ちひろ「あら、おはようございます」ﾆｺ

みく「きょ、今日からお世話になります前川みくですっ！　よろしくお願いしますっ！」

ちひろ「はいはい、お話は伺っていますよ。それでは早速、プロデューサーさんのところに案内を――あ」

みく「……？」

ちひろ「その前に一つ、大事なお話をしておかないと」

みく「っ！？　お、お話ですか……？」

ちひろ「ええ、プロデューサーさんに会う前にね」

ちひろ「いい？　プロデューサーさんが何を話しても、『絶対に』リアクションをしないこと」

みく「は、はあ……リアクション……？」

ちひろ「ええ。というのもね、うちのプロデューサーさんはあのムツゴロウの立ち上げメンバーなの」

ちひろ「だから、誰に対しても、動物動物って動物の路線を強く押しつけるの」

みく「は、はあ……」

ちひろ「だから何を言われてもリアクションをしちゃいけません。すぐにその動物のアイドルとしてデビューさせられちゃうから」

ちひろ「分かった？」

みく「は、はい。分かりました……」

ちひろ「それじゃあ行きましょうか」ﾆｺ

ﾃｸﾃｸ･･･


みく(……これはいいことを聞いたにゃ)

みく(どうりであの時も動物系のアイドルばっかりいたのにゃ)

みく(みくはねこチャンアイドルとして生きていくと心に決めたのにゃ。ここでねこチャンの話の時に思い切ってリアクションをすれば……)

みく(みくはプロデューサーの方針の下でねこチャンアイドルをやっていくことができるのにゃあ……！)ﾆｬｯﾌｯﾌ

ちひろ「はい、この部屋よ」


[判田]


みく「……」ｺﾞｸﾘ

ちひろ「すいませーん」ｺﾝｺﾝ

<ﾊｲﾖｰ

ちひろ「失礼します」ｶﾞﾁｬ

「いやいやいやいや、お疲れちゃんよお疲れちゃんよォ」





パンダP「お疲れパンダちゃ～んだよｫ」
http://i.imgur.com/07JNraO.jpg

ちひろ「プロデューサーさん、話してた新人の子です」

みく「前川みくですっ！　よろしくお願いしますっ！」

パンダP「ああそうああそう！　聞いてるよ～待ってたよ～！」

みく「は、はいっ！　これからよろしくお願いしますっ！」

パンダP「で、何の動物で行きたいの？」

みく「は、はい……？」

ちひろ「プロデューサーさん、まだ来たばかりなのでそういう話はまた今度に……」

パンダP「動物はいいよ動物は！　動物好き？　女の子は動物好きだよねェ」

みく「あ、あのっ、動物は好きです。特に猫が好きなんですけど、判田さんってやっぱｒ『バカヤロウ！！！！！』っ！？」ﾋﾞｸｩｯ

パンダP「誰だ判田って言った奴！！！！？　誰だ今判田って言った奴！！！！？」

みく「え、いや、あの……」ｵﾛｵﾛ

パンダP「パンダだよ！！！！　パンダPだよ俺はよォ！！！！」

ちひろ「しーっ」

みく「は、はい……ｽｲﾏｾﾝ」ﾋﾞｸﾋﾞｸ

みく(恐ぁ……)

パンダP「ったく、誰にも言うんじゃねえぞ……」

みく「すみません……」

パンダP「噛みつくぞ！？」

みく「はい……」

パンダP「まあいいけどよ。ま、動物っつってもよ、色々あるだろ？」

みく「そ、そうですね！　たとえば猫とか……」

パンダP「やっぱこれからのアイドルは動物だからよ。ほら、今時のアイドルっつったらターゲットはキッズとかよォ、ティーンとか、そういう世代だろ？」

みく「」

パンダP「な？　でも違うんだよ、狙わなきゃいけねえのはヒヒーンとか、ブヒーの層なんだよ」

ちひろ「はあ……」

パンダP「そのうち目にする機会も出てくるだろうが、視聴率表ってあんだろ？　今の数字なんてもっぱらヒヒーンが握ってんだからよォ」

みく「は、はあ……ヒヒーンですか」

ちひろ「いや、ヒヒーンて」

パンダP「あるだろうよヒヒーン層お前！　ヒヒーン層掴むには動物しかねえんだからよォ！」

パンダP「そういう訳でよ、やっぱり動物だよ動物。な？　動物っつっても色々あんだよお前」

みく「そうですか……やっぱりアイドルだと、猫とか……ですかね？」

パンダP「アルマジロいっちゃうか、アルマジロ」

みく「」

パンダP「こう、まるっとしててよ、カワイイだろ？　アルマジロ。カワイイよなぁ？」

パンダP「アルマジロってすっげえ固いんだよ。石より硬いんだぜ？　すげえよな、な？」

ちひろ「……」

パンダP「でもあいつ夜行性なんだって。もう敵いねえよその時間ｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ」

みく「ﾝﾌｯ」

パンダP「昼間に出りゃいいのにｗｗｗｗあんだけ硬いんならｗｗｗｗｗ頑張って動きゃいいのにｗｗｗｗｗｗ」

ちひろ「ｸﾞｯ」

パンダP「お？　今笑ったかみく。イケる？　アルマジロイケちゃうクチ？」

みく「い、いや……アルマジロは……どう、でしょう……？」

パンダP「おう。でもよ、アルマジロ。唯一すげえやわらけえ所あるんだって」

ちひろ「……」

みく「はあ……」

パンダP「どこだと思う？」

みく「さ、さあ……？」

パンダP「お腹じゃねえよ？　尻尾でもねえぞ？」

パンダP「歯だって」

ちひろ「ﾝﾌﾌﾝ」

みく「ｴﾌｯ」

パンダP「ｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ」

パンダP「そこ軟らかくてどうすんだよｗｗｗｗｗｗｗｗｗお前せっかく頑張って硬くしてんのにろくすっぽメシ食えねえじゃねえかｗｗｗｗｗｗｗｗｗ」

パンダP「歯が軟らかいってなんだよｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ」

ちひろ「ｸﾞｯ」

みく「……」

パンダP「ああそうだそうだ。キリンの角もすっげえ硬いらしいよ」

みく「ｸﾞｯ」

パンダP「でも何にも使えないんだってよｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗせっかく硬いのにｗｗｗｗｗｗｗｗ」

パンダP「すげえよなｗｗｗｗｗｗｗすっげえ硬いんだぜｗｗｗｗｗｗ使い道無いのにｗｗｗｗｗｗ」



パンダP「首が長いだって。やかましいわｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ」

ちひろ「ﾌﾞﾌｯ」

パンダP「お、キリンいく？　キリン」

みく「キリン、ですか……？　いや、キリンって……」

パンダP「じゃあどうすっかな。ロバいく？　ロバ」

ちひろ「ろ、ロバですか……？」

パンダP「ロバってすげえんだよ。すっげえ頭良いんだぜロバ」

みく「……」

パンダP「群を抜いて上よ。もうサラブレッドとか関係ねえよ」

パンダP「でもそれだけ頭が良くて貴重な動物なのにすげえ病気にかかりやすいんだって」

パンダP「何の病気にかかるか知ってる？」

ちひろ「さあ……？」

パンダP「知ってる？」

みく「えっと……」

パンダP「『心の病』だって。デリケートｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ」

みく「ｳﾌﾌﾝ」

ちひろ「ｴﾎｯ」

パンダP「答え出せｗｗｗｗｗ頭良いんだから答え出せよｗｗｗｗｗｗｗｗ」

みく「ｸﾞｯ」

パンダP「ｗｗｗｗｗｗ……っはぁー、ロバか。ロバ出しときゃもうヒヒーンだべお前」

ちひろ「……」

みく「い、いや……ロバもちょっと……」

ちひろ「ぷ、プロデューサーさんもうこれくらいに……」

パンダP「なんだなんだ、草食はお気に召さない？　肉がいい？」

ちひろ「あの、プロデューサーさん……」

パンダP「じゃあもうアレ出そうか。肉食ならな、ネコだなお前」

みく「……！」

パンダP「ネコは数字持ってっからよお前。ネコ行っとくか」

みく(つ、ついにねこチャンの話が出てきたにゃ……ここで適当にリアクションすれば……)

パンダP「ネコってよ、かわいそうなことにもの凄く痛みに敏感なんだってよ」

みく「……」

パンダP「例えばよ、口の中に1mmくらいのほんのちーちゃい口内炎が出来ただけでもう気を失っちゃうくらいの痛みを感じるんだよアイツら。すごくない？」

みく「ｸﾞｯ」

みく(あ、あれ……？)

みく(なんか、緊張感からか……反射的に笑いをこらえてる……)

パンダP「でもよ、あいつら骨折しても気付かないんだって。どういう体だよｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ」

みく「ｸﾞｯ」

パンダP「ｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ」

みく「……ｯ……ｸｸｯ……」

パンダP「『放っておけば治りますね』だって。コメンテーターが言ってたよｗｗｗｗｗｗｗｗｗ」

ちひろ「ﾝﾌｯ」

パンダP「見たのかよｗｗｗｗｗｗ放っておいてるところ見たのかよｗｗｗｗｗｗｗｗ」

みく「……ｯ」

パンダP「あいつらクルクル回って落ちてんだよｗｗｗｗｗｗｗｗ森の中にｗｗｗｗｗ」

パンダＰ「ポキィって骨折れてんだよｗｗｗｗｗｗ口内炎よりよっぽど痛えじゃねえかｗｗｗｗｗｗｗ」

みく「ｸﾞｯ」

パンダＰ「でも気がつかないんだってさアイツら」

パンダＰ「にゃーだって。やかましいわｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ」

みく「ﾌﾞﾌｫｯｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ」



みく(あ、すっげえ普通に笑えたにゃ)

ちひろ「いや別にやかましくは……」

パンダＰ「お前逆に冷めすぎじゃねえか」

ちひろ「ｳﾌﾌﾝ」

パンダＰ「ｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ」

みく「ｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ」







無事猫アイドルとしてデビューできました


完