園子「ゆーゆとわっしーを意識させるよ~」 (37)
結城友奈は勇者であるのSSです。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1459678003
園子自室
園子「ふ、ふふふ……」
友奈『う~ やっぱりデスクワークなんてわたしには無理だよ~』
東郷『確かに…… 友奈ちゃんには向いてない作業かも知れないわね』
友奈『外活動組と内活動組の2組に分けるにしても、内チームは東郷さんと園子ちゃんで良かったんじゃないかな~』
東郷『そうね、友奈ちゃんは体を動かす仕事の方が好きよね』
友奈『肩凝っちゃったよ~……』
東郷『そこで少しストレッチでもしたらいいんじゃないかしら』
友奈『うん、そうする』
東郷『私も友奈ちゃんの柔軟、手伝ってもいい? 二人なら出来ることも増えると思うし』
友奈『うん! いいよ!』
東郷『それじゃ、背中押すわ』
友奈『うん、思いっきり体重かけていいからね』
東郷『ほっ…… !』
友奈『はーっ』
東郷『どう? 友奈ちゃん』
友奈『へへ~』
東郷『なんで笑ってるのかしら…… ?』
友奈『東郷さんのぼた餅が……』
東郷『ゆ、友奈ちゃん!? もう!』
友奈『い、痛い! 痛いよ東郷さん!』
東郷『お仕置きです!』
東郷『ふん……』
友奈『反省します……』
東郷(そういうことなら直接言ってくれたらいいのに…… 友奈ちゃんにならいいのに……)
友奈『え? 何か言った?』
東郷『何でもありません! 仕事に戻ります!』
友奈『……な、何かわたしに手伝えることあるかな~?』
東郷『うーん…… そうだ、この資料を並べ直してもらえるかしら?』
友奈『うん! それならわたしでも出来るね!』
東郷『よし、これで終わりね』
友奈『やったー!』
東郷『後はここで風先輩たちが帰ってくるの待ちましょう』
友奈『あっ、東郷さん肩凝ってない? マッサージするよ!』
東郷『うーん、それじゃあお願いしちゃおうかな』
友奈『まっかせてー!』
東郷『…… 友奈ちゃん、わかってるわよね?』
友奈『も、もうあんなことしないよ~』
友奈『どう? 東郷さん』
東郷『うん、やっぱり友奈ちゃんのマッサージは気持ちいいわ』
友奈『東郷さんに喜んでもらえてわたしも嬉しいよー』
東郷『……』
友奈『……』
友奈『ねぇ東郷さん』
東郷『何? 友奈ちゃん』
友奈『今日さ、二人きりで活動出来て良かったなって思うんだ』
東郷『…… どうして?』
友奈『東郷さんが一人で歩けるようになって、昔からの知り合いの園子ちゃんが来て、もしかしてわたしと東郷さんの距離が少し開いちゃったんじゃないかなーって思ってたの』
友奈『だけど今日はふたりっきり居られてとっても嬉しかった! 東郷さんだーいすきっ!』
東郷『友奈ちゃん…… 私も、友奈ちゃんのこと大好きよ』
友奈『東郷さーん!』
東郷『友奈ちゃん!』
園子「こうして二人は夕暮れの中お互いの愛を確かめあっているのでした……」
園子「んー! やっぱりゆーゆとわっしーのカップリングは最高だなー!」
園子「……」
園子「でも実際のところ、二人はお互いのことどう思ってるんだろー?」
園子「なんかもう既に『夫婦』って感じだしこれ以上発展しなさそうな感じだよね~」
園子「……」
園子「そうだ!」
次の日 学校
園子「ふっふー!」
園子(わたしの手にあるのは今までのゆーゆとわっしーのイチャイチャから産み出された至上最高のゆうみもSS)
園子(これの表紙をさも部活に使う資料のように偽造し、部室の机の上に2部置いておく)
園子(そしてそれを読んだ二人は思わずお互いを意識してしまい……)
園子「むっはー!」
夏凛(朝からずいぶんテンション高いわね…… 取り敢えず話しかけるのやめよう……)
園子「え? もし部室に他の人が来て邪魔されたらどうするかって?」
夏凛(一人で勝手に話し出したわ……)
園子「そうならないために予め工作をしておいたのだー」
放課後
園子「にぼっし~」
夏凛「何? ……て言うかいい加減そのあだ名やめて」
園子「部長がお話があるからって放課後体育館裏に来るようにって言ってたよ~」
夏凛「放課後に体育館裏……ですって…… ?」
夏凛「ふーん…… 風の癖にいい度胸じゃない…… 覚悟しなさい!」
園子「頑張ってね~」
園子「ぶいっ!」
樹「お姉ちゃん…… どこだろ…… ?」
園子「いっつーん」
樹「あ、園子さん お姉ちゃんが何処行ったか知りませんか? お姉ちゃんのクラスの人に聞いたら『HRが終わった瞬間とんでもないスピードで教室を出た』って言われて……」
園子「あ~ それなら、部長は朝に下駄箱から手紙を見つけてね、目立ちすぎるくらい周りを見渡した後、手紙を見てニヤニヤしてたよ~」
樹「も、もしかしてそれって……」
園子「やっぱり…… ラブレター?」
樹「ど、どうしよう…… お姉ちゃんが悪い男の人に騙されちゃったら……」
園子「こういうのは体育館裏で告白するって相場は決まってるよ、だから
樹「友奈さん達に部活遅れるって言っといてください!」
園子「もう行っちゃった……」
園子「ぶいぶいっ!」
園子「あ、ちなみにラブレターはわたしが書いたんだよ~」
園子「シンプルな便箋に確かこんなこと書いたかなー?」
拝啓 犬吠埼風様へ
突然のお手紙申し訳ありません。私は普段から貴女の溢れ出る「女子力」に魅了されていました。
貴女の「女子力」は至るところで発揮されており、勇者部部長として奉仕活動を行う時など、貴女の「女子力」無くしては不可能でしょう。
今日こうして筆を取らせて頂いたのは貴女と貴女の「女子力」を見込んでのことです、もし宜しければ「女子力」持参の上放課後に体育館裏に来て頂けないでしょうか、直接伝えたいことがあります。
女子力
園子「猛ダッシュで教室を出たみたいだし、作戦は成功みたいだね~」
園子「ぶぶいぶい!」
園子「よーし、後は部室にゆーゆとわっしーの様子を見に行くだけだー!」
園子(お、もう二人とも部室に居るみたい)
友奈「まだ誰も来てないみたいだね~」
東郷「私たちが一番乗りのようね ……あら? これ何かしら?」
友奈「今日の活動内容について、かな?」
東郷「先に二人で読んでおきましょうか」
園子(きたきたきた~)
園子(ちなみに、二人に合わせてSSの内容はちょっと変えてあるんだよ~)
東郷「……」
東郷「…… !」
園子(わっしーのは最初にちょっと過激な内容を入れたよ)
園子(書いてて恥ずかしかったな~)
友奈「……」
友奈「…… !」
園子(ゆーゆのは最初に感動のお話を入れたよ)
園子(書いててわたしも泣いちゃったよ~)
園子(最初の内容は違っても最後は同じ、愛し合った二人が幸せなちゅーをしておしまい)
園子(そう、それはまるで始まりは違ってもやがて惹かれあい共に同じ道を行くあの二人のよう……)
園子(そろそろ読み終わったかなー?)
東郷「こ、これ……」
友奈「わ、わたしと東郷さんのことが書いてあったね……」
東郷「そ、そうね…… だ、誰かの悪戯かしら…… ?」
友奈「う、うん……」
友奈「と、東郷さんはこれを読んでどう思った…… ?」
東郷「ど、どうって…… ?」
友奈「えと…… その……」
園子(行け! そのまま勇者になるんだゆーゆ!)
友奈「このお話の中ではわたしと東郷さんは恋人同士で……」
東郷「ええ」
友奈「わ、わたしはね…… このお話がほんとうだったらいいなー、ってちょっと思っちゃったの」
東郷「友奈ちゃん……」
友奈「このお話の中のわたし達は一緒にお昼ご飯食べたり、一緒に学校から帰ったり、たまにお泊まりして…… そ、その…… ちゅーしたりして……」
東郷「……」
友奈「そういうの凄く羨ましいなぁ…… って……」
東郷「友奈ちゃん……」
友奈「あっ! ご、ごめんね! こんなこと言われても…… 気持ち悪い…… よね」
東郷「そ、そんなこと無いわ! わ、私だってこの話にすっかり感情移入しちゃって! ……ゆ、友奈ちゃんと…… その……」
友奈「そ、そっか…… えへへ…… 安心したなぁ、わたしの気持ち片想いじゃなかったんだ……」
東郷「友奈ちゃん……」
友奈「わたし東郷さんの優しくて、お料理が美味しいところ大好き!」
友奈「だからね…… これからもずっとわたしの側にいて欲しいな、わたしの…… 『お嫁さん』として」
東郷「友奈ちゃん…… !」
友奈「…… どうかな?」
東郷「うん! 私、友奈ちゃんのお嫁さんになりたい! ずっとずっと、友奈ちゃんの朝ご飯を作って一緒に食べたい!」
友奈「東郷さーん!」
東郷「友奈ちゃん!」
友奈「……」
東郷「……」
友奈「…… ねぇ、東郷さん」
東郷「何? 友奈ちゃん」
友奈「ちゅー、しようか……」
東郷「うん…… 目、閉じるね……」
友奈「んー……」
園子「むっはー!!!!!!!!」
友奈「園子ちゃん!?」
東郷「そのっち!?」
園子「ありがとう…… ゆーゆ…… ありがとう…… わっしー…… ありがとう…… ゆうみも……」
友奈「ど、どうしよう!? 園子ちゃんが倒れちゃった!」
東郷「そのっち! そのっち!」
園子(薄れていく意識の中、わたしが最後に見たのはわたしのことを心配しながらもしっかりとわっしーの腰に手を回していたゆーゆの姿だった……)
その頃 体育館裏
風「ふ、ふふふ……」
風「つ、つつつつつ遂にアタシの女子力をわかってくれる人が現れたのね……」
風「ま、まぁそりゃこんな美女が居たらラブレターの一つや二つ来て当たり前っていうか、今まで来なかったのがおかしいっていうか」
風「そわそわ……」
風「そわそわそわ……」
風「そわそわそわそわ……」
風(ただ待ってるのは不安…… いや暇だし、相手が来た時の第一声でも考えていようかしら)
風「『やっと来てくれたのね! 来てくれないかと思った!』…… 何でこっちが下手に出てるのよ」
風「『べ、別に待ってなんて居ないんだから!』…… こんな夏凛みたいなこと言ったら相手引いちゃうわね」
風「『待っていたわ! ここで会ったが百年目』…… うん、やっぱりこれね」
風(来たっ!)
風「はーっはっはっはぁ! 待っていたわ! ここで会ったが百年目ぇ!」
夏凛「ふっ…… いい度胸じゃない…… 何を思っていきなりこんなとこに呼び出したかは知らないけど、この三好夏凛、受けた勝負から逃げないわ!」
風「はっ…… ? 夏凛…… ?」
樹「……」
樹(なんだろう、この状況……)
風(か、夏凛がアタシを…… ?)
風(まぁ確かに夏凛は前々からそういうところあるんじゃないかなーって思ってたけどまさか相手がアタシだとは……)
風(そりゃ確かに夏凛はアタシほどじゃないけど、中々美少女だと思うし、女子力全然無くて素直じゃないけどそこが可愛いっていうか、いやそうじゃなくて)
夏凛「さぁ、わざわざ人気の無いところに来たからにはただで済むとは思わないことね!」
風(ただで済まないってどどどどどういうことよ!? ま、まさか夏凛の奴本気で……)
風「ちょちょちょ…… す、少し落ち着きなさいよ! アタシたち仲間同士でしょ!? いきなりそんなこと言われてもどうしたらいいか……」
夏凛「何ここに来て腑抜けたこと言ってんのよ! アンタの好きにしていいから早く始めなさいよ!」
風(す、好きにしていいってアタシがする側なのー!? 呼び出したの夏凛なのに!)
風(で、でもまぁ夏凛なら女同士でもいいかな、っていうかまぁ同じ家族になって樹のお姉ちゃんになってくれるって考えたら下手な男より安心っていうか……)
風(覚悟決めるのよ…… ここは歳上らしく、部長らしいとこ見せるチャンスなんだから……)
風「じゃあ行くわよ……」
夏凛「…… いつでも来なさい」
風「すぅ…… 勇者部五箇条! なせば大抵なんとかなる! 行くわよ夏凛!」
夏凛「え? 何?」
風「んっ……」
夏凛「んー!?」
樹「キャー!」
終わり
読んでくれた方ありがとうございます。指摘感想要望ある方はご自由にどうぞ。
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