ゆるゆりで世界の名作童話 (43)



【ダサデレラ】


京子「あれ?あかりいたんだ」

結衣「存在感ないから気づかなかったよ」

ちなつ「あかりちゃん、居たんだね。わかんなかった」

あかり「もーっ!」



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ある富山県に、それはそれは影の薄い女子中学1年生が住んでいました。

その名も、赤座あかりと言いました。

あかりは存在感がなさすぎて、いつもみんなから空気扱いをされているのが悩みでした。

そして、ある月夜の晩のこと・・・



あかり「くすん・・・。存在感、欲しいよぉ・・・」

魔法使い「その願い、叶えて差し上げましょう」

あかり「え?あなたは?」

魔法使い「私は魔法使い。あなたにものすごく存在感の出る靴をあげましょう」


魔法使いはそう言って杖を一振りすると、あかりの目の前に一足の靴が現れました。



あかり「え?これ・・・」

魔法使い「これさえ履けば、あなたの存在感がないという悩みは解決です」

魔法使い「それでは、さようなら・・・」


魔法使いはそう言い残すと、煙のように消えてしまいました。



次の日の通学路・・・


あかり「み、みんなおはよう・・・」

結衣「え?」

ちなつ「あ、あかりちゃん・・・」

京子「その靴・・・」






結衣・京子・ちなつ「「「ダッサーい!!!」」」







何と、魔法使いの出した靴は、今時誰も履かない厚底ブーツだったのです。

さらに、ご丁寧に花柄の模様でデコられていました。



結衣「その靴はなに?なんか、10年くらい前の雑誌とかで見た気がするぞ?」

京子「すごいなあかり・・・。その靴を履く度胸は、私にはない」

ちなつ「い、一緒に歩くの恥かしいよあかりちゃん・・・」

あかり「う、う・・・」


あかり「わーん、もうヤだーっ!」



たまりかねたあかりは、通学路にある学生用品店で上履きを購入すると、

履いていた厚底ブーツを投げ捨てました。



そして、教室・・・


あかり(はー、恥かしかったよぉ・・・)

ガラガラ
先生「HR始めるぞー席につけー」



先生「さて、学校に落し物が届いている」

先生「この靴なんだが」

あかり(あかりの捨てたあの靴ー!?)ガビーン



櫻子「あっはっは、何あの靴?ダッサー!」

向日葵「は、履いてた人のセンスを疑いますわ・・・」

あかり(・・・)カァ



先生「どうだ、心当たりあるヤツいないかー?」

ちなつ「はーい先生、それあかりちゃんのです」

あかり「ちなつちゃーん!?」



先生「何だ、赤座もすごい靴履いてるんだな」

クラスメイト「アハハ・・・」

あかり「うう~・・・」

あかり「ち、違います、それ、あかりのじゃありません!」



先生「そうなのか?じゃあ、試しに履いて見て?」

あかり「え・・・」

先生「サイズが違ったら、赤座のものじゃないからな。本人にちゃんと届けないと」

あかり「そ、そうですけど・・・うう・・・」

ーーー
ーー




先生「なんだ、ピッタリじゃないかー」

先生「やっぱりこの靴は赤座のだったんだな。駄目じゃないか、嘘ついたら」

あかり「う、う・・・」

櫻子「あかりちゃん、シンデレラみたいじゃん。靴はダサいけど」

向日葵「こら、櫻子」



櫻子「ダサいシンデレラ・・・。ダサデレラだー!」

クラスメイト「アハハハ」

向日葵「櫻子!」

あかり「うわーんっ!」



こうしてあかりはダサデレラとして、それはそれは学校で有名になりました。

めでたしめでたし。


あかり「ちっともめでたくないよーっ!?」



【白々雪姫】


~ごらく部~

ちなつ「京子センパイ、遅くなるんですか?」

ちなつ「あかりちゃんも、遅くなるって言ってましたし」

ちなつ「結衣センパイと2人きりですね♪」

結衣「ああ、そうだね」



ちなつ(・・・このチャンス、どう生かそう?)

ちなつ(そうだ!)



ちなつ「うっ、くっ、苦しい!」

結衣「ちなつちゃん?」

ちなつ「うーん、結衣センパイ私もうダメです・・・バタリ」

結衣「ち、ちなつちゃん!?」



結衣「だ、大丈夫?しっかりして!」

ちなつ「・・・」チラ



ちなつ(ふっふっふ、こうやって倒れたフリをすれば・・・)

ちなつ(人工呼吸、結衣センパイの人工呼吸!)ムフームフー

結衣「ちなつちゃん、ちなつちゃん!」

ガラ
京子「よーす、あれ?どうしたの結衣?」



結衣「ちなつちゃんが、急に倒れちゃってさぁ・・・」

京子「えっ、マジで!?」

ちなつ(チッ、邪魔が入ったか・・・)



京子「大丈夫ちなつちゃん!?私が人工呼吸を!」ガバ

ちなつ「きゃあああーっ!?」

京子「ちなちゅ、ちなちゅー!」

ちなつ「京子センパイ、いい加減にしてください!」



ちなつ「人工呼吸は、結衣センパイにしてもらうんですから!」

京子「あ、目が覚めたんだ」

結衣「元気そうだね」

ちなつ「あ・・・」



ちなつ「え、ええちょっと急に立ちくらみがしてですねー」

ちなつ「決して、倒れたフリして結衣センパイに人工呼吸してもらおうとか」

ちなつ「そんなんじゃ、ありませんからー」オホホホ


結衣・京子(・・・)


結衣・京子(白々しい・・・)




【あかあか姫】


あかね「鏡よ鏡。世界で一番、妹を愛してる姉は誰でしょう?」

あかね「それは赤座あかね、あなたです」

あかね「ウフフフ・・・それじゃ」

あかね「鏡よ鏡、世界で一番、姉を愛している妹は誰でしょう?」

あかね「それは赤座あかり、あなたの妹です」

あかね「ウフ、ウフフフ・・・」


(部屋の外)
あかり(お姉ちゃん、いつも部屋で一人でブツブツと何を呟いてるんだろう・・?)




【あかりずきん】


あかり「ちなつちゃんって、結衣ちゃんの事好きなんだよね」

ちなつ「んー?そうだけど」

あかり「・・・」ズキン

あかり「・・・」



あかり「そうだよね・・・」

ガラ
結衣「お待たせー。ごめんね遅くなって」

ちなつ「あ、結衣センパイ!待ってましたよー」



結衣「やあちなつちゃん。今日もモフモフがかわいいね」

ちなつ「もー、結衣センパイ、大好き!」

あかり「・・・」ズキン

あかり「・・・」



あかり(・・・そう。ちなつちゃんは結衣ちゃんが好き)

あかり(あかりは、ちなつちゃんの事好き。ちなつちゃんが)

あかり(結衣ちゃんの事好きって言うたび、胸がズキンとするの。けど・・・)


あかり(けど、応援するよ。上手くいくといいね、ちなつちゃん)エヘヘ・・・グス











ちなつ「・・・そう言えば、あかりちゃんって好きな子いるの?」

あかり「んーと・・・。櫻子ちゃんかな?」ナーンテネ

ちなつ「・・・」ズキン

ちなつ「・・・」


ちなつ(え・・・。私、何で今胸がズキンって?)

ちなつ(ただの、気のせいだよね・・・?)



【ケンカ売りの少女】


櫻子「向日葵のバーカ!でかっぱい!」

向日葵「ケンカ売ってますの!?」



【ツンデレラ】

櫻子(はぁー、向日葵と話すとついケンカ腰になっちゃう・・・)

櫻子(・・・けど。本当は好きだよ、向日葵)



【みにくいごらく部の子】


ガラ
京子「おーっす・・・って誰もいないのか」

京子「さーって、今日は何すっかなー」

あかり「あ、京子ちゃん今日は」



京子「うわっ!居たのかあかり、びっくりした」

あかり「もう、最初っからいたよぉ」



京子「それにしても、あかりってほんと見えにくいよな」

京子「見にくいごらく部の子だな、こりゃ」

あかり「ちょっと京子ちゃーん!?」



【ヤンデレラ】


あかね「あかり、あかり・・・。私の最愛の妹・・・」

あかね「誰にも渡さないわよ。ウフフフ・・・」


(あかりの部屋)
あかり(・・・)ゾクリ

あかり「今、寒気が・・・」

あかり「風邪かな?」





終わり

以上になります。
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