※めっさ短いです
※例によってデレマスアイドルが実在作品を見る関係上、該当作品のネタバレを思いきり含みます
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-比奈の自宅-
杏 「今日も今日とてだらけるぞー」
比奈「そろそろ総選挙来そうな頃合いだけど、杏ちゃんはいつも通りッスね」
杏 「仕事ムダに増やすような真似したくないしなぁ。
…そういう時だけご機嫌取りみたいに出るのもヤだし。普段の仕事で杏は十分働いてるよー」
比奈「まー夏休みの宿題じゃないけど、土壇場で無理するとガタ来るッスからね」
杏 「そうそう、あわてないあわてない。ひと休みひと休みってどっかのお坊さんも言ってるし」
ピーンポーン
比奈「はいはい、今行くッスよー」
杏 「…いい加減慣れたけど、今日は誰呼んだの?」
比奈「あー、ある意味アタシ達と逆のスタンスの人ッスね。
なんだかんだで常にがんばってるという」
ガチャ
麗奈「そういう紹介されると入りづらいっての…勝負事で負けたくないだけなんだからッ」
杏 「おお!アレは魔法少女!燃える炎のエレメント!」
比奈「ツンデレ追加戦士で大きなお友達に大人気!」
杏 「小関!!」
比奈「麗奈!!」
麗奈「だああぁッ!!アンタ達、ぜったい打ち合わせかなんかしてたでしょ!?」
杏 「してないんだよなぁ…」
比奈「そもそも誰が来るか教えてないッスからね。まぁ、なんだかんだ付き合い長いんで」
杏 「麗奈と光に比べればまだまだ甘いもんだよ」
麗奈「なんでそこで光が出てくるのよッ!?まったく、調子狂うわ…」
杏 「で、今日は何見に来たのさ」
麗奈「あー…ほら、そろそろ総選挙とか始まりそうな感じじゃない?
でもイタズラでライバル引っ張ろうにもさっぱり見切られてる気がするし、
それに時子とか巧海とか…その…ワルなイメージが被ってる相手もいるワケッ!
だから『悪役オールスターで大乱闘』みたいなアニメとかあれば見てみたいのよッ!」
杏 「競争相手とかあんま意識しない方がいいと思うけど、まぁ水を差すこともないかぁ。
でも、なんというか狭いとこ突いてきたね。そんな作品あるの、比奈?」
比奈「ふっふっふっ…無かったらここまで呼んでないッスよ。
ということで、今日見るのはコレ!」
杏 「これかー。たしかに要望通りのブツだけど古くない?
杏もシューティングゲーで知ってる程度の知識で見たんだよなー。
そもそも麗奈はこのシリーズ知ってる?」
麗奈「シリーズってのはわからないけど、このジャケット右上にいるのだけは知ってるわッ!
朝のニュース番組でも見るし、最近はなんかアタシよりガキの幼女になってたから覚えてる」
比奈「まぁ、やっぱりアレは突出して知名度高いッスよねー。
シリーズの話は見ながらしていくとするッスか」
『タイムボカン 王道復古』
比奈「麗奈ちゃんが知ってるのは『ヤッターマン』のことッスね。
でもアレ、実はシリーズ2作目なんでスよ」
麗奈「ん?前番組ってたしか名探偵コナンでしょ?コナン君からのスピンオフなのコレ?」
杏 「リメイク版の方でしょ、それ。元はもっと古いんだよ。ぶっちゃけ古過ぎて杏も大して見てないけど」
比奈「オリジナルの方はもう40年近く前の作品ッスから…基本的なノリは変わらないでスけどね。
タイムボカンシリーズって名前通り、最初は『タイムボカン』って作品からはじまって、8年間で7作品続いたんでスよ」
『のっけから説明せねばなるまい!実はこの度、タイムボカンシリーズのオリジナルビデオが製作されることとなり、
それに出演する三悪をレースで決めることになったのだ!』
比奈「…というワケッス」
麗奈「今のやたらメタなナレーション、たしかに『ヤッターマン』と同じノリね。
にしても、悪役側が作品代表になって争うってのは珍しいけど、なんで主人公側じゃないの?」
杏 「ま、見てればすぐわかるよ」
比奈「タイムボカンシリーズじゃないとこういうことはないんで、見るのが一番ッス」
麗奈「なんか気になる言い方ね…まぁいいわ、見てやろうじゃないッ」
麗奈「レースって体裁だけど、要は悪のバトルロイヤルってことねッ!
…って、アタシの知ってるボヤッキーがレース出ないで蕎麦作ってるんだけどッ!何コレ?」
杏 「そのボヤッキーが離脱してるのを除けば、どの悪役チームも似たような三人構成なんだよね。
テンプレといえばそうだけど、三悪って言葉自体がコレ発祥なんだっけ?」
比奈「そうッスよー。タイムボカンシリーズの基本は三悪とメカ!
主人公は男女ペアってのもあるッスけど、このシリーズ主人公以上に悪役が目立つんスよ」
杏 「そういやシューティングゲーも三悪の方が主人公だったし、
格ゲーでもオープニングでモリガンと超カッコ良く対峙してる見せ場あったなー」
比奈「『夜のヤッターマン』に至ってはドロンボーの子孫が主人公だったッスからね。
それだけ三悪に魅力があったってことッス」
麗奈「チーム紹介が終わっていよいよレース開始ねッ!
開幕早々バナナの皮で滑ってイタダキマンチーム戦線離脱!で、オタスケマンチームが遅れ…って、アレ?
なんか、キャラが違うのに声が同じ?代役?」
比奈「それが代役じゃないんでス…!リメイク前のタイムボカンシリーズの三悪は、7作品みんな同じ声優なんでス!」
麗奈「何ソレ!?」
杏 「キャラが立ってるだけじゃなくて、労せずして本人出演できるから悪役側で争ってるってのは斬新だよねー。
兼ね役多いアニメはあれど、その全部がメインキャストってのは前代未聞だけど」
比奈「そうこうしてるうちにオタスケマンチームが自滅!残り5チームッス!」
麗奈「最初はともかく、悪役なんだからみんな策は出して来るワケよねッ!
って、なんか鍵と錠前?ヤットデタマンに借りてきたって…まさか!」
比奈「そう、アレは主人公側のメカを呼ぶ道具!作品単位の対抗戦なら呉越同舟もなんでもアリ!」
杏 「つーか相手も主人公側から借りてきたせいで、なんか普通にドリームマッチになって…ないなコレは」
比奈「ギャグアニメッスから…」
麗奈「それどころか互角の戦いで友情結んだメカに暴言吐いたせいで2チーム揃って自滅ッ!
はー、安易な力に手を出すようじゃダメねッ!」
杏 「ある意味、元の番組通りの展開になったってことだけどねー。残り3チームっと」
杏 「次の策はなんか元祖っぽいチームだね。
罠で足止めして、その上から大岩。すっごいシンプルだけどそれだけにイケそうな感じ?」
麗奈「片方はフル出力で強引に突破したけど、ボヤッキー不在のドロンボーが捕まったわね。
まぁボヤッキーが合流しようとするんでしょうけど…ブッ!!」
比奈「狙ったようにトラック来て吹っ飛んだッスねー」
杏 「たしかに外さないなぁ…」
麗奈「で、ボヤッキー合流で大岩爆破用のミサイルを反射して返り討ち、っと。
あー、どうせドロンボーが勝つんでしょ、筋書き読め…ってアレ?
ボヤッキーのくしゃみで大岩落ちて自爆?ウソ?」
杏 「まだ1チームあるからそこが優勝なのかなー?まだボヤッキー諦めてないけど」
麗奈「でもメカ大破してるじゃん!相手も余裕カマしてファンサービスまでしてるし…って、あ!」
比奈「そう、平成版でもきちんと残ってたおしおき三輪車!
何気にコレ他の作品にはないんスよ!」
麗奈「フル出力の反動で動けない相手を尻目に、三輪車でそのまんまゴール!
見た目はアレだけど諦めなければ悪が勝つのよッ!!
…アレ、勝ったのにおしおきはやるの?」
比奈「ま、ドクロベエ様は基本おしおきしたいだけって部分あるんで…」
杏 (この愉快なドクロベエが『夜の』方でなんであんなガチクズになったんだろうなぁ…)
比奈(そこはもうバイキンマンがバイキン騎士の回だけシリアスになったのと同じようなもんでスから。
どっかのプロダクション社長にも似たようなことあったッスね)
杏 「これで終わりだねー。そういや冒頭で言ってたオリジナルビデオって本当に作ったんだっけ?」
比奈「ホントにあるッスよ!きちんとドロンボーが悪役ポジションに入ったヤツッス。
DVD版なんでそれも一緒に入ってるッスけど…続きで見るにはちょっと時間が厳しいッスね」
杏 「ふーん。タイトなスケジュールの中でわざわざ見に来るとか、ほんと麗奈って努力家だね」
麗奈「う、ウルサイわねッ!そういうイイ子ちゃんなイメージ付けるなってのッ!
ブン取れるものがありそうだったから貴重な時間割いて来ただけッ!」
比奈「はいはい。で、面白かったッスかね?」
麗奈「さすがに映像やセリフに古さは感じるけど、中々いいじゃないのッ!
たまには小細工なしのストロングスタイルで挑んでみてもいい気がしたわ。
アタシも悪として、最後まで諦めない精神で挑むわよッ!アーハッハ…ゲホッゲホッ」
杏 「うわぁ、きらりみたいな熱で溶ける…」
比奈「なんかダークヒーローみたいで格好いいッスねー」
麗奈「ああもう、締まらないわね…まあいいわ!
時間だから事務所戻るけど、そこでアタシの生き様を見てなさいッ!ボンクラ2人組!」
ガチャ
杏 「…アレは魔法少女番組で正義の追加キャラに当てられるのも納得だね」
比奈「本人は自覚ないのがまた面白いんでスよねー。
悪にしても『ロードランナー』のワイリー・コヨーテみたいに応援してしたくなるんスよ」
杏 「それって三悪まんまじゃん?」
比奈「あはは、そうとも言うッスね」
-後日・事務所-
杏 「比奈ー、麗奈の出した総選挙イメージポスター案見た?」
比奈「ん?まだ見てないッスけど、なんかあったッスか?」
杏 「まぁ杏もさっき見たんだけどさ。ほら」
比奈「…うわぁ…」
杏 「なんというか、思ったより影響受けやすい子だったんだなぁ」
比奈「たしかに三悪まんまとは思ったけど、まさか本当にドロンボーになるとは思わなかったッス…
なんか、悪いことしてしまった感じがちくちくと」
杏 「別にー?面白いからいいじゃん」
比奈「いや、麗奈ちゃん本人はともかく2人ほど巻き込まれてるのが…トンズラー枠の愛海ちゃんとかどうなんスかね」
杏 「むしろボヤッキー枠が不思議だよコレ。大方、頭脳ポジとか説明したんだろうなぁ。
じゃなきゃ髭なしの方とはいえ、あのありすがボヤッキーなんかやらないでしょ」
比奈「…ありすちゃん後で蕎麦打ちにでもなるんスかね」
杏 「イチゴ蕎麦かなぁ…」
―この後に小関麗奈率いるドロンボー一味は、南条光と有浦柑奈の扮するヤッターマンと
実に108回に渡る攻防を繰り広げることになるのだが、それはまた別のお話。
[END]
超短いけど終わりよー
現在だとほぼ『タイムボカンシリーズの知名度≒ヤッターマンの知名度』となってる感は否めないですが、
視聴率・知名度的な部分以外に「ドロンボーの三悪としての完成度」という部分も関係ある気がします。
特におしおき三輪車が他の三悪にないという事実は大きいような…人間関係良好のドロンボーじゃないとアレは漕げないという。
あとレイナ様のドロンジョ様はちょっと見たいかも(レパードの方みたいになりそう)
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