エトペンin透華「エトペンになりましたわ」 (37)

エトペン(おっほほほ!ハギヨシの黒魔術の力で原村の持ってるぬいぐるみに魂を移させてもらいましたわ!)

エトペン(エトペンとなって原村和の懐へ潜り込む!これで原村和の秘密はすべて裸同然ですわ!)

和「さぁ、行きましょうかエトペン?」

たぷっ!たぷっ!

エトペン(は、原村の二つの脂肪のかたまりが頭を覆って前が見えませんわ)

初美「ずんどこずんどこ」

和「きゃー」

ぽてっ!

エトペン(いたた…原村和!いくら驚いたとはいえ、わ、わたくしを落とすとはあんまりですわ!)

絹恵「…」

エトペン(ん?丁度良いですわ。そこのおっぱい眼鏡さん、わたくしを拾い上げて原村和にまで届けて下さいまし)

絹恵「…」片脚振り上げ

エトペン(そうそう。ファーストクラスのスチュワーデスがキャビアを運ぶように…って、何で右足を振り上げてますの?)

バシコン!!!!

デスワアアァァー!!?

エトペーーン!!?


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エトペン「 」

和「大丈夫ですか?エトペン?」さすりさすり

エトペン(…は!?あ、あまりの激痛に、放心しておりましたわ!)

絹恵「ごめんな、あまりにも不気味やったさかい…」

和「いえいえ…」

エトペン(ムキー!こ、このわ、わたくしを不気味とおっしゃいましたね!この野蛮眼鏡おっぱいさんは!?)

絹恵「ホンマ堪忍な?」チラチラ…

和「エトペンもこの様に無事でしたし…」

エトペン(全然良くありませんわ!!魂が飛び抜けるかと思った程痛かったのですわよ!?)

エトペン(もういやですわ!こんな痛い目にあうのならエトペンになどなりたくありませんでしたわ!)

(お嬢様…お嬢様…聞こえますか?)

エトペン(その声は…ハギヨシ!?)

ハギヨシ(はい。ただ今、お嬢様の精神に直接電波を送ってお話させて頂いております…)

エトペン(ちょ、丁度よろしいところですわ!ハギヨシ、ぬいぐるみになるなどもうごめんですわ!早く元の体に戻して下さいまし)

ハギヨシ(そ、それが…大変申し訳ないことなのですが…その…)

エトペン(何かありましたの?)

ハギヨシ(はい。実は私がお嬢様に行った魂転移の魔術は、とある黒魔術書を参考におこなったもので…)

エトペン(回りくどいですわね。とどのつまりどういうことですの?)

ハギヨシ(私が持ってる魔術書の上巻には、ぬいぐるみに魂を転移する方法だけしか記載されておりません…肝心の元に戻す方法は、今週発売の下巻の方にしか載ってないのですよ)

エトペン(な、なんですって!?は、ハギヨシ、何とか出来ませんの!?)

ハギヨシ(はい。ですから今、私は黒魔術書の作者から直接原稿を頂きに、このアフリカの秘境奥地に出向いておりますゆえ…)

エトペン(はわわ…そ、それでどのくらいかかりそうですの?)

ハギヨシ(何とか明日中にはと…)

エトペン(わ、判りました…ハギヨシ、頼みましたわよ?)

ハギヨシ(御意にて御座います)

エトペン(はぁ…まぁ、ハギヨシのことですし、明日には元に戻れるでしょう…それまでにあの暴力おっぱいに捕まらなければ良いだけですわ…)

一方姫松の控え室…

漫「絹ちゃんお帰り」

由子「お帰りなのよー」

絹恵「…//」ぽっ~

由子「どうしたん?なんか様子が変なのよ?」

末原「何や、顔が赤いで?」

漫「もしかして絹ちゃん…恋煩いか?」

洋榎「何やて!?絹!ホンマかそれ!?どこの男や!!」

由子「まだ決まったわけじゃないのよー」

漫「で?どんな男の子なん?」

絹恵「あのふくよかな体格…凛々しいお顔…」

洋榎「あわわ…」

絹恵「そしていつもクールな表情…素敵やわ//」

由子「そんな子いた?」

漫「さぁ?」

洋榎「ゆ、許さへんで絹!絹にはまだはや…」

絹恵「エトペンって言ったなぁ…もう一度蹴りたいわ…」

末原「えと…あぁ、あの原村が持ってたけったいなぬいぐるみ」

洋榎「へ?」

由子「洋榎は知らへんの?原村和の持ってるぬいぐるみ。エトペンって言うのよー有名なのよー」

漫「何やぬいぐるみか…期待して損したなぁ…」

絹恵「あぁ…あの弾力…蹴り心地…うっとり…」ぶんぶん!

末原「ひぃぃ!?あ、危ないから足振り回さんといてぇな…」カタカタ

絹恵「なぁ!お姉ちゃん!うち、もう一度だけ!もう一度だけでいいからあのエトペンを蹴りたいんや!」

洋榎「絹…よし判った!お姉ちゃんが何とかしたる!」

絹恵「ホンマ!?やった」

末原「えぇ…どないするんですか?原村にまた蹴らせてって頼みに行くんですか?」

漫「あの子、あのぬいぐるみを後生大事に抱えとるから無理やと思いますよ?」

洋榎「そこを…ほら?ちょっと借りてくるんや」

末原「借りるってどうやって…」

洋榎「それをこれから考えるんや。なぁ、恭子?」

末原「へ?」

洋榎「っていうわけで行くで恭子。一緒に原村からエトペンを借りてくるんや」

末原「え?ええぇぇ!!?何でうちが…」

洋榎「決まりやな」

末原「いやや!何でうちがそんなこと…」

由子「行ってらっしゃいなのよー」

絹恵「お姉ちゃん、末原先輩、頑張ってな」

洋榎「ほれ、ボケっとしてないでさっさと行くで?」ぐいぐい

末原「メゲるわぁ…」

コンコン…

がらがら…

配達員「ちはっす、清澄高校の控え室はこちらでよろしいですか?」

久「あら?配達員さん、何かしら?」

配達員「へへ…小鍛冶健夜様よりお弁当の差し入れをお届けに参りました」

優希「なんと!?あの小鍛冶プロがうちにか?」

久「あの何よりも食い意地の張っていることで有名な小鍛冶プロがよりにもよって弁当を差し入れ?怪しいわね」

配達員「ぎくっ!?」

まこ「こいつ、今『ぎくっ!?』って口で言ったぞ?」

京太郎「ベタですね…」

配達員「や!?ちゃ、ちゃううんや、こ、これは持病のぎっくり腰が…」

京太郎「さいですか…」

久「まぁ…あのアラフォーにも他人に食べ物を恵みたくなることぐらい、一生の内に一度くらいあってもおかしくないわね…」

まこ「じゃの…あの食う事以外楽しみのなさそうなアラフォーでも、たまには弁当の一つもよこしたくなるもんじゃろうな」

京太郎「さっきから小鍛冶プロ散散な言われ様ですね…」

久「それじゃあ頂くわ。ありがとう」

配達員「はい、毎度…ヒヒ」

咲「わぁ、美味しそうな焼肉弁当だね」

和「本当ですね…」

エトペン(まぁ、庶民の食べ物にしてはそこそこ上等な物ではありませんか?わたくしには少々脂っこ過ぎますけれども…)

まこ「jojo苑の最高級焼肉弁当かのう…初めてみたわい」

優希「早速たべるじぇ、いただきます♪もぐもぐ」

和「こら、優希。はしたないですよ?」

咲「まぁまぁ、和ちゃん。せっかくだし私達もいただこう?」

和「そうですね」

久「うめーうめー」むしゃむしゃ

咲「アフィアフィ」もぐもぐ

和「…」ぱくぱく

和「あれ…何だか睡く…Zzz…」

優希「私もだじぇ…Zzz」

咲「本当だ眠くてしょうがないよ…ごめん、和ちゃんの胸借りるね…Zzz」ぽふっ…むにゅ…

久「ふぁ~あ…みんな、こんなところで寝ちゃ…Zzz」

まこ「うぅ…ワカメの味噌汁美味いのう…むにゃむにゃ…」

京太郎「すぴーZzz」

エトペン(ど、どうしましたのみなさん!?)

配達員「…」

末原「上手く行ったな…」

洋榎「あぁ…睡眠薬入りの焼肉弁当をこうもあっさりと食べてくれるなんてな」

末原「さ。さっさとぬいぐるみを借りてきましょ?」

洋榎「せやな。ほう…これがエトペンかいな?」

エトペン(な!?こいつら…一体何が目的なのですわ!?)

洋榎「じゃ、ちょっと借りてくで…」

エトペン(こら!離しなさい!)

洋榎「目的のもんも手に入れたし、さっさとずらかるで?」

どひゅ~ん

エトペン(離しますの!返しますの!)

末原「はぁ…ホンマこれじゃあただの泥棒やな…」

洋榎「人聞きの悪い事いいなさんな、ちょっと借りるだけや…これも全部絹のため…」

エトペン(きぬ…?)

エトペン(よく見れば、この方達先程の暴力おっぱいさんと同じ制服の…)

末原「絹ちゃんも難儀やなぁ…もう一度こんなけったいなぬいぐるみを蹴りたいやなんて」

エトペン(!?)

洋榎「絹はみょうちきりんなもん好きやからなー、何でも2回戦で蹴った原村のぬいぐるみの蹴り心地が忘れられへんて…」

エトペン(ま、ま、間違いありませんわ!?わたくしを蹴り上げた女の高校…しかも、もう一度わたくしを蹴りたいですって!!?)

末原「さ、早く絹ちゃんにこのぬいぐるみ持って行きましょ」

洋榎「せやな」

エトペン(ピンチですわ!大変ですわ!)

ハギヨシ(お嬢様、どうかなされましたか?)

エトペン(どうかも透華もないのですわ!わ、わたくし、今泥棒さんに盗まれてますのよ!?)

ハギヨシ(なんと!?それは大変でございます。それで、犯人は?)

エトペン(たしか姫松高校の…やたらうるさい方と、やたらカタカタしてる方ですわ)

ハギヨシ(判りました、お嬢様のピンチなんとかしたいのは山々ですが、私は今少々日本を離れております故…一様や井上様に連絡してお嬢様をお救いするよう頼んでおきます)

エトペン(頼みましたわよ!もし、またあの暴力おっぱいさんに捕まると…ぶるぶる…)

洋榎「後少しで姫松の控え室やで」

末原「さっさと済ませましょ…っと?」

一「居たよ純くん…」

純「おう!お前等、透華…じゃなかった、そのぬいぐるみを返しやがれ!」

エトペン(一!純!よく来て下さいましたわ!)

洋榎「はああぁぁ!?なんでやねん」

末原「お前等のもんちゃうやろ?」

純「うるせぇ!お前等のもんでもないだろ!?とにかく返せ!」

洋榎「誰が返すか、恭子!」

末原「ほい!」

一「純くん!ぬいぐるみは末原さんが持ってるよ」

純「おらぁ!」

末原「くっ!あのデカいのタックルかまして来た!?」

どしっ!

エトペン(うぐっ!?)

一「あぁ!?とう…ぬいぐるみを楯にして純くんのタックルを受け流した!」

エトペン(痛いですわ、痛いですわ)しくしく…

純「ちっ…小賢しい奴だぜ」

末原「ふふん♪智将末原とはうちのことやで?」

洋榎「恭子!後ろ後ろ!」

一「うら!」

末原「うわぁ!?」

ぽてっ…

純「うっしゃ!透華…ぬいぐるみゲットだ!」

エトペン(智将を痴女が…いえ、何でも有りませんわ。一、ナイスですわよ!)

洋榎「後ろからなんて卑怯やろ!?か、返せ!」

純「やだね。これはオレ達で預かっておくよ」

一「ハギヨシさんが魔術書の下巻を持って帰ってくるまでだけどね」

洋榎「返せ!」

純「ほれほれ!返して欲しければ取ってみな」ひょい!

洋榎「くそぉ…背が無駄に高いからって調子にのって…」

末原「返せ!」ぴょんぴょん!

純「へいへい♪国広くんパス」ぽいっ

末原「あっ!背の高い奴、もうひとりの方へぬいぐるみを投げたで」

一「オッケー純くん」ぽいっ

洋榎「今度は小さい方から大きい方へ」

エトペン(目、目が回りますわぁぁ)

末原「うりゃ!返せ!」

純「へいへい!取れるもんなら取ってみな!」たんたん!

エトペン(ギャァァ!わ、わたくしの体でドリブルしないで欲しいですわぁぁ)たんたん!

純「国広くん、パス!」

洋榎「させるか!」

一「うわわ!?」

ひょい!

エトペン(うわああぁぁ…)

純「国広くんが取り損ねて、ぬいぐるみがどこかへ飛んで行っちまったよ」

一「ごめん、純くん」

末原「くっ…どこに行ったんや?」

洋榎「えらい飛んで行ったもんなぁ…恭子、うちらはあっちを探すで」

純「国広くんとオレは、向こうを探そう」

一「うん、わかったよ」

ぽてっ…

エトペン(酷い目に遭いましたわ…)

「およ?そこに居るのは…」

エトペン(衣!)ぱぁぁ

衣「ののかのエトペン…そうか、これがハギヨシの言っていた透華の御霊の憑依したエトペンだな」

エトペン(衣!よくぞわたくしを探し出してくれましたわ!流石、衣!衣はやれば出来る子!やれば出来る子ですわ!)

衣「よし、早速これをハギヨシのところまで…」

洋榎「おっ!あったで!」

衣「な?お前達、さてはののかのエトペンを拐かした者共だな?」

洋榎「へへ…お嬢ちゃん?悪い事は言わへん、そのぬいぐるみお姉ちゃんに貸してくれへんかな?」

衣「衣を子供扱いするな!衣を誰だと心得てる!」ぷんすこ=3

洋榎「たしかに、よく見ればコイツ去年インハイで暴れに暴れまくった龍門渕の天江衣やないか?」

衣「それにこれはののかのだ!絶対にお前にはやらん!」

洋榎「ええから渡しいや!」ぐいっ!

衣「い~や~だ!」ぐいぐいっ!

エトペン(い”だいい”だいい”だい!!?引っ張らないでくださいまし!両腕が千切れますわあ”あ”ぁぁ)ギギギ…

洋榎「うわっ…手の汗で滑った!?」ぽいっ!

衣「うわわ、急に手を離すな!」ぽいっ!

ぴゅ~ん!

衣「ののかのエトペンが」

洋榎「またどっか行ってもうた」

佳織「キュンキュンキュンキュンハートが~踊ってる~♪」

ぐにっ!

エトペン(デスワアァァ!?)

佳織「あれ?今、何か声がしたような?」キョロキョロ…

エトペン(ふ、踏んでますわ!踏んでますわ!)

佳織「あれ?下の方から声がするような…あれ?これってもしかして、原村さんが持ってた…」

エトペン(ですわぁぁ…)

佳織「あれ?また声が…」キョロキョロ…

エトペン(あ、あなたよくもこのわたくしに酷いことしましたわね!)

佳織「え?もしかして…このぬいぐるみから…」

エトペン(ん?どうかしましたの?)

佳織「きゃぁっ!ぬいぐるみが喋った!」ぽいっ!

デスワアアァァ!!

ぽてっ…

エトペン(いたた…こ、こはどこですの?)

豊音「このソファーもお願いします♪」

揺杏「あいよ。ごくろうさん」

どしん!

エトペン(うわわ!?何ですのこの大きいの…どうやらソファーのようですわね…)

爽「あなた~愛してるって噓ね~♪」

揺杏「くぉおら!備え付けのマイクでカラオケしてんじゃねーよ!」

ばちこん!

爽「いて!?なんだよ揺杏、先輩を殴るなんてどんな後輩だ!」

揺杏「うるせー!真面目に仕事しろ!誰の所為でこうなったと思ってるんだよ!」

爽「はいはい…判ってますよー」

揺杏「爽が私達の滞在費はやりんグッズに全部つぎ込まなければこんなことしなくて済んだんだよ…ちっとは真面目にやってくれ」

爽「へいへい…アタシがわるーござんした」

揺杏「たくっ…本当に反省してるのか?まぁいいや…とにかくマイクは私に貸せ!運転は任せるぞ」

揺杏『え~毎度おなじみ~廃品回収で~ございます。ご不要になった家具~家電~玩具などがございましたら~私共にお気軽にお声をお掛け下さい~』

エトペン(え?今、廃品回収とおっしゃいましたか?)ぞぞぉぉ…

揺杏『廃品回収~廃品回収~でございます~』

エトペン(た、大変なことになりましたわ!!?一!純!は、早くたすけてくださいまし!!)

一「ん?」

純「ん?どうした国広くん?」

一「うわわ!!?た、大変だよ純くん!窓の外を見てよ!」

純「窓の外?廃品回収の車があるだけじゃないか?」

一「よく見てよ!あそこあそこ!あの廃品回収車の荷台に乗ってるソファーの横!」

純「ん?どれどれ…って!?あれは透華の入ったぬいぐるみじゃないか!?」

一「まずいよ、純くん!このままじゃ透華が大変なことになるよ!」

純「よし!追っかけるぞ国広くん!」

揺杏『廃品回収~廃品回収で…ん?誰か自転車を漕いで追っかけてくるぞ?』

純「そこの!廃品回収車!ちょ、ちょっと待ってくれ!!」しゃかしゃか!

揺杏「もしかして捨てちゃいけないものまで乗せちまったのかな?爽、少し止って…」

爽「うーん…駄目だ」

揺杏「何でだよ?もしかして大事な物を間違って廃品回収に出しちまったかもしれないだろ?」

爽「揺杏はまだまだ浅いな…あれは間違い無く『ハゲタカ』だ…」

揺杏「はげたか?」

爽「あぁ…先輩ドライバーカンちゃんから聞いた事がある。この業界には、他人の廃品を横取りして自分の手柄にする通称『ハゲタカ』なる連中が居るらしい」

揺杏「え?でもそんなふうには…」

爽「バカだなぁ。ああいった連中は、一見してそれとわからないように装って近付いてくるのさ」

揺杏「そ、それじゃあヤバイじゃん…廃品が奪われたら私達の給料は…」

爽「あぁ…それじゃあ少し飛ばしますか」

ぎゅいいぃぃん!!

一「あ!?あの廃品回収車、スピードをあげるよ!?」

純「は!?何でだよクソォ!!」

しゃかしゃかしゃか!!

揺杏「ひぃぃ!?やべーよ!あの自転車、スゲースピードで追っかけてくるよ!?」

爽「あの人間離れした早さ…間違い無い『ハゲタカ』だな…」

洋榎「うおりゃぁぁぁ!!待て待て待て!!」しゃかしゃか!

末原「洋榎!絶対に逃したらアカンで!アイツらが追ってるちゅうことはきっとぬいぐるみはあの車に乗っとるんや!」

揺杏「うわぁ!?べ、別のところからも!?」

爽「ちっ!別のハゲタカか…」

純「頼むから待ってくれ~!!それには!透華が乗ってるんだよ~!!」

揺杏「おっ?高速道路が見えてきたぞ?」

爽「よっしゃ!あれに乗れば何とか撒けるぞ…」

一「まずいよ純くん!このままじゃ見失っちゃうよ」

純「うおりゃぁぁぁ!!!10速あげて行くぜぇえぇ!!!」

末原「洋榎!」

洋榎「高速に入られたらまずいな。こっからは金比羅山行かさへんで!!!」

揺杏「そう言えばこれ、ETC付けてたっけ?」

爽「まずい!?し、進路変更だ!」

きゅいぃぃ!!

一「やった。なぜだか車が進路変更したよ」

純「でも様子が変だぜ?」

揺杏「おいおい…爽、どうしたんだ?そっちは行き止まりだぜ?」

爽「き、急に進路変更したのと荷物が重過ぎる所為でハンドルもブレーキも効かなくなったんだよぉ…」

揺杏「げろっ!?マジで!?」

一「純くん!運が良いよ、車は袋小路に入ってくよ」

純「あぁ…しかしちとまずいことが…」

一「どうしたの?」

純「スピードの出し過ぎでブレーキが効かなくなっちまったんだよ…」

一「えぇぇ!!?」

末原「洋榎!洋榎!い、行き止まりや!自転車を止め…」

洋榎「うおおぉぉ!!!負けへんでええぇぇ!!!」

末原「だ、駄目や…極度の負けず嫌いが発動してうちの話も、前が行き止まりなことも気付いてへん…」

揺杏「ど、どうするんだよ!?このままじゃぶつかるぞ!?」

爽「ど、どうするったってブレーキが!?」

揺杏・爽・一・純・洋榎・末原・エトペン「「ぶ、ぶつかる!!!?」」

どんがらがっしゃん!!

デスワアアァァ!!?

揺杏「うわわ…えらい目にあった…」

爽「車はぐちゃぐちゃになったけど、はやりんエアバックのおかげで何とか助かったな」

純「いてて…国広くん、大丈夫か?」

一「うん…何とか…それよりも透華は?」

エトペン(ひ、酷い目に遭いましたわ…)

「…」じっ…

司祭「ウワワ ウワワ ノドッチ オモチ デスノダ」 

ハギヨシ「ふふ…アフリカンジョークがお上手ですね」

司祭「デスノダ カスミサン コレハミゴトナオモチヲオモチ デスノダ」

ハギヨシ(ん?今、お嬢様の悲鳴が聞こえたような…)

ハギヨシ「すみません、少々名残惜しいのですが私はこれから早急の用事がございますので、お暇させていただきます」

司祭「オモチ オモチ」

ハギヨシ「それでは…行きますか…」

しゅん!

末原「いいで絹ちゃん!そのまま思いっ切り蹴り上げてえな!」

一「あわわ!?駄目だ間に合わない!?」

ハギヨシ「ただいま戻りました」

純「ハギヨシさん!?た、大変なんだと、透華が!」

絹恵「エトペンちゃん…覚悟しいや…」

エトペン(ひぃぃ…お、お止めになってくださいまし!!?)

ハギヨシ「まずい!このままじゃお嬢様が…くっ…流石の私でもこの距離では…」

ハギヨシ(仕方ありませんね…久しぶりにほんの0.5秒だけ時を止めますか…)

カチッ…

絹恵「 」

エトペン「 」

末原「 」

ほんの0.5秒、時を止めた瞬間にハギヨシは素早くエトペンと末原恭子のお尻を入れ替えた。

ハギヨシ(そして時は動き出します!)

カチッ! 

絹恵「おりゃああぁぁ!!」

末原「ん?」

バシコーーン!!!

メ、メゲエエェェ!!!!?

恒子『さぁ!日も暮れようとしています!試合も佳境!おそらく勝負はここで決まるでしょう!』

健夜「大将戦ですからね」

咲(この部屋も二回目…ここを勝ち抜けばお姉ちゃんの学校と…)

ネリー「ねりねり」

爽「ユキのおっぱい揉みて」

末原「…」

咲(よし…っ!がんばるぞ!)

恒子『大将戦開始ですーーッ!!』

末原「ポン」

咲(やっぱりこの人…なんか2回戦とビジュアルが違うな…)

咲・ネリー・爽((主にお尻が…))

末原「ツモ1000・2000…伊達にお尻は大きくないで?」

その後末原恭子は、やたらお尻の大きな高校生雀士として、多少世間で話題になりましたとかなんとか。

一方透華は…

一「きもちわるい!」

バシコン!

透華「もっと!短いセンテンスで蹴り上げて下さいまし!」はぁはぁ//

何かに目覚めましたとさ。

ちゃんちゃん♪

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