八幡「嫉妬って醜いのか?」 (14)
戸塚「おはよう、八幡」
八幡「おう…おはよう、戸塚…」
戸塚「どうしたの?」
八幡「いやなんでもない」
戸塚「そう?ところで、由比ヶ浜さんは一緒じゃないんだ?」
八幡「なんであいつと登校してきてると思ったんだよ」
戸塚「もう水面下では噂になってるらしいよ?」
八幡「マジかよっ」
戸塚「付き合ってるんだよね?」
八幡「ま、世間一般的な言葉使うとそう解釈されるのもないこともない」
戸塚「もう…素直じゃないんだから」
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八幡「由比ヶ浜とは付き合うことになったが…」
戸塚「うん?」
八幡「色々と不安もある」
八幡(そう…俺たちは付き合った。そんな3年の夏の物語…)
八幡「ノンフィクションなら、そんなモノローグ入るんだろうな」
戸塚「なんのこと言ってるの?」
八幡「いやなんでも」
戸塚「でも、僕は安心したよ」
八幡「安心…?あんま意味がわかないんだが…」
戸塚「ほら、八幡ってこのまま彼女作らないと思ってたから」
八幡「俺は戸塚が…いや、なんでもない」
戸塚「?だからさ、ちゃんと高校のあいだで作ってくれて…安心したよ」
八幡「なんか親みたいな言い方だな」
戸塚「あはは、そうかもね」
八幡「なんだそれ?」
戸塚「だって、心配だったしさ。八幡、恋愛に興味ないのかな?って思うことも多かったし」
八幡「当たってるけどな」
戸塚「勿体ないってそんなのっ、せっかくの青春なのに」
八幡「…戸塚は彼女いんのか?」
戸塚「僕?僕は…まだかな…これから」
八幡「彼女いないのに、俺の心配か余裕だな」
戸塚「あ、なにその言い方?もう知らないよ?」
八幡「すみませんでした、戸塚に嫌われたら死にたくなりますんで…」
戸塚「もう…僕だってすぐ作るんだから」
八幡(戸塚ならすぐ見つかりそうだ)
八幡「…」
八幡(俺と由比ヶ浜は付き合ってる…)
八幡(雪ノ下との奉仕部での微妙な関係は俺たちが付き合うことで決着した)
八幡(雪ノ下は喜んでくれてた…本心はどうか知らないが)
戸塚「それでさ、どうなの?彼女との生活?」
八幡「なんか下衆の勘ぐりっぽくないですか?戸塚さん」
戸塚「え~?だってこういう話面白いじゃない」
八幡「性格変わってるな、戸塚…」
八幡「由比ヶ浜は…かわいいな」
戸塚「えぇ?八幡からそういう言葉は出るなんてめずらしいよね?」
八幡「まあ、客観的事実だな…だから」
戸塚「うん?」
八幡(狙ってる奴が多い)
八幡「…」
戸塚「八幡?」
八幡「由比ヶ浜、社交的だからな。男でも結構知り合い多いみたいだし」
戸塚「そうだよね、とっつき易い性格してるし」
八幡「だからまあ…なんていうか…」
戸塚「八幡?」
八幡(ちょいとモヤモヤするな…)
戸塚「デートとかしてるの?」
八幡「まあ、一応してるぞ。あいつこの前誕生日だったから」
戸塚「そういえば、そうだっけ」
八幡「プレゼントは渡してある」
戸塚「喜んでくれてたでしょ?大好きな人からのプレゼントなんだし」
八幡「ああ、喜んでくれたな。でも」
戸塚「ん?なに?」
八幡「来年は誕生日のその日に祝ってほしいって」
戸塚「あ、ずれちゃったの?」
八幡「まあ、忘れてた…」
戸塚「それは八幡が悪いよ、女の子って誕生日とか大事にするし」
八幡「やっぱそうなのか…」
戸塚「って、テニス部の子が言ってたよ」
八幡「自分の経験談じゃないのね」
戸塚「僕はまだいないのっ」
八幡「そうだったな」
戸塚「もう…八幡の意地悪…」
結衣「遅れちゃった…!」ガラ
八幡「……!」
戸部「おお、結衣遅かったし~おはよ~」
結衣「うん、やっはろ~っ」
三浦「おはよ、結衣」
結衣「優美子も、やっはろ~っ!」
「由比ヶ浜さん、おはよ~」
「おっは~」
八幡「……」
八幡(クラスの葉山グループ以外の奴も声かけてるし)
八幡(女子はともかく、男子の何人かも…)
戸塚「八幡…?機嫌、よくない?」
八幡「いや…別にそんなことねぇよ」
戸塚「やっぱり機嫌悪そうだよ…」
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