桃華「プロデューサーちゃまが危ない」 (26)

凛「あれ…着信入ってる…もしもし?電話くれた?」

P「只今戻りましたー」

凛「…うん、今なら大丈夫…ふふ、何それ」

P「…」

凛「…え?次のオフに…二人きりで?…うん…どうしようかな…考えとく」

P「…」

凛「わかった。それじゃあ…ば、馬鹿なこと言わないの!もう、切るよ!…ふふ、またね。…ふぅ」

P「…凛」

凛「…うわっ!な、何プロデューサー…急に現れないでよ」

P「凛が電話に夢中で、俺に気付かなかっただけ。それにしても珍しい顔してたな。ニヤけながら話してたぞ」

凛「に、ニヤけてなんかないって!もう…」

P「何だよ、そんなに取り乱して…まさか電話の相手は恋人か?なーんてな」

凛「そ、そんなのあるわけないじゃん…れ、レッスン行ってくる」

P「…」


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桃華「…あら、おはようございます。プロデューサーちゃま」

P「…桃華か…おはよう」

桃華「プロデューサーちゃま…どうかしましたの?元気がありませんわよ?」

P「…何でもないよ」

桃華「…とてもじゃありませんが、何もなかったようには見えませんわ」

P「気にするな。俺なら本当に…」

桃華「プロデューサーちゃま。わたくしとプロデューサーちゃまの間に遠慮は無用です。…ですから、どうかお話になって?」

P「…ううっ」

桃華「ああっ…泣かないで、プロデューサーちゃま。どうぞ桃華のハンカチを使って下さいまし」

P「…ぐすっ…いい匂い…ハスハス」

桃華「…どうです?少しは落ち着きました?」

P「ああ、すまない…ハンカチをありがとう」

桃華「レディとして当然のことをしたまでです。それはそうと、一体どうしましたの?桃華でよければ力になりますわ」

P「…凛」

桃華「凛さんがどうかしましたの?」

P「…に多分、男できた」

桃華「…それは、穏やかではありませんわね」

P「…最近はレギュラーで出てるバラエティもあるし、出会いならいくらでもある…あの器量なら、共演者の男連中も放っておかないだろうし…」

桃華「俳優の方かもしれませんわね…この前、ドラマにも出演されていましたし」

P「…なんか見たことないような表情でさ…すごく楽しそうに電話してて…お、思い出したら…ううっ」

桃華「泣くほどショックでしたのね…」

P「…だって恋人発覚とか大スキャンダルだろ?もしもアイドルを続けられなくなったら…女優?女優に転向?目指すはブルーリボン賞ってか!?」

桃華「プロデューサーちゃま、落ち着いて下さいまし!」

P「いや、芸能活動を続けるとは限らないじゃん!花屋を継ぐかと思いきや、そこには税関で『美しすぎる麻薬探知犬ハンドラー』として日々活躍する凛の姿が!」

桃華「プロデューサーちゃま!」

P「ああ…何故かよく分からないけど、胸が凄くズキズキする。何これ…桃華、ムヒを…ムヒを胸に塗ってくれ…」

桃華「恐らく虫刺されではありませんし、胸ならご自分で塗れますわ!…大丈夫、プロデューサーちゃまには桃華が付いています」

P「桃華…うっ…うわぁぁぁぁぁぁ…」

桃華「…プロデューサーちゃま。出来ることなら、桃華がこのままずっとご一緒して差し上げたいのですけれど、残念ながらそろそろレッスンの時間ですの…」

P「…すまない、桃華。みっともないところを見せてしまって…」

桃華「みっともないなんて全然…また、いつでも桃華を頼って下さいまし」

P「ありがとう…それじゃあ、レッスン頑張ってな」

桃華「はい、行ってまいります」

P「…ふう。ショックで仕事に全然手を付けていなかったな…大の男がみっともない…切り替えていこう」

はやく

未央「おっはよーございまーす!」

P「未央、おはよう」

未央「あれ?プロデューサーの目、赤いよ?大丈夫?」

P「俺なら大丈夫の気持ちに成り切ってますよ。この通り元気でごぜーます」

未央「変なプロデューサー…あれ、着信入ってる…もしもし?折り返しだけど」

P「…」

未央「…は?遅れるって何それ?」

P「…」

未央「いや、そっちの都合は聞いてないから…はぁ…仕事舐めてるの?」

P「…」

未央「…そうして。これ以上迷惑掛けられたらこっちも堪らないから…ふぅ」

P「…だ、大丈夫か未央…何か話し方に険があったけど…」

未央「大丈夫だよ。あ、プロデューサー。しまむー遅刻するって」

P「え!?今の電話の相手、卯月だったのか!?」

未央「うん、島村さんだったけど」

P「いや、さっきしまむーって呼んでただろ!何だよ、いきなり『島村さん』って!」

未央「うるさいなあ…もうレッスンの時間だから、邪魔しないで。私は、何処かの誰かさんみたいに遅れたくないから」

P「…」

桃華「…ふう、今日のレッスンは一段と疲れましたわ…只今戻りました」

P「やあ…桃華…お疲れ様」

桃華「ぷ、プロデューサーちゃま!?日を跨いでもいませんのに、雰囲気が大分変わりましてよ!?」

P「そうかな…はは…」

桃華「トレーナーさんから糖質制限を言い渡されたかな子さんでも、そこまでではありませんでしたのに…もしかして、また何かありましたの?」

P「…ううっ」

桃華「め、目から布引の滝のように涙が…プロデューサーちゃま、桃華の膝で宜しければ、お貸しますわ」

P「…桃華の…膝枕?」

桃華「ソファーの上にクッションを敷き詰めて…と。ほら、プロデューサーちゃま…どうぞいらして」

P「ひぐっ…も、桃華ぁぁぁぁぁぁ…」

桃華「…要するに、未央さんと卯月さんの仲が宜しくありませんのね」

P「うん…なんか未央に至っては別人みたいで…いつもとは正反対の人格になってた」

桃華「それは怖い思いをしましたわね…よしよし、桃華が付いていますわよ」

P「…だいぶ落ち着いたよ…何度もすまないな。立て続けにショッキングな出来事が続いて、かなりメンタルがやられてしまったみたいで…」

桃華「構いませんの。桃華だけは、いつだってプロデューサーちゃまの味方ですわ」

P「ありがとう…なんだか泣いたら腹が空いてきたな…そう言えば朝から何も食べていなかった」

桃華「ご自愛下さい。プロデューサーちゃまのお身体は、プロデューサーちゃまだけのものではありませんのよ」

P「そうだな…何か買ってくるよ。桃華は欲しいものないか?」

桃華「お言葉に甘えても宜しければ、冷たいお紅茶が飲みたいですわ」

P「分かった。ちょっとお留守番を頼むな」

桃華「どうぞ、いってらっしゃいまし」

P「はあ…今日は厄日だな…あれ、卯月?確かレッスンに遅れてるんだよな…自販機の影で何やってるんだ?」

卯月「…もしもし?…うん、私…」

P「…」

卯月「いや、あのね…私、もう無理かも…」

P「…」

卯月「同じユニットの仲間なのに…うん…甘えてるって思われるかもしれないけど、限界だよ…もう辞めたい」

P「…」

卯月「ごめんね…うん…うん…ありがとう、それじゃあね…ふぅ」

P「…おはよう、卯月」

卯月「ぷ、プロデューサーさん!?お、おはようございます…」

P「レッスンに遅刻してるみたいだけど…電話か?」

卯月「いえ…その…ごめんなさい…」

P「あ…いや、怒ってるわけじゃ無くて…何か悩みがあるなら相談してくれ。力になるから…」

卯月「いえ、本当に大丈夫ですから!では、レッスン頑張ってきます!失礼します!」

P「…」

桃華「お帰りなさいませ、プロデューサーちゃま…ってあら?」

P「ひぐっ…ただいま…お待たせ桃華…はい、ご注文のマテ茶…」

桃華「頼んでいませんわ!せっかくですから頂きますけど…男泣きしながらコンビニの袋を抱えていますけど、もしかしてその状態で外出してらしたの!?」

P「うん…コンビニまで結構混んでたんだけどさ…モーセが海を割るように、人波が俺を避けていったよ」

桃華「もはや泣きすぎて、顔の周りに虹がかかっていますわよ!?まさかこの短時間に、また何か辛い出来事が…」

P「…ううっ。卯月が…卯月が…」

桃華「…あったんですのね…とりあえず落ち着けるところに移動しましょう。ほら、こちらの仮眠室にいらして?」

P「ニュージェネレーションズ終了のお知らせ…」

桃華「ほら、プロデューサーちゃま。桃華が腕枕をしますから、横になって」

P「…ま、ママぁぁぁぁぁぁ」

桃華「よしよし…ほら、お話になって?今度は一体何がありましたの?」

P「…卯月が…アイドルやめるかも…」

桃華「まあ、それは大変!」

P「電話で『もういい!私アイドル辞める!』って…たぶん、未央との不仲が原因なんだと思う…何であんなに仲が良かった奴らが…うっ」

桃華「プロデューサーちゃま、今はとにかく泣いて下さい…少しでも悲しみを洗い流せるように…」

P「…今日何度目か分からないが、すまない、桃華。今度こそ落ち着いたと思う…」

桃華「そうですか…では、桃華から一つだけ言わせて下さい。これは、プロデューサーちゃまに与えられた試練ですのよ」

P「試練…?」

桃華「未央さんと卯月さんが不仲なら、凛さんが新しい道を進もうとするなら…そこに手を差し伸べられるのは、プロデューサーちゃまだけではありませんか」

P「俺だけ…」

桃華「いつも私達アイドルの、一番の支えになって下さっていると感じているからこそ、そう思いますの」

P「…」

桃華「あ、あの…お説教などしてしまって…出過ぎた真似でしたなら、ごめんなさい…」

P「…いや、火が入ったよ。お陰で目が覚めた。そうだよな、アイドルが困ったときは俺が何とかしなきゃな」

桃華「プロデューサーちゃま…!」

P「よし、近々あの三人と話してみるよ」

桃華「流石です!その意気ですわ!」

【数日後】

凛「…うん…昨日は私も楽しかったよ…ふふ」

P「…」

凛「うん…それじゃあ、またね。…ふぅ」

P「ちょっといいか、凛」

凛「ぷ、プロデューサー!?だから急に現れないでって、何度も言ってるでしょ!?」

P「急に現れないでって…普通にドアから出入りしてるんだけど…それより、ちょっといいか?」

凛「…別にいいけど」

P「それじゃあ、一緒に会議室まで来てくれ」

凛「…急にどうしたの?何か大事な話?」

P「そう身構えるな。椅子に掛けて、楽にしてくれ」

凛「ちょっと、気になるんだけど。何かあるなら勿体ぶらないで」

P「…最近、電話口で話し込むことが多いな」

凛「そ、そうかな…」

P「先程も、随分と楽しそうに電話していたが…相手は男か?」

凛「…!」

P「図星って顔だな…それじゃあ、もう一つ聞くぞ…その男とは恋愛関係にあるのか?」

凛「…だったら何?」

P「そんなんでアイドルを続けられるのか?」

凛「…!」

P「アイドルは夢を与える仕事だ。夢を与える力というのは、とても大きな力だ。しかしその分、大きな責任を伴う」

凛「私アメコミヒーローじゃないんだけど…」

P「ファンに等しく与えるべき夢が、一度恋人が出来るとそいつに大半が注がれてしまう。そして仕事で振り撒くのは残り滓だけ…それはファンを裏切る行為だ。俺の持論だけどな」

凛「…そうかもね」

P「なら、もう凛はアイドルに相応しい女の子とは言えないんじゃないか?」

凛「…プロデューサーの言いたいことは分かったよ。なるほどね。今までお世話になりました」

P「ちょっと待て、凛!俺はお前のプロデュースを止めるとは言ってないぞ!」

凛「…え?」

P「もし凛が、アイドルを止めてでもそいつと一緒になりたいというのなら、俺は…俺は応援するよ!」

凛「…プロデューサー?」

P「だけど、歌にダンスに芝居…今までお前の日々を彩ってきたものを簡単に捨てられるか!?出来るわけないよな、仕事をしているときのお前を見れば一目瞭然だ」

凛「…」

P「女優部門、歌手部門、モデル部門…このプロダクションで希望する部署があれば、そこに異動できるよう全力を尽くす!売れっ子のお前なら、引く手数多だろう」

凛「…プロデューサー」

P「俺は、アイドルの渋谷凛ではなく、渋谷凛という一人の人間の味方だ。何か相談事があればいつでも言ってくれ。今までだって、二人で色んな困難を超えてきたじゃないか」

凛「…うん」

P「何だよ、涙ぐんだりして…らしくないぞ」

凛「…ありがとう、プロデューサー。私嬉しいよ…でも、一つだけいいかな」

P「うん?」

凛「プロデューサーと桃華はどうなの?」

P「…」

凛「最近、膝枕だの腕枕だの、 やたらべったりしてるじゃん。あれはどうなの」

P「…あれはですね」

凛「何?」

P「あれは、親子のコミュニケーションなんですね」

凛「はあ?親になった気分でも味わってるってわけ?」

P「逆です。桃華が私の母親なんです」

凛「ごめん、言ってる意味が分からない」

P「桃華の母性が、日々の仕事に忙殺される私の心の救いと言ってもいい」

凛「会話にならないね」

未央『だからっ…!』

卯月『…きゃっ!』

桃華『み、未央さん!』

P「…な、何だ!?」

凛「…穏やかじゃない声が聞こえたね。事務所の方からかな」

P「くそっ…話は一旦保留だ、いくぞ」

未央「もう限界!しまむーのフォローをさせられるのは、いい加減ウンザリなんだよ!」

桃華「未央さん、そんな言い方…」

卯月「ごめんなさい…ごめんなさい…」

P「ど、どうした!?」

桃華「プロデューサーちゃま、いいところに!卯月さんが遅刻をしてしまって、それで未央さんが…」

未央「いつも遅刻ばかりして!時計持ってないの?本当にやる気あるの!?」

P「落ち着けって、未央!」

卯月「本当にごめんなさい、私…」

桃華「プロデューサーちゃま!卯月さんが事務所を飛び出してしまいましたわ!」

P「くっ…追うぞ、桃華!」

凛「そうはさせないよ」

桃華「凛さん!」

P「凛、どいてくれ!今は卯月を追わないと…今の精神状態だと、あいつ何をしでかすか…」

凛「その前に答えてよ、プロデューサー。桃華とプロデューサーの仲は咎められるべきじゃないの?」

桃華「わたくし、知らない間に巻き込まれてます!?」

P「すまない、桃華…」

凛「ねえ」

桃華「かくなる上は…ユニットのキズナで結ばれし花嫁を召喚するまで!いきますわよ!」

P「えっ…何?」

凛「瘴気が立ち込めてきたね…まさかアレを呼ぶ気?」

桃華「真紅の同胞よ!紅に染まりし運命のリボンに導かれ、その姿を現したまえ!」

P「何コレ!?何が始まるの!?」

まゆ「…はぁい、プロデューサーさん」

P「まゆ!なんか召喚獣みたいな登場の仕方だな!」

まゆ「凛ちゃんはまゆが食い止めます。その隙に桃華ちゃんとプロデューサーさんは、どうぞお先に…」

P「済まない、まゆ!」

桃華「お任せしましたわ!」

まゆ「さて、凛ちゃん…ここからは、まゆがお相手しますよ?」

凛「邪魔だよ、『紅』」

まゆ「なら、まゆを倒して進むといいですよ…できるものならね、『蒼』」

P「卯月のやつ…どこへ行った!?」

桃華「プロデューサーちゃま、こちらです!階段を駆け上がる卯月さんの姿が見えました!」

未央「待って、プロデューサー」

P「未央!?いつの間にか先回りされてたのか…!」

未央「プロデューサーは…私より、卯月っちの方が大切なんだね?」

P「呼称を統一させろ、未央!ブレブレなんだよ!…俺には二人とも大切だ!」

未央「ねぇ、プロデューサー…」

桃華「聞こえていないようですわね。こうなったら…プロデューサーちゃま、ここは桃華が道を切り開きます!」

P「も、桃華!?」

桃華「卯月さんのことは、お任せしましたわよ…」

P「お前…一体何を考えているんだ!?」

桃華「プロデューサーちゃま…今まで楽しい思い出をありがとう…桃華のこと、どうか忘れないで下さいね…」

P「…え?いや、マジで何する気!?流血沙汰以上は勘弁だぞ!」

桃華「いきますわよ、未央さん!」

P「桃華!聞けって桃華、おい…桃華ぁぁぁぁぁぁっ!」

桃華「…えい!えい!」

未央「く、くすぐったいってば…わ、脇腹は弱いからやめて〜」

桃華「まだまだ!お次は両脇をこちょこちょですわ!」

P「くそっ…遊んでいるようにしか見えないが…お前の犠牲は無駄にはしないぞ!…待ってろ卯月!」

【プロダクションの屋上にて】

P「卯月!」

卯月「…ぷ、プロデューサーさん!」

P「ようやく見つけたぞ卯月…」

卯月「…わ、私のことなんて放っておいて下さい」

P「そういうわけにはいかない…ここへは、母を犠牲にしてまで辿り着いたんだ。それにお前は、俺の大切な仲間だ!」

卯月「プロデューサーさん…」

P「本当にすまなかった…ユニット内の不仲に気付かず、あまつさえ気付いてもメソメソしてばかりだった俺を許してくれ…」

卯月「…」

P「この事務所から卯月がいなくなってしまったら…お前達の誰か一人でも欠けてしまったら、きっとみんな駄目になってしまう…お互いが最高のライバルであり、最高のパートナーだから…」

卯月「…」

P「そして俺もだ…俺は、お前達の最初のファンで…お前達の笑顔からいつも力を貰っている!もちろん卯月の笑顔からも…それを失いたくないんだ!」

卯月「…プロデューサーさん、来ないで下さい…」

P「う、卯月…」

卯月「…もう終わりです。終わりなんです」

P「…待て!魔法の時間はまだ終わらせない!絶対に俺は、お前をシンデレラにしてみせるぞ!」

卯月「…それでは、ミュージックスタート!」

P「そう、俺達の音楽はまだスタートしたばかり…え?」

P「…うわっ、眩しっ!」

?「ー見抜きなさい!」

P「…え?」

ヘレン「本質を、見抜きなさい!」

卯月「イェーイッ!」

P「お、屋上がステージライトで照らされたと思ったら、光の中からヘレンさんが…」

ヘレン「シャルウィダンス?オーケー、レッツダンス!世界よ、付いてきなさい!いくわよ!D!」

卯月「D!」

ヘレン「O!」

卯月「O!…ほら、プロデューサーさんもご一緒に!」

P「ごめん、付いていけない」

ヘレン「KKI!」

卯月「KKI!」

P「…」

ヘレン「RI!すなわちDOKKIRI!」

卯月「ドッキリ!」

P「…あ?」

ヘレン「DOKKIRI!大成功!」

卯月「大成功!」

ヘレン「ネタバラシまでダンサブル!これぞ世界レベル!」

卯月「イェーイッ、世界レベル!」

ヘレン「Hotなコールに感謝するわ!それでは諸君、アディオース!」

P「…」

卯月「ヘレンさん、ありがとうございました!というわけで、ドッキリ大成功です!」

P「…とりあえず、どういうことか説明してくれる?」

卯月「…ですよね」

【事務所にて】

凛「ほっぺたがヒリヒリする…」

まゆ「うう、まゆもです…プロデューサーさん、さすって下さい…」

P「あの後、まさかほっぺたをつねり合ってるだけとは思わなかった…よし、みんな揃ったな。それでは真相を話して貰おうか」

卯月「えーと…これは、私達がレギュラーで出てる番組のドッキリ企画で」

未央「お題としては、『プロデューサーは、担当アイドルに彼氏が出来たらどうするのか』と」

凛「『担当アイドル達が、実は不仲だったらどうするのか』のダブルドッキリだったってわけ」

未央「ニュージェネレーションズは三人とも仕掛け人だったんだ。みんな、心配や迷惑かけちゃってごめんね!」

まゆ「つまり、凛ちゃんの殿方との関係を匂わせる電話も、全て演技だった…というわけですね」

凛「うん。電話の相手は加蓮と奈緒だし、プロデューサーが近くに現れるタイミングを図って台本の通り話してただけ」

未央「私としまむーの仲も、相変わらずこの通り!慣れない呼び方して、自分でも混乱しちゃったよ。演技とはいえごめんね、しまむー!」

卯月「でも未央ちゃんの演技が余りにも凄くて感情移入しちゃって…ドッキリを辞めたくなって美穂ちゃんに電話で相談してたんですが、まさかプロデューサーさんに聞かれてるとは…」

桃華「卯月さんがアイドルを辞めたいというのは、プロデューサーちゃまの勘違いだったわけですわね」

卯月「はい。なので屋上でプロデューサーさんが何を言っているのか、ところどころよく分かりませんでした!」

P「うわあ…お恥ずかしい…」

P「それにしても、みんな演技が上手くなったな…いや、待てよ?それじゃあ、俺がダマされてる様子もテレビで流れちゃうの?」

凛「幸か不幸か、今回撮ったドッキリ映像はお蔵入りだよ」

P「え?マジで?」

凛「当たり前でしょ…いい大人が12歳の女の子に泣きつくドキュメントなんて、お茶の間に流せるわけないじゃん…」

桃華「わたくしはもう立派なレディですわ!」

P「す、すまない…お前達の働きを無駄にするようなことをしてしまって…」

卯月「でも…屋上でプロデューサーさんが私に言ってくれたこと、とっても嬉しかったです!宝物にします!」

凛「それは私も…かな。まあ、今は恋愛に興味持てないし、する暇も無いし。というわけでこれからも宜しくね、プロデューサー」

まゆ「まさに雨降って地固まる、ですね」

未央「私達のキズナも深まったことだし、めでたしめでたしということで!」

凛「…ちょっと待って。まだ解決していないことがあるんだけど」

まゆ「…確かに」

P「ど、どうした?」

凛「だからプロデューサーと桃華の仲って…」

P「いや、だからそれはですね…」

桃華「お、おしまいですわ!」

お目汚し失礼しました。

最後まで耐えて読んで下さった方はありがとうございます
依頼出して反省します

乙。
実は桃華とPも仕掛け人と思わされていてあれは相互ドッキリだったという体にすれば流せるのでは?
ちゃママの母性あふれるシーンとか絶対数字取れるって

なるほど!ありがとうございます
勉強を続けてまいります

おもしろかったけど、仕掛け人の三人以外が中二病バトルみたいな事言ってたのが意味不明だな

ちゃまが可愛かった
SSなんてそれでいいんだよ…

どっきりっていう構成に非常に救われた
ありがとう


このP金髪オールバックで全身赤でコーディネイトしてそうだな…(彗星感)

乙。なんでやちゃまの新たなアプローチを視聴者に届ける恰好の素材やろ!
Pの大人としての尊厳を犠牲にすれば

後はガチ泣きしながらコンビニ行ったダメージをどうリカバリーするかだな

つっまんな。辞めたらSS書くの

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