まどか「ありがとうキュゥべえ…これでさやかちゃんと恋人になれるよ！」


まどか「さやかちゃんが男の子だったら、一緒にカップルカフェだって行ける！」


さやか「ま、まどか…」


まどか「さやかちゃん。私…とっても嬉しいよ」


さやか「…あたしはいきなり男にされて散々なんだけど…」


まどか「さやかちゃんが悪いんだよ。こんなにかっこいいのに女なんだから！」


さやか「…確かに女らしくはなかったかもしれないけど…」


ー「…あら、鹿目さんじゃない！」


…そう言って話しかけてきたのはあたし達の先輩のマミさん。


にこやかな笑顔で手を振っていた。

マミ「そこにいる男の子は鹿目さんの彼氏なのかしら？」


まどか「違いますよマミさん。さやかちゃんですよ」


マミ「えっ？だって美樹さんは女の子じゃ…」


さやか「…まどかがキュゥべえにあたしが男の子になるように願ったんですよ」


マミ「へぇ…それにしても結構かっこいいのね…」


さやか「…ありがとうございます…」


まどか「…いくらマミさんでも、さやかちゃんは渡しませんから」


マミ「ふふっ。可愛い後輩の好きな人を盗ったりなんてしないわよ」

マミ「…美樹さんは男になりたかったのかしら？」


さやか「違いますよ…」


まどか「さやかちゃんは男の子の方がいいよ！」


さやか「…あたしってそんなに女の子らしくないのかな…」


まどか「さやかちゃんは運動神経も抜群だし、明るいし…私の理想なんだもん」


マミ「…確かに理想よね」


まどか「ですよね！小さいときなんかいじめっ子から私を守ってくれて…」


さやか「…お腹すいてきたなぁ」ｸﾞｩ〜

まどか「…それより急に男の子になっちゃって学校とか大丈夫なのかな？」


QB「それは心配いらないよ。他の人達はさやかが元から男だって思っているはずさ」


マミ「あら？でも私は美樹さんが元は女だって思っているわよ？」


QB「マミは魔法少女だからね。魔法少女じゃない人達はそう思っているさ」


さやか「キュゥべえ。元に戻す方法はないの？」


QB「前例はないね。もしまどかの願いを覆せるほどの素質を持った少女がいれば別だけど」


さやか「…そっか」


まどか「えへへ…これで学校でも一緒に居られるね！」

…次の日の朝…

<学校>

まどか「おはよう！」


さやか「おはよう…」


ほむら(今までのループでこんな男子見たことないわ)


ほむら「…ねぇ、まどか。あの男子って誰だか知っているかしら？」


まどか「さやかちゃんだよ」


ほむら「…え？」


まどか「あの男子はさやかちゃんなの」


ほむら「私の知っている美樹さやかは女なんだけど…」


まどか「さやかちゃんは男の子になったの」


ほむら「えっ…まさか、契約したの…？」


まどか「そうだよ」


ほむら(…また美樹さやかのせいでまどかが契約してしまった…)


まどか「えへへ。さやかちゃんかっこいいなぁ…」


ほむら(美樹さやか…いつも私の邪魔ばかりして…！今日という今日は覚悟しておきなさい…！)


さやか「…なんだか寒気が」


仁美「美樹くん大丈夫ですか？」

まどか「ほむらちゃん。次の授業ってなんだったっけ？」


ほむら「体育よ」


どうしよう。そこまで考えてなかったよ…


まどか「さやかちゃん…」


ほむら(どうやら他の人には美樹さやかは元から男だと思われているみたいだし…)


ほむら(男子更衣室で醜態を晒すがいいわ！)

さやか(…どうしよう)


上条「さやか。まだ着替えてないのかい？」


さやか「きっ、着替えるけど…」


さやか(あたし前まで女だったんだけど…)


上条「…さやか。具合が悪いのなら体育を見学したらいいんじゃないかな？」


さやか「…そっ、そうだよね。体調が悪いのに無理しちゃ駄目だよね」


さやか(た、助かったぁ…)


男子A「バカでも具合悪くなるんだなー」


さやか「…バカじゃないし！」


男子A「そうやってムキになるところがバカなんだよ」


さやか「…喧嘩なら買うよ？」


男子B「美樹…お前、全然元気じゃねーか」ｱﾊﾊ


さやか「あっ…」


上条「元気みたいで良かったよ」


さやか(…あたしってほんとバカ…)

まどか「さ、さやかちゃん…大丈夫だった？」


さやか「全っ然大丈夫じゃないよ」


まどか「ご、ごめんね…」


ほむら「まどか。美樹さやかなんて乳さえなければ元々男みたいなもんよ」


さやか「失礼な！さやかちゃんはどっからどう見ても女だったよ！」


ほむら「…でも今は男にしか見えないわよ？」


さやか「そうだけど…」


ほむら「ま、頑張ることね」


さやか「…どう頑張れば良いのよ」

…放課後…


まどか「さやかちゃん！その…一緒に出かけたいところがあるんだけど」


まどか「あっ、あのね、このカフェに行きたいの」


さやか(…思いっきしカップルカフェじゃん)


まどか「…駄目…なのかな…」


さやか「え、えっと…」


まどか「…そっか。…そうだよね、私とさやかちゃんはカップルなわけじゃないもんね」


さやか「…さすがにさ、こうゆうのはちょっと…」


まどか「…ごめんね。無理に誘っちゃって」


さやか(なんかまどかがすごくしおらしくなってる…)


まどか「ならさ、さやかちゃんの家に行きたいな…」ﾃｨﾍﾍ…


まどか「…迷惑じゃなければなんだけど…」


ほむら[美樹さやか。…もし断ったら貴方の頭を銃で撃ち抜くわよ]ｷﾞﾛｯ


さやか(転校生が言うと冗談に聞こえない…)


さやか「…汚くてもいいかな？」


まどか「さやかちゃんの家に行けるなら構わないよ！」


さやか「…そっか」

まどか(…計画通りだよ)


まどか(初めにカップルカフェのような、さやかちゃんが断りそうなところを言い…次に本題のさやかちゃんの家に行きたいと言う…)


まどか(さやかちゃんは一回断ってるから嫌とは言いづらい。…そして最後にほむらちゃんにテレパシーを送らせる)


まどか(…そこまですればさやかちゃんは私の誘いに応じ、私はさやかちゃんの家に行けることになる)


まどか(ふふふ…完璧すぎる作戦だったよ)


まどか(…ほむらちゃんがテレパシーを送るかは賭けだったけれど…)


まどか(私のパンツをあげたら簡単にOKしてくれたよ)


まどか「…ティヒヒヒヒ」

さやか「ただいまー」


まどか「…お邪魔します」


さやか「…もっと楽にしてていいって。どうせ今日だって二人とも帰りは遅いだろうし」


まどか(…さやかちゃん。楽になんてできるわけないよ！)


まどか(さやかちゃんの家だよ！？さやかちゃんの香りに包まれているんだよ！？)


まどか(思わずクンカクンカしたくなっちゃうよ！)


まどか(はっ！さやかちゃんは男の子になったんだから、前の下着は捨てちゃうよね)


まどか(それなら…さやかちゃんの下着…1枚くらいなら持って帰ってもバレないかな)


さやか「まどか？ぼーっとしてどうしたの？」


まどか「ﾃｨﾋｨｯ…べ、別に何も考えてないよ！？」


さやか「？」


まどか(…持って帰るのはさすがにやめておこう)

さやか「…まどかと話してるときにさ…」


まどか(どうするべきか)


まどか(お宝は手の届くところにある。…しかし、もし持って帰ったのがバレたら二度とさやかちゃんの家に行けなくなる)


まどか(…それなら気づかれなければいいんだけど…)


まどか(…問題はどうやって自然にさやかちゃんを席から外させられるか)


さやか「それで、転校生がすごい睨んできてさ…」


まどか(そうだ！いいこと思いついたよ)


まどか「さやかちゃん！喉が渇いたから、ジュースが欲しいな！」


さやか「あっ…、今すぐ持ってくるよ」

まどか(ティヒヒ…今のうちに…)


まどか(えっと、さやかちゃんはここに下着を入れてるんだよね…)


まどか(な！？)


まどか(中にあったのは男物の下着…)


まどか(…そういえば…)


〜回想〜

QB「あぁ。君なら世界を変えることだって、なんだって叶えることができるよ」


QB「…他の人達はさやかが元から男だって思っているはずさ」




まどか(…そんな。さやかちゃんのあの可愛らしいブラやパンツは失われてしまったというの！？)


まどか「…契約の破棄ってできるのかな…」


さやか「ま、まどか…なんであたしのタンスを勝手に開けてるの…？」

さやか「…あたしのタンスを勝手に開けた理由はなんなの？」


まどか(やばいやばいやばいやばい)


さやか「…答えられないの？」


まどか「さ、さやかちゃん…少し落ち着こう？」


さやか「あたしは落ち着いてるけど」


まどか「そ、そうだね…」


さやか「…ねぇ、なんでなの？」


まどか「えっと、開け間違えて…？」


さやか「なら、まどかは何と開け間違えたのかな？」


まどか「ふ、服を着替えたいかなって思ってね」


さやか「…ふーん。そんなに着替えたかったのなら家に帰っても良かったんじゃないかな？」


まどか「さ、さやかちゃんの服が着たくてね！決して下着を持って帰ろうなんて考えてないから！」


さやか「…そう。悪いけど今日は帰ってもらえるかな？」

まどか「…追い出されちゃった」


まどか(…でも！好きな人の下着を欲しいと思うのは普通のはずだよ！)


まどか(ほむらちゃんが言ってたもん！)


〜回想〜

ほむら「まどか。…あのね、好きな人の下着を欲するのは普通のことなの」


ほむら「…だから、まどパン頂戴」




まどか「さやかちゃんもきっと照れてただけだよ…ね？」


まどか(…でもすごく怒ってたような…)


まどか「…明日、謝ろうかな…」

…次の日の朝…

仁美「…美樹くん、遅いですわね…」


まどか「き、きっと寝坊したんじゃないかな！？」


仁美「ふふ…美樹くんならありえそうですわね…」


まどか「あ、あはは…」


さやか「…おはよう仁美、まどか」


仁美「おはようございます」


まどか「さ、さやかちゃん、おはよう！今日もいい天気だね！」


さやか「…そうだね」


まどか(や、やっぱり怒ってるよ…)

<学校>

ほむら「まどか、浮かない顔をして一体どうしたの？」


まどか「…さやかちゃんに嫌われたかもしれない」


ほむら「何ですって！？今すぐ銃で蜂の巣にしてあげるわ！」


まどか「さやかちゃんは悪くないの。…私がさやかちゃんの下着が欲しかったばっかりに…」


ほむら「…まどか。下着が欲しいのならば私のをあげるけど…」


まどか「…いらない。私はさやかちゃんの下着が欲しいから」


ほむら「美樹さやかなんて、今は汚らわしい男じゃない！ま、まどかには女同士とかがいいと思うわよ」

まどか「さやかちゃんは汚らわしくなんてないよ。…そんなこと言うほむらちゃんなんて嫌いだよ…」


ほむら「嫌い…？」


ほむら「ほ、本気なの？まどか！」


まどか「…本気だよ。ほむらちゃん」



「本気だよ。ほむらちゃん」

「本気(で好き)だよ。ほむらちゃん」

「好きだよ。ほむらちゃん」

「大好きだよ。ほむらちゃん」


ほむら「私もよ！」


ほむら「…あら？まどかがいない…」

まどか「…マミさん。どうすればさやかちゃんと仲直りできるんでしょうか」


マミ「え、えっと…美樹さんとどうして喧嘩しちゃったの？」


まどか「さやかちゃんの下着を持って帰ろうとしたら、見つかっちゃって…」


マミ「…今、何て言ったのかしら」


まどか「？さやかちゃんの下着を持って帰ろうとしたら、さやかちゃんに見つかったって話なんですけど…」


マミ「え？か、鹿目さんは下着を持って帰る必要があったのかしら？」


まどか「ありましたよ！」


マミ「そ、そうなの…。それで持って帰ってどうするつもりだったの？」


まどか「そんなの匂いを嗅いだり、眺めたり、頬張ったりするために決まってるじゃないですか」


マミ「…………」


まどか「マミさん？」


マミ「…美樹さんのことは諦めて」


まどか「えっ、どうしてですか？頬張ったりするのは全然普通のことですよ？」


マミ「…私、なんだか頭が痛くなってきたわ…」


まどか「バ○ァリン飲みます？」


マミ「…結構よ…」

まどか「…私、このままは嫌なんです」


マミ「えぇ。鹿目さんは変わった方がいいと思うわ」


まどか「…さやかちゃんと仲直りしたいけど、また怒らせちゃうかもしれない…」


まどか「…もう頼れるのはマミさんしかいないんです」


マミ「そう言われても…」


まどか「マミさんみたいなカッコよくて、優しい先輩の力が必要なんです！」


マミ「お、おだててもやらないわよ？」


まどか「美人で、正義の味方のマミさんなら見捨てたりなんてしませんよね！？」


まどか「お願いします！巴先輩！」


マミ「た、確かにここで見捨てるのは後味が悪いわね…」


マミ「私も手伝ってあげるわ」


まどか「ありがとうございますマミさん！」


まどか「やっぱりマミさんはちょろいなぁ…」


マミ「…か、な、めさん？」