どらえもんのび太と惑星の歌姫【クロスSS】 (32)

・別作品とのクロスです。
・劇場版ドラえもんがベースのオリジナルの話になっています。
・クロス先の作品よりもドラえもんを知っている方のほうが分かるネタのほうが多いです。
・楽しく大冒険といった感じの内容になります。
・ぼちぼちな長さになったので間隔を空けて投下します。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1459433890

――超空間、宇宙船内


ビーッ!! ビーッ!!

ガタガタガタッ!!

「ダメです、超空間歪曲の異常により機体の制御が出来ません!!」

「くっ……普段ならワープによる事故は起きないのに……やっぱりヤツが……」

「こ、このままでは機体がバラバラになります!」

「くそ、あと少しで帰れるのに……ここまで、か……」

「う、うわああああああ!!!!」

「すまない、みんな……ち、ちひ……」


――
――――

――太陽系第三惑星地球、日本(東京)、空き地

スネ夫「そう! それでパパが知り合いから譲ってもらったんだ」

ジャイアン「へー、いまスッゲー人気アイドルの桜田萌ちゃんのライブチケットかぁ!」

のび太「……」

静香「凄いわスネ夫さん。今は萌ちゃんのライブチケットとっても人気で、買えないファンの人たちがたくさんいるって聞いてるわよ」

スネ夫「ハハハッ! まあ、パパがもらったチケットはステージの最前列だからね、ファンも羨ましがる席みたいだよ」

のび太「……」

ジャイアン「おー……そんなに自慢するってことは、もちろんオレたちの分のチケットもあるってことだよな!?」

スネ夫「まあね。パパが都合つけてくれたみたいで……ほらっ、3枚だけあるんだ。ボクの分と、ジャイアン、静香ちゃん……」

のび太「ボクの分はないんでしょう?」

スネ夫「おっ! 分かってるじゃん。そうだよ、のび太に萌ちゃんのライブは贅沢! 大人しくテレビでも見てればいいよ」

ジャイアン「そう、のび太には贅沢だ!」

のび太「くっ……いいもん、ボクはもっとスッゴイ有名なアイドルのライブを見に行くから!」

スネ夫「何言ってんだよ。いま一番人気のアイドルは萌ちゃんなんだぞ? それより凄いライブなんてあるもんか」

のび太「あ、あるったらあるんだい! ライブのチケットが手に入っても……誘ってあげないんだから!!」タタタタッ!!

スネ夫「あっ、逃げた!」

ジャイアン「ガハハハハ!! ほっとけほっとけ! それより心の友よ、そのライブの日にちなんだが……」

静香「のび太さん……」



タタタタタタッ!!

のび太「ドラえもーん!!!!」





※ここで各個人でいつものドラえもんの歌を流してください。




――野比家周辺

タタタタッ!!

のび太(くっ、スネ夫もジャイアンもボクをバカにして!!)

タタタタッ!

のび太(いまに見てろよ、ドラえもんに未来のアイドルのライブに連れてってもらうんだから!!)

タタタタッ……

ドンッ!

のび太「わっ!?」ドサッ!

「きゃっ!?」

のび太「あっ、あいたたたた……いたぁぃ……」スリスリ

「だ、大丈夫ですか?」タタタッ

のび太「す、すみません……ボクが走ってたか……ら……」ピタッ

「……あの、どうかしましたか? ケガ、していませんか?」

のび太「だ……だ……大丈夫……です……」

のび太(……す、凄く可愛い子……)ゴクリッ


「よかったぁ! 大丈夫なら安心しました! ケガも、していないみたいですしね」

「あっ! い、急いでお仕事終わらせないと帰りの便に間に合わない……わ、私、急いでいるのでこれで失礼しますね!」

ヒラッ……

のび太「あ、あのっ!!」

「私はケガもしていませんから大丈夫ですー!」タタタタタッ

のび太「そうじゃなくて……い、行っちゃった……」ピクッ

のび太「……ん? なんだろこの封筒……あの人が落としていったのかな」ペラッ

のび太「ずいぶんキレイな封筒だなあ。これ、大事なものかな? ……とりあえず、持って帰ろう」


のび太「あの人、すごく可愛かったけど……もしかしてアイドルだったり……なんて」


……
…………


――野比家、のび太の部屋

タタタタタッ!!

ガラッ!

のび太「ドラえ……! いない……」キョロキョロ

のび太「もう、こんなときにどこ行ってんだよ……こっちはこんなに困ってるのに……」

のび太「はぁ……ドラえもんに、未来のアイドルのライブに連れて行ってもらいたかったのに」ハァ

のび太「仕方がない、ドラえもんが帰ってくるまで昼寝してよう」ゴロッ

のび太「……」スー、スー……


……
…………

――数時間後

ガララッ!!

ドラえもん「やったああ!!」ピョンッ!

のび太「わわっ!?」ビクッ!

ドラえもん「あ、のび太君帰ってたんだ。ちょうど良かった」

のび太「ビックリしたあ……帰ってくるなり大声で叫ばないでよ!」

ドラえもん「ゴメンゴメン。だけどさ、いいもの手に入れてきちゃったよ」

のび太「いいもの!? なになに、アイドルのライブチケット?」

ドラえもん「そんなんじゃないよ。ほらこれ、前にも乗ったことあるだろう?」ピラッ!

のび太「あっ、これ! 銀河超特急の切符じゃないか!」

ドラえもん「ふふふ、今日は未来デパートのバーゲンに行ってきたんだけどね。おまけの福引を引いたらなんと金玉の大当たり!」

のび太「凄いなあ! あのときの旅行も楽しかったよね!」

ドラえもん「まあね。だけど大変な目にも遭ってたじゃないか。今回はゆっくり宇宙の旅をしようと思ってさ」

のび太「あれ? でもドリーマーズランドってまだやってるの?」

ドラえもん「それが……ボクたちが前に戦ったヤドリたちがドリーマーズランドのコンピュータを壊しちゃったせいで、まだ営業休止中みたいなんだ」

のび太「えぇ~? それじゃあ遊べないじゃないか」

ドラえもん「だけど、いま銀河超特急は各惑星を巡航する定期便の仕事をしているんだ」

ドラえもん「切符の有効期限内だったら好きな星に遊びに行けるから、これで他所の星に遊びにいこう!」

のび太「わあー楽しそう! 早速行こうよ!」

ドラえもん「慌てない慌てない。列車は今晩裏山に来てくれるから、いまのうちに旅行の準備しておこうよ」

のび太「うん!!」

ドラえもん「それじゃあみんなも呼ばないとね」

のび太「う……い、いいよ別に! みんな用事があるみたいだから」

ドラえもん「あれそうなの? そりゃ残念……」

……
…………

――夜、裏山

ドラえもん「アイドルのライブ? ははーん……それでのび太君、昼間あんなこと言ってたんだ」

のび太「だって……」

ドラえもん「そうやって見栄ばかり張って……まあいいでしょ。銀河超特急にまた乗れるんだから」

のび太「……まあ、そうだね。よーし、宇宙旅行楽しんじゃおう!」

ドラえもん「そうそう、せっかくなんだしね!」


<ポオオオオオオオ!!!!


ドラえもん「あっ! 銀河超特急が来たよ!」

のび太「わあっ!! やっぱり空から飛んでくる列車って迫力あるなぁ」


<キイイイイイイ……


ドラえもん「よーし、乗り込もう!」

のび太「おー!」


……
…………

――銀河超特急、72号車両

ドラえもん「えーっと、ボクたちは外から見たときは5号車に乗ったから……」キョロキョロ

のび太「あ、ここじゃない? ボクたちの部屋」

ドラえもん「うん、そうだね。今回はドリーマーズランドのアトラクションはないと思うけど……」

車掌「やあやあ! どこかで見たお顔かと思いましたけど、ドラえもんさんにのび太さんじゃないですか!」ペタペタ

のび太「あっ、車掌さん! お久しぶりです!」

ドラえもん「こんばんは。天の川鉄道、繁盛してますか?」

車掌「まあまあ、危ない時期もありましたけど営業を変えて何とか。みなさん今回はどちらまで?」

ドラえもん「のんびり宇宙旅行にきました。銀河超特急が停車するどこかの星を見学しようかなって思ってます」

車掌「そうですか。この時期は色んな星に旅行するお客さんが多いですからね。のんびりと列車の旅をお過ごしください。あ、出発までは少々お待ちを」

のび太「すぐ出発しないの?」

車掌「他の星では場合によってはお客様のご都合で数日滞在することになりますけど、地球は乗車するお客様しかいらっしゃらなくて……全員乗り入れたら出発しようかと」

ドラえもん「ボクたち以外にも地球から乗ったお客さんがいるみたいだね」

のび太「うん」

車掌「まま、私たちのお仕事ですので……それでは、私は失礼しますね。ごゆっくり」

のび太「はーい!」


……
…………

――宇宙空間

のび太「キレイだなぁ……やっぱり宇宙で見える小さな星って、地球から見るのは全然違うね」

ドラえもん「そりゃそうだよ。小惑星だってはっきり見えるし、誰かが捨てた宇宙のゴミだって見えちゃうんだから」

のび太「んもう、例えが悪いなぁ……ふぁ、ちょっと眠くなってきちゃった」

ドラえもん「えー、もう? まだ地球を出てから1時間しか経ってないよ?」

のび太「だってもう夜だし……」

ドラえもん「せっかく来たんだしもうちょっと楽しもうよ。何かゲームでもする?」

のび太「うーん……あ、そうだ、展望車行こうよ!」

ドラえもん「いいねぇ、部屋で見るよりよっぽど景色もキレイだと思うよ」

のび太「それじゃ行こう行こう!」

……
…………

――銀河超特急、58号車両(展望車)

のび太「キレイだなぁ……静香ちゃん、誘ってあげればよかったかな」

ドラえもん「明日どこでもドアで地球に戻って、誘ってあげようよ。切符は5人まで使えるんだからさ」

のび太「うんっ」


<ソレデ、キョウノオシゴトモ……


ドラえもん「他のお客さんも来たみたいだね。あまり騒がないようにしないと」

のび太「……あ! あの人!!」


「それから……はい?」

のび太「すみません!」タタタッ!

ドラえもん「ちょっとのび太君……うわっ!?」ビクッ!

「卯月ちゃん、お友達?」

卯月「あの、私に何か……あっ、もしかしてあなた、お昼に地球でお会いした……?」

のび太「はっ、はい! あの……これ、落としましたか?」カサッ……

「あっ、卯月ちゃん、これ今日卯月ちゃんが無くしたって言ってたチケットだよね?」

卯月「わあ! もしかして届けてくれたんですか? 私、このチケット無くしちゃってずっと探してたんですよー……」

のび太「よかったぁ……それに、あのときは走ってたボクがぶつかったのがいけなかったから……」

ドラえもん「の、のび、のびっ!!」ユサユサッ!

のび太「んもう! 何ドラえもん!? いま人が喋ってるのに!」

ドラえもん「こ、この人たちと、ど、どこで知り合ったの!?」

のび太「え? 今日空き地から帰るときに……」

卯月「そちらの方はお友達ですか? こんにちは、私は島村卯月っていいます。あなたのお名前は?」

のび太「あ、ボク? ボク、野比のび太です」

美穂「私は小日向美穂ですっ。そっちのロボットの子は……?」

ドラえもん「ボッ、ボボボボボ!! ボク、猫型ロボットのドラえもん!!」

卯月「のび太さんにドラえもんさんですね」

ドラえもん「の、のび太君、キミはどうして映画だとこうなるんだ……!」

のび太「だから何が!」

ドラえもん「知らないの!? あ、知らないか……島村卯月ちゃんと小日向美穂ちゃん、いま22世紀で大人気のアイドルだよ!」

のび太「えーっ! あ、アイドル!?」

卯月「あっ、あの……しーっ、しーっ!!」

ドラえもん「はっ!? す、すみません……」ムグッ

美穂「私たち、地球でのお仕事の帰りなんです。いつもはプロデューサーさんの船で移動しているんですけど、私たちのプロデューサーさんは別のお仕事に行っちゃってて……」

卯月「それに私、1度銀河超特急に乗ってみたかったんです。だからプロデューサーさんにお願いして、お仕事に行く前に切符を用意してもらって……えへへ♪」

ドラえもん「はえー……それは大変ですね。シンデレラプロダクションはやっぱり忙しいんですか?」

卯月「次のライブもありますし、みんなとっても忙しいんです。私たちもしばらく346星に帰っていませんし……」

のび太「346星?」

ドラえもん「前にボクたちが行ったハテノハテ星群よりは近いところにあるんだけどね、トンカー星群っていうところにある星の1つだよ」

美穂「トンカー星群指定第346惑星、私たちの住んでいる星の名前を346星って呼んでいるんですよ」

ドラえもん「トンカー星群にある星は色んなエンターテインメントを提供しているところなんだよ。いままではそこの765星ってところがアイドル事業を主流に商売していたんだけどね」

卯月「数年前から346星もアイドル事業を始めたんですよ」

のび太「へー、そうなんですかぁ」

<ピンポンパンポーン

車掌『乗客の皆さんにお知らせです、これより当列車はワープの準備に入ります。繰り返しお知らせします――』


卯月「あ、ワープに入るみたいですね」

ドラえもん「ホントだ。展望車もワープ空間に入るなら宇宙は見れないし、のび太君部屋に戻ろうよ」

のび太「そうだね」

美穂「卯月ちゃん、私たちも戻ろう?」

卯月「そうですね……あっ、そうだ。のび太さん、ドラえもんさん」ゴソゴソ

のび太「はい?」

卯月「これ、今度346星でやる私たちのライブのチケットです。フリーチケットだから席は後ろのほうで抽選なんですけど、よかったらどうぞ」

のび太「わあっ、いいの? ……ってこれ、ボクが拾ったチケット?」

卯月「はい! お仕事でお世話になった人や、家族に来てもらうためのチケットなんですけど……私、地球でチケット落としちゃったからお仕事先の人にお渡しできなくて」

ドラえもん「いいんですか? 346星のライブチケットで凄く手に入りにくいって聞いてるんですけど」

美穂「私たちアイドルはお友達に配るためのチケットを何枚か持っているし、大丈夫ですよ。お友達と一緒に来てください」

のび太「やったー! 静香ちゃん誘おうっと!」

ドラえもん「よかったねえ、のび太君」

<ピンポンパンポーン

車掌『乗客の皆さんにお知らせです、これよりワープを開始します。お近くの――』


美穂「そろそろ戻らないと……ふわぁ、ちょっと眠くなってきちゃった」

のび太「んぅ……ボクも眠いや。ドラえもん、ボクたちも寝よう」

ドラえもん「そうだね。静香ちゃんは明日どこでもドアで地球に戻って誘おう」

卯月「それじゃあのび太さん、ドラえもんさん。お休みなさい」

ドラえもん「おやすみなさーい」

のび太「おやすみー」


……
…………

――銀河超特急、72号車両

のび太「……」グゥ、グゥ……

ドラえもん「……」


のび太「……」

ドラえもん「……」


キキーッ!! ガゴンッ!!


のび太「うわぁっ!?」ビクッ!

ドラえもん「な、なんだぁ!?」ビクッ!


<ピンポンパンポーン

車掌『ただいま、都合により緊急停車をしました。お客様につきましてはお部屋にて待機を――』

のび太「なんだろう?」

ドラえもん「ワープ中に停車することなんて滅多にないと思うけど……何かあったのかな」

のび太「ドラえもん、行ってみようよ!」

ドラえもん「そうだね。あ、その前に……」モゾモゾ

ドラえもん「テキオー灯!」パッ!

のび太「わっ!」ビクッ!

ドラえもん「よし行こう」タタタタッ!

のび太「うんっ!」タタタタッ!


……
…………

――超空間、銀河超特急の屋根(制御車)

「それで、このルートをこれまで航行したことは?」

車掌「巡回ルートになっていますのでぼちぼち……まあ長距離航行なので頻繁に通ることはないんですけど……」

のび太「車掌さん!」

車掌「おやのび太さんにドラえもんさん。相変わらず列車の外に出るのがお好きなようで」

ドラえもん「あ、タイムパトロール……何かあったんですか?」

タイムパトロール「最近、ワープ航行中の宇宙船が超空間歪曲による異常で行方不明、もしくはバラバラになる事故が多発してね。少し聞き込みをしていたんだよ」

のび太「超空間歪曲?」

ドラえもん「ボクらがタイムマシンやどこでもドアで他の場所に行くとき、空間を歪めて目的地の場所まで移動するんだよ」

ドラえもん「遠い距離を一瞬で移動するために、そこに行くまでの空間を一時的に歪ませて移動するワープのことを超空間歪曲っていうんだ」

のび太「へぇー……よくわかんないや」

ドラえもん「あらら……」ガクッ

ドラえもん「まあ、とにかく銀河超特急や宇宙船でのワープは、どこでもドアで移動する距離よりもずっと遠くに行くからね。ワープする時間も長いんだよ」

車掌「でも困りましたね。列車のワープ装置は特に異常はないんですが……」ポリポリ

タイムパトロール「現在、この宙域による特別な事象なのか、事故が起きた宇宙船の不良なのか原因を切り分けている最中です。申し訳ありませんが……」

車掌「まあ、仕方がないですね。お客様に何かあってからでは遅いですし」

のび太「何かあるんですか?」

車掌「いえ、タイムパトロールが事故の原因を特定するまで、どこでもドアをお持ちのお客様はワープ中はご自宅に戻って頂こうかと」

のび太「えー!」

ドラえもん「仕方が無いよ。事故が起きてからじゃ遅いんだから」

のび太「そうだけど……」

車掌「ワープ空間を抜けた際は個別にアナウンス致しますので、申し訳ありませんがご協力お願いします」

ドラえもん「事情が事情だしね。のび太君、ワープから抜けるまでお家に帰ろう」

のび太「そうだね……」

……
…………

――地球、野比家(のび太の部屋)

ガチャッ!

のび太「どこでもドアがあるといつでも帰れるのはいいよね」

ドラえもん「まあね。それよりどうする? 静香ちゃんに電話しておいたほうがいいんじゃない?」

のび太「そうだった! 早く電話しようっと!」タタタタッ!


ドラえもん「ふふふ、のび太君楽しそうでよかった」

ドラえもん「それにしても……346星のアイドルが地球に来てたなんて驚きだなぁ」


……
…………

――野比家、玄関

のび太「そうそう! ドラえもんが銀河超特急の切符をまた手に入れてさ、一緒に宇宙旅行しようよ!」

静香『まあっ! いいの?」

のび太「もちろん! ドリーマーズランドはまだお休みしているみたいだから、他の星に遊びにいこうよ!」

静香『素敵ね。武さんやスネ夫さんも呼んでみんなで行きましょう』

のび太「えー……ジャイアンとスネ夫はいいよぅ。あの2人は萌ちゃんのライブがあるんだし」

静香『仲間はずれなんて可哀そうじゃない。誘ってあげましょうよ』

のび太「ううぅ……そうだね」

静香『それじゃあ明日、のび太さんのお家に行けばいいかしら?』

のび太「うん、それで大丈夫。どこでもドアでいつでも帰れるから、あまり荷物は持ってこなくていいよ」

静香「分かったわ。それじゃあまた明日会いましょう。おやすみなさい」

のび太「うん、お休み!」ガチャッ!

のび太「はぁ……」ガクッ

ドラえもん「どうしたの? 静香ちゃん、来れないって?」

のび太「ううん、ジャイアンとスネ夫も誘おうって」

ドラえもん「いいじゃないか。あの2人がのび太君を除け者にするのなんていつものことだし、みんなで楽しもうよ」

のび太「はーあ、納得いかない……」


……
…………

――翌日午前、野比家

玉子「のび太ー、お友達が来たわよー」


のび太「はぁい!」

ドラえもん「来たきた。みんな一緒にきたのかな?」


のび太「しかしスネ夫とジャイアンも、銀河超特急に乗れるって聞いたら手のひら反して来るっていうんだから……」

ドラえもん「まあまあ、楽しくやろうよ」

のび太「そうだね」

――野比家、のび太の部屋

ガラッ!

静香「お邪魔します」

ジャイアン「おー、心の友よ」

スネ夫「いやぁまたあの列車に乗れるなんて思わなかったよ! 今度はドリーマーズランドに行くわけじゃないし、あんな目に遭うことはないよね」

のび太「多分大丈夫だよ。列車が途中で停まるのは別の星みたいだし」

ドラえもん「さっき車掌さんから連絡があったよ。ワープを抜けたから車両に戻ってきてもいいってさ」

のび太「わあ、ナイスタイミングだね! 早速行こうよ!」

ジャイアン「そういや、銀河超特急はどこに向かってんだ?」

ドラえもん「いまは各惑星を巡回する定期便の仕事をしているんだよ。何日か停車する星もあるから、その間は色んな星を自由観光できるよ」

ジャイアン「おー楽しそうじゃん! さっさと行こうぜ!」

ドラえもん「それじゃあどこでもドアを……!」ゴソゴソ!

ガチャッ!

ドラえもん「さ、入った入った」

のび太「わーい!」


……
…………

――銀河超特急、72号車両

スネ夫「ははっ! 懐かしいね!」

静香「わぁ、窓の外に宇宙が広がっているわ」

ドラえもん「みんな、持ってきた荷物は部屋に置いておこう」

ジャイアン「いやー久々の宇宙旅行だぜ……お? そういやドラえもん、列車ってどんな星に停まるんだ?」

ドラえもん「んーと、確か部屋にガイドマッピングがあったはず……」キョロキョロ

のび太「もしかしてこのボタン?」ポチッ!

ブゥン……

ドラえもん「あ、そうそうそれそれ」

静香「イサンカ星群、トンカー星群……色々なところに停まるのね」

ドラえもん「イカンサ星群は商業惑星が多かったかな? 宇宙の工業地区みたいなところだよ」

スネ夫「へぇ、それじゃあ別の星の車とか、乗り物にも乗れたりするんだ?」

ドラえもん「かもね。確かロボットとかも作ってたりするよ。あと、トンカー星群はエンターテインメント事業が盛んな星だよ」

のび太「あっ、そうだ! ねえみんな、トンカー星群の346星ってところに行こうよ!」

ジャイアン「どこだそれ?」

のび太「実はボクね、346星のアイドルからライブのチケットもらったんだ。ほら!」ピラッ!

スネ夫「なんだい、宇宙人のライブイベントじゃないか」

ジャイアン「俺たちはタコやイカみたいな宇宙人のライブなんて見たくないっつーの!」

のび太「へー、いいんだ? ボク、346星のアイドル見たことあるけど、すっごく可愛かったんだよ?」

スネ夫「ほー? のび太がそんな可愛いアイドルと知り合いになるとは思えないけどねぇ」

ドラえもん「まあまあ、のび太君がもらったチケット、未来じゃ激レアのチケットだし行ってみようよ」

静香「そうね、楽しそうじゃない。行ってみましょうよ」

ドラえもん「346星のライブかぁ……ぐふふ、楽しみだなぁ」


……
…………

>>26訂正

――銀河超特急、72号車両

スネ夫「ははっ! 懐かしいね!」

静香「わぁ、窓の外に宇宙が広がっているわ」

ドラえもん「みんな、持ってきた荷物は部屋に置いておこう」

ジャイアン「いやー久々の宇宙旅行だぜ……お? そういやドラえもん、列車ってどんな星に停まるんだ?」

ドラえもん「んーと、確か部屋にガイドマッピングがあったはず……」キョロキョロ

のび太「もしかしてこのボタン?」ポチッ!

ブゥン……

ドラえもん「あ、そうそうそれそれ」

静香「イサンカ星群、トンカー星群……色々なところに停まるのね」

ドラえもん「イサンカ星群は商業惑星が多かったかな? 宇宙の工業地区みたいなところだよ」

――数日後、トンカー星群、346星(停留所)


車掌『えー、お客様にお知らせします。346星、346星に到着しました。降りるお客様のうち長期滞在をご希望する場合は――』


のび太「わぁ、ようやく着いたねー」

スネ夫「ねえドラえもん、途中立ち寄った星みたいにテキオー灯は使わなくていいの?」

ドラえもん「346星は大丈夫だよ。地球とほとんど同じ環境だからみんなも普段どおり動けるよ」

ジャイアン「よっしゃー! さっさと降りようぜ!」

ドラえもん「あ、ボクは車掌さんに346星の長期滞在のお話ししておくから、降りて待っててよ」

静香「それじゃあ外で待ってましょう」

のび太「そうだね。ちょっとそこらへんを――」


卯月「のび太さんっ」


のび太「あ、卯月ちゃんに美穂ちゃん!」

ジャイアン「……!?」

スネ夫「……!!」

美穂「こんにちは。346星に降りるってことは、ライブ見に来てくれるんですか?」

のび太「はい! せっかくだしみんな誘って行くことにしました!」

卯月「ふふっ、346星は良い星ですから、楽しんでいってくださいね。私たち、お迎えの車が来ているのでお先に失礼します」

のび太「ライブ、絶対見に行きますねー!」

卯月「はいっ、待ってますね」フリフリ




静香「ねえのび太さん、いまの人たちは?」

のび太「島村卯月ちゃんと小日向美穂ちゃん、346星のアイドルだってさ。ボクのチケットも卯月ちゃんからもらったんだ」

スネ夫「か、か……」

ジャイアン「か、カワイイ……」ハー……

のび太「でしょう? ボクの言ったとおりだったろ?」

ジャイアン「は、早く行こうぜ! おいのび太、ライブいつ始まるんだよ!」ガシッ!

のび太「わわっ!? ちょっと揺らさないでよもう! ……あれ? チケットに日付書いてないなぁ」

スネ夫「えぇー? そんなワケないでしょ。ライブのチケットなんだから」

のび太「おっかしいなぁ……ドラえもんが戻ってきたら聞いてみるよ」

……
…………

――346星、都市間交通シャトル内

ドラえもん「そのチケット、まだライブの開始時間が決まってないんだよ」

のび太「え、そうなの?」

ドラえもん「そうそう。いま346星のアイドルは他の星でも大人気だからね。ライブが出来るメンバーがある程度揃ったら日程が決まるんだよ」

静香「それじゃあ、ライブの日にちがずっと先になることもあるのかしら?」

ドラえもん「それは大丈夫。商売だからね、チケットの発券から2週間以内にはライブは開催される」

ドラえもん「開催する星や宇宙宙域だけは事前に決まってるから、チケットが当たった人たちは2週間前には大体は開催場所に移動しているんだよ」

ジャイアン「へー、それじゃあこのライブもそのうち始まるってわけか」

ドラえもん「そうだよ。それでみんな、開催場所でライブが始まる日を楽しみに待ってるんだよ」

のび太「すぐ始まるといいなぁ」

ドラえもん「卯月ちゃんがお仕事で持ってきたってことは、もう発券は済んでしばらく経った後だと思うよ。そろそろチケットに開催日時が浮かんでくると思うけど……」

スネ夫「だからドラえもん、さっき車掌さんと長期滞在の話してたんだ」

ドラえもん「まあね。切符の有効期限も間に合うだろうし、その間は346星のんびり観光しようよ」

静香「エンターテインメントの星なら、色んな観光場所がありそうね」

ドラえもん「多分346星のアイドルたちが、ライブイベント以外にも演劇やショーとか、色々なことをやってるよ」

のび太「わぁ楽しみー。早く町に着かないかなぁ」


……
…………

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