【ミリマスSS】P「スーパーボンバーマン3です」このみ「任せなさい!」 (56)

☆ライブシアター/休憩室

このみ「うーん……莉緒ちゃんに連絡してみたんだけど、先約があるみたいだわ」

P「そうでしたか、残念ですね」

このみ「せっかく明日が休みだから、大人組で居酒屋にでも行こうと思ったのに」

P「風花や千鶴さんも予定があるみたいですし、みんな忙しいんですね」

このみ「暇なのは私とプロデューサーだけかー」

P「さみしい言い方しないでくださいよ」

このみ「まあ、いいけどね。プロデューサーと二人の時だからできる遊びもあるもの」

P「と、言うと……?」

このみ「もちろん、スーファミよ!」

P「ああ、やっぱり」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1464268470

このみ「飲み屋に出向くのも悪くないけどねー」

P「シアターでだらだらゲームしながら過ごすのも楽しいですよね」

このみ「そうそう。なんかこう、宅飲みって感じで」

P「職場を自宅みたいに言った!」

このみ「いいじゃない。そのくらい馴染んだ場所ってことだもん」

P「まあ、気持ちはわかりますよ」

このみ「プロデューサーなんて、自宅よりも事務所にいる時間の方が長いんじゃない?」

P「ははは……ありがたいことに仕事がたくさんありますから」

このみ「いつもお疲れさま。じゃ、今夜は仕事のストレスが吹き飛ぶようなゲームをやりましょう!」

P「それだったら、このソフトなんてどうですか?」

このみ「あっ、『スーパーボンバーマン3』ね。少しだけやったことがあるわ」

P「やっぱりボンバーマンは定番ですもんね」

このみ「ええ、さっそく始めましょう♪」

P「では配線を用意して……」

このみ「お酒も用意して……」

P「えっ?」

このみ「んっ? どうかしたの?」

P「俺、夕飯をまだ食べてないんですけど。もう飲むんですか?」

このみ「いいじゃない、食前酒みたいなものよ!」

P「全く違いますよっ!」

このみ「最初は軽く、缶チューハイでもどう?」

P「聞いてないし……。まあいいか、いただきます」

このみ「それでは、今日も一日お疲れさまでした……かんぱーい!」

P「かんぱーいっ!」

このみ「うーんっ、甘くておいしい!」

P「このために生きてるって感じですねえ」

このみ「ほら、ゲームの方も始めましょうっ」

P「もう準備できてますよ。それじゃあ電源入れて……っと」

――カチッ

『バイ、ハドソンッ!』

このみ「うわあ、音声とBGMが懐かしい!」

P「このピコピコした音楽が良いんですよねー」

P「さて、ノーマルゲームとバトルゲームのどっちやります?」

このみ「んー、どちらも面白いから迷うわね……プロデューサーが選んでいいわよ」

P「じゃあ、せっかく時間もありますしノーマルゲームでじっくり遊びましょうか」

このみ「いいわね、そうしましょう」

P「えーと、2Pプレイを選んで……っと」

このみ「あっ、オープニング映像が始まった! ストーリー性があるのね」

P「前作でのボスが復活、燃えますねえ」

このみ「敵に支配された五つの星を巡ればいいの?」

P「ええ。全てクリアすると最終ステージの宇宙船が現れるんで、全部で六面だと思ってください」

このみ「なるほど、まずはモリモリスターっていう星ね」

P「はい、森っぽい星なんでモリモリスターです」

このみ「安直!」

P「ちなみに二面はアチアチスター、三面はブクブクスターです」

このみ「大体マップが想像できるわね……」

P「分かりやすくていいネーミングだと思いますけどね。さあ、始まりますよー」

このみ「よーしっ! 最初から全力でいくわよー!」

このみ「まずはブロックを壊してアイテムを集めなくちゃね」

P「ええ、序盤は簡単なので操作に慣れつつ進みましょう」

このみ「あら、この卵は?」

P「アイテムですよ、取ってみてください」

このみ「……ああ、ルーイに乗れるんだったわね! 思い出したわ」

P「色によって能力に違いがあるんですけど、このみさんのはピンクなんでジャンプができますよ」

このみ「敵の動きも遅いし簡単にクリアできそうね」

P「最初のステージですからねー」

このみ「やっぱりボンバーマンは楽しいわね、爽快感があるわ」

P「二人プレイだとサクサク進むなあ」

このみ「そしてお酒も進むわー」

P「おつまみも開けちゃいますね」

このみ「いいけど、夕食の分のお腹は空かせておいてよ? 後で私が作るつもりだから」

P「えっ? 作ってくれるんですか?」

このみ「ええ、食材は冷蔵庫にあったと思うし」

P「それは楽しみです! このみさんの料理は絶品ですから」

このみ「そんな大した腕じゃないわよ。でも、そんなに喜んでくれるなら作りがいがあるわね」

P(謙遜してるけど、毎日でも食べたいくらい料理上手なんだよなあ……)

このみ「さて、この星のステージは全部クリアしたけど?」

P「最後はボス戦です。一面のボスはバケロンっていう名前のキツネ型ロボットですね」

このみ「敵はボンバーマンじゃないのね」

P「このシリーズだとそうなんですよ。悪役はロボに乗って戦います」

このみ「こっちは生身なのに卑怯ね」

P「そこはまあ、悪役なんで……」

このみ「うわーっ、何だか突然やられたんだけどっ!」

P「人魂に化けると移動速度が上がるんですよ。気をつけてくださいね」

このみ「言うのが遅いわよーっ!!」

P「さて、このみさんは一回やられましたけど普通に勝てましたね」

このみ「むー……せっかく集めたアイテムがなくなったんだけどー……」

P「まあまあ、気を取り直して次の星へ行きましょう」

このみ「次はアチアチスターね」

P「火山をモチーフにしたステージです。ここは結構楽しいですよ」

このみ「あっ、覚えてるわ! トロッコに乗れるのよね」

P「ええ、乗ってみてください。降りたところに爆弾を仕掛けて待ってるんで」

このみ「バトルゲームじゃないんだからやめて!」

P「冗談ですよ」

このみ「ところで、プロデューサーが乗ってるルーイは何の能力なの?」

P「茶色なんでラインボムが出せるんですよ。ほらっ」

このみ「一気にたくさん爆弾を置けるのね」

P「ええ、これが対人戦だとかなり強力なんですよ」

このみ「ふーん、そうなんだ」

P「個人的には一番好きなルーイです」

このみ「そもそもバトルゲームだとルーイを取るだけでもかなり有利よね」

P「そうですね、一回ミスできるわけですから」

このみ「だけど、このソフトに出るのはルーイだけなのね。もっと強力な乗り物が出てくるシリーズもあったと思うけど」

P「どんな乗り物ですか?」

このみ「よく覚えてないけど、ピエロで相手を踊らせたりできる……」

P「ああ、それは次作の『スーパーボンバーマン4』ですね」

このみ「そうなんだ。ボンバーマンって色々出てるから全部は把握してないのよねー」

P「色々と派生してますからね。ゲーム以外にも漫画なんかもありましたし」

このみ「漫画?」

P「コロコロコミックで四コマ漫画が連載されてたんですよ」

このみ「へえ、それは知らなかったわ。面白いの?」

P「面白いですよ。ただ、ほとんどが四コマ目で爆発するオチなんですけどね」

このみ「ちょっと言ってる意味がわからないんだけど」

P「四コマ目だけを横に読んでいくとほぼ全部爆発してるんです」

このみ「……シュールな漫画なのかしら」

P「他にもビーダマンやらボンバーマンジェッターズやら、派生も多かったですよね」

このみ「懐かしすぎる!」

P「爆外伝のアニメも好きだったなあ」

P「さて、三面はブクブクスター。海の星ですね」

このみ「腹筋! 背筋! 胸筋!」

P「その海美じゃないですよ」

このみ「ナイスツッコミね、プロデューサー!」

P(あっ、このみさんが少し酔っ払ってきたな……)

このみ「私もツッコミをやってみてもいい?」

P「えっ? はあ、どうぞ」

このみ「なんで海の中で爆弾が爆発するんかーいっ!」

P「そこにツッコむのはやめてください! ゲームなんで!」

このみ「導火線の火が消えちゃうと思うんだけどなあ」

P「まあ、現実だったらそうでしょうけどね」

このみ「あっ……そんなこと言ってたらクラゲの電撃にやられちゃったわ」

P「敵もだんだん強くなってきましたねえ」

このみ「タコの敵が厄介なのよね、水中に潜っていると攻撃が当たらないもの」

P「タコかあ……タコ焼き食べたいなあ……」

このみ「突然何を言いだすのよ」

P「いやあ、実はお腹が空いてきちゃって」

このみ「言われてみれば私もお腹空いたかも……じゃあ、ぱぱっと夕飯作っちゃうわね」

P「やった、お願いします!」

☆給湯室

このみ「タレはみりんと醤油を適当に混ぜて……っと」

P(前にも見たけど、すごく手際がいいなあ)

このみ「はい、お待たせしました。豚の生姜焼き完成よ~」

P「おおーっ、本格的!!」

このみ「驚きすぎよー。でも、そんなに喜んでくれると私も嬉しいわね」

P「飲み物は何がいいですか?」

このみ「やっぱり生姜焼きにはビールでしょっ!」

P「そう言うと思って、よく冷やしておきました」

このみ「さすがプロデューサー! 準備がいいわねっ」

P「はい、こっちがこのみさんのグラスです」

このみ「ありがとう。さあ、冷めないうちに食べちゃいましょう」

P「そうですね、ではでは……」

このみ、P「いただきまーすっ!」

P「おおっ! このみさんの手料理、すごくおいしいです!」

このみ「ふふっ、ありがとう。味がちょっと濃いめだけど平気?」

P「俺はこれくらいの味の方が好きですよ」

このみ「あら、私と好みが合うわね~」

P「生姜焼きってこのみさんの得意料理ですか?」

このみ「得意料理の一つね。作ると喜んでもらえることも多いわ」

P「えっ、他の人に作ってあげたりもするんですか?」

このみ「ええ、主に家族にだけど。あと、たまに莉緒ちゃんにも作るかしら」

P「ああ、なるほど」

このみ「どうしたの? 安心したような声を出して」

P「いやあ、他の男性にも作ってたら妬けちゃうなーと思って」

このみ「な、何言ってるのよ、もうっ……!」

P(このみさんの頬が赤いけど、もしかして照れたのかな……?)

このみ「ほらっ、早く後片付けしてゲームに戻りましょう」

P「そうですね、ごちそうさまでした」

☆休憩室

P「次はサラサラスター、砂漠の星ですよ」

このみ「うわっ、ピラミッドから何か変なのが出てきたんだけどっ!?」

P「あっ、そいつは倒せない敵なんで避けてください」

このみ「蛇みたいで気味が悪いわね……他の敵も大概だけど」

P「言われてみればそうですね。クモ、キノコ、芋虫までいますし」

このみ「うーん、ちょっと苦手だわ……」

P「とは言っても『スーパーボンバーマン2』の三面ボスよりはずっとマシでしょう?」

このみ「えっ、それは知らないキャラね。どんなの?」

P「邪悪な顔をした太陽です。実際に見ないと伝わらないでしょうけど」

このみ「後で画像検索してみようかしら」

P「……ご自由にどうぞ」

数分後

P「あれっ、携帯が鳴ってますよ。このみさんのじゃないですか?」

このみ「本当だ、ちょっと失礼。……あら、莉緒ちゃんからのLINEね」

P「一度ゲームを中断しましょうか?」

このみ「えーと……ううん、大した用事じゃないし後で返事すればいいや」

P「いや、すぐに返信してあげてくださいよ! 莉緒はいつも返信を待ってるんですよ!」

このみ「それは莉緒ちゃんの持ち歌での話でしょ!」

P「まあ、そうですけど……。急ぎの用事じゃないんですか?」

このみ「ただの愚痴よー。今日の飲み会での話みたい」

P「ああ、莉緒の先約って飲み会だったんですね」

このみ「うん。学生時代の同級生たちと集まってるんだって」

P「楽しそうじゃないですか」

このみ「周りの女子が彼氏のノロケ話ばかりするってぼやいてるわ」

P「あー……」

このみ「メッセージが連続で来てるわね。かまって欲しいみたい」

P「飲み会で話すことがなくて暇なのかなあ……いたたまれない気持ちになりますね」

このみ「後で私たちに合流したいって言ってるわよ」

P「いいんじゃないですか。俺たちもまだ帰る予定ないですし」

このみ「そうね、シアターにいるって伝えておくわ」

P「さあ、次は四面のボスですよ。砂漠のステージらしくサボテン型ロボです!」

このみ「メキシコっぽい格好ね。しかも二体いる!?」

P「こちらも二人なので、ダブルバトルって感じですね」

このみ「むむっ、なかなか手強いじゃない!」

P「ええ、一回で勝てたらすごいですよ」

このみ「じゃあ、もし一回で勝てたらテキーラをちょうだい!」

P「そんなもの事務所にありませんよ!」

このみ「えー、お酒でメキシコを感じたかったのにー」

P「無理言わないでください」

このみ「よしっ、ノーミスでボス撃破よ~!」

P「こっちのチームワークの方が良かったってことですね」

このみ「改めて、我々の勝利にかんぱ~い!」

P「はいはい、かんぱ~い! テキーラはありませんけどね」

このみ「次にスーファミで遊ぶ時には用意しておこうかしら」

P「いいですね、たまには趣向を変えたお酒も飲んでみたいですし」

このみ「趣向を変えたお酒ねえ……そうだっ! それならちょうどいいものがあるわよ!」

P「えっ? ……蛇がつけてあるお酒とかじゃないでしょうね?」

このみ「そんなわけないでしょっ! ちょっと用意してくるからゲームを進めておいていいわよ~」

P(一体何を持ってくる気なんだろう……)

数分後

このみ「おまたせ~。ビール取ってきたわよ~」

P「あっ、おかえりなさい……って、それならさっきも飲んだじゃないですか」

このみ「ふふふ……実は、ビールカクテルを作ろうと思ってね!」

P「ビールカクテル?」

このみ「そう! ビールと他の飲み物を混ぜるだけで簡単にできるのよ」

P「へぇー、なんだかお洒落ですね」

このみ「例えばビールとジンジャーエールを混ぜるだけで、シャンディガフの完成~」

P「おおっ、思ったより簡単そう!」

このみ「そうなのよ。プロデューサーの分も作るから少し待ってね」

P「ありがとうございます」

P「爽やかな味でおいしいですね。いくらでも飲めそうですよ」

このみ「クラッカーにカマンベールチーズも用意したわよ!」

P「おつまみまでお洒落ですね!? 女子会で出てきそうなメニューだ……」

このみ「あら、プロデューサーったら勘がいいのね」

P「えっ、どういうことですか?」

このみ「女子会で作るためにビールカクテルを覚えたのよ。ビールが苦手って子も多いからね~」

P「なるほど、これなら苦味も少なくて飲みやすいですね」

P(周りの人たちのために覚えたっていう所がこのみさんらしいなあ……)

このみ「さあ、ゲームもお酒の勢いに乗っていくわよ~!」

P「五面はユキユキスターです。名前のまま、雪と氷の星ですね」

このみ「いよいよ終盤って感じねー」

P「そこ、足場が崩れるんで気を付けてください」

このみ「オッケー。慎重に進めばなんとかなるわね」

P「チームプレイも板についてきたって感じですよ」

このみ「この調子なら簡単に全クリできるんじゃない? この星が終わったらあと一ステージでしょ?」

P「いやいや、実はラストステージのバグラーシップが格段に難しいんですよ」

このみ「そんなに言うほどなの? そうだとしても、私たちが協力すれば何とかなるはずよ」

P「……そうですね! その気持ちで挑みましょう」

このみ「よーし、一気にノーミスでクリアするわよ~!!」

数十分後

このみ「って、こんなのクリアできるかー!!」

P「……言ったでしょう、難しいって」

このみ「難しすぎるわよ! ザコ敵が厄介な上に電流のトラップまであるし……」

P「それでも何度かラスボスまで辿り着いたじゃないですか」

このみ「そのラスボスの強さが異常なのよ! 何なのあの多彩な攻撃!」

P「合体ロボですからね。何でもできるものなんでしょう」

このみ「むぅー、悔しい! レッドアイもう一杯ちょうだい!」

P「またですか?」

このみ「アルコール度数はそれほど高くないから平気よー」

P「だからって飲みすぎないでくださいよ。あっ、俺が作りますから」

このみ「ありがとっ、ビールの割合多めでおねが~い」

P「はいはい」

このみ「ふふっ、プロデューサーがカクテル作ってる姿、意外と似合ってるわよ。バーテンダーみたい」

P「そうですか? へい、レッドアイお待ちぃ!」

このみ「それじゃラーメン屋よ……。もっとスマートに差し出せるようにならないとね」

P「だって気恥ずかしいじゃないですか」

このみ「まったく、変なところでシャイなんだから」

このみ「ちゃんと大人な雰囲気でカクテルを出してあげたら、きっと女の子も惚れ直すと思うわよ」

P「ははは、じゃあ彼女ができた時のために練習しておきますよ」

このみ「へえ、彼女ができる予定はあるの?」

P「ないですよ。……このみさん、分かってて聞いてませんか?」

このみ「バレた? だって、プロデューサーの忙しさを見てるとそんな暇もなさそうだもん」

P「それはそれで充実した日々ですけどね」

このみ「仕事熱心ねえ。でも、素敵だなーと思う女性もいないの?」

P「それは、まあ……魅力的だと思う人はいますよ。ただ、訳あってアプローチできないので……」

このみ「……………………えっ?」

P「あっ、このみさん。ルーイの卵出たんで取っていいですよ」

このみ「いや、そんなことはどうでもいいから」

P(このみさんが急に真顔になってる……何かまずいこと言ったかな……)

このみ「プロデューサーって好きな人がいたの?」

P「ええっ!? いやっ……す、好きな人とかじゃないですよ!」

このみ「ものすごく動揺してるじゃない」

P「すいません、さっきの発言は酔って口が滑っちゃっただけなんです。忘れてくれませんか?」

このみ「無理、忘れない。その人ってどんな人?」

P(言い逃れできそうにない感じだな……。仕方ない、ここは正直に答えるか……)

P「……しっかり者で優しくて、料理上手で、だけどお酒を飲むと少し子どもっぽくなる可愛い人ですね」

このみ(ベタ褒めしてるし! しかも一緒にお酒を飲むような仲なの!?)

このみ「ねえ、その人って……」

P「さ、さーて! 次こそバグラーを倒すぞー!」

このみ「あからさまに話をそらすの禁止」

P「すいません、あまり詳しくは答えられない話なんです」

このみ「ふーん、私には言いたくないってわけねー」

P「まあ、確かにこのみさんには絶対に言えないことですけど……」

このみ「……プロデューサー、次はパナシェちょうだい」

P「またお酒ですか!?」

このみ「飲まなきゃやってられないのよ」

P「さすがにペースが速すぎですよ。少し休みましょう」

このみ「むぅー……じゃあいいもん、自分で作るもんっ」

P「急に子どもっぽくならないで下さいよ」

このみ「ついでに追加のおつまみも持ってくるわね……おっとと……」

P「ふらついてるじゃないですか。ちゃんと立てますか?」

このみ「立てるに決まってるでしょ……きゃっ!」

P「このみさん!?」

このみ「いたた……転んじゃったわ」

P「大丈夫ですか、このみさん? …………あっ」

このみ「ん? どこ見てるのプロデューサー? ……って」

P(転んだ拍子に、このみさんのスカートがめくれて下着が丸見えに――)

このみ「きゃあああああっ! み、見たっ!?」

P「えっ? な、何のことかわからないなあ~……」

このみ「白々しすぎる! ごまかすならもっと上手くやってよね!」

P「す、すいません……決してわざと見たわけじゃないんです」

このみ「あうぅ……恥ずかしすぎる……」

P(……薄いピンク色だった)

数分後

このみ「プロデューサーのえっち……」

P(どうしよう、さっきからソファでクッションに顔をうずめて動かないままだ……)

P(顔は見えないけど、耳が赤くなってるからよほど恥ずかしかったんだろうな)

このみ「うぅ……」

P「あの、このみさん……さっきのことはごめんなさい」

このみ「……」

P「最後のステージですし、一緒にクリアを目指しませんか?」

このみ「……プロデューサーが一人でやれば?」

P「このみさんと一緒じゃないと面白くないんですよ」

このみ「……そんなことないもん」

P「そんなことありますって」

このみ「……私じゃなくって、他の人を誘えばいいんじゃない?」

P「えっ?」

このみ「素敵な人がいるんでしょ? その人と遊んでればいいじゃん」

P「いや、このみさん……」

このみ「その方が、私と一緒に過ごすよりも楽しいんじゃ――」

P「それは違いますよ! このみさん!」

このみ「……何がどう違うの?」

P「えっと、俺が素敵だと思っている人っていうのは、このみさんのことですから……」

このみ「………………えっ?」

P「すいません、アイドルとプロデューサーという関係上、詳しくは言えなかったんですけど……」

このみ「ちょっ、ちょっと……!?」

P「ずっとこのみさんのことは魅力的な女性だと思ってました」

このみ「……えっ? えっ? ……私!?」

P「はい」

このみ「ええっ――!? で、でも、そのっ……どうしよう、顔が熱い……」

このみ(それって、つまり、プロデューサーは私のことを――)

P「あっ、でも安心してください! 恋愛的な目では見ないようにしてますから」

このみ「…………へ?」

P「仕事柄、アイドルに恋心を抱くのは良くないことなので、ちゃんと自制はします」

このみ「あ、ああ……! そう! 確かにそうよね!」

このみ(なんだ、びっくりした……。告白されたかと思ったじゃない……)

P「だけど、このみさんは素敵な人だと思いますし、一緒に過ごしていてすごく楽しいんです」

このみ「う、うん」

P「だから、他の人と一緒にいればいいって言われた時、どうしても誤解を解きたいと思ったんです」

このみ「プロデューサー……」

P「えっと、俺が言いたいのはそれだけです」

このみ「……」

P「ゲーム、再開します?」

このみ「……うん、さっきは拗ねちゃってごめんね」

P「いえいえ、こちらこそ誤解させるようなことを言ってしまいましたし」

このみ「ちなみに私も、プロデューサーのこと、素敵な人だと思ってるから」

P「ええっ!? そ、それはどうも……」

このみ「ふふっ、プロデューサーったら、顔が赤くなってる~」

P「そ、そんなことないですよ! むしろこのみさんの方が顔真っ赤じゃないですか!」

このみ「こ、これはお酒のせいよ! 変なこと言わないで画面に集中してよね!」

P「先に言ったのはこのみさんの方ですよっ」

数分後

P「ま、まあとにかく……仲直りできて良かったです」

このみ「うん、お互いの思ってることを言えてスッキリした気もするわ」

P「そうですね……そこ、ザコ敵が近づいてるんで気を付けてください」

このみ「この敵、ひたすら追いかけてくるのよね。まずいっ、やられそう……」

P「任せてください、俺が倒します!」

このみ「……ありがとう、助かったわ」

P「チームワークも戻ってきたって感じですね」

このみ「もちろんよ、私たちは最高のパートナーだもの!」

P「さあ、ラスボスの合体ロボまでたどり着きましたねっ」

このみ「もう何度目の挑戦か分からないけど、今度こそは勝つわよ!」

P「よーし、やるぞ……って、いきなりレーザー攻撃がっ」

このみ「気合いで避けるのよ!」

P「そんな紗代子みたいな根性論を言われてもっ……、ふぅ、なんとか回避しました」

このみ「私が画面下で相手の攻撃を引き付けるわ」

P「わかりました。その隙に俺が横から攻めます!」

このみ「あっ、追尾ミサイルが来るわよっ」

P「まずい、やられるっ!」

このみ「今のは避けようがなかったわね」

P「こちらの残機はゼロか……もうミスできないですね」

このみ「しかも相手の体力はまだまだ残っているはずよ」

P「状況は絶望的か……」

このみ「だけど、徐々に相手の攻撃パターンにも慣れてきたわ」

P「そうですね、最後まで勝負は分かりませんよね」

このみ「それにこういうのは、困難があった方が燃えるものなのよ!」

このみ(ゲームも、そしてきっと恋もね……)

P「よしっ、こっちの攻撃が当たってますよ!」

このみ「いける! このままいけば勝てるわよっ」

P「さっきからこちらが押してるのにまだ倒れないのか……」

このみ「でも、あと少しのはず……あと少しでっ……!」


――――ドドドドドドドッ!


P「…………えっ!? 敵のロボットが炎上して……倒れた!!」

このみ「これは、まさかついに……」

P、このみ「勝ったあああああああああ!!」

このみ「やったわね、プロデューサーっ!」

P「やりましたね! いやー、長かっただけに達成感がある……」

このみ「本当にね。ほら、プロデューサー。もっとこっちに寄って!」

P「えっ? はい」

このみ「えへへ、ぎゅーっ」

P「……って、ど、どうして抱きついてきてるんですかっ!」

このみ「ちょっとしたスキンシップよー。えへへー」

P(クリアした高揚感とお酒のせいで、このみさんが変なテンションになってるー!?)

P「こ、このみさんっ! そんなに密着されると困りますよっ」

このみ「えー? いいじゃない、何が困るっていうの?」

P「いや……そろそろ俺の理性が持たないと言いますか、そのー……」

このみ「え、何か言った?」

P「何でもないです! ただ、こんなところ誰かに見られたらまずいですし……」

このみ「誰も来るわけないじゃない。もう夜中よ?」

P「そ、それは確かにそうでしょうけど……」

――――ガチャッ

莉緒「お待たせーっ、このみ姉さーんっ!!」

P「うわっ!?」

このみ「きゃっ! びっくりしたー……って、莉緒ちゃん!?」

P(しまった、莉緒が来ることをすっかり忘れてた! この状況、絶対に誤解される――)

莉緒「…………えっ、二人とも何やってるの? まさか、私に秘密で……」

P「い、いやっ。やましい気持ちで抱き合っていたんじゃないんだぞ!?」

このみ「そ、そうなのよ莉緒ちゃんっ! これには訳が……」

莉緒「ボンバーマンで遊んでいたのね!? 私も一緒にやりたかったのに二人だけずるい~!」

P、このみ(えっ……そっち!?)

莉緒「私も最初からこっちに来てればよかった~」

このみ「莉緒ちゃん、かなり酔ってるでしょ?」

莉緒「飲まなきゃやってられないのよー、聞いてよこのみ姉さ~ん」

このみ「はいはい、ゆっくり聞くから」

P(とにかく、変な誤解をされなくて良かった……)

数分後

莉緒「それでねー、友達が彼氏とハワイ旅行に行った話を延々聞かされてー……」

このみ「うんうん、辛かったわねー」

P「莉緒、飲み会に行くのはいいけどお酒はほどほどにしろよ?」

莉緒「えー? プロデューサーくんだって、このみ姉さんと一緒に散々飲んでたクセに~」

P「それを言われると返す言葉がないな」

莉緒「二人でゲームしてたんでしょ? いいなあー」

このみ「じゃあ、莉緒ちゃんも今から一緒に遊ぶ?」

莉緒「えっ、いいの!?」

このみ「ノーマルゲームはクリアしちゃったけど、まだバトルゲームがあるもの」

莉緒「やったー! このみ姉さん大好き~」

このみ「三人いるから、負けた人が交代するルールで遊びましょう」

莉緒「うん、やるやる!」

P「だけど、今から始めたら徹夜コースになりそうですよ?」

このみ「いいじゃない、三人とも明日は休みなんだから」

莉緒「そうそう! まだ夜は長いんだから、みんなで飲み明かすわよ~」

P「……まあ、たまにはこんな日があってもいいか」

莉緒「決まりね! じゃあ私、追加のお酒持ってくるからっ」

P「ああ、悪いな」

このみ「いやー、まさか急に莉緒ちゃんが来るなんてね」

P「俺も驚きました。でも、これで人数も増えて賑やかに飲めますよ」

このみ「ええ、みんなで過ごす時を大切にしたいわ。……当然、プロデューサーと二人きりでいるのも好きだけどね」

P「俺も同じ気持ちです。二人の時間はまた今度作りましょう」

このみ「うんっ、楽しみにしてるからね! ……あっ、莉緒ちゃんが戻ってきたみたいよ」

莉緒「お待たせ~。ねぇ、この梅酒って開けていいのかしら?」

P「ああ、構わないよ。おつまみも好きに取っていいからな」

このみ「ふふっ……今日は楽しい夜になりそうね」

おわり

以上で完結です、ありがとうございました。

☆過去作

【ミリマスSS】百合子「耳をすませば」
【ミリマスSS】百合子「耳をすませば」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1446205360/)

【ミリマスSS】P「星のカービィSDXです」このみ「懐かしいわね」
【ミリマスSS】P「星のカービィSDXです」このみ「懐かしいわね」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1447411397/)

【ミリマスSS】このみ「マリオカート?」P「SFC版です」
【ミリマスSS】このみ「マリオカート?」P「SFC版です」 - SSまとめ速報
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【ミリマスSS】百合子「ここが天狗の舞い降りし神の山……」P「高尾山な」
【ミリマスSS】百合子「ここが天狗の舞い降りし神の山……」P「高尾山な」 - SSまとめ速報
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【ミリマスSS】このみ「温泉旅行よ!」P「いや、仕事ですから」
【ミリマスSS】このみ「温泉旅行よ!」P「いや、仕事ですから」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1458042883/)

莉緒ねぇは純粋だな
乙です

>>1
馬場このみ(24)Da
http://i.imgur.com/nvVe5ru.jpg
http://i.imgur.com/LeTU0fs.jpg

>>47
百瀬莉緒(23)Da
http://i.imgur.com/W6YU3KT.jpg
http://i.imgur.com/K1kQj7Z.jpg

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