光彦「電動自転車じゃないですか!」 (58)

光彦「これ博士が作ったんですか!?」

博士「ふふふ、どうじゃすごいじゃろ!」

コナン「珍しく役に立ちそうじゃねえか!」

元太「なあなあ、電動自転車って何だ?」

歩美「すごーい!歩美乗りたい!」

博士「じゃあ最初に乗りたい人!」

歩美・光彦・元太「「「はい!」」」

コナン(俺も乗ってみたいけど、こいつらに譲ってやるか。)

哀「あら、何だか乗りたそうな顔してるじゃない?」

コナン「ああ、でもあいつらの顔見てたら譲ってやりたくなるんだよ。」

哀「大人ね。」

コナン「お前は乗りたくないのか?」

哀「別に。」

コナン「分かった。乗るより乗られる方が・・・。」

哀「は?何言ってんの?」

コナン「バーロー。」

哀「バーローって言えばいいってもんじゃないのよ。」

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博士「ではジャンケンで決めるのじゃ!」

元太「絶対に負けねえ!」

歩美「私だって!」

光彦「僕はグー出します!」

コナン「光彦の奴、ああ言っといてチョキ出す気だな。」

哀「そんな卑怯なことするかしら。」

コナン「ああ、あいつは大きな目的のために犠牲を出せる奴だ。」

哀「犠牲って友情?」

コナン「そうだ。何かを変えることが出来るのは、何かを捨てることが出来る者だ。」

哀「どこかで聞いたことのある言葉ね。」

コナン「進撃の巨人だ。」

哀「ちょっと、言っちゃダメでしょ。」

コナン「バーロー。それよりさ、紅蓮の弓矢のキー上げたら俺の声に似てると思わねえか?」

哀「バーローって連続で言うもんじゃないわよ。」

光彦「やったー!勝ちました!」

歩美「光彦君ずるーい!」

元太「光彦の野郎!いつかぶっ飛ばしてやる!」

光彦「さて、乗らせてもらいましょうか。大丈夫ですよ、後で変わってあげますから。」

元太「俺は初めてがいいんだ!使用済みなんて嫌なんだよ!」

哀「あなたの言う通りになったわね。」

コナン「そうだな。」

哀「・・・・・・。」

コナン「・・・・・・。」

哀「・・・・・・。」

コナン「バーロー。」

哀「うるさい、次言ったら叩くわよ。」

光彦「さて、じゃあ行きますか。」

光彦「おお、これは!!」

光彦「楽ちんですねー!!」

歩美「楽しそうだね。」

元太「腹立つな。」

歩美「うん。」

コナン「ちょっと待てばいいだけじゃねえか。」

元太「わかってねえな、コナンは。」

コナン「何がだよ。」

元太「使用済み、中古品、そんな物が欲しいか?そんなのより新品だろ?」

コナン「・・・確かに・・・。」

博士「君たち、まさかあれがただの電動自転車だと思っているのではないか?」

コナン「違うのか?」

博士「そうじゃ、わしの発明が普通なわけがなかろう!」

元太「待ってました!」

歩美「どんな機能が付いてるのー!」

元太「ちゃんと光彦が爆散するんだろうな!」

博士「これこれ、わしの発明はそんなマジキチじゃあない。」

哀「違うの?」

博士「当然じゃ。科学者たるもの、常に倫理観を持って研究に取り組むものじゃ。」

コナン「何したんだよ。」

博士「安全装置じゃ。」

コナン「・・・・・・は?」

博士「自転車の前に物があると自動で停止するのじゃ。」

コナン「・・・・・・そうか。」

博士「なんじゃその反応は。」

元太「つまんねえの、光彦が再起不能になるようなもの期待してたのに。」

博士「安全性は重要なことじゃぞ!」

歩美「わかったわかった。」

光彦「あれ、博士、ブレーキはどこですか?」

博士「ブレーキ・・・・・・っは!」

コナン「おい、博士まさか。」

博士「忘れておった。」

元太「ひゃっほーーーう!」

コナン「バカヤロー!何が安全性は重要だ!」

博士「申し訳ない。」

哀「まあまあ、別に止まれないわけじゃないでしょ。安全装置を利用すればいいんだから。」

歩美「光彦くーん!何かにぶつかろうとすれば、安全装置が作動して止まるんだってー!」

光彦「そうでしたか!」

光彦「ではあそこの木に向かって・・・、あれ?」

歩美「次歩美ー!」

コナン「俺にも乗らせてくれよな!」

元太「何だよ、コナンは中古が好きなのかよ。」

光彦「博士ー!博士ー!」

博士「どうした光彦君!」

光彦「何だか、物にぶつかりかける度に、スピードが上がってしまうんですが!」

博士「何っ!」

哀「確かに、さっきよりスピードが上がってるわね。」

博士「まさか安全装置が故障したのか?」

コナン「故障じゃねえよ、そもそも欠陥品だったんだろ。」

哀「早く止めないと!」

歩美「降りたらいいじゃん。」

光彦「確かに、その手がありましたね!」

コナン「ダメだ光彦!」

光彦「どうしてですか!」

コナン「それだと続かねえだろ!」

光彦「続かないって、何がですか!」

コナン「いいから降りるな!」

哀「ちょっと、親切に教えてくれているのに・・・。」

コナン「うるせえ!主人公は俺だ!俺に逆らうな!」

哀「何それ!?もう知らない!勝手にすればいいわ!」

コナン「そうさせてもらうぜ!」

光彦「僕のことで喧嘩しないで下さい!」

元太「勘違いしてんじゃねえぞ、ソバカス野郎。」

コナン「やべえ、そうこうしているうちにスピードが格段に上がっちまった!」

光彦「うわああ!」

コナン「しまった!道路に出ちまった!」

博士「車を出そう!」

コナン「警察にも連絡だ!」

歩美「光彦君、大丈夫かなあ?」

元太「壁にぶつかればいいんじゃねえか?」

光彦「うわあああ!」

昴「おや、あれは・・・。」

光彦「昴さん、危ない!」

昴「え!!!」ドゴオオン!

光彦「ごめんなさーい!」

昴「うおおおおおおお!!!!」

コナン「昴さん!大丈夫!?」

昴「ペダルが・・・向こう脛に・・・。うああああ!!」

コナン(昴さんがこんなになるなんて、何てパワーだ・・・。)

コナン「高木刑事にも連絡しとくか。」

ドガアアアアン!  ドゴーーーン!

光彦「うわあ!止まりませーん!」

由美「そこの自転車!止まりなさい!」

光彦「どうにもならないんですよ!」

由美「全く、自転車のスピード違反取り締まるなんて初めてよ。」

苗子「あれ、そういえばコナン君はよくスケボーとばしまくってません?」

由美「あれは・・・いいのよ。」

苗子「そうですよね。」

佐藤「やっぱり私たちが動くしかないわね。」

高木「でも本当なんですかね、電動自転車が暴走だなんて。」

佐藤「実際に色々な物が壊されているのよ。しかもパワーが増していっているって言うじゃない。」

高木「ははは、そんなにパワーが増しちゃってたら、どう止めたらいいんでしょうか。」

佐藤「大丈夫よ、止めなくてもいいんだから。」

高木「え?」

佐藤「さて、由美に連絡してもらわないと。」

コナン「お前らは博士の家にいろ!」

歩美「何で?コナン君!」

元太「ずるいぞコナン!俺だって光彦の最期を見たいんだぞ!」

コナン「遊びじゃねえんだ!」

哀「そうよ、ここから先は大人に任せなさい。」

歩美「コナン君子供じゃない。」

博士「さあ、行くぞ。」

コナン「ああ。」

博士「子供たちのことは頼んだぞ。」

哀「ええ、任せて。」

歩美「だから子供でしょ?」

元太「お前ら先に大人の階段登ってたんじゃねえのか?」

博士「しかし、よく協力してもらえたのう。」

コナン「まあな、俺の友達がやばいって言ったら、すぐOKしてくれたよ。」

博士「しかし、あのFBIを動かすとはのう。」

コナン「って言っても、ジョディ先生とキャメルさんだけだけどな。」

博士「・・・よし、着いたぞ。」

コナン「ここで待ち合わせのはずだが・・・、いたいた。」

ジョディ「コナン君、待った?」

コナン「ううん全然、今来たところ。」

ジョディ「それじゃあ、行きましょうか。」

コナン「うん。」

博士「それでは光彦君のこと、よろしくお願いします。」

ジョディ「はい、必ず助けます。」

コナン「さあ、急ごう!」

ジョディ「ええ!」

キャメル「やあ、コナン君、早く乗って。」

コナン「うん!あれ、後部座席にあるこの袋は何?」

キャメル「ああ、これはスペアタイヤだよ。今回はどうやら危ない事件らしいからね。」

ジョディ「おしゃべりしてる時間は無いわ。早く行くわよ!」

キャメル「はい!」

ジョディ「それで、一体どういうことなの?」

コナン「うん、実はね・・・・・・ということなんだ。」

ジョディ「何それ!?」

キャメル「じゃあ今も光彦君は走り回ってるってことかい?」

コナン「うん。しかもかなりのスピードだから、止める手段が無いんだ。」

ジョディ「何か衝撃を吸収できるような物は無いの?」

コナン「そんな物、軽く吹っ飛ばしちゃうよ。」

キャメル「じゃあ、走り回らせてバッテリーが切れるのを待てばいいんじゃ・・・。」

コナン「今日初めて使ったばかりだから、まだまだバッテリーは残ってるよ。」

ジョディ「そう・・・。」

コナン「あっ・・・、電話だ。」

コナン「もしもし?」

高木「ああ、コナン君?」

コナン「高木刑事!何か情報!?」

高木「ああ、今神奈川県警と協力してね、光彦君を海へと誘導してるんだ。」

コナン「海・・・なるほど!」

ジョディ「確かに、水中なら水の抵抗もあるから安全に降りられて、なおかつ自転車はそのまま沈んで被害も抑えられる。」

キャメル「流石だ!」

コナン(これで安心だ。)

コナン「ありがとう!高木刑事!」

高木「お礼なら、由美さんに言ってくれよ、上層部を通してからじゃあ遅いからって、由美さんに頼んで電話しまくってもらったんだ。」

コナン「うん、わかった!」

コナン「ふう、これで一安心だ。」

キャメル「僕のドライビングテクニックが見せられなくて残念だよ。」

コナン「ははは、見たかったなー。」

???「行け、キャメル。」

キャメル「え?」

???「行くんだ。」

ジョディ「ちょっと!どうしてここに!?」

キャメル「赤井しゃん?」

赤井「早く行けと言っているんだ。何度も言わせるな。」

ジョディ「ちょっと、何で乗ってるのよ。」

赤井「ジョディ、俺は乗るより乗られる方が好きだ。」

コナン「どうして赤井さんがここに?」

赤井「ああ、あの少年には因縁があるんだ。」

ジョディ「因縁?」

赤井「急げキャメル、早くしろ早く。」

キャメル「そう言われても、どこに行けばいいのか。」

赤井「問題無い。先程警視庁のコンピュータをハッキングし、誘導経路が判明したところだ。」

コナン「そこで光彦を・・・。」

赤井「ああ、必ず仕留める。」

ジョディ「ちょっと、仕留めるって何?」

赤井「自転車のことだ、気にするな。」

キャメル「やはり、私のドライビングテクニックが役に立つんですね、赤井さん!」

赤井「ああ、派手に暴れてやれ。」

キャメル「うおおおお!」

光彦「・・・・・・はあ、いつまで続くんでしょうか。」

光彦「結構速く走ってるはずなんですが、まだ着きませんね。」

光彦「ようやく、扱いにも慣れてきたところです。ここでまたスピードが上がったりしたら、もう無理ですね。」

ミツヒコー!

光彦「こっ、この声は!?」

ミツヒコー!

光彦「後ろの方からです!」

コナン「光彦ー!」

光彦「コナン君!」

赤井「キャメル、このまま真横につけておけ。」

キャメル「了解!」

赤井「さあ、借りは返させてもらうぞ。」

光彦「誰ですか!あなたのこと知りませんよ!」

赤井「少し黙っていろ。手元がぶれる。」

光彦「それまさか拳銃ですか!?やめてください!」

赤井「おい!動くな!自転車が!」

光彦「しまった!」

コナン「やべえ!加速してる!」

赤井「うわあああああ!!!」

キャメル「ぬおおおおお!」

赤井「・・・・・・。」

コナン「・・・・・・。」

赤井「すまん。」

キャメル「まさかタイヤをやられるとは・・・。」

ジョディ「予想以上のパワーだったわ。」

キャメル「すぐにスペアタイヤに換えて後を追いましょう。」

赤井「それは不可能だ。」

キャメル「どうしてですか?」

赤井「俺が乗るために降ろした。」

ジョディ「・・・・・・。」

赤井「すまん。」

コナン「さて、どうやって向かうか・・・。」

横溝「おい!お前探偵のとこの坊主か!?」

コナン「横溝警部!」

横溝「何でお前がここにいるんだ!」

コナン「自転車で暴走してるの、僕の友達なんだ。だから・・・。」

横溝「・・・乗れ。」

コナン「え?」

横溝「いいから乗れ。友達の所に行きたいんだろ?」

コナン「うん!」

横溝「あっ、お前らはそこにいろよ。色々聞かせてもらうからな。」

キャメル「はい。」

ジョディ「はい・・・ってシュウは?」

キャメル「あれ、本当だ。」

赤井(悪いが俺は先に帰らせてもらう。カレーを作らねばならんのでな。)

ジョディ(シュウ、覚えてなさいよ。)

横溝「おい、わかってんのか?」

ジョディ「はいはい!」

コナン「横溝警部、早く。」

横溝「ああ、そうだな。」

キャメル「・・・結局何もできなかったか。」

ジョディ「そんなことないわよ。たぶんね。」

光彦「はあ・・・はあ・・・。」

光彦「やっと着きました!海です!」

光彦「後はここに飛び込むだけです!」

佐藤「ついに終わるわ・・・。」

高木「でも、さっきまたスピード上がったらしいですよ。」

佐藤「あら、そうなの?」

高木「もしかして、水の上を走っていっちゃったりしてー。」

佐藤「もうー、そんなわけないでしょー。」

高木「ですよねー。」

光彦「うわああああ!」

バシャーーン!

高木「・・・・・・。」

佐藤「・・・・・・あれ?」

高木「走りましたね、水の上。」

佐藤「そうね。」

コナン「・・・・・・ねえ、光彦は?」

高木「あ、コナン君、えっとねえ。」

佐藤「走って行っちゃった。」

コナン「・・・どういうこと。」

佐藤「それぐらい速かったってこと。」

コナン「でも水上だったらいずれ・・・。」

佐藤「ええ、いずれ沈むわね。」

コナン「それまでに進む距離は、かなりのものだよね。」

佐藤「ええ。」

コナン「どうするの?」

佐藤「・・・・・・。」

コナン「沈んじゃったら、海流に飲まれて、探すのも難しくなるよ。」

佐藤「わかってる。」

コナン「じゃあなんとかしてよ!警察でしょ!」

佐藤「しょうがないじゃない!みんなこれで終わりだと思ってたんだから!」

高木「佐藤さん!」

コナン「光彦・・・一体どうすれば・・・。」

コナン「博士に電話しよう。」

コナン「もしもし博士?」

博士「おお、コナン君!どうじゃった!」

コナン「バーーーローーって呼ばないってことは、あいつらまだそこにいるんだな。」

博士「ああ、二人とも光彦君が心配なんじゃよ。」

コナン「そうか、そうだよな・・・。」

博士「どうした?」

コナン「いや、実はな、光彦・・・助からねえかも。」

博士「・・・どういうことじゃ。」

コナン「スピード上がりすぎて海の上走ってんだ。いつ沈んでもおかしくはない。そして沈んだら・・・。」

博士「縁起でもないことを言うでない。」

歩美「ねえ博士、もしかして電話の相手コナン君?」

博士「えっ、ああ。」

元太「じゃあ光彦はどうなったのか教えてくれよ。」

博士「いや、それがその・・・。」

元太「もうくたばる寸前ってか?」

博士「あっ、いや・・・。」

哀「まさか、本当に?」

博士「・・・ああ。」

歩美「うえーーーん!!」

元太「ふぉーーーーー!!」

哀「そんな、いや、私の周りの人が・・・、嫌ーーーー!!」

博士「待て、まだそう決まったわけではない。ただ状況が絶望的というだけじゃ。」

元太「結果は同じだろ!」

哀「まだ、助かる可能性は残されているのね?」

博士「ああ。」

哀「私に考えがある。電話代わって。」

哀「もしもし?」

コナン「灰原・・・。」

哀「聞いたわ、円谷君のこと。もうだめだって。」

コナン「まだ決まったわけじゃねえ!」

哀「そうね。私もそう思う。そしてこの状況を打開できる手がある。」

コナン「何だ?」

哀「安価よ。」

コナン「安価だと?お前ふざけてんのか!」

哀「ふざけてないわ、大真面目よ!」

コナン「安価して、『光彦が助かる』だなんて誰が言うんだよ!」

哀「それしか方法は無いの!」

コナン「そんな万に一つとねえ確率に賭けられるかよ!」

哀「じゃあどうしろっていうのよ!何にすがればいいのよ!」

コナン「それは・・・分からない。」

哀「私たちにはどうにもできないの!だから!」

コナン「安価で光彦の命を弄んでいいと思ってんのか!」

哀「もう嫌、こうしている間にも、時間は経っている。早くしないと!」

コナン「灰原!」

哀「円谷君の運命は>>44!」

このレスのコンマがゾロ目なら光彦は助かる




わけがない

しばらくしてから、光彦の遺体が見つかった。

コナン(みんな大丈夫かな。)

歩美「コナン君おはよう!」

コナン「え!?」

歩美「どうしたの?」

コナン「いや、なんだか元気だね。」

歩美「歩美はいつも元気だよ!」

コナン「そ、そう?」

元太「うな重。」

コナン「何だよ元太、朝っぱらから食い意地張ってんな!」

元太「うな重。」

コナン「?」

歩美「コナン君、何元太君に話しかけてるの?」

コナン「え、だって。」

歩美「元太君と意思の疎通なんてできるわけないのよ。」

コナン「え、え?」

歩美「どうしたの、コナン君?」

元太「うな重?」

コナン「うわああああああ!!」

歩美「どこ行くのー?」

元太「うな重ー!」

コナン「博士!歩美と元太が!」

博士「おお、よく来たな!ほれ、また新しい発明じゃよ!」

コナン「今はそれどころじゃ・・・。」

博士「光彦君が床を舐めたくなるスイッチじゃ!」

コナン「何言ってんだ博士!それはただの爪切りだろ!」

哀「無駄よ。」

コナン「灰原!どういうことだ!」

哀「博士は壊れてしまったの。」

コナン「壊れた?」

哀「ええ、息子同然にかわいがっていた光彦君が消えてしまって、博士の精神は崩壊したの。」

哀「博士だけじゃないわ。吉田さんも光彦君のことをゴミと思って存在を認めていない。」

哀「小嶋君に関しては、知能が低下してしまっているわ。」

コナン「それで、今朝のあいつらの様子が変だったのか。」

コナン「早くなんとかしねえと!」

哀「やめましょう。」

コナン「は?」

哀「別にいいじゃない、現実逃避したって。」

コナン「どんな現実でもな、前向いて歩いていかなくちゃならねえんだよ!」

哀「それはあなたのように強い人間だからできることなのよ。」

哀「人間は弱いの、嫌な現実から目を背けて、それで心が安定するならいいじゃない。」

コナン「何言ってんだ?」

哀「もし私が安価なんてしなかったら・・・。」

コナン「?」

哀「もし私が安価なんてしなかったら、円谷君は助かったかもしれない。」

コナン「いや、あれはどう対処していいかわからなかったし、安価で結果が決まったとは言い切れねえだろ。」

哀「そもそも、44なんて不吉な番号にしたから・・・。」

コナン「考えすぎだって。」

哀「もういや・・・。」

コナン「おい、しっかりしろ。」

哀「・・・・・・。」

コナン「灰原?」

哀「大丈夫よ。」

哀「私ね、薬を作ったの。落ち着ける薬。」

コナン「精神安定剤か?」

哀「気分もすごくいいの。」

コナン「もしかしてヤバいやつなんじゃ。」

哀「うふふ、私ねあのそばかす、死んで正解だったと思うの。」

コナン「おい!ふざけんな!」

哀「あら、あなたもそうでしょう?」

コナン「友達にそんな感情抱かねえよ!」

哀「友達?あのクズが?あはは!」

コナン「何だ?どうした?」

哀「そうだ、工藤君にこの薬あげるわ。」

コナン「薬って、注射じゃねえか。やめろよ、おい!」

哀「大人しくしなさい。」プスッ

コナン「うわーーーーーー!!!」

哀「・・・・・・どう?」

コナン「・・・ああ、最高の気分だ。早く光彦をいじめたいぜ。」

哀「そういえばさっき博士が、何か言ってなかった?」

コナン「そういえば、新しい発明品を作ったっていったっけな。」

哀「楽しみだわ。」

コナン「博士、早速使わせてくれよ。」

博士「くれぐれも悪用するでないぞー。」

コナン「わかってるよ。」

哀「あら、噂をすれば・・・。」

光彦「コナン君、どうしたんですか、途中で引き返して。」

コナン「・・・・・・。」

歩美「コナン君、どうしたの、途中で引き返して。」

コナン「いや、何でもないんだ。」

元太「うな重。」

コナン(さて、学校に行ったらすぐにスイッチを押してみるか。)

哀「うふふ。」

光彦「どうしました。」

哀「なんでもないわよ。」

コナン(笑いが止まらねえよ、ヒャヒャヒャ!)

ハッハッハッハッハッハッハッハ





幻覚だっていい、マジキチだっていい、そこは間違いなく光彦が存在している世界なのだから。



おしまい

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