ご指摘ありがとうございますw
いやあ、本当、誤字脱字多いですね(笑)
脳内変換、おなしゃす!!
一応言うけどここはVIPちゃう
ここはNIPPERだヨ
>>529
なんとw
無知ですみません…
>>544
うぉぉぉい!こんなとこに載せないほうがいいぞ!読者だけじゃなくて荒らし目的の暇人も巡回してるようなとこなんだから!このスレ勢いあるから間違いなく巡回ルートだぞ!
>>545
にゃ、にゃんとw
まあ、荒らされたらしょうがないですね
自分の落ち度です。
取り急ぎ、コメント頂き大感謝です!
このSSまとめへのコメント
第一部から楽しく読ませて頂いています。執筆頑張ってください!!
燃える展開キタコレ!
ワイの見立てでは丁提督が黒幕やな
もしくは己提督か辛提督のどちらか
一部から読ませてもらっていました❗
感動できる作品でした。
ありがとうございました❗
駆逐艦とか戦艦のとか軽巡のとか見てみたいなぁ
素晴らしい作品だった。乙
一部から読ませていただきました最高でした
GOOD
1部から読ませて貰いましたもう乙最高(*`ω´)bでした!
最初の面白い展開からこの感動する展開・・・!主さんの文章力凄い・・・!
感動しました。素晴らしいssをありがとう
最高のssを読ませていただき感謝します