大和「ここが・・・私の鎮守府?」【艦これ】 (187)
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電「あ、おーい、こっちなのです!」
大和「あら、あなたは?」
電「駆逐艦の電なのです。あなたが大本営からの・・・支援艦の大和さんで間違いないのです?」
大和「ええ、よろしくお願いするわね。」
電「それではさっそく、司令官の所に案内するのです!」
大和「(ちんけな鎮守府ね・・・なんで私がここに配属されたのかしら・・・特に特別って訳でも無さそうだし)」
電「わざわざこんな大湊まで、お疲れ様なのです!」
大和「ええ、ありがとね、電ちゃん。最近出来たばかりと聞いたのだけど、あなたが秘書艦なの?」
電「なのです!・・・いや、そうと言えばそうなのですが・・・」
大和「?」
電「なんでも無いのです!ここが司令官の部屋です!」
大和「案内ありがとね、電ちゃん。」(ガチャ
金剛「テエエエエエエエエエエエエエエトクウウウウウウウウウウウウウ!」
大和「」
金剛「ティータイムの約束はどーしたんデスカー!1週間に14回しかない楽しみデスノニー!」
提督「仕方ないだろ・・・大本営からわざわざ艦娘を送ってくださるんだから、丁重におもてなししないと」
金剛「そんな奴、私の敵デース!テートク~そんな奴来るまで遊ぼうヨ~」
提督「・・・後ろを見ろ」
金剛「ン?ただの大和しかいないじゃないデスカ・・・大和!?」
大和「・・・戦艦、大和です。よろしくお願いしますね」
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提督「本当にすいませんでした・・・わざわざここまで来てくださったのに」
金剛「い、いや~口が滑っちゃったんだヨ~だから本音じゃないカラ、許してヨー」
提督「・・・それ、本音って意味だからな」
大和「それじゃあ、この書類にサインをお願いします」(つーん
提督「(完全に怒ってらっしゃいますよ金剛・・・どうすんのこれ)」
金剛「(エネミーは沈めるに限るデース)」
提督「(味方!味方だから!認識改めて!)」
大和「(本当にここが・・・私の鎮守府?)」
電「彼女が、一応鎮守府最古参の金剛さんなのです」
大和「あ、電ちゃん・・・って、電ちゃんじゃないの!?」
電「あの提督、飛ばされたのか知らないですけど、なんかあの金剛さんと一緒にこの鎮守府にやってきたのです」
大和「ふ~ん・・・じゃあ、あの金剛は強いのかしら?」
電「知らないのです」
大和「知らない?」
電「あの人がここに来てから、一度も出撃した所、見たことないのです」
大和「なんか理由でもあるの?」
電「よく分からないけど・・・もう二度と戦いたくないとか」
大和「(戦いを拒否する艦娘ね・・・よく解体されないわね、それともあの提督が甘いのか)」
提督「サイン終わった・・・って電、ちゃんと大和さんを敬えてるか?」
電「そこの英国帰りと一緒にするななのです!このクソ司令官!」
金剛「いい度胸デスネー、ちょっと表出ろデース」
電「望む所なのです、身分も弁えない人に教育してやるのです」
バタン
大和「」
提督「すまん・・・あいつは電ってより・・・ぷらずまだ」
大和「いいんですか?ほっといても」
提督「ああ・・・どうせいつも何かで勝負してすぐ仲直りするからな」
大和「ここの鎮守府にはああいう方ばっかりなんですか?」
提督「ううっ・・・大丈夫だ、あの二人以外はマトモだ」
大和「あれを見てそうは思えないのですが・・・」
提督「すまない、遠くから来てもらっていきなりあんなんで・・・」
大和「大丈夫ですよ、賑やかで楽しそうです」(にこっ
提督「そう言ってもらえると嬉しいよ・・・今日はゆっくり休んでくれ、面子は明日紹介するよ」
大和「では、お言葉に甘えて休ませてもらいますね」
提督「ああ、君の部屋は9号室だ、荷物ももう運んであるから」
大和「ありがとうございます。それでは失礼しますね」
バタン
大和「はあ・・・疲れた・・・ここの金剛と電は強烈ね・・・」
大和「提督はまあ、悪い人には見えなそうだし、あの金剛のせいでこんな所飛ばされたりしてね、ふふっ」
大和「だからあの金剛も戦いたくないとか言ってるのかしら・・・っと、ここが私の部屋ね・・・」
ガチャ
大和「へえ・・・いい部屋ね、悪くはないわ・・・」
大和「・・・ここでやってけるかしら、私」
~朝~
提督「それでは紹介していくよ、まず秘書艦の電」
電「電なのです。足を引っ張ったら戦艦でも沈めるのです」
提督「次、暁」
暁「暁よ!い、電の口の悪さは許してちょーだいね」
提督「次、夕張」
夕張「夕張よ!工廠で明石さんと一緒に装備開発を手伝っているわ!宜しくね!」
提督「次、羽黒」
羽黒「は、初めまして!よ、宜しくお願いします!」
提督「最後、蒼龍」
蒼龍「あなたが戦艦大和ね!初めて見たわ!これから宜しくね!」
提督「以上だ、あ、あとここにはいないが伊168が懲戒任務に出ている。帰ってきたら挨拶するよう言っておくよ」
金剛「・・・」(ワナワナ
提督「大和、他に何か質問はあるか?」
大和「いえ、特に」
提督「では、解s
金剛「待つデース!!!私ハ!?紹介ナッシング!?」
提督「すまない、働かないニート君だ、宜しく頼むよ、以上、解散」
金剛「酷いデース!!!」
暁「大和さん、これから時間あるかしら?」
大和「ええ、大丈夫よ」
暁「それなら、この一人前のレディーがこの鎮守府を案内してあげるわ!ふふっ!」
電「ごめんなさい大和さん、お姉ちゃんがやかましくて」
大和「大丈夫よ、私人見知りだから自分から話しかけづらくて。助かったわ」
電「それじゃ、案内にかこつけて最後に間宮パフェを食べる気満々のレディーの案内、来てくれるです?」
暁「いーーーなーーーずーーーまーーー!?」(ぷんすか
大和「ふふっ、もちろんよ、行きましょ」
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暁「いただきまーす!んー、いつ食べても美味しいわ!」(ぱくぱく
電「大和さんも遠慮せず食べてくださいなのです。どれだけ食べても勝手に提督につけとくから大丈夫なのです」
大和「ならお言葉に甘えて・・・ん、とても美味しいです」
暁「そりゃそうよ!なんてったって間宮さんが作ったパフェだもの!えっへん!」
電「暁ちゃんが威張ることじゃないのです、それでどうです?鎮守府の感想は」
大和「出来たばっかりって感じですね・・・まだまだ工廠もドッグも小さいですし、それに資源。あれじゃ私を運用出来ませんよ?」
電「大和さん大本営から来たのですよね?そこの所、なんとか出来ないのです?」
大和「無理でしょうね・・・私じゃ」
電「しょうがないのです、提督に借金してもらうしかないのです」
暁「そういえば大和さんはどの位の強さなの?」
大和「私?私は・・・」
大淀(アナウンス)「全艦娘に告ぎます。至急提督室まで集まってください、繰り返します・・・
電「お話は終わりなのです。大和さん、お姉ちゃん、行くですよ」
暁「えー?まだパフェ食べ終わってないのにー」
電「帰ってきたら新しいのを食べればいいのです。ほら、立って」
暁「はーい・・・」
大和「(やけに大人びてるわね・・・本当に駆逐艦かしら)」
提督「今、オリョクル撲滅の為自爆テロを行おうとした罰として単艦で北方海域行ってる168から連絡が入った。北方海域奥地で敵の大規模泊地を発見したらしい。至急、潰しに向かってくれ」
大和「(ここにもオリョクルに日々涙している潜水艦が・・・)」
提督「編成は・・・すまないが大和、さっそくだが行けるか?」
大和「もちろんです。戦艦大和。推して参ります。」
提督「それと電、暁、羽黒、蒼龍の5隻で向かってもらう。健闘を祈るよ」
4人「了解!」
大和「提督、夕張さんとニートさんは?」
夕張「私はちょっと装備開発で忙しいし」
金剛「私ハティータイムがあるのデー、パスネ~」
電「働けニートなのです」
提督「まあ、戦艦いればなんとかなるだろうしな!頑張ってくれ!」
大和「(あ、アバウトすぎる・・・しかも仮にも北方海域に5隻なんて・・・無能すぎる)」
電「それじゃあ、出撃なのです!」
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大和「なんで・・・5隻で・・・」
電「もう海の上なのです。諦めるのです。」
暁「大和さん!この1人前のレディーがいるから安心して!」
蒼龍「まーまー、大和さん、不安になるのも分かるけどさー、こんな感じで沖ノ島もなんとかなったし大丈夫だよ!」
羽黒「そうですね・・・しかも今回は大和さんもいますし、いつもの不安も吹き飛んじゃいました」
大和「そういえば・・・あなた達はあの金剛に不満とか感じないの?ずっと遊んでばかりで」
蒼龍「まー、詳しい事は分かんないけど、ケッコンしてるみたいだし、錬度かなりあるみたいだしねー。まー、本当にまずくなったら出撃するでしょ」
羽黒「あの人がいると・・・笑顔になれますしね。それだけで十分です」
暁「無理強いさせるのはレディーとは言えないわ!待つこともレディーの嗜みよ!」
大和「それで・・・もし負けたらどうするの?あの人いなくて沈んだりしたらそれこそ愚かよ?」
電「無いのです。電がいる戦闘で轟沈、いや、負けすらあり得ないのです」
大和「・・・えらい自信ね?」
蒼龍「まー、電ちゃんもかなりの錬度だしねー、うん、まー楽しみにしてなよ」
大和「・・・そう」
電「どこへ行くのです?そっちは羅針盤は示してないのですよ?」
大和「・・・分かるのよ。なんとなくね・・・こっちよ」
電「・・・信じていいのです?」
大和「ええ、少なくとも回した羅針盤よりは正確よ」
電「・・・責任は大和さんが負ってくださいなのです。皆、大和さんについて行くのです」
暁「分かったわ!宜しくね、大和さん!電が言うなら大丈夫ね!」
蒼龍「ちょっと不安だけど、電ちゃんが言うなら。もし本当だったら凄いね大和さん!」
羽黒「分かりました・・・電ちゃんの決定に異論は無いです」
大和「(この電、かなりの信頼を得てるわね・・・まああれだけ言うくらいだから当然かもしれないけど)」
蒼龍「ほ、本当に見つかったね・・・」
大和「ね、言ったでしょ?」
電「正直半信半疑でしたが・・・素直に認めるのです。凄いのです」
羽黒「それじゃあ・・・いつもの作戦ですか?」
暁「そうね・・・頼んだわよ、電」
大和「いつもの?」
蒼龍「あ、そういえば伝えて無かったっけ、ごめんごめん、まあ見たらわかるよっ」
電「行って来るのです!」
大和「えっ!?単身突撃!?」
羽黒「大和さん、待ってください!敵の注目が電ちゃんに集まるまで待ってください!」
大和「30隻はいるわよ!それじゃあどんな艦娘でも沈んじゃうわ!」
暁「ふふっ、それはどうかしら?」
深海棲艦「!!!」
大和「気付かれた!あの弾幕じゃ・・・」
電「・・・はあ、全然ぬるいのです」
大和「っ・・・当たらない!?まるで弾が避けてくように・・・」
蒼龍「よし!私達も後ろに回りこんで挟撃するよ!」
暁&羽黒「おーっ!」
大和「め、めちゃくちゃすぎる・・・」
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蒼龍「私達の大勝利だね!いえいっ!」
電「もうちょっと歯ごたえあると思ったのですが・・・まあいいのです。これで北方海域を取り返したのです」
暁「さー!帰ってパフェの時間よ!レディーは忙しいんだから!」
羽黒「私はお風呂でゆっくりしよう・・・」
大和「(完全勝利・・・ありえないわ、あの量の弾幕でなんで無傷なの・・・?)」
大和「あの・・・電ちゃん、帰ったら話したい事があるのだけど・・・」
電「了解なのです・・・まあ大体言いたい事は分かるのです」
大和「いい場所ね・・・ここ」
電「電のお気に入りの場所、灯台なのです。まあ、出撃お疲れさまなのです」
大和「山ほど聞きたいことがあるのだけど・・・まず、あなたここが初着任じゃないわね?」
電「まあ、その通りなのです。手違いでなぜか電がここに配属になったのです」
大和「そうよね・・・あんな出来たてで艦娘も少ないのに・・・驚いたわ」
電「ありがとうなのです、戦艦に言われるとは光栄なのです」
大和「ただ・・・あなたの強さはなんなの?正直言って、運や実力で済む問題じゃないわよ?」
電「・・・前いた鎮守府ではこれが普通だったのです」
大和「え?」
電「・・・とんでもないクソ司令官で、電はずっと捨て艦として扱われて来たのです。だけど、電は生き残った・・・のです」
電「電はいわゆる天才、って奴でした。それで、死なない電を・・・司令官だけではなく、他の艦娘も気味悪がるようになったのです」
電「それでも、お姉ちゃん達は優しくしてくれたのです。4人でいる時がなによりの救いだったのです。」
電「ただ、その時間さえ神様は許してくれなかったのです。私達4人で中央海域出撃の命令が下されたのです。止める人もいなかったのです・・・」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「電!大丈夫!?怪我してない!?」
自分を呼ぶ姉の声が聞こえる。大丈夫、かすり傷さえ負ってない、と返事をする。
「良かった・・・流石電ね・・・私達と違って本当に天才ね!」
今となってはその天才という言葉さえ苦痛に感じる。もし凡才でいたら。もっと早く沈んでいたら。
今ここでこんなボロボロの姉達を見なくて済んだだろう。姉達はここまで酷い目に合わなかっただろう。
前が霞んで見える。もう自分がどうすればいいか分からなかった。
「もう、電ったら泣き虫ね!私達の事は気にしないでいいのよ!私達はあなただけでも生き残ってくれたらそれでいいの!」
必死に慰めようとしてくれている。違う、もう自分は死にたいのだ。3人さえ笑顔ならそれで良かったのだ。
ただ、姉の願いも私の願いも潰えそうとなっている。元々ろくな補給無しで遠くまで出撃したのだ。もう帰る事すら厳しいだろう。昔、帰還できることのない冥王星への旅を題材にした曲を聞いたがまさに今の私達にぴったりだった。
「・・・!敵・・・!囲まれてる!」
自分がぐずついてる間に、敵はそれでもかと殺しにかかってきた。もう索敵すらする余裕も残っていなかった私達を囲むことなど余裕だったのだろう。
「くっ・・・まあまあじゃない!一人前のレディーの敵としては相応しいわね!」
声が震えている。当然だ。私と違ってここまで死と隣り合わせになった事は姉達にとって初体験の出来事だ。
「・・・ゲームオーバーみたいだね、もう逃げ道も燃料も残されてないよ」
「・・・諦めちゃだめよ!電を見てきたでしょ!私達だってなんとかなるわよ!」
「そうよ!レディーは最後まで不屈の魂を持ってるのよ!」
私も姉達に続きたかったが、声が出かかった所で止まった。なにより自分が一番この状況の酷さを知ってるし、今この状況を作り出した張本人がそんな事出来る筈が無かった。
深海棲艦は勝利を確信したようなにやけ顔をしながら近づいて来る。4人の終わりが近づいて来る。鼓動が激しくなる。
どうしようも無いと悟った自分の所に姉がやってきた。そして言い放った言葉は、すぐに理解することは出来なかった。
「諦めちゃダメとは言ったけど・・・ちょっと私達には打開策は思いつかないわ・・・だからこんな時の為に出撃前に話しておいたの・・・電・・・お願い・・・
私達を盾にして逃げるのよ!生きて!」
電「そして、鎮守府近くを彷徨いてたらなんと大本営に見つかって初期艦にされた、って訳なのです。」
大和「そう……それにしても本当に暗かったのね、あなたの過去……ごめんなさい」
電「別に謝ることは無いのです。おかげで電はとっても強くなれたのですから」
大和「そう……で、あなたの目標は達成出来たの?」
電「まだなのです……この鎮守府を掌握出来ないのです……あの提督、なんだかんだ言って有能なのです!」
大和「まあ、それはそれでいいんじゃないの?誰も沈まないし」
電「良くないのです。電が指揮すれば、もっと楽になるのです」
大和「そ、そう。まあ、頑張ってね……あ、そうだ、その電ちゃんが昔いたその無能提督?は今どうなってるの?」
電「……もうこの世にいないのです」
大和「まさか、深海棲艦の襲撃にでも?」
電「違うのです。たった1人の提督と艦娘に……大和さんも大本営から来たのなら、白い死神の事は知ってるのですよね?」
大和「え、ええ。あの酷い事をしていても権力の力が大きすぎて憲兵も手を出せない提督……を殺して回ってる奴でしょ?」
電「なのです。電の目標は……そいつを止めてようやく達成出来るのです」
大和「また、なんで?いい人じゃないの?」
電「……どんな奴だろうが、無くなっていい命はないのです。電は……守る為に強くなったのですから」
大和「根は……優しいのね、どんなになっても」
電「なのです。まぁ、電は優秀なのですから」
金剛「へーイ!2人ともー!夜ご飯出来たデース!今すぐ来るデスヨー!」
電「げげっ、ニート!ニートにこの場所がバレたのです!」
大和「(凄い索敵能力……なのかしら?)」
見返すと、ドアから入ってきたのに窓から出入りしてるとか、ちょっと矛盾してる要素出てきちゃってるな……反省します
次の日 工廠
夕張「これは凄いわね・・・」
夕張は1人、悪戦苦闘していた。
夕張「これはどこがどうなってるのか・・・」
電「あ、夕張さん、何してるのです?」
夕張「整備ついでに大和さんの艤装見せてもらってるの。だけど、これ本当に凄いわ・・・ただ大きいだけじゃないの!今までの私達の主砲と違って、色んな面が改良されてたりするの!」
電「へえ・・・やはり戦艦は凄いのですね・・・」
夕張「こんなの金剛さんの艤装見せて貰った時以来の衝撃ね・・・金剛さんのとは構造も何もかも違うし・・・」
電「・・・!」
夕張「ただ、この艤装どこかで見た気がするのよね・・・ええと・・・」
電「夕張さん!金剛さんの艤装見たことあるのです!?」
夕張「え、ええ。というか、出撃する日以外は私が整備してるわよ?」
電「そ、そうだったのです!?まさか、ニートがちゃんと出撃準備してるなんて・・・」
夕張「ううん、勝手に私が整備させてもらってるだけ。金剛さんにはその気は全く無いみたいよ
途中投稿してもうた、しもうた、書き直すで
次の日 工廠
夕張「これは凄いわね・・・」
夕張は1人、悪戦苦闘していた。
夕張「これはどこがどうなってるのか・・・」
電「あ、夕張さん、何してるのです?」
夕張「整備ついでに大和さんの艤装見せてもらってるの。だけど、これ本当に凄いわ・・・ただ大きいだけじゃないの!今までの私達の主砲と違って、色んな面が改良されてたりするの!」
電「へえ・・・やはり戦艦は凄いのですね・・・」
夕張「こんなの金剛さんの艤装見せて貰った時以来の衝撃ね・・・金剛さんのとは構造も何もかも違うし・・・」
電「・・・!」
夕張「ただ、この艤装どこかで見た気がするのよね・・・ええと・・・」
電「夕張さん!金剛さんの艤装見たことあるのです!?」
夕張「え、ええ。というか、出撃する日以外は私が整備してるわよ?」
電「そ、そうだったのです!?まさか、ニートがちゃんと出撃準備してるなんて・・・」
夕張「ううん、勝手に私が整備させてもらってるだけ。金剛さんにはその気は全く無いみたいよ」
電「前言撤回、働けニートなのです。それより、なんでまた面倒な事を?電達の艤装もしっかり整備してくれてるのに・・・」
夕張「見てみればわかるわよ!見てみる?」
電「もちろんなのです。ニートのショボイ主砲をあざ笑ってやるのです」
電「な、何これ・・・」
電はそれを見た瞬間硬直してしまった。この主砲が出している威圧感にたじろいでしまった。
電「大きさ・・・口径・・・今まで見たことも無いレベル・・・こんなの扱える訳が・・・」
夕張「そうよね~・・・大和さんのと同じく、データが全く無いの。ただ言えるのは、51cmよりも大きく、さらに命中率までかなり考慮してある化け物よ・・・これを開発した人はかなりの腕よ」
電「けど、こんなの扱えないのです!扱えなかったら火力も命中率も意味ないのです!」
夕張「さあ・・・それは金剛さん次第だし、私には分からないわよ・・・」
電「あとこの艤装・・・禍々しいほど黒いのです。ドス黒いのです」
夕張「(電ちゃんも十分ドス黒い気がするんだけど)」
電「何か言ったのです?」
夕張「う、ううん、何も言ってないわ!」
電「(一体・・・何者なのです?あのニート・・・それに提督も・・・何を隠してるのですか?)」
その頃
蒼龍「あ、大和さん!こんにちは!」
大和「あら、蒼龍さん、あなたも今から?」
蒼龍「うん、昨日の戦闘で艦載機ちょっと少なくなっちゃったから……整備と補充してきたんだ」
大和「私も大本営への報告書作りよ……お互い大変ね」
蒼龍「そういえば大和さん」
大和「ん?」
蒼龍「大本営ってどうやったら入れるの?」
大和「……どうしてかしら?」
蒼龍「いやー、少しでも恩返しがしたくて……提督さん、あー見えて教えるのがすっごく上手いんだ。それにこの鎮守府のみんなにもとってもお世話になってるし……だからねっ、あっちに入ってサポートしようと思って!」
大和「……」
蒼龍「まー、新しい空母が来るまでその気は無いけどねっ!制空権とかあるしっ」
大和「……悪い事は言わない、やめときなさい」
蒼龍「……え?」
大和「あんな糞な所、来たって何の意味も無いわよ」
蒼龍「そ、そんなことは」
大和「あるわ。そこにいる私が言ってるのよ」
蒼龍「……なら」
大和「なら?」
蒼龍「変えてやるっ!大和さんが素敵と言えるような大本営にしてやるっ!」
大和「……そう」
蒼龍「私負けないんだからっ!」
大和「……そこまで言うなら、応援してるわ」
蒼龍「ありがとう大和さんっ!」(にこっ
大和「……」
「助けて大和さんっ!大和さんっ!」
「ねえ大和さんっ!おねg……」
蒼龍「……大和さん?」
大和「……はっ、ごめんなさい、なんでも無いわ」
蒼龍「そう?ならいいけどっ、あ、朝ごはん来た来た!さー、食べよっ!」
大和「(……無邪気ね、この子は……)」
その頃 提督室
提督「なあ……金剛……」
金剛「どうしたデース?」
提督「あの大和の事、どう思ってる?」
金剛「とってもウザイ奴デース!」
提督「お前はいつでも正直だな……で?戦力としては?」
金剛「ニートの私の5倍はストロングネー。正直電ちゃんといい勝負だと思うデース」
提督「そうか……で?今日のティータイムのこのお茶は?」
金剛「ほうじ茶デース」
提督「せめて!英国帰りらしく紅茶にしろよ!なんだよティータイムにほうじ茶って……」
金剛「ティータイムはティータイムデース、ほら、和菓子」
提督「うう……和菓子おいし」
大淀「提督!司令部から緊急伝達が!」
提督「あん?」
大淀「大規模な作戦が発令されました!その名も……AL/Ml作戦です!」
提督「……というわけで集まってくれてありがとう。なんか知らんが大規模な作戦が発動された。その名もAL/MI作戦だ」
電「質問良いのです?」
提督「おう、いいぞ」
電「AL、MIって聞いたのですが、まさか二方面同時作戦とか言わないですよね……?」
提督「その通りだ」
電「よーしみんな解散解散、諦めるのです」
提督「待て!待ちなさい!」
電「たった6隻 ニートで何が出来ると言うのです?だからもっと建造しろって言ったのです……」
提督「俺は電がいるから大丈夫だと思ったんだ?もしかして自分に自信が無いのか?」
電「そんなことは無いのです。ただ、電がいない方の作戦がとても完遂出来るとは到底思えないのです。まず、たった6隻を分散するのですよ?その時点で終わってるのです」
提督「そこでだ、敵の情報を聞くと、ALの方が比較的戦力が軽いと聞いた。そこに、羽黒旗艦、夕張、蒼龍、暁で向かってくれ」
電「……で?まさかその比較的キツいほうに……」
提督「電と大和、行ってくれ」
電「…………」(声にならない声
大和「(どうしよう……この2人の会話がテンポ良くて入っていけない……)」
電「……帰ってきたら間宮アイス1ヵ月奢りですよ?」
提督「あぁ、いいだろう。だが、死ぬなよ?」
電「電を誰だと思ってるのです?勝利をプレゼントしてやるのです。さぁ大和さん、作戦練るのです。ついて来いなのです」
大和「え、う、うんっ!」
ガチャ、バタン
提督「……ということで、残りのみんなには電と大和抜きで戦ってもらうことになる……すまない、いつも電頼りの作戦ばかりだったから慣れないだろう……」
暁「大丈夫よ!電のお姉ちゃんがここにいるわ!任せなさい!」
蒼龍「そーだね!私達だって、電ちゃん抜きで戦えること証明してあげるんだからっ!」
夕張「さーて、新装備のチェックもしたいし、暴れてこようかなっ!」
羽黒「……」(もじもじ
提督「ん?どうした?羽黒」
羽黒「は、初めての旗艦……私に務まるのでしょうか……?」
提督「大丈夫だ、旗艦と言ってもいつも通りでいい。自分にやれる事をしっかりやればいいぞ」
羽黒「で、でも……」
提督「それでもダメだったら、仲間を頼れ。みんな優秀な仲間だ。それはお前もよく分かってるだろう?」
羽黒「……わかりました!重巡羽黒、精一杯頑張ります!」
提督「よし!みんな、健闘を祈る!作戦開始は明日の朝6時!暁の水平線に勝利を刻め!」
全員「おーー!」
金剛「……」
羽黒「な、なんとか……ここまで来れた……」
蒼龍「そだねー……というか、ここ連合艦隊で出撃する所じゃないの?」
夕張「少ないのだからしょうがないわよ……まあ、敵もまあまあだったし、いいんじゃない?」
暁「さあ……AL作戦、完遂させちゃうわよ!」
蒼龍「……!あの島の上に強い反応を感知!あそこよ!」
夕張「あれは……子供?」
???「コナイデッテ……イッテルノ……!」
暁「あの子も深海棲艦……?」
羽黒「そうみたいです!あれは……新型の戦闘機です!」
蒼龍「よーし、私達の出番だねっ!さー、みんな、行くよっ!発艦始めっ!」
蒼龍「(こんな所で負けたら大本営なんて夢のまた先……ここはどんな相手だろうとっ!)」
夕張「凄いわ!相手の艦載機を圧倒してる!」
羽黒「私達も行きますっ!主砲、発射っ!」
暁「羽黒さん?その弾は……」
夕張「暁ちゃん、まあ見ててって。提督さんからのアドバイスよ」
???「コレハッ……グゥゥッ!」
蒼龍「三式弾ね!なかなか考えるじゃない!」
羽黒「提督さんが教えてくれました……対空もそうだが、陸地相手の敵が出てきた時、拡散する弾は有効だって……本当みたいですね!」
夕張「暁ちゃん!私達はその周りの雑魚を始末するよっ!」
暁「了解!レディーの実力、見せてあげるっ!」
???「ナンダコイツラ……ハナシガ……チガウッ……!」
羽黒「数が少なくても……私達は負けません!いっけええええ!」
蒼龍「……チェックメイト、ね」
取り巻きのいなくなった相手は、一方的に攻撃され、攻撃不可能なほど艤装も破壊されていた。
???「ソンナ……」
暁「私達の勝利ねっ!やったー!」
夕張「な、なんとかなったわね……はぁ……」
羽黒「……」(近づく
暁「あれ?羽黒ちゃん?」
???(ビクッ
羽黒「あなた……お名前は……?」
ほっぽ「ホッポ……」
羽黒「ほっぽちゃん……ね。ねえ、ほっぽちゃん」
ほっぽ「……?」
羽黒「今度、またここに来てもいいかな?」
ほっぽ「……!ク、クルナッ!」
羽黒「私には……ほっぽちゃんがどうしても悪い子には見えないの。何かを守るため……仕方なくやってたみたいに見えたの……違う?」
ほっぽ「………!」
羽黒「私ね……なんとなく分かるんだ……小さいのによく頑張ったね……」(なでなで
ほっぽ「……」
羽黒「私……ほっぽちゃんが戦わなくてもいいような海にするから!それまで……待ってて」
ほっぽ「レ……」
羽黒「れ?」
ほっぽ「レップウ……オイテケ!」
羽黒「烈風?うん、分かった、今度持ってきてあげるね」
ほっぽ(ぱあああっ
羽黒「次会うときは……友達として会おうね、ほっぽちゃん」
ほっぽ(こくり
夕張「は、羽黒ちゃん……凄いわね、深海棲艦と話そうなんて……」
羽黒「少しおかしく感じたんです。今までの敵とは違って……殺気が小さかったんです」
蒼龍「そー?結構本気だったと思ったんだけどなー」
羽黒「まるで、何かの命令に従ってるような……少なくとも、ただ命を狙ってくるいつもの相手とは違いました。だって、友達にもなれましたし」
暁「ほ、本当に友達になったの?」
羽黒「はい!意外と気があって」
暁「(羽黒ちゃん、本当に意外な人と友達になるけど……今回はさらに意外よ……)」
羽黒「でも、今回の作戦……何か裏を感じます……心配です」
MI方面
電「はぁ……はぁ……」
大和「正直辛くなってきたわね……」
電「でも……ここが最後なのです。一気に叩くのです!」
大和「その親玉が……登場したみたいね」
???「クスクス……スクナイワネェ……ソレデモヨクココマデキタワァ……」
電「お前がここのボスなのです?」
???「エエ……ケド……シズムノハアナタヨォ……クスクス」
大和「っ……!囲まれた!」
電「大丈夫なのです……ラストダンス、始めるのです!」
???「ヒノカタマリトナッテ……シズンデシマエッ!」
電「電に集中砲火ですか…甘いのです」
???「ナニ……ゼンブカワスダト……」
電「大和さん!今のうちにっ!」
大和「ええっ!」
???「ヘェ……ホウイモウガクズサレルナンテ……デモコレナラドウカシラ?」
大和「大量の艦載機っ……!まずいわ電ちゃん!」
電「大丈夫なのです。インベーダーゲームの要領で………」
電「全部撃ち落とすのです」
???「ナッ……!?ウソ……!?ゼンメツ……!?コンナヤツガイルワケ……!」
電「残念なのです。空母の火力はそこまで……チェックメイトなのです」
電「十連装酸素魚雷、発射ぁ!」
大和「私も……主砲、発射!」
???「サスガココマデクルコトハアルワ……ダケド……モウマニアワナイ……フフフ……ハハハッ!」
その後、爆発音と共に、その声は海の底へと沈んでいった。
電「……終わった……のです……」
大和「流石に私も疲れた……ちょっと休憩しましょ……もう敵もいないみたいだし」
電「……いや、ここに長居は無用なのです。流石に疲れているとはいえ、すぐ帰るのです」
大和「ええ〜……ちょっと位いいじゃないですか……」
電「ダメなのです。さぁ、早く帰ってあの司令官からパフェ奢ってもらうのです♪」
大和「………」
鎮守府
大淀「二方面とも作戦成功……おめでとうございます!今回の作戦、私達の大勝利です!」
提督「本当か!よし……良くやった!というか……出来すぎだけどな……」
大淀「まさか連合艦隊指定の所も6隻未満で行くと聞いた時は気絶しそうになりましたが……なんとかなりましたね」
金剛「おめでとうデース!それじゃ、みんなが帰ってくるまで2人でティーパーティーするデスヨー!」
大淀「……私の分は……」
金剛「お、大淀さんはみんなの報告があるから、みんなと一緒にしようデース」
大淀「分かりました……楽しみにしてますね」(ニッコリ
金剛「(危ないデース……うっかり地雷踏み抜く所だったデース)」
大淀「!!!……提督!!!」
提督「ん?どうした?」
大淀「大変です……多数の深海棲艦を確認!鎮守府方面に向かってきます!」
提督「チッ……まさかAL/MI共に陽動か?そしてこっちを潰しに来るとは……一体誰が指揮してるんだよ、クソッ」
提督「ここを守れなきゃ、皆が帰る場所を失う……仲間が頑張ってるのに、俺が頑張らなくてどうする!」
提督「……座標を教えろ、俺がなんとか
金剛「待つデース、私が出るネ」
提督「金剛……?お前二度と戦わないんじゃ」
金剛「それは提督が危なっかしいからデスヨ……いつも見守ってないといつ暴走するか分からなかったデスカラ」
提督「金剛……」
金剛「でも、もう大丈夫デース、ここに来てから、いや、ここに来る前から提督はとても成長したデース。この私が言うのデスカラ、間違い無いデース!」
提督「……そうか。金剛……ありがとう」
金剛「……昔のあなたじゃ、仲間という単語すら知らなかったデスネ。それが今じゃその為に頑張る……ふふっ、人って面白いデース」
提督「……そうだな。だが、変われたのは……お前のおかげだよ、金剛」
金剛「ふふっ、照れるデース……それじゃ、行ってくるデース!」
提督「あぁ……金剛、無事帰ってこいよ」
金剛「……あ、その前に2ついいデース?」
提督「ん?なんだ?」
金剛「1つはー、私が出撃した事、みんなに内緒デスヨ!私まだグータラしてたいデスカラ!」
提督「……お前、俺がどうこうより、それが大きいだろ」
金剛「そ、そんな事ないデース……2つ目、出撃久しぶりデスシ……コートと、"168"、借りてくデース」
提督「……!お前が168を連れてく程今回はやばそうなのか?」
金剛「まあ、念には念をデース、今回は私が負けた時点でゲームオーバーデスシ」
提督「分かった……もし危なかったら俺に任せろよ」
金剛「……誰に言ってるデース?ふふっ」
金剛「……黒き隕石……金剛、出撃します」
大淀「(なんか色々聞いたらまずかったような気がする)」
さーて投稿してくで
夕立「〜♪今度はここの鎮守府潰しっぽい〜♪」
夕立もとい、レ級は多数の深海棲艦を連れて鎮守府方面へ向かっていた。
夕立「情報によるとー、あの電ちゃんがいる鎮守府らしいけど……まあ、その電ちゃんはまだMIだし、ちょっと残念っぽい……」
夕立「まあ、その分早く潰せるっぽい!ふふっ、楽しくなってきたっぽい♪」
そう呟いた瞬間、夕立の随伴艦が轟音を立てて沈んでいった。
夕立「……!?艦娘!?まさか……誰もいないって聞いてるっぽい!こんなの詐欺っぽい!」
夕立「索敵……んーと……ん!?反応はあるっぽいけど……何これ!?夕立のアウトレンジよりはるか遠くっぽい!?それを一撃で命中……?」
夕立「んー!なら空から!敵は1隻っぽいし、すぐ沈めてやるっぽい!」
が、放った艦載機は1機も帰ってこない。
夕立「嘘っぽい……本当に1隻!?ありえないっぽい〜!もぉ……砲撃戦に移行っぽい!」
が、近づけば近づくほどアウトレンジからの砲撃により随伴艦は沈み、自分自身も傷ついていく。
夕立「くそっ……ようやく射程圏内っぽい……でも捉えたっぽい!艦影は戦艦1、一撃で沈めてやるっぽい!」
金剛「ようやく射程圏内デスカ……ハァ、やっぱりこっちの奴らは皆酷いデスネ」
夕立「当たらないし……接近されてる!?ふふっ、アウトレンジから撃てばいいものを、血迷ったっぽい!みんな、砲撃っぽい!そして……夕立も魚雷発射♪」
金剛「あの子……戦艦なのに魚雷を撃つなんて……これは勉強になったネ、これだけは」
夕立「当たらないっぽい……!?嘘……!こんなの、あの電と同等……いやそれ以上!?」
金剛「チェックメイトデース……」
砲撃すると、次々と夕立の随伴艦は沈んでいく。まるでゾウがアリを潰すように。
夕立「嘘っぽい……!?全滅っぽい!?」
金剛「あーあー、聞こえるデース?というか言葉分かるデスカ?」
夕立「……?」
金剛「その様子だと大丈夫デスネ、えーと、まあホントは好きじゃないデース、こういう、マジな生死をかけた戦いってのは……私のキャラじゃないデスシ…けど、やるんなら本気で来いデース!
その方が楽しいデショ?ハハハッ」
夕立「……舐めるなっぽいっ!!!」
夕立の砲撃が直撃する、轟音とともに爆発する、だが、その爆風の後に見えたのは。
金剛「んー……それが本気デスカ……まあまあデスネ」
まだ小破すらしていない金剛の姿であった。
夕立「嘘だ……嘘っぽい!直撃したっぽい!今!目の前で!なのにっ!なのにっ!」
金剛「それじゃ、こっちの番ネ」
しっかりと標準を合わせていく。それにつれ、恐怖はさらに高まっていく。
夕立「……もしかして……その姿……お前はまさか黒い隕石っぽい……!?でも……なんで生きてるっぽい!!!」
金剛「……私は1度死んだデース……そして、今度はただのニートとして生まれ変わったデース」
金剛の主砲が火を噴き、夕立の意識は遠くなっていった。
なんかネットだとj語になってしまうんや……気になるなら気をつけます。
パワプロ2016が面白すぎて時間が無かった……続き書いていきます
夕立「んっ……ここはどこっぽい?」
夕立「……手足が椅子に縛られてるっぽい……夕立、捕まっちゃったぽい……」
金剛「あ、起きたデース?」
夕立「……!黒い隕石……!」
金剛「……その異名、知ってるのデスカ……!」
夕立「深海棲艦どころか、艦娘でも知らない奴はいないっぽい!」
金剛「デスヨネ……まあ良いデス、それより、相談があって来まシタ」
夕立「何っぽい?」
金剛「……私達と手を組まないデスカ?」
夕立「……意味わからないっぽい、夕立は深海棲艦だよ?する訳無いっぽい」
金剛「……あなたは元々深海棲艦……って訳ではないデスヨネ?」
夕立「……そうだけど?艦娘のままじゃ強くなれない……だから、夕立は深海棲艦になったの。おかげさまで凡才の夕立でも強くなれたっぽい!」
金剛「そうデスカ……なら、私達がもっと強くしてあげるデース」
夕立「……ぽい?」
金剛「あっちじゃ、1人で強くなるしか無いデショ?こっちに来てくれれば私や、みんなが強くしてくれマース、怪我する心配無しデ」
夕立「……本気で言ってるっぽい?夕立、いつ裏切るか分からないよ?それでもいいの?」
金剛「ノープロブレムデース!私達、人数あまりいないシ、猫の手も借りたい位でしたシ〜」
夕立「……分かったっぽい、そういえばここにはあの電ちゃんもいるらしいし……面白いから、いてやってもいいっぽい」
金剛「おー!サンクスデース!これで仲間が増えマシタ♪」
夕立「それに……黒い隕石に鍛えられるなんて、願ってもないチャンスっぽいしね」
金剛「あ、ソウデス、その黒い隕石って言うの……みんなの前ではやめて貰っても良いデスカ?」
夕立「ん?まさかまだ皆に言ってなかったっぽい?……まあそりゃそうだよね、知られてたら大騒ぎになってるし」
夕立「まあ、いいっぽい、言わないであげる、けど、その分夕立を強くしてっぽい!」
金剛「分かったデース……じゃ、拘束外すから、これに着替えてデース」
夕立「……あ……久しぶりに見た、この艦娘の時の制服」
金剛「一応、深海棲艦ってバレたらマズイデスシ……これは私と提督2人で決めた事デスシ……とりあえず、燃料切れでここに来た、って事にしといて欲しいデース」
夕立「ふーん……了解っぽい……あれ?そういえば尻尾がない!」
金剛「あー、あの艤装なら外しておいたデース、あれ生えてると思ったら取り外し型だったのデスネ……」
夕立「」
電「……到着なのです。あー、やっと帰って来れたのです……」
金剛「おかえりデース!戦果はどうだったデース?」
電「余裕なのです。無事殲滅して来たのです」
大和「はぁ……疲れた……2隻じゃやっぱり辛いわ……」
金剛「お、大和、大丈夫デスカ?」
大和「ええ……ただ、疲れたから私はちょっと先に休みます……」(トボトボ
金剛「あ、それとちょっとお客さんが来てるデース」
電「ん?誰なのです?」
夕立「電ちゃん!久しぶりっぽい!」
電「久しぶり……?あぁ、あの時の夕立ちゃんなのです?」
夕立「そうっぽい!元気にしてたっぽい?」
電「もちろんなのです。会えて嬉しいのです」
金剛「夕立ちゃんは燃料が無くなっちゃって、修復もかねてしばらくここにいる事になったデース」
夕立「というわけで、宜しくっぽい!」
電「こちらこそなのです!」
夕立(まだ夕立は負けたわけじゃないっぽい……この子を使って……ひと暴れするっぽい)
夕立(じゃないと……ここにいる以上、あの人にいつ殺されるか分からないっぽいしね)
電「とりあえず、電は補給してくるのです。ニートさんは電の艤装運んどいてなのです」
夕立「行ってらっしゃいっぽい〜♪」
金剛「……はぁ、とりあえず電ちゃん達はなんとか無事のようデスネ、というか、会ったことあったのデスカ?」
夕立「ええ、昔にねっ、最凶のニートさんっ」
金剛「そうデスカ……とりあえず、あなたの正体がバレなきゃOKデス」
夕立「夕立、そんな馬鹿じゃないっぽい!あなたが正体を隠せてるなら夕立だって余裕っぽい!」
金剛「そうデスカ……じゃ、期待してるデース」
夕立「ええ、とりあえず今は……駆逐艦、夕立、頑張るっぽい!」
金剛「あ、あと、なんかあの尻尾なんか動いて危ないから鎖に繋いでおいたデース、全く、あれ単体で生き物だったんデスネ……」
夕立「」
〜その頃、帰投中AL組〜
羽黒「あぁ〜あの子、とっても可愛かったなぁ〜」
蒼龍「あの子にとっても夢中だね〜そんなに友達になれたのが良かったの?」
羽黒「うんっ!なんか平和的で、とっても嬉しいの!」
暁「ま、まあ、レディーとしてはあんな子怖くなかったし、倒しても良かったんだけど、しょうがなく見逃したんだからねっ」
夕張「んー、もしかしたらあっちの方も深海棲艦と友達になったりしてるんじゃない?」
蒼龍「無いでしょー、あの2人だよ?あって鹵獲かな?」
〜同時刻、鎮守府〜
夕立「へぶちっ」
電「ん?夕立ちゃん風邪でも引いたのです?」
夕立「多分誰かが夕立の噂してるっぽい……ってああああ!夕立のパフェ落ちちゃったっぽい!」
電「大丈夫なのです。ここの鎮守府には提督というキャッシュがいるからいくらでも頼み直してOKなのです」
夕立「」
蒼龍「へーっ、あなたが夕立ちゃんね……」
夕立「しばらくの間宜しくっぽい!」
羽黒「帰って来ていきなり仲間が増えていたので驚いちゃいました……宜しくお願いしますねっ」
暁「ふー……本当に深海棲艦が仲間になったんじゃなくて良かったわ……流石のレディーも焦っちゃう所だったわ」
夕立「(ぎくっ)」
夕張「ねえ!あなたの艤装見せて!ね!いいよねっ?というか装備してもいい?」
夕立「え、ええと……ゆ、夕立の艤装はちょっと今壊れちゃって……今生産中っぽい……」
夕張「そうなの?なら私直してみせるからっ!だからみーせーてー!」
電「子供なのですか……みっともないのです」
夕立「ははっ……賑やかで楽しい所っぽい……」
電「あ、そうだ暁ちゃん、この人が電を強くしてくれた恩人なのです」
暁「……!」
蒼龍「へー!既に会ってたんだ〜!これは、運命の再開ってやつかな?」
羽黒「電ちゃんの強くした人……こ、怖い……」
夕張「余計装備見たい!どうか一目でも〜!」
暁「……あなたが電をおかしくしたの?」
夕立「……?」
暁「電は……とっても優しかった子だったの!だけど……急に変わっちゃったのはあなたのせいなのね!」
夕立「……そうっぽい」
暁「なんで!なんでこんな事したの!?答えて!」
夕立「夕立はただ、人を守る1番の近道を教えてあげたっぽい。何か間違ってたっぽい?」
暁「間違ってるわよ!あなたのせいで電はどれだけの物を失ってきたと思うの!?」
夕立「そんな、全てを拾っていくなんて不可能っぽい、捨てなきゃただ失うだけっぽい」
暁「……ふざけないで!こうなったら
電「止めるのです。仲間に連装砲を向けて良いって誰に言われたのです?」
暁「こんな奴仲間じゃないわ!だから
電「止めろって言ってるのが分からないのです?」
暁「……私は認めないから」
電「行っちゃったのです……全く、お姉ちゃんが申し訳無かったのです」
夕立「大丈夫っぽい、気にしてないっぽい」
蒼龍「(これは厳しくなりそうだね……)」
羽黒「(だ、大丈夫だよね……?)」
夕張「(艤装……艤装……)」
灯台
暁「やっぱり、気分転換にはここに来るのが一番よね♪」
暁「さーて、1人景色を……って大和さん?」
大和「あら、暁ちゃん」
暁「な、なんでここを知ってるの?」
大和「電ちゃんに教えてもらったのよ……あなた、休まなくても良いの?」
暁「まーね!レディーに休息なんて必要ないのよ!大和さんは?」
大和「私はちょっと休んだから……気分転換に、ね」
暁「そうなんだ〜、私も気分転換に来たのよ!ここは最高よねっ!」
大和「ええ……あ、そうだ暁ちゃん、1つ聞きたい事があるの」
暁「ん?何?」
大和「あなたが一番守りたい物って何?」
暁「え、えっ?唐突ね」
大和「みんな人それぞれでね…私、結構興味あるの」
暁「私はただ1つ、電よ!電を守る為なら命だって惜しまないわ!」
大和「……そうなのね。ありがとう、暁ちゃん」
暁「大和さんにとっての守りたいものは?」
大和「……妹、かな。妹の為なら何でもやれちゃうって感じ」
暁「ふふっ、じゃあ私達似たもの同士って感じね!」
大和「……そうね。ふふっ」
暁「わーいっ!大和さんみたいな立派なレディーに近づけたわ!」
大和「……今日は月が綺麗ね……」
暁「え?う、うん。大和さんって詩人かなんかなの?」
大和「ただね……月夜ばかりと思うなよ」
暁「?ど、どういう意味?」
大和「……そのままの意味よ。それじゃあね」
暁「……行っちゃった……月夜……か」
暁「……綺麗ね……本当に」
続き書いていきます。
次の日
暁 ねえ!電!今日、一緒に買い物に行かない?
電 ごめんなさいなのです。今日は夕立ちゃんと間宮行く予定なのです。
暁 夕立……?ダメよ、あの子と一緒にいちゃいけないわ!
電 人のスケジュールに文句言う人は大人のレディーじゃ無いですよ?まるで子供なのです
暁 うっ……もういいわ!1人で行くから!
電 はぁ……一体夕立ちゃんの何が気に入らないのです?
夕立 あ、電ちゃん!お待たせっぽい!
電 大丈夫なのです。さぁ、行こうなのです。
暁 (2人に怪しい動きがないか……見てやるんだから!)(コソコソ
夕立「〜♪」
電「〜♪」
暁「(今の所怪しい所は無い……けど、間宮に向かう気配も無い……一体何を……)」(コソコソ
金剛「あれ?暁?何やってるデース?」
暁「(金剛さんっ!?しーっ!後つけてるの!)」
金剛「ん?誰をデスカ?楽しそうデスネー!」
暁「(金剛さんいるとバレるから!今真剣な所なの!)」
暁「って見失ったー!?ちょっ……なんなのよ……このニート……」
金剛「ホワッツ!?と、とりあえずごめんなさいネー……」
ある倉庫
電「どうしてこんな所に来たのです?わざわざ入り口に鍵までかけて….間宮に行くんじゃ無かったのです?」
夕立「実は夕立、電ちゃんにとっておきの話を持ってきたっぽい……」
電「とっておきの?」
夕立「強さの……限界を超える薬っぽい」
電「強さの……限界!?」
夕立「そう、これっぽい。まだ全然流通してなくて、これが最後の1個っぽいけどね」
電「これが……」
夕立「これの効き目は夕立が保証するっぽい。提督さんが大本営から貰ってきた由緒ある薬っぽいからねっ」
夕立「提督さん、優しいから夕立と大切な友達用って二つもくれて……それで電ちゃんにあげようって」
電「電に……なのです?」
夕立「うんっ、あんなに強くなりたいって願ってる人を見たのは初めてっぽいから……だから、ねっ」
夕立「(一見、どこからどう見ても怪しいこの話……普通なら怪しまれるけど、洗脳済のこの子ならそんな事は思わない……夕立の話は全部信じちゃう)」
夕立「あと……この薬はみんなに秘密だから、ここで飲んでっぽい。持ち帰るのはダメっぽい」
夕立「あと……夕立はいつ帰るか分かんないし、このチャンスはもう無いと思っておいてっぽい」
夕立「(そして、ここで限定、って事を強調しちゃえば誰だって……)」
電「そんなの、聞くまでもないのです」(ひょいっ、ごっくん
夕立「……躊躇……しないっぽいね」
電「そんなものしたらチャンスはどんどん逃げてくのです。強さを求め続けるにはこの位当然なのです」
夕立「流石っぽい!」(ニコッ
夕立「(チョロい……チョロすぎるっぽい……これで後はあの人が動くのをを待つだけ……)」
夕立「(勝てる……あの黒い隕石にも……勝てるっぽい!)」
電「……で、特に何も変わらないみたいなのですが……」
夕立「限界を超える薬っぽいからね、すぐ強くなる薬では無いっぽい」
電「まあ、そこまで甘くはないのですね……しょうがないのです。じゃあこの話は終わりでいいのです?」
夕立「う、うん」
電「じゃあ、間宮行こうなのです!今日は気分いいからパフェ5杯食べるのです!」
夕立「(多分ここは……暁ちゃんより子供っぽい)」
暁「もー、どうしてくれるの金剛さんっ!流石のレディーも怒っちゃうわよ!」
金剛「そ、ソーリーデース……許してくれまセンカ?」
暁「……パフェで許してあげるわ」
金剛「良かったデース……それで、何で夕立と電をつけていたのデース?」
暁「え……?何で分かったの?私まだつけてるとしか言ってなかったのに……」
金剛「あっ……!そ、ソレハ昨日会ってた時、とっても2人仲良かったし、暁ちゃんは夕立ちゃんの事嫌ってたカラ、それで心配してつけたのカナッテ……」
暁「……昨日私が夕立と会ったとき金剛さんいなかったよね?どうして分かったの?」
金剛「そ、ソレハ……機嫌悪かったし、せっかく大勝利した後にそれだったから何となく……」
暁「そっか……それじゃ、あの子を早く帰して!あの子がいたら電はおかしくなるわ!」
金剛「ええと……ソレハ……」
夕張「あ、金剛さんいたっ!!!ねぇ!金剛さん〜!」
金剛「(nice timing…!)どうしたデース?」
夕張「出撃したでしょ!私には分かるんだからねっ!」
暁「えっ!?出撃したの!?」
夕張「うんっ!かすかに火薬が艤装の中に残ってたからね!私には分かるんだから!」
暁「へぇ……ニートが働いたのね!」
金剛「ま、まあ、駆逐艦がうろついてたから、危ないと思ってネ!もう2度と出撃しないネ!」
夕張「そんな事言わないで〜!私に見せて!アレを動かしてるところ!射程とかさ!ねぇ〜」
金剛「嫌なのデース!」
暁「あ、逃げた」
夕張「あ、もー!逃がさないんだから!」
金剛「(墓穴を掘る所だったデース……やっぱりここにいる間に私も甘くなったデスネ……)」
金剛「(ただ……ここや……提督を守る為だったら……またあの頃に喜んで戻ってやるデース……)」
暁「……あ!今気づいたけど金剛さん逃がしちゃった……!はぁ……」
夜
プルルルルル ガチャ
夕立「……さん!今大丈夫っぽい?」
???「何よ……?そっちの準備は終わったの?」
夕立「もちろんっぽい!盗聴はされてないっぽいよね?」
???「もちろんよ……特殊な電波を使ってるから。」
夕立「了解っぽい、いつもの3倍は味方を連れてきてるっぽい!決行は……明日の夜っぽい!」
???「……そう。それならいいわ。それで……本当にあの金剛は黒い隕石なの?」
夕立「本当っぽい。あの……
全世界の海軍の10分の1を消した、世界初の艦娘……黒い隕石っぽい。」
???「全く、どうなってるの?一番最初の艦娘が一番強いって……ふざけてるわ」
夕立「……まあ、あれの相手は夕立に任せるっぽい。時間稼ぎはするから、その間に提督を葬って。」
???「……分かったわ。宜しくね」
ガチャ
???「……明日、か。」
次の日 朝
提督「あー、今日の出撃、中止!(笑)」
電「(笑)じゃねえのです。それなりの理由はあるのです?ないなら海に沈めるのです」
提督「うんとな、今日は俺の大事な人の命日なんだ……すっかり忘れてたよ。それで墓参りに行くから、今日は中止だ。ゆっくり休んでくれ」
夕立「……いつ戻って来るっぽい?」
提督「夕方には、な。お土産買ってくるから」
夕立「(まあ今日の夕立達も午前は出撃翌予定だったから、夜までにアイツが帰ってくれば問題無いっぽい……!こいつらが疲れないのが誤算と言えば誤算だけど……)」
電「お土産には諭吉10枚は使ってこいなのです。それ以下は鎮守府に入れないのです」
提督「破産させる気か……それじゃ、行ってきます」(バタン
蒼龍「んー!休みだー!といっても昨日もだけど!」
暁「あれ?そういえば羽黒ちゃんは?夕張ちゃんも」
金剛「今日は用事だからってもう出かけてるデース。夕張は今日も朝から艤装の手入れネー」
大和「そうですか……皆朝早いんですね」
夕立「(集合の時間に個人の用事優先する鎮守府……こりゃ救いようが無いっぽい)」
金剛「……さーて、何もやる事ないデスシ、大和!一緒に買い物行こうデース!」
大和「え、え?ま、まぁいいですけど…」
電「夕立ちゃんも電と一緒に買い物行こうなのです♪」
夕立「ごめんっぽい〜今日はやる事があるっぽい〜!」
電「そっか……なら今日は寝ようかな……」
暁「……電!なら私と行きましょ!ちょうど行きたい所があったの!」
電「……夕立ちゃんじゃないならいいのです」(バタン
暁「電……行っちゃった……待ってよ電!」
夕立「(ふふふ……電ちゃんはもうそろそろ艦娘を敵と思い始める頃っぽい……たとえお姉ちゃんの声でも届かないっぽい♪)」
蒼龍 「あー、どうしよー……私は……私も工廠で艦載機整備してこよ……」
夜 鎮守府近海
夕立「んー……結構集まったっぽいね。50隻位?」
夕立 「それじゃ、皆。今からあの鎮守府に総攻撃をかけるっぽい。皆には散歩って言ってるし、このルートは索敵の範囲外だからこっちの動きはまだ感づかれてないっぽい!」
夕立「尻尾がないのが痛手っぽいけど……まあ、ワ級に持ってきて貰った装備で我慢するっぽい」
プルルルルルル
夕立「ん?」(がちゃ
???「こっちは準備出来たわ。そっちは?」
夕立「大丈夫っぽい。少なくともあの金剛が暴れてもそっちのカタが付くまでは粘れる位はいるっぽい」
???「そう……ありがとう。ただね、夕立」
夕立「ぽい?」
???「あなたは来なくてもいいわよ?どうせ電は勝手に覚醒するし」
夕立「……夕立の力がいらないっぽい?」
???「ええ。だってあなた、本当に深海棲艦化してないんだもん」
夕立「そんな事ないっぽい!夕立は!ちゃんと深海棲艦に
???「そう。ならあなたに少しでも芽生えてる仲間意識は何なのかしら?」
夕立「仲間……意識?」
???「あなたは気づいてないかもしれないけど、それが皆の足を引っ張るかもしれないのよ?それでもいいの?」
夕立「……夕立は強くなったっぽい!だから……そんな意識なんて関係ないっぽい!」
???「そう……ならいいわ。期待してるわ」(がちゃ
夕立「……仲間……仲間なんて……」
鎮守府 食堂
夕張「夕立ちゃん遅いなぁ……どこ行ったんだろ……」
蒼龍「まあ、来ないなら来ないで私が食べちゃうけどねっ!」
暁「ヨダレ出てるわよ!?レディーとして恥ずかしくないの!?」
電「……夕立ちゃんもだけど、羽黒ちゃんは?あと大和さんも」
夕張「んー、私はよく分かんないなぁ……ただ、羽黒ちゃんの艤装は無くなってたけど」
蒼龍「ん?出撃してるの?羽黒ちゃん」
夕張「と思うよ。提督には許可貰ってると思うし、詳しい事は提督に聞いたら?」
大淀(アナウンス)「き、緊急連絡です!」
暁「ん?どうしたんだろ?」
大淀「鎮守府近海……いや、鎮守府に深海棲艦が上陸して来ました!至急出撃準備を!」
蒼龍「……!?」
夕張「嘘…でしょ?見張りは?一体……どうやって?」
電「話は後なのです!生き残りたいなら工廠に急ぐのです!」
暁「ええ!うぅ……大和さんと夕立も聞いてるといいけど……」
工廠
蒼龍「うう……急いで艤装装着してると失敗しそうで怖い…」
電「……急いでる所悪いのですが、1ついいのです?」
暁「何?電?何かあったの?」
電「今度は夕張さんがいないのです」
鎮守府 波止場
夕立「へぇ……まさか艤装も持たずにノコノコ殺されに来るバカがいるっぽい?」
夕張「夕立ちゃん……まさかあなた……そっち側だったなんて……」
夕立「驚いたっぽい?ふふっ」
夕張「……何が目的なの?何の為に!?」
夕立「……夕立は提督にスカウトされたっぽい。夕立が深海棲艦と知っててね♪」
夕張「提督が知ってて……!?」
夕立「さぁ……素敵なパーティ始めましょ?」
金剛「もう戦闘が始まってるデスカ……!艤装は持ってきて正解だったネ……」
金剛「本当は上陸する前に潰せたんデスヨ!なのにイムヤがチンタラしてるカラ!」
???「私イムヤじゃないって言ってるでしょ……こっちの潜水艦と姿が似てるからって一緒にしないで」
金剛「今はそんな事言ってる場合じゃないデース!よし、とうちゃ……!?」
???「あらら……どうやら遅かったみたいね」
夕立「あら?金剛さんが一番先に来たっぽい?……まあ、もう遅いっぽいけど」
夕張「……」
金剛「夕張!?艤装も無しにナンデ……!?」
夕張「誰かが……ここを守らなきゃ……鎮守府は終わってた……からね……たとえ艤装無しでも……時間は稼げるわ……」
金剛「夕張……アナタ」
夕張「金剛さんの戦う所見れなくて残念……後は頼んだわね」
金剛「夕張っ!」(がしっ
???「……大丈夫。気を失ってるだけよ。よくこの怪我で死なないでいられるか不思議だけど……」
金剛「イムヤ!夕張は任せたデース!」
???「だから違うって言ってるでしょ!さっさと片付けてきて!」
夕立「久しぶりにその姿で会えたっぽい、金剛さん♪」
金剛「……派手にやってくれたネ……夕立……」
夕立「まだまだこれからっぽい♪まだ役者も揃ってないしね……♪」
金剛「……ワタシ達は仲間じゃ無かったのデスカ?」
夕立「もちろんっぽい!……あなた達は最初から敵だよ」
金剛「そう……それは悲しいデース、次第に仲良くやれると思ったデスケドネ」
夕立「さあ、始めましょ……あなたは水底がお似合いっぽい」
金剛「……マッハで蜂の巣にしてやるデース!」
書き込む前にデータ消えてメンタルブレイクされたので続きはまた……
電「戦闘音があっちからするのです!」
蒼龍「そうね……近いみたいね」
暁「あっ!見つけた!あれよ!金剛さんと……夕立!」
蒼龍「金剛さんが戦ってるのも意外だけど……夕立ちゃんが深海棲艦側に……!?」
電「夕立ちゃん!何やってるのですか!?」
暁「で、電!そんなにいきなり飛び出したら!」
金剛「電……みんな……!来てくれたデスカ!」
夕立「みんな……」
電「説明してなのです……なんで夕立ちゃんがそっち側に?」
夕立「……この金剛が!黒い隕石だったからっぽい!」
暁「黒い隕石って……あの?」
蒼龍「あのニートで明るい金剛さんが……?」
電「夕立ちゃん……それは流石に信じられないのです」
夕立「本当っぽい。普通の艦娘にそんな艤装扱えるっぽい?その服は?そしてこの戦力を相手に1人で戦って傷もほとんどついてない、それが普通の艦娘だと思うっぽい?」
蒼龍「そう言われると……確かに……だけど……」
暁「電!騙されちゃダメ!金剛さんが黒い隕石な訳ない!」
電「……それで?夕立ちゃんがなんでそっち側で戦ってるのです?」
夕立「ここの提督の野望を阻止する為っぽい!提督は生きていた黒い隕石を使って鎮守府を掌握するつもりっぽい!だから止めるために……夕立は深海棲艦になったっぽい」
金剛「そんなデタラメ、通用しないデース!ね?いなz……」
電「また……電達を利用して……?自分のために……?」
暁「電!?どうしたの!?電!?」
夕立「ね?電ちゃん?そんな提督に復讐したくない?」
電「電は……電は……」
暁「電……!?」
電「あああああああああっ!」
蒼龍「な、何!?何が起こってるの!?」
暁「電の目から……深海棲艦と同じ黄色い光が……!?」
夕立「ふふっ、やった!やったっぽい!深海棲艦化完了っぽい!さぁ電!艦娘や提督を殺していくっぽい!」
___ドォン!
夕立「えっ……?なんで夕立が……?お腹撃たれてるの……?」(バタッ
電「電に命令するな……生きている奴は……皆殺しなのです♪」
やっぱりtake2はダメだ……上手く書けません……
とりあえず、アーマード・コアの世界とは繋がってないので安心してください。金剛さんの武装もオーバードウェポンではないのでご安心を
電「みんな殺せば……みんな幸せ……なのです♪」
暁「電!?どうしちゃったの!?ねえ!?」
電「お姉ちゃん、うるさいのです」
金剛「暁、危ないデース!」
ドォォォン
蒼龍「金剛さんっ!?」
金剛「全く……駆逐艦の砲撃じゃないネー……暁が食らってたら肉片になってた所デース」
暁「そんな電が……嘘……電……」
金剛「(まさかここまで深海棲艦化するとは思ってなかったデース……!多少強引でも夕立を止めれば良かった……!それより、とりあえず……)」
暁「……」
金剛「……暁、ここはひとまず蒼龍と一緒に撤退してくれるデスカ?」
暁「嫌よ……電を元に戻さないと
金剛「それはワタシの仕事デース……事情を知ってながらも止めなかった、この悪人がやるべき事デス」
暁「知ってて?……ねえ金剛さん……教えて……あなたは味方なの?敵なの?」
金剛「後で全部話しマス……だから、ここは任せて欲しいデース」
暁「……分かったわ、蒼龍さん!撤退よ!」
蒼龍「で、でも金剛さんが!」
暁「金剛さんが…本当に黒い隕石なら大丈夫よ!行くわよ!」
電「……しあわせになれるようにしてあげたのに……ニげるナンて……ひどいのデス……」
金剛「……電……幸せにするなら私にしてくだサイ」
金剛「」
金剛「その代わり、ワタシが絶対に……元に戻す」
金剛「あなたの未来、みんなの未来は、ワタシが守ってみせマース!」
金剛「(見た感じ、私でも至近距離で5発以上食らうと厳しいネ……夕立が可愛く見えるクラスデース……)」
電「せっかく電が幸せに幸せに幸せに楽に楽に楽にぃぃぃ……してあげたのにのにのにににに……酷いのデス」
金剛「まるで狂気の塊ネ……!」
金剛が刹那、猛スピードで電に詰め寄る。普通の艦娘だったら至近距離でもマトモに照準など合わせられない程の速さ。しかし
電「幸せににににに……誠意を持って尽くすくすくすくすのデス」
金剛「なっ……!?」
狂気の塊には関係なかった。金剛が向かってくる方向に乱射し続ける。一撃が重い分理にかなった攻撃だった。
金剛「くぅ……こんなになっても戦い方はマトモ……いや、違うネ。全て狂ってるネ!」
単装砲から繰り出されるあり得ない威力の砲撃。それは今まで長い間戦って来た金剛でも戦艦も合わせてもほぼ体験した事の無い程だった。
金剛「これじゃマトモに近寄れないネ……!仕方ないデース!」
多少命中率が下がる位置からの砲撃。だがそれでも半分は直撃するコースに向かっている。普通なら1発2発当たって中破、もしくは大破している。だが、今回の相手は普通では無いのだ。
電「」
電「電を幸せにしててててててくれる愛ぃぃぃ……あぁ、なんててててててて嬉しいのデス……だけど、足りない、幸せになるには足りないのデス」
電はやすやすと躱していく。少し前に金剛が出撃した際、かなりの遠い位置から砲撃を当て夕立の艦隊を壊滅させた。それほどの精度を持つ金剛でさえ、今の電には届かないのだ。
電「あぁ……こんなに幸せをあげてるのに……幸せを受け取ってくれないいいいいいいい……なんて電は不幸なのデスカ……」
金剛「くぅ……このまま続けてもジリ貧ネ……どうにかして打開策を練らないと……」
電「幸せの……幸せのぉぉぉぉぉぉぉ……
邪魔をするな」
その時、金剛はとてつもない危険を感じた。だが、それではもう間に合わなかった。
金剛「……がはっ」
砲撃が当たった覚えは無かった。掠りはしても、直撃は避けていたはずだった。なのに
金剛「腹を……撃たれてる……!?」
来ていた服のお陰で幸い貫通はしていなかった。が、それでも弾はしっかりと肉を抉っていた。
電「あぁ……なんであなたは幸せにならない……なろうとしないのデスカ?電がこんなにも幸せにしてあげようとしているのににににに………」
金剛「幸せにしろって言って悪いけど、あなたの幸せはノーサンキューネ……!」
幸いにも普通の人間と違い、致命傷になる傷でも多少は持ちこたえる事が出来る。
金剛「まだ戦える……だけど、これ以上食らったら……!」
電「ほらほらぁ……抗うなら抗ってほしいのです……その後の幸せは格別デスカラネェ!あはははははは」
金剛「ワタシじゃ……電を止められないのデスカ……」
そんな考えがふと浮かんだが、すぐに消えていった。いや、消してくれたのだ。仲間の、提督の存在が。
金剛「ワタシを信じてくれたのデス…それに報いることが……ワタシの使命!」
回避をしながら、出来る限り呼吸を整え、冷静さを保つ。隙を見逃さず、反撃する為に。
金剛「この命尽きるまで……足掻いてみせるデース!」
遅くなり本当に申し訳ありません。まさか夏バテするとは思って無かった……無理せずにエアコンは使っていきます……
金剛「とりあえずある程度近づかないと……今のあの子には当たらない……けど……」
電「どうしたのデスカァ?幸せが逃げるデスヨ~?」
金剛「謎の攻撃の正体を掴めない限り……自殺に等しいデース……!」
電「全てのものにぃぃぃぃぃ幸せをぉぉぉぉ!この電が!与えなければぁぁぁ!」
金剛「来る……!」
身構えた金剛。しかしその警戒も虚しく意味を成さない。
金剛「ああっ……!」
今度は右肩に被弾し、当たった場所から血が流れだしてくる。しかし、金剛も2回目となると技の正体を掴み始めていた。
金剛「なんて子ネ……こんな子を野放しにしてたら日本は滅びてしまうデース!」
電「滅びる……?それはなんて幸せナノデス……!なんの悲しみも憎しみも産まない!あぁ、幸せ、幸せぇぇぇぇぇ!」
金剛「電……あなたの本当の幸せ、思い出せデース!」
技の正体は掴んだ。しかし、まだ対処法までは考えつかなかった。さらに、乱射される普通の砲撃。流石の金剛でも、死への恐怖心が芽生えていた。
だが、それを捨て去り一気に電へ詰め寄る。次の手を打たない事には自殺行為と等しかったからのもある。が、それよりも自分の気持ちが恐怖心に勝った事が大きかった。
仲間への思いが、今の金剛を動かす最大のきっかけとなった。
電「悪いけど……あなたの不幸には、飽きた」
金剛「来るっ……!」
自分の出来る限り神経を張り詰め、乱射される弾を避け続ける。
しかし、1発だけ異質の弾があった。電はそれを撃った時勝利を確信していた。だが、その慢心が金剛にとっての最大のチャンスだった。
金剛「やっぱり、隙が出来たネ……避けられないと思って!これでチェックメイトネ!!!」
金剛はその異質の弾をギリギリ避け、自身の渾身の一撃を放つ。それは駆逐艦の艤装を大破させるには充分過ぎる程だった。
金剛「はぁはぁ……これで、終わりネ。装甲も上がってたらこっちが詰んでたけど……そうじゃなくてラッキーだったデース」
電「ど……どどどどうしててててて避けれたのデススススススス!?あれは認識不可能!!!どうててててててて!?」
金剛「……電の、速度の違いをつけての砲撃、確かに認識は出来なかったデース」
異質の弾、その正体は速度がかなり落ちた弾であった。普通、避けやすい弾であるはずが、乱射された中、一撃でも受けたらアウトという状況で、速い弾に慣れてしまった脳は自然と遅い弾を認識から外してしまう。それが異質の弾の正体だった。
電「なぜぇぇぇ!?認識出来ないのにぃぃぃぃ!?よけれたァ!」
金剛「簡単デース……電は最後敵を仕留める時、自然と心臓を狙う癖があるのデース。それさえ知ってれば、後は強引に回避すれば……」
電「あの弾幕の中……誘導もカンペキだった中……それでも届かないなんて……」
電は膝から崩れ落ちた。その目には涙が浮かんでいた。
電「電が幸せにしなきゃ……この狂った世界を壊さなきゃ……電が…電が……」
金剛「その重い荷物、もう1人で背負うのはやめるデース」
金剛は歩み寄り、電と同じ目線までしゃがむ。
金剛「電はとっても優しい子デース。ワタシもよく知ってマース。とっても仲間思いで、人が傷つくのが嫌で、だから全部自分を犠牲にして……」
電「それが……皆が幸せになる方法だから」
金剛「勘違いも甚だしいデスネ……」
電「……?」
金剛「あなたが傷つく事で、みんなが悲しむって事あなたは気づかないのデスカ?」
電「そんな事ないのです!別に電の事なんて……」
金剛「自分でどう思おうがいいけどサー、そんな世界は酷いわけじゃないんだヨ?少なくともうちの仲間達皆、あなたの事を心から心配してるデース」
電「電の事を……?」
金剛「そうデース!電が頑張りすぎてないか、抱え込みすぎてないか、ってネ。けど、電がその心配を一向に拒否するから気づけなかったんデスヨ」
電「電は……電は……」
金剛「電の背負ってる荷物は皆で分け合いマース!いくらだって助けマース!電も幸せになる世界を皆で作りマース!だから……
戻っておいで、電」
電の目からは今まで灯っていた殺意の炎は消えていた。
溢れる涙が、炎を消してくれていた。
電「うぐっ……辛かった……辛かったのです……お姉ちゃんがいなくなって……全部自分のせいだと思って……」
金剛「よく頑張ったデース……電」
金剛は優しく電の頭を撫でた。
電「強くなって、みんなを守れるようになるほど……自分が自分じゃなくなっていったのです……それでも……みんなの幸せになるならと思って……」
金剛「電はとってもいい子デース……だから、今度はワタシ達が電が幸せになれるように頑張るネ!」
電「電は……今とっても幸せなのです。だって……こんなに電を思ってくれる仲間、そして世界で一番のお姉ちゃんがそばにいるんですから」
金剛「そう言ってくれるとワタシも嬉しいデース!……それじゃ、皆の元へ戻るデース!立てますか?」
電「大丈夫なのです!さぁ、みんなの元へ帰って……今までの事を謝って、もう一回リスタートするのです!」
金剛「それは良いデスネ!じゃ、帰る……前に……」
電「ん?」
~同時刻 提督室~
提督「……来たか。そんな物騒な物を置いて、お茶でもしないか?」
???「あら、こんな状況でもそんな冗談が言えるのね」
提督「もうな、こんな状況で脳が考える事をやめたんだと思うぜ」
???「そう……それはそうね。仲間も皆港の方に言ってこっちに帰ってくるまであと数十分はかかるわ。これで終わりね。あなたも」
提督「そっか……それは悲しいな。な?死ぬ前に何故こんな事をしたか教えてくれよ……大和、いや、港湾棲姫!」
大和「嫌だ、と言ったらどうしますか?ふふっ」
提督「なぁ……なんでこんな事を……」
大和「……あまり、驚いてなさそうですね。提督。それに、私の正体まで……どこで知ったんですか?」
提督「……答えなきゃ殺されそうだし答えておく。夕立いるだろ?」
大和「ええ。正直ありがたかったわ。事が色々楽に済みましたし」
提督「あいつの制服に盗聴器を付けさせてもらった。おかげでお前らの計画は全て筒抜けだったよ」
大和「へぇ……やっぱり何かあると思ったら……だけど、あなた馬鹿なの?」
大和は口調を強くして続ける。
大和「聞いてたって事は、知ってて電や……仲間の事は犠牲にしたって事でしょ!よくそんな奴が提督に……いや、あなたは実力はあるものね……」
大和は近づきながら喋り続ける。無論、艤装の砲口は提督に向いたままに。
大和「大本営にとっては都合が良かったんでしょうね……あなたのような艦娘をいとも容易く犠牲に出来る存在は……ねぇ!」
提督「……確かにそうかもな。確かに全員に伝えておけば、事前に計画を潰せただろうし、夕立だって止められただろう……だがな」
数枚の紙を持った提督も数歩、大和に近づき
提督「それではお前らが救えないんだよ。お前らも今現在俺らの仲間だ。違うか?」
大和「……は?」
そう言われ、大和は呆気に取られた。
大和「私達が……?」
提督「ああ。俺はその道を取った。俺はお前らからなんと言われようが構わない。だがそのかわり、お前らは絶対に救う」
大和「私を救う……?何を言ってるの?私達は自由な存在……気に入らない鎮守府を見つけて排除するだけよ」
提督「いいや?違う。それだったらもっと多くの鎮守府が潰されている。これを見ろ」
提督は資料を大和に突き出す。
提督「多くの深海棲艦を沈めている所、必死に遠征して資源を貯めている所、期待の新人が来た所…それぞれ色んな鎮守府が潰されているが…何故か無能な所だけは見逃されているんだ。あまりにも的確で不自然すぎる」
大和「なっ……それはその方が都合いいからじゃない!」
提督「そうかもな。じゃあ、まだ着任して1週間の所も潰しにかかっている件については?確かにこいつは有能だったらしいが……こんな情報、たとえ大和の姿でもなかなか知りえないし、もっと他にやる事があるだろう?」
大和「なっ……わ、私は大本営から来たのよ!その位」
提督「なら、捨て艦作戦を行う無能な提督はどうだ?そっちの方が余程お前らにとっても厄介じゃないか?」
大和「それは……そんな所どうせ潰れるし」
提督「違うな。正解を言ってやろう。お前は……第三者から動かされている。それも……深海棲艦ではなく
大和「それ以上は言わせない!あなたには聞きたいことがまだ沢山あったけど……これ以上は危険だわ。生憎、この大和の姿じゃ人を殺せないから、元の姿に戻ってあげる」
そう言うと突風が吹き、まばたきをした提督の目の前にはれっきとした深海棲艦が主砲をこちらに向けていた。
大和「どう?この姿……震えて動く事も出来ないかしら」
提督「あぁ…まぁ、動いたら撃たれるんだろう?怖くて動けないよ」
大和「ふーん…そんな余裕そうな声で?まさか私が撃たないと思ってるの?」
提督「あぁ。俺はお前を」
信じている、という前に弾丸が提督の頬を掠め後ろの壁を吹き飛ばした。
大和「今更私が躊躇すると思ってるの?幾千もの鎮守府を潰して来た私が…」
提督「……大和……」
大和「何か言い残す事はある?言わせてあげる」
提督「結局、俺の手ではお前を救い出す事は出来なかった……か」
大和「そうね。別に私は助けなど求めていないし、救う事なんて出来ないわ」
提督「……お前は、今幸せか?」
大和「幸せ……?深海棲艦がそんな物望むと思ってるの?」
提督「……お前は、今どうしたいんだ?」
大和「……大本営の為、あなたを潰す事よ」
提督「……そうか。分かった。」
大和「……さよなら」
大和が提督に標準を合わせる。
提督「もしお前が本当に助けて欲しいなら助けて欲しいって言え。そうしたら俺達が必ず助け」
その声は刹那に撃たれた砲撃により強制的に終わりを迎えた。
大和「何が助けるよ……何も知らないくせに……」
砲撃により無惨な姿になった部屋は煙で包まれ、視界はほとんど無い。
大和「艦娘達が帰ってくる前に撤収ね…夕立は…置いていきましょう。生きていたとしても瀕死でしょうし…」
部屋から出ようとした瞬間、頬に水がしたたった。
大和「……なんで……私……」
それは正真正銘、自分の目から流れている涙だった。
大和「部屋の煙のせいよ…私が…私が泣くなんて有り得ない!」
大和はさっき撃ったばかりの男の言葉をを思い出した。
「お前らも俺の仲間だ」
「お前らは絶対に救う」
大和「馬鹿じゃないの…正体が分かっていながら…それでも救うなんて…」
幾千の鎮守府を潰してきた。幾千の提督、艦娘を潰してきた。正体を知った者は悲鳴、罵声を浴びせて来るだけで、撃っても何も感じる事はなかった。
だが、この男は違った。自分を助けると言った。仲間だと言ってくれた。
大和「……本当にふざけてるわよ……あなた……」
大和は誰にも聞こえない声で呟いた。
「私を…助けてよ…」
「その言葉を待っていた!」
呟いた途端、煙の中から聞き覚えのある声が聞こえてきた。
大和「嘘……なんで生きてるの……?」
提督「まだやり残してる事が多いからな。簡単にくたばる訳にはいかないのさ」
提督は煙の中から出てきた。小さな深海棲艦をおんぶして。
大和「え……?何で……?」
その声は提督では無く、おんぶされている深海棲艦に向けて発せられた物だった。
提督「紹介するよ。こいつがウチの新しい仲間の…ほっぽだ」
ほっぽ「オネエチャン……タダイマ!」
夕立「んんっ……」
夕立はベッドの上で目が覚めた。
夕立「夕立は一体何してたっぽい…?あまり覚えてないっぽい…」
大和「あら、起きたの?」
夕立「大和さん…?はっ!そうだ!夕立、作戦失敗して……もしかしてここは天国っぽい?」
大和「残念、生きてるわ」
夕立「じゃあここは…?」
大和「鎮守府よ。金剛さんに感謝しなさい。あなたをここまで運んだのは電なのだから…」
夕立「ち、鎮守府っぽい!?作戦失敗!?じゃあ、妹さんは…」
大和「大丈夫よ、ふふっ」
ほっぽ「ア、ユウダチ!オキタンダ」
夕立「……えええええええええ!?」
夕立「ど、どういう事っぽい…なんで…」
提督「それについては私から説明しよう」
夕立「て、提督…」
提督「まず、大和の妹、ほっぽちゃんが"大本営によって"ほぼ囚われの身にあった事は分かっているよな?」
夕立「ぽい。だから夕立も大和さんもここまで必死に…」
提督「まあ、それでだ。あの島への出撃から色々調べたおかげで色々分かったんだ…まぁ、異変に気づいたのは羽黒だったんだが」
夕立「羽黒ちゃん?」
提督「あぁ。普通の深海棲艦に比べ殺意…が少なかったそうだ。まあ、その所は俺にはよく分からんが」
夕立「へぇ…」
提督「それに、お前もわざわざ投降して来たのも怪しいと思ってな…ちょっと調べただけでも、今回のような事例が沢山出てきた」
夕立「まあ、いつもこのAL/MI作戦で潰してるし…」
提督「まあ、その辺のデータがあったもんで2回目の襲撃もわりかし予測は出来てたかな…ただ、大和の裏切りの所はデータにも無かったが」
夕立「夕立のせいでバレたっぽい…」
提督「まあな。で、だ。それで後はなんでお前らが大本営の味方してるのかを考えた。大本営との繋がりは…まぁ、大和には言った通りあまりにも優秀な所だけを的確に狙った動きだったもんで気づいたんだが」
夕立「ちょっと待つっぽい!なんで大本営がわざわざ優秀な所を潰すと思ったっぽい?」
提督「戦争には金がかかる。それは分かるだろう?つまり戦争が長引けば長引くほど儲かる奴も出てくるって事さ…そいつらと手を組んでんのさ、大本営は」
夕立「そうっぽいか…なら、その優秀な人を提督にしなきゃいいっぽい!」
提督「それはそれで文句が出るだろう?だから表では認可しておいて裏で潰すのが奴らの手口なのさ…」
夕立「へぇ…夕立、特に潰したところなんて気にしてなかったから気づかなかったっぽい…」
提督「話を戻すぞ。とりあえずお前らが大本営と繋がる理由…1つ目はwin-winの関係を疑った…だが、相手はお互い信じられない。そんな奴らがわざわざこんな長い期間それだけで手を組むとは思えんかったからな」
夕立「へぇ…」
提督「それで、人質を考えたんだ…まあ、他に思いつくのも無かったからな。で、ちょっとほっぽちゃんがいた島周辺調べてもらったら…艦娘が隠れてたわけよ、大本営の。これで確信したね」
夕立「そこまでしてたっぽいか…」
提督「で、お前らが2回目の襲撃に来てる間に単艦で羽黒にあの島行ってもらって救出しに行ってもらったんだ。まぁ、結構やられてしまって今も入渠中だけどな…」
大和「あなた達には本当に感謝してるわ。この先何があっても、私はあなたの味方よ。ついでにそこの夕立も」
夕立「夕立も!?」
大和「文句あるの?沈めるわよ?」
夕立「ひいいっ…」
大和「あと…私から質問していいかしら…」
提督「ん?なんだ?」
大和「金剛さんの事よ。彼女…黒い隕石がなんでここにいるの?彼女は既に沈んだはずよ!」
提督「……それは本人に語ってもらった方が早いな。それに、これは他のみんなも知りたがってることだろう」
大和「そうね…改めて、みんなが揃った時にお願いするわ」
~夜 食堂~
提督「みんなお疲れ様!今回もなんとか誰も死ぬ事なく終わる事が出来た。本当に嬉しく思う!それで、今日は盛大にごちそうを作ってもらった。みんな好きなだけ食べてくれ…と言いたいところだが、その前に色々喋りたい奴がいるもんで…とりあえず、大和、夕立」
大和「はい…」
大和と夕立は提督の隣に立つ。
大和「みなさん…本当にごめんなさい。正直、いくら謝っても許される事ではない事と分かっています。裏切って、傷つけて…」
夕立「ぽい…」
大和「どんな罰でも受ける覚悟でいます。なので、せめて妹には…」
電「ん?今なんでも罰受けるって言ったのです?」
大和「電…?」
電「なら、毎日電にパフェ奢るのです♪それなら許すのです」
夕立「ぽ、ぽい!?」
電「話は聞いたのです。大本営に仕組まれてたんですよね?確かにあなた達のやった事は許されないのです。けど、ここには誰も大和さんを憎んでる人はいないのです」
暁「みんな、大和さんの本当の顔知ってるからね!とっても気遣いが出来て、優しい大人のレディーだもの!」
夕立「色々艤装修理も手伝ってくれたしねっ、根っからの悪人じゃない事は分かってるわよ♪」
羽黒「それに、私としてはほっぽちゃんを人質に取って脅した大本営の方が許せませんっ…姉妹を人質に取られるのはとっても辛い事って知ってますから」
蒼龍「本当に…ショックだよ、大本営がそんな事してたなんて…」
電「なのです。まあ、今度こそ力を貸してください。大和さん」
大和「みんな…ありがとう…」
暁「ほら、大人のレディーが泣いてたらみっともないわ。私のハンカチで拭いて。」
大和「ありがとう…暁…」
電「あ、夕立は許してないから今から処刑なのです」
夕立「ぽいいいいいいいい!?」
電「冗談なのです。まぁ、大和さん達はこの位にして…」
金剛「……私、デスネ」
暁「それとあのイムヤちゃんに似た子…」
???「イムヤじゃないわよ!」
威勢のいい声が部屋の外から聞こえてきた。
金剛「ほら、イムヤ、入ってくるのデス。あなたも関係ある事なのデスカラ」
???「イムヤじゃないのに…もう、分かったわよ」
イムヤこと、伊168にそっくりな黒髪の少女が入って来た。
金剛「まず、自己紹介したらどうなのデス?」
???「そうね…イムヤと呼ばれるのは嫌だし…」
そう言うと金剛の横に移動し、
イムヤ「私はB168。潜水艦じゃないわ。ブラックボートよ!よろしくねっ!」
電「やっぱりイムヤなのです」
イムヤ「それじゃ潜水艦の子と一緒じゃない!イムって呼んで!イムって!」
電「分かったのですイムヤ」
イムヤ「分かってないじゃない!」
暁「あの…えっと…イムヤって潜水艦じゃないの?」
夕張「そうそう!ブラックボートって言ってたよね!それって何?教えて!」
イムヤ「イムヤじゃないわよ!全く…ブラックボートってのはね」
金剛「まあ待つのデス。その前に私達がどこから来たとかも話さないと…」
暁「……金剛さんが、本当にあの黒き隕石なら……ブラックホール国、でしょ?」
金剛「その通りデス。暁、今、日本国外の国がどうなってるか知ってますヨネ?」
暁「ええ…深海棲艦が現れてから多くの国は統合を繰り返し…今では大きな国が5つ出来たのよね。北アメリカ周辺がレッドスター、ロシア周辺がブルームーン、ヨーロッパがグリーンアース、アジアがイエローコメット…そして、オセアニアのブラックホール」
金剛「そうデスネ。そして私はそのブラックホール軍最強、いや、世界最強の戦艦、"黒い隕石"こと金剛デース!」
電「……正直、信じられないのです。だってこの人が…ほぼ1人で世界を滅ぼしかけたなんて」
金剛「ええ…私達のブラックホール国はとても狭く、資源も少なくて侵略という手を使うしかなかったのデス…まあ、言い訳デスガ。深海棲艦とやってる事変わらないネ…」
イムヤ「ま、ほとんどかなり成功したんだけど、結局金剛さん並の子が4人、他の国にも出来ちゃって失敗したんだけどね」
金剛「それで、命からがら私は逃げてこれたのデース…別に私は戦争好きじゃないデスシ」
蒼龍「まあ、それはなんとなく分かる…」
金剛「それに私やイムヤはあなた達とちょっと違うのです。あなた達は船の魂から作られる…らしいですケド。私達は…生身の人間を改造して作られたのデース」
夕張「えっ?でもそれって無理なんじゃ…」
金剛「奇跡…が起こったんデスヨ。実際研究が始まってから何千人の被験者の中で生き残ったのは私達位ネ、うちの国じゃ」
イムヤ「でも、その分強力だったわ…私も金剛さんと一緒にかなり暴れ回ったし」
金剛「実は、艦娘の技術はうちが一番最初に開発してたんデスヨ♪それが広まって今の形になったんデース」
夕立「し、知らなかったっぽい…」
夕張「あ、そうだ。イムヤちゃんのブラックボートって何?潜水艦じゃないんでしょ?」
イムヤ「ブラックボートっていうのは…まあ、わかりやすく言うと修理出来る潜水艦と言ったところかしら。明石さんが潜水艦になったみたいなものかな」
大和「それ…かなり凄い技術じゃない!」
イムヤ「あ、深く潜水出来るのは艦娘の私だけよ?普通のブラックボートはあんまり潜れないし…」
大和「ふーん…つまり、潜れる工作艦ってことね」
金剛「ま、とりあえず私達の説明はこんな所でいいカナ?他に質問は…」
電「あ、1ついいのです?」
金剛「どうぞデース」
電「金剛さんは…本当に味方…なのです?」
金剛「もちろんデース!…今は、提督の艦娘デスカラ!」
電「……ならいいのです。これ以上の味方はいないのです」
提督「よし、それじゃ、飯も冷めちまうし食べるか!みんな、乾杯!」
全員「乾杯!」
電「……そういえば、これからはちゃんと出撃してくれるですよね?」
金剛「気分が乗ったら出撃しマース!」
イムヤ「私は金剛さんが出撃するなら」
電「(ダメだこいつら…絶対出撃する気ないのです…早く何とかしないと…」
~MI ほっぽがいた島~
???「はぁ…全く何してんだか…私が怒られちゃったじゃん…」
1人の少女の足元には動かなくなった艦娘が散らばっていた。
羽黒と戦って死んだ者はおらず、全てこの少女の仕業だった。
???「弱き者は滅す、これ、世の理だよね~♪」
その少女は普通の艦娘とは全く違った雰囲気を纏っていた。
そう、それはまるで金剛のような。
???「待っててね、金剛さん…今度こそあなたを沈めるから♪」
その少女は暗き海へと消えていった。
このSSまとめへのコメント
電の過去編が抜けてるのです。修正お願いするのです。
一体何なんだこの駄作は(驚愕)
時間返せカス。