不知火「………」
弥生「…………」
弥生(……今日は十八駆の、不知火とバディを組んでの哨戒任務)
弥生(いつもはもっち……望月とのバディだけど、今日は改修に出てていない)
弥生(だから初めて不知火と組むことになったけど……)
不知火「………」
弥生(……気まずい…です)
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不知火「………」
弥生(話しかけたいけど……凄い不機嫌そう)
弥生(……急に知らない人と組まされて怒ってる……のかな)
弥生(……どうしよう)
不知火「………」
不知火(気まずいわ……)
不知火(今日は三十駆の弥生と哨戒任務)
不知火(いつも組んでる陽炎が改修中で急遽組む事になったのだけれど……)
弥生「……」
不知火(気まずいです……)
不知火(話しかけたいけれど……)
弥生「………」
不知火(……何か怒っているようですね)
不知火(それにもの凄く冷たい視線で睨まれている……)
不知火(やっぱり急に知らない人と組まされるのは嫌でしょう……)
不知火(……どうしましょうか)
弥生「…………」
不知火「………」
弥生「………」
不知火(……いや、黙っていたら何も変わらないわ。話しかけてみましょう)
弥生(……このままじゃ…気まずいまま……頑張って話しかけて……みよう)
弥生「しら「やよ…」」
不知火「あっ」
弥生「えっ」
不知火「………」
弥生「………」
不知火「……し、不知火に何か?」
弥生「い、いや。何でもない……です」
不知火「………」
弥生「………」
不知火「……そろそろ、哨戒に行きましょうか」
弥生「うん……」
不知火「………」
弥生「………」
不知火(……やってしまいました)
弥生(やちゃっ……た)
ーーーー
ーー昼・食堂
不知火「………」
弥生「………」
不知火(話しかけられず、結局無言のままお昼になってしまいました)
弥生(何度か……話しかけようとしたけど………間が悪かった…)
不知火(きっとなんて協調性のない奴だと思われているでしょう……)
弥生(多分、無愛想なひと……だと思われてる……)
不知火「………」
弥生「………」
不知火(それにしても……先程の哨戒で敵に遭遇した時、弥生は素晴らしい動きでしたね)
弥生(そういえば……不知火………敵と遭遇した時……凄かった)
不知火(つい先行してしまった不知火を的確にサポートしてくれました。あの冷静な性格は見習わなくては…)チラッ
弥生(急で二の足を踏んでしまった弥生と違って……素早く敵に攻撃をしてた。……弥生も、見習わないと……)チラッ
不知火「………!」
弥生「………!」
不知火(こ、こっちを睨んでましたね……やっぱり先行してしまった事を怒っているのでしょうか……)
弥生(や、弥生の事……睨んでた。やっぱりモタモタ二の足を踏んでた事……怒ってるの、かな……)
不知火(あれは完全に不知火の落ち度です…….やってしまいました)
弥生(あれは、弥生が悪い……です……)
不知火「………」
弥生「………」
不知火「……昼食……取りましょうか」
弥生「……はい」
不知火「………」カチャカチャ
弥生「………」カチャカチャ
不知火「……!」
弥生「……!」
不知火(き、今日の定食……ピーマンが入って…)
弥生(に、人参が……混ざって……る)
不知火(いつもは陽炎に食べてもらうのだけれど……)
弥生(今日は、もっ望月が…いな……い)
不知火「………」
弥生「………」
弥生(残しちゃおう……かな……)チラッ
不知火(今日はやむを得ない………)チラッ
弥生・不知火「!」
弥生(こ、こっちみてた……)
不知火(し、不知火を見てました……)
不知火・弥生(も、もしかして……)
「ピーマン食べられないとか……駆逐艦の……恥、です」
「人参も食べられないとは……とんだ軟弱者ですね」
不知火・弥生(とか思われてたり…………)
不知火(そ、それは避けねばなりません……!)
弥生(睦月型の誇りを……穢すわなくには、いかない……です)
不知火(うう……だ、大丈夫。心頭滅却すれば火もまた涼し……いきます!)パクッ
弥生(大丈夫……弥生だって、できる……)パクッ
不知火「………」プルプル
弥生「…………」プルプル
不知火「………」パクッ
弥生「………」パクッ
不知火「………っ」プルプル
弥生「………っ」プルプル
天龍「ふぅー、やっと飯かぁー……ん?」
天龍「よぉ、不知火に弥生。なんだか珍しい組み合わせだな……」
不知火・弥生「あ゛?」ギロッ
天龍「ひぃ?!」ビクッ
ーーーー
ーーーー
弥生(……結局、最後までろくに喋れなかった……)
不知火(チャンスだった昼も、ピーマンと格闘する事で精一杯でした……)
弥生(午後からは……別々だから…)
不知火(ここでお別れですね…)
弥生「今日……ありがとう……ございまし、た」
不知火「こちらこそ………」
弥生「………」
不知火「………」
不知火「じゃ……」
弥生「うん……」
ーーーー
ーー
弥生「………はぁ」トボトボ
明石「はーい、本日発売の那珂ちゃん新作アルバム。後、1枚ですよー!」
弥生「!」
弥生(そ、そうだ……今日、那珂ちゃんのアルバムの発売日だった)
弥生(すっかり忘れてた……)
弥生「あ、あの……アルバムを…」
「その、アルバムを一枚下さ…」
弥生「……え?」
不知火「………あ」
弥生「し、不知火…?」
不知火「あ、え……え?!」
弥生「あ、アルバム……買うの?」
不知火「アルバム……」
弥生「………」
不知火「………」
明石「あのー……お二人さん?」
弥生「……」
不知火「……」
弥生「那珂ちゃん…ファン?」
不知火「……はい」
ーーーー
ーーーー
不知火「砂糖……入れます?」
弥生「うん……」
弥生「………」
弥生(……あの後、不知火の部屋に……お呼ばれ……された)
弥生(今日、お世話になったから……お茶でも飲んでいって欲しいって…)
弥生(今日は皆、で払ってるみたいで……二人きり)
不知火「はい、どうぞ」
弥生「ありが……とう」
不知火「………」
弥生「………」
不知火「………」
弥生「………」
不知火「……不知火は、ファーストアルバムが1番好きです」
弥生「……あ、……弥生も、そう……デビュー当初の…雰囲気が1番良い」
不知火「分かります」
弥生「あ、でも……サードアルバムも中々……良い。特に二曲の…」
不知火「あれは最高ですね……」
弥生「良い……」
不知火「……実は、限定盤のディスク持ってます。見ますか?」
弥生「え……み、みたい…」
不知火「ふふふ、これです」
弥生「あ、すごい……」
不知火「これはですね……」
ーー
ーーーー
ーーーーーーー
ーーーー
ーー1週間後
弥生「………」ゴソゴソ
望月「んー? 弥生、どっか出かけるのかぁ?」
弥生「……ん、ちょっと……ね」
望月「お土産たのむなー……ん?」
コンコン
望月「めんどくさいなぁ。誰だよぅ……」ガチャ
不知火「…………」
望月「ひぃっ」ビクッ
不知火「……弥生はいますか?」
望月「へ?」
弥生「あ、不知火……」
不知火「迎えに来ました」
弥生「うん……ありがと……もっ…望月。行ってくる」ガチャ
望月「あ……うん」
望月「………」
望月「な、何繋がり??」
ーーーー
ーーーー
不知火「楽しみですね」
弥生「うん、楽しみ…」
弥生(あの日、不知火が那珂ちゃんファンだと知った)
弥生(まさかとは思ったが、これをきっかけに話す事ができ、話してみると意外と……いや、かなり息があった)
弥生(あと、別に不知火は怒っているわけではないらしい。つい目付きが鋭くなってしまうだけみたいだ……)
不知火「……? どうかしましたか?」
弥生「いや……人は…見かけによらないって…」
不知火「……弥生だけには言われたくないです」
弥生「そう……かな?」
ーー完ーー
このSSまとめへのコメント
弥生は不器用
不知火は本物のサド
加賀は生真面目
というイメージ