瞬「美闘士(アイドル)?」 (27)
――――神話の時代より女神アテナに仕え、この世の邪悪と戦う戦士たちがいた
その名は聖闘士(セイント)!!
彼らは天空に輝く88の星座を守護としてそれを模した鎧、聖衣(クロス)に身を包み、アテナのために戦うのだ!!
それは時に海皇ポセイドン率いる海闘士(マリーン)
冥王ハーデス率いる冥闘士(スペクター)
数々の死闘を乗り越え、多大な犠牲を払いながらもついに少年たちは神を打倒する。
地上に訪れる一時の平穏・・・
しかしそれは新たなる戦いのインターバルに過ぎなかった!!
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ギリシア 聖域(サンクチュアリ)
瞬「みんなの力を合わせてハーデスを打倒し、グレイテスト・エクリプスは食い止められた」
瞬「・・・だけど、ハーデスの最後の悪あがきで星矢は・・・」
瞬「沙織お嬢さんはずっと星矢に付きっきりで看病している。沙織さんだって疲れ切っているのに・・・」
瞬「紫龍と氷河は十二宮の復興で忙しい。兄さんはまたどこかに行ったきり連絡が取れない・・・」
――――正直、黄金聖闘士を欠いた今の聖域は非常に危うい位置に立たされている。
いくら小宇宙(コスモ)を限界まで極めたといっても、僕たちは二十歳にも満たない子供、聖域の管理を殆ど少年で構成されている青銅聖闘士で担うのは限界がある。
瞬「魔鈴さんやシャイナさん、ジュネさんも頑張ってくれてるけどそろそろ限界かな」
こんな時に敵に襲われたら大変だ。なんとしてでも聖域を守らなくちゃ
瞬「ここを周れば今日の巡回は……!!」
星雲鎖(ネビュラチェーン)が反応している・・・!?
まさか、侵入者!?
白羊宮 門前
「ここが噂に名高い十二宮・・・、さすがにここからは歩いていくしかないにゃ」
「ねー、みくちゃん。ぱぱっとテレポーテーションできないのー?」
みく「みりあちゃん、この先はかのアテナと黄金聖闘士の小宇宙でみたされてるにゃ」
みく「流石のみくもテレポーテーションしようとしても弾かれてしまうにゃ」
みりあ「へー、すごいんだね! アテナって!」
みく「仮にもあのお方と同じオリンポス十二神の一人、このぐらいは当然――――」
瞬「そこにいるのは誰だ!!」
みく「・・・勘の鋭いのがいるみたいにゃ」
瞬「お、女の子・・・!?」
みく「いきなりアンドロメダに会えるとは幸運だにゃ」
みりあ「じゃあこの人がハーデスの?」
みく「そういうこと。みりあちゃんはさがってるにゃ」
瞬「あの、君たちは一体・・・?」
みく「これから死ぬ奴に名乗る必要はないにゃ!!」
ゴォオッ!
瞬「!? な、なにい!? まさかこれは・・・!」
――――小宇宙!?
瞬(確かに彼女から発せられているのは小宇宙。だけど・・・)
聖闘士が発するものとは何か違う、それこそ海闘士や冥闘士のものとも違う。
瞬「まるで陽光を浴びた薫風のような爽やかな小宇宙・・・!」
みく「くらうにゃ!」
両手を虎拳にした彼女が構える
それと同時に一気に小宇宙が高まり――――!
みく「アイルーリス・ピュグメー!!」
バァアアアアアアン!!
瞬「う、うわあああああ!!」
な、なんという速い突きだ!
この速さ、並みの白銀聖闘士を上回る!
みく「まだまだ行くにゃ!」
みく「アイルーリス・ピュグメー!!」
瞬「くっ・・・!」
みく「どうしたアンドロメダ! なぜ抵抗しないにゃ!」
みく「まさかみくが女の子だから手をだせないの!?」
瞬「う・・・! た、確かに、女性に手を挙げるのは気が引ける・・・!」
みく「なめるにゃ! だったらこのまま死ぬにゃ!」
みく「アイルーリス・ピュグメー!!」
瞬「・・・!!」
ガキィイイイイイン!
瞬「・・・」
みく「み、みくの攻撃が防がれた・・・?」
瞬「このスクエアとサークルの二つの鎖はありとあらゆる攻撃を自動で防ぐ・・・!」
瞬「悪いけど、話を聞かせてもらうよ!」
ゴォオ!
みく「!」
バリッ!
みく「うにゃ!?」
みりあ「みくちゃん!?」
瞬「一万ボルトの電流・・・だけど、かなり甘く設定したから命に別状はないよ」
みく「ぐ、ぐぐ・・・! さすがはアンドロメダ・・・! その真の実力は青銅中最強と言われるだけはあるにゃ・・・!」
瞬「降伏してください、これ以上あなたを傷つけたくはない・・・」
みく「やさしいんだね! だけど、こっちもまだ本気じゃないよ!」
みく「来るにゃ! 美衣(ケストス)!!」
カッ!!
瞬「う・・・! これは・・・!?」
瞬「聖衣・・・!? いや、鱗衣とも冥衣とも違う!」
美と優雅さを兼ね備えた純白の鎧・・・!
みく「パイディアーの美闘士(アイドル)、みくがお相手するにゃ!」
瞬「美闘士(アイドル)?」
みりあ「やっちゃえー! みくちゃん!」
一方、地上は新たなる危機に直面していた!!
男A「346の限定チケット! 先着一万名です!」
男B「みなさんジャンジャンCD買って下さい!」
「わあああああああああああ!」
「くれ! 俺にもくれ!」
「握手券も買うぞぉおおおおお!」
ちひろ「はーい! ありがとうございます♪」
ちひろ「みなさんの応援で我が346プロのアイドルたちももっと頑張っちゃいます♪」
ちひろ「あ、おすすめのプランはこちらになりまーす!」
--
シャイナ「どういうことだ・・・!? 世の男どもがみなアイドルに夢中になり始めた・・・!」
魔鈴「シャイナ、あんたはまともみたいね」
シャイナ「魔鈴!! まともって・・・まさか!?」
魔鈴「・・・そのまさかよ」
邪武「メーデーメーデーメーデー! メメメメーデー! メーデー!」
市「ニナチャーンかわいいざんす!」
那智「カモーン! イケナイオオカミ!」
ジャキィイイイイン!
蛮「おお、狼星座の聖衣に棟方の意匠か・・・! 完成度たけーなおい」
アノネー、オミズクミニイッタラー、クマサントー、アッタヨー
檄「こずええええええええええ!」
シャイナ「なにやってんだあの馬鹿どもはぁああああああ!?」
魔鈴「どうやら世界中をおかしな小宇宙が包んでいる・・・、一定の基準を超えない者は影響されちまうみたいね」
シャイナ「・・・そんなことができる奴は限られてるわね・・・」
――――神
みく「われらは美闘士(アイドル)! 女神アフロディーテに仕える愛と美の戦士!!」
瞬「アフロディーテ・・・!?」
ンッフ! キミガコウゲキシタノハ、ハナガスミノナカノゲンエイニスギナイ
みく「違う! そっちじゃないにゃ! モノホンの神様のほうにゃ!」
みく「ハーデスもポセイドンもいなくなった今、地上を支配するのは我等が女神ちひ・・・アフロディーテ様こそふさわしいにゃ!」
みく「この世界はち・・・アフロディーテ様の愛で満たされ、人間たちは永遠にアフロディーテ様に奉仕しつづけるにゃ!」
瞬「バカな、そんなことをアテナが、沙織さんが許すわけ・・・」
瞬「・・・まさか」
みく「くっくっく! そう! みくたちの狙いはアテナ! そして邪魔者の聖闘士の抹殺にゃ!」
みく「幸いにも神殺しのペガサスは再起不能! またとないチャンスにゃ!」
瞬「させない! やっと掴んだ地上の平和を壊させてたまるか!」
みく「できるものならやってみるにゃ!」
みく「アイルーリス・ピュグ」
瞬「遅い!!」
――――サンダーウェーブ!!
ズバァアアアアアアア!!
みく「ぐわああああああ!」車田飛び
ずしゃあああああああ!!
みく「」車田落ち
瞬「女の子を傷つけたくはなかったけど・・・! 地上の平和を守るためなら、僕は容赦しない!」
みりあ「へー、みくちゃんを倒しちゃうなんてすごいね!」
瞬「!」
みりあ「私はエウダイモニアーのみりあだよ! よろしくねお兄ちゃん!」
瞬「君も、僕と戦うのかい?」
みりあ「ううん、カリス級のみくちゃんを瞬殺しちゃうあなたと真正面から戦うつもりはないよ?」
みりあ「みりあたちはねー、………おとり♪」
瞬「なんだって・・・!」
みりあ「はやくしないとまにあわないよー、だいぶ消耗してるんだよね? アテナさん」
瞬「まさか!」
沙織さんが危ない!
ダッ!!
みりあ「だいぶ時間はかせげたね」
みりあ「みくちゃん? だいじょうぶ?」ユサユサ
みく「う、うう・・・」
みりあ「わー! よかった! みくちゃんじょうぶー♪」
みく「あ、あいつ・・・わざと手加減したにゃ・・・。それにまだなにかかくして・・・」
みりあ「うん、やっぱり神様を倒しただけはあるよね」
みく「でも・・・あんな甘い子じゃあの三人にはかてないにゃ」
みく「346三美神、カリテスのニュージェネレーションには・・・」
以上
突発的に書きたくなった。
今日も女神ちひろに布施をしなくては・・・(ガチャガチャ
聖域 郊外
沙織「見て、星矢……今日も良い天気です」
星矢「」
沙織「……」
沙織「まだ……起きてはくれないのですね」
沙織「今思えば、百人の子の中で一番私を嫌っていた貴方が私と一緒に暮らしてるだなんて、あの頃に比べれば考えられなかった」
沙織「・・・もし、アテナという運命がなければ、私は、貴方の事を」
ふーん、その人のことが好きなんだ?
沙織「! 誰ですか?」
「女神アフロディーテ様直属、三美神が一人」
「タレイアの凛」
沙織「アフロディーテの?」
凛「アフロディーテ様の命によりアテナ、貴女を迎えにきたよ」
沙織「あの奔放を絵にかいたような方が私に何の用ですか?」
凛「それも含めて、我が聖域・・・キュプロスの346プロダクションに来てくれれば全部説明するけど」
沙織「・・・もし、断ると言ったら、どうしますか?」
凛「・・・悪いけど、貴女に拒否権はないよ」
凛「ペガサスの命と引き換えにしてでも来てもらうから」
沙織「! 星矢には手を出さないで!」
ゴォオオッ
凛「――――ッ! 弱ってるとはいえ何て雄大な小宇宙・・・! 流石は神だね」
凛「でも、私はそのペガサスのためを思って言ってるんだけどね」
沙織「何を・・・」
凛「アフロディーテ様なら、ハーデスの呪いを解けるよ?」
沙織「!!」
凛「それだけじゃない、ペガサスを永遠に貴女のものにすることだって出来る」
凛「神って言っても、同じ女の子だからなんとなくわかるよ、貴女がペガサスに惹かれてるってことが」
沙織「・・・」
凛「来る?」
沙織「わた、しは」
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瞬「サンクチュアリ全体を奇妙な小宇宙が漂ってる……!」
瞬「いや、ここだけじゃない。恐らく世界中が」
瞬「間に合ってくれ! 星矢! 沙織さん!」
沙織「私は、行きません。アテナとして、この聖域をむやみに離れるわけにはいきません」
沙織「何より、彼が・・・星矢が許さないでしょう。自分のせいで私が責任を放棄したらそれこそ」
凛「彼に嫌われたくない?」
沙織「・・・はい」
凛「そっか、なら仕方ないよね」
凛「美波、やって」
――――ええ、わかったわ
沙織「!?」
ビュオッ
ドスッ
沙織「せ、星矢!」
普段から堂々とした態度を崩さないアテナがこの時ばかりは少女沙織に戻った。
何故なら目の前の最愛の少年の胸に、かつて自分が受けたような黄金の矢が刺さっていたからだ。
沙織「星矢! 星矢!」
凛「心配しなくても大丈夫だよ」
沙織「何がです!」
星矢「―――――――――うぅ」
沙織「星矢!?」
凛「良かったね、ペガサスの意識が戻って」
沙織「星矢! 大丈夫ですか!? 痛くないですか!?」
星矢「あ・・・」
星矢「行かなきゃ・・・」
沙織「え?」
星矢「行かなきゃ・・・、アフロディーテ様の所に・・・」
沙織「・・・星矢?」
星矢「行かなきゃ・・・」
沙織「せ、星矢? 何を言ってるのですか?」
沙織「私が分かりますか? 沙織です! 城戸沙織です!」
沙織「あなたが仕えるアテナです!」
星矢「ア、テナ・・・? 沙織・・・?」
星矢「誰だ・・・? 思い出せない」
沙織「え・・・?」
星矢「そんなことより、俺はアフロディーテ様に会いに行かなきゃいけないんだ・・・!」
沙織「星矢! 何を言ってるのですか!」
凛「あまりこういう手は使いたくなかったんだけどね・・・」
沙織「貴女・・・! 星矢に何を・・・!」
凛「私の仲間の一人、エロースの美波の愛の矢をペガサスの心に撃ち込んだ」
凛「もう彼はアフロディーテ様の虜・・・」
沙織「そんな・・・」
凛「貴女も知ってるでしょう? 神話の時代より数多くの人間、神までもがエロースの矢によって狂わされた」
凛「その矢の魔力を解けるのはアフロディーテ様のみ」
ふわり
沙織「星矢!」
凛「彼を返してほしかったら貴女自身が出向きなさい」
凛「アフロディーテ様は非常に気まぐれで奔放、そして情愛に篤いお方」
凛「もたもたしてたら・・・ペガサス、獲られちゃうよ?」
星矢を抱えた凛は勢いよく天に登っていった。
沙織「星矢! 待って! 星矢を連れていかないで!」
沙織「星矢ァアアアアアアアアアアア!!」
聖闘士星矢
女神アフロディーテ美闘士編
つーわけでオープニング終わり
沙織さんはショートの方が好きなんだ
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