兎娘「私と子作りしてくれませんか?」 (329)
兎娘「私と子作りしてくれませんか?」
男「……は?」
今俺の目の前にいるのは低身長で茶髪なバニーガール。
そのバニーガールから突然の交尾を求められ、俺は凍りついた。
拗れて固まった思考回路を再び動かすために、とりあえず俺は状況を整理することにした。
一体どうしてこんなことになったのか……。
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…………
男「ふぅ〜。今日も疲れた」
いつものように仕事からアパートに帰ってきた俺は風呂に入り、コンビニで買ってきた弁当を食べながらテレビを見ていた。
『なんでやねんっ!』
男「あはは…」
これが俺の日常。これが終われば明日に備えてさっさと寝る。
俺「ん?」
そこにソファーの上に置いてあった携帯から着信音が鳴り、そのバイブがソファーの表面を叩いた。
それは俺の変化ない日常に割り込む。
男(誰だ?)
携帯を手に取り、発信主を画面を見て確認する。
画面には『母』と書かれていた。
男「はぁ…母さんからか…」
俺は別に実家にいる母のことが嫌いというわけではない。
むしろ好きか嫌いかと言われれば好きな方だ。
しかし最近の母との電話は少し憂鬱なものであった。
男「もしもし…母さん?」
母「もしもし男?今年も野菜収穫したから送っといたわよ。明日には届くと思うから…」
男「ああ分かったよ。ありがとう母さん」
母は趣味で家庭菜園をしている。
俺も子供のころからその家でとれた野菜を食べてきた。
そして今もその野菜を母が実家から偶に送ってきてくれているというわけだ。
これはありがたいので嬉しいのだが、憂鬱の種はこの次の話題にあった。
母「で、あんた…いい加減いい人できたんでしょうね?」
男(はぁ、始まったよ…)
母は俺が大学を卒業して就職してから電話の度にほぼ毎回この話題を振ってくる。
もちろん俺にそんな人などいるわけがなく、この質問がたまらなく苦痛だった。
男「だからさ、前にも言ったけど仕事が忙しくて今はそれどころじゃないっていうか…そうそう聞いてくれよ!今日なんか会社の先輩が…」
母「あんたいっつもそうやって話題を逸らすじゃない!母さんもね、早く孫の顔を見て安心したいのよ…」
母「とにかく、次までの課題!次母さんが電話かけたときは彼女の話くらいはすること!いいわね?」
男「は?なんだよそれ、そんなの無理にきまってんじゃ…あっ…切られた…」
母は俺の愚痴を聞いてくれることもなく勝手に課題を提示すると電話を切った。
男「はぁあ〜、勝手だなぁ」
仕事が忙しいのは嘘ではない。だがそんな毎日残業というほどではない。
男「しっかし、出会いがないよな〜出会いが…」
職場は殆ど男性ばかりで女性があまりいないし、いてもおばちゃんたちばかりだ。
自分と年の近い若い女の人はさらに少なく…同僚くらいか?
男(いや、でも同僚はな〜…ありえないだろ…)
男(というか母さんも俺の趣味というか…好みのタイプというか…そういうの考えてくれてないよな。ただ自分が早く孫の顔が見たいから俺を急かしてるだけって感じだ)
男「俺がどんな悪女や鬼嫁とくっついてもいいのかっつーの!!」
男「とにかく彼女なんて無理無理!」
俺はテレビの電源を消してリモコンをソファの上に放るとベッドに倒れこみ、母に次の課題も果たせそうにないことを心の中で軽く謝罪すると眠りについた。
次の日の仕事の昼休み。俺が一人昼飯のパンをかじっているところに同僚が来た。
同僚「ちょっと男くん聞いてよぉ〜」
男「んあ?どうしたんだ?」
同僚「昨日彼氏と別ちゃった…」
男(またか…)
男「ふーん。で、どっちから振ったんだ?」
同僚「そりゃあまぁ…私からだけどさ」
男(知ってた)
同僚と付き合うのがありえないと思った理由はこれ、こいつは男癖が酷すぎる。
同僚「だってさ〜彼、仕事上がりの平日の夜に普通に『今日家に来ないか?』とかメール飛ばしてくるんだよ?マジありえなくない?」
ここだけ聞くと確かにその彼氏の方が悪いように聞こえるがどうせ最初に誘ったのはこいつからだろう。
こいつはいつもそうだ。自分から男に近づいて、飽きたり自分のいいようにならなかったりするとすぐ別れる。
男(まぁでも…)
同僚「ねぇ?聞いてんの?」
同僚というひいき目に見てもこいつは見た目は魅力的と言える。
俺だってこんな性格と知らずに近づかれたらいいように振り回されそうだ。
こいつに騙された男たちにも同情する。
同僚「あっ、男くん今なら自分にもチャンスがあるとか考えてるでしょ?」
男「はぁ?考えてねーよそんなこと」
同僚「素直じゃないな〜…いいよ。今私フリーだし、今度一緒に飲みにでも行こうよ」
男「まぁ、それくらいなら付き合うけど…」
同僚「今のうちに私の機嫌とっとけば、飲みに行った後もしかするともしかしちゃうかも?なんてね…私そろそろ持ち場戻るね。じゃあね〜」
その辺のイケメンは食い尽くしたのだろうか。とうとう俺みたいな何の特徴も魅力もない男にも色目を使ってくるようになるとは…
男「見境ないやつ…」
帰り道、昨日の母との会話と今日の同僚との会話が頭の中でぐるぐるとリピートされていた。
下を向いて歩きながら一人、妙な苛立ちにじわじわとまとわりつかれる。
男(どいつもこいつも相手さえいりゃそれでいいってか?)
男(…そりゃあまぁ、俺だって帰っても自分以外誰もいない空間に寂しさを覚えることだってあるけどさ)
男(そういえば長らく誰かに『おかえり』を言われたことがない…寂しすぎる…)
男(って駄目だ駄目だ!このままじゃ完全に母さんや同僚の思考に流される!)
下を向いていると嫌なことばかり考えてしまうと思い顔を上げた。
すると
アパートの階段入り口付近に茶色い毛の動物がぴょこぴょこと跳ねる後ろ姿を見た。
男(なんだあれ…?猫…じゃないよな…尻尾も短いし)
そもそも猫は前進するのにいちいち跳ねることはない。
…となると。
男(あれは…兎?)
野生の兎なんて見たことが無かったため、自分の中での信憑性が薄かったが近づくにつれてそれは確信へと変わっていく。
男(アパートで誰かが飼ってたのが逃げ出したのか?)
男(まぁ実際のところはどうなのか知らないし、もしかすると本当に野生かもしれないし人様のペットにお節介に手を出して怪我させても面倒だし…)
俺は兎を無視して階段を上ることにした。
兎は近づいてくる俺に気がついてからも逃げることもなく怯える様子も無かった。
それどころか無視して階段を上る俺についてくるではないか。
男「…なんだこいつ」
結局兎は俺の家の玄関の前まで付いてきてしまった。
このまま此処にいられても迷惑なので扉を一瞬だけ開け玄関に素早く入り、扉を閉める作戦をとることにした。
下に視線を送ると、茶色い毛玉の中の黒い瞳が俺をジッと見つめていた。
男「悪いけど人様のペットに餌をやる事はできねーよ。お前は家に帰れ」
鍵を通して扉をスッと開く。
兎「!」ザッ
男「こいつっ…!!」
俺が玄関に入るよりも先にわずかに作られた扉の隙間を兎は滑り込んだ。
その速さは正しく脱兎のごとくだ。やっていることは逆なのだが…
男「はぁ…なんなんだよお前は」
その後俺も玄関に入り扉を片手で開けて暫く兎が出て行くのを待ったが、兎は出て行く様子がない。
腕も疲れ、仕方なく扉を閉めた。
男「ちと強引だが抱えて管理人さんのところに連れて行くか…」
両腕で兎を抱えようと座り込んで両手を近づける。
そのときだった。
急に兎が白く光りだしたのだ。
男「うぉっ!なんだ!?眩しっ…!?」
眩しさの中、細目で光を見ると白い光はみるみるうちに大きくなりやがて人型になって落ち着きを取り戻した。
兎娘「ふぅ…作戦成功ですね。やはり『愛らしいものに近づかれるとついつい家に入れたくなる』というデータは本物だったようですね」
男「……へ?」
さっきまで兎だった光は中学生くらいの身長の茶髪の美少女バニーガールへと姿を変えた。
俺(なんだこの可愛い子…引き込まれるっつうか)
俺(ってそうじゃなくて!)
俺「なんだよこれ…ドッキリ…?カメラでもあんの?」
目の前の超常現象が受け入れられず周りを見渡しカメラを探すも、当然あるわけがない。
俺「だ…誰だよあんた…」
兎娘「誰も何も先程まであなたの足元にいた兎ですが…」
尻もちをついて口をパクパクする俺にバニーガールは真顔で遠回しにありえないはずの現象が起こったと告げた。
男「……」
もう一度視線を下にするも兎の姿は無し。
信じ難いが…そういうことなのか…?
兎娘「ここまで見たからにはあなたには私たちの実験に協力してもらいます」
男「実験……?」
兎娘「まあ、ここではなんですのでどうぞ上がってください」
男「…ここ俺の家なんだけど」
流れに流され部屋に上がり兎娘の話を聞くことになってしまった。
決して可愛い子だったからとかそんなのではない。…と、思いたい。
テレビの前のソファーに座り、机を挟んで二人向き合う。
兎娘「私は兎娘と申します。未来から来ました研究員です」
男「未来兎か…」
あんなものを見せられた後だ。
もう番組のドッキリだろうが最新技術のCGだろうがなんだろうが付き合ってやることにした。
例え本当にドッキリだとしてもテレビ的にもそっちの方がいいだろ?
兎娘「…本当ですよ?」
兎娘は俺の頭の中を覗き込んだように念を押した。
男(はは、未来兎はエスパー能力も備えてるのか?)
兎娘「そちらは」
男「へ?ああ、俺は男」
兎娘「男さんですか」
兎娘「では、協力してもらう実験についてなのですが」
男「お、おう…」
兎娘「単刀直入に言いますね」
男(これから俺はどんなことに巻き込まれてしまうのだろう…)
大勢の未来兎たちに捕まって手術台に縛り付けられ、あらゆることの実験台にされる自分を想像して冷や汗が出る。
ゴクリと唾を飲み込むと条件反射かベタに心臓が大きな音を立てて鼓動を打つ。
しかし、次に聞く内容で汗は一瞬で引っ込み俺は凍りつくことになる。
兎娘「私と子作りしてくれませんか?」
男「……は?」
凍りつく俺を他所に兎娘はソファーに手をつき俺にお尻を向けて見せた。
目の前に魅力的なお尻を左右に軽くふりふりと振られる。
兎娘「あの…早く…」
男「い、いやちょっとまて。おかしいだろ。もうちょっと詳細をくれ」
これまた勢いで詳細を求めてしまった。
普通に断って未来に帰ってもらえば良かったと言ってから後悔した。
兎娘「ふむ…おかしいですね。ないすばにーな女性にこうして誘惑されるとこの時代の人間の男性はすぐにでも飛びつくと聞いていたのですが…」
男「それ多分ナイスバディの間違いじゃないか?」
男(あとナイスバディというには背が低い気もするが…)
突然なこと続きで彼女をあまりじっくりと見ようとしなかったが、改めて見ると出るところはちゃんと出ており、低身長だがそこも女の子らしいと言え、『守ってあげたくなるタイプ』という感じだった。
まるで男性の要望に応えましたと言わんばかりの見た目だ。
そんなバニーガールに誘惑されては飛びついていた奴も確かにいたかもしれない。
兎娘「仕方ありませんね。では、私たちの実験の計画をお話しましょう」
兎娘「私たちがあまり強い種族ではないことはご存知ですよね」
兎娘「なので私たちはその分たくさんの子孫を残すことで繁栄してきました。すぐ死んでしまうならたくさん増やそうという寸法です」
男「確かに兎のオスの性欲が強いっていう話ならよく聞くな」
兎娘「そこでですね。私たちはさらなる繁栄のために人間と交配出来るように進化したというわけです。人間も一年中発情期ということで都合が良かったそうです」
男「で、人の姿にもなれるようになったってわけか。猿からとかならまだ分かるが兎からとは…生物の進化ってのはやっぱすげーな。未来じゃ何が起こってもおかしくないな」
兎娘「はい。私たちは子兎から人間の姿になれるようになり、子兎からの成長速度を落とすかわりに平均寿命も50歳くらいまで伸びました」
男「確かに凄いんだがもっと強そうな種族の姿になれるようにしようとか考えなかったのか?例えばほら、同じ哺乳類なら熊とかさ…」
兎娘「私たちの繁栄の仕方はあくまでたくさんの子孫を残すことですので」キリッ
男「そ、そうか…ブレねーんだな…」
男「でもよ?それだったらそっちの時代の人類に頼んだら良くないか?」
兎娘「当然ですが進化しているのは私たちだけではないので…人類に協力を仰ごうとしたら『私たち人類はお前ら下等生物に利用される立場ではない』と」
兎娘「そういうわけで仕方なくタイムマシンを作りこちらの時代の人類に協力してもらうことにしたのです」
男(仕方なくで作られるタイムマシン…)
男「そっちの時代の人類は具体的にはどんな風に進化してるんだ?」
兎娘「あらゆる種族の特性を自由に身につけられる程度には…」
男(もうそいつら火星に住んでそうだな…)
兎娘「詳細は以上です。では…」
『では』に合わせて兎娘はまたソファーの方を向いた。
理性と欲望の狭間でどうしたらいいかとオロオロとしている俺を見た兎娘はじれったいなといいたげな目をこちらに向けてきた。
兎娘「服を脱がせるのが面倒ならば自分で脱ぎましょうか?またまたおかしいですね。人間の男性は無理矢理服を脱がせるのにも興奮すると聞いていたのですが…」
兎娘「もしかしてあなたはKOUHAという者ですか?」
男「そうかもな…まぁそこは置いといて…」
男「お前さ…本当に人間の男だったら誰でもいいのかよ」
兎娘「はい。私は元気な赤ちゃんが産めるなら誰でも構いません」
『誰でも構いません』その言葉が耳についた。
脳裏によぎったのは母と同僚の姿だった。
男(兎娘は人間の方もヤれるなら誰でもいいと思ってるのか?まぁ、そういう考えの人間が多いからってのは分かるし否定できないけど…)
男(全員が全員そう思われてるだなんて、人類舐められてんな…ん…?)
もしかして未来の人類が兎たちとの交配を拒んだ理由はそういうことか?
自分たち人類には自分たちなりの愛があると、そう伝えたかったんじゃないのか?
男「ええっとだな…人間がそういうことするには基本段階がある。まずはお互いがお互いを好きであること。これは最低限だと思う」
兎娘「好きであること…?」
男「そう。だから…」
兎娘「つまり私が男さんのことが好きで、男さんも私のことが好きならばいい。ということでしょうか?」
男「え?は?あ…ま、まぁそういうことだけど。俺たち今日会ったばっかりで付き合ってるってわけでもないだろ?」
男「だからさ、未来に帰って無理だったって仲間に伝えといてくれよ」
これで面倒ごとに巻き込まれずになんとかこの場をやり過ごせる。そう思っていた。
兎娘「ふむ…」
男「どうした?」
兎娘は少し考えると首を横に振った。
兎娘「そういうわけにはいきません。私たちは結果を残さなければなりませんので」
兎娘「暫く私はここにいることにします。私はあなたのことを好きになります。だから男さんは私を好きになってください」
男「い…あ…え……?」
言ってることがめちゃくちゃだ。
兎娘「さっきからデータ通りにいかなかったり、聞いたことのないデータを提供してきたりとあなたの思想には少し興味があります。人間のこと、色々と教えてくれませんか?」
兎娘は俺にずいっと顔を寄せてそう言った。
男「う…」
男(ち、近い…)
ねだるような上目遣いの甘い視線。
これもこいつらのデータによる作戦だってのか?
男(たしかにこいつは可愛いし、いい匂いするけど…)
なんだかすごくドキドキした。してしまった。
緊張から来るものとは違う…
それは生きてて初めての感覚だった。
でも…
男(引っかかるかよ。だから人類舐めんなって…)
男「いや駄目だ。帰…」
兎娘「……」ジッ
男「分かっ…た」
男(あ)
俺もやはりオスだった。
でも二度のお尻に耐えたのだ。それだけで全国の男たちは俺に賞賛してくれてもよいのではないだろうか。
一度は独身男性の悲しきボロがでたが、これから、これからは『オス』ではなく『男』だと証明してみせろ俺…
兎娘「そうですか。では暫くの間協力おねがいします」
と言う兎娘からはもう頼みごとをするときの色っぽい表情はどこかへ消え、またもニュートラルな真顔に戻った。
それを見た俺はなんだか悔しくなって手で髪をくしゃくしゃとした後に顔を覆った。
男(やっぱり作戦だったのかよ…変にドキドキして損した…しにてぇ…)
その夜、俺はベッドに寝転びなかなか寝付けないでいた。
男「なぁまだ起きてるか?」
兎娘に話かけるも返事がない。寝ているのだろう。
兎娘はソファで兎の姿となり丸まっていた。
男「寝たか…にしてもなんか大変なことになっちまったな…」
男(そういえば俺、あのとき未来に帰れって言ったよな?なんで他を当たれって言わなかったんだ。他を当たれば俺みたいに面倒なこと言う奴もいなかったかもしれないのに…)
男「……」チラッ
兎娘「ぷぅ…ぷぅ…」
なんとなく、これがチャンスだと思ってしまった自分がどこかにいたとか?
それとも……
男「馬鹿馬鹿しい…あいつは兎だぞ?」
男「はっ…結局、テメーも誰でもいいのかよってな」
自分で自分にムカついて軽く頬をつねると痛くなって、また目が冴えてしまった。
…さい
…ください
…おきてください
男「ん?んん〜…なんか重っ…」
兎娘「おはようございます。男さん」
男「う、うわぁ!!何してんだよお前!!」
朝起きると馬乗りする形で俺の上に兎娘が乗っていた。
兎娘「人間の男性はこういうシチュエーションにも憧れると聞いていたので」
男「一体どんな調べ方してるんだ…」
兎娘「それは機密事項ですので…」
男「そうかいそうかい。とりあえず降りてくれるか?というか今何時だ?」
兎娘「7時です」
男「……7時?」
男「う、うぇぇ!?7時!?やばいやばいやばい!」
男(昨日中々寝れなくて寝るのが遅かったからか!)
男「すまん!お前が起こしてくれなかったらマジでやばかったわ!」
兎娘「ありがとうございます。私のこと好きになってくれましたか?」
男(人がドタバタしてる中で何言ってんだこいつ)
男「あー、まぁちょっとな。あーやばいやばい」
質問を適当に流して着替える。
兎娘「そうですか。では……」
男「うわっ!」
袖を通していると兎娘が突然目の前に来てベッド側へ押し倒してきた。
男「な、何してんだよ!どけよ!マジで時間やばいんだって」
兎娘「先ほど私のことを好きになったと言ってたではありませんか」
男「あ〜もう…」
適当な返答をした自分を恨んだ。
兎娘「それに男さんも私を求めていたのでは?」
男「は?」
兎娘「……」スッ
こんなときに限ってそんなわけないだろとキレ気味に睨み返してやると彼女は真顔で俺の股間を指差した。
男「…?」
男「あ」
男「こ、これは生理現象だ馬鹿」
兎娘「私は兎ですよ?」
男「そういう意味じゃねーから!」
ぐぅ〜
兎娘「あ…」
男「……」
兎娘「お腹が空きました」
男「はぁ…」
男「冷蔵庫の野菜室に昨日母さんから届いた野菜があるからそれでも食ってろ」
……
同僚「男くんなんだか元気ないね〜。もしかしてまた先輩にいろいろ言われちゃった?まぁ今日男くん朝礼ギリギリだったもんね〜」
男「ん、ああ…ちょっといろいろあってな…」
男(いきなりバニーガールの格好したガキと同居することになったとか言ってもまず信じてもらえんだろうな)
同僚「ええ〜!反応薄っ!私これでも君の同僚だよ?もっと頼ってくれてもいいんだよ〜?」
男「お前そう言って退屈しのぎに人から話題引きずり出そうとしてるだけだろ」
同僚「ふむ、ばれてしまってはしょうがないね。男くん、大人しく私に話題を提供しなさいな」
男「否定しないのな…なんて言ったらいいんだろうな。兎を飼うことになった」
同僚「へ〜、兎ねぇ?どうしたのいきなり」
男「そこ詳しく言えないからはぐらかしたんだろうが」
同僚「え〜!つまんな〜い!」
男「だったら聞くけど、俺が未来人を見たんだっつたらお前信じるか?」
同僚「いきなり何の話?さすがにそれは信じられないけど」
男「じゃあいいや。それじゃあ俺はそろそろ持ち場戻るから」
同僚「あ!ちょっと待ってよ〜!」
俺は同僚の声を無視して後ろも振り向かずにその場を後にした。
ああいう無駄に顔広い奴に変なこと言ったってロクなことにならないだろう。
職場で一時笑い者にされるのがオチだ。
同僚「あらら…疲れてるのは本当みたいだったけど話してるときは楽しそうだった…?ああ見えて実はおもしろいことがあったのかな?」
同僚「…もしかして、本当に未来人にでも会ったのかね?」
そんなこんなで昨日に続き朝の出来事ですっかり疲れ切っていた俺だったが、唯一楽しみにしていたことがあった。
今家に帰ると兎娘がいる。
ということはだ…
男「ただいま」
そう、この瞬間。
兎娘からここ数年聞いてなかった言葉を聞けるはずだ!
『おかえり』と…
男「……」
だが俺が玄関を通って来たその空間には、いつもと変わらない景色が広がっていた。
男「あれ?おーい、兎娘…」
男「いない…」
兎の姿になってベッドにでも潜り込んでいるの
か?
男「いない…」
台所…
男「いない…」
トイレの中、風呂場…
男「いない…」
家の隅々まで調べるも気配すらない。
絶対ありえないだろうがクローゼットの中まで調べた。
男「なんだそりゃ…全部、夢だったってのかよ。いやそんなはずは…」
男「あ、そうだ」
朝、母からの贈り物の野菜を食べろと言ったからあいつが本当にこの場所にいたのなら野菜が減ってるはずだ。
早速冷蔵庫を調べる。
男「減ってる…人参が一本…」
とりあえず朝まであいつがいたことは間違いない。
男(となると考えられるのは…)
他を当たった?
朝も俺があいつを拒んだから…?
男「っ!」
心の奥底からふつふつ湧き上がる謎の後悔の念。
なんで俺はこんなに後悔してるんだよ。
『おかえり』が無かったからか?
別に冷静にそんなのいらないだろ。
今までだってずっと一人だったんだから。
じゃあなんで…
『人間のこと、色々と教えてくれませんか?』
あのときの、俺が唯一屈してしまったときの兎娘の顔を思い出した。
男(なんだよ、やっぱり俺…もう…)
男「後悔してもしょうがないよな。風呂入るか…」
いつもみたいに風呂に入って、飯食いながらテレビ見て、明日に備えて寝る。
それでいいだろ。
昨日は不思議な夢を見ていた。
そういうことにしておこう。
風呂場に行こうとしたときだった。
ガタタ…
男「!?」
クローゼットの方から妙な音がした。
男(さっきは特に異変はなかったよな…?)
クローゼットに近づく。
ガタタ!ガタタ!
男(やっぱり変な音がする…もしかしてあいつがここに…?)
変な期待を胸に思い切りクローゼットを開ける。
男「うわっ!」
兎娘「おっと…」
すると中からパンパンのリュックサックを背負った白いネグリジェ姿の兎娘が飛び出してきた。
一瞬は驚き身を退いたが、兎娘がまだいてくれたということに今度は謎の安心感を覚え、衝動的に兎娘を抱きしめて受け止めた。
男「こんなところで何してたんだよお前!」
兎娘「未来に暫くここに滞在する許可を取りに、あと色んなものを持ってきました」
男「未来…?」
クローゼットの中を見直すも最初に調べたときと変わらずそこには俺の服しかなかった。
兎娘「すみません。勝手ながらこのクローゼットと未来のタイムマシンをリンクさせていただきました」
男「はぁ…勝手すぎ…せめて未来に許可取りに行く前に俺にもその許可を取れよ」
兎娘「それは失礼しました」
兎娘「あと…いつまでこのままなんでしょうか」
男「あ…うわっ!」
そこで自分が兎娘を抱きしめたまんまだったのに気がついた。
男「す、すまん!」
慌てて腕を離す。
男(兎って抱きかかえられると捕食されるときの恐怖を感じるって聞いたことあるから、やっぱり怖かったのか?)
兎娘「一応未来からいろんな服を持ってきました。男性を振り向かせるにはまず見た目から…ということで…ちなみに今の見た目はどうですか?」
兎娘はくるりと横に軽く一回転して見せた。
しょ、正直……
男「かわいい…と、思う…」
兎娘「ありがとうございます。では、私のことは好きになっていただけましたか?」
男(ここであのときみたいな適当な返答はできない…けど…)
なぜだか嫌いはあり得ない。
一目惚れっていうのか?
いや、それはないか…それならあのときにもうこいつのお尻に飛びついてる。
二目惚れ…いや、三つ目惚れか…?なんだそれ…。
とにかく、人間のことをいろいろ教えてくれと頼まれた時から、俺はもう…
男「好きになってる…かも…」
いざ口にすると恥ずかしい。
ってかこれって軽く告白なんじゃ…
兎娘「そうですか。思ったより早い結果でしたね。暫くここにいる必要も無かったと。24時間後には未来に帰ることになりそうですね」
男「え…?いや…それは…というか本当に用が済んだらすぐ帰っちまうんだな」
兎娘「一応研究員として来ているので。目標達成後はあまり長居はできませんよ」
兎娘がじりじりと俺に近づく。
ぽんっ…と前に身体を寄せると、顔を上げていつもの真顔と声で言った。
兎娘「では、しましょうか…」
男「ま、待ってくれよ。確かに俺はいいかもしれないけどさ、お前はどうなんだよ?お前は本当に俺のことが好きなのか?」
兎娘「…?」
彼女は小首を傾げた。
男(好きになるとか無理なこといってたけど、やっぱり特徴も魅力もない俺を何もなしに好きになるってのは無理な話だよな)
男「お互いがお互いを好きでないとだめだって言ったろ?」
兎娘「そうですか。ならどうやってあなたを好きになればよいですか」
男「そこを努力するのはお前じゃなくて俺かな…」
男「そう!絶対お前を振り向かせてみせるから、だから待っててほしい…他を当たることはしないでくれるか?」
兎娘「元々ここに置いてもらうことにしてからはそのようなつもりは無かったのですが。…約束します」
男「そ、そっか…ありがとな。んじゃあ俺は風呂場行くから…」
少し違和感があったが人生初の告白をしてしまった。
まさか人生初の告白相手が兎になるとは…一昨日までの俺にこのことを伝えたらいったいどんな反応をするだろうか。
兎娘「あ、男さん」
男「ん?どうした?」
兎娘「今さらですが…おかえりなさいませ。お仕事お疲れ様でした」
男「!!」
男「お、おう。お前もおかえり」
兎娘「はい。ただいまです」
男(いっつも真顔のくせにたまに微笑みやがって…)
男(しかもさらっと俺の期待してた言葉までくれるし)
…可愛いやつだな。
男「えーっとだな…今日からお前にはベッドで寝てもらう」
兎娘「…いいんですか?」
男「何がだ?」
兎娘「さっきまではまだ駄目だと仰っていたので…」
男「いやいやいや!違う違う違う!俺はソファで寝るの!」
兎娘「そうですか…」
兎娘が少し俯いて肩を落とした。
男(そういう反応やめろよな。ただでさえ我慢してるのに、そっちもその気なら別にいいんじゃないかなっていう邪念が出ちまうだろうが!)
男「その、一応お前も女の子だろ?…風邪ひいたらいけないし…」
兎娘「なんだか急に私に優しくなりましたね」
男「そりゃあな」
夜。
俺は昨日に引き続き眠れないでいた。
兎娘はベッドで人の姿のまま寝ている。
男(や、やばい同じ部屋に女の子が寝てるって考えただけで落ち着かねぇ…)
男(水でも飲むか)
ソファから降り、水道水をコップ一杯注ぎ込み一口飲んだ。
男「はぁ…ちょっと落ち着いたかも」
ソファに戻ろうとするとさっきまでは背を向けていて見えていなかったベッドで眠る兎娘を視界に入れてしまった。
男「……」スッ
身体が勝手にどんどん兎娘に近づいてしまう。
男(おいおいおい止まれよ、止まれ)
そう思いつつもとうとうベッドの前まで来てしまった。
兎娘「ぷぅ…すぅ…ぷぅ…」
人間から見れば、まだ少しあどけなさが残る寝顔が見えた。
男「まぁ身長だけ見たら完全に中学生くらいのガキだし」
頬にすこし指を立てる。
ぷにりと柔らかい肌に指が落ち込んで行く。
男「これに惚れるって…俺ってロリコン?」
兎娘「ロリコンとはなんですか?新しい人種ですか?男さんはKOUHAという人種では無かったのですか?」
男「う、うぉっ…すまん…起こしちまったか」
兎娘「まさか寝込みを襲う趣味の持ち主でしたか。まぁそういうのが好きな人間もいると聞いていたので別段特に驚きませんが」
兎娘はゆっくりと身体を起こしながらそう言った。
男「ち、ちが…別に俺はそんなつもりじゃ…」
兎娘「でも、駄目ですよ」
口元に人差し指を立てて、あざとく微笑む。
男「へ?」
兎娘「まだ私は男さんのことが『好き』かどうか分かりませんからね。それでは駄目なのでしょう?」
男「あ、ああそうだ」
兎娘「しかし…」
男「ん?」
彼女は俺の手を取るとそれを自分の頬に当てて、じぃっと俺を見つめた。
兎娘「男さんに触れられているのは嫌いじゃありません。それは抱きしめられたときに気づきました」
男「え、それって怖くなかったってこと?」
兎娘「はい」
なんだ怖がらせるようなことはしてなかったんだなと安心していたら、兎娘が突然返答に困る質問をしてきた。
兎娘「男さんは私に触れるのが好きなんですか?」
男「は、はぁ!?そりゃあ…やっぱり可愛い女の子に触れるのが嫌いな男はいないと思うけど」
兎娘「そうですか。なら、ここで一緒に寝てみませんか?大丈夫ですよ、一緒に寝るだけです」
男「え…」
窓から差し込む月明かりが、ベッドに座る美少女を照らす。
そのときの兎娘の顔はほんの少し蕩けていて頬を桃色に染めているようにも見えた。
男「そ、それなら…いい、けど」
男(…また屈してしまった)
二日目にして、またも俺は屈してしまった。
しかもせっかく水を飲んで落ち着いたというのに……
兎娘「もっとお顔を見せてください。何か思うところがあるかもしれませんので」
男「やっぱり、俺はソファでいいか?」
胸の高鳴りは悪化している。
兎娘「私に触れないのですか?」
男「二日連続朝礼ギリギリになるわけにはいかないからな」
兎娘「そうですか…何故か分かりませんが少し残念です…」
男(だからそういうこと言うなっての!)
明日からはもう屈しない。
絶対にな!
なうろうでぃんぐ
(-ω-)
最近荒らしが酷いから酉付けた方がいい
ですよ。
同僚「男くんさ、なんか良いことあった?」
男「え?いや、別に何も無いけど」
同僚「うっそだ〜。昨日も疲れてるように見えて話してるときはどっか楽しそうだったし」
男「まぁ強いて言うなら、今日は朝礼ギリギリじゃなかったってことかな」
同僚「あっはは。何それ〜昨日ギリギリだったってだけでいつもは普通じゃん」
同僚「ぶっちゃけさ、彼女でもできた?なんかそういう顔してる」
男「か、彼女?それはないそれは絶対にない」
手をブンブンと振って否定してみせた。
これはあれだ。我ながら露骨過ぎて逆に疑われるやつだ。
>>63
忠告ありがとうございまする
同僚「動揺し過ぎぃ〜!おもしろ〜。ま、男くんに彼女はまだ早いか」
男「……」
なんというか、思ったより心にグサリと来る反応だった。
男「俺には可愛い兎ができたからそれでいいんだよ」
柄にもなく妙な見栄の張り方をしてしまった。
他から聞くと実に哀れな返し方だ。
妹や姉ならまだしもペットでこれを言うか?
悲しき一人暮らしの男丸出しの発言である。
同僚「ふ〜んそんな可愛いんだ。今度見せてよ!」
男「え、何お前うち来るの?」
同僚「はぁ〜?今度一緒に飲みに行こうって言ったじゃん!そのついでに家に連れ込もうとか考えなかったの?」
男「…すまんまったく」
同僚「ええ〜!そんなんだからいつまでたっても童貞なんだよ!」
男「ばっ、馬鹿お前声デカ…ってか!ど、童貞じゃねーし!」
もちろん嘘だ。
今日はよく見栄を張る日だ。
同僚「もういいよ。じゃっ、私はそろそろ…」
同僚はバツが悪そうにスタスタと持ち場に帰って行った。
男(ありゃ完全に嘘ってバレてるな…。まぁ最初からバレてたけど)
同僚「……」スタスタ
同僚「そんなに私って男くんから見て魅力ないかな〜?」ボソボソ
同僚「結構自信あるんだけどな〜」
男「俺の話を?」
家に帰った俺は兎娘から頼みごとをされた。
なんでも仕事場での俺の話を聞きたいと言う。
兎娘「はい。男さんのことをもっと知れたらなと」
男「まぁいいけど…」
そこから最初は仕事場のことや同僚などのよく話す人の話をしていたのだが…
男「でな?先輩がこれまたうるさくて…」
気がついたら俺の愚痴を聞いてもらってるだけとなっていた。
兎娘「そうですか。それは大変ですね」
男「あっ、すまん!気がついたら愚痴ばっかりに…」
こうなってしまったのは恐らく今まで愚痴を聞いてもらう相手が俺にいなかったからだろう。
家に帰っても一人、母との電話では母は彼女はできたか云々で聞く耳持たず…。
そんなんだから
男「ちょっと、嬉しくなっちまって…」
兎娘「私で良ければいつでも聞きますよ」
男「本当か?ありがとな」
兎娘「いえ、男さんと話してるのも嫌いじゃないので」
男(こいつはまた期待させることを言う…)
男「ん〜…」ポリポリ
兎娘「…?」
それからというもの、俺は兎娘によく愚痴を聞いてもらうようになった。
ここだけ言えば情けない話だけど、単純に家に帰ると話し相手がいるというのが嬉しかった。
そんな兎娘と一緒の生活が2週間ほど過ぎたある日。
男「今日さ、休みだから一緒にどっかいこうぜ!お前もずっとここにいると暇だろ?」
男「人間のこと、もっと知るいい機会だと思ってさ」
兎娘「別に私は構いませんが…一体どこへ?」
男「まずは飯だ飯!」
兎娘「……」モッシャモッシャ
男(サラダバーあるところ選んで良かったな。…ずっとりんごばっか食ってるけど)
男「もっといろんなもんあるぞ?キャベツとか、レタスとか…」
兎娘「ただのキャベツとレタスはあまり…身体に良くないので…」
男「え、そうなのか。知らなかった」
男(もっと兎のこと調べといた方がいいな)
兎娘「…人参とりんごが美味しいです」モッシャモッシャ
男「こうして見るとやっぱお前って兎なんだなって思うよ」
兎娘「デートするならやはり普通の人間の女の子の方が良いですか?」
男「いや、実は普通の女の子ともデートしたことがないんだなこれが」
兎娘「そうなんですか」
男「悲しい話ことにな…」
兎娘「悲しいんですか?」
男「や、やめてくれ!これ以上俺の心の傷をえぐらないでくれ!」
兎娘「私は…何故でしょう。それがとても嬉しいです」
男「え…?」
兎娘「もうお腹はいっぱいです。次はどこに行くんですか?」
男「あ、ああ。次は映画だ!」
男「おもしろかったか?」
兎娘「すごかったですね。あの兎、兎の姿のままなのに長時間の二足歩行をこなしたり、人の言葉が喋れていました」
男(俺からすりゃあお前らの方がびっくり生物だがな)
兎娘「最後なんて崖から飛び込んだりして…未来でも生身であんなことをしては大怪我どころではすみませんよ」
男(でも未来だったら兎は無理でも人間なら生きていけそうだけどな…)
男「館内何も持っていかなかったし、喉乾いたろ?入り口で待っててくれよ。何か飲み物買ってくるから」
兎娘「はい。分かりました」
そう兎娘に伝えてから俺は自販機へと歩いて行った。
兎娘(…男さんと出会ってから新しい発見や楽しいと感じることばかりですね)
兎娘(男さん、ありがとうごさいます)
DQN「あれ?君もしかして一人?」
兎娘「…?いいえ、男さんを待っていて」
DQN「誰そいつ。君みたいな超カワイイ子一人にするなんてロクなヤツじゃねーよそいつ」
DQN2「ねぇ?お兄さんたちと遊ばない?」
兎娘「いえ、男さんにここで待っていてくれと言われましたので…」
DQN「いいからこっち来なって!」グイッ
兎娘「きゃっ…」
DQN2「いい声出すじゃん。あっちの人気のない路地行くか」
DQN「まだガキだが久しぶりの上玉だなこりゃ。お兄さんたちが大人の遊びを教えてやるぜ」
男「水でよかったかな。りんごジュースとかのほうがよかったか?」
男「…あれ?あいつどこ行ったんだ?」
男「おーい!兎娘!おーい!」
男「おいおいおい…マジでどこ行ったんだあいつ。家の中探し回ってもいなかったのに街中とかマジで勘弁してくれよ」
男「また勝手に未来に帰ったりとかしてないよな…とりあえず探すか…」
DQN「服脱がせるぞ」
DQN2「はいはい…脱ぎましょうね〜」
兎娘「や、やめてください…」
兎娘(兎の姿になって逃げましょうか…しかし街中を兎の姿で走り回っては目立ってしまい男さんに迷惑がかかってしまいますね…)
兎娘(ここは頑張って振りほどきましょう)
兎娘「離して、くださっ…い!」ブン!
DQN2「あっ!こらっ!暴れんな」
DQN「おいコラ大人しくしろや」ガシッ
兎娘「ひっ!」ビクッ
DQN「はは見ろよ。ちょっと強めに掴んだだけで」
兎娘(ほ、捕食されてしまいます…)ガクガク
DQN「こんなにビビってやんの。動物かよ」
DQN「取ってくったりしねーよ」
DQN「いやまてよ?」
DQN「ある意味間違えでもねーか?」ニヤリ
DQN2「すげ…服の上からでもそこそこだったけど…こいつガキのくせに結構胸あるじゃん!」
DQN「へぇ〜いい乳してんじゃん」ムニムニ
兎胸「い、いやぁ…やめて…ください…」
DQN2「おら!壁に手ついてケツ向けな!」
兎娘「はぅ…」
DQN「へへ。尻もいい感じじゃん。男を誘うために生まれてきたカラダしてんな」
DQN「おらよ!」ペチンッ
兎娘「ひゃん!」
兎娘「お、お願いです…やめてください…痛いことしないでください…」
DQN2「まぁ初めては痛いかもしれねーけど時期に気持ちよくなるからよぉ」
兎娘「ま、待ってください!男さんが人間とこういうことをするにはお互いがお互いを好きであることが最低条件だと…」
DQN「君さ、見るからに処女だよね?ということはその男って奴は君のこと嫌いなんじゃない?」
兎娘「そんなことありません!男さんは私のことが好きだと言ってくれました!」
DQN2「うるせぇ!お前は黙ってケツ差し出しときゃいいんだよ!」
ペチンッ
兎娘「いたぃっ…」
兎娘(怖い…怖い怖い怖い…怖いですよぅ…)
兎娘(男さん…助けてくださぃ…)
(-ω-)
ろうでぃんぐなう
走り回る……
映画館内、トイレ付近…入り口付近…
近くの店…
ひたすら走り回る。
兎娘を探して…
男「はぁ…はぁ…どこにもいない…マジで未来に帰っちまったのか?」
もう半分未来に帰った説を信じて諦めかけていたそのときだった。
同僚「あっ!奇遇だね。男くんこんな所で何してんの〜?うわっすごい汗!」
男「同僚!ちょうど良かった!今人を…人?まぁいいやとにかく人を探していて」
同僚「え?どんな人?」
男「茶髪で中学生くらいの背丈の女の子だよ!あと頭にうさ耳みたいなリボンしてる!」
同僚「ああ。その子ならさっきコワそうな男の人たちとそっちの路地に入って行ったよ。私でも可愛いと思った子だったからすごく印象的だったけど…男くんの知り合い?」
男「それ本当か?情報ありがとな!」
同僚「ちょっと待ってよ!あの子本当に男くんの知り合いなの!?」
男「未来人!」
同僚「…走って行っちゃった」
同僚「未来人…?結局未来人ってなんだったんだろ…」
DQN2「なんか触ってもずっと震えてるだけじゃん」
兎娘「ひっ…ひっ…んぅ…」
DQN「お前下手すぎるだろ。感じるどころか怖がってんじゃん」
DQN2「怖がってんのは元からだろ…なぁもうめんどくさくね?」
DQN「俺も面倒になってきたわ。挿れるか」
男「おいっ!お前ら何やってんだ!」
兎娘「男さん…?」
DQN「チッ!誰か来やがったか!」
DQN2「つっても一人じゃん。一人で何が出来んの?」
男「今警察を…」
DQN「させっかよ!」
ゲシッ!
男「ぐぼぉ…」
兎娘「!!」
DQN2「はいスマホゲーッツ…」
男「くっそぉ…」
DQN「あいつの彼氏かなんか知らねーがお前はそこでくたばってろ」ボゴッ
男「あがっ!」
DQN2「男はお呼びじゃねーんだよォ!」バキッ
男「かはっ…」
腹や脚や頭に入れられる、一発一発が気が遠くなりそうな強烈な打撃。
男「…ぐはっ」
兎娘「男さん…!いやだ…男さぁん!」グスッ
目の前で好きな女の子が怖い思いしてるっていうのに…
何もできないのか俺は…
やっぱり男なら喧嘩の練習の一つや二つしといた方がいいのか?
DQN「続きやるぞ」
DQN2「俺あいつのせいでちょい萎えたわ。しゃぶってもらうか」
男「やめ…ろ…」
DQN「あぁ?」
男「やめろっつてんだろおおおお!」ダッ!
「はいはい」
DQN2「ん?あぁ?」
同僚「そこのコワいお兄さん達、そこまでです。お姉さん警察呼んじゃいました」
兎娘「……」
男「…同僚!?」
DQN「は?」
DQN2「マジかよやべーじゃん!」
DQN「逃げるぞ!」
DQN2「退けよ!クソ女!」ドンッ
同僚「んにゃっ!」
DQN「クソッ覚えとけよ?次会ったら犯してやる!」
あ、一部分飛ばしてしまった。
(>ω<)\
同僚「うわっ…コワ〜イ…」
同僚「男くん大丈夫?ボコボコじゃん…ひっどい顔。救急車呼ぼうか?」
男「いやいい…す、すまん…助かった」
同僚「まっ、本当は警察なんか読んでないんだけどね。面倒なの嫌いだし」
兎娘「あなたが同僚さんですか…?男さんを助けてくださって本当にありがとうございました」
同僚「あれ?そこの美少女、私のこと知ってんの〜?」
兎娘「はい。男さんから話は伺っていたので」
酉つけ忘れてっぞ
同僚「で、あなたと男くんはどんな関係なの?」
男「あ〜、そ、それはだな…」
兎娘「男さんは…」
ギュッ
男「んぁ?」
兎娘はボロボロな僕の身体を少しだけ起こして僕の顔をそっと胸に埋めた。
柔らかい…
男(どうしたんだ?)
兎娘「私の大好きな人です…」
男「え!?」
同僚「ああ〜!やっぱり彼女できてたんだ。なーんだ。じゃっ、これ一つ貸しだからね。あとはごゆっくり〜」
男「本当にありがとな!…行ったか」
男「で、兎娘…い、今の本当なのか…?」
兎娘「はい。本当ですよ」
兎娘「今日ずっと男さんと一緒にいて分かったんです。男さんと一緒にいるのは楽しいし、データには無かった新しいこともいっぱい知れて…」
兎娘「それにさっきあの人たちに襲われて、無理矢理交配させられそうになって…本当に嫌だったんです。少し前の私なら嫌な顔一つせずに普通に受け入れられたはずだったのに…」
兎娘「もう…男さんとじゃないと嫌なんです…私。男さんが殴られてるときはもう男さんが死んでしまうんじゃないかって…怖くなって…! 」グスッ
男「…そっか。怖い思いさせちゃったな」
兎娘は目に涙を浮かべながら俺に訴えかけていた。
こんな感情が表に出ている兎娘をみるのは初めてだ。
兎娘「うっ…うぁ…うぅぅ…」グスッグスッ
男「本当はさ、ボウリングとか、カラオケとかまだまだ行きたい場所があったんだけど…今日は身体中が痛くてかなわねぇ。帰るか…」
兎娘「ずみまぜん…」
男「いいんだよ。それはまた今度でもいいだろ。今回はお前が無事だったのが何よりだよ」
兎娘「肩…がじましょうか?」
男「いい。一人で歩ける」
>>90
酉つけたら
「こいついっつも同じようなの書いてんな」ってバレるんじゃ
(つω<)
すみませぬまた
30分ほどろーどしまする
家に帰ってきた俺は兎娘から怪我の治療を受けていた。
男「いだぁ!!」
兎娘「我慢してください。未来の薬はちゃんと塗れば即効性も高いですから」
男(現代の消毒液と大して変わらないような…だってこれあくまで人間を追った兎の技術だしな…)
兎娘「これからはあんな無茶はしないでください」
男「まあな。俺も自分があそこまで喧嘩が弱いとは思ってなかった。昔から真面目で揉め事も無い人間だったしな」
男「…そのせいで他人との関わりも薄くて彼女もできなかったわけだが」
兎娘「でもそうでなければ、私と男さんはこんな関係になることは無かった。KOUHAな男さんのことです。男さんに彼女がいたら絶対に私を追い返していたでしょう?」
男「分かんねーぜ?お前みたいなやつなら簡単に心揺らいでたかもしれないだろ」
兎娘「それはありえません」
男「ず、随分と自信があるんだな」
兎娘「だからこそ…安心できるんです。男さんは私の特別で、私は男さんの特別だって…」
男「そっか…」
この日から兎娘は普段のテンションはそんなに変わらないが、少しだけ感情が表に出やすくなった。
俺の怪我も徐々に治り、あの一件からさらに2週間が経とうとしていた。
男「ただいま」
ダッダッ
兎娘「おかえりなさいませ…です」ギュッ
男「そんなに引っ付かなくても俺は逃げたりしねーよ」
兎娘「んっ…はい…」スリスリ
兎娘は俺が帰ってくるとすぐにくっついてくるようになった。
その姿はまるで飼い主ににおいを擦り付ける兎のようだ。
もはや風呂やトイレ以外ではほぼほぼ近くにいたがる。そんな感じだ。
男「はぁ〜今日も疲れた…寝るか…」
兎娘「あの…男さん…」
男「どうした?」
兎娘「怪我をしていたときは我慢していたのですが…さすがにもぅ…」
兎娘が俺の胸あたりに頭を擦り付ける。
兎娘「我慢できませんよ…」
男「!!」
男(いっ…)
顔を上げて俺を見上げるその視線は初日のと比べものにならないほどの破壊力だった。
うっとりとした表情。
赤く染まった頬に息が当たるのが分かるほどの荒い息。
完全に発情してしまっている。
兎娘「もうあのときとは違います。私は男さんのことが大好きで、男さんも私のことを好きでいてくれている。条件は揃いました…それに…」
兎娘「最近、男さんのことを考えると抑えられなくなってしまって…今ももう、気持ちが、溢れちゃって…」
兎娘はもじもじとして太ももあたりをこすりあわせている。
男「っ!…」
こんなものを見せられてはさすがに俺も衝動を抑えきれそうになくなってきたが、それでもまだ俺の中には引っかかっていることがあった。
それは
男(こいつは役目を終えると未来に帰っちゃうんだよな…)
それだけがたまらなく嫌だった。
そうだ。こいつは未来から来た。
ずっと一緒にいられるわけではない。いつかは別れなければならない。
それは分かっている。
でも今は…今はまだ…こいつと一緒にいたい。
一時の肉欲なんかよりもそっちの気持ちの方が何倍もある。
だから…
男「ごめん。今はまだ無理…」
兎娘「えっ…?」
男「いつか、いつかは絶対するから。今は」
兎娘「そう、ですか…すみません…」
男「すまん…」
今日は兎娘に屈しなかった。
偉いぞ、俺。
同僚「ねぇ男くぅ〜ん…」
男「なんだ、今日はどうした?」
なんだか浮かない顔の同僚に話かけられた。
俺の知らない間にもう新しい彼氏を作って別れでもしたのか?
だとしたら過去最速だな。
同僚「先輩に怒られちゃった…。慰めて!」
男「慰めてって言われてもな〜」
同僚「今日さ、飲みに行かない?」
男「唐突だな」
同僚「唐突でもないよ。前一緒に行こうって言ったら、男くんもそれくらいなら付き合うっていってくれたじゃない」
男(そういえばそんな約束したっけな…)
同僚「いいでしょ?」
男(兎娘に帰り遅れるとか伝えてないけど、早く切り上げればいいか…)
男「はぁ。分かったよ」
というわけで同僚に付き合うことになったのだが…
同僚「……でさー、信じらんないよ!あれもうセクハラだよセクハラ!うぃっく…」
男(できあがるのはえーなこいつ…)
同僚「ねー、男くんもそう思うでしょ?」
男「お、おう。それじゃあ俺はこれで……」
ガシッ
男「!?」
同僚「…もうちょっと一緒に居てくれてもいいんじゃない?」
男「俺早く帰らないと…」
同僚「じゃあさ、男くんの家に泊まらせてよぉ」
男「えぇ…普通にやだよ」
同僚「そんなこと言っていいのかな〜?」
男「なんでそんな上から目線なんだよ」
同僚「貸し…忘れたわけじゃないでしょ?」
男「なっ…!」
同僚「あの怖いお兄さんたちにも次会ったら犯すとか言われたりしたし、今は一人になりたくないかなぁ…怖いよぉ〜。明日は休みだし…ね?」
男(まぁこのままずるずるここにいることになるよりかマシか…)
男「分かったから…とりあえず手離せ」
男「ただいま」
ダッダッダッ
すごい勢いの足音だ。
兎娘「男さん、遅かったじゃないですか」ギュ
男「わ、悪い。そしてそれに続きすまんが…」
兎娘「?」
…………
男「上がっていいぞ」
同僚「ふぁ〜い…あ!この子もしかして言ってたうさちゃん?」
兎娘「…ぶー」
同僚「かわいい〜!」ギュ〜
兎娘「ぶー!ぶー!」ジタバタ
男(…もしかして怒ってるのか?)
………………
男『実は今日は同僚が泊まることになった。だから同僚が帰るまでは兎の姿でいて欲しい』
兎娘『…分かりました』
………………
男(本当にすまん!)
同僚「あーもう眠たい…」
男「ああっ!お前!」
同僚は俺に断りを入れることもなく俺のベッドに豪快に飛び込んだ。
男「何やってんだよ…ってか風呂とか入らなくていいのか?」
同僚の肩を掴み身体を起こそうとする。
同僚「いや〜ん!男くんのえっち〜」
男(完全に酔っ払いだな)
男「はいはい。じゃあ離しますよ〜」
置いていた手を肩から離そうとしたときだった。
同僚「離しちゃうんだ…」
男「なんだ?支えてた方が良かったか?面倒くさいやつだな」
同僚「そうじゃなくてさ!」
男「えっ?ってうわっ!」
背中の後ろに手を回され一気に手前に引き寄せられた。身体はバランスを崩して同僚に覆い被さるように倒れこむ。
男「なんだってんだよ…」
同僚「男くんさ〜…察しが悪いよ…」
男「察するも何もお前だしな」
同僚「それひどくない?」
同僚「もうおこったぞ〜!そっちにその気がないならこっちから攻めてやる!」
男「やっ…やめ…」
兎娘「やめてくださいっ!」
後ろから兎娘がらしくない大声で叫んだ。
男「お、お前…」
同僚「へ…彼女さん…?男くん同居してたの!?」
兎娘はもう驚愕する同僚を気にも止めず、そのままこちらへ歩いてきた。
兎娘「こんなの…駄目ですよ…」
兎娘「駄目ですよぉ!」
兎娘は俺の腹に手を回して引っ張り、俺の身体を同僚から離した。
同僚「あっはは…」
同僚「ごめんね…完全に酔いがさめたよ。もう私帰るね…」
男「さ、流石に送っていくぞ」
兎娘「むぅ」
同僚「いいよいいよ…その辺でタクシー拾うから。なんかこのままだと彼女さんに殺されそうな勢いだし。おじゃましました〜」
同僚はそう言うとそそくさと退散した。
兎娘「…どういうことですか?」
男「いやすまん!悪かったって!」
兎娘「許して欲しいですか?」
兎娘の怒りの視線に声も出せず俺はコクコクとうなづく。
もはや俺が兎で兎娘はそれを喰らう肉食獣のようだ。
男(同僚のやつ、とんでもないことしてくれたな…覚えとけよ)
兎娘「なら…」
兎娘「私と子作りしてくれませんか?」
兎娘「もう二度とこんな思いはしたくないんです。男さんが他の女性に取られる危険が少しでもあるなら、今ここで…してください」
兎娘「お願いします!」グスッ
うるうると今にも泣き出してしまいそうな兎娘の顔を見るともう断れなくなった。
今回の件は俺にも問題があるし…。
男「分かったよ…」
男「分かったから、泣かないでくれ。好きな女の子の泣き顔は見たくないもんだから」
と、兎娘にこうは言いつつも泣きたいのは俺の方もだった。
だってここから先の、少なくとも24時間後には、俺の目の前にこいつの姿はもう無いわけで…。
それが、辛くないわけがないわけで。
兎娘「…男さん?」
男「泣くな!泣くな!」
男「くっそぉ…学生のころの卒業式ですら泣いたことなかったのによ。変なもんの卒業前に泣いてんじゃねーよ」
下らないギャグを一人で呟いて誤魔化しても溢れる涙が止まらない。
男「情けないから、泣かないでくれよ…俺…」
頼むから…この涙を誰か止めてくれ…
ぺろっ…
男「あっ…」
兎娘「しょっぱいのはそんなに好きではありません」
男「ははっ…じゃあなんで舐めたんだよ」
兎娘「泣き顔…見たくありませんから…」
男「……」
兎娘「笑ってください」
兎娘「笑顔で、私を送り出してください」
甘い匂いがする。
鼻から通って頭の中にこびりつくような…そんな感覚がする。
生温かい吐息が部屋中に広がっていく。
…………
兎娘「では、私はこれで」
男「ああ、元気でな」
次の日の朝、兎娘は荷物をまとめてクローゼットの前へと立っていた。
男「泣かないのな」
兎娘「泣いてはいけないのでしょう?」
兎娘「『愛する人の前では泣いてはいけない』これも新しいデータとしてまとめておきます」
男「なんか持って帰るデータとしては微妙な気もするが、ま、いいんじゃないか?」
兎娘「今まで本当にありがとうございました」
兎娘「…大好きですよ。こういうときは…ええっと、そうです。愛しています」
兎娘「……できることならずっとここに居たいくらい」
兎娘「…もう行きますね」
クローゼットの中に空間の歪み(?)のようなものが発生した。
ここから先に未来があるのか。
兎娘「あ、やはり先ほどのデータの発表はやめておきます」
男「なんでた?」
兎娘「少々…酷なデータですから…」
兎娘は後ろ姿そう言い残して振り向かずにクローゼットの歪みの中へと飛び込んで消えた。
男「振り向かなくてもばればれだっつの」
男「……」
クローゼットに手を押し付けるも手のひらはクローゼットの奥でしっかりと止まった。
男「だよな。何やってんだよあほくせぇ」
男「うっ…うぅ…あーくそ…」
男(…確かにこりゃ酷だわ)
母さんごめん。
俺、やっぱ彼女なんて作れねーわ。
人間の女よりも兎のメスの方が好きとは…
とんだ変人だな。
同僚「男くん休日何してた?彼女さんとデート?」
男「寝てた」
同僚「寝てた?」
男「そう。ずっと寝てた」
同僚「えっ…もしかして寝てたってそういう…」
男「そんなんじゃねーよアホ。マジでずっと寝てたんだよ」
同僚「もしかして私のせいで振られちゃった?」
男「まぁ、物理的に別れはした」
同僚「そ、そうなんだ。なんか本当にごめん…」
同僚「や、その…私で良かったら彼女さんの代わりになるよ?いつもみたいに飽きたら別れるとか絶対しないから、だから…」
男「お前には俺なんかよりもっといいイケメンの方が似合ってるって。気にすんな」
同僚「でも…」
男「じゃあ今度飲みに付き合え。それで手打ちにしてやる」
同僚「ほ、本当?それなら喜んで付き合うよ!なんなら全部私の奢りでいいよ!」
男「本当かよ。酔ってそのこと忘れんなよ?」
同僚「へへ、気をつけまーす」
そこから4ヶ月ほど経過した。
俺には何も変化のない日常が完全に戻ってきていた。
もう『おかえり』がなくても寂しくない。
一生独身を固く誓った身だ。
男(もうちょっとやそっとじゃ寂しくともなんともねぇぜ)
しかし俺には不思議な日課ができてしまった。
クローゼットの前に立ち、開く。
目の前には当然俺の服。
だがそこには
男「おーい。元気か?…なんてな」
自身の服に語りかける痛々しい独身男がいた。
男(やめないとなとは思うんだけどな)
男「はぁ」
ため息を吐きクローゼットを閉じようとしたときだった。
ガタッガタタ…
男「!!」
突如クローゼットの中の空間が歪み、渦巻きだした。
男(も、もしかして…!)
兎娘「おっとっとっ」
歪んだ空間の中から飛び出したのは4ヶ月前ここを去った兎娘…
男「うおっ!兎娘!帰ってきたのか!?」
…と
子兎娘「ひあっ!」
子兎娘2「うわぁ!」
小さな女の子が二人。
男「!?」
兎娘「すみません男さん。実はあれからも実験は続き、新しい場所へ飛ばされそうになったり、他のオス兎と交配させられそうになったりしたのですがそれを頑なに断っていると研究所を追い出されてしまいました」
男「で、行くあてもなくここへ来たと」
兎娘「はい」
男「まぁ、それはいいんだけど。この子たちは?」
兎娘「何言ってるんですか。あなたの子どもたちですよ?」
子兎娘「ぱぱー」
子兎娘2「すごーい!ぱぱおっきー!」
男「」
いまいち実感が湧かないが確かに二人とも兎娘に似てかなり整った顔をしている。
将来はどちらも美人になるだろう。
二人の頭に手を乗せて撫でる。
子兎娘「ぱぱの手あったかーい」
子兎娘2「えへへ〜」
男「二人ともかわいいな〜」
兎娘「む…」
兎娘が急にすり寄ってきた。
兎娘「子どもたちばかりずるいです。私にも何かしてください」
子兎娘「ままあまえんぼーさん」
男「子どもに嫉妬すんなよ…」
兎娘「ですが…」
ウーウー
兎娘の言葉にポケットの中に入れていた携帯の着信音が割り込んだ。
男「ん?母さんからだ」
男「あ」
そこで母からの課題を思い出した。
男(彼女どころか、もう子どもいるんだけど…)
はは…どう説明しろってんだよ…
おわり
これにておしまいです
読んでくださったみなさんありがとうございました。
(-ω-)
結局俺くんはなんだったのか
乙 面白かったが子供と同じ部屋にいると迫られそうで怖いなウサギ的に考えて
なうろうでぃんぐ…
(-ω-)
おまけ
男「…彼女っていうかその、いやまぁいいや。とにかく彼女はできたからもう口うるさく言わないでくれよ」
一度にいろんな話をすると母も混乱するだろうし子ども達の話はまた今度でいいだろう。
母「そうなの?なら母さんも安心したけど…」
男「そうそうできたら野菜の仕送りもっと増やしてくれたら嬉しい。特に人参」
母「何あんた、もしかして彼女できたからダイエットでもしようっての?」
男「そんなんじゃないけど…彼女が人参好きなんだって」
男(好きというかもはや主食だけど…)
母「なんだそういうことなら大歓迎よ!」
子兎娘2「うー?」
子兎娘「ぱぱ誰とお話ししてるの?」
男「あ、ちょっ…しっー!」
母「…?男?あんた今どこにいるの?」
男「ど、どこって家だけど…」
母「今幼稚園児くらいの女の子の声が聞こえたんだけど」
男「あ…」
男(聞こえてたのか…というかなんで素直に家って言ってしまったのか…適当に公園とか言ってた方がまだ誤魔化せたろ)
母「あんたもしかして…ゆうか
男「ないないないない!気のせいだろ!」
子兎娘「うー!ぱぱが無視すりゅー!」
男「」
男(終わった…)
兎娘「今は男さんは取り込み中なんですよ。静かにしなさい」
母「ほら今絶対聞こえた!あんた母さんに何か隠してるでしょ!?」
男「」
………………
その日の夜、ベッドに座って俺は頭を抱えていた。
男「あー…どうしよ…」
…………
母『こ、子供!?あんたそんな大事なことなんでもっとはやく教えないのよ!?』
男『俺だってまだ実感が薄いんだって!』
母『そんなわけないでしょ!少なくとも声からして幼稚園児くらいまでは育ってるじゃない!』
男『兎娘…この子たちは人間で言ったらどのくらいなんだ?』
兎娘『4〜5歳くらいですかね』
男『…母さんこれには深い訳があって』
母『ただ事ではなさそうね。こんどこっち帰ってきて説明してちょうだい!いいわね?』
…………
男(どう説明すればいいんだ?未来から兎が来てその兎と子作りしたって言ったら信じてもらえんのか?)
兎娘「あの、やはり迷惑でしたか?」
兎娘が隣に座って俯く俺を覗き込むように話かけてきた。
男「そんなことはねーよ。お前が帰ってきてくれたことは素直に嬉しいし、あの子たちも元気で可愛いし…あの子たちはもう寝たか?」
兎娘「はい。慣れない場所に来て疲れたのでしょう。ぐっすりです」
兎娘の声を聞きながらソファの方に目をやると子どもたちは毛布の中で二人仲良く寄り添い小さな寝息を立てていた。
男「ははっ…ただ少し突然過ぎるってだけで俺はとんでもないくらい幸せ者かもな。あんな可愛い子どもたちに恵まれてるんだから。いやーほんと俺に似なくて良かったわ」
兎娘「男さん…少しあの子たちに構いすぎですよ」
男「別にいいだろ俺もあの子たちも初対面だし親子で沢山スキンシップ取ったってバチ当たんないだろ…って…どうした?」
気がつけば兎娘は無言で俺に抱きついていた。
兎娘「私には…何もないんですか?」
兎娘は目線を下にして頬を染め、もじもじとしている。
男「お、お前もしかして…」
男(発情してる…?)
男「子どももすぐそこにいるし流石にまずいだろ!」
兎娘「あっ、あの…せめて『きす』だけでも」
軽く拒んでも目を大きくしてお尻を左右に振りながら必死にすがってるくる。
兎で言えばただ甘えてるだけなのだと分かるが、これを人間の姿でやってしまうと…
ただのえっちな嫁さんである。
男「しょうがないお母さんだな…ん」
兎娘「んっ…んちゅ、んっ、んっ、んぁ…ぷは…」
兎娘「人間のこの『きす』という文化はふしぎでしゅ…なんだかあたまがふわふわしてしあわせなきぶんになってしまいまふ…」
男「満足したか?」
兎娘「いえ、全然」
男「おいおい冗談だろ…」
兎娘「男さんの方もこれで終わっていいんですか?」
兎娘が上目遣いで俺の下半身をごそごそと弄る。
男「あっ、ちょっ、おまっ!」
兎娘「もうこんなに大きくなってますよ?」
彼女はどんどん勝手に事を進めていく。
ズボンをずらし、下着もずらされ俺のオスが露わになる。
兎娘「あむっ…」
男「ぐっ…」
兎娘「はむっ、んにゅ、ちゅるるる…」
小さな口でせっせと頬張る。
餌を与えられたペットのように
男「んがっ、がっつきすぎだろ…そんなにおいしいか…?」
兎娘「ん、はい。人参みたいで、割と」
男「え、人参みたいな味すんのこれ。マジか」
兎娘「嘘です」
男「嘘かよ…」
最初会ったときはいちいちデータ云々言ってたこいつが…いつの間にジョークなんて言うようになったんだ…
兎娘「ぺろっ、んちゅ、んちゅ…」
男「あっ、やば、俺もう…」
じわじわと来ていた射精感は直ぐそこまで到達し解き放たれようとしていた。
しかし
兎娘「まだ駄目、ですよ…」
男「え」
兎娘が口を離してしまった。
男(そっちから仕掛けといて寸止めかよ…そりゃないぜ)
兎娘「次はこちらにお願いします」
そう言うと彼女は後ろを向いて下着をずらして見せた。
男「あー…その、あれだ…」
こっちはあの別れた日から今日まで一生独身を誓っていたのだ。
同然避妊具など常備しているわけがない。
男「このままじゃまた子兎さんが増えてしまうから駄目っていうか…」
兎娘「駄目なんですか?」
男「いや駄目じゃないけど駄目っていうか。俺の給料が全て人参と林檎に変わっちまうからそれ…」
兎娘「そうですか。男さんとの子ならどんなに産んでもいいと思っていたのですが…残念です…」
男(あーもうそんな残念そうにするなよ!悪いことしたなって思うだろ!)
男「だから、な?今日はもう寝ようぜ」
男(明日も仕事だしな)
兎娘「あの、一応中に出してしまっても妊娠が確定するまでに本来の姿に戻っていれば大丈夫なので…」
それでも彼女は息を荒げて引こうとしない。
前に渋ったときは多分こいつにも『まだここにいたい』と思う心があったから簡単に諦めてくれたが今はそれがない。
男(おいおい、発情した兎ってここまでなのか?)
男「わ、分かった!分かったから!」
兎娘「はぁ、はぁ…はやくしてくださぃよぅ…もう私…切なくて…」
目の前には透明の液体が伝う太もも
それを見た俺のは一度治っていたがまた元気になってしまった。
男(えろすぎだろ…)
男「挿れるぞ…」
すっとモノを押し付けるとぬるぬるとしていて詰まることなく吸い込まれていく。
兎娘「んぁぁ…あっ…あっ…」
男「はいっ、た…」
限界まで挿れるとこつりと奥に当たるような感覚がした。
兎娘「あんっ、おくっ…きちゃってましゅ…」
男「動くぞ…」
腰を引くと結合部からぬちゃりと卑猥な音がなる。
そこからスッともう一度腰を当てると身体同士が当たる音とともにまた奥をこつんと叩く。
男「はぁ、はぁ…やばっ…絡みついて…気持ち良すぎる…」
後ろから突くこの体位はやはり動物っぽくその気がなくとも孕ませようとしてる気分になる。
…それが少し興奮する。
喉乾いた
( ;´Д`)
もう暑い時期ですな
( ;´Д`)
ろーど中…
(-ω-)…
兎娘「んぁ、あっ、あっ、あっ、んぅ…」
ズチュズチュズチュ
兎娘「んっ、あんっあっ、あっ、らめでひゅっ!もぅ…」
腰の抜き差しの距離は殆どなく、ほぼゼロ距離で兎娘の中をかき回して奥に押し付けるように動く。
初めての日もそうだったのだが彼女の身体は中学生ほどでけして大きくない。そんな小さな身体を自分で満たしてると思うとそれだけで怪しい背徳感がこみ上げる。
兎娘「それっ!らめなんれしゅ!おかしくなっちゃ…んぁぁ」
子兎娘「んー…ぅん…」
男「ほら…静かにしないと子どもたちが起きちゃうだろ?」
身悶える兎娘を見てさらに興奮してしまい、俺も少し調子に乗ってしまう。
兎娘「で、でしゅが…こんにゃの…」
男「我慢しないと止めちゃうぞ?子どもたちが起きたら大変だからな」
兎娘「そんな…ひどぃ…あんっ!」
男「ほらほら我慢我慢…」
兎娘「うぅ…んむぅ…んっ、んっ」
男「…っ、可愛いな」
彼女は枕に顔を埋めて必死に声を抑えようとしている。
快感に溺れそうになり小さな身体を震わせながらも従順な兎娘が可愛くて惚れ直してしまった。
男(だがこれを崩したくなってしまうあたり俺はSなのか?)
少し力を入れて思いっきり突いてみる。
男「よっと!」ズンッ
兎娘「〜〜〜ッ!!」
兎娘は突然の出来事に不意をつかれて大きくビクンッと痙攣した。
中も少し締まる。
男(もしかしてイッた?)
自分はまだ果ててないのをいいことに意地悪に動いてみる。
兎娘「はぁ、はぁ…そんな…あっ、あんっ!」
兎娘「ま、まってくだしゃい!今はらめなんでしゅ!らめでしゅよぉ!ああん!んっ、んぅ!」
ズチャズチャ
ヌチュヌチュ
男「ほら、また声…」
兎娘「んっあっ!んっ…ひどぃでしゅ…」グスッ
我慢を強いられ困り果てる兎娘を見て少しゾクリと来てしまった。
男「あ…俺ももう…」
これはやめた方がいいかもな…
あまりやり過ぎると
兎娘が可哀想というか…
男「うぁっ…ッ!」
兎娘「ひああああああああああん!!!」
クセになる…
兎娘「はぁ、はぁ、はぁ…」
男「こっち向いてくれるか?」
兎娘「だ、だめでしゅよ…今は…」
男「しーらない」
兎娘「あぁっ!」
モノを引き抜き、彼女を抱き寄せてこちらに向かせる。
兎娘「はぁ、はぁ、はぅ…み、見ないでくらはいよぅ…」
だらしなく口を半開きにしてこちらを見つめる兎娘。
その顔を見てるだけでまた若干の興奮を覚えてしまう。
男「あー…もう一回していい?」
さっきまで明日が仕事だからと断っていた自分が嘘みたいだ。
完全に乗せられている。子作りのときの兎娘にはなんだか理性を壊す毒のような魅力がある。
兎娘「はぁ、はぁ…あ、へ?」
男「返事がないから勝手にしちゃうからな」
またぐいぐいと押し付けていく。
兎娘「ちょっと休ませてくらは…んあっ…だめっ…また…はいって…きて…」
さっきと違って中は白い粘液がグチュグチュとかき混ぜられる。
その音がまたさらなる興奮剤となって脳を麻痺させる。
わざとらしく中をかき回す。
兎娘「あっんっ…らめっ…そんなにしちゃ…中…男さんのにおい染み付いちゃいまふ…」
男「だったらそうしてやるよ」
グチャ…グチャ…
兎娘「やっ、んんっ…はっ、はっ、…」
目をギュッと瞑ってだらしない顔を俺見せないように頑張っているのが分かる。
男(もっと速くするか)
ズッズッズッ!
パンパンパン!
兎娘「はぁん!あぁっ!あっあっあっ…」
この正常位だと兎娘の大きめの胸の揺れがよく見える。
男(いやこれは…)
わしづかみしたくなる。
兎娘「ふぁあん!?」
男「すげ…」ムニムニ
兎娘「んあんっ、そこ…そんな乱暴にしちゃ…やーですよぅ…」
男「とかいってしっかり感じてるじゃねーか」
兎娘「はぇ…?」
男「また、口半開きになってるぞ」
兎娘「やらっ…見ないでくらはいっ!」
兎娘は恥ずかしさからか両手で顔を覆った。
男「まぁそう言わずにもっと見せてくれよ」
手を彼女の顔の上からどかしてからぐっと背中に手を回し、身体を起こさせた。
そして繋がったままキスをする。
兎娘「え!?んむぅ…んちゅ…んはっ…んっ、んっ…やっ、これ…すごく気持ちいいれす…とけちゃいそうれす…」
男「そっか…かわいいよ…兎娘…」
快感は大きく波打ち、それに合わせて腰の動きも激しくなる。
兎娘「あんっ!男しゃんしゅき!だいしゅきれしゅ!」
男「またっ…出そっ…!」
兎娘「いっぱいくらしゃい!男しゃんの!いっぱい!いっぱい!」
ズチュズチュズチュズチュ!
男「ぐっ!!」
兎娘「あっ、あっ、ああああああああん!」
大きな脈を打ちながら俺から湧き出た欲望が兎娘の中を犯す。
兎娘「あっ、あっ…中…出てましゅ…いっぱぃ…男しゃんのあちゅいの…」
引き抜くと先ほどのと合わせて入りきらなくなった液体が逆流して兎娘の中から漏れ出す。
男「…すまん調子に乗り過ぎた」
兎娘「はぁはぁ…ひゃあぅ…」
彼女はぐったりとしてベットにほぼうつ伏せで倒れこんでしまった。
男「…大丈夫か?」
流石に怒られるかと身構えながらぐったりする兎娘を覗き込むと…
兎娘「また…おねがいしましゅね?」
淡い桃色に染まった蕩け顔でにっこりとお願いされた。
男「え…」
男(もしかてこれ定期的に相手しないといけないのか?)
このままではいつか俺のも人参とともに食われるのではないだろうか…。
男「……」
ついでに明日が仕事だったことも思い出してしまい、急に自分の置かれてる状況があまりよろしくないように思えてきた。
兎娘「男しゃんこそだいじょーぶですか?頭を抱えたりして…頭痛ですか?」
男「いや、なんでもない…今日はもう寝るか」
兎娘「はい。おやすみなしゃい…」
子兎娘2「ん、むにゃ…ぷぅ、ぷぅ…」
子兎娘「……じっー」ドキドキ
おまけおわり
これにておまけおしまいです
(-ω-)
なうろーでぃんぐ
(-ω-)
これ投下したらだめな気がしてきた
おまけ2
同僚「男くん今日誕生日だよね?」
男「おいおいマジかよ…俺今年で30だぞ!?おっさんの仲間入りだゾォ!?」
同僚「あっはっはっ!今日もお仕事頑張れおっさん!」
男「お前もな お ば さ ん 」
同僚「まだ20代ですぅ〜!」
男「ギリギリじゃねーか」
同僚「ぜんぜん違うもん!」
男「もう取っ替え引っ替えのイケメンも年上の兄ちゃんじゃなくてお前の方がお姉さんって感じじゃねーの?」
同僚「う、うるさいな〜…」
同僚「知らないうちに勝手に彼女作ってたのそっちじゃん…」ボソッ
男「んあ?なんか言ったか?」
同僚「はいはい口動かしてないで手動かす!兎さんたちがお父さんの帰りを待ってるぞ〜」
男「まぁな〜、お前もいい加減これって人見つけろよ〜」
同僚「……」イラ
同僚「あー!ムカつくぅ!いーもんいーもん今日もカレに美味しいもの奢ってもらうんだからぁ!」
先輩「おいお前ら…」
男「あ」
同僚「す、すみましぇん…」
男「ただいま」
兎娘「おかえりなさいあなた。ご飯にしますか?お風呂にしますか?それとも…はぁ…はぁ…」
男「はいはい風呂にしますよお母さん」
相変わらずのえっちな嫁さんの頭の上にぽんと手を置きながら玄関を上がる。
あれから7年ほど経ったが彼女の見た目はあまり変わっていない。
確かに動物はある程度大人になると歳をとっても人間ほど見た目は変わらないが…そのせいか?
強いて言うなら中学生くらいの見た目から高校1年生くらいの見た目になった。
どんどん成長する子供たちと並んで立ってもとても親子には見えない。
姉妹みたいな感じだ。
兎娘「む…おかしいですね…人類の中では定番のシチュエーションだというデータが…」
男(研究員をやめたこいつの新しい情報源って一体どこからなんだ…?偶に未来の友達と会ってるみたいだけどそこからか?)
ドタドタドタ
それに続いて中から沢山の足音が聞こえる。
子兎娘「パパぁ!おかえりなさい!」
男「おーただいま」
子兎娘は元気っ子に育った。
子兎娘2「…………」
男「ただいま」
子兎娘2「…おかえりなさい」
男「お前もいい子にしてたか?」ナデナデ
子兎娘2の方は母親似の少し大人し目の性格だ。
子兎娘2「うん…!えへへ…」
子兎娘「あっ!ずるいんだ〜!」
兎娘「パパは今からお風呂に入るから邪魔したらいけませんよ」
子兎娘「私も一緒に入る!」
子兎娘2「う〜…いいなぁ…」
男「いや、流石にだな…もうお前らも12だろ?」
子兎娘「いいの!いいの!」
男「あ〜」チラッ
兎娘「……」
横目で見るとジト目と言うのだろうか。
そんな表情で兎娘に睨まれていた。
男「うっ…ほらお母さん怖いから…な?」
子兎娘「はーい…」
男「それじゃあ入ってくるわ」
この7年間少々甘やかしすぎたか?
どうにも完全な親離れができないというか。
まぁここから唐突に「パパ嫌い」となるとそれはそれで傷つくのだが…
いや、だからこそ今のうちに離れていて欲しいのだ。いつか来るべきその時の傷口を浅くするために。
男「少し人間的に考え過ぎか?兎には反抗期とかないのかね」ゴシゴシ
「待ちなさい!」
「待ちませーん!」
ドタバタドタバタ
男「なんかうるさいな…」
子兎娘「とぉ!」
ガラガラ
男「なっ!お前!」
子兎娘「鍵かけちゃお〜」
ガチャガチャ
兎娘「はぁ…まったくしょうがない子ですね…お願いしますね、あなた」
子兎娘「やったーやったー!パパとお風呂〜」
男「いや、俺もう湯船つかったら即上がるつもりなんだけど」
子兎娘「まぁそう言わずに!背中流してあげるからさ!そこ座っててよパパ!」
男「まぁそれくらいならいいかな」
子兎娘「パパの背中おっきーから時間かけてゆっくり流さないとね〜」ゴシゴシ
まぁ、こんなパパ大好きっ子も今だけの幸せかもしれないしな…
寂しい話だがそのうち好きな男の子とかできたりして
男「学校は楽しいか?」
子兎娘「うんうん!」
子供たちは未来にある学校に通っている。
毎日あのクローゼットの中にあるタイムマシンから通学しているのだ。因みに俺はまだ一度もあの中を通ったことがない。
今度の参観日は仕事休んででも行くか?
男(それはともかくとして)
男「その、さ。そろそろ恥ずかしいとか思わないか?こうやって俺と風呂入るの」
子兎娘「ぜーんぜん!パパのこと大好きだからいいんだもん」
男「それは嬉しいんだけどさ」
子娘娘「パパはやっぱりママの方が好き?」
男「そんなわけないだろ。お前たちもお母さんのことも同じくらい好きだよ」
子兎娘「ふーん」
男「じゃあそろそろ俺は湯船の方行くから、お前は自分の身体を洗え」
子兎娘「はーい」
軽くシャワーを浴び直してから立ち上がって湯船に浸かる。
男「ふぅ…」
子兎娘はシャンプーで頭を洗い始めた。
腕を上げて洗っているため、全身のラインがよく見える。
男「……」
男(やっぱり大分身体つきも大人に近づいてきているな。兎娘も身長は低いけど胸とかは結構あるし、子兎娘もそれなりに…)
子兎娘「パパ…?」
男(って何ジロジロ見てんだ俺!気持ち悪!)
男「い、いや我が娘も成長したな〜と」ブクブク
子兎娘「そうだよ〜。もうお子様じゃないんだから!」
男「う、うん」
さっきまでは本当にやましい気持ちなどなかったのに変に意識しだすとどうも落ち着かない。
男(あーくそくそ)チラチラ
見ないようにすると逆にチラチラと見てしまう。悲しき男の性だ。
男(…ん?)
下半身に違和感を感じて下を見ると…
男(なんで娘に欲情してんだよアホか)
しかしこれでは簡単に湯船から出られなくなってしまった。
流石に娘にこんなだらしない父親の姿を見せたくない。
男(どうしたものか…)
子兎娘「じゃあそろそろ私もそっち行こうかな〜」
男(まずい!!)
男「今は駄目だ!もうちょっと待ってくれ」
子兎娘「え〜どうして?」
男「今はな?その、駄目なんだよとにかくもう少しで上がるからな?」
男(先輩の全裸でも想像して萎えさせるか…)
男「……」ホワンホワン
……
先輩「ハッハッハッ!」ガチ★ムチ
……
男(うん…普通に萎えてきた…)
子兎娘「えーパパ出ちゃうならダメ!もう私入るからね!」
男(は!?やっと今なんとかなりそうだったのに!)
子兎娘「おじゃましまーす」ザブザブ
男(ちょっと前までは二人でも大丈夫だったのに…普通に狭い…)
子兎娘「パパに座っちゃお!」
グニ…
男(ああああああああああああ!娘の柔らかいお尻がああああああああ)
子兎娘「んっ…あれ?パパ…なんかお尻に硬いのが当たってるよ…」
男「」
この状況に絶望しながらもそれでも尚娘の柔らかい感触に反応してる自分に嫌気がさしてきた。
男「すまんもう俺上がるから…」
子兎娘「ダメ」
男「え」
子兎娘「…パパのこれ大きくなっちゃったの、私のせいだよねもう学校でいろいろ習ったから知ってるよ?」
子兎娘「最近私がパパとお風呂入るのって言ったらママが嫌そうな顔するのもママが嫉妬してるだけなんだって知ってるし」
男「お、お前何言って…」
子兎娘「パパが偶にママと…えっちなことしてるのも知ってるんだもん…」
男「」チーン
子兎娘「言ったでしょ?もうお子様じゃないって」
子兎娘「んしょ…んしょ…」
男「あぁっ…!ほんと、やめ…」
子兎娘がお尻を左右に擦り付けるように動かす。
子兎娘「ね?パパ…気持ちいい?」
気持ちよくないわけがない。
男「もうやめろ!明日お前が大好きなりんごアイスいっぱい買ってきてあげるから!」
子兎娘「りんごアイスなんていらないよ」
子兎娘「今は、パパのにんじんさんの方が欲しいな…」
父親にこんなことするとは…一体どこでこの子の育て方を間違えてしまったのだろう…
子兎娘「ね、パパ…私のここにパパのにんじんさん挿れちゃったら…どうなっちゃうんだろうね…凄く気持ちいいことなんでしょ?」
男「こ、こういうことは俺としちゃ駄目なんだよ。好きな人同士じゃなきゃ駄目なんだ。お前にもっと好きな人ができたら…」
子兎娘「私はパパのこと好きだよ。パパはさっき私のことママと同じくらい好きだって言ってくれたよね?」
男「いやそういう意味じゃ…」
子兎娘「パパ私のこと嫌いなの?」
子兎娘が本気で不安そうな目で見つめてきた。
兎娘…た、助けてくれ…
男「心配しなくても好きだから…お願いだからそんな顔しないでくれよ…」
子兎娘「じゃあ、いいよね…」
子兎娘「…んっ」
子兎娘がどんどん腰を落としていってしまう。
男「あっ、ああっ…キツっ…」
子兎娘「ひんっ!…んああっ…おまたじんじんするぅ」
なんてことだ…すっぽりと入ってしまった。
子兎娘「はぁ…はぁ…パパぁ…」
男「大丈夫か!?痛いだろ?ゆっくりでいいから、今すぐ抜くんだ」
子兎娘「やだもん!」
子兎娘「んっ、んっ、あっ、んっ…」
男「前後にう、ごいた、ら…やば…」
きゅうきゅうと締め付けられる。
先っぽにぷにぷにとしたものがグリグリと当たり続け、刺激される。
子兎娘「あっ、パパの…中でもっと大っきくなってる…中で、おっきくなるの…しゅごぃ…へんなかんじしゅるぅ…」
兎娘「いつまで入ってるんですか?」
男(やばっ!)
なんでもう少し早く来てくれなかったんだよぉ!
子兎娘「んっ、えへへ…今ママにバレちゃったらパパ大変だね?」ボソボソ
男「っ!」
いつからこんな小悪魔になってしまったんだ…
男「もう少しで上がるから!」
兎娘「はい…早くしてくださいね?」
男「……行ったよな」
子兎娘「それじゃあ続けよっか。もう大分楽になったし」
男「なぁもう止めようぜこんなこと」
子兎娘「今やめちゃったらママにこのこと言っちゃうかも…」
男「ええ!?そ、それは…」
子兎娘「だからさ、私にパパのちょうだい?」
子兎娘「赤ちゃんのもと…私の中にいっぱいびゅっびゅっして?」
男「〜〜〜ッ!」ゾクッ
子兎娘「んっ、んっ、んぁ、あん、あん…」
ズチュズチュズチュズチュ
男「あがっ…やばっいぃ…」
子兎娘「きもっちぃよぉ…パパのにんじんさん…おっきぃ…おくっ…あたってるのぉ!」
パンパンパン
子兎娘「ひぃん!んんぅ、、、」
ズチュズチュズチュズチュ
男「は、はぁ、はぁ、はぁ」
犯している。まだオスを知らなかった娘の中を…
俺が…汚してしまっている。
あたまがどうにかなりそうだ。
子兎娘「パパっ!パパぁ!」
ズッズッズッズ
男「お、俺もう!」
子兎娘「きて!きてぇ!」
ドピュドピュドピュ
男「あっ、ああっ、あ…」
子兎娘「んっ、あぁん…まだ…出てる…」
子兎娘「はぁ、はぁ、はぁ…これでパパ、ママに言えない秘密ができちゃったね?」
男「くっ…」
兎娘…情け無いこんな旦那を許してくれ…
子兎娘「心配しなくても今夜は兎に戻っとくからさ…」
子兎娘「またしよーね…パパ…」
兎娘「随分と長かったですね」
子兎娘「うん!いっぱいパパとお話ししてたの!」
男「ま、まぁな」
子兎娘2「…いーなぁ」
子兎娘「子兎娘2もまた今度一緒に入ってもらったら?」
子兎娘2「うん」
子兎娘「あのね…?私パパとしちゃった…」ボソボソ
子兎娘2「!!」
子兎娘2「……」ジッ
男「……?」
子兎娘「あんたも今度…ね?」ボソボソ
子兎娘2「…うん」
兎娘「どこか怪しいですね。本当に話してただけなんですよね?」
男「はは、娘相手に一体なんの心配をしてるんだよお前は…」
男(…って、本気で思ってたよ)
男「……」チラッ
子兎娘「えへへ…」
さっきまではな…。
おわり
おまけ2
おしまい
なにこれ
( ;´Д`)
とりあえず依頼出してよろしいですかな〜
(-ω-)
ふぁんでぃすく読み込み中…
なうろーでぃんぐ(-ω-)
\ウィィィィィンwwwwww/
すまん酉忘れてた。
\ウィィィィィンwwwwww/
バンバンバンバンバンバンバン
バン バンバンバン
バン (∩`・ω・) バンバン
_/_ミつ/ ̄ ̄ ̄/
\/___/ ̄ ̄
バン はよ
バン (∩`・ω・) バン はよ
/ ミつ/ ̄ ̄ ̄/
 ̄ ̄\/___/
; ' ;
\,( ⌒;;)
(;;(:;⌒)/
(;.(⌒ ,;))'
(´・ω((:,( ,;;),
( ⊃ ⊃/ ̄ ̄ ̄/
 ̄ ̄\/___/ ̄ ̄
/\
/ /|
∴\/ /
゜∵|/
(ノ・ω・)ノ
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ポチポチポチポチポチポチポチ
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ポチ (∩`・ω・) ポチポチ
_/_ミつ/ ̄/
/_/ ̄ ̄ ̄ ̄
すまん気がついたらまた投下していいのかが怪しいのができてた。
バンバンバンバンバンバンバン
バン バンバンバン
バン (∩`・ω・) バンバン
_/_ミつ/ ̄ ̄ ̄/
\/___/ ̄ ̄
バン はよ
バン (∩`・ω・) バン はよ焦らすな
/ ミつ/ ̄ ̄ ̄/
 ̄ ̄\/___/
; ' ;
\,( ⌒;;)
(;;(:;⌒)/
(;.(⌒ ,;))'
(´・ω((:,( ,;;),
( ⊃ ⊃/ ̄ ̄ ̄/
 ̄ ̄\/___/ ̄ ̄
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゜∵|/
(ノ・ω・)ノ
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_/_ミつ/ ̄/
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おまけ3
兎娘「それでは、頼みますね」
子兎娘「行ってきまーす」
男「気をつけてな」
子兎娘2「…いってらっしゃいママ、お姉ちゃん」
兎娘と子兎娘はそう言い残してクローゼットの先の未来へと向かった。
どうやら兎娘は未来の友人と旅行に出かけるらしい。そこで丁度休日の俺が子供たちの面倒を見ることになったのだが…
…………
兎娘『子兎娘とあなたを私の目の届かないところに置いておくと良からぬことが起きるかもしれませんので』
男『は、はぁ』
…………
ということで子兎娘は兎娘についていくこととなった。
男(あいつ本当に兎娘に何も言ってないんだろうな?頼むぞ全く)
男(兎娘は同僚との一件のせいでどうも嫉妬深いところがあるからな)
男(もしあのことがバレて…)ホワンホワン
…………
兎娘「娘に手を出すなんて…失望しました。もうあなた…いえ、男さんとは一緒にいられません」
…………
男(なんてことになったらどうしよう)
自分で言うのもなんだが俺は結構、いやかなりの愛妻家のつもりだ。
今でもあいつの一つ一つの仕草が可愛いと思うし、その、言い難いが俺から抱きたくなることだってある。
とにかくだ、だからもし別れの言葉を告げられる日が来ては辛い、辛すぎるのだ。
男「うぅ…」
子兎娘2「ぱぱ…?」
男(はっ!いかん今は子兎娘2がいるんだった。この子に心配をかけてはいかん)
男「そ、そんなことないぞ!俺は辛いことなんて何もないさ!はは」
男(『今のところ』はな…)
子兎娘2「無理、しないでね…?ぱぱ…」
男「え…」
子兎娘2は俺を大きな瞳でジッと見上げていた。
まるで俺の心の奥の不安を見透かすかのように。
男(て、天使だ…天使がいる)
男「うわああああああああああ!!!!」ガバッ
子兎娘2「きゃん!?」
衝動的にその天使にも似た娘を抱きしめてしまった。
男「お前は本当にいい子だなぁ…お父さん嫉妬深いお母さんと甘えん坊すぎるお姉ちゃんに挟まれてもう疲れたよ…お前だけが聖域だよサンクチュアリだよぉ!」ギュ〜
子兎娘2「…そ、そう、かな?」
男「ああ!だから今日はせっかく二人きりだしお前の言うことならなんでも叶えてやろう!どこか行きたい場所とかあるか?」
子兎娘2「なんでも…」
『あんたも今度…ね?』
子兎娘2「…じゃあ」
男「どこだ?」
『お父さん嫉妬深いお母さんと甘えん坊すぎるお姉ちゃんに挟まれてもう疲れたよ…』
子兎娘2「っ!」ブンブンブン
男「?」
子兎娘2「え、えっと…じゃあね、遊園地行きたい!」
男「遊園地か。いいぞ!よしそうと決まったら準備だ!」
子兎娘2「うん…」
ジェットコースター
男「ああああああああああああ!!!!」
お化け屋敷
男「ぎゃああああああああああ!!!!」
コーヒーカップ
男「うおおおおおおおおおおお!!!!」
男「はぁ…はぁ…」
子兎娘2「ぱぱ大丈夫?」
男「あーいやアッハハ、遊園地ってガキが楽しむ場所だと思ってたけど、案外大人でも楽しめるもんだな」
子兎娘2「ぱぱ遊園地来たことなかったの?」
男「こういうふうに親に連れて行ってもらったことないしな」
男「それに俺さ、学生のころは友達少なかったしお母さんと会うまでは恋人とかもいなかったから…あんまこういうところ縁がなくてな」
子兎娘2「そうだったんだ…」
子兎娘2「えっと…それじゃあね…?」
男「どうした?」
子兎娘2「今日1日は、私がぱぱの恋人さんになる」
男「は?」
それはいつもは物静かで大人しい娘からは想像もつかないような発言だった。
子兎娘2(これくらいなら…ぱぱも許してくれるかな)
男(なるほどさては学校で好きな男の子でもできたな?そのための予行練習というわけか。思い切ったな〜。娘の勇気をくみとってやらんとな)
男「ああいいぞ!」
子兎娘2「!!」パァ
男(か、かわいい!くっそ〜こんなにもかわいいうちの娘に好かれるようなヤツは誰だ?殴りて〜。様式美的な意味で)
子兎娘2「ぱぱ、観覧車行きたい!」
男「次は観覧車か。確かに恋人っぽくていいかもな」
親子二人で乗る観覧車…
いや、今は恋人だったな。
子兎娘2「高いね〜ぱぱ」
男「ああ、そうだな。正直ちょっとこえーわ」
子兎娘2「こーしょきょーふしょー?」
男「なんか考えちゃわないか?このゴンドラがここから千切れて真っ直ぐ地面に落ちちまいそうとかさ…」
子兎娘2「え、怖い!怖いよぱぱ!」
男「まぁまぁ…そんときはさ」
子兎娘2をそっと抱き上げて膝の上に載せる。
男「俺がこうやってギュ〜ってして守ってやるからよ…」
何もない俺には似合わないのは分かっているが少しカッコつけてみる。
子兎娘2「ふぇ…?」
子兎娘2(ぱ、ぱぱかっこぃぃ…)
男「なんてな!まぁなんつーか、俺はお前の好きな男の子がこんなイケメンの言う台詞が似合うやつであって欲しいと願うよ」
子兎娘2「好きな男の子?」
男「あ、すまん!」
男(あー俺の馬鹿!こういうのは分かってても黙ってあげとくべきだろ!)
子兎娘2「…えっとね。私好きな人、いるよ?」
男「あ、無理に言わなくていいぞ」
子兎娘2「…目瞑ってぱぱ」
男「目?」
男「…?ああこれでいいか」
真っ暗なまぶたの裏の景色、それは目を瞑ればいつでも見える景色だから、観覧車に来た意味が無くなっちゃったなとか一瞬思った。
でも子兎娘2が観覧車に乗りたかった理由は、その高い位置からの景色が見たかったというわけじゃなかったと今更になって気づく。
唇に、ぷにっとした柔らかい感触が一瞬だけ触れた。
男「えっ…」
慌てて目を開けた。
子兎娘2「前ね、ドラマでこんなシーン見たからしてみたかったの」
子兎娘2「…大好き。ぱぱ」
すみませんまたしばらく読み込みます
11時くらいになるかも
男「は、はは…予行練習にしてはこってるじゃないか」
子兎娘2「練習じゃ…ないもん…」ギュッ
男「……」
あーあ…
なんで、なんでこうなっちゃうかな…
男「とりあえず、そろそろ観覧車も終わるし、今日はもう帰ろうか」
子兎娘2「!」
子兎娘2「ぱぱ、困ってる?」
男「まぁ、かなり…」
子兎娘2「うぅ…」
その後の帰りは、ずっと無言だった。
男「……」
『なんでやねんっ!』
『ワハハッ!』
ープツンッ
男「なんでやねん」
男「ほんとにな」
子兎娘2「ぱぱ…」
後ろから子兎娘2の声がした。
男「ん〜?」
ソファに寝転がったまま後ろも向かずに生返事で返す。
どうにも、今はどう反応してやっていいか分からない。
子兎娘2「さっきはごめんなさい…」
男「別にいいって」
まだ見れない。
子兎娘2「ごめんなさぃぃ…」
男「だから怒ってないって」
まだ、見れない。
子兎娘「ごめっ…ん…な、さっ…」
男「だからもういいって言って…!」
どういう反応をすればいいか戸惑っていると子兎娘2がずっと謝ってくるだけだと分かったのでとりあえず後ろを向いた。
男「はっ…」
子兎娘2「ごめんなざぃぃぃ…」ヒックヒック
男「な、泣くなよ」
泣いている娘を見ると、自分がどれだけ酷い反応をしたのかが分かった。
思えば子兎娘2が俺のことを好きなのはそれも確かな一つの想いの形で、彼女にしかないものなのだ。
それを今自分が困っているからと勝手に子兎娘のものと一緒にしてしまっていた。
男「…おいで」
子兎娘2「うぅっ。うわああああああん!ぱぁぱあああああああ!!」
子兎娘2が思いっきり胸に飛び込んできた。
男「ふぅ…ごめんな…俺、駄目なお父さんだな。娘の恋愛の一つや二つも分かってやれないなんて」
子兎娘2「うっ、うっ…」
子兎娘2「わだしだっで…ぱぱがままやお姉ちゃんとばっかり話してたら嫌だもんっ!わだしも…お姉ちゃんみだいに、もっとぱぱにあまえだぃもんっ!」
男「よしよし、俺お前のこともっと子どもだと思ってたよ。もう嫉妬したり、好きな人の隣にいたがる、立派な乙女なんだな」
俺は子供たちのこの感情ともっと向き合う必要がある。
人間視点でものを見過ぎた。
兎ならこんなことも普通なのかもな。
最初は兎娘に人間はこうなんだとかこうであるべきなんだとか口煩く偉そうに語ってたけど、今度は俺が兎を知るばんだ。
子兎娘2「ぱぱは、私のこと…きらい?」グスッグスッ
男「嫌いなわけないって。大好きだよ」
子兎娘2「じゃあ、ぱぱからキスして…今日はなんでも叶えてくれるんでしょ?」
男「ん〜、俺なんかがかわいい娘のファーストだけでなくセカンドキスまで貰ってもいいのかな」
子兎娘2「いいの。だって今は…」
子兎娘2「恋人さんだもん…」
あああああああああああああああ!!!!!なうろうでぃんぐぅぅぅ!!!!!(ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!! )
もともとギャグSSばっか書いてたんで取り乱した。
すみませぬ
(-ω-)
男「それじゃあお言葉に甘えて。んっ」
子兎娘2「んむっ…んっ、ちゅっ、ちゅっ、あっ、」
唇だけじゃない。舌を入れ合う、大人のキス。
子兎娘2「んぁ、はっ、はぁ…」
子兎娘2「ぱぱ…これ、すごい…きもちぃぃ…ぱぱだからかなぁ?」
男「そうだと嬉しいかな」
子兎娘2は初めてのディープキスによだれを垂らしながらぼおっとした顔になった。
その表情が、なんだか色っぽくて…
男「やっぱ俺ロリコンなのかな?」ボソッ
子兎娘2「ろりこん?」
男「あー、やばい」
子兎娘2「ひゃっ」
ドサッ
ソファの上で子兎娘2を押し倒した。
男「駄目だな…俺、真面目に娘に欲情してる」
兎と生活してる内に俺も兎に近くなっちまったか?
子兎娘2「ぱぱ?な、なんか怖いよ…」
男「はは、そうかな。そうかもな」
今の俺は一人の男というより、どっちかっていうと、オスだ。
子兎娘2「あっ、あ、あ、」
子兎娘2の人参の絵が描かれた白いパンツに指を近づけ、上から軽くこする。
子兎娘2「ひっ、ひぁっ…」
パンツ越しに湿り気を感じてきた。
次はパンツを少しずらし、指を挿れる。
クチュクチュクチュ…
子兎娘2「んっ、んっ!あっ、やぁ、」
中に挿れたまま指の第二関節を動かし、かき回す。
子兎娘2「あっ、あんっ、あっ、あっ、あぁ」
さらに激しくしてみる。
子兎娘2「あっ、あっ、ぱぱぁ!だめっ!おしっこ!おしっこ漏れちゃうぅ!」
男「我慢しなくていいぞ」
子兎娘2「やぁ!ひっ、ひんん、あっ…あぁっ…!」
子兎娘2の宣言通り彼女の秘所からはつぅっと液体が漏れ出す。
子兎娘2「あっ…ぱぱぁ…ぱぱにまーきんぐしちゃってる」
チョロチョロ
子兎娘2「…んっ、ぱぱに私の臭いつけちゃった」
なんとなく、自分の中の理性のネジが沢山抜けているのが分かった。
だが、そのネジをもう一度拾って回し直そうという気が起こらないのでもう末期だ。
男「服、全部脱ごうか」
子兎娘2「ぱ、ぱ?」
男「後ろ、向いてくれるか?」
子兎娘2「こ、こう?」
子兎娘2は手をソファの肘置きにつき、こちらにお尻を突き出す。
男「挿れる…からな…」
子兎娘2「ヒッ、いっ、いたっ…」
兎娘よりもさらに小さな身体にズンズンと押し進んでいく。
子兎娘2「あっ、ああああああん!」
男「あっ…なんだこれ…」
子兎娘2の身体を労わるべきだってのは分かってるのに、身体が言うことを聞かないような…そんな気がするほど、勝手に腰が動く。
子兎娘2「ひっ、ひっ、ひっ…ぱぱぁ!」
パン!パン!パン!パン!
男「……」
奥にこつんと当たるたびにある危険な欲望が込み上げてくる。
パン!パン!パン!パン!
子兎娘2「あんっ!あんっ!あんっ!ぱぱ…へんだよぉ!いたいのにぃ、きもちいいよぉ!」
孕ませたい。
この小さな身体の子宮に思いっきり射精したい。
男「……はぁ!」
ズチュズチュズチュズチュ
子兎娘2「あっ、あぁっ…あたま、くらくらするぅ…」
男「はぁ…!はぁ…!」
ペチッ
子兎娘2「ひゃぅん!?」
どうやらお尻を叩くと締まりが良くなるみたいだ。
ペチッ!ペチッ!
子兎娘2「あんっ!やらっ!だめぇ!こわいよ…叩かれてるのに…なんできもちいいの…」
ペチッペチッペチッ
子兎娘2「んあん!ひゃん!あっ、あっ、あっ…」
子兎娘2「いっ…また漏らしちゃう!なんかきちゃうぅ!」
男「ぐっ、出るっ!」
ドクンドクンドクン…
子兎娘2「あっ…んっ…出されちゃってる…ぱぱの…せーし…」ビクンビクン
男「はぁ…はぁ…」
出すもの出してしまうと、緩んでいたネジが回り出し、急な虚無感と罪悪感が湧く…
男「す、すまん」
子兎娘2「んっ、あっ…しゅごぃ…」ビクッビクッ
子兎娘2「ね…ぱぱぁ…私ね、まだ、赤ちゃんできないから…もっと出してもいいよ?」
男「え…」
子兎娘2「もっと、もっと…いぢめて…私…いけない子だから、、ぱぱにいぢめられて気持ちよくなっちゃう、いけない子だから…」
男「あ、あ、あ、」
「いっぱい…びゅっびゅっして?」
………………
汗と体液の臭いでもやもやとした蒸し暑い部屋の中
パンパンパンパン
肌と肌のぶつかる音はまだ止まない。
男「まっ、また…出るっ…」
ビュッビュルッ
子兎娘2「うっんっ、はぁ、はぁ…」
もう何度射精したかも分からない。
子兎娘2「ぱぱ…ちゅーして…」
子兎娘2「んっ、ちゅ、ちゅる、ちゅる、ちゅぱ、」
パンパンパンパン
子兎娘2「んはっ…ぱぱ、私とえっちするのすき?」
男「…好きかもな」
子兎娘2「えへへ…私もだいしゅき…」
男「こんな可愛い娘を他の男になんてやれないな」ギュッ
子兎娘2「んっ…」
…………
兎娘「私たちがいない間に特に変わったことはなかったですか?」
男「ま、まあな〜」汗ダラダラ
子兎娘2「ぱぁぱ」ギュッ〜
兎娘「……」
男「こ、こら」
子兎娘「あーずるいんだーずるいんだー」ギュ〜
兎娘「……」
兎娘「子どもたちに愛されてない私は母親失格でしょうか…」シュン
男「なっ!」
男(二人のあまりのなつきようについに嫉妬するどころか拗ねてしまった!)
男(そりゃあそうだよな。俺と違ってこいつは子どもたちが生まれたときからずっと一緒だもんな)
男「へっへ〜、お前らいいのか?お母さんは俺が独り占めしちゃうぞ」ギュ〜
兎娘「んっ、あなた…嬉しいです…」
子兎娘「だめ!ママもみんなのママだもん!」
子兎娘2「……」コクコク
男(なんだ。やっぱり兎娘のことも好きでいてくれてるんだな)
男「やっぱり、家族一緒が一番だな」
子兎娘「ママ!パパにくっつきすぎぃ〜」
兎娘「いいじゃないですか!」
子兎娘「パパは若い子の方が好きだよね!!」
兎娘「むっ…ママはこれでもまだ22なんです」
子兎娘2「ぱぱ…もっとこっち来て…」
い、一緒が一番だよな…
おわり
おまけ3
おしまい。
なにこれ
( ;´Д`)
ここまで読んでくれたみなさん本当にありがとうございました。
兎娘のお話は多分これでおしまいです。
もともと続きなんて考えてませんでしたが、皆さんのおかげでここまで書けました。
今作が初めてだった人も、「こいつまた同じようなもん書いてるな」と思った人も、また何処かで会いましょう。
多分また同じようなもの書いてます。
はい。
(-ω-)
ロリの人かな?
>>317
ロリの人です。
多分。
(-ω-)
このSSまとめへのコメント
スバラシィ
家族一緒がいい?
つまり次は4p...