【ガルパン】まほ「出てこいみほ! 決着は生身でつけろ!!」 (73)


これは
【ガルパン】まほ「出てこいみほ! 決着は生身でつけるぞ!!」
【ガルパン】まほ「出てこいみほ! 決着は生身でつけるぞ!!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1454424215/)
の続き?です。

前スレの212と213の間のお話となっています

前スレは要約するとGガンダム風ガルパンです

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1463865483


・・・・・・

~アンツィオ高校~


 なんかイタリアっぽい広場に集合する生徒達ッ!

 なんかデカイ階段の上から多くの生徒を見下ろすはッ、アンツィオ高校戦車道隊長、総帥アンチョビッッ!!

 腹心のカルパッチョとペパロニも控えるッッ!!


カルパッチョ「全員気を付け。これより総帥からのお言葉があります」


 傾注ッッ!!!!


アンチョビ「――きっと奴らは言っている。『ノリと勢いだけはある。調子に乗ると手強い』」

「おおー!」「強いって!」「照れるなぁ~」

「でも姐さん、『だけ』ってどういう意味ッスか?」

アンチョビ「つまりこういうことだ。『ノリと勢い以外は何もない。調子が出なけりゃ総崩れ』」

「「「「「な、何ィィィィーーーーー!?」」」」」


 アンチョビの言葉に一喜一憂するアンツィオ生徒ッ! その怒りは天をも貫く無双足り得るかッ!?


カルパッチョ「皆落ち着いて。実際に言われたわけじゃないから」

ペパロニ「あくまで総帥による冷静な分析だ」

アンチョビ「そう。私の想像だ」

「ホッ」「なーんだ」「あービックリした」

アンチョビ「いいかお前達。根も葉もない噂にいちいち惑わされるな」


 なんかSMっぽいやつを手に持つアンチョビッ、満面の笑みッ!


アンチョビ「私達はあの、時間停止のエクレールや斬鉄剣フォンデュを擁するマジノ女学院に勝ったんだぞ!!」

「ああ! そうだった!」「ありましたねそんな試合」

カルパッチョ「苦戦しましたけどね……」

ペパロニ「勝ちは勝ちだ!」

アンチョビ「うむ。ノリと勢いはなにも悪いだけじゃない。このノリと勢いを2回戦に持って行くぞ!」


カルパッチョ「次はあの西住流が率いる大洗女子ですね」

「に、西住流ってあの砲弾とか弾き返してくるやつっすよね?」「ヤバくないすか?」

アンチョビ「心配するな! ……いや、ちょっとしろ。何のためにコツコツ倹約して貯金をしたと思っている!」

ペパロニ「んー……何ででしたっけ?」

アンチョビ「前にも話しただろう! それは秘密兵器を買うためだ!」

「おおー!」

アンチョビ「フッ……その秘密兵器と、諸君らのノリと勢いがあれば、悲願の3回戦出場も夢ではない!!」


ペパロニ「総帥自身もスッゲー超能力の持ち主っすもんね!」

アンチョビ「え?」

「ああそうだった!」「総帥ってそのスンゲー能力を買われてわざわざアンツィオに来てくれたんすよね!」「どんな能力かは見たことないけど……」

ペパロニ「お前ら何言ってる! それは総帥がその能力を使うまでもないということだろーが!!」

「おおおおお!!」

ペパロニ「総帥が力を開放すれば、大洗女子どころか……プラウダや黒森峰だってチョチョイのチョイだぞ!!」

「さっすが姐さん!!」「総帥最高ー!!」

アンチョビ「あ、ああ……うん。そうだぞ。すごいぞ総帥は……」


アンチョビ「ゴホン!! そして見ろ、これが……我らがアンツィオの秘密兵器――」


 キーンコーン


「「「「「ッ!!!!」」」」」

アンチョビ「あ」

「お昼の時間だー!」「パスタパスタ!」「イモータン!!」

アンチョビ「あ、ちょっと、お前達ぃ!! まだ秘密兵器をお披露目してないだろーー!!」

ペパロニ「今の時期、食堂のパスタは取り合いっすよ!」ダッ

アンチョビ「お前もかー!!」


・・・・・・

~早朝・大洗女子学園艦~


みほ「はぁっ……はぁっ……あと1周……」


 まだ日も昇らぬ歩道を走る1人の影ッ!

 大洗女子戦車道隊長・西住みほであるッッ!!

 聖グロリアーナとの練習試合以降ッ、みほは毎朝こうして鍛錬を積んでいるのであったッッ!

 学園艦を何十周も走り込みッ、特注サンドバッグへの蹴り込みを続けッ、己と向き合いッ、飯食って映画見て寝てッ、心身ともに磨き上げるッ!!


みほ「(まだ、これじゃ足りない……これじゃお姉ちゃんどころか、エリカさんすら……ッ!)」

みほ「(お姉ちゃんは強い……私は、それを越えなければ……お姉ちゃんより強くならなきゃ、優勝なんてできないッ!)」


 かつて実家に居た頃の倍の密度での鍛錬をしている内にいつのまにやら登校時間ッ! みほは女子高生だから学校に行くのだッッ!


  Oh……>>6>>7の間にこれである


アンチョビ「はぁ……まぁ、自分の気持ちに素直な子達が多いというのが、この学校の良さではあるが……」

カルパッチョ「大変ですね」

アンチョビ「分かってくれるのはお前だけだよ……私にはこの前のルクレールみたいに何か超常的な力があるわけでもない。ただの一般人だぞ」

カルパッチョ「噂の一人歩きというやつですね。でも、それがここまで盛り立てられているんですから、やっぱり総帥には非凡な才能があるんですよ!」

アンチョビ「そうなのだろうか……そもそも、あの大洗に勝てる気がしない……」

カルパッチョ「そのために買った秘密兵器じゃないですか! 頑張りましょう総帥!」

アンチョビ「ああ……が、頑張るぞ!」


・・・・・・

~昼休み・生徒会室~


 あんこうチームと生徒会カメさんチームで行われる作戦会議ッ、しかしそこに優花里の姿が無いッ!


桃「これがアンツィオの戦車道だ。イタリアな校風のこの学園は戦車も勿論イタリア。1回戦で使ったのはCV33にセモベンテだな」

華「私CV33大好きなんです。Ⅳ号で踏み潰せそうですよね」

沙織「どういう『好き』なの!?」

みほ「分かる。分かるよそういう『好き』」


杏「まぁどっちもそこまで強いわけじゃないけど……噂によるとなにやら新兵器を手に入れたみたいなんだよネェ」

みほ「新兵器ですか?」

柚子「どうやら新しい戦車らしいけど……それに、アンツィオの隊長、安斎千代美さんの持つ能力とやらも未だ不明のまま……」

杏「まぁあの時間停止と斬鉄剣を破ったくらいの奴だから……それなりに何か『持ってる』と見て間違いはないかも」

桃「『瞬間移動』『目からビーム』など様々な憶測が飛び交っているが……どれも眉に唾だ」

みほ「そうなんですか……楽しみですね」ニィ

沙織「えっ、なんで楽しみなの?」

みほ「えっ? ……あ、そうだよね。手強い相手かもしれないんだし、戦うのが楽しみなんて思っちゃいけないよね」アセアセ

華「私は良いと思いますけど」

杏「ま、どっちももうすぐ分かりそうだけどね」

沙織「もうすぐ?」


 沙織の言葉とほぼ同時に開く生徒会室のドアッ! それは例によってサンクスの制服を着た優花里によるものだッッ!!


優花里「秋山優花里、ただいま帰還しました!」

しほ蔵「まったく、また無茶をする」

みほ「優花里さん、それにおか……しほ田さんも…………もしかしてまた?」

優花里「はい! またピンチになりかけましたが……それでも諸々の情報をゲットしてきましたよ!!」


・・・・・・


 『秋山優花里のアンツィオ高潜入大作戦』
    \ペーンペンペンペーン/


優花里『私は今アンツィオ高校に来ています。今回もコンビニ船で』

優花里『にしてもここはお祭り騒ぎですね……丁度学園祭の日なのでしょうか? 聞いてみましょう』


優花里『あのー私転校してきたばかりなんですけど、今日ってお祭りですか?』

『え? 違う違う。ウチは色んな部や委員会が屋台出してるからいつもこんなんだよ』

優花里『ほえーそうなんですか。凄い学校ですね……っと、戦車の形をした屋台まであります!』

ペパロニ『アンツィオ名物鉄板ナポリンタンだよー! 茨城県のとある喫茶店もやってるよー!』

優花里『ひとつくださーい!』

ペパロニ『いいよ! まず――』

優花里『とてもいい匂い……食欲をそそります!』


ペパロニ『はい一丁あがり!』

優花里『んほおおおお!! 美味しいです!!』

ペパロニ『だろぉ~!』

優花里『あ、そうそう。ところでこの屋台戦車みたいな屋根してますけど、戦車といえばアンツィオにはなにやら新兵器があるとか?』

ペパロニ『なに?』ギロッ

優花里『ひぇっ』

ペパロニ『お前通だねぇ~! ここだけの秘密っつぅか絶対言っちゃいけないんだけど、重戦車を仕入れたんだよ~!!』

優花里『重戦車! イタリアの重戦車といえばP40ですか!?』

ペパロニ『そうそうそれそれ! アンチョビ姐さん……あ、ウチの隊長なんだけど、その人の秘密の力もあるしこりゃ大洗には勝ったも同然だな~ってね!』

優花里『ほほー』

ペパロニ『姐さんも喜んじゃって、毎日コロッセオで乗り回してるから、見たけりゃそこに行きな!』

優花里『はい! ありがとうございます!!』


優花里『有力な情報ゲットであります!』


優花里『コロッセオとはこの建物のはずですけど……おや、中が騒がしいですね。行ってみましょう』

アンチョビ『これが我らの秘密兵器だー!!』


 \ワー!/ \キャー!/


優花里『うわっ、P40の本物初めて見ました!』

アンチョビ『これさえあれば大洗など軽く一捻りだ!』


『『『『『ドゥーチェ! ドゥーチェ! ドゥーチェ! ドゥーチェ!』』』』』

アンチョビ『ウハハハハー!』


優花里『想像以上にノリと勢いのある学校でしたね……しかしP40は見れましたが、隊長の能力というのが……』

アンチョビ『ん? オイ貴様。この学園の生徒にあるまじきノリの悪さだな』

優花里『はい? えっ、私ですか!?』

『アン? コイツ見ない顔だ』

優花里『わ、私はこの前転校してきたばかりの秋山――』

カルパッチョ『あっ、この人! 大洗女子の人ですよ! 1回戦のビデオで見ました!!』

アンチョビ『なにぃぃぃ!!? スパイか貴様!! 者ども捕えろー!!』

優花里『うわああああぁぁぁ!? に、逃げるであります!!』


『待てー!!』

優花里『うるせーであります!』ヒュンッ

『ぐあっ、トマトを投げつけてきやがった!』

優花里『そのCV33借りるであります!』

『借りるってなんだよ!?』

優花里『オラオラどけどけ轢き殺されてーのかバカヤローコノヤローオメーであります!!』

『ウワアアアアアア!!!?!?!?』


・・・・・・


一同「………………」

沙織「ま、まるで絶賛発売中ガールズ&パンツァー コミックアンソロジー SIDE:アンツィオ高校の中の漫画みたいだよ……」

優花里「ちなみにこのあと捕まったんですけど」

沙織「捕まったの!?」

桃「よく警察に突き出されなかったな……」

優花里「尋問されそうになっていたところをまたしほ田殿に助けていただいたのであります」

しほ蔵「しかし、そう何度も危険なことをするのは感心しません。今後はこのようなことはしないよう誓ってください」

みほ「そうだよ優花里さん! 優花里さんに何かあったら、私……」

優花里「に、西住殿……!!」

沙織「もうこんなことはしないでね!」

華「はい。誰か1人でも欠ければそれはもうあんこうチームではないのですから」

麻子「Zzz」

優花里「皆さん……ありがとうございます……これからはこういうことは控えます」

しほ蔵「……」フッ


・・・・・・

~グラウンド~


みほ「カエサルさんから教えてもらったP40の情報はこんな感じですね」

杏「よくあったねそんな情報」

カエサル「家の資料を漁った。本当は私の友達がアンツィオにいるから教えてもらうのが手っ取り早いんだが……」

桃「なら何故そうしない」

カエサル「やっぱりそこは正々堂々がいいからな」

柚子「まさに戦車女子だね!」

みほ「それじゃあ、P40に比較的近いのはⅣ号ですから、Ⅳ号と八九式を仮想敵として模擬戦をやります」

杏「オッケー。しばらくはそのメニューでいこうか」


杏「あ、ところでさ西住チャン」

みほ「はい?」

杏「P40の砲弾はこの前みたいにボーンって弾けるの?」

みほ「どうでしょう……やってみないと分かりませんけど、前と全く同じ状況なら、相手に返せます」

桃「なら前もファイアフライに返していればヒヤヒヤせずに済んだのだ!」

みほ「前はまだ鍛錬が不十分でしたから……今なら毎日練習してますから、大丈夫です」

杏「ヘェ~、期待しとくね」

みほ「はい!」


みほ「(そう……今なら、きっとそれくらいならできる。でも、それじゃ足りない……!)」


・・・・・・

~森~


みほ「………………」ザッザッザッ

しほ蔵「練習を放り出して自分は怠けるか?」ヌッ


 木々の間から現れる忍者ッ! しほ田しほ蔵ッッ!!


みほ「要点は全部教えたから、あとは皆ちゃんとやってくれるはず……私は私のやることをやるだけ」

しほ蔵「ほう? やること、とな?」

みほ「………………」ザッ


 みほッ、地に膝をつくッ! そして手ッ、頭ッッ!! 土下座の姿勢ッッ!!


しほ蔵「ッ、何の真似」

みほ「お願いします……私の、組手に付き合ってください」

しほ蔵「ほう……」

みほ「今の私では、お姉ちゃんはおろか……これから戦う人達にも勝てないかもしれない……だからッ」

しほ蔵「……私は大洗女子の臨時コーチである。組手など――」

みほ「なら、受けさせるのみッッ!!」バッ


 地に這いつくばった姿勢から一転ッ、しほ蔵の懐へと飛ぶみほッッ!!

 不意を突いたみほの蹴りがしほ蔵に飛ぶッッ!!


しほ蔵「ぐっ……! 相変わらず、意固地になったら聞かん子ッ!」

みほ「西住流機銃爆蹴ッッ!!」


 まるでマシンガンのような蹴りの雨がしほ蔵へ殺到ッ! しかしッ、しほ蔵は既にそこにはいないッッ!!

 その蹴りは虚しくも空を切りッ、みほの何十倍もの年月を生きたであろう大木を蜂の巣にするのみッ!


しほ蔵「いいでしょう。そこまで言うなら相手になりましょう」コォォォオ

みほ「(ッ、なんてプレッシャー……!)」

しほ蔵「西住流……現(うつつ)」

みほ「消えた……!?」


 瞬間ッ、みほを襲う無数の攻撃ッッ!!

 みほの身体はズタズタだッッ!!


みほ「――ガ、ハァッ!!?」ドサッ

しほ蔵「抜かす現が、あなたの五感から私を抜かす」

みほ「い、まのは……!?」

しほ蔵「あなた達姉妹に教えた西住流の技はその欠片でしかない。強くなりたいのでしょう? ならば、まず私の攻撃から逃げ、生き残りなさい」

みほ「(本気の殺気……!)クッ!」

しほ蔵「西住流、幻(まほろ)」

みほ「グアアアアアアァァァァァァァァァッ!!」


 こうして始まったしほ蔵の鍛錬ッッ!! 行きつく先は修羅道か地獄かッ!!

 すべてはあの姉の背中をッ、討つためッッ! みほの過酷な修行が始まったッッ!!


・・・・・・

~2回戦会場~


『これより、アンツィオ高校対大洗女子学園の試合を始めます』


杏「いよいよだね」

桃「はい……また、負けられない戦いです」

柚子「負けられない戦いなら、これとあともう2回だよ、桃ちゃん!」


カエサル「練習の成果を見せるぞ、皆!」

典子「敵の戦車は見た感じバレーボールでも抜けそうだ! 殺しまくるぞ皆!!」

梓「私達も頑張るよ!」

杏「士気もいい感じィ」

桃「しかし、肝心の西住が……」


優花里「に、西住殿……本当に大丈夫ですか?」

みほ「大丈夫。ダメージは残ってないよ」

沙織「そんな重症の怪我人みたいな恰好で言われても説得力無いよ!!」


 みほは度重なるしほ蔵の攻撃により四肢には包帯片目に眼帯とズタボロの有様ッ!!


みほ「大丈夫だって。それにこの格好してると……ボコになったみたいで、勇気が湧いてくるの」

麻子「ああ、あの趣味の悪いぬいぐるみ――」

みほ「……」シュッ

麻子「」ドサッ

沙織「うわああぁっ!? ま、麻子が倒れた!!」

華「貧血ですか?」

優花里「あんこうチーム乗員2名負傷中です!!」


柚子「だ、大丈夫なのかな……本当に……」

桃「というか今朝車に轢かれたとか……言い訳にはもっとマシな嘘を持って来い!」

杏「でも西住チャンは理由を言おうとしないし、それに試合はできるって言ってるんだから大丈夫でしょ」


アンチョビ「たのもー!!」

杏「おおチョビ子~」

アンチョビ「チョビって言うな! 私はアンツィオの総帥アンチョビ!」

桃「で、何の用だ安斎」

アンチョビ「アンチョビ! ……試合前の挨拶に決まっているろう。そちらの隊長は?」

桃「ああ……あ、あのー西住ー……」

みほ「はい?」

アンチョビ「は? あの怪我人が隊長……か?」

みほ「あ、どうも。西住みほです」

アンチョビ「おいおいこんな奴があの西住流だってぇ? まぁいいや。たとえ西住流だろうが島田流だろうが、我らは負けない――いや勝つ!」


みほ「あはは……よろしくお願いします」スッ

アンチョビ「ああ。よろしく」スッ


 握手ッ! 戦士の宣誓ッッ!!


アンチョビ「ッ!? あ、あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!! い、痛い痛いぃぃぃぃ!!!」

みほ「あっ、ご、ごめんなさい! つい力加減が……」

アンチョビ「(な、なんだコイツ本当に人間か!!?)」

アンチョビ「(や、やっぱり西住流って本当に強いんだぁ……どどどどどうしよう……)」

アンチョビ「(1回戦のビデオであった砲弾弾きとかやる人種だ……絶対殺されるぅぅぅぅ)」


桃「フン、貴様こそまだ力を隠し持っているくせに大した演技だ」

アンチョビ「エッ!!?」

みほ「そういえば、アンチョビさんは凄い力を持っているとか……でも、どんな能力でも正々堂々戦いましょう!」

アンチョビ「い、いやそれは……」

\ドゥーチェー!! いいぞー!!/ \ガツンと言ってやってくださいよー!/

アンチョビ「う、ぐぐぐぐおおおお!! そうだ!! 貴様など一捻りだからな!! 覚えてろー!!」

みほ「あ、行っちゃった……」

みほ「(うーん……でも、今握手した限り特に力が強いってわけじゃないみたいだし……どんな能力なんだろう)」


アンチョビ「ガルバッジョオォオオオォ!!!!」

カルパッチョ「総帥、生きて帰れるといいですね♪」

アンチョビ「何故そんなにご機嫌なんだ!!」

カルパッチョ「さっき昔の友達と会えて……」

アンチョビ「そ、そうか……だ、だがやばいぞアレ! あんなのと戦ったら確実に首を刎ねられる!!」

カルパッチョ「大丈夫ですよ総帥。どうせやるのは戦車戦なんですから」

アンチョビ「だ、だがなぁ……」

カルパッチョ「たとえ特別な力なんて無くたって総帥は総帥です! ビシッといきましょう!」

アンチョビ「ぐぬぬぬ……! ぬ、ぬおおおおおお!!!!」


ペパロニ「総帥! マカロニ作戦準備完了です!」

アンチョビ「よ、よーし……カルパッチョ、ペパロニ! いくぞ!!」

カルパッチョ・ペパロニ「はい!!」

ここまで OVAのみですので前スレと比べて短いです


・・・・・・


『大洗女子学園フラッグ車、38t、アンツィオ高校フラッグ車、P40。両チーム準備完了確認! 試合開始!!』


アンチョビ「Avanti!!」

「「「「「イエエエエエァァァァァァアアア!!!!」」」」」

アンチョビ「いけいけー! どこまでも進めー! 勝利を持ち得る者こそがパスタを持ち帰る!!」

「ドゥーチェ!! ドゥーチェーーー!! ドゥーチェアンチョビー!!」

アンチョビ「ん? 無線機も使わず誰だ?」チラッ

「あっ、見た! 今総帥がこっち見た!」

「馬鹿野郎、マカロニを見たんだ!」

「目が合った!」

「地平線を見たんだ!」

「うおおおおおおお!!!!」ブロロロロロロ

アンチョビ「ちょ、おいそこのCV! 隊列を乱すな!!」

ペパロニ「お、威勢のいいのがいるなぁ。遅れるんじゃねぇ! このペパロニに続け!! Witness me!!」


アンチョビ「まぁいい……マカロニ作戦開始だ!」

カルパッチョ「CV各車はマカロニを展開してください」

ペパロニ「オーケー! マカロニ特盛で行くぜ!!」

アンチョビ「今回のフィールドは十字路を中心とした森林地帯。ならば豆戦車の快足を活かして先に十字路に我らのマカロニを仕掛ける……フフッ、慄く大洗の姿が浮かぶぞ」

カルパッチョ「とてもいい作戦だと思います」


ペパロニ『総帥、マカロニ特盛設置完了です!』

アンチョビ「よーし、お前達は機動力を活かして十字路を大きく迂回。大洗が十字路で立ち往生している所を奇襲するぞ!」

ペパロニ『了解ッス!!』


・・・・・・


みほ「相手は豆戦車……もう十字路は取られているかもしれない……」

優花里「確かに十字路は今回の要所ですが、逆に敵の位置が予想しやすいのでは?」

みほ「うん……先行のアヒルさん、十字路の様子はどうですか?」

典子『セモベンテ2輌、CV3輌、既に十字路に陣取っています!』

沙織「十字路の北東側ですか?」

典子『はい!』

桃『それならば南から突撃だ!』

みほ「え、でも全周警戒の可能性も……」

桃『アンツィオだぞ!? ありえん!!』

優花里「ひどい言われようですね」


杏『でも突撃イイネー』

みほ「…………分かりました。十字路に向かいましょう。ただし迂回しながらです」

優花里「直行しないんですか?」

みほ「ウサギさんチームのみ、ショートカットで先行してもらいます。まだP40の所在も分かりませんから、フィールドを抑えつついきましょう」

典子『隊長、CVは装甲も薄いし……ここは先制殺人の許可を!!』

みほ「駄目です。セモベンテは待ち伏せを得意とする戦車ですし、後ろにP40を含めた本体がいたらグリルにされちゃいますよ」

典子『構わない! 死ぬときは派手に死ぬ!! 戦車前進!! ヴァルハラまで飛ばせ!!』

あけび『きゃ、キャプテン落ち着いてぇぇ!!』

忍『殺すのには賛成ですけど、ここは西住隊長に従わないと逆に殺されますよ!』

妙子『味方に殺されるのは嫌ですぅー!』

典子『むむむ……仕方ない』


梓『こちらウサギチーム、十字路の北西側に敵発見!』

優花里「完全に十字路を抑えてきましたね。流石アンツィオ」

みほ「動きは無いみたい……ということは、持久戦?」

優花里「ノリと勢いを封印してくるとは……」

梓『敵の正確な情報です。セモベンテ2輌CV4輌です』

華「ん? 数が合いませんね。全部で11輌も」

優花里「2回戦のレギュレーションは10輌までですから……インチキしてるとか?」

桃『なんだと!? 正々堂々とか言ってたクセにやつらめぇぇ!! 審判団に抗議する!!』

みほ「待ってください。もしかしたら……」

沙織「どうしたのみぽりん?」

みほ「アヒルさん、ウサギさん。退路を確保しつつ敵に斉射してください」

梓『了解!』

典子『オッシャアア行くぞ!!』


 M3と八九式が同時に火を吹くッ! バラララララララッ!!


典子「オラッ、バリボー喰らってあの世へ行けッ!!」

梓「あ、あれっ……なんか簡単に抜けてる……って!!?」

あけび「キャプテンこれって!」

あゆみ「偽物だぁ!!」

桂利奈「ハリボテだぁーッ!!」


 ナムサンッ! 敵車輌だと思っていた木の板に無駄弾ッ!!


優花里「欺瞞作戦なんてやりますね。詰めが甘かったみたいですけど」

みほ「一瞬そういう幻影を見せるアンチョビさんの能力かと思ったけど……」

華「本当はアンチョビさん、普通の人なんじゃ……?」

沙織「えー? でもあれだけ崇められてるんだから何かしらあるって!」

みほ「うーん……まぁいいや。とにかくこれで敵の作戦は読めました。こちらを十字路に釘付けにしておいて、包囲する作戦でしょう。アヒルさんウサギさん、今から言う地点へ進軍してください」


・・・・・・


ペパロニ「ワハハッ! 今頃あいつらビビッて十字路で立ち往生してるぜぇ! 戦いはオツムでやるものってね!」

アンチョビ『ちゃんと十字路にデコイ置いたな?』

ペパロニ「あ、姐さん。ちゃんと全部置きましたよ!」

アンチョビ『ハァァァ!? 11枚全部置いたら数が合わないからバレるって言ったろ!!』

ペパロニ「あれ? あ、そうでしたっけ」

アンチョビ『アホ! ええい我々も動く!!』


典子「いた、西住隊長! CV5輌発見!!」

みほ『交戦許可します』

典子「よっしゃあ佐々木! 任意発砲!!」

あけび「はい!」

「ペパ姐さん、後ろに敵戦車!」

ペパロニ「なに!?」

「ティーポ89です!!」

ペパロニ「ええいしゃらくせぇ! こっちは5輌もいるんだ、やっちまえ!」

「はい!!」


梓『こちらウサギチーム、セモベンテ2輌発見!』

みほ「セモベンテとはつかず離れずで交戦してください」

梓『はい!』

みほ「アンコウ、カメさん、カバさんはこのまま敵主力を探し出し……って、正面!!」

桃「なに!?」

カエサル「敵か!」


 すれ違うⅣ号P40ッ!

 大洗3輌に対しアンツィオのP40はセモベンテとCV33を1輌ずつ供に置くッ! 数的には拮抗ッッ!


アンチョビ「全車旋回ッ! 敵フラッグ車発見だ!!」

カルパッチョ「ッ、あのカバのマーク……!! 総帥、Ⅲ突は私が!」

アンチョビ「頼む!」

カエサル「なにやら向かってくる奴がいる、隊長、いいか?」

みほ「セモベンテはお願いします。アンコウとカメさんで敵フラッグ車を追い詰めます!」


 その後のアンツィオは散々であったッ!

 アヒルさんと交戦していたCV33小隊はペパロニ車を残し全滅ッッ!! 仮にも戦車と呼ばれる装甲は典子の放つバレーボールで抜けッ、ウサギさんと交戦していたセモベンテ2輌は1輌を撃破されていたッ!

 P40の僚車を務めていたCVも撃破されッ、フラッグ車は丸裸ッッ!!


アンチョビ「ぐ、ぬぬぬぬ……ッ、まさかここまでやられるなんて……包囲戦は中止! 戦力を立て直すぞ!! 分度器作戦だッ!」

桃「フハハハハ、逃がすか!! 柚子、突撃!!」

柚子「フラッグ車が突撃したら駄目だよ桃ちゃん!」

みほ「このまま締め上げましょう。アヒルさんウサギさん、合流される前に撃破お願いします」

典子・梓『了解ッ!』

華「にしても、アンチョビさんは未だに何もしてきませんね」

優花里「隠された能力を使うなら今だと思うんですけど」

みほ「いや、多分……」


・・・・・・


カエサル「うおおおおおッ! どこでもいいから当てろ! Ⅲ突の砲ならセモベンテくらいどこでも抜ける!」

カルパッチョ「回り込んで脇を狙って!」


 アンチョビの指示もそっちのけッ、熱きタイマンが行われていたッ!!
 
 Ⅲ突とセモベンテッ、対戦車自走砲同士の鍔迫り合いッ!! 互いの方針を弾き合うッ!!


「パッチョ姐さん、このままじゃ押し負けます!」

カルパッチョ「クッ……ッ!」バッ

「あ、ちょ、どこへ!?」


カエサル「あれは……!」

カルパッチョ「タカちゃん!!」

カエサル「ヒナちゃん!?」


 セモベンテから身を乗り出しッ、姿を晒すカルパッチョッッ! 無謀にも見えるこの行為が2輌の動きをピタリと止めたァァッ!

 たまらずカエサルも飛び出すッ!


カエサル「ヒナちゃんがセモベンテの……」

カルパッチョ「Ⅲ突のそのマークには見覚えがあったから……」

カエサル「そっか……なら、やることはひとつだね」

カルパッチョ「ええ。決着をつけましょう、タカちゃん」

カエサル「……いいや、タカちゃんじゃない」

カルパッチョ「?」

カエサル「私は、カエサルだッ!」

カルパッチョ「…………フッ、カエサル……オッケー、刻んだ。今度はそっちが私を刻んでね。私の名前を、カルパッチョという名をッッ!!」

カエサル「おうともさッッ!!」


 2輌同時に白旗が上がったのはッ、それから数合撃ち合った後であるッッ!!


・・・・・・


アンチョビ「クソッ、クソクソクソォォ!!」ダンッ

アンチョビ「(やっぱり、駄目なのか……? 今年こそ、今年こそはベスト4、そして優勝をと思っていたのに……ッ!)」


 アンチョビッ、キューポラから顔を出しⅣ号を睨むッ!!

 みほはその視線に気付きッ、真正面から目を合わせるッ!


アンチョビ「私に何が足りないッ! 力か? 戦車か? 覚悟かッ!?」

みほ「…………」

 
 みほッ、不答ッッ!! しかしッ、その目はアンチョビを捉えて離さないッッ!!

 そしてP40の砲弾がⅣ号へと飛ぶッッ!! あわやッ、Ⅳ号撃破ッッ!!


みほ「ハァァァァァァァァァァァァッッ!!!!」ズオォッ

アンチョビ「な、にぃっ!!?」


 みほが跳ぶッッ! 砲弾へッッ!!

 それは1回戦終盤に見せたッ、あの技ッッ!!


みほ「西住流、砲弾弾きッ!!!!」バキィッ


 みほの蹴りがP40の砲弾を蹴りつけッ、その軌道を変えさせるッッ!!

 その方向はッ、砲弾の主ッ、P40ッッ!!


アンチョビ「な、んだ、と……!!?」

みほ「…………」

アンチョビ「グッ……私は何も持っていないッ! 貴様のような馬鹿力も無いッ、どこぞの流派出身でも無いッ、私自身ッ、何も無いッッ!! 私はぁぁぁぁぁッッ!!」


 アンチョビの叫びも虚しくッ、みほの弾いた砲弾はP40を貫き白旗を上げさせるッッ!!

 あっけないッ!! あまりにもあっけないッッ!! アンツィオは大洗の車輌を1輌も撃破すること無く敗れたッ!!


アンチョビ「う、ぐぐぐぐ…………畜生……畜生……!!」

『アンツィオ高校フラッグ車、走行不能ッ! 大洗女子学園の勝利ッッ!!』


みほ「………………」ザッザッザッ


 試合は終わったッ、しかしみほッ、アンチョビのもとへッッ!!


アンチョビ「な、なんだ貴様……」

みほ「……後で少し、お時間いいですか?」

アンチョビ「…………ああ」


・・・・・・

~試合後・森~


アンチョビ「それで、なんだ? こんな誰も来ないような森で」

みほ「……ッ」ガシッ

アンチョビ「うぐっ!? が、は……ッ!?」


 突如みほがアンチョビの胸倉を掴みッ、持ち上げるッッ!!


アンチョビ「き、貴様ァッ!」ジタバタ

みほ「見せてくださいよ、何か凄い力を持ってるんでしょう? アンチョビさんは」

アンチョビ「そんなもの……無いッ、無いんだよッッ!!」

みほ「やっぱり…………」パッ

アンチョビ「ハァッ……ハァッ…………お前も、私が何か、とんでもない力を隠し持ってると思っていたのか? サンダースやプラウダのようなトンデモを持っていたと、思っていたのか!?」

みほ「……少なくとも、後ろのその方々はそうだったと思います」

アンチョビ「なに……?」


カルパッチョ「やめてください西住さん! 総帥に特別な力なんて無いんです!」

アンチョビ「カルパッチョ、ペパロニ……! それに、お前達……!!」

ペパロニ「ね、姐さん……!」

「総帥、嘘ですよね? 総帥は凄い力を持ってるからアンツィオに来たんじゃ……」

「そうっすよ! 総帥はアンツィオの戦車道を救ってくれるって……!」

アンチョビ「……は、はは……はははは……バレてしまった……か」

みほ「まぁ、お似合いじゃないですか? 何もできない隊長に何もできない隊員に」

アンチョビ「……………………ッ」

ペパロニ「んだとテメェッ!」

カルパッチョ「ペパロニ!」ガシッ

ペパロニ「放せ! あの野郎よくもアンチョビ姐さんをバカにしやがって!!」

みほ「何もできない弱小高校は、ここでサヨナラです。試合、お疲れ様でした」


アンチョビ「待て」

みほ「……?」

アンチョビ「ッ!」ドガッ

みほ「ぐっ……!」ドサッ


 アンチョビの右ッ!! みほの頬をしたたか捉えるッ!!


アンチョビ「ああ、確かに私は何もできないさ……」

みほ「なら、何故あなたは私に殴りかかって来たんですか?」

アンチョビ「ああったく、そうさ……西住流のお前にケンカで勝てるわけなんて無い……けど、お前は私の仲間をバカにした……ああ、バカにしたんだッ!」

みほ「…………」

アンチョビ「だったら、やるしかないだろうがッ! それになぁ、こんなチンケな私にも、特別な力なんて無い、何もできない私にも譲れないものがあるんだ……ッ」

アンチョビ「意地があんだろ、総帥にはァァッ!!」


 【次回予告】


しほ蔵「馬鹿な女と吐き捨てて、屑な女と揶揄される」

しほ蔵「おバカな作戦否定され、総帥は笑いに包まれた……」

しほ蔵「しかし見ろ! あれを見ろッ!」

しほ蔵「あれが千代美だ! 安斎だッッ!!」

しほ蔵「その屑、その馬鹿、他にはいない……ッ!」

このスレでもただ次回予告をしたかっただけ
ここまで


アンチョビ「うおおおおおッッ!!」


 アンチョビが再び右拳をみほのボディへと叩き込むッッ!!


みほ「……ッ」

アンチョビ「な、に……!?」

みほ「効きませんよ……!」ドゴォッ


 腹に刺さるはみほの右足ッ!

 たまらずアンチョビッ、足を地から離しッ、後方へ吹っ飛ぶッッ!


アンチョビ「ぐは――ッ!」

ペパロニ「アンチョビ姐さん!!」

アンチョビ「来るなッ!!」

ペパロニ「ッ!」


アンチョビ「これは、私の戦いだ……ッ! 仲間をバカにされて、鞘走らずにいられるかぁぁぁぁぁッッ!!」


 アンチョビが向かうッ、立ち向かうッッ!

 みほが受けるッ、アンチョビの素人同然の攻撃を受ける受ける受けるッッ!!

 しかしみほッ、その場から1mmも動いていないッッ!!


みほ「だから、無理だって!」

アンチョビ「ガハッ……まだ、まだだあぁぁッッ!」

みほ「フンッ!」

アンチョビ「ぐあああぁぁぁ……っ」


 何度打ってもみほは揺るがないッ! 不動なること山の如しッッ!


 ドカッ、バキッ、グシャッ! 人体から発してはいけない音がこだまするッッ!!

 そんなやりとりが何度続いたであろうかッ! 陽はもはや傾きッ、オレンジ色が辺りを支配ッッ!


アンチョビ「う……くっ、うおおおおッ!」

みほ「……」ドゴォッ

アンチョビ「ぐっ……ああああっ!!」

みほ「私の蹴りを受けて踏みとどまった……?」

アンチョビ「負け、るか……! 撤回しろ……ッ、アンツィオを、私の大事な家族をバカにしたことをッッ! 撤回しろぉぉぉッッ!!!!」

みほ「……」


 無情ッッ!! みほは何も答えないままアンチョビに蹴りを叩き込むッッ!!


アンチョビ「ぐっ、ふっ……!」ヨロヨロ

ペパロニ「姐さん…………………………ッ!!」


みほ「いい加減そろそろやめにしましょうか。それでは……」スッ

ペパロニ「やめねぇかこの野郎ーーーーッッ!!」ダッ

アンチョビ「ぺ、ペパロニ……!?」

「総帥をこれ以上いじめんな!!」

「そうだ!! 私らの総帥はアンチョビ姐さんだけなんだよ!!」

アンチョビ「お前達……! やめろ、来るな! これは私の戦いなんだッ!」

ペパロニ「姐さんの戦いなら、ウチらの戦いと同じッスよ!!」

「そうッス!! やい西住みほ! テメェよくもウチの総帥をぉ!!」

「ウチらで100倍にして返してやるぁ!!」



アンチョビ「や、やめろお前達! 西住みほ! 頼む、こいつらに手は……!」

ペパロニ「姐さん!? なんで頭下げるんすか!!」

アンチョビ「お前達はアンツィオの宝だ! 宝を傷つけさせる頭がどこにいる!!」

ペパロニ「んな事言ったら、姐さんこそアンツィオに無くてはならない人ッスよ!!」

「そうッス!! 総帥がいなかったら、ウチらどうやって戦車道やればいいんすか!?」

「すげぇ力が無くたって、総帥は総帥ッス!!」

「むしろ無いのにここまでアタイ達を引っ張て来たすげえ人ッスよ総帥は!!」

アンチョビ「ッ……お、お前達…………!」グスッ


みほ「………………なんだ、あるじゃないですか」

アンチョビ「えっ……?」

みほ「サンダースにもプラウダにも、黒森峰にも負けない、暖かい物が」スタスタスタ

アンチョビ「お、おいどこに行く! まだ勝負は……」ドサッ

ペパロニ「アンチョビ姐さん!!」

「医療班早くー!!」

みほ「撤回します。アンツィオはどの学校にも負けない素晴らしいチームです」

みほ「……というよりも、最初からそう思ってました」


 喧騒を背にッ、みほはゆっくりとその場を立ち去ったッッ!!


・・・・・・


カルパッチョ「西住さん……」

みほ「……これでいいんですよね?」

カルパッチョ「はい……でも」


 みほの頬にカルパッチョの平手打ちッッ!!


カルパッチョ「やりすぎです……」

みほ「……ですよね」


みほ「カルパッチョさんがアンチョビさんをアンツィオの生徒の前で叩きのめしてほしいなんて言った時にはどういうことかと思いましたよ」

カルパッチョ「総帥は過度な期待を学内外から寄せられて、それこそプレッシャーで潰れそうでした」

カルパッチョ「しかも総帥は今年で卒業……アンツィオは、もう総帥無しでは駄目だというのに」

みほ「そこでアンチョビさんが何も無いただの一般人だったと皆に認識させて――」

カルパッチョ「はい。本当は賭けでした……皆が総帥のことを心から慕っていなかったら、おそらく皆ガッカリして総帥のもとを去っていったでしょう」

カルパッチョ「悪役なんて引き受けさせてしまってごめんなさい。皆には後で私から言っておきますから」

みほ「いいえ……それに、アンチョビさんも、アンツィオの皆の事をあそこまで大切にしていたからこそ、今のアンツィオがあるんだと思います」

カルパッチョ「はい。家族思いなんですよ、総帥は」

みほ「それじゃ、行きますね」

カルパッチョ「あ、待ってください。アンツィオの戦車道は試合後も続いてるんですよ」

みほ「?」


・・・・・・


アンチョビ「皆、試合後だというのによく集まってくれた! これよりこの試合に参加した選手やスタッフを労う宴会を開始するーぅっ!!」

「「「「「わああああああああぁぁぁぁ!!」」」」」


沙織「凄いねアンツィオって! こんなすぐに美味しそうなイタリアンを!!」

華「半分くらいなら1人でとれそうです」

杏「あれ、西住チャンは?」

優花里「そういえば見ませんね」

麻子「というか、アンチョビとやら。なんかかなりボロボロじゃないか?」

沙織「本当だ。戦車がやられたときにどこかケガしたのかな?」

優花里「いや、というより誰かとケンカでもしたようなボロボロ具合ですが……」


アンチョビ「おい、この皿を向こうに……いっつつ……」

「総帥、それ私が持ちますよ!」

アンチョビ「なにぃ? おいおい私の仕事を取るな!」

「総帥は怪我人なんですから!」

「そうっすよ! それに総帥は思ったより弱っちいんだから、ウチらが全部やりますって!」

アンチョビ「何だと貴様ァ! 誰が弱っちいだ!」

カルパッチョ「ふふふふっ、よかったですね、総帥。これで余計な重荷を背負わずに済みますね」

アンチョビ「ちっともよくない!」

カルパッチョ「その割に晴れやかな笑顔ですが?」

アンチョビ「うっ、うるさいぞ! カルパッチョもサボってないでとっとと運べ!」

カルパッチョ「はーい」


みほ「……」モグモグ

優花里「あ、西住殿。こんなところにいたんですか」

沙織「どしたのみぽりん? こんな誰もいない隅っこで」

みほ「あはは、ちょっとね」

沙織「ってみぽりん! ジャケットヨレヨレだよ!? なんか引っ張った跡もたくさんあるしー!」

みほ「え? あ、あはは! 結構使い込んでるから、私って物持ちよくないのかも!」

ペパロニ「あっ、いやがったなテメェ!」

優花里「おや、アンツィオの」


みほ「っ……」

ペパロニ「何でそんだけしか食ってないんだよ! もっと食え!」

みほ「えっ?」

ペパロニ「いくら総帥にあんなことしたとはいえ、客は客だからな……それに、カルパッチョが皆になんか言って回ってたし。西住みほは悪くない~って」

みほ「いや、あれはどう見ても私が悪いよ……」

ペパロニ「ウチの連中アホばっかだから、あーそっか悪くないのかーで済ましちまいそうで怖いが……」

みほ「あ、あはは……」

沙織「みぽりん本当に何したの?」

みほ「なんでもないって! あ、私アンチョビさんに挨拶に行ってくるね!」タッタッタ


・・・・・・


みほ「えーっと、アンチョビさんは……」キョロキョロ

アンチョビ「あっ」

みほ「あっ……」

アンチョビ「…………」

みほ「…………ごめ――」

アンチョビ「すまん!」

みほ「えっ?」

アンチョビ「カルパッチョに聞いた……お前が私の為に、皆の前であんなことを……なのに私はお前に殴りかかったり……」

みほ「え、いやそんな……私も蹴りまくりましたし(というか、カルパッチョさんから持ち掛けてきた話なのに私が自主的にやったことになってる……?)」

アンチョビ「お陰で、今まで何も持っていなかった――いや、持っていないと思い込んでいた私と決別することができた」

アンチョビ「準決勝、頑張れよ」スッ

みほ「……っ、はいっ!」


 握手ッッ!! 試合前よりも固い固い握手ッッ!! 讃え合う健闘ッッ!!

 これが本当のアンツィオ戦ですッ!! 完ッッ!!!!

金曜日が楽しみですね
まさかBD特装版を予約しなかったおじさんはいないよな?

というわけで読んでいただきありがとうございました

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