・息抜きにつき台本
・不快になる表現が含まれているかもしれません。あらかじめご了承を
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曙「え……」
提督「聞いてねえのかよクソ野郎。耳にクソでも詰まってんのか」
曙「野郎って男じゃないし……大体、耳にそんなの詰まるわけ」
提督「あ? 聞こえないんですけどー!」
曙「だ、だからっ」
提督「だーかーらー、もっとでけえ声でしゃべれよ!」ガン!
曙「ちょっ、机蹴らないでよ……」
提督「それが人様に物を頼む態度かよ!」ガンガンガン!
曙「お、お願いだから……やめてくださぃ……」
提督「これだからクソ女は」
曙「ご、ごめん……」
提督「あけぼのちゃーん。もっと大きな声で話そうよ? いつもみたいにさ、言ってごらん。クソ提督ってさ。ほら」
曙「ごめんなさい……」ポロポロ
提督「んなこと聞いてねえんだよ! なに泣いてんだよてめえ!」
曙「だ、だって提督がぁ」グスグス
提督「なんなんだよ、お前はよー! もう出てけ! お前と遊んでる暇はねえんだよ!」
曙「うぇぇぇぇん!」
提督「クソ女が」
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漣「ご主人様、ちょっと曙の件でお話が!」バタン!
潮「お、落ち着いてよ漣ちゃん……あれ、提督は?」
提督「ここにいます、はい……」
潮「机の下? 一体どうしたんですか?」
漣「どうしたもこうしたも隠れてないで!」
潮「あの、提督が曙ちゃんを泣かせたって聞いて、それで……」
漣「事と次第によっては綾波けしかけますよ! 怒ってる時の綾波はマジでガクブルもんですから!」
潮「提督?」
提督「うゎあぁぁぁっ!?」
潮「待って、漣ちゃん。様子が変だよ」
漣「むぅ……とにかく出てきてくださいっての!」
提督「恥ずかしい! 見ないでくださいー!」
潮「ええ……」
漣「ご主人様、こっちは真面目にやってるんですよ!」
提督「フヒヒ、サーセンw」
漣(何この変わり身の速さ。しかも、ご主人様がやると正直キモい)
提督(フヒヒ、サーセンw)
漣「こいつ直接脳内に・・・!」
潮「漣ちゃん?」
提督「机|ω・`)」
潮「なんだか、ただごとじゃないね……」
金剛「テイトクゥー! 遊びにきたネー!」
提督「ヘェイ!」
漣「うわ、急に元気に」
提督「バーニングラァァァヴ!」ダキッ
金剛「こういうのは時と場所をわきまえて――」
提督「みんなに見せつけてやればいいんデース!」クイックイッ
金剛「その腰の動きはノー!」
漣「潮は見ちゃだめ!」
潮「ひゃあ!?」
提督「ドッキングオーケーィ?」
金剛「ノー!」
提督「HAHAHA! 食らいついたら離さないネー!」
金剛「ヒエー! ハルナー! ヘルプミー!」
オネーサマー!
カッテハ! ユルシマセン!
キリシマハヨバレモシマセンデシタ!
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朧「……それで提督はどうなったの?」
潮「金剛さんたちに取り押さえられて今は執務室に……」
漣「なぜこんなことになってしまったんだ」
曙「私のせいなの……?」
夕張「それには私がお答えしましょう」
夕張「実は提督から、私たち艦娘をどうすればもっと理解できるのかと相談を受けてまして……それで試薬を煎じてみたいの」
潮「つまり夕張さんが原因?」
漣「ほほぅ」
夕張「ちょっ、そんな怖い顔しないでよ。私だって本当に反省はしてるんだから」
朧「どんな薬を用意したんです?」
夕張「相手の気持ちになりきれる薬で、それが提督の体質には効き過ぎて過剰に効果が出たんじゃないかな」
漣「じゃあボーノのツン、潮の引っ込み思案に漣の言葉遣いがご主人様には移ってたってこと?」
夕張「たぶんだけど」
漣(じゃあ金剛さんのあれは性欲の権化だとか思ってたんじゃ……ううん、よそう。私の勝手な推測でみんなを混乱させたくない)
潮「どうして、そんな薬を?」
夕張「相手になりきろうとすれば、その相手をもっと理解できると思ったのよ。役者さんが役に入りきろうとするのと同じで」
朧「つまり提督は曙が嫌いというわけじゃないんですね」
曙「そうなの……?」
夕張「ええ、あれはあくまで提督から見た曙ちゃんを自分でやってるだけだから。それもツン成分だけマシマシにしすぎて乱暴なだけになった、ってとこじゃないかな」
曙「よかったぁ……よかったよぉ……」
朧「うんうん」
漣「よくはないでしょ。ご主人様からは曙ってそういう子だって思われてるってことじゃん」
曙「うわぁぁぁぁん!」
朧「傷口に塩を塗り込むような真似はやめなさい」
漣「あ、ごめん……」
朧「確かに世の中、罵られて喜ぶ人ばかりじゃないとは思うけど」
潮「朧ちゃんも言うね……」
曙「ど、どうすればいいの……」
夕張「薬が切れるまでは安静にしておくしかないかな。今はトリップしてるようなものだろうし……あ、だから提督がみんなに何をしたかは覚えてないかも」
朧「その方がいいかもしれませんね……分かろうとして迷惑かけてたなんて提督にも辛いでしょうし」
漣「となると、あとは時間が経つのを待つしかないってことっしょ」
夕張「じゃあ私は金剛にも釈明してくるから……ほんと気が重いわ」
漣「骨は拾ってあげるっす(。・ω・。)ノ~」
朧「……」
曙「……」
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――深夜
曙(本当は朝まで待ったほうがよかったんだろうけど、眠れなくって提督の様子を見に来ちゃった)
曙(でも私はどうしたいんだろう……あれ、誰か執務室の前にいる。あれは朧?)
朧「こんばんは、提督」
提督「もう朧のカニになりたい……」
朧「私の印象はカニさんなんですね……」
提督「そんなことはないぞ。朧はマイルドなのに味わい深い」
朧「意味が分からないです……」
提督「朧が飼ってくれるなら提督冥利に尽きるよ……」
朧「そ、そんな情けない提督はベーリング海に沈めちゃいますよ!」
提督「もう死んでもいい」
朧「うう……」
提督「みんなが朧だったら戦争なんてなくなるのに……」
朧「そんな世の中は……すごく退屈ですよ。あ、戦争が続いて欲しいって意味じゃないですから」
提督「分かってるよ」
朧「本当ですか? 提督が私たちを分かろうとしてくれるのは嬉しいです。でも表面ばっかり見て分かった気には……ならないでほしいんです。分かってないのに分かったとも……言わないでください」
提督「……」
朧「漣は曙が泣かされたのを知って提督を怒りに行って、潮はあなたがそんな人間ではないと心配してついていきました。いつもの提督ならそんなこと起きないし、分かってくれるんでしょうけど」
朧「ううん、そうじゃないですね……分かってくれるはず。そう思い込んで提督に勝手を押しつけすぎていたんでしょうか?」
朧「私は……提督にこんな事を言ってる自分が一番分かりません」
朧「こんなこと言っても覚えてないかもしれないですけど、どうしても今の提督に言っておかないといけない気がしたんです。だから来ました」
朧「朝になったらちゃんと話しましょう。きっともっと話さなくちゃいけないんだと思います。私たちと提督は」
朧「それでは失礼します」
朧(さっき外に誰かいたと思ったけど……気のせいかな)
曙「……私は」
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提督「なんか頭いてぇ……昨日の記憶がまったくないし、金剛はよそよそしいしどうなってんだよ」
朧「……そういうこともありますよ。今日はゆっくり仕事していきましょうか?」
提督「そうだな。確かこの辺りに綾波が買ってきた焙じ茶があったはずなんだけど――お、あったあった」
朧「提督。折り入って聞きたいんですけど、私たちをどうお考えですか?」
提督「こっちが恥ずかしくなりそうな質問だな……言わなきゃだめか?」
朧「話さなくちゃいけないと思います」
提督「いやに積極的だな……ま、そんな朧も新鮮でいいか」
提督「よし、たとえば綾波は怒らせちゃいけない。何故かと言うと、あいつはとても優しいからだ。そういうやつは怒り慣れてないから、一度火がついちまうと徹底的にやる。自分が痛くなるのも忘れて、衝動が燃え尽きるまで徹底的にな。そんな綾波は溜め込みすぎないよう、こっちで注意しなきゃなって思ってる」
提督「敷波は猫だ。多摩がいるから目立ってないけど、あいつほど猫っぽい艦娘を俺は知らない。猫は猫でも澄まし顔のシャム猫かな。本当は甘やかされないけど、露骨な甘やかしは嫌う。私を軽く見るんじゃないってね。距離感が未だによく分からないのが悩みどころだ」
提督「漣は色々考えてる子だ。というか考えすぎるのかな。だから独特の言い回しで、本音をそれとなく隠しながら立ち回る。恥ずかしいって思ってるのか、正直になれないタイプなのかはよく分からん。考えてみると綾波型って本音を伝えるのが苦手なような……不器用なのか?」
提督「潮は感受性の強い子で、もらい泣きをするタイプって言うのかな。でも芯が強いから自分の不運とか苦労には耐えられる。漫画の主人公みたいな子だよ。ヒロインかな? どっちにしても主役みたいな女の子だよ。鈍感属性もついてるし。ん? ボノに向かって太ったからやせたいとか、鈍感以外のなんだって話だろ」
提督「朧は……本人の前で言うのか、これ? まあいいけど……朧はマイルドなのに味わい深い。するめというか噛み煙草的な……意味が分からないって? 残念だけど朧の良さってのは一見しただけじゃ分からない。素朴すぎるんだな。そこもいいとこなんだが……本人にこんな話するなんて、どんな罰ゲームだよ」
朧「では曙はどう思ってるんです?」
提督「曙? そうだなぁ……あいつは……」
トントン
曙「入るわよ、クソ提督!」
提督「噂をすればなんとやらか」
曙「ちょっと聞いて、クソ提督。色々考えてみたんだけど、あんたはあたしが呼ぶのを聞いてどう思ってるの?」
提督「どうって……個性的だなと」
曙「それって本当は嫌だってこと?」
提督「急にどうしたんだよ」
曙「答えて。嫌なら……今度からは普通に呼ぶから。あたしはっ……」
提督「……もう慣れちまったんだろうな。曙にクソ提督って呼ばれないのは物足りなくてしょうがねえ」
曙「この……クソ提督……」
提督「おう……ってなんで泣きそうになってんだよ?」
曙「知らない知らない! このクソ提督!」
朧「あれは照れ隠しでしょうね」
曙「朧は余計なこと言わないで!」
提督「曙は……ボノはツンデレってやつだ。俺にデレそうになったのは初めてだけど」
曙「デレってそんなわけないでしょ! しかも、その呼び方は何!」
提督「とりあえず朧的には合ってたのか?」
朧「さあ、私には分かりません」
提督「おいおい……」
曙「ちょっと無視しないでよ!」
朧「だからもっと私たちと話しましょう。それが相手を知る一番の近道だと思いますから」
朧(私たちは知ったつもりでも分かってない。知っていることでも、それはちょっとだけのことだ)
朧(だから私たちはどこまでいっても言葉を交わすしかなくて……)
朧「あ、とりあえず提督には間違いなく鈍感属性がついてますね」
おしまい
冷静になったら後悔して、お蔵入りしそうだったので……自分でもなんでこういう話を書いたのか分からない
駄文にお付き合いいただいた方には感謝を
読んでいただきありがとうございます
金剛や秋津洲ネタは誰かがやってくれると信じてるかも。デース
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