池袋晶葉「世のため人のため雪美のためペロのため」 (42)



前作
池袋晶葉「世のため人のため雪美のため」




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―――――プロダクション内・晶葉ラボ―――――


池袋晶葉「もしもし、ああ、私だ。完成したぞ」

晶葉「ああ……、確かに。だが、もう一度確認するが……」

晶葉「棚を10個と机を10個でいいんだな? ホントに? 聞き間違いではなく?」

晶葉「まあ、それでいいならいいんだが……。いったいどういう意味が……?」

晶葉「ああ、ちひろに……。またプレゼント……ということか? ……なるほど、祭壇を作るのか」

晶葉「……」

晶葉「祭壇!?」

晶葉「い、いや、まあいいさ、時間が空いたら取りに来てくれ」

晶葉「では切るぞ……ああ、気にするな……お疲れ様」
ガチャ

晶葉「???」



晶葉「まあいいか……」

晶葉「さて、少し休憩でも……」

ガチャ

晶葉「? 誰だ? 入るならノックくらい……」チラッ

晶葉「って、誰もいない……?」

晶葉「……オカルトの類は専門外なんだが」

ニャー

晶葉「え?」

ペロ「にゃー」

晶葉「おおう!?」ビクゥ

ペロ「にゃー……」

晶葉「な、なんだ、ペロだったのか、驚かせないでくれ……」

ペロ「……」フッ

晶葉「鼻で笑わなかったか!?」



晶葉「今日は雪美は一緒じゃないのか?」

晶葉「……なんて、猫に聞いても仕方が」

「ここに……いるよ……?」

晶葉「!?!?」

「気づいて……ないの……?」

晶葉「え!? まさか、もう室内に!?」キョロキョロ

佐城雪美「こんにちは……」ガチャ トコトコ

晶葉「普通にドアの前にいただけか!!! なんでちょっと意味深なセリフを言ったんだ!!!」



雪美「晶葉に……相談したい……」

晶葉「私に? どうかしたのか」

雪美「この子の……ことで……」

ペロ「にゃー」

晶葉「ほう ……動物はあまり詳しくはないが」

雪美「晶葉は……ペロの言葉、わかる……?」

晶葉「いや……、すまないが、よくわからないな。雪美はわかるんだったか」

雪美「愚問」

晶葉「どうした」



雪美「みんな……ペロの言葉……わからないって……」

晶葉「それは、まあ、仕方ないんじゃないか?」

雪美「でも……わかれば……もっとみんな……ペロと仲良くできる……」

晶葉「なるほど……」

雪美「だから……翻訳機、作ってほしい……」

晶葉「ええ……!?」



晶葉「いや、作るも何も、そもそも私が理解できてないんだから……」

雪美「大丈夫……、名前は決まってる……!」

晶葉「は?」

雪美「“ペロリンガル”……!」

晶葉「見切り発車もいいとこじゃないか」



雪美「どうしても……無理……?」シュン

晶葉「う……」

雪美「むーりぃー……?」

晶葉「他人の台詞を取るのはよくない」

雪美「ボンバー……!」

晶葉「よりによって!?」



晶葉「それじゃあ、こういうのはどうだ?」

雪美「?」

晶葉「ペロの首に、小型のマイクとスピーカーを着けておく。それで、別室で雪美は待機をして、スピーカーから副音声のように通訳を流すんだ」

雪美「おお……! 作れる……?」

晶葉「もちろん! マイクとスピーカーくらいなら、明日にでもできるぞ」

晶葉「ただ、カメラをつける余裕はないから、ペロが誰と話しているかは、声を聴いて判断するしかないな」

雪美「大丈夫……!」

晶葉「そうか。 あ、せっかくだから、声色を変えるか? 雪美の声がそのままペロから出るのもよくないだろう」

雪美「それなら……あの人みたいな声が……いい……」

晶葉「お? 誰だ?」

雪美「子安」

晶葉「子安」



雪美「ふふっ、サジョーク……ね」

晶葉「ジョークで心臓が止まりかけたのは初めてだ」

雪美「本当は……」

晶葉「本当は?」

雪美「銀河万丈」

晶葉「銀河万丈」



雪美「ふふっ、サジ」
晶葉「もういい!!!」


雪美「じゃあ……また明日……ね」

晶葉「ああ、気をつけてな」

ペロ「にゃー」

晶葉「お? 今のは“頑張って”とでも言ってくれたのかな?」フフッ

雪美「ペロ……! そんなこと……言っちゃダメ……!!!」

晶葉「なんて言ったんだ!?」

雪美「じゃあね……」トコトコ

晶葉「モヤモヤする!!!」



―――――翌日・ラボ―――――


晶葉「というわけで完成したぞ!」

雪美「わー……」パチパチ

ペロ「にゃー」

晶葉「これを首輪に……つけて……っと」

晶葉「雪美、そこのマイクで、何か喋ってみてくれないか?」

雪美「……」コクン

雪美「%〇★▽&#Χ◇」

晶葉「日本語で頼む」



雪美「……ボディーブロー」

ペロ『ボディーブロー』

晶葉「成功したけどワードチョイス」

雪美「……すごい……!」

晶葉「声は、当たり障りのない感じにしておいた。あと、“……”みたいな空白はなるべく消すように設定してあるぞ」

晶葉「次は、ペロの声に合わせて、ペロがなんと言ってるのかをマイクに言ってくれ」

雪美「……」コクン

晶葉「ペロ、調子はどうだ? 首輪は重くないか?」

ペロ「にゃー『造作もない』」

晶葉「成功したけどホントに言ってるのか!?」



雪美「完璧……!!!」

晶葉「……まあ、雪美がいいならいいんだが」

雪美「じゃあペロ……いってらっしゃい……」

ペロ「にゃー」トコトコ

晶葉(不安しかないな……)



晶葉「さて、じゃあ、ペロのマイクが誰かの声を拾うまで待つか」

雪美「うん……」


~数分後~

「わあ!ペロちゃんですっ」

「本当だ!かわいいね~!」

「珍しいね、一緒に雪美がいないなんて」

雪美「!」

晶葉「この声は……、キャンディーアイランドの3人か」



双葉杏「はぐれたのかな」

三村かな子「そうなのかな~?」ヨシヨシ

ペロ「にゃー『自分の意志だから大丈夫』」

杏「!?」

緒方智絵里「わ!黒猫!不吉!」

杏「今さら!?」

かな子「いい毛並みだね~」ヨシヨシ

杏「なんで喋ったことにはノータッチなの!?」



智絵里「ペロちゃんを馬鹿にしちゃダメだよっ!」

杏「智絵里ちゃん、5秒前くらいの自分の台詞も覚えてないの?」

かな子「ペロちゃんだって喋りたくなる気分の日もあるよね?」

杏「そんな感情論じゃ納得できないんだけど」

ペロ「にゃー『かな子ちゃん、最近、お腹回りが[ピーー]てきたんじゃない?』」

杏「おいペロ!!!」



晶葉「おい雪美!!!」



かな子「……」

杏「か、かな子ちゃん? 猫の言うことだし……」

かな子「……大丈夫だよ~。ところで2人共、今夜は猫鍋とかどうかな……?」

杏「かな子ちゃん!!!」

智絵里「クックパッドで調べてみるねっ!」

杏「智絵里ちゃん!!!」



晶葉「なんかピンチになってるじゃないか!」

雪美「大丈夫……杏なら……どうにかしてくれる……」

晶葉「杏の負担を増やすのはやめてやれ!!!」



杏「ほら、ペロ! 早く逃げて!」

ペロ「にゃー『ここから無事に逃げられたら、祝杯をあげよう』」

杏「フラグ立ててる場合じゃないだろ!? どっか行けよ!!!」

ペロ「にゃー『君の犠牲は忘れないよ』」タッタッタッ

杏「最後まで腹立つなあ!!!」



晶葉「……何とか脱したか」

雪美「上々の……滑り出し……」

晶葉「アイドルにケンカを売るための発明ではないからな?」

雪美「次の……ぎせ……アイドルは……誰……?」

晶葉「犠牲者って言いかけたな?」



~数分後~

「フンフンフフーン♪フレデリカ~♪」

雪美「? 誰?」

晶葉「名乗ってただろ!?」


陽炎「わらしべ長者してみる」
陽炎「わらしべ長者してみる」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1461319614/)


56 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/23(土) 00:06:17.33 ID:2vN2clFz0
メモで書いてるから55までレスきてるとは思ってもみなかったwwwww
はえーよw

提督「ほら、間宮券だ」

陽炎「しーれーいーかーん?」

提督「何だよ、高価なもんだろ?」

陽炎「確かに高価だけどさぁ~……あーもういいや、今日は疲れちゃったから間宮さんのところで甘味食べて寝るよ」

提督「おうそうしろ……ところで陽炎?」

陽炎「なに?」

提督「来週にはたくさん間宮が手に入るかもしれんぞ?」

陽炎「……はぁ?それってどゆこと?」

提督「明日には説明するよ。ほら、今日はお疲れさんってことだ」

陽炎「全く意味わかんないけど……はーい」



提督「……あいつなら、あの3人を止められるかもしれないな」

提督「……人間性を捧げよ……か、あいつらは果たして救えるのか……」

提督「大丈夫だろうな、さてと、執務を終わらせるその前に磯風のところに見舞いに行くかな……」


みなさまお疲れ様でした。


よろしかったらこちらも書いてますのでぜひ参加してください

陽炎「ダークソウル3?」提督「陽炎型は強制参加な」
陽炎「ダークソウル3?」提督「陽炎型は強制参加な」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1460706468/)

html出してきます




宮本フレデリカ「わお! ペロちゃん! こんにちは!」

ペロ「にゃー『元気?』」

フレデリカ「うん! 元気元気! 今ならフランスまで泳いで行けそー☆」

ペロ「にゃー『今日はお仕事?』」

フレデリカ「違うよー! 今日はレッスン! もう終わったけどねー」

ペロ「にゃー『お疲れ様』」

フレデリカ「そっちこそおつかれー♪」

ペロ「にゃー『じゃあね』」トコトコ

フレデリカ「まったねー!」フリフリ



晶葉「なんで!!!アイツは!!!疑問を持たずに!!!会話できるんだ!!!」



雪美「フレデリカは……もともと……ペロとよくしゃべってる……」

晶葉「何者なんだ……」

雪美「でもこれ……楽しい……」キラキラ

晶葉「発明者冥利に尽きるが、ウソは言ってないだろうな?」

雪美「想像に……おまかせ……」

晶葉「もちろんと言い切ってほしかった……」



~数分後~

晶葉「……さっきから誰とも会わないな」

雪美「そういうことも……ある……」

晶葉「まあ、そうだな」


~そのころのペロ~

ペロ「……」

美城常務「……」



ペロ「……」

常務(……撫でたい)

常務(いや、早まるな、ここで猫にデレデレな姿を誰かに見られてみろ)

常務(築き上げてきたクールなイメージ(?)が台無しだ)

常務(いや、抱き上げて、誰かに見られたら「佐城の元へ返そうと思って持ち上げた」で通るのでは?)

常務(我ながら至高のプラン……。成功は私が保証しよう)

常務(いや待て、その場合、ニヤニヤすることも許されないのか……!)

常務(ぐぬぬ……)

常務「どうすればいいんだ!!!」



晶葉&雪美「!?」ビクゥ



晶葉「い、今の声、常務か!?」

雪美「ペロは……無反応……」

晶葉「……ペロが常務を観察してるのか!?」



ペロ「……」タッタッタッ

常務「あっ……」



晶葉「今の“あっ……”は、相当ショックを受けてる声だったな」

雪美「常務……面白い……」

晶葉「本人は大マジメなんだろう……」



雪美「今日は……このくらいに……」

晶葉「そうだな、結局、ロクなこと言ってなかった気がするが」

雪美「でも……楽しかった……」

晶葉「そ、そうか」

雪美「晶葉……なんだかんだ……付き合ってくれる……」

晶葉「ほ、褒めてもなにも出ないぞ?」

雪美「ヒマなの……?」

晶葉「貶す流れだったのか!?」



雪美「明日は……朝の5時に……集合……」

晶葉「理不尽なスケジュールを捻じ込むな!!!」



おわり




過去作


橘ありす「ツッコミアイドルフレデリカ?」

神谷奈緒「今日も常務は憎めない」

島村卯月「第2回!水曜日の346プロ!」

智絵里「朋さんとの」ほたる「ユニット名」


などもよろしくお願いします


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