阿笠「できたぞ新一!釣竿じゃ!」 (43)

コナン「なんだこれ?ただの釣竿じゃねーか」

阿笠「見た目はのう。じゃが、ちょっと見ておれ」

コナン「何してんだ博士?うな重なんか取り出して」

阿笠「ほっほ。これを釣り餌として先に付けて……」

阿笠「川に投げ入れる!」ヒュッ トポン

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コナン(ついにボケちまったのか……!?)

阿笠「言っておくが、ワシは正気じゃぞい」

コナン「うな重垂らしながらそれは無理があると思うぜ」

阿笠「まぁちと待て新一……ん、早速かかったようじゃ!」グッ

コナン「なっ、竿がすげぇしなってやがる!これは大物だぜ博士!」

阿笠「すごい引きじゃぞい!」グググッ

コナン「バーロー!俺も手伝うぜ!」バッ

阿笠「頼むぞ新一!」

コナン「らああああああん!」

阿笠「むううううううううう!」

ザッパーン

コナン「!?」

元太「おう!コナンじゃねーか!」

コナン「ど、どういうことだ?なんで元太が川の中から……」

阿笠「どうじゃ。驚いたじゃろう新一」

コナン「博士これはどういうことだ!?」

阿笠「この釣竿はただの釣竿ではない。つけた餌によって露骨に獲物が変化する特殊な釣竿じゃ!」

阿笠「エサはどんなものでもつけられるぞい!ただし餌は消滅してしまうがのう!」

コナン「すげーな博士!また面白いもの作りやがって!」

元太「なぁコナン、博士、なんの話してるんだ?」

コナン「オメーはビショビショだからもう帰れ」

元太「分かったぜコナン!じゃあな!」タッ

コナン「なぁ博士。釣られたやつはそのことを疑問に思わねーのか?」

コナン「少なくとも元太が不思議がってる様子はなかったけど」

博士「もちろん疑問に思うぞい。記憶改竄装置は積んでないからの」

博士「ただ、元太君の場合池沼であるのと、うな重に注意が行き過ぎたようじゃのう」

コナン「さすが元太!清々しいくらいの池沼だぜ!」

博士「お蔭でいいデモンストレーションになったわい」

コナン「なぁ博士、他にも試してみていいか?」

阿笠「もちろん!どんどん悪用するんじゃ!」

コナン「まずはこれを試す」スッ

博士「これは……ホモビデオか?」

コナン「あぁ。これを付けて川に垂らしてやれば……」ヒュッ トポン

博士「何が釣れるんじゃ?」

コナン「俺の推理が正しければだが……!さっそくきやがった!」グググッ

博士「こ、これは大物じゃ!頑張れ新一!逃がすんじゃないぞい!」

コナン「バーロー!分かってるよ!」ググッ

コナン「すげぇ引きだが、絶対に釣りあげてやる!」

コナン「らあああああああああああああああああん!!!!!!!」

ザッパーン

博士「こ、これは!」

服部「せやかて!せやかて工藤!」

コナン「よう服部!」

服部「工藤!?何しとるんやお前?」

服部「ってここどこやねん!俺のホモビもあらへんし!」

阿笠「久しぶりじゃのう服部君」

服部「なんや阿笠のジイサンもおるやんけ。どういうことや工藤!」

コナン「なぁに簡単な事さ」

コナン「これは博士が発明した釣竿で、餌によって釣れるものが変わる」

コナン「つまり、ホモビを付ければホモである服部は必ず食いつく」

コナン「それは服部、釣られたお前自身がよく分かってるはずだぜ?」

服部「なるほど!さすが俺のライバルや!」

服部「せやけどビショビショになってもうたな」

服部「これはどうにかならんのかいな?」

阿笠「残念ながらどうしようもないんじゃ……」

阿笠「ワシも一発明家にすぎないからの、技術にはどうしても限界がある……」

コナン「仕方ねーよ博士。そう自分を責めんなよ」

服部「せやせや!丁度行水したかったさかい、手間が省けたわ!」

阿笠「新一……服部君……」グスッ

服部「ほんで工藤、その釣りは続けるんか?」

コナン「バーロー!当たり前だろ!」

服部「それでこそ工藤や!」

阿笠「さぁ、どんどん釣って釣って釣りまくるんじゃぞい!」

コナン「オウ!」

それから俺たちは色んな餌で色んな獲物を釣った。

歩美で目暮警部を釣り、高木刑事で佐藤刑事を釣り、

中森青子で怪盗キッドを釣り、角で蘭を釣った。

さすがに世良真純で赤井秀一を釣ったときはこっぴどく怒られそうになったが、

博士がたまたま持っていた『黒の組織の邪魔者を消すスイッチ』で事なきを得た。

それからしばらく時間が経ち……。

服部「工藤~なんか飽きてきたで」

阿笠「そうじゃのう……少しマンネリ化してきたんじゃないかの?」

コナン「バーロー!次は大物を釣り上げるぜ?」

服部「ホンマか!?何釣るんや?」

コナン「まぁ見てろって……さっき餌を呼んだから」

コナン「お、丁度来たみたいだぜ」

灰原「工藤君、こんな川原に呼び出してなんのつもり?」

コナン「オウ灰原!わざわざわりーな」

服部「なんや、ちっこい姉ちゃんやんけ」

灰原「あら、色黒元気印じゃない」

阿笠「哀君で何を釣ろうというんじゃ?」

灰原「私で、釣る?」ギロッ

灰原「どういうことかしら工藤君?」

コナン「え、いや、ホラ、え~っと……」

コナン(バーロー博士!何言ってやがる!)

阿笠(ス、スマン新一)

灰原「工藤君、答えてもらえる?」

コナン「チッ、こうなったら」パシュッ

灰原「!工藤君……あなた何を……」フラッ

コナン「悪く思うなよ灰原」

服部「工藤!何ちっこい姉ちゃんに麻酔銃打っとんねん!」

コナン「仕方ねえだろ!博士が余計なこというせいで警戒されちまったんだから」

阿笠「す、すまん……」

服部「まあええわ。それで何を釣るつもりなんや?」

コナン「あぁ、教えてやるよ」

コナン「それはな……ジンだ!」

服部「!?」

阿笠「!?」

コナン「あのヤロー、灰原に執着してるらしいからな!」

コナン「灰原を餌にすれば当然かかるってワケさ!」

服部「なるほど!さすが工藤や!」

阿笠「うむ。ジンは哀君に特別強い思い入れがあると言っていたからのう」

阿笠「まず間違いなくかかるじゃろう」

コナン「そうとわかれば、さっそく灰原を取り付けて……」

コナン「オラァ!」ヒュッ トポン

コナン「!?」ググググググググッ

服部「な!?入れ食いやと!!」

コナン「上等だぜ……らあああああああああああああああああん!!!!!!!」

ザッパーン

ジン「シェリー……ようやく見つけたぞ……!」

コナン「久しぶりだな……ジン」

ジン「誰だお前は?シェリーは……」

コナン「俺は工藤新一……探偵さ」

ジン「工藤……?まさか……!」

服部「そんでもって俺は西の高校生探偵、服部平次や!」

ジン「どういうことだ?それに、そこにいるのは……!」

阿笠「わしじゃよ」

ジン「ボ、ボス!」

ジン「これは一体……」

阿笠「簡単なことじゃよ。宮野志保、シェリーを餌にワシらがお前を釣りあげただけのことじゃ」

ジン「な、なるほど……」

阿笠「無能な割に呑み込みが早いのう」

コナン(よし、博士が演技で気を引いてるうちにこの麻酔銃で……)

コナン(しまった!さっき灰原に使っちまったせいで残弾がねぇ!)

コナン(こうなったらこのキック力増強シューズで……)

コナン(!?故障?まさかさっきジンを釣り上げたときに水がかかったせいで!?)

コナン(クッソ、万事休すか?)

コナン(考えろ……この状況を打開する策を……!)

コナン(そうか!これしかねぇ!)キュピーン

コナン「服部ィ!今すぐ服を脱げ!」

服部「な!?何言うとるんや工藤」

コナン「考えがあるんだ!早くしろ!」

服部「せ、せやかて!」

コナン「早くしろォォォォォ!!!」

服部「わ、わかった!脱ぐ!脱ぐ!」

服部(凄んだ工藤、めっちゃ男前やんけ……!)ドキドキ

服部「脱いだで工藤!」

コナン「よし!あとは服部のコナンを仕掛けに結び付けて……!」

服部「な、何するんや工藤!アカン!アカンて!」

コナン「バーロー!大人しくしやがれ!」

服部「工藤……」キュン

コナン「よし、これでいける!」

コナン「らあああああああああああああああああん!!!!!!!」ヒュッ

~回想~

コナン「ん?オメー何見てるんだ?」

「これですか?雑誌の切り抜きですよ」

コナン「なんの……って、それ服部じゃねーか」

「えぇ。僕平次お兄さんに一目会った時からずっと、あの黒人デカマラで貫いて欲しいと思ってたんです!」

コナン「そうだったのか……。とりあえずこのことは歩美や灰原に報告するけど、頑張れよ」

「はい!ありがとうございますコナン君!」

コナン(そうだ……あの時あいつはそう言った)

コナン(この餌に食いつかねえはずがねえ……!)

ジン「思い出したぞ小僧……いや、工藤新一!」

阿笠「待たんかジン!もう少しワシとお話を……」

ジン「ボスは少し黙っていてください」

阿笠「……」シュン

コナン(やべぇ!時間がない!)

コナン(早く!早く!)

コナン「ん……?」ピクッ

コナン「来た来た来た来たああああああああああ」グググググ

コナン「うおおおおおおお……」

コナン「間違えた」

コナン「らああああああああああああああああああああああんん!!!!!!」

ザッパーン

阿笠「あれは……」

コナン「来ると思ってたぜ……」

コナン「光彦ォ!!!!!!」

光彦「ドキドキします!!」

ジン「なんだあのソバカスは……狂ってやがる」ガクガク

光彦「あれ?たしか僕は黒人珍ポを咥えてたはずなのに……」

光彦「ここはどこでしょう?」キョロキョロ

コナン「待ってたぜ光彦!」

光彦「コナン君?何が起きたんでしょうか」

コナン「詳しい話は来世でしてやるぜ!」

光彦「どういうことですかコナンく」

コナン「黙れ!これ以上地球の大気を浪費するんじゃねえ!」

光彦「」

コナン「おし、光彦が黙ってる間にポケットからアレを取り出して……!」

コナン「光彦ォ!」

光彦「は、はい!」

コナン「バァァァァァロォォォォォォ!!!!喋るんじゃねえええええ」ポチッ

光彦「そんな……ってうわあああああああああああああああ!!!!!!!」ギュイイイイイイン

ジン「!?バケモノがこっちに……!くっ、来るなァァァァァァァッッ!」

…………

……



阿笠「新一……さっきのは」

コナン「あぁ、前に博士にもらった『光彦を銀製の弾丸にするスイッチ』さ」

阿笠「なるほど!新一は賢いのう!」

コナン「万策尽きたあの場で、たったひとつジンを倒す方法は光彦を打ち込むことだった」

コナン「けど、そのせいで服部を餌にして失っちまった……」グスッ

阿笠「新一……」

コナン「笑えよ博士……哀れな探偵の姿をよ……」

コナン「君を確実に破滅させることが出来るならば、公共の利益の為に僕は喜んで死を受け入れよう……」

コナン「俺はどうやらホームズにはなれなかったみてぇだ……」


「それは違うで工藤!」

コナン「!?」

阿笠「!?

コナン「オ、オメー……服部!」

服部「よう工藤!なんやしけた面しとんな!」

阿笠「どういうことじゃ?」

コナン「まさか……」

服部「そのまさかや」

服部「あのとき、工藤は俺のコナンと仕掛けを結び付けた」

服部「つまり、工藤が餌にしたのは俺やのうて俺のコナンなんや」

服部「あのガキがかぶりついて俺のコナンは消滅した……せやけどな、俺自身は助かった」

服部「あのガキにとって重要やったんは俺自身ではなく、俺のコナンやったんやな」

服部「結果俺は女になってもうたが、こうしてピンピンしとるってわけや!」

コナン「服部……すまねぇ……」ポロポロ

服部「気にすんなや工藤!まぁ、もうホモセックスができないのは残念やけど」

服部「お前の因縁の敵倒せたんならぎょーさんお釣りがくるで!」

服部「釣りだけにな!」

コナン「服部ィィィィィ!!!!」ガバッ

こうして、服部を女にしちまった俺は責任を取って結婚した。

薬の研究者だった灰原を消滅させちまったせいで元には戻れなくなったが、

それでも博士に頼んで月一で『江戸川コナンから工藤新一に戻るスイッチ』を押してもらい、

女になった服部と思う存分ヤリまくっている。

子宝にも恵まれ、時々は家族で出かけることもある。

二人を結び付けてくれた釣りなんかにな……。

End

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