沙希「ちょっと」 雪乃「なにかしら?」(318)

やはり俺の青春ラブコメは間違っている。SS
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沙希「いや、あんたじゃないよ」

雪乃「そう」ペラ

結衣「どうしたの?何か困ったことでもあったの?」

沙希「あいつは?」

結衣「あいつって? もしかしてヒッキー?」

沙希「そう、そいつ」

雪乃「彼なら居ないわよ」

沙希「見たらわかる」

雪乃「…」

結衣「あはは えっとヒッキーは今日両親が遅くなるから夕ごはん作るために早めに帰ったよ」

沙希「そうなんだ」

結衣「ヒッキーになにか…用なの?」

沙希「いや大したことないんだけどね」

雪乃「けど…何なのかしらね」

沙希「あんたには関係ないよ」

雪乃「そう、私は別にいいのだけれど 人に物を訪ねるわりに理由も言わず失礼ではなくて?」

沙希「…別にあいつちょっと用事があるだけであんたには一切関係ないし」

雪乃「比企谷君はこの部活の部員で、ここは奉仕部の部室」

雪乃「そこに貴女が来たということは、奉仕部の部員になにか用があったのではなくて?」

結衣「ゆ、ゆきのん… 川崎さんもちょっと落ち着いて…」

雪乃「比企谷君だけに用事があるのなら、教室で話をすれば済むことではなくて?」

沙希「…もういい 邪魔したね」

結衣「ちょ、ちょっと」

雪乃「ほっときなさい」

結衣「でも…」

小町「お兄ちゃんが小町のために愛情たっぷりの手料理を振舞ってくれるなんて、毎日こうだったらいいのになー」

八幡「献立考えて、買い物して、準備して、料理して… 養ってくれる人じゃないと毎日こんなことやらない」

八幡「今日は夕食代としてもらったお金をどれだけ余らせて俺のお小遣いにするかという利益があるからやってるだけだ」

小町「うんうんお兄ちゃんはこうでなくちゃ そのずる賢いところも小町好きだよ」

小町「ところでお兄ちゃん、雪乃さんは結衣さんは元気にしてる?」

八幡「んー いつもどおりだ」

小町「いつも通りって?」

八幡「雪ノ下は本読んでて、そこに由比ヶ浜が話しかけて、そして単語を返す」

八幡「めげずに話しかける由比ヶ浜にダメ出しをする雪ノ下」

小町「お兄ちゃんは何してるの?」

八幡「心の中でツッコミをいれてる」

小町「会話に参加しようよ…」

八幡「ばっかお前 俺なりの心遣いだよ?」

八幡「俺が声出すとその場が一気に静かになるからな」

小町「じ、じゃぁ大志くんのおねーさんとは?」

八幡「大志って誰だ!クラーク博士となんの関係があるんだよ お兄ちゃん許しませんよ?」

小町「お兄ちゃんが何言ってるかわからないけど、川崎大志くんのお姉さんだよ」

八幡「川…崎?」

小町「ほら、夜のバイトがマックで学費のすくらっぷのやつだよ」

八幡「お前が何を言ってるのかお兄ちゃんさっぱりだ」

小町「少し前にもお兄ちゃんの学校のこと聞いてたじゃない」

八幡「あー…なんとなく思い出してきた」

八幡「別にクラスじゃ喋らないしな」

小町「そっかー でもお兄ちゃん」

八幡「なんだ?」

小町「お兄ちゃんから話しかけてみたら?案外喜んでくれるかもよ?」

八幡「なんで俺が話しかけなきゃいけないんだ」

小町「小町的に沙希さんは家族思いで素敵な女性だと思うけどな」

八幡「ブラコンだしな、だが俺が話しかけたら殴られそうだ 顔じゃなく腹を」

小町「そんなことないと思うよー 小町的に沙希さんのポイントは結構高めだし」

八幡「ありえないな あいつはなんつーの?一言で言うなら怖い」

八幡「ただし、ブラコン状態の時は除く」

結衣「ヒッキーおはよー」

八幡「おう」

ガラッ

結衣「あ、川崎さんおはよー」

沙希「ん うっす」

八幡「…」

沙希「ねえ」

八幡「…」

沙希「ねえってば」

八幡「…」

沙希「聞こえてんでしょ」

八幡「ん?俺か?」

沙希「さっきからあんたにしか言ってないんだけど」

八幡「教室で声かけられるなんて今まで殆ど無かったから俺だと思わなかった」

沙希「由比ヶ浜さんとは喋ってんじゃん」

八幡「それは…まぁ部活一緒だしな 挨拶ぐらいはするさ」

沙希「そう…」

八幡「で、なんか用か?」

沙希「いや、ちょっと…」

八幡「ちょっとなんだよ」

沙希「後で話あるから放課後付き合って」

八幡「何?俺シメられちゃうの?」

沙希「はぁ?なんで私がそんなことしないといけないんだよ」

八幡「なんだてっきり『テメー気に食わねーからボコっから』って意味かと思ったぜ」

沙希「あんた私のことどんな風に思ってんの?」

八幡「スケバン?」

沙希「なによスケバンって」

八幡「知らない?桜の代紋ついたヨーヨーとか持ってんの」

八幡「流石に表現が古すぎたか…」

沙希「まあいいや とにかく放課後な」

八幡「ちょっと待て俺は承諾した覚えはっておい 無視すんなおい」

八幡「で、屋上に連れて来られたわけだが」

沙希「…」

八幡「俺なんかになんの用なんだ?」

沙希「えっと…」

沙希「…」

八幡「なにもないなら帰るぞ 遅れると雪ノ下が怖い」

八幡「『あら、また今日も遅刻?あなたには時間を守るという人間の最低限のルールも守れないのかしら?気持ち悪い』とか言われるんだぞ」

沙希「ふふ、なにそれ雪ノ下の真似?」

八幡「お前も弟以外のことで笑うんだな」

沙希「はぁ?な、何言ってんの 笑ってないし ばかじゃないの!」

八幡「はいはい、で要件は?」

沙希「…」

八幡「おい」

沙希「えっと…この前は言ったことでさ」

八幡「この前?」

沙希「雪ノ下にお礼言っといてって言ったじゃん」

八幡「あぁそう言えばそんなこと言ってたな」

沙希「やっぱ言ってなかったんだ」

八幡「なんで俺が言わにゃならんのだ お前が直接言えよ」

沙希「だからさ… その… 手伝って欲しいんだ」

八幡「は?」

沙希「雪ノ下にお礼言いたくてさ」

八幡「一人で言えよ お前は何か子供かよ それとも店員に話しかけられた時の俺か」

結衣「やっはろーゆきのん」

雪乃「こんにちは由比ヶ浜さん」

結衣「あれ?ヒッキーまだ来てないんだ」

雪乃「ええ」ペラッ

結衣「いつもは私よりも先に来てるのになー」

雪乃「そうね 授業が終われば教室に居場所がないものね 彼は」ペラッ

結衣「あはは」

雪乃「…」ペラッ

結衣「そう言えば今日の朝、川崎さんとヒッキーが珍しく喋ってたなー」

雪乃「」ペ

結衣「どしたの?」

雪乃「なんでもないわ」ペラッ

ガラッ

八幡「悪いちょっと用事で遅れた」

雪乃「あら、重役出勤ね?あなたには時間を守るという人間の最低限のルールも守れないのかしら?それぐらい…」

沙希「…」

結衣「川崎さん…」

雪乃「またあなたなの?比企谷君に用があったのではなくて?」

八幡「まぁそうだったんだけどな」

結衣「むー」

八幡「なんだよ」

結衣「べっつにー」

沙希「…」

雪乃「で、遅刻した理由は?そちらの方と何かご関係があるのかしら?」

八幡「なんというかこの前のことで、こいつがおまぐえっ」

沙希「ちょっとこっちこい!」

八幡「!?襟をひっぱ・・ 首っクビがっしまるっ!?」

八幡「なんだよ お礼が言いたいんだろ ならさっさと言えばいいだろ」

沙希「言い難い相手ってのがいるだろ」

八幡「たしかに雪ノ下相手に素直に何か言っても罵倒が帰ってくるだけだしな」

八幡「お礼を言って罵倒されるとかなにそれ超理不尽」

沙希「それはあんただけじゃないの…?」

八幡「で、どうするんだよ」

沙希「だから自然な会話からそういうお礼を言う雰囲気?みたいなのを作ってくれれば…」

八幡「ふむ… え?俺が?」

沙希「あんた以外に誰が居るのさ」

八幡「難易度高いっすよ 勘弁して下さい」

沙希「あんた部員なんでしょ それくらい出来るでしょ」

八幡「部員でも会話なんてほとんどないぞ 会話というか俺が主に罵倒されて終わりだ」

沙希「あんたよくそんな部活に毎日顔出せるね」

八幡「顔出さなきゃ次は別の人から肉体的に罵倒されるからな…」

沙希「なんか…あんたも大変なんだね…」

結衣「なんかあの二人仲いいよね…」

雪乃「そうかしら?」

結衣「今だって隅っこで内緒話してるしさ!なーんかやな感じ」

雪乃「気にしなければいいのよ」

結衣「でも、ゆきのんさっきからページ進んでないよ?」

雪乃「こ、これはこのページの作者の伝えたい事を考察すべく何度も文章を読み返して私なりの持論を導き出して
    更に深く読み解くことでこの本全体の伝えたいこと言いたいことを私という別の観念から…」

結衣「う、うん なに言ってるのかよくわかんないやあはは…」

八幡「しゃーねーな おい、雪ノ下」

雪乃「何かしら」

八幡「川崎も少しだけこの部活に参加するってよ」

結衣「え?」

川崎「な!?」

雪乃「そんなこと聞いてないのだけれど?」

八幡「俺の時だってそうだったろ っとちょっと喉乾いたからスポルトップ買ってくる」

川崎「ち、ちょっと!」

雪ノ下「…」

川崎「…」

結衣「あはは…」

八幡「はぁ…まったくめんどくさい」

ガラガラ

八幡「失礼します」

平塚「よう、比企谷 君が自ら職員室に来るなんて珍しいじゃないか」

平塚「少しは成長したのかもしれないな、私に何か用かね?」

八幡「ちょっと頼みというか、相談がありまして…」

平塚「そうか!君から私に相談か!そうかそれはいいことだ まぁこっち来て座り給え」

八幡(なんでこの人こんなにテンション高いんだよ…)

平塚「なるほど、あの川崎がねぇ」

八幡「なので口裏を合わせて欲しいんです」

平塚「わかった そのくらいなら問題ない」

八幡「ありがとうございます」

平塚「川崎も多少問題があるからな、雪ノ下を納得させる程度の理由は用意できる ただ…」

八幡「なんですか?」

平塚「あの雪ノ下と川崎は性格的に合わないだろう」

八幡「確かに」

平塚「由比ヶ浜もあの二人の緩衝材になれるかと言うと少し不安ではあるな」

八幡「じゃぁ別の人を緩衝材にしましょう」

平塚「誰か心当た──」

八幡「戸塚がいいかもです 戸塚なら雪ノ下も川崎も強くは言えないでしょう ってことで戸塚はどうですか?」

平塚「…君は戸塚が好き過ぎではないのかね?」

八幡「そんなことないですよ 普通の一般男子の対応とかわりませんよ」

平塚「そもそも戸塚はすでにテニス部だろう」

平塚「そもそも、川崎に頼まれたのは比企谷、君だろ」

平塚「なら君が責任をもってやり遂げるべきだ」

八幡「なんてこった…このままなし崩し的に問題を押し付けて済まそうと思ったのに」

平塚「相変わらず君は… まぁ出来得る限りフォローはしよう」

八幡(あてに出来ねーなぁ…)

平塚「取り敢えず雪ノ下への理由は私に任せ給え」

八幡「はい」

平塚「では早く戻るといい、あの二人相手だと由比ヶ浜でも少々きついだろうしな」

八幡「やっべ忘れてた…」

ガラッ

結衣「ヒ、ヒッキー遅いよ何やってたのー」

雪乃「飲み物を買いに行っただけなのにえらく時間がかかったのね。飲み物すらまともに買うことが出来ないのかしら?」

八幡「平塚先生に途中で捕まったんだよ」

雪乃「なるほど、先生なら仕方ないわね」

結衣「仕方ないね」

川崎「それで納得できちゃうんだ」

雪乃「平塚先生ももう少し落ち着いてくれるといいのだけれど」

八幡(生徒に落ち着け言われてますよ…)

川崎「たしかにあの先生はなんというか、落ち着きないね」

八幡(先生の話題でこの水と油のような二人の意見が一致した!?さすが先生!あんまりだろ 誰か貰ってやれよ)

平塚「失礼するよ」

雪乃「先生ノックを」

平塚「雪ノ下ちょっと」

雪乃「はい」

結衣「どうしたんだろ?」

川崎(ねぇ、先生に私のこと聞かれたらさっきの嘘ばれるんじゃないの?)

八幡(今その件について手を回してきたところなんだよ)

川崎(ふーん…)

結衣「何二人で内緒話してるの」ムー

川崎「べ、別に」

八幡「なんでもねーよ」

雪乃「川崎さん、先生から事情は聞きました 仮入部ということで扱います」

川崎「わかった」

結衣「へー 川崎さんも奉仕部に入るんだ! じゃぁあだ名つけよう」

八幡「でた」

結衣「なによー んーっとじゃぁ『サッちゅん』ね」

川崎「ダサッ 名前長くなってんじゃん そんなの嫌だよ」

結衣「えーゆきのんだって長くなってるよー」

雪乃「それは私が悪いのかしらな?第一私はその呼び名認めてないのだけれど?」

結衣「え? ゆきのん嫌なの?気に入らない?」

雪乃「… もうなんでもいいわ 慣れたといえば慣れたし…」プイッ

結衣「くはぁ~」ギュ

雪乃「暑苦しい…」

八幡「呼び名なんてなんでもいいよ な?サキサキぐふぉ!」

沙希「サキサキ言うな!殴るよ」

八幡「殴ってから言うな殴ってから」

平塚「思ったより打ち解けていて安心したよ じゃ後はよろしくな比企谷、雪ノ下」

雪乃「了解しました」

川崎「で、この奉仕部ってのは悩んでる人のお悩み相談室みたいなものだっけ?」

雪乃「そのようなものよ。ただしあくまで、手助けをするだけよ」

川崎「なるほどね」

雪乃「理解が早くて助かるわ」

川崎「まぁ その、一度自分で身を持って体感してるからね」

八幡(お、この流れは良い感じじゃないですか このままお礼言って俺を開放してくれ)

川崎「あー あ、あの時は──」

結衣「そうだ、もう弟さんとは仲直りしたんだよね?」

川崎「あ?ああ、大志とは上手くやってるよ」

八幡(アホガハマー!なにしてくれちゃってんの!?今言い出そうとしてたじゃん!?空気読むの得意なんでしょ!?)

結衣「そっかー たいしくん小町ちゃんと同級生なんだよね」

川崎「あーあの変な妹ね」

八幡「身内が馬鹿にされてるが、”変”ってところを否定出来ない兄を許してくれ小町」

雪乃「兄が相当変だから、あのくらいがとても可愛く見えてしまうから不思議ね」

結衣「小町ちゃん可愛いよねー なんてーの?気が利くというか視野が広いというか」

雪乃「ほんと比企谷君の妹にはもったいないわね」

八幡「ほっとけ 小町だけは誰にも渡さんぞ」

川崎「シスコン」

八幡「ブラコンのお前に言われたくねーよ」

川崎「ブラコンじゃないし!」

結衣「まぁどっちも兄弟を大切にしてるんだしいいことだと思うけどな」

雪乃「比企谷君のは明らかに気持ちが悪い部類に入ると思われるのだけれど」

八幡「妹への愛情を気持ちが悪いとか言うな これでも真剣なんだ」

結衣「うわ…」

川崎「うわ…」

雪乃「気持ち悪い」

八幡「「はー」

小町「お兄ちゃんが疲れた声だしてる」

八幡「ちょっと学校で色々あってな」

小町「お?結衣さんや雪乃さんとなにかあったの?」

八幡「あの二人と言うよりは、川崎のことでな」

小町「大志くんのお姉さんの沙希さん?」

八幡「そうそう そいつにちょっと頼み事されてな」

小町「お、お兄ちゃんに 頼み…事…?」

小町「お兄ちゃんに頼むなんて沙希さんよっぽど追い詰められてるのか、、もう後がないんだね…」

八幡「それはどういう… 確かにそうかもしれないな」

小町「なるほどねー 沙希さんらしいね」

小町「雪乃さんってそんなに近寄りにくいかなー?」

八幡「そりゃ近寄り難いだろ」

小町「そーかなー?」

小町「ん~…」

八幡「なんだよ」

小町「”雪乃さんに”じゃなくて、”沙希さんが”なんじゃないかな?」

小町「そんなに長く話したわけじゃないけど、沙希さんって口下手?みたいなところある感じだし」

八幡「確かにな…」

小町「どう接したらいいか距離感がわかんないんじゃない?」

小町「かーくんがサブレに対して取るような感じみたいな?」

八幡「…ふむ お前案外するどいな」

小町「えへ 今の小町的に超ポイント高いっしょ!」

八幡「あー高い高い偉い偉い」ナデナデ

小町「えへへぇ」

八幡(かと言ってどうすりゃいいんだ?)

八幡(由比ヶ浜に手伝ってもらうか?)

八幡(いや、あいつが誰にも話さず カースト底辺の俺にしか話せなかったことだ よっぽど他に話したくはないんだろう)

八幡(他に話したくないか… ふむ…)

結衣「失礼しまーす」ガラ

平塚「お、来たな」

結衣「話ってなんですかー?ってヒッキーもいたんだ」

八幡「うっす」

平塚「急に呼び立ててすまんな。まぁ座ってくれ」

平塚「いや、今日はなふたりに奉仕部活動の雪ノ下の態度について少し話をしてもらおうと思ってだな」

結衣「ゆきのんの?」

八幡(もちろん、そんなことが目的じゃない)

八幡(第三者がいると素直になれないのなら第三者を全て排除してしまえばいい)

八幡(雪ノ下は両親がウニってぐらい刺々しいが、寄って来る者に手当たり次第攻撃をするようなやつじゃない)

八幡(川崎もそうだ、我関せずみたいな態度ではあるが行動の端々に隙はかなりある)

八幡(言ってしまえば川崎は恥ずかしがり屋さんなのだろう…)

八幡(由比ヶ浜は周りの目を来にしすぎてしまい、自分を殺して溶け込んだ優しいやつだ)

八幡(逆に川崎は周りの目を来にしすぎてしまい、上手く溶け込めない多分だが優しいやつだ)

八幡(雪ノ下は周りの目を気にせず溶け込まない、優しいが厳しいやつだ)

雪乃「…」ペラ

沙希「…」

雪乃「…」ペラ

沙希「…由比ヶ浜達は?」

雪乃「平塚先生に呼び出されてるから少し遅れるのだそうよ」ペラ

沙希「ふーん…」

雪乃「…」ペラ

沙希「…」

ユーガッタメール ユーガッタメール

沙希「…」カタカタ

雪乃「…」ペラ

FROM 大志       16:34
TITLE nontitle

比企谷さんのお兄さんから伝言
「素直に頑張れ」だってさ
どういう意味?ねーちゃん何してんの?
ってかなんで俺間に挟んでるの?アドレス交換したらいいのに


沙希(あいつ…)カタカタ

FROM 沙希      16:38
TITLE Re

うるさい あんたには関係ないからいいの
あいつのアドレスなんて聞きたくもない


伝言ありがとう


ピッ



沙希(ふぅ… まったく…)

雪乃「…」ペラ

沙希「…あのさ」

雪乃「なにかしら?」

沙希「…えっと」

雪乃「…」

沙希「この前のバイトの件でさ…」

雪乃「…」

沙希「…その」

雪乃「…」

沙希「あの時は…その…」

雪乃「私は何もしてないわ 解決したのは比企谷君」

沙希「大志に聞いたんだよ 色々ね…」

沙希「最終的にあいつが案を出したのかもしれないけど… 色々考えてくれたんだろ」

雪乃「…」

沙希「…なんていうかさ その あの時はすまなかったね」

雪乃「あなたが謝ることではないわ」

雪乃「あの時は私もあなたの事情も知らず物を言ってしまったもの」

沙希「それでも…私は感謝してるよ ありがとう」

沙希(はー なんだ 以外に簡単じゃないか)

雪乃「…そう」ペラ

沙希「あぁ…」

沙希「今日は誰も来なさそうだし、私帰るね」

雪乃「そうね」

沙希「じゃぁね」

雪乃「さようなら」

沙希(またあいつに借りが出来てしまった…)

沙希「なぁ雪ノ下」

雪乃「なにかしら」

沙希「あいつってどんなやつなんだ?」

雪乃「あいつ?」

沙希「ヒキタニ」

雪乃「比企谷君ね そうね一言で言ってしまえば、最低な人よ」

沙希「…」

雪乃「陰湿で、陰険で、遠慮がなくて、他人が嫌いで、そのくせ自分を傷つける最低な人」

沙希「酷いな、相変わらず」

雪乃「でも──人の痛みを知ってる人」

沙希「そっか…」

雪乃「ええ」

結衣「やっはろー」

雪乃「遅かったのね 一体なんの話だったの?」

結衣「う~ん、なんか途中から先生の身の上話になってよくわかんなかった。なんか先生涙ぐんでたよ」

雪乃「そ、そう…」

結衣「遅くなったから今日もう帰りなさいって先生が」

雪乃「そうね 今日は誰も来なかったわ」

結衣「あれ?さっちゅんは?」

雪乃「少し前に帰ったわ」

結衣「そうなんだ ヒッキーも少し行くところあるから先生の話し終わったら帰ったよ」

雪乃「そう」

結衣「じゃゆきのん帰ろっ」

雪乃「ええ」

八幡「よ」

沙希「なに?」

八幡「上手く言えたかどうか一応確認しときたくてね」

沙希「…おかげさまで」

八幡「そいつはよかった」

沙希「一応お礼言っておく。ありがと」

八幡「ふ…」

沙希「なに?」

八幡「ゼミでも同じ事言ってたなと思ってな」

沙希「…そんなことよく覚えてんね」

八幡「ぼっちは記憶力いいんだよ 特に人と会話した時はな」

沙希「自慢にもなりゃしないことだね」

八幡「確かにな」

八幡「一応お前の目的は達成されたんだが」

沙希「…」

八幡「昨日の今日で辞めるわけにもいかんだろうから、一週間ほどは奉仕部に顔出せってさ先生が」

沙希「わかった」

八幡「じゃ、そゆことで」

沙希「ぁ…」

八幡「ん?」

沙希「えっと…さ、さよなら」

八幡「お、おう さよなら」

大志「ねーちゃん」

沙希「なに?」

大志「比企谷さんのお兄さんに相談乗って貰ってたんだって?」

沙希「ぶふっ なんで知ってんのよ」

大志「小町ちゃんから聞いた」

沙希「あのおしゃべり兄弟め…」

大志「それであのよくわからないメールの伝言だったのか」

沙希「…そうだよ」

大志「で、上手く行ったの?」

沙希「…まぁね」

大志「そっか ならお兄さんにお礼しないとね」

沙希「ちゃんと言ったよ」

大志「どうせ、『ありがと』だけなんだろ もっとちゃんとお礼した方がいいと思うよ」

大志(その方が俺も色々とやりやすいし…)

沙希「…お礼…ねぇ…」

沙希「由比ヶ浜ちょっといいかい?」

結衣「どうしたのさっちゅん」

沙希「さっちゅん言うな」

結衣「えー可愛いのに」

沙希「可愛くない」

結衣「むー でどしたの?」

沙希「ちょっとさ世話になった人にお礼をするとしたらさ あんたならどうする?」

結衣「お礼?うーん その人が欲しがってるもの渡したり?」

沙希「…ふーん」

沙希「じゃぁ欲しいものがわからない場合は?」

結衣「うーんとねー 一緒にどっか遊びに行って奢る!とかかな?」

沙希「なるほど…」

結衣「?」

沙希「ありがと 参考になったよ」

結衣「どういたしましてー」

小町「あ、お兄ちゃん 今帰りなんだね」

八幡「ああ」

小町「帰りが一緒になるなんてこれはもはや運命だね 今のはちょっとだけ小町的にポイント高い」

八幡「あーはいはい」

小町「あれ?あそこに居るのって…」

沙希「あ」

小町「沙希さーん」

沙希「あぁ…」

八幡「よう」

小町「何かお買い物ですか?」

沙希「いや、別に…」

小町「へーグルメ雑誌ですかー なにか美味しそうなのありました?」

沙希「いやこれは えっと…」

八幡「高校生はサイゼにいけよ 色んなもんあるだろ よりどりみどりだ」

小町「お兄ちゃんのサイゼ好きは異常過ぎるよ」

八幡「千葉市民はサイゼに始まりサイゼに終わるんだ そうだろ?違うか!? うん違うね」

沙希「馬鹿じゃないの」

小町「小町ちょっと恥ずかしい…」

沙希「えっと…」

八幡「ん?」

小町「…?」

沙希「来週の土曜とか…暇?」

小町(これは!?)

八幡「あ?いやその日はちょっとアレだし…」

沙希「アレってなにさ」

八幡「いや、妹となんというか な?」

小町「兄は何もすること無くて一日中開いてますよ」

八幡「おい 空気読めよ」

小町「空気読んでるからこそでしょ…」

小町「どうぞどうぞ、朝から晩まで なんなら次の日も連れ回しちゃってもかまいませんよ」

八幡「ふざけるな 2日も他人に俺の貴重な時間を潰されてたまるか」

小町「ってことは一日なら大丈夫ってことだよね?」

八幡「…まぁまるまる一日じゃなければ、考えないこともない」

沙希「なら…土曜いいよね」

八幡「あーっと えっと あぁ」

小町「大丈夫ですちゃんと小町が送り出しますから!」

沙希「そ、そう…」

八幡「要件はそれだけか?」

沙希「そ、そうだけど?」

八幡「なら、ほら小町帰るぞ」

小町「えー せっかちだなー あ、沙希さん土曜日兄をよろしくお願いしますね」

沙希「ふん…」

沙希(──誘ってしまった…)

沙希(──私が、あいつを?)

大志「ねーちゃん週末比企谷のお兄さんとデートするんだって?」

沙希「ぶふぉっ ゴホッゴホッ! なな、なにいってんの!?で、でーととかじゃないし」

大志「でも比企谷からメール来たよ?土曜日は絶対邪魔するなって」

沙希「あの妹は…」

大志「そっかー いいと思うよ」

沙希「なにが?」

大志「八幡さん あの腐ったような目さえ何とかすれば見ため的にはそれなりにかっこいいし」

大志「考え方は少し斜めってるけど、頭もいいんだと思うし、何よりお兄さんだしね」

沙希「意味分かんないんだけど?」

大志「でも八幡さんってなんというか、優しいよね?」

沙希「あ?あいつが?」

大志「部活動ということだったけど、ちゃんと話聞いてくれて真剣に考えてくれたじゃん」

大志「前だって俺が学校のこと聞いても、ちゃんと答えてくれたし」

大志「今回だって姉ちゃんの悩みを聞いて、ちゃんと解決してくれたんでしょ?」

大志「優しくないとそんなことできないよ」

沙希「…」

結衣「ゆきのん、明日勉強会しない?」

雪乃「別に構わないわ」

結衣「さっちゅんも用事がないならどう?」

沙希「さっちゅん言うな あたしは…用事あるから無理」

結衣「そーなんだ じ、じゃぁヒッキーは?」

雪乃「この男に用事があるわけないでしょ」

八幡「おい、何決めつけてんだよ 俺にだって用事ぐらいある」

沙希「…」

結衣「ええ ヒッキーが?あははは ないない」

八幡「失敬なリアクションだなお前は」

雪乃「いえ、一般的な当たり前の反応だと思うわよ」

八幡「お前らな」

雪乃「比企谷君、見栄を張るのは自分を惨めにさせるのよ。素直になりなさい」

沙希「あー、明日そいつと出かける約束してるんだ」

雪乃・結衣「は?」

八幡「おい」

沙希「なに?」

八幡「なに俺があいまいみーな感じでお茶を濁そうとしてるのに言っちゃうかな…」

沙希「別にいいじゃん 嘘ついて誤魔化すよりはっきり言ったほうが効率的でしょ」

結衣「ってことはほんとなんだ…」

雪乃「妹さんや弟さんの関係でなにかあるのかしら?」

沙希「いや、関係ないよ」

雪乃「そう、だったらどうしてそういう事になったのか説明してくるかしら?」

沙希「なんであんたに説明しなくちゃならないの? なに?気になるの?」

雪乃「別に気になどなっていないのだけれど?」

結衣「私はとても気になると言うかなんというか…」

沙希「別に、ちょっとしたお礼にご飯でも奢ろうかと思ってるだけ」

結衣「あ、それであのとき…」

八幡(──ええぇ なんか超居づらいんですけど…)

沙希「だから別にで、デートとかじゃないし、別に他意はないよ」

雪乃「そう…」

結衣「むー」

八幡「あーお茶うめぇ」

沙希「…」

雪乃「…」

結衣「…」

八幡(え?なに?俺が悪いの?え?)

小町「お兄ちゃんいってらっしゃーい」

八幡「なぁ待ち合わせ12時なんだけど、なんで1時間も前に出ないと行けないんだ?」

小町「はぁ?なにいってんの?駅前だよ?15分かかるでしょ 1時間前に待ち合わせ場所にいるのは常識だよ!」

八幡「え?なら待ち合わせ時間は11時にしたらいいんじゃねーの?何のための待ち合わせ時間だよ」

小町「はあぁぁぁぁ… 相変わらずのゴミいちゃんで小町心配だよ」

八幡「なんだよ 俺間違ったこと言ってないだろ」

小町「間違ってないよ でも間違ってるの!」

八幡「意味が分かんねーよ なんなの?真実は一つじゃないのかよ」

小町「もういいからとっとと行く!」

八幡「くっそ…やっぱ早くつきすぎたじゃねーか 居るわけ無いだろ…」

沙希「ねぇ」

八幡「まぁ一人でぼーっとしてるのも別段嫌いじゃないからいいけどな、むしろ好きだしな」

沙希「ぇ──」

八幡「ん?」

沙希「…えっと」

八幡「えっと、あの…どちらさんでしょ…ん?川崎か?」

沙希「そ、そうだけど?まさかわかってなかったの?」

八幡「あ、いや なんつーの?普段と違うからちょっとわからなかっただけだ」

八幡「綺麗なお姉さんに話しかけられて絵とか買わされるかと思ったぜ」

沙希「そ、そう ってかなにそれ」

八幡「ま、まぁいんじゃねーの?なんつーかその…似合ってる?みたいな?」

沙希「ば、ばかじゃないの!?」

八幡「睨むな怖い」

沙希「ふ、ふん」

八幡「で、どこいくんだよ」

沙希「サイゼ」

八幡「良いチョイスだ」

沙希「…」

八幡「なんだ?」

沙希「あんたほんとにサイゼ好きね」

八幡「普通だろ」

沙希「総武線のサイゼの位置を全部把握してるやつが普通なもんか」

八幡「なんでそんなことまだ覚えてんだよ お前は禁書目録かよ それとも俺のこと好きなの?」

沙希「ばっ!?そんなことあるわけないだろ!ばかじゃないの!?」

八幡「いや冗談だって、こえーから睨むな拳を握るな構えないでくださいすいません」

沙希「好きなの頼みなよ」

八幡「でもほんとにいいのか?」

沙希「言ったでしょ 今日は今までのお礼なんだ」

八幡「そういうことなら遠慮なんかしないぞ?後悔するなよ」

沙希「サイゼごとき後悔なんてしないよ」

八幡「ならミラノ風ドリアスープセットにドリンクバーにするか」

沙希「了解 デザートも頼んでいいよ」

八幡「え?なにお前天使なの?戸塚なの?」

沙希「はぁ?戸塚関係無いじゃん」

八幡「ただで食えるサイゼのミラノ風ドリアは最高だ 俺明日死ぬんじゃね?」

沙希「大げさな…」

八幡「世間が俺にいつも辛く当たるもんでね、僅かな幸せを噛み締めないと挫けてしまいそうになるんだ」

沙希「なにそれ」

八幡「ぼっちにとって教室はそれなりに居づらいし、気を使うんだよ」

八幡「部活は部活で雪ノ下に罵られ、罵倒され休まるのは家にいる時だけだ」

沙希「私にはあんたは部活楽しそうにみえたけどね」

八幡「え?俺ドMに見えてる?そんなことないだろ 多分 きっと だよね?」

沙希「私に聞かれても困るんだけど」

八幡「どっちかと言うとSっぽい気がするんだけどな」

沙希「…それはないでしょ」

八幡「まじかよ」

沙希「ところであんたさ」

八幡「なんだよ」

沙希「雪ノ下のことどう思ってんの?」

八幡「ドライアイス女」

沙希「…」

八幡「どうした?」

沙希「あんた嫌な性格だって言われない?」

八幡「結構言われるな 今じゃクラスの殆どから嫌われてるからなぁ」

沙希「そう言えばなんであんなことしたの?」

八幡「あんなこと?」

沙希「相模に酷いこと言ったんでしょ?」

八幡「あれか」

八幡「なんでって言われてもな… 言いたかったから?いや違うな」

八幡「なんつーか、ああ言わないとどうしようもなかったんだよ」

取り敢えず書いてたところまで 今日はこれで終わりです

八幡「───って事情だよ」

沙希「…まぁ大体の事情はわかったよ あ、あの時なんであんなに急いでいたのかも」

八幡(あの時…?)

沙希「でもさ…他にいい方法があったんじゃないの?」

八幡「実際にいくつか方法はあったとは思う、ただ時間的にあれが俺の思いつくなかで一番手っ取り早かったってーの?」

沙希「ふぅん…」

八幡「なんだよ」

沙希「あんた腐った目してるくせに、割と良い奴だよね」

八幡「俺はそんなにリトルマーメイドかよ 大体俺はとても優しい男だぞ」

沙希「知ってる」

八幡「え」

沙希「いや、なんでもない」

沙希「さ、そろそろ出ようか」

八幡「あ、あぁ…」

八幡「ごちそうさま」

沙希「どういたしまして ってかほんとあの程度でよかったの?」

八幡「何がだよ」

沙希「お礼なんだし、遠慮せずにもっと頼んでもよかったのに」

八幡「いや、実際大したことねーのにそこまでされることもないだろ」

八幡「部活動の一環として行動したまでで、正直お礼なんてのもいらねーんだわ」

八幡「今日のは小町が無理やりってのあるが、お前結構頑固だろ?」

沙希「…」

八幡「なら後腐れないように、ありがたく奢らせて頂いただけ」

八幡「だから…これで終わりな」

沙希「なにそれ」

八幡「だから、俺がお前の頼みを個人的に解決したわけじゃない」

八幡「奉仕部の部員として解決、手助けしただけだ。だから俺がお礼をされる言われなんて本当はないんだよ」

沙希「…」

八幡「でもお前は頑固だから、そのことを気にするだろ?」

八幡「だからお礼としての奢りを受けたからもうこれでお終いな」

沙希「…なんだよそれ」

八幡「もう俺に気を使う必要ないってことだ」

八幡「あまり俺と関わってると本当にぼっちになるぞ」

沙希「私は別にそんなこと──」

八幡「…飯ありがとう じゃあな」

沙希「…」

八幡(そう言えば前にもこんなやり取りあったな…)

八幡(でもこれでいい──俺は変わらない 俺は比企谷八幡のままでいい…)



沙希「なんだよ…それ──」

結衣「今日はさっちゅん来ないのかなー?」

雪乃「どうかしらね」

八幡「…」

結衣「最近教室でも少し話すようになってたんだけど、今日はなんかちょっと変だったかも?」

雪乃「比企谷君何かしたの?自首は早いほうが罪は軽いわよ?」

八幡「なんで俺が何かした事確定なの?」

雪乃「一緒に出かけたのでしょう?そして休みが開けた日から川崎さんの様子がおかしい」

雪乃「なら比企谷容疑者が疑われるのは当然のことよね?」

八幡「さも当然のように容疑者扱いかよ」

結衣「でも、さっちゅんに土曜日のこと聞いたら黙りこんじゃったし…」

雪乃「ほらやっぱり、もうあなたが犯人確定じゃない。某少年名探偵も言ってるように──」

結衣「『じっちゃんはいつも一人』だね!」

八幡「孤独死しちゃうだろ、可哀想だろ家族かまってやれよ!」

雪乃「由比ヶ浜さんそれを言うのなら『じっちゃんになりかけて』よ」

八幡「初老かよ!少年探偵じゃなかったのかよ!」

雪乃「それよりも本当に何かしたのではないの?」

八幡「何もしてない 神に誓ってもいい 神なんて信じてないけどな」

八幡「サイゼで飯食って、すぐに帰ったし」

雪乃「そう…」

結衣「本当にご飯食べただけなんだ…」

八幡「あぁ、その約束だったしな」

結衣(それって…それだけだったからじゃないのかな…?)

時間ないのでここまで、また昼(時間が取れれば)と夜に少し投稿予定

結衣「ね、ねぇヒッキー」

八幡「なんだよ」

結衣「えっとね…あの…さっちゅんに謝ったほうがいいとおもんだけど…」

八幡「だからなんで俺が何かしたことになってんだよ」

結衣「ちがくて、…えっとね 何かしたんじゃなくてさ」

結衣「何もしなかったからじゃないかなーって思ってさ…」

八幡「ちょっと意味がわからないんだが?」

雪乃「…」

結衣「さっちゅんのその時の格好ってどんなだったの?」

八幡「どんなって普通の私服だったけど? なんつーか綺麗なお姉さんって感じのやつ?」

八幡「川崎っぽくないから一瞬わかんなかったし」

結衣「多分頑張っておしゃれしたんじゃないなか?」

結衣「で、ヒッキー達はご飯食べたあとお店でたんだよね?」

八幡「あぁ、そんで店の前で少しだけ離してわかれた」

結衣「だからね、そこだと思うの…」

八幡「はぁ…?」

結衣「さっちゅんはまだどこか行きたかったんじゃないかなって…」

八幡「いやそれはないだろ、俺ちゃんとさよならの挨拶したが何もなかったし」

雪乃「──はぁ…」

八幡「なんだよ」

雪乃「なんとなくだけど由比ヶ浜さんの言いたいことがわかったわ」

雪乃「どうせあなたのことだから、いつもの卑屈的な屁理屈で強引にわかれたのでしょう」

八幡「…」

ローカルルールで作者以外はSAGE推奨

作者以外がAGEる

読者「更新されたのかな?」wktk

実際はただの読者のコメント

ふざけんな!(声だけ迫真)

ってなるからだろ

専ブラ勢のことは知らんし、それが少数か多数かは知らないが

非専ブラ勢の読者の共通認識は、スレが上がった=更新された
なんだから、読者が上げんのは紛らわしいだろ

sageでも未読っていっても、スレ自体は上がらないんだから作者じゃないってわかるだろ
作者が最初からsage進行なら話は別だが

って作者sage進行だったし……申し訳ない
でもルールは守ったほうがいいんじゃないかな

八幡「別に…俺が何かしたわけじゃない」

八幡「だいたい俺が礼をされるいわれなんて無いんだよ」

結衣「そんな…」

八幡「そもそも普段なら断るんだが、今回は小町が絡んでたから断りきれなかっただけで…」

八幡「だから、飯だけ奢って貰ってそれで終わりにしただけだ」

雪乃「何も変わってないのね…あなたらしいと言えばあなたらしいわね」

結衣「…でも──」

八幡「もういいだろ、この話はこれで終わりだ」

結衣「ヒッキー…」

雪乃「それでいいのね?」

八幡「あ?」

雪乃「あなたはそれでいいかと聞いているのよ」

八幡「なんだよ藪から棒に いいんだよ 人にはそれぞれ”位置”があるんだ」

雪乃「…そう そういうことね」

結衣「ゆきのん…」

大志「なぁねーちゃん」

沙希「なに?」

大志「デートからずっと機嫌悪いけどなんかあったの?」

沙希「別に何もない ってかデートじゃないし…」

大志「あの日帰ってくるのも早かったし…デートで喧嘩でもしたの?」

沙希「別に…喧嘩するほどあいつのこと知らないし ってかデートじゃないし」

大志「あのねーちゃんが折角お洒落してデートに行ったのになー」

沙希「お、お洒落なんてしてないし デートでもないし」

大志(明らかに何かあったな…比企谷に聞いてみるかな)

大志(相談すればそれはそれで俺も会話できるし♪)

沙希「……」

小町「お兄ちゃんちょっとここに座りなさい」

八幡「なんだよ…」

小町「正座」

八幡「なんでだよ 軽くトラウマ掘り返しそうになるから正座は勘弁しろ」

小町「土曜日なにがあったか詳しく教えなさい」

八幡「お前もかよ…」

小町「お前もかって…まさか雪乃さんや結衣さんにも?」

八幡「あぁ…」

小町「じゃぁ小町にも話してみて」

八幡「別段取り立てて何かあったわけじゃないからな まず駅について───」

───
────
─────

八幡「とまぁそれで家に帰ってきて本読んでた」

小町「……」

小町「はあぁぁぁぁあ」

八幡「その盛大なため息やめろ 席替えで隣の席になった女子のリアクションがそっくりだから」

小町「ごみいちゃん過ぎて小町今後が心配だよ…」

八幡「余計なお世話だ」

小町「いいお兄ちゃん、女の子が男の子を誘ったんだよ?」

小町「誘う理由を探して、勇気を出して誘って、いつもの感じじゃない洋服まで選んで、行く場所あれこれ考えて」

八幡「あの川崎が?ないだろ」

小町「お兄ちゃん!」

八幡「な、なんだよ…急に大声出すなよ」

小町「なんで沙希さんがそんなことしないって決め付けるの!」

八幡「いや、なんでって…そんなキャラじゃないだろ」

小町「お兄ちゃんが…人のキャラを決めつけちゃうんだ…」

小町「ちょっとがっかりだよ、小町お兄ちゃんを見損ないました」

八幡「なんなんだよ」

結衣「ねぇ、さっちゅん」

沙希「だからさっちゅんって…はぁもうなんでもいい で、なに?」

結衣「えっとね…この前──」

ガラッ

結衣「ゆきのん!?」

沙希「…」

雪乃「…」

沙希「なに?」

雪乃「少しお話があるのだけれど、いいかしら?」

沙希「私は別に話なんて無い」

雪乃「奉仕部の部長として部員のあなたにお話があると言っているのだけれど?」

沙希「…」

結衣「ゆ、ゆきのん…」

沙希「で、話ってなに?」

雪乃「そうね、まずなぜ昨日部室に来なかったのかしら?」

沙希「別にいいでしょ」

雪乃「そうも行かないわ、先程も言った通り私は奉仕部の部長で、体験入部とは言えあなたは部員よ」

雪乃「部員の無断欠席の理由を問い詰める権利ぐらいあるのではなくて?」

沙希「……。理由なんて無い なんとなく行きたくなかっただけ」

雪乃「私はそのなんとなくの理由を直接あなたから聞きたかったのだけれど… まぁいいわ」

雪乃「正直に言うと理由に心当たりはあるのだし」

沙希「……」

雪乃「あなたこの前、比企谷君の事聞いたわね」

沙希「あぁ…それが?」

雪乃「陰湿で、陰険で、遠慮がなくて、他人が嫌いで、そのくせ自分を傷つける最低な人と言ったわ」

沙希「覚えてる 最後に『人の痛みを知ってる人』ってのも言ってた」

雪乃「…そうね」

沙希「それが、なに?」

雪乃「あの人はそれゆえに自分の行動の後を考えてしまう人なのよ」

沙希「言ってる意味がわかんないんだけど?」

雪乃「比企谷君は、文化祭の時以来大多数の人に負の感情を抱かれているわ」

沙希「でもそれは相模に仕事をちゃんとやらせる為で、しかもあんたの頼みだったんだろ」

雪乃「そうね」

沙希「ならあいつは悪くないじゃないか」

雪乃「でも人を傷つけたのは確かよ」

沙希「そう…だけど…」

雪乃「そして大多数はその理由も知らないし、表面上のことしか見ようとしないわ」

雪乃「だけれど、あの人が行った行動の真意を知っている人は少なからず人はいる」

雪乃「少なくとも私は知っている」

沙希「…」

雪乃「そして、あなたも知ってるわ」

雪乃「だけれど、大多数がその真実を知らず、真意を見ようともしない現状…」

雪乃「あの人は学校一の嫌われ者としての位置にいるのよ」

沙希「…」

雪乃「ならば、その嫌われ者と一緒にいる人が周りからどう思われるのかしらね」

雪乃「彼は人の痛みを知ってるわ」

雪乃「そして自分の行動の後も考えてしまうとも言ったわ」

沙希「何が言いたいの?」

雪乃「自分のせいで、他人が負の感情に晒されるのを良しとしてないのではないかと思ってね」

沙希「!?」

雪乃「彼は自分を悪だと、悪役を演じることを自分に課してるような気がするわ」

雪乃「自分は陰湿であるべき、自分は陰険であるべき、自分は卑屈であるべき」

雪乃「そういう風に演じてる気がしてならないの」

雪乃「それ故に他人に近づかない、近づかせない どこかで距離を取ってしまう」

沙希「なんだよ…それ──」

雪乃「だから、あの時の行動は──」

沙希「私の…ことを考えて…?」

雪乃「かもしれない…全ては私の想像、空想、そうかもしれないという話しよ」

雪乃「これは私が比企谷君に感じたことを話しただけ」

雪乃「本当は全く違うのかもしれないし、そうかもしれない」

沙希「……あんたは」

雪乃「なに?」

沙希「あんたはあいつの──比企谷のこと、好きなのか?」




雪乃「大嫌いよ」

取り敢えず今日はここまで
できるだけ次も早めに投稿しようとは思ってますが
毎回その場のノリで適当に考えながら書いてるので遅くなると思われます

沙希「…そう 話はそれで終わり?」」

雪乃「ええ」

沙希「…じゃあね」ガラッ

雪乃「…」



沙希(なにが『大嫌い』だ──)

沙希(今まで見せたこと無いあんな顔して……)



沙希(雪ノ下の言いたいことはなんとなくわかった)

沙希(私は自分のことしか考えてなかったのかもしれない)

沙希(あいつのこと何一つわかってない いやわかろうしてなかった…)

沙希(でも、私にそんなこと話されてもどうようもないだろ)

沙希(私は関係ない… 私にとってそんなことどうでもいい事だ…)

沙希「でも」

沙希「…」

沙希「なんでこんなに気になるんだろう──」

結衣「ねぇヒッキー」

八幡「何か用か?」

結衣「えっと、その…」

八幡「授業中に指された俺かよ はっきり喋れ」

結衣「あはは… ヒッキー授業中だといきなり指されるとどもってるよね」

八幡「前から順番とかなら心の準備出来てるからいいけど、油断してるところにいきなり指名されるとびびるだろ」

結衣「少しはわかるかな」

八幡「しかも数学とかだったらテンパるどころじゃないってーの」

結衣「それはわかる!『わかりません』しか言えないもん」

八幡「わかるのにわかりませんか…お前哲学的だな」

結衣「てつがく?誰?」

八幡「えーゆいがはまさんえーまじっすか…」

結衣「!?じゃなくて!」

結衣「ヒッキーと話するとなんか話題がいつもずれる!」

八幡「俺のせいかよ…」

八幡「で、何のようなんだ?」

結衣「んとね、えーっと…」

八幡「…特にないならいくぞ」

結衣「ま、まって!その… 明日休みじゃない?」

八幡「そうだな、素晴らしき祝日!俺は引き篭もりライフを満喫するつもりだぜ!」

結衣「そんな力込めて言わなくったって…」

八幡「ふふふ…休みの前日しかももうすぐ学校も終わり ときはまさに世紀末!淀んだ街角で出会うようにテンションが上がらいでか!」

結衣「今のヒッキーちゅーにみたいだ…」

八幡「…ごめん 取り乱しました落ち着きます…だから一緒にしないでください」

結衣「どんだけ嫌いなの!?」

八幡「いやーだってよお前、『材木座と似てるー』って言われたらどうよ?」

結衣「それはちょっと──すごく嫌かも うん、嫌だ」

八幡「由比ヶ浜にきっぱり言われるって相当だな  材木座…南無」

結衣「あーもう!話が進んでなーい!」

八幡「だからなんだよ」

結衣「うーうー」

八幡「そのうーうー言うのをやめなさい」

結衣「ヒ、ヒッキー明日ど、どっかいこう!」

八幡「だが断る」

結衣「断れた!しかも即答された!」

八幡「勢いに任せればどうにかなると思うなよ」

八幡「第一お前と出かける理由がないだろ」

結衣「うぅ…理由がないとダメなの?」

八幡「そりゃそうだ 世の中全て行動には理由があるからな」

結衣「じ、じゃぁさ…理由があればいいんだよね?」

八幡「ま、まぁちゃんとした理由なら…な」

結衣「わかった…」

八幡「おい、どこ行くんだよ」

結衣「理由考えてくるの!」

八幡「なんだよそれ…」

結衣「ゆきのーん!」

雪乃「由比ヶ浜さんドアはちゃんと閉めな──ちょっと抱きつかないで」

結衣「ゆきのーん助けてよー」

雪乃「どうしたの?」

結衣「実はね──」



雪乃「───なるほどね」

雪乃「あなたの言いたいことはわかったわ」

雪乃「でも、由比ヶ浜さん…あなたはそれでいいの?」

結衣「……」

雪乃「あなたはそれで後悔しないのね?」

結衣「……わかんない わかんないけど… このままじゃ嫌なんだもん…」

結衣「なんか…なんかわかんないけど… 今はちょっと変なんだもん…」

雪乃「……はぁ  わかったわ」

結衣「ゆきのん!」

雪乃「私も考えてみるわ」

雪乃「でも由比ヶ浜結衣さんの奉仕部への依頼として手助けをするだけよ」

結衣「ありがとうゆきのん」

雪乃「…由比ヶ浜さん、私はあなたのその他人を気遣ってばかりのところがあまり好きではないけれど」

結衣「え…」

雪乃「その優しさはとても好きよ」

結衣「ゆきのん!」ギュ

雪乃「…暑苦しい」

八幡「やっと試験が終わって、これから家で本を読んで英気を養おうと思ったのに…」

平塚「まぁそう言うな比企谷 これも奉仕部の活動だ」

八幡「嘘つくなよ 荷物持ちが欲しかっただけだろ」

平塚「てへぺろ」

八幡「うぜぇ……」

雪乃「年甲斐もなくはしゃぐのを辞めてください みっともないです」

平塚「ぐはっ」

結衣「ゆ、ゆきのん そんなこと言っちゃだめだよ 先生大丈夫だよまだ頑張れるよギリギリ」

平塚「ぎ、ぎりぎり…」

雪乃「そうね、最後の抵抗ってことなのかしら」

平塚「最後て…最後て…」

八幡「おい、やめてやれ 黒いオーラ出てきてるぞ」

八幡「で、何を買うんです?」

平塚「あぁちょっと学校の教材で必要な物があってな」

八幡「そういうのって普通業者とかに頼むものじゃないんすか?」

平塚「大量に必要だったり、消費が最初から決まってるのならそうなんだけどな」

平塚「途中から急な方針の変更などで急遽必要になったときなどは業者が間に合わなかったり」

平塚「業者に頼んだほうが高く付く場合も多々あるのだよ」

雪乃「そうね、契約外の急な要求は相手の足元を見てから自分が有利な状況で物事を勧められるものね」

雪乃「まぁ私なら先に相手の弱みを握ってからこちらが有利な状況で要求を開始するのだけれど」

八幡「ナチュラルに弱みを握るとかの発言がこえーよ」

平塚「比企谷は向こう側で、このメモに書いてあるやつを買ってきてくれ」

八幡「わかりました──って量多いな!」

平塚「流石に一人で行けとは言わないさ、雪ノ下一緒に──」

雪乃「お断りします」

平塚「じ、じゃぁ由比ヶ浜一緒に行ってやってくれ」

結衣「う、うん」

平塚「取り敢えず1時間後ぐらいにここに集合ってことでいいね」

八幡「わかりました」

平塚「では、雪ノ下。私たちは向こうだ」

雪乃「はい」

八幡「おい、行くぞ」

結衣「あ、うん…」

平塚「ふぅ…」

平塚「これでいいのかね?」

雪乃「ええ ありがとうございます」

平塚「いやいや、実際私も助かっているから構わんのだがな」

平塚「しかし、君等はいつ見ても飽きないな」

平塚「偏屈で頑固で、しかし優しい… 私はそういった君達の思想はとても大事だと思っているよ」

平塚「ただ──」

平塚「もう少しだけわがままになってもいいとは思うのだがね」

雪乃「そうですね 由比ヶ浜さんは周りに気を使いすぎるところがありますし」

平塚「由比ヶ浜のことではないのだが… まぁいい さっさと買い物を済ましてしまおう」

雪乃「……」

結衣「ねぇヒッキー あれ可愛くない!」

八幡「どこがだよ ってかそっちじゃないぞ」

結衣「だってぇ ほら見てよヒッキーあれ超可愛い」

八幡「どこをどう見たら可愛く見えるんだよ」

結衣「えー なんかふりふりふわふわして可愛いじゃん」

八幡「まぁぽわぽわして馬鹿っぽいのはお前には似合うだろうな」

結衣「え… 似合う?そ、そうかな? えへへ…」

八幡「えっと…褒めてませんけど?」

結衣「え?はっ!?私ぽわぽわって感じじゃないじゃん!」

八幡「そっちかよ!」

八幡「こんなもんかな」

結衣「ねぇヒッキー私もうちょっと持てるよ?」

八幡「別にいいよこのくらい これ結構重いし」

結衣「ふーん えへへ…」

八幡「なんだよ…」

結衣「べっつにー」


平塚「ご苦労様」

八幡「後部座席の方へ置きますよ」

平塚「ああ、そうしてくれ」

平塚「助かったよ お礼にこれからご飯でもと言いたいところだが」

平塚「私はこれを学校へ持って行って整理しないといけないのでね」

平塚「これでみんなで何か食べ給え」

結衣「わー」

雪乃「特定の生徒に、教員がそういったことをしていいのですか?」

平塚「教員だろうが生徒だろうが、労働に見合った報酬を得るのは当然のことではないのかね?」

平塚「ましてや、これは感謝の気持ちだ。それは立場など関係ないだろ」

平塚「人の気持ちは素直に受け取ることが重要だよ」

八幡「…」

雪乃「そうですね、わかりました。ありがたくお受けいたします」

平塚「それでいい では今日はありがとうな また来週」

結衣「さよーならー」

結衣「何食べよっかー」

雪乃「私はこういったのはよくわからないわ」

結衣「もんじゃ焼きはこの前食べたしねー」 ※ドラマCD参照

雪乃「そうね、初めて食べたけどそれなりに美味しかったわ」

結衣「楽しかったなー またみんなで行きたいねー」

八幡「そう…だな 楽しかったな」

雪乃「そうね」

結衣「みんな何食べたい?私お肉かなぁ」

雪乃「そうね…私は魚介類かしら?伊勢海老とかいいと思うわ」

八幡「お前伊勢海老好きすぎじゃね?ってかそんな高いもん無理だろ」

結衣「伊勢海老っておっきなエビだよね?あれ一度でいいから食べてみたいなー」

雪乃「今度手に入ったらご招待するわ」

結衣「ほんと!?やったー」

八幡「伊勢海老がほいほい手に入るってどんなんだよ…これだからお嬢様は…」

雪乃「その呼び方はやめて頂戴」

八幡「あーはいはい、気難しいこって」

結衣「で、ヒッキーは何食べたいの?」

八幡「おっと、いつも意見言わないから忘れるところだった」

雪乃「まだその習性治ってなかったのね」

八幡「結局サイゼかよ まぁ全然いいけどさ」

結衣「だってみんなバラバラだったし、ならやっぱりここがいいかなーって」

八幡「まぁサイゼなら大抵の種類はカバーで来てるからな さすが学生のオアシスサイゼだな」

雪乃「そこまで業行しいものかしら」

八幡「お前は世間に疎いからその認識は仕方ないな うんうん」

雪乃「なにかあなたのその言い方に殺意を覚えてしまうわ」

結衣「あはは…」

雪乃「……少し失礼するわ」

結衣「ん?」

雪乃「電話をかけて来るわ」

八幡(雪ノ下が電話とは珍しい…)

結衣「いってらっしゃーい」

時間空きましたが今日はここまで、待たせてしまってる方がいるのでしたら申し訳ありません
次はそれなりに早めに投稿出来ると思います

結衣「ヒッキーは何頼むの?」

八幡「そうだな今日はパスタにでもしようか…」

結衣「パスタかーいいね!私もパスタにしようかなぁ今日はパスタ日和って感じだね よし私はミラノ風ドリアにしよっと」

八幡「パスタ日和ってなんだよ ってかパスタ日和じゃねーのかよなんでドリアなんだよ」

結衣「え?だって美味しいじゃん」

八幡「いや美味しいのはわかるけどさ…もう何でもいいや」

八幡「今日はあっさり目の和風パスタにでもするかな」

結衣「あ、ゆきのん おかえりなさーい ゆきのん何頼む?」

雪乃「ごめんなさい 少し用事が出来たので私はこれで失礼するわ」

結衣「急用?」

雪乃「…ちょっと家の用事で一旦帰らなければいけなくなったの」

八幡「……」

結衣「そうなんだ…残念だなぁ」

雪乃「ごめんなさいね、この埋め合わせに、後日一緒に御飯でも食べましょう 由比ヶ浜さん」

結衣「うん!」

八幡「なら今日は俺らも出るか」

結衣「え…」

雪乃「勘違いしないでくれるかしら?後日一緒に食べるのは由比ヶ浜さんであって、比企谷君は含まれていないのだけれど?」

八幡「勘違いしてねぇって、そのくらいわかってるさ」

雪乃「そう、それならいいのだけれど」

雪乃「ならあなた達はここで食事するといいわ 用事で抜けるのは私であってあなた達まで出ることなんてないもの」

八幡「まあ、確かにそうだが…」

雪乃「それに、既にお店の中に入ってしまったのに何も頼まずに全員出るのは少し失礼だと思うわ」

結衣「たしかにそうだよね」

雪乃「それでは失礼するわね」

結衣「ゆきのんおつかれさまー」

雪乃「ええ、お疲れ様 それでは」

八幡「……」

結衣「ゆきのん残念だなぁ」

八幡「……」

結衣「ヒッキーどしたの?」

八幡「なぁ、これ何がしたいんだ?」

結衣「?」

八幡「いや、もう何となくわかってるからさ」

結衣「なにが?」

八幡「え?」

結衣「え?」

八幡「……いや」

結衣「どしたの?」

八幡「お前この前出かける理由考えるって言ったよな?」

結衣「あー…うん…」

八幡「それ雪ノ下に相談したんだろ?」

結衣「え、すごい!なんでわかるの!?」

八幡「いや、そりゃぁわかるさ」

結衣「へ、へぇーわかるんだ… えへへ」

八幡「相談された雪ノ下は今日のこのことを仕組んだわけだ」

結衣「ゆきのんが?」

八幡「恐らく先生に頼んで奉仕部を理由に俺を呼び出したんだろ」

八幡「恐らくご飯のことは先生の独断だったのだろう」

八幡「普段の雪ノ下は断るはずだが、おとなしく引き下がったのは自分の考えていた案よりも有利に運べると思ったかだと思う」

八幡「だいたい、雪ノ下が自ら家に電話をかけるとは到底思えない」

八幡「多分ある程度最初から組み込まれてたことなんだとは思うけどな」

結衣「なるほどねー」

八幡「なるほどねーってお前ほんとに知らないのか?」

結衣「え?あ、うん」

結衣「……はっ!今日のこれは私のため!?」

八幡「おせーよ!」

八幡「で、お前は一体なにがしたいんだ?」

結衣「えーっとね…」

八幡「……」

結衣「さっちゅんのことなんだけど」

八幡(またか…)

結衣「あのね、えっと… その」

八幡「…」

結衣「さっちゅんと、その… もう一度二人でどこか行ってほしいと言うかなんと言うか…」

八幡「は?」

結衣「さっちゅんあれからなんというか元気ないの」

八幡「いつもと変わらないだろ」

結衣「そんなことない 落ち込んでるというか悩んでるというか… ちょっと違うの」

八幡「まぁ他人をよく見てるお前が言うんだからそうかもな…」

結衣「そ、そうかな えへへ…」

結衣「それとね…」

八幡「なんだよ」

結衣「ヒッキーもなんかちょっと違うの」

八幡「そんなことないだろ、俺はいつでも比企谷八幡だ」

結衣「他人をよく見てる私が言うんだよ?」

八幡「む…」

結衣「今のヒッキーはなんというか、あの時のヒッキーに似てる感じがするの」

八幡「あの時?」

結衣「──職場見学の後…」

八幡「……」

結衣「それでね 私はあの時はゆきのんがいてくれたからよかったんだけど…」

結衣「さっちゅんとゆきのんそんなに仲良くないというか何と言うか…」

八幡「まぁ…な」

結衣「折角知り合えたんだし、今のままだと仲良くなれないって思うの」

結衣「奉仕部にも顔出さないぐらい距離が空いてるなんて…何か嫌なの」

八幡「……」

八幡「やっぱり、由比ヶ浜は優しいよな」

結衣「え!?そ、そんなことないって!」

平塚「送って行こうか」

雪乃「平塚先生…帰ったのではなかったのですか?」

平塚「いや、少々用事でな今から帰るところだ ついでだよ」

雪乃「そうですか」

平塚「まぁ乗り給え」

雪乃「それではお願いします」

平塚「さて、どっちに送ったらいいかね?」

雪乃「……」

平塚「了解」

>>212
>八幡「やっと試験が終わって、これから家で本を読んで英気を養おうと思ったのに…」
>
>平塚「まぁそう言うな比企谷 これも奉仕部の活動だ」
>
>八幡「嘘つくなよ 荷物持ちがts欲しかっただけだろ」Eco
>
>平塚「てへぺろ」
>reallydrutz
>八幡「うぜぇ……」
>
R>雪乃「年甲斐もなくはしゃぐのを辞めてください みっともないです」
>
>平塚「ぐはっ」
>
>結衣「ゆ、ゆきのん そんなこと言っちゃだめだよ 先生大丈夫だよまだ頑張れるよギリギリ」
>
>平塚「ぎ、ぎりぎり…」
>
>雪乃「そうね、最後の抵抗ってことu
>平塚「最後て…最後て…」
>U
>八幡「おい、やめてやれ 黒いオーラ出てきてるぞ」Sadt
A

八幡「つまりお前は俺と川崎が仲直りしろと言いたいんだな?」

結衣「うん…」

八幡「由比ヶ浜、お前間違ってるぞ」

結衣「え?」

八幡「そもそも俺と川崎は仲良くないし、直す関係なんて最初からないんだ」

八幡「唯のクラスメイト、俺は嫌われ者のぼっちで、あいつは違う」

八幡「あいつは少し人と関わるのが下手なだけ」

八幡「文化祭の時だって、体育祭だってそれなりにみんなと仲良くやってただろ」

八幡「距離が空いた?違うな これが正しい距離なんだよ」

結衣「そんな」

八幡「あいつはクラスに溶け込もうとしてるだろ」

八幡「苦手かもしれないがそれでもやろうとしてるだろ」

八幡「ならこの距離を保つべきだ」

結衣「…そんな」

八幡「……」

結衣「……」

八幡「この際だ、はっきり言おう」

八幡「嫌われ者の立場は俺だけのものだ 他の誰にも譲る気はない」

八幡「俺以外の嫌われ者なんて滅んでしまえ」

結衣「なにそれ意味分かんないし…」

八幡「ま、そういうことだ」

結衣「ヒッキーってさ…」

八幡「なんだよ」

結衣「やっぱり…なんか優しいよね」

八幡「当たり前だ、この俺から優しさを取ったら世界は即破滅するぞ」

結衣「なにそれ怖いよ!」

沙希(あいつら今頃部活やってんのかな…)

沙希(さぼっちゃったし、また雪ノ下に何か言われるんだろうか… めんどくさ)

沙希(今日はゼミも休みだしどうしようかな──)

小町「あ、沙希さーん」

沙希「ん?」(あれは確かあいつの…)

大志「姉ちゃん」

沙希「何してんのあんた達?デート?」

大志「え?いや~そん──」

小町「全ッ然違いますよー ちょっとお話してただけです」

大志「あ、うん うん…」

沙希「…そうなんだ」

小町「それはそうと、先日はうちの兄がご迷惑をお掛けいたしました」

沙希「いや、別に迷惑って…」

小町「いやいや如何せんうちの兄は他人と言うものと付き合うことが下手でして」

小町「歩み寄ってくれる女性の方はとてもありがたく思っております」

小町「これからも何卒、うちの兄をよろしくお願いしたい所存でありまして」

沙希「なんでそんなサラリーマンみたいな喋りなの?」

小町「兄はちょっと…いやかなり捻くれてまして」

小町「基本は正直ではあるんですが、正直すぎてどうしても他人と距離を取ってしまうんです」

小町「あ、でも小町には優しくてとても良い兄なんです いまの小町的にポイント高い」

沙希「……」

小町「最近は雪乃さんや結衣さん、戸塚さんと居る時間が増えて多少距離を測り直してるカンジがするんですが」

小町「更にその距離を短くするべく、沙希さん、どうぞ兄のことよろしくお願いします」

沙希「私は別に…」

大志「そうそう、色々相談に乗ってもらったんだしね」

大志「お兄さんが一癖も二癖もあるのはわかりきってることだろ」

沙希「……」

小町「まぁ無理にとはいいませんが、これからも兄と仲良くしてやってください」

沙希「はぁ… あんたも大変だね」

小町「ほんとダメな兄を持つと大変なのです」

沙希「ふふっ」

小町「沙希さん笑った顔とても素敵ですよ」

沙希「!? ばっ、ばかじゃないの!?」

大志「姉ちゃん顔真っ赤」

沙希「大志うるさい!黙れっ!」

沙希(まったく…雪ノ下といい、あの妹といい…私にどうしろって言うんだよ…)

沙希(大体、私は会話が苦手で、それに男の人と話だって…)

沙希(そりゃ、あいつに色々世話にはなったし捻くれてはいるけど頼りにはなるし)

沙希(大志もなんか懐いてるし…まぁ見た目はそれなりだし──)

沙希(って、何考えてんだ私は!?)

沙希「はぁ…」

沙希「もうわけわかんないよ…」

戸塚「はちまーん」

八幡「お、おう 戸塚」

結衣「あ、彩ちゃん」

八幡「戸塚は部活終わりか?」

戸塚「うん、今日はもう終わりで今帰りなんだ 二人は何してるの?」

結衣「私達もさっきまで奉仕部の活動してたんだよ」

戸塚「へーそうなんだ」

八幡「まぁ終わったから今から帰るんだけどな」

結衣「え?帰っちゃうの!?」

八幡「そりゃ用事が終わったら帰るだろ それ以外の選択肢なんて存在しない」

結衣「えー もうちょっと一緒にいたいというか何と言うか…」ボソ

戸塚「八幡帰っちゃうんだ… 時間あるならどこか遊びに行けたらなーと思ったんだけど」

八幡「おし、どこ遊び行く!?早く行こうぜ」

結衣「帰るんじゃないの!?」

八幡「何いってんだ由比ヶ浜 戸塚がいるのに帰るなんて選択肢は存在しない!」

結衣「こいつ……」

戸塚「ははは…」

結衣「あーいっぱい歌ったー」

戸塚「由比ヶ浜さん上手だね」

結衣「彩ちゃんこそすごいね 女性の歌あんなに歌えるなんて!聞き惚れちゃった」

戸塚「そ、そうかな…」

八幡「ああ、本気で惚れそうになったぞ ずっと聴いていたいくらいだった録音しとけばよかった」

戸塚「もう!やめてよ…」

結衣「ヒッキーキモい」

戸塚「八幡も上手だよね」

結衣「そうそう、前の時も思ったけど何気にいい声してるよねー 選曲はなんかアレだけど…」

八幡「なんだと!アニソン舐めんな!」

戸塚「でもバラードとか似合いそうだけど」

結衣「そ、そうそう ラブバラードとか ちょっと…聴いてみたかかったりなかったり… なんて」

八幡「あんな手垢のついた何のひねりもない虫唾が走る歌詞なんて歌えるかよ 恥ずかしい」

結衣「えー素敵な歌詞じゃーん」

八幡「どれも言ってること一緒だろ もっとオリジナリティを出せよ」

結衣「じゃそろそろ帰ろっか」

戸塚「そうだね もう夕方だし」

八幡「おう」

結衣「今度は前みたいにみんなで来ようよ ゆきのんも小町ちゃんも先生も誘ってさ」

八幡「材木座は入ってないんだな それで正解だが」

結衣「あとさっちゅんもね」

八幡「あ、あぁ… そうだな」

戸塚「楽しそうだね じゃぁ僕はここで」

八幡「おう、気をつけて帰れよ あそうだもう暗いし夜道は危ないからなんなら送って行こうか?」

結衣「どんだけ過保護なのよ!」

戸塚「ふふっ大丈夫だよ じゃーねー」

結衣「また明日ー」

八幡「さ、いくぞ」

結衣「え?」

八幡「あーその… 暗いしな まぁ途中までって感じで」

結衣「…あ、 うん!」

ガラガラッ

八幡「うっす」

雪乃「なんだ比企谷君か」

八幡「その反応やめろ 色々思い出しちゃうだろ」

八幡「由比ヶ浜ならクラスの女子に捕まってたぞ 三浦とかそのあたり」

雪乃「そう」

八幡「…」

雪乃「…」ペラ

雪乃「昨日…」

八幡「あ?」

雪乃「昨日はあの後どうだったの?」ペラ

八幡「どうって言われてもな… まぁ想像通りじゃねぇの?」

雪乃「そう…あなたは本当に変わることを拒否するのね」パタン

八幡「変わる必要性を俺が見いだせないからな」

雪乃「その頑固さが人を傷つけ、遠ざける結果になるとしても?」

八幡「…」

雪乃「それとも、それを望んでいるの?」

八幡「なんだよ急に」

雪乃「急ではないでしょう」

八幡「……」

雪乃「……」

ガラガラッ

雪乃「あら…」

沙希「…うっす」

八幡「う、うっす」

雪乃「どうかしたのかしら?」

沙希「いや、仮とは言え一応部員だしずっと顔を出さないのもアレだし」

雪乃「そう」

沙希「……」

八幡「…まぁ座れよ」カタン

沙希「…う、うん どうも」

雪乃「……」

沙希「……」

八幡「……(なんだこれ雰囲気やばい まじやばい 由比ヶ浜はやくきてくれー!!この際材木座でもいいぞー!!)」」

沙希「私が来てない間に、依頼?はあったの?」

雪乃「なかったわ」

沙希「そんなに頻繁にあるわけじゃないんだね」

八幡「まぁここの存在はほとんど知られないからな、誰かのツテがあって来る人が殆どだろ」

沙希「なるほどね」

沙希「そう言えば昨日、あんたの妹とあったよ」

八幡「へぇー まぁ近場ならうろうろしてるし会うこともあるだろ」

沙希「弟と一緒にいた」

八幡「おいふざけんな 何してたんだよ お前も弟の躾ちゃんとしろよ!」

沙希「あんたこそふざけんな 私の弟何だと思ってんの?」

八幡「いいか?小町は大事な俺の妹だ 変な虫がつかないようにするのは兄の役目だ」

八幡「あの男はお前の弟だ 小町に近づかないようにするのがお前の役目だ」

雪乃「暴論過ぎて呆れ返るわね」

沙希「大体大志はちゃんと常識を弁えてるし、何も変なことはしない!」

八幡「うちの子に限ってかよ ブラコンめ」

沙希「シスコンのあんたに言われたくないよ」

八幡・沙希『ふんっ!』

雪乃「……私から見ればどっちもどっちなのだけれど?」

ガラガラッ

結衣「やっはろー!」

雪乃「いらっしゃい」

結衣「さっきゅんも来てたんだー ん?どったの?なんか機嫌悪い?」

沙希「別に あとさっきゅんって言うな」

結衣「ヒッキー?」

八幡「なんでもない」

雪乃「妹さんと弟さんのことで少し口論になっただけよ」

結衣「そっか 二人共兄弟好きだもんねぇ」

雪乃「比企谷君の場合、その度合が少し違うと思うのだけれど」

結衣「あはは…」

結衣「でも確かに小町ちゃん可愛いし ってそうだ!」

雪乃「どうしたの?」

結衣「ゆきのんカラオケ行こう!」

雪乃「遠慮するわ」

結衣「即答!?」

八幡「昨日言ってたことか」

結衣「うん」

雪乃「昨日?」

八幡「あぁあの後戸塚と偶然あってな 三人で少しだけカラオケ行ったんだ」

結衣「でね!超楽しかったから、またみんなで行けたらいいよね って話したんだよ」

雪乃「そう…いってらっしゃい」

結衣「すごいにこやかな顔で言われた!?」

結衣「ゆきのんも一緒に行こうよー」

雪乃「私はカラオケは苦手だから遠慮するわ」

結衣「えーこの前行った時は一緒に歌ったじゃーん」

雪乃「あの時は由比ヶ浜さんの誕生日をお祝いするための場所として行っただけであって」

雪乃「カラオケが目的で行ったわけではないでしょう」

結衣「それはそうだけどさー」

結衣「今回はさっちゅんも一緒だし!」

沙希「なんでしれっと私含まれてんの?」

結衣「え?何が?」

沙希「参加することが当たり前のごとく首をかしげられたんだけど…」

八幡「川崎…諦めろ 人間諦めが肝心だ」

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