上条「幻想殺し無しでニューゲーム」 (91)

不幸体質は残ってるんだけどね。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1462902047

上条当麻は不幸だった。彼が道を歩けば不良に絡まれ、テスト当日には立って歩けないほどの高熱に見舞われ、挙句の果てにはファミリーレストランで注文したハンバーグを顔面にぶちまけられる始末だった。

ウェイター「申し訳ございません!すぐに代わりを……」

しかし、ペコペコと頭を下げるウェイターを見ても、上条はいつものセリフを吐いてため息を吐くだけだ。

上条「……不幸だ」

もう何杯水を飲んだだろう。ピッチャーの中身は既に空になっていて、そろそろ腹を誤魔化すのも限界に近い。

上条(こりゃコンビニで弁当買った方がよかったな……)

それからさらに10分ほど待ったところで、ようやく代わりのハンバーグが上条のテーブルに届いた。ジュウジュウ音をたてる鉄板に細心の注意を払いながら、ナイフで肉を切り口に運ぶ。

上条(うん。まぁうまいよ)

何やら後ろの座席からの声がうるさいが、そんな事に構っていては本当に倒れてしまう。ここは気にせずに食事を進めようと上条は手を動かし続ける。だが……。

不良1「いいからこっち来いよ!」

叫び声と共に飛んできた皿が上条のテーブルの上で砕け、その破片が肉塊に満遍なく降りかかってしまった。

上条「……マ、マジかよ」

暫くうなだれていたが、不意に言いようのない怒りが上条を奮わせる。

上条「ちくしょう!なんで!俺が何したってんだよ!」

テーブルを叩いて立ち上がり後ろを振り返ると、ちょうど騒いでいた連中が一人の女子を連れて店の外に出て行くのが見えた。その男たちの容姿は、いわゆるチンピラそのもので。

上条「……ま、俺が不幸なのがいけないよね」

そう言ってコップの中の氷を噛み砕き、伝票を持ってレジへ向かうのであった。

店の外に出て裏の近道を通ると、そこにはさっきの男の一人が倒れていた。何やらシャツが焦げているように見えたが、上条は少しだって足を止めなかった。

上条(うへぇ、まぁ悪いけどシカトさせてもらいますよ。上条さんは悪者に手を貸すほどお人好しでは……)

瞬間、道の奥で激しい閃光が炸裂し、乾いた音が鳴り響いた。

上条(……なんだ?)

呻くような悲鳴、それに続けてさらに二発、光と衝撃が辺り一面を覆う。

今夜の月は、やたらに大きかった。このビルの間からでもよく見えるほどに。その月明かりが二つの影を伸ばし、上条の足元をより黒く染めた。
影の持ち主を辿ると、一つは項垂れたように地面に這い蹲り、体から煙を立たせながらも何度も許しを請う姿。そしてもう一つは。

美琴「……あんたに許されなかった人の数だけ謝って、それから死になさい」

体から漏電している紫電が、まるで龍のように巻きついている少女。彼女が片手の平を広げると、バチバチと火花を散らしながら黒い砂の粒が集まり、それが剣のような形を創り出した。

不良「殺さないで……くれ。お願い……お願い、します」

既に男の声は蚊の鳴くように小さく、それでいて息は絶え絶えになっていた。それを聞いたのか、彼女は一瞬だけニコリと笑うと。

美琴「ダメ」

首から勢いよく噴き出した血飛沫は、彼女の顔を朱く濡らす。ただ黙ってその屍を見つめていた彼女が、ゆっくりと首を回しこちらを見た。

上条「……冗談だよな?」

今は一つの影の始まりは、閉じていた口を大横にきく広げた。満月の下の三日月には、狂気に満ちていた。

上条「うわあああ!!」

上条の声が、部屋の中に響く。彼は彼自身の悲鳴で飛び起きた。

心臓がバクバクと揺れている。その鼓動は、手を胸に当てても、水を一杯飲んでも、治ることはなかった。シャツは寝汗でぐっしょりになっており、さらにベッドのシーツまで侵食していた。

上条「クソ……」

時刻は午前5時、登校するにはまだ早すぎる時間だ。

ここ学園都市では、授業の一環として超能力の開発が行われている。その結果、街には学生と少ない数の教師しかおらず、石を投げれば超能力者に当たるという、極めて非現実的な日常が繰り広げられていた。

しかし、その中でも上条当麻は何の能力も持たない、ましてや特異となるような力すら得ることが無かった正真正銘の普通の男子高校生だ。街の外にいる学生と違う点は、この学園都市内部に寮を借りてそこに住んでいることくらいであろう。

詰まるところ、彼は落ちこぼれなのだ。かくして、この少年は何らかの力を得る為に、今日もまた一人、補習授業へと向かうのであった。



……何時間も一対一で教師の話を聞いたにも関わらず、消しゴムは浮かず、水風船は割れず、遠くの文字は一つだって読めなかった。これだけ才能がないのに、一体どうして俺はここにいるのだろうかと、上条当麻は考える。しかし、答えは見つからなかった。

学校を出てから程なくして自宅の寮に辿り着いた。

上条(今日はゆっくりしよう……)

そう考えながら部屋の扉を開けて、寝汗で湿ってしまった布団を取り込もうとベランダに出ると、布団の隣に何やら人のような形の物が干してある。

上条「……は?」

というか、人のような物ではなく、それは人だった。

その人は、彼の気配を感じたのか、垂れていた頭を上げると。

禁書「お腹減ったな。何か食べさせてくれると嬉しいかも」

上条(ルンペンかよ)

ただただ困惑していた上条だったが。

上条「あー……、とりあえず中に入るか?」

禁書「うんっ!ありがとうなんだよ!」

その少女の姿を見やれば、どうやらシスターであるようだ。白い修道服を身に纏っている事からその様子が伺えた。

上条「こんな物しかないけど」

そう言って彼が取り出したのは、冷凍しておいた白米だ。彼は、あらかじめ多く炊いておいた米を長く保存する為にこうしている。

禁書「わぁ!おいしそう!」

解凍して温めた米にと、幾つかのご飯の共をちゃぶ台に並べて、そこにインスタントの味噌汁を付け足した。ロクなもてなしではないが、彼女の方がロクでもないのは確かだと、上条は思っていた。

禁書「いただきますっ」

一応感謝はしているらしい素振りを見せるが、そんな事よりもきになることがあり過ぎて、何を聞けばいいのかと考えを張り巡らせていると彼に、彼女は。

禁書「おかわりが欲しいかも」

上条「……ちと待ってな」

もう一杯、白米を平らげていた。

× × ×

とある夜のビルの中で、二つの叫びがこだましていた。

一方「キヘハッ!もっと愉快に踊りやがれ!」

一方通行は、ビルの瓦礫を高速で蹴り飛ばす。

美琴「くっ……!!」

弾丸のように飛び交う瓦礫を、美琴は電撃を持続的に放出し鞭のようにしならせて、それで左右に弾き飛ばした。

一方「何べン来たって変わらねェってのをよォ、そろそろ解ってもいいンじゃねェか?第三位」

美琴は歯を食いしばって駆ける。ただ真っ直ぐに床を蹴り、直線的に距離を詰めながら腕に電気を纏い、そのままで拳を宙空に突き出した。カァン!と、乾いた音が周囲に鳴り響くと。

一方「がっ……この」

空気中の酸素が一瞬だけ消え失せた。その瞬間に二人が立つフロア全体のコンクリートが倒壊を始め、金属の柱は変形する。その事態に重きを置いた一方通行が通常の反射を解いて周囲の酸素を集めようとするが、僅かその一秒にも満たない刹那、美琴は水素を背中の後ろで爆発させ、その細い体を白い悪魔に射出させた。

美琴「うわあああああああああああっ!!!」

拳に雷を握り、反射を解いた一方通行の頬を思い切り殴りつけた。

一方「ぐっ……ぶふぉっ……」

勢いのままに、両者ともまだ辛うじて形が残るビルの窓だったものの隙間から外に飛び出しす。しかし、一方通行は体が痺れるも、何とか演算を行い地に両足を付く。が、意識に歪みを感じ、すぐに倒れこんでしまった。

一方「……っ。オマエ、味なマネをっ」

言いながら前を向くと。

美琴「あっがぁぁっ!!痛い……ッ!!痛いッ!痛いッ!」

耳を抱えて転げ回る敵の姿を目撃する。そう、一方通行のように外気を遮断していなかったが為、美琴のうち耳は破裂し、大量の血が流れ出ていたのだ。

一方「……ククッ。まァそうなるよな」

目を見開き、体をくの字に曲げて痛みに必死に抗いながらも、尚美琴は一方通行を睨み付けた。

美琴「許さないっ!あんただけは、絶対に!」

悲鳴を上げながら啖呵をきるが、しかし。それはもう、彼にとって既にいつもの戯言でしかなかった。

一方「……はァ。オマエはよく頑張った。本当によく頑張ったよ。ーだからいい加減楽になれ」


寝ますー。お疲れ様です。

× × ×

禁書「……ねぇ聞いてた?」

上条「ん、聞いてたよ。つまりその悪者の魔法使いから逃げてたら、俺の家のベランダに落ちたわけだよな」

禁書「分かってるなら返事くらいして欲しいかも」

ポリポリと頭を掻きながら上条は思考する。

上条(魔法か……。まぁ超能力があるんだから俺が知らないところで魔法があってもおかしくないかもしれないけどさ)

いまいち釈然としない様子の上条。それはそうだ。科学とは正反対に位置する魔法を信じろと突然言われても、そう易々と受け入れることはできない。

禁書「……まぁいいや。ご飯、ありがとう。このご恩は一生忘れません」

少女は立ち上がり一礼を上条に贈る。そしてそのまま家を出て行こうとするが。

上条「帰る場所とか、ないのか?」

それを聞いて彼女は足を止める。そして。

禁書「わかんない。忘れちゃった」

そう言った。

何が何やら理解の追い付かない上条だったが、彼女が残していった食器を片付けながら今夜の自分の食事がない事だけは分かった。

太陽が没し、空は青から黒へと模様を変えている。一応の為冷蔵庫の中身を確認するが、やはり食材はない。落ちこぼれの彼に支給される奨学金は最低限のもので、あまり贅沢をぜずとも余裕はない。増して、この不幸体質のせいで度々食料を台無しにされているのだ。このままでは次の支給日まで耐え忍べるかは怪しい。

上条(………とりあえず、もう少し待ってからスーパーに行こう。弁当が半額で売っていれば安くで済む)

そう考えてから約二時間後、家を出た彼は自分の住む寮がある学区の隣にある最安値を売りにしたスーパーに、今時間をかけて歩いて来ていた。

上条(需要と供給の間、ってね)

幾つかの惣菜の中に、一つだけ残った唐翌揚げ弁当を見つけた上条。嬉々とした様子でそれを持ち上げようと手を伸ばしたが、しかし。

一方「……」

まさかの同時である。その上なぜか上条の手は弾かれ、後ろへ仰け反ってしまった。

上条(な、なんだ?今のは)

弁当を持ち上げた白髪の少年は、上条を一瞥すると自分の持つそれを陳列棚に戻して、何も言わずに去って行く。チラと見た買い物かごの中には、片手では到底支えきれないような数の缶コーヒーが詰まっていた。

上条「あ、あの。これ、俺に譲ってくれるんですか?」

しかし、彼は何も答えない。というよりも、その声が聞こえていないように見える。だから。

上条(ま、たまにはこんなラッキーがあってもいいよな)

上条はそんな軽い気持ちでそれを手に取り、そしてレジへ向かった。

その帰り道、上条は倒壊したビルの影に、小さな人の姿を見つけた。

上条「……ん?あ、あんた」

美琴「た、たす……」

煤と埃と、大量にこびりつく血のせいで身なりはボロボロだったが、それは確かに昨晩の悪魔だ。

上条「どうなってんだよ、あんたがこんなに……」

弁当をの入った袋を放り、近くに駆け寄る。あれだけ狂気に満ちていた彼女が、今では死にかけている。

上条「今助けを」

言いかけて、上条当麻は考える。いくら悪者とはいえ、平気で人を殺してしまうような人間を助けてもいいのかと。彼女が助かった事で、善人でも不幸になる人間が現れてしまうんじゃないかと。

禁書「あ、ご飯の人」

屈み込む上条の前には、あの時のシスターが立っていた。

上条「お……お。あの……さ。俺、ど、どうしたら」

上条はまともに口を聞く事が出来ないでいる。自分のやるべき事に自信を持てないのだ。しかし、そのシスターは倒れこむ少女の姿を見るといっぺんに表情を変え。

禁書「すぐに治してあげないと」

そう、強い口調で言い放った。

禁書「ねぇ、あなた。今からここに神殿を作るよ。私の言う通りに物を積んで」

上条「あ、あぁ」

彼女の言う通り、彼は瓦礫とゴミを積み上げる。

上条「こんな時に言うのもどうかと思うんだけど、一体何を……」

禁書「黙って言う事を聞いて!次は天使を召喚するから、天使の姿を思い浮かべるの」

言うと、彼女は手を胸の前で組み、周囲を振動させる様な高い声で旋律を奏でる。

上条「はぁ?待ってくれ、天使って」

答えを待つ事は、目の前の光景が許さなかった。先ほどまでの考えは今では丸ごと消えていて、ただシスターの少女と二人で悪魔を助ける事だけを、上条は考えていた。

上条(天使……天使……)

思い浮かべたのは、フィリッポ・リッピの聖母子と二天使に描かれている様な子供の背中に翼が生えた姿だ。するとどうだろう。突然上空が光りだし、上条が今思い浮かべている天使像そのものが舞い降りた。

上条「な……」

言葉を失った彼を尻目に、シスターは依然歌い続ける。そのうち、仰向けに転がる少女を細かい光の粒子のような物が包み込み、見る見るうちに傷を癒していった。

禁書「……ふぅ。これでもう大丈夫。ありがとう。あなた、お名前は?」

ニコリと笑ったシスターの質問に答えるには、彼の常識を取り戻す必要があった。けれど、考えて取り戻す事に無理を悟った上条は、今は全てを考えない事で冷静になった。

上条「上条、当麻だ」

上条当麻は、何の能力も持たない、本当にただの高校生だ。通常、学園都市で教育を受けた者には、レベル0でも何らかの『可能性』が生まれる。
例えば、畑に種をまいて土から芽が吹けば、ここからがレベル1だと仮定する。故に、発芽しても芽が土の外に出なかった者がレベル0となる。しかし、土から芽が出なかったとはいえ、種から発芽はしている。つまり、レベル0の生徒にも、必ず何かしらの能力は付与しているのだ。
しかし、それを意志的に使えないから無能力者とされる。ハサミは使って初めてハサミとしての効果を発揮するように、能力も使えなければ持たないのと同義である。だから、この街には少なからず、カテゴリーとして無能力者が存在するのだ。

しかし、重ねて言うが、上条当麻は本当に何の能力も持たない、この学園都市で唯一の正真正銘のレベル0なのだ。
教育という種を撒いても、彼という土では発芽すらしない。持たざる者の下の下、それがこの男の正体である。

しかし、そんな彼だからこそ、今この場で悪魔を助ける事が出来たのだ。

休憩します、お疲れ様でした

……意識を取り戻した御坂美琴は、自分の身体を見て驚きを隠せなかった。目の前に座り込む二人の男女の顔を見ても、彼らには全く覚えはなく、加えて跡形もなく消え失せた傷は、道具を何も持たないでどう治療すればこうなるのか、レベル5の彼女にも想像が出来ない。

美琴「あなた達が、治してくれたの?」

まだ微妙に力の入りきらない掌を握って、上条のシャツの袖を掴む。美琴の体を支える彼の顔は、困惑の色が見え隠れしていて、どうも人を助けた人間の顔には、御坂美琴は思えなかったからだ。

上条「……いや、俺じゃない。彼女が」

そう言って、シスターの方へ顔を向けた。

禁書「別に私だけじゃないよ。とーまも手伝ってくれたもん」

美琴が上条につられてシスターの顔を見ると。

禁書「大丈夫?私はインデックス。あなたは?」

美琴「私は……」

彼女は、泣いていた。不意に溢れたその涙に本人も戸惑っている。その証拠に何度も自分に「なんで涙が……」と問いただしているし、止めようと必死に歯を食いしばっても次から次へと流れ出していたからだ。

上条は、ここで思う。きっと彼女は、人の優しさに触れてしまったのだと。理由は分からないが、あぁまで壊れてしまった自分の心に触れず、ここで倒れている理由も聞かず、ただ自分を助ける為だけに、ただ自分を安心させるためだけに向けたその笑顔に、心の底から安心してしまったのだろうと。

美琴「ぐすっ……。私は……、なんで助け……」

うつむく彼女に対して、インデックスは笑顔で答える。

禁書「人を助ける事に、理由はいらないんだよ」

彼女は紛れもなく聖職者であり、そして誰もよりも優しい心を持っている。そう感じた上条は一人、自分の惨めさを実感して空を仰いだ。

ーーーこの学園都市には、彼女の遺伝子を持つ、いわば妹のような存在が数個体存在している。彼女達が何をするべく生まれてきたのか。それはあまりに残酷で、そして悲惨な理由だった。

事の発端は彼女のDNAマップを利用したクローン実験だ。幼少期の御坂美琴は、正義感の強い少女だった。彼女は人の為になる事には力を惜しまず、人の為になるならば、どんな傷だって堪えてきた。

しかし、彼女は知らな過ぎたのだ。この世界に住む大人達がどんな汚い連中であるのかを。

医者に求められた理由は、美琴が世界のための治療薬になる事。彼女でなくてはならなくて、彼女だから出来ること。それは、美琴にとって喜ばしい事だった。自分が協力すれば人を救える。彼女にとってこの上ない喜びであり、自分の正義だった。

成長した美琴は変わらず、自分の正義を信じ続け、人の為である事を願い続けた。そして重ね続けた努力の結果、この学園都市の頂点に立つ事になる。人を救うための力は、彼女にとってさらなる自信となった。

彼が、現れるまでは。

その日、とある噂を聞きつけた美琴は、聞いていた暗い工場にいた。外観はなんて事のない、ただの研究機関。学園都市では珍しくもない建物だ。

そこで出会った一人の少年。彼は彼女に気がつくと、こう言い放った。

一方「なンだ、今日はいつものゴツい銃を使わねェのか」

まるで、もう何度も会っているかのような口調が、彼女にとっては不思議でならない。それもそのはず。彼女とアクセラレータが出会うのは、今日初めてのはずなのだから。

一方「どうした。もう殺していいのか?」

[ピーーー]。そのセリフは嫌にリアリティを持っている。彼には冗談で言っているような、そんな甘い雰囲気は微塵も感じない。

美琴「あんた、一体何を」

たじろぐ彼女に、彼は言う。

一方「あァ?オマエ、オリジナルか」

オリジナル。どうして自分がそう呼ばれるのか、美琴は少し考えてその答えに検討をつける。そう、過去に医者に託したあのDNAマップだ。

けれど、それが彼とどう結びつくのか。[ピーーー]。オリジナル。研究機関。ゴツい銃。そのセリフをパズルのピースのように思い描く思考に当てはめていく。

美琴(……私がここにきた理由は)

その瞬間、ピースがカチリと音を立ててはまった。

妹「お待たせしました。それでは第9855回目の実験を開始します。IDの称号をお願いします」

レベル6シフト実験。その噂は、とあるレベル5のクローン個体を、第一位が殺し続ける事。

美琴「まさか、本当だったの……?という事は……っ!」

一方「どうも、いつも世話になってンぜ?」

彼は自らを、アクセラレータと名乗った。

声の主であった御坂美琴と同じ顔をした『人間』は、彼女の眼の前で死んでいった。美琴は止める事もできず、地に這いつくばってただ彼女が殺されるのを見届けた。

美琴「やめて……」

声は虚しく、誰の耳にも届かない。実験という名の虐殺が終わり、顔を伏せる美琴の前にアクセラレータが立ちはだかる。

一方「なァ。あの雑魚だと2万回殺らなきゃならねェンだけどよ、オマエだと百とちょっとで済むンだわ。なら、オマエをその倍くらい半殺しにすりゃァ、実験も早く終わるンじゃねェかな」

不気味に笑いを顔に浮かべ、アクセラレータは美琴の頭を髪の毛を引っ張って持ち上げる。

一方「半殺しってどンくらいだろうなァ。もう少しくらいやった方がいいのか?」

恐怖、それは美琴にとって、初めての感情だった。何者にでも立ち向かい、そして勝利を手に入れてきた彼女にとって、手も足も出ない、まして目の前で悪をまざまざと見せつけられ、挙句の果てにはゴミのように扱われる。この上ない屈辱も、恐怖の前ではプライドには成り変わらなかった。

一方「まァいいわ。今日は帰ってねんねしな。また遊んでやるからよ」

アクセラレータは踵を返して建物の外へ出て行く。頂点とはいえ、中学生女子である彼女の心を叩き割るには、十分すぎる出来事だった。散った心は、もう自分で探す事は叶わない。何が消えてしまったのか、それすらもわからない。

だから、目覚めた時、一つだけ残っていたその悪を憎む事だけを、御坂美琴は信じたのだ。悪を許さず、どんな時でも立ち向かう。滅する事を。根絶する事を。排除するこおを。それだけを目的として、彼女は悪と対峙するのだ。

しかし、それは決して正義ではなかった。

× × ×

上条「へぇ、あんたがレベル5か」

そう言って美琴を見やる上条の表情は、尊敬と恐怖を織り交ぜたような複雑なものだった。軽い自己紹介を済ませた彼らは、少しばかり話し込んでいる。

美琴「……えぇ。それにしても、どうやって私を治したの?」

四肢があり、耳がいつも通りに聞こえる事が、美琴には未だに信じられない。

禁書「それはね、とーまが魔法を使ったからだよ」

美琴「魔法?あなた何か最新の技術でも持ってるエンジニアなの?」

違う、と、インデックスは横に首を振る。

禁書「魔法だよ。マジックの事。知ってるでしょ?」

さも当然だというように、彼女は言った。

美琴「はぁ?いや、ごめん。助けてもらって」

美琴のそのセリフを遮ったのは上条だ。

上条「待て待て待て。俺が魔法を使った?どういう事だ?使い方も知らない俺がどうして魔法を使るんだ?それに治したのはお前で、俺は瓦礫積んで天使の想像をしただけ……」

喋っているうちに訳が分からなくなり、上条は口を閉じた。

禁書「とーまが魔法陣、さっきの神殿を造って、とーまが天使を召喚したんだよ。だから魔法を使ったのはとーま。私がやったのは、天使にみことを治してほしいってお願いしたこと。私には魔翌力がないもん。だから私は魔法を使えないんだよ」

上条にはさっぱり理解が出来ないが、そもそも美琴は状況の認識すら曖昧な様子だ。

美琴(この人たち、一体何を)

そんな混乱の中、突然紅蓮の炎が彼らを襲った。突然の出来事であったが、一瞬先に事態に気がついた美琴が周囲の鉄の柱を磁力で集め、壁を作って二人を守った。

上条「なんだ!?」

ビルの陰から、ローブを纏った赤髪の大男が現れる。彼はタバコを口に咥えてから一息つくと。

ステイル「おままごとは終わりだよ。君たち」

そう言って、ニヤリと笑った。

ここまでにします。お疲れ様です。
誤字脱字は気を付けます。能力の謎理論は深く考えないでもらえると助かります。

上条は、なんとなくだがその炎が科学のものではないと感じた。つまり。

上条「……あんたが、インデックスが言う悪い魔法使いってやつか?」

ステイル「ククっ、悪いかどうかは君らの感想だよ。それにその呼び方はスマートじゃない。魔術師と呼んでほしいね」

インデックスは怯えていた。小さく体を震わせて、上条の背中に隠れる。

禁書「あなた、一体誰なの?」

ステイル「そんなことは関係ない。無駄なお喋りをしている暇はないんだ。そろそろ上がお怒りだからね」

魔術師が横に腕を薙ぐと、周囲にカードが舞い渦巻く。

ステイル「目撃者には死んでもらう。そこの二人には悪いけどね。まぁ逝った先で自分の不幸を嘆くといい」

ゴウッ、と、大男の手から火柱が立つ。それを受けまいと対抗に打って出る美琴は演算を開始するが。

美琴(……だめ、呼吸が……っ!)

超能力は、綿密な計算のもとに繰り出される。が、その根幹は『自分だけの現実』、パーソナルリアリティにより信じられた力を現実に呼び出すというものだ。先程は単純に磁力だけを、それも反射的に使用したことが、考えない事となり逆に功を奏したが、今度はそれではいけない。美琴の心は、インデックスの優しさに触れたことで、たった一つ信じていた悪を憎む事を疑ってしまったのだ。すなわち。

美琴(電撃が……ブレる……)

メラメラと燃え盛る紅蓮は今、その主の手を離れる。

ステイル「吸血殺しの紅十字」

焦燥感が恐怖を駆り立てる。自分がただの少女になり下がったことを心の底から、彼女は憎んだ。

美琴(ごめん、せっかく助けてくれたのに)

空を駆る十字架の炎が迫る。

禁書「だ……――」

上条「うおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」

ステイル「……っ!?」

美琴「あんた、何を……」

上条「わかんねぇ!わかんねぇよ!」

突然の立ちあがった上条は、先ほど放たれた磁力で偶然引き寄せられた鉄の看板のような物を盾に、二人の前に立ちはだかった。

禁書「とうま!!」

上条「黙ってろ!今……ぐあっ!」

すぐに看板は千切れ、シャツについた十字架と同じ形の傷を、上条はその胸に刻印される。肉と皮膚が焼け焦げ、異様な臭いを放つ。

上条「ぐあっ……があっがあぁっ!!」

美琴「どうして……」

しかし、その声は彼に届かない。

上条「熱い…っ!あづっ……あぁ……」

必死に叫びを噛み殺し、地に足を着く。手に持っていたそれはすでに棒のような物に変わり果て、さらに熱を持って彼の手のひらに張り付き焦がす。けれど。

上条「はぁ……はぁ……」

シャツを引きちぎり、地面に放る。それから鉄の棒を杖のようにして立ちあがった。

ステイル「おや、僕としたことが。少し手を抜きすぎたみたいだ」

禁書「とうまをそれ以上傷つけないで!私、あなたと……」

上条「黙ってろって言ってんだろ!!これはもうお前だけの問題じゃねぇ!!」

鋭い眼光を魔術師に向ける。

ステイル「おやおや。まさかその棒っ切れで僕と戦う気かい?呆れを通り越して逆に感心するよ」

そう言って手をパチパチと鳴らす。嘲るような表情で上条を見下し、煙を大きく吐き出した。

ステイル「黙って殺されるのが嫌なのかい?フン、実に立派なことだ。まぁそれなら少しくらいは頑張ってくれよ?」

黙ったまま、上条は歩を進める。棒を両手で構えると、ジュウ、と音が鳴る。血が焦げて立ち上がる薄い蒸気が風に流されると、上条は思い切り地面を蹴った。

魔術師までの距離は15メートルほど。少しだって遠い距離でないはずのその間が、上条には果てしなく感じられた。

上条「ぐっ……」

地に転がる石ころをゴルフのように打ち出すが、当然それは明後日の方に飛んでいく。だが上条は距離を詰める間愚直にそれを繰り返した。

ステイル「球遊びがしたいなら手伝ってやろう」

そう言うと、手の平サイズの火球を上条に投げつける。

上条「がっ……」

距離を詰めていたお陰で、振りかぶった棒に火球が当たる。しかしそれは同時に武器を失うことを意味していた。

溶けて短くなった棒を掴みながら、なおも突進を続け、上条はついに間合いに入った。しかし。

ステイル「やれやれ、もう少し遊べると思ったが。残念だ」

魔術師が、腕を鳴らすと彼の周囲に壁のように炎が立ち上がる。当然上条は燃え盛るが。

上条「おらあぁぁああぁぁあああああ!!!」

鉄から右手を無理やり引き・がし、勢いのままに魔術師を殴りつけた。

ステイル「ごっ……ばっ……」

上条は転がり、大男はタバコを吹き出して地面に倒れこんだ。

上条を包む炎は、以前燃え続けている。彼は叫びながら辺りを転げまわる。しかし炎は消えない。体力が失われていき、そろそろ自分の終わりを認めようとしたその時。

上条「……っ?」

突然、大量の水がその周囲を濡らした。どうして、と辺りを見渡すと、この瓦礫が建物として機能していたであろうその時まで屋上に設置してあった貯水タンクが天から降ってきたのだ。

彼がデタラメに打ち出した石ころは、決して無駄では無かった。倒壊にも耐え、絶妙なバランスでそびえていたタンクの留め具を的確に貫いていたのだ。

普段ならば、確実に不幸な出来事であっただろう。しかし、この時ばかりは上条は、その不幸に命を救われたのだ。

この間の十数秒、残された御坂美琴は何も言わず、いや、何も言うことが出来ないでいた。

どうして彼は戦えるのだろう。どうして彼は挑めるのだろう。絶望的な状況は、まさにあの時の自分と同じではないか。

この短い時間で、一体何が彼を変えたのか。確かに自分が見上げたその顔は、紛れもなくただの男子高校生だった。それがなぜ。その思いは、ついに彼女の口から飛び出した。

美琴「どうして!!……っ!どうして戦うの!?あなたには能力だってないのに……。どうして私たちを守るのよ!!」

禁書「みこと、今のとうまは……」

インデックスが彼女を制する。しかし。

上条「……嫌だった。もう……俺の……せいで……誰かが不幸……になるのは……」

突然上条が口を開く。

上条「わかん……ねぇ……けど、けどよ……」

上条当麻は、不幸だった。彼は極力誰とも関わらず、誰とも交わらないことを望んで日々を過ごしていた。

とあるクラスの同級生が言った。上条のせいで、体が動かなくなったと。とある喫茶の店員は言った。上条のせいで、金が無くなったと。とあるバスの乗客は言った。上条のせいで、人が死んだと。

彼は親友であり、常連であり、そしてただの一市民であった。けれど、その不幸のきっかけは、いつだって上条の些細な行動で、彼が人の為に動くことは、どうしたって思惑の裏側をいった。

前を向いていたはずの顔は、いつの日か下ばかりを見ていた。彼は不幸になることよりも、不幸にする事を恐れた。

『不幸だ……』

その言葉は、彼が不幸である事で、他人を不幸にしないための免罪符だ。

『俺が何をしたってんだ』

その言葉は、自身が不幸である為の、理由を探す処世術だ。

そのはずだった。けど。他人を見過ごす事は、もう出来ない。なぜなら、誰でもない自分に言い聞かせたから。

上条「……人を助ける事に……、理由は……いらないんだろ……?」

彼が空を仰いで手に入れたものは、何も持たない事だった。

ステイル「……くっ、根性だけは認めてやろう。しかし」

大きく渦を巻いた炎が勢いよく噴き出し、それを突き破るように魔術師が現れた。

ステイル「ここまでだ。もう手加減はしない」

口から一筋の血が流れている。若干足元がふらついているように見えるが、彼を打ちのめすにはまだ足りていない。

一方で、上条はもはや立ち上がる事すら出来ないでいる。ぐったりとして咳き込み、寝返りを打つのが精一杯だ。

上条「……やれよ」

仰向けのまま、上条は言う。

上条「どうしてかは知らない。けど、その子が必要なんだろ?お前にも」

ステイル「何を言い出すかと思えば。命乞いにしてはセンスを感じないね」

上条「別に。ただ命かけても守れなかったのが心残りなだけだ」

覚悟を決めている。そんな強い表情を、上条はしていた。

ステイル「……」

少しくだけ、その一帯の時間が止まったかのような静寂が訪れた。遠くから響く喧騒が、先ほどとは打って変わって上条の耳に届く。空には星一つなく、白く明るみがかかっていた。

上条「……どうして、インデックスを追う」

ステイル「答える必要はない」

上条「友達、なのか?」

ステイル「……答える必要はない」

上条は、隙を見逃さなかった。

上条「インデックスは、帰る場所を忘れたと言っていた。けど、それはどうしてだ?帰る場所なんてものは、忘れようとして忘れられるものじゃない」

矢を継ぐように上条は続ける。

上条「お前はインデックスを殺そうとしなかった。あくまで狙う命は俺と御坂の物だった。けど、あの時のお前が打った炎は、明らかに俺たち三人に当たっていただろ」

ステイル「やめろ」

上条「お前には、インデックスが死なないという確信があった。だけどここでもう一つ、おかしな事がある。それは、あの攻撃が手加減されていたという事だ。もしそうでなければ、俺はあの時……」

生唾を飲み込み、深く息を吸い込む。

上条「なぁ、お前。インデックスに攻撃をしたくなかったんじゃないか?」

ステイル「黙れ。殺すぞ」

上条「お前ほどの実力者ならば、実際インデックスをすぐに捕まえてお前らの用事を済ませる事だって出来たはずだ。けどお前はそうしなかった。だからインデックスはこうしている。そうだろ?」

ステイル「次に口を開いたら……」

上条は、決意を決めた。

上条「もし本当に捕まえる事が目的なら!俺の家に追われて辿り着いたインデックスをすぐに連れ去ることが出来たはずだ!お前に追われて落ちたなら、その光景をお前はすぐ後ろで見ていたはずだろうが!何故だ!」

ステイル「殺す!」

今まで以上の大きさの炎が空に放たれ、それは真上から上条に降り注いだ。

……。

上条「それは、お前がインデックスを、助けたかったからじゃないか?記憶が消える事は、お前とインデックスの仲を別つ事だからじゃないのか?」

レールガン。物体をローレンツ力で超高速で放つ、この学園都市第三位の最大の攻撃。それが巨大な炎を打ち消し、遥か彼方へ飛んでいった。

上条「……お前は、インデックスを助けたかったんだ」

禁書「みこと!」

美琴「……私も、見つけたから」

残る光線の元には、凛々しくたたずむ御坂美琴の姿。彼女は今、まごう事なき正義の中で力を使ったのだ。

ステイル「なんなんだ貴様は!?突然現れて人の心にズケズケと踏み込んでくるんじゃない!関係ないだろう!?大人しく焼かれて[ピーーー]ばいいだろう!?」

数分前の落ち着いた様子とは比べようもなく、魔術師は取り乱している。

上条「命かけてるって言ったろ」

その言葉に、魔術師は意識をぶん殴られたような感覚を覚える。

ステイル「僕は……僕らは……っ!」

地に膝をつき、懺悔をするように顔を伏せて何度も拳を振り下ろす。

ステイル「……もう戻れない所まで来ているんだ!」

上条の目論見は、当たっていた。インデックスとこの魔術師、ステイル=マグヌスは旧知の中であり、そして親友であった。

インデックスは、その脳に10万3000冊という膨大な数の魔道書を記憶する、まさに生きた魔法図書館というべき人物だ。しかし、その膨大な記憶量のせいで、彼女は記憶の70%を使用してしまい、脳を圧迫している。だから生きる為に、持つ記憶を1年毎に消去しなければならないという。

過去に消された記憶の中に、二人笑いあう姿があった。ステイル=マグヌスが必死に抗い、インデックスを救う姿があった。けれど、その全てが無下にされ、また0からのスタートを何度も繰り返したのだ。

次第に記憶を消去する以外の方法を見つける事に諦めを付けた彼は、彼女が死なない為に彼女を追う事を決めたのだ。

記憶を消さないでいる為に生きた記憶は、いつしか彼自身からも忘れ去られていったのだ。

上条「……バカ言ってんじゃねぇ」

だが、上条当麻は認めなかった。

上条「その程度で命かけただなんて嘘をつくなよ。お前は結局自分が傷つく事を恐れただけじゃねぇか」

ステイル「貴様に何がわかる!僕も……神裂だって今日昨日出会ったばかりの貴様とは比べ物にならないほどのっ!」

上条「人と比べてる時点で、それはお前のベストなんかじゃない」

ステイル「やめろおおっ!!」

叫び声と同時に、二人の間に一人の女性が降り立った。

神裂「……ステイル、どうしたのですか?」

休憩します。お疲れ様です。

上条「……?」

上条が不思議に思ったのは、その女性の強靭さだ。この辺りの建物は大概背が高く、そしてここに降りるにはそれらから飛ばなければ今のように着地する事は不可能だからだ。

上条「……あんたも、魔術師って奴か」

顔だけを向けて、上条は問う。

神裂「はい。そういうあなたは……」

ボロボロの少年の姿を見ると、感情的になったステイル=マグヌスに歩み寄り。

神裂「市民には手を出さない話のはずですが、これは」

その片方だけ露出している脚を畳み、膝を着く彼に手を差し出す。

その隙に、インデックスが上条に駆け寄った。

ステイル「……」

しかし、炎の魔術師はその手を掴まず、口も開かない。その様子は、彼女にとって極めて理解しがたい光景であった。このステイル=マグヌスは、遥か格上の実力者にも臆さない勇気ある者だと知っていたからだ。加えて、状況を見るに劣勢、どころかもはや瀕死の状態であるあの少年の姿。どう考えても立場は逆であるべきだと、そう思ったのだ。

神裂「何があったのですか?」

振り返ったその視線は、インデックスに向けられている。愛おしいというような、悪意は見受けられない眼差しだ。

美琴「戦ったのよ、あいつがあんたの仲間とね」

そう答えたのは御坂美琴だ。

神裂「……それは見ればわかります。どうしてステイル……、私の仲間がこうなっているのかを」

美琴が言葉を遮る。

美琴「どうして?そんなの、見ればわかるじゃない。その魔術師が負けたからよ」

その言葉にステイルが反応する。

ステイル「負けただと?何を言っている。冗談も大概にしてくれ」

美琴「……わからないんじゃなくて、あんたは認められないだけよ」

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom