奈緒「どこ行くんだ？」

卯月「キュート会に行くんですよ」

奈緒「キュート会？　なんだそりゃ」

卯月「Cuのメンバーが月に1回集まってパーティみたいなことをするんです」

奈緒「へぇ、面白そうだな」

卯月「一緒に来ますか？」

奈緒「あたしはCoだけど、いいのか？」

卯月「はい！　その太眉はCuみたいなものですから！！」

奈緒「卯月のその感性は理解できないなァ」

奈緒「ちなみに、どこでやるんだ？」

卯月「レナさんの家です！」

奈緒「意外な場所だな……」

卯月「そうですか？　高レート麻雀をやるには場所がレナさんの家くらいしか……」

奈緒「高レート麻雀！？」

卯月「そうなんですよ。デカピンで狩るか狩られるかのアツい勝負が待ってるんです！」

奈緒「卯月からそんな言葉聞きたくなかったなァ」

卯月「この間なんて美穂ちゃんがレナさんに丸裸にされてアホ毛まで抜かれたんですよ」

奈緒「美穂はまともだと思ってたんだけどなァ」

卯月「そうですか？　美穂ちゃん、初回から『血を賭けましょう！』って言い出したんですけど」

奈緒「嘘だろ！？」

卯月「はい！」

奈緒「そーゆー嘘は周子たちだけでいいんだよ……」

卯月「初回じゃなくて二回目だったんですけどね」

奈緒「訂正して欲しいところはその後だったんだけどなァ……」

卯月「あ、ここで美穂ちゃんと響子ちゃんと待ち合わせてますので、ちょっと待って下さいね」

奈緒「おう」

――数分後

美穂「卯月ちゃーん！」
響子「待たせてごめん！」

卯月「美穂ちゃん！　響子ちゃん！」

美穂「あれ、奈緒さんも一緒なんですか？」

奈緒「まァ、成り行きで」

響子「太眉がCuだし、レナさんも許してくれるよね」

奈緒「その太眉の認識はCu共通なのか？」

響子「まぁまぁ、いいじゃないですか、太眉さん♪」

奈緒「その呼び方、定着する前にやめろよな」

卯月「それじゃ、みんな揃ったので、レナさんの家に行きますよ！」

奈緒「おう」
響子・美穂「はい！」

――兵藤邸

奈緒「……でっけぇ家だな」

響子「都さんの情報によると、ディーラー時代に稼いだ資金……」

奈緒「へー、ディーラーって儲かるんだな」

響子「を元手にカジノで大金に変えた……」

奈緒「そうなんだ。なんかカッコいいな」

響子「という噂がウサミン星で流れているそうです」

奈緒「なんだよ、噂かよ」

卯月「ウサミン星で噂なんて凄いですよね！」

美穂「住民一人しかいないのにね！」

奈緒「おーっと、こっちが畜生だったか」

レナ「いらっしゃい、みんな。あら、あなたは……」

奈緒「神谷奈緒です」

レナ「あぁ、ウェブブラウザみたいな名前のプロジェクトの……」

奈緒「その認識はどうかと思いますけど、そうです」

レナ「プロジェクトファイアフォックス？」

奈緒「そっちじゃないんですよね」

響子「マインクラフトエッチですよ」

奈緒「マイクロソフトエッジな。どんなMod入れてんだよそれ」

卯月「太眉さん、メンバーなのに忘れたんですか！？　クロームですよ！！」

奈緒「クローネだけどな」

美穂「あっ、オペラで抱腹絶倒のボケを披露する機会逃しちゃった……」

奈緒「ボケなくていいんだからな？」

美穂「じゃあ、オペラですよ！」

奈緒「あたしの言いたいことが通じなかったみたいだ……」

レナ「それで、何しに来たの？」

奈緒「その、キュート会に興味があって来たんですけど……」

レナ「なるほどね……。その太眉、まさしくCuね。いいわ、入りなさい」

奈緒「嬉しくねー……」

――キュート会会場（裏カジノ）

奈緒「裏カジノ扱いされてるけどいいんですか？」

レナ「大丈夫よ」

奈緒「でもほら、賭博って犯罪ですし……」

レナ「早苗さんにちょっと、ね？」

奈緒「いや、『ね？』じゃないですよ」

レナ「何かあったら村上組に泣きつけば問題無いわよ」

奈緒「巴ちゃんに迷惑かけるのはやめてあげて」

菜々「おや！　新人さんですね！」

奈緒「あ、菜々さん。どうも」

菜々「これはこれは、ウェブブラウザみたいな名前のプロジェクトの……」

奈緒「それさっきやりました」

菜々「ガビーン！」

奈緒「突っ込みませんからね」

菜々「ちょっと！　それじゃあナナの自爆芸が！」

奈緒「意図的かよ」

卯月「まぁまぁ、太眉さんは何がやりたいですか？」

奈緒「あー、そうだな、ブラックジャックかな」

レナ「手術室はないわよ」

奈緒「ごっこ遊びじゃないんですよねェ」

レナ「ふふ、ごめんなさいね。あっちの卓使っていいわよ」

菜々「では、ウサミンことナナがディーラーを担当させていただきますね！」

奈緒「あれ？　レナさんじゃないんですか？」

菜々「レナさんは主催ですから……」

奈緒「あぁ、他の参加者の相手があるんですね」

菜々「いえ、洗濯物を」

奈緒「主催関係なくないですか！？」

菜々「だって溜め込んでるんですよ？」

奈緒「だから何なんですか……」

卯月「レナさんのズボラ事情はどうでもいいです！　早くやりましょう！」

美穂「血を賭けたくてうずうずしているんです！」

奈緒「美穂はそのキャラでいいのか？」

美穂「でも私、蘭子ちゃんと同じ出身ですから……」

奈緒「蘭子も血を賭けるキャラじゃないからな？」

美穂「えー！？　ハンバーグには掛けるのに！？」

響子「あれはデミグラスソースっていうんだよ？」

美穂「知ってるよ？　田舎者だからって馬鹿にしないでくれる？？」

響子「私も田舎者なんだけど？」

奈緒「仲悪いのかな？？」

響子「自慢じゃないですけど、Rosenburg Engelよりは仲良しユニットですよ」

奈緒「Rosenburg Engelはソロなんだよなァ」

響子「じゃあ、LOVE LAIKAは超えますよ」

奈緒「あれ超えるって相当だぞお前」

美穂「3[ﾋﾟｰｰｰ]しないとダメですもんね！」

奈緒「伏せ字が真逆の仕事してるなァ」

菜々「コントが終わったところでそろそろゲーム始めますよー！」

奈緒「おう」

菜々「まずはお金をチップに変えますので、テーブルにお金を置いてください」

卯月「はい！」つ[壱億円札]

奈緒「子供銀行券かよ」

菜々「そんなにチップ無いっていつも言ってるじゃないですかぁ」

卯月「えへへ、じゃあこっちで！」つ[拾万円札]

響子「今日は強気だね！」

美穂「響子だけに？」

響子「は？」

奈緒「仲良くしろよ」

美穂「じゃあ、私はあまり手持ちがないので……」つ[百万円札]

奈緒「セリフと行動があってないんだよなァ……」

響子「私も手持ちが無いので……」つ[五錢紙幣（楠木正成）]

奈緒「ここに来て本物かよ」

菜々「あー、ダメですね。昭和28年の大晦日に失効してますから使えないんですよ」

奈緒「偽物はいいのかよ」

響子「そうですか……。じゃあ、こっちで」つ[百圓札（聖徳太子）]

奈緒「お前旧札マニアかよ」

菜々「昭和21年3月2日に失効してるのでそれもダメですねぇ」

奈緒「菜々さんも詳しいなオイ」

菜々「直に見てきましたからねぇ……。今でも昨日のことのように思い出せますよ」

奈緒「昭和21年って第二次世界大戦終結の次の年なんですけど」

菜々「え゛っ！？　いやいや、ナナは永遠の17歳ですから！」

奈緒「本当に永遠の17歳なんじゃねーかな……」

菜々「内緒ですからね！」

響子「あっ、ありました」つ[拾万円札]

美穂「それだけしか出せないの？」

響子「美穂ちゃんはアホ毛も出したほうがいいんじゃない？」

奈緒「あたしの胃が痛くなるから不仲ネタやめろ」

卯月「響子ちゃんと美穂ちゃん、仲いいなぁ」

奈緒「卯月は眼科行ったほうがいいなァ」

卯月「視力はどっちも1.0です！」

奈緒「良かったな」

菜々「それで、奈緒ちゃんはいくらですか？」

奈緒「あたし今子供銀行券持ってないんですよ」

美穂「私が貸しますよ！」
響子「私が貸してあげます！」

美穂「……響子ちゃん、手持ちがないって言ってなかった？」

響子「美穂ちゃんは今日も大負けするんだから持っておいたほうがいいんじゃない？」

卯月「じゃあ私が貸しますよ！　二人は持っててください！」

美穂「卯月ちゃんがそう言うなら……」
響子「仕方ないかな……」

奈緒「二人は卯月に従順だな」

卯月「弱みを握ってますから！」（ﾌﾞｲｯ

奈緒「お前凄いな」

菜々「あ、子供銀行券ならそこの換金所で手に入りますよ」

奈緒「そうなんですか。ごめん、三人とも。ちょっと行ってくるわ」

美穂「はーい」
響子「分かりました」
卯月「……ﾁｯ」

奈緒（舌打ちは聞かなかったことにしよう）

――換金所

フレデリカ「いらっしゃい！」

奈緒「あっ……、こいつもCuか……」

フレデリカ「フレデリ換金所だよー！」

奈緒「どれがいくらなんだ？」

フレデリカ「全部100円だよ！」

奈緒「100均所じゃねーか」

フレデリカ「うんうん！　クローネで培ったツッコミは健在だね！」

奈緒「そのせいであたしの胃と心は擦り切れたけどな」

フレデリカ「最近はねー、トモちゃんが遊びに来てくれて楽しいよ！」

奈緒「姫川さんの胃を痛めないであげてくれ……」

フレデリカ「それで、お客さん！　冷やかしなら帰りな！」

奈緒「で、本当の値段は？」

フレデリカ「書いてある額の1/1000だよー！　拾万円札なら……いくら？」

奈緒「100円」

フレデリカ「そうそう100円！」

奈緒「じゃあ、拾万円札くれ」

フレデリカ「10万円になりまーす！」

奈緒「さっき100円って言ったじゃねーか」

フレデリカ「あれ？　そうだっけ？」

奈緒「こんなやつに店番させていいのか……？」

フレデリカ「あ、そうだ！　ログインボーナスでこの拾万円札あげちゃう！」

奈緒「お、おう……。じゃあ貰うわ」

――ゲーム卓

奈緒「待たせた」つ[拾万円札]

菜々「はい、じゃあ始めますよー！　いくら賭けますか？」

卯月・美穂・響子「全賭けです！」

奈緒「お前らギャンブル弱そうだな」

菜々「奈緒ちゃんはどうします？」

奈緒「あー、じゃあ五千円分賭けようかな」

菜々「分かりました！　あ、ルール分かりますか？」

美穂・響子「分かりません！」

奈緒「なんでお前らがここにいるんだろうな」

菜々「スマホで調べてください！」

奈緒「冷てーなァ」

菜々「では、配りますね！」

卯月：♤5と♡2
美穂：♧9と♡K
響子：♢10と♢9
奈緒：♡10と♤J

菜々「えー、では、ナナのカードの一枚目です！」つ♧6

奈緒（これまた微妙な……）

美穂（♧9♡K）「あ、一枚ください」

奈緒「下手か。お前19だぞ」

菜々「どうぞ」つ♢Q

美穂「あぁ、♧9♡K♢Q で29……。バストしちゃいました……」

奈緒「当たり前だろ」

響子「美穂ちゃん弱すぎじゃない？」

美穂「19で止まるような島根県人ではないからね！」

奈緒「喧嘩売るのやめような」

響子（♢10♢9）「鳥取出身なんだけど？　菜々さん、悪いんですけど私にも一枚」

奈緒「挑発に弱すぎ。お前も19だぞ」

菜々「はい、どうぞ」つ♡7

響子「♢10♢9♡7で26……」

奈緒「当たり前だろ」

美穂「ぷぷぷ」

奈緒「お前も煽るなよ」

卯月（♤5♡2）「あ、私には二枚ください！」

奈緒「こっちは7だからって強気だな……」

菜々「どうぞ」つ♧8♡5

卯月「♤5♡2♧8♡5で20です！」（ﾌﾞｲｯ

奈緒「すげぇ」

菜々「奈緒ちゃんはどうします？」

奈緒（♡10♤J）「スタンドで」

菜々（♧6）「では！　私の二枚目のカードは……これです！」つ♡15

奈緒「ん！？」

卯月「あー、♧6♡15で21ですかー」

奈緒「いやいや、トランプに15は無いだろ！」

菜々「こ、これはウサミントランプですから！！」

卯月「じゃあイカサマですね！！」

奈緒「流れ的にお前は納得する方だろ」

レナ「ちょっと待って！」

卯月「レナさん……」

レナ「もしこれがレナさんトランプだとしたら……？」

卯月「打ち首ですね！」

奈緒「物騒だな」

レナ「さ、さっきのはもしもの話で、これはウサミントランプよ」

奈緒「弱すぎか」

レナ「だって……卯月ちゃん怖いから……」

奈緒「子供かよ」

美穂「で、でも、卯月ちゃん、この間は天和大三元を和了ったんですよ！？」

奈緒「嘘だろ！？」

卯月「燕返しが成功したんです！」（ﾌﾞｲｯ

奈緒「アイドルがイカサマをするのはやめような」

響子「その前はロイヤルストレートフラッシュを完成させたんですよ！？」

奈緒「ホントかよ！？」

卯月「すり替え余裕でした！」（ﾌﾞｲｯ

奈緒「アイドルやめてそっちの道行ったほうがいいんじゃねーか？」

レナ「一度カジノに連れて行ったら勝ちすぎて出禁になったわ」

奈緒「おぉ……卯月をまともに見れなくなってきた……」

卯月「大丈夫です！　これからも奈緒ちゃん“とは”お友達ですよ！」

奈緒「なんでそこ強調したんだよ」

卯月「あっ……、なんでもないです！」

奈緒「ニュージェネとピンチェが心配だなァ……」

卯月「私もTriad Primusとポジティブパッションが心配です！」

奈緒「うちらは良いけどポジパ巻き込むのはやめろ」

美穂「藍子ちゃんの胃が荒れてそうだよね！」

響子「ゼッケンズの時も大変そうでしたからね！」

奈緒「おうお前ら無差別に喧嘩売ってくのやめろ」

卯月「ところでナナちゃん」

菜々「ひゃい……」

卯月「今夜ウサミン星でイカサマについて話し合いしましょうね」

菜々「……はい」

奈緒「怖」

レナ「洗濯物終わったから二戦目は私がディーラーをやるわ」

奈緒「あ、すいません、このあと用事があるので……」

卯月「そうなんですかー……せっかくカモになると思ったのに残念です！」

奈緒「お前もはや隠さなくなったな」

美穂「来月もありますから来てくださいね」

奈緒「お前ら心配だから考えておくよ」

響子「太眉さんは名誉太眉Cuですからね！」

奈緒「不名誉極まりないけどな」

卯月「次は眉毛まで毟り取って参加資格奪ってあげますからね！」

奈緒「おう、二度と来ねえわ」

おわり