佐倉（やった！！ 遂に言えた！！）

佐倉（ファンじゃなくて……好きって言えた！！）

野崎「……じゃあこれからよろしくお願いします」

佐倉「は、はいっ！！///」

佐倉「……」

佐倉（い、いいのかな。 告白するのに時間かかったのに……こんなにあっさりしてて）

佐倉「……」

佐倉（……いいよね！！）

佐倉「よかった……本当によかった……」

野崎「！！ ど、どうしたんだ？ 急に泣いて……」

佐倉「私ね……ずっと野崎くんのことが好きだったの……けど言えなかったんだ」

佐倉「けど今日、頑張って言って……それで野崎くんがいいよって言ってくれて……」

佐倉「私……凄く嬉しいの！！」

野崎「佐倉……」

野崎「……」

野崎（目薬を使ったのか）

野崎「そうだ、折角言ってくれたところ悪いが……今日のアシスタント……」

佐倉「も、勿論行くよ！！」

野崎「良かった……じゃあ行こう」

佐倉「うん！！」

野崎「そうだ、御子柴も来るけどいいか？」

佐倉「いいよ！！」

野崎（嘘はつかれてもアシスタントはしてもらわないと困るからな）

佐倉（本当はどこかに出かけたりとかデートしたいけど……今は仕事が先だよね！！）

御子柴「……あれ、お前ら何やってんだよ？」

野崎「御子柴」

佐倉「みこりん！！ 聞いて聞いて！！」

御子柴「？」

佐倉「私、野崎くんと付き合うことにしたの！！！」

御子柴「は、はあああああああ！！？」

野崎「！！」

野崎（成る程……そういうことか佐倉）

野崎（俺と佐倉が付き合ってると御子柴に騙すつもりなんだな）

野崎（じゃあここは一つ……）

野崎「この度佐倉と付き合うことにした。 そうだろ佐倉？」

佐倉「うん！！///」

御子柴「マ、マジか……」

御子柴（長かったな佐倉……）

野崎「よし、このまま家に行こう二人とも」

佐倉「うん！！」

御子柴「は、はぁ！？ 俺もか！？」

野崎「約束してただろ？」

御子柴「そ、そうだけどよ……俺、邪魔者じゃねえか？」

御子柴「つーか折角付き合ったんだしどこかに遊びに行くとかしないのかよ……」

佐倉「甘いよみこりん！！」クワッ

御子柴「！！？」

佐倉「もうすぐ締切が近いのに遊んでなんかいられないよ！！ ね、野崎くん！？」

野崎「そうだな」

御子柴「……付き合っても付き合わなくても仕事第一なのは変わらねえな」

御子柴「……なぁ野崎、お前は佐倉のどういう所が好きなんだよ？」

野崎「俺か？ そうだな……」

佐倉「……」モジモジ

野崎「……頑張り屋さんなところだな」

佐倉「え、えへへ……///」

御子柴「成る程な……」

野崎（実際、佐倉は物凄い根性がある。 ここは俺も見習わないといけないな）

佐倉「私は野崎くんの全部が好きだよ！！」

野崎「そうか、ありがとう」

野崎（流石にどういう所が好きかは考えてなかったみたいだな）

野崎「佐倉」

佐倉「な、なに？」

ギュッ

佐倉「！！」

野崎「折角恋人になったんだ。 手ぐらい繋ごう」

佐倉「う、うん……///」

佐倉「……野崎くんの手……あったかいね」

佐倉「野崎くん……私、ずっとこうしていたい」

野崎「……俺もだ」

野崎（……上手く御子柴を騙せてるだろうか）チラッ

御子柴「……」

御子柴（俺の場違い感がハンパねぇ……）

野崎（この顔は……もしかして嘘だと疑ってるのか？）

野崎（だったら……）

野崎「……千代」

御子柴「！！！」

佐倉「の、野崎くん……？」

野崎「いや、付き合ったから下の名前で呼んだ方がいいかなって……」

佐倉「野崎くん……///」

野崎（そうだな……後は楽しそうにしていたら怪しまれないな）

野崎「……俺は早く佐倉と共同作業がしたくてたまらない！！ 早く俺の家に行こう！！」

佐倉「うん！！」

御子柴（帰りてぇ……）

野崎のマンション

野崎「……」スラスラ

佐倉「……」ベタベタ

御子柴「……なぁお前ら」

佐倉「なにみこりん？」

御子柴「……なんでくっついて作業やってんだよ」

野崎「そりゃ恋人同士だからだろう」

佐倉「そうだよみこりん！！」

御子柴「……俺、帰っていいか？」

野崎「まだ花が残ってる、ギャルゲーやりたい気持ちは分かるが我慢してくれ」

御子柴（ギャルゲーやりたくて帰りてぇわけじゃねえよ！！）

佐倉「ベタできました！！」

野崎「ありがとう」

御子柴「……っと。 悪い、トイレ貸してもらえるか？」

野崎「ああ」

御子柴「サンキュ」

バタン！！

佐倉「わ、私……ベタもっと頑張るね！！」

野崎「あ、ああ……ところで佐倉」

佐倉「な、何？」

野崎「御子柴にはいつバラすんだ？」

佐倉「……へ？」

野崎「すまない、実は俺は騙されたフリをしていたんだ」

野崎「佐倉は俺に告白したが……あれは嘘なんだろ？ 今日はエイプリルフールだし……それに前に好きな人がいると言っていたからな」

野崎「ただ嘘だとすぐに見抜いたら一生懸命騙してる佐倉に申し訳ないと思ってな……だから騙されたフリをしていたんだ」

野崎「そしたら次は御子柴を騙そうとしていたから俺も付き合ってるフリをしないといけないと思って演じてたんだが……」

野崎「……それで御子柴にはいつ言うんだ？ 俺達が付き合ってないと」

佐倉「……」

野崎「……佐倉？」

佐倉「あ、あはは……そうだよねー騙されるわけないよねー流石だなー野崎くん」

佐倉「み、みこりんにはこれから言おうと思ってたんだー……あははー……」

野崎「そうか」

御子柴「お前ら、何の話してんだよ？」

佐倉「あ！！ みこりん！！ あのね、私と野崎くん、実は付き合ってないの！！」

御子柴「は、はぁ！！！？」

佐倉「今日エイプリルフールだから！！ 騙してたの！！ ごめんね！！」

御子柴「な、なんだよお前……全部嘘だったのかよ」

野崎「御子柴、黙っててすまなかった」

御子柴「喜んで損しちゃったじゃねえか……」

佐倉「……」

御子柴「……？」

その日の帰り

御子柴「はぁ！？ じゃあ野崎はお前の告白をエイプリルフールだから嘘だって思ってたってことかよ！！？」

佐倉「うん」

御子柴「野崎の野郎……嘘なわけねぇだろ」

佐倉「……」ニコニコ

御子柴「……なんでそんな嬉しそうなんだよ？」

佐倉「だって……」

御子柴「……？」

佐倉「野崎くんは嘘だって分かっててもその嘘に付き合ってくれる優しい人ってことが分かったからね！！」

御子柴「……すげえポジティブだなお前」