姉「弟の恋愛フラグを折らなきゃ、姉として」 (61)

姉「私が...絶対に弟を振り向かせるんだからっ///」

弟「」ゾクゾク

弟(なんだろう...寒気が...)

姉「あぁんっ///どうしよう、弟の部屋に突入しちゃおっかなぁ///」

弟「」ゾクゾク

弟(さっきから悪寒が...)

弟(身の危険を感じる...)

チロリン

弟「」ビクッ

弟「」

弟(姉からのLINE...)

弟「家の中なのにLINEって...w」

弟(相変わらず面白い姉ちゃ──)

姉『今から弟の部屋に突入ーーーっ!!(*≧∀≦*)』

弟「」

弟「」

弟「」

弟「なんでわざわざLINEで報告すんだ?」

弟(たまにちょっと変なところあるな)

コンコン

弟「あ、入っていいよ」

ガチャ

姉「ふふん」

弟「どーしたん?なんか貸して欲しい本でもあるのか?」

姉「いいえ」

弟「じゃあどうした」

姉「ふふっ///今から──」

姉「弟の部屋を調査するよ!」

弟「は?」

弟「調査って、ちょっ、意味わからん」

姉「弟に変な女が付きまとってないか調査するんだよー」ヨイショ

弟「おい、勝手に俺の鞄──」

ペラ

弟「あっ」

姉「...」

姉「なにこれ」

姉「LINEのID?」

弟「っ、友達のだよ!?」

弟(まぁ、女友達だけど...変な勘違いされたら困るよね)

姉「あっそ」

ビリビリ

弟「!!??」

弟「なんで破るの!?」

姉「だって、わざわざIDで交換しなくてもいいじゃない」

姉「QRあるでしょ」

弟「いや、そうだけどもっ...勝手に破るなんて...」

姉「女の匂いがしたんだよ」

弟「はぁ!?」

姉「だって...弟の...か...し...ないし...」ブツブツ

弟「...」

弟(...たまに姉ちゃん怖いときがある)

姉「さぁ!次はどこにしようかな~!」

弟「も、もう...十分でしょ」

姉「あ~///狼狽える弟可愛いなぁ」ヨシヨシ

弟「頭撫でんなっ!俺はもう子供じゃないんだ!」

姉「ふふっ///」

姉(照れてる照れてる///可愛い)

姉「じゃあ次はベットの下──」

弟「そこはだめだ!!」

姉「」

姉「」ヨイショ

弟「おいっ!だから勝手に──」

姉「」ガサガサ

弟「ベットの下なにもないからっ!」

姉「!」

ヒョイ

姉「...」

姉「えっちな本?」

弟「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

姉「...」

姉(この表紙の女の人、なかなか美人ね...)

姉(もしかしたら弟はこの表紙のコイツが好きなのかも...)

ビリビリ

弟「だからなんで破るんだよ!」

───

姉「...ふう、もう調べるところ無いわね」

弟「やれやれ...」

姉「ふふっ///」

姉(女の子と一緒に写ってる写真とか無かったし安全だね///)

姉(好きだよ...///弟...///)

弟(エロ本破られたのは痛い...)

姉「じゃあ弟、明日の学校の準備してから寝るんだよっ」

姉「じゃあ」

バタン

弟「...はぁ」

弟(俺を子供扱いして...もう...)

───

ピーチクパーチクアサダヨー

弟「ごちそうさん」

姉「ごちそうさまでした」

姉「じゃあ弟、今日も一緒に登校しようね///」

弟「お、おう」

弟(クラスの友達に見られたらまたシスコンってバカにされるな...)

弟「...なぁ、姉ちゃん」

姉「んー?」

弟「もうそろそろ別々で登校しない?」

姉「えっ」

姉「な、なんで...?」

弟「俺ももう子供じゃないし...」

姉「でも別におかしな所ないよね姉弟で登校するなんて、なんでいけないの?なんで?」

弟「いや...うん、わかった、ごめんごめん変なこと言って...」

姉「あっ、いや、弟が謝ることじゃないんだよ!?」

姉「でも姉としてやっぱり弟と僅かな時間でもコミュニケーションとりたいの、姉として」

弟「うん、わかった」

姉「じゃあ、行こっか」

弟「おう」

姉(...焦った)

姉(私と一緒に登校したくないのかと...)

姉(でもなんで急にそんなこと言い出したんだろう)

姉(まさか...)

姉「」チラッ

弟「ん?どうした?姉ちゃん」

姉「なんでもないっ///」

弟「...?」

姉(弟に...そんな...女が出来たなんてあるはずないよね///)

弟「...」

弟(最近姉ちゃんに甘いな...俺)

弟(すぐ流されちゃうんだから...)

弟「」スタスタ

姉「」スタスタ

姉(...然り気無く私の歩く速さに合わせてくれてる///)

姉「」チラッ

姉「ふふっ///」

弟「どーしたんだよさっきから」

姉「なーんでもっ♪」

姉(優しい弟...私だけに優しい弟...///)

姉(誰にも渡さない)

「あ、弟くんおはよう」

弟「あっ、おはよう」

姉「」チラッ

姉「...チッ」

姉(女子かよ)

女友「はよはよー、隣に居るのは...」

女友「もしかして彼女ー?」ニヤニヤ

弟「いっ、いや、姉ちゃんだから」

姉「姉です、よろしくね」ニコッ

女友「あ、どうも」ペコッ

女友(...なんだ、彼女かと思った)

女友(姉...か、もし彼女だったら...)

女友(私の手を汚さなきゃいけない所だった...)

姉「...」

姉「お名前...なんというのですか?」

女友「女友と言います」ニコッ

姉(女友...一応監視するか)

姉「女友さん、いつも弟がお世話になってます...仲良くしてくれてありがとうね」ニコッ

弟「...なんか、その言い方恥ずかしい...」

女友「いえいえ、弟くんはとても良い人なのでお世話になんて、そんな...」

弟「あっ、もうそろ学校に着くな」

女友「ほんとだー」

女友「」

女友「じゃあ、弟と私は新館なので...」

女友「ここでさよならですね、先輩」

姉「えぇ、またね弟」

弟「おう、じゃあいくか女友」

女友「うん!」

女友(...いくら姉と言えど女は女、警戒しとかなきゃね)

姉「...」

姉「...弟に...気安く話しかけんな...」ボソッ

姉(しかもなんだ?最後)

姉(始めは『弟くん』って呼んでたのに『弟』に変わってるし)

姉「...」

姉「消したいなぁ」

────

キーンコーンカーンコーン

弟「ふぅー、一時間目から英語は辛いぜ」

男「お前英語苦手だもんなー」ニヤニヤ

弟「お前は得意だから良いだろうな...」

男「てかお前今日もお姉ちゃんと学校来てたな」ニヤニヤ

弟「見てたのか...」

男「相変わらずのシスコンっぷりだな」ニヤニヤ

弟「俺じゃなくて姉ちゃんが...」

男「そういえば今日はもう一人居たな」

男「おんなじクラスの女友だったよなぁ?」ニヤニヤ

男「一体二人は...」

弟「よせよせ、そんな関係じゃねーよ」

弟「はぁ...二時間目は数学か」

男「お前数学も苦手だよな」

弟「うぅ...辛い」



姉「...」

姉(この学校は新館と旧館に分かれてて)

姉(校舎はコの字になってる為)

姉(私の教室から弟の教室が見えるのだ)

姉「...」

姉(男くんと話してるな)

姉(例のあの女は...まだ弟に話し掛けてないな)

姉「...」

姉「...///」

姉(遠くから見ても可愛いなぁ///)

姉(窓側の席で良かった...)

姉「...」ジー



弟「てかさ、そもそも数学なんて生きていくのに必要なくね?」

弟「算数だけで十分だろ」

男「すぐそう言うw」

女友「もぉー、弟ってば...」

弟「ん、なんだよ女友」

女友「弟のお姉さん優秀なんでしょ?ちょっとは見習ったら?」

弟「うぜー、姉ちゃんは姉ちゃん、俺は俺なの」

女友「...」

女友(そう、姉は姉、弟は弟、姉なんかどうだって良いのよ)

女友「」チラッ

女友(旧館から...視線を感じる)

女友(旧館...まさかね)

女友「ねぇ、弟ー、今度さー──」




姉「」ガタンッ

姉「」ギリッ

姉(あの女ぁぁぁ)

姉(弟に話しかけんな弟に話しかけんな弟に話しかけんな)

姉「...ろす」

姉クラスメイト「姉さん、ちょっと委員会の事で──」

姉(タイミング悪いな)

姉「はーい、今行くよ」

姉(私の見てないところで弟に手を出したら...)

姉(殺してやる)

女友(...視線が消えた?)

女友「そういえば弟、私のLINE登録したー?」

弟「あ、ごめんっ、あの紙姉ちゃんがごみと間違えて捨てちゃってさ...」

女友「あらそう」

女友(...姉)

弟「まだ登録出来てないんだ...ごめんね」

女友「いいって、弟が謝ることじゃないよ」

女友(あの女が死んで詫びるべきなのよ)

弟「じゃあ今度また機会があれば交換しようね」

女友「うん!」

女友(はぁ...///格好いいなぁ弟は)

ガラガラ

先生「えー、今日の数学は講義室でやるので移動ねー」

弟「うっ、めんど」

男「だな」

男(さっきの会話黙って聞いてたけど)

男(女友って絶対弟好きだろ)

男(弟と話すときだけ嬉しそうってかテンション高いし...)

男(なんか面白そうだな)ニヤニヤ

女友「じゃあ、移動しよっか弟」

弟「授業に遅れるのもめんどいしな」

───

姉(委員会のせいで目を離してしまった)

姉「」

姉「」

姉「弟の教室に...誰も居ない...?」

姉(──っなんで!?次は数学のはず)

姉(まさか...移動教室!?)

キーンコーンカーンコーン

先生「おら席につけー」

姉「...クソ」

姉(今すぐにでも弟の所に行きたい行きたい)

姉「」ガタンッ

姉「先生...」

姉「ちょっと目眩がして気持ち悪いので...保健室行きたいです」

先生「お、そうか、保健委員ー」

姉「あっ、一人で平気です」

姉「保健委員の人の授業の時間も割きたくないですし」

先生「そうか、偉いな、姉は」

姉「いえいえ...」

ガラガラー

「大丈夫かなー」

「相変わらず優しいなー」

「他人のことを第一に思ってる」

先生「では授業に戻るぞ」

タッタッタッ

姉(なんとか授業を抜け出せた)

姉(私の見えないところで、あの女と弟が一緒になるのはまずいっ!)

姉(どこだ?どこに移動したんだ?)

姉(...落ち着け、考えられる場所があるはず)

姉(そこをしらみ潰しで行けば...)

姉「待っててね」

姉「弟っ///」

タッタッタッ

姉(数学...数学...移動教室...)

姉(あっ!!)

姉(そういえば私が弟の学年だったとき...講義室に移動して...大きなグラフの欄がある黒板で──)

姉(...講義室か!!)

タッタッタッ


弟(グラフって一番嫌いだわ)

弟(なにがY軸だよ、いい加減にしろ)

女友(...ふふっ、移動教室って自由に席座れるから思わず弟の隣に座っちゃった///)

女友(弟の隣は私だけ...)

女友「♪~」



女友「」ビクッ

女友(なっ、なんなの?いまの──)

女友(凄い...悪寒が...)ゾクゾク

女友「...」

女友「...」キョロキョロ

女友(視線を感じる...どこだ?)

先生「こらっ、女友、キョロキョロしない」

女友「す、すいません」

弟(...授業は真面目に受ける女友が注意されるって珍しいな)

女友(どこよ...!どこにいるの!?)




姉(ざんねーん)

姉(まさか天井のダクトに居るなんて)

姉(分からないよね...)

姉(...普通女子は女子で固まって席に座るはず)

姉(なのにわざわざ弟の隣に座るなんて)

姉(やはりあの女、クロだわ)

姉(今すぐ降りて殺したいんだけど...)

姉(それだと色々とまずいしなぁ...)

姉(仕方ないから、見るだけにするか)

姉(...あの女を見なきゃいけないはずなんだけど)

姉(どうしても弟に目がいっちゃうなぁ///)

姉(弟、大好きだよ///)

先生「では弟くん、この場合──」

姉(弟が指されたぁ!)

姉(頑張れっ、弟っ)

弟「...わかりません」

姉(あーん、弟...)

姉(仕方ないからお家で私とお勉強だね///)

女友「弟、その問題こう解くんだよ」

弟「えっ?...あっ、ほんとだ!」

女友「で、ここをこうして、こうすると」

弟「おぉー、すげぇなぁ」

弟「女友ってやっぱり頭良いな」

女友「そんなことないって///」

弟「助かったわ、これで理解したから家に帰って姉ちゃんに教えてもらわなくて済むな」

弟「ありがと」

女友「う、うん///」

女友(...ふふ///褒めてくれたぁ///)

女友(それに、弟と姉のスキンシップを阻止したわ)

女友(ふふっ)

カチャン

女友「」ゾクゾク

女友(なんか今音がしたような...それに視線も)



姉(殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す)

ちょっと飯食ってくる

ただいま

───

ガラガラー

先生「おっ、姉帰って来たか」

姉「ご心配をお掛けしました」ペコ

先生「大丈夫ならそれで良いんだが...無理すんなよ」

姉「はい」

姉友「おーい、大丈夫かー?」

姉「うん、もう平気」

姉(...放課後)

姉(やらなきゃ)

キーンコーンカーンコーン

先生「じゃあここまでなー」

先生「きりーつ、気をつけー、礼」

アリガトウゴザイマシター

姉「...」

姉「」チラッ

姉(まだ教室に戻ってないみたいね)

姉友「姉ちゃーん、いつも窓見てるねー」

姉「そうかな?」

姉「あっ」

姉友「ん?」

姉「なんでもないっ」

姉(弟が戻ってきた///)

姉「はぁ...///」

姉友「なんつー乙女な顔してんだー」

姉「えっ?そう?」

姉友「なになに、窓の外に好きな人でも居るのかー」

姉「えっ?///」

姉友(どれどれ)チラッ

姉友(ちょうど二年生の教室が見えるのね)

姉(弟ぉ///)



弟「はぁー、地獄のような時間だったぜ」

女友(本当に地獄のような時間だったわ)

女友「」

女友(まだ視線感じる...)

姉「...」

姉(あの女さえ消えれば...)

姉(ひとまず安心ね)

姉(邪魔邪魔邪魔邪魔)

姉(弟...///その女、居なくなるから...///)

姉「ふふっ///」

姉(私たち二人だけの生活がまた戻るよ///)

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