昼休み、一人で昼飯食べてたら川越が来ていきなり話しかけてきた
沙希「そう、頼み」
八幡「んなもん内容次第だろ、安請け合いが高く付くのは身にしみててな」
奉仕部は誰かしらの悩みを己の血肉と掛け替えのない若い時間を削って遂行するお仕事です。
沙希「あんた国語強いでしょ」
八幡「学年三位だな」
沙希「数学弱いでしょ」
八幡「一桁しか点数もらえないな」
沙希「あたしに国語教えてよ、代わりに数学教えるから」
八幡「それ頼みっつうか提案じゃね?」
沙希「誠意だから」
八幡「誠意?」
沙希「何の見返りもなく二回もあんたに世話になるのは悪いよ」
八幡「一回目ってスカラシップの事か」
沙希「そう、部活だからってあんな時間でお世話になるだけでも考え物なのに更に頼むなら必要でしょ」
この川島さんイケメンなんですけど、壁ドンとかされたら俺がヒロインになりそうなんですけど。
八幡「別に俺に数学教えるとかしなくてもいいだろ、雪ノ下と由比ヶ浜にどんな誠意を見せる気なんだよ」
俺含めた奉仕部の三人に何かしらのメリットのやり取りとなるとしんどいだろうに
沙希「あんただけは無理なの?」
八幡「俺だけ?」
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沙希「そう、由比ヶ浜は人に勉強がどうこう言えるの?」
たしかにその通りだ
八幡「言えないな」
沙希「雪ノ下にあたしが勝ってる教えられそうな科目あるの?」
苦手科目を埋め合わせる提案としては無理な相談だな。
学年のトップに勉強を教える事は不可能に近い。
八幡「無いな」
沙希「そうなるとあんたしかいないの」
川村さんとしては俺以外に良心の痛まない五分の提案を出せる相手がいないのか。
俺としては誠意とやらを向けられて、それを無碍にすると良心が痛む。
双方の最大公約数ががっちり噛み合った事がよく分かった。
八幡「仕方ない、数学で点数二桁目指すか」
沙希「…もっと高い目標持たないの?」
川原さんが呆れながら言う
八幡「高い目標を持ってたら数学諦めねえよ」
自信満々に伝えると川端さんは更に呆れていた
川井さんの提案の内容は、雪ノ下も由比ヶ浜も改善案や代替え案、あるいは特効薬的な案が出ないようで俺に突き刺した6つの暴言で話がまとまった。
「ヒッキーあたしより数学ヒドいんだよ!?」
「目が腐る事になっても責任は持てないわよ?」
「ヒッキーキモイくらいシスコンなのになんで!?」
「やめておいた方が身の為よ」
「ヒッキーのバカ!」
「国語を教わり次第当て身で倒して逃げなさい」
あいつら絶対許さん
二人の家族構成を考えた結果、予備校の自習スペースを使って勉強をする事になった。
予備校とは収入源という見方が強かったが、本来は勉強をするところだったのを思い出す。
沙希「ここはこの値を代入して…」
八幡「なるほど、わからん」
沙希「数式をよく見て」
八幡「大体こんな感じか?」
沙希「あんたね…」
八幡「ん?」
沙希「どうやって進級したの?」
八幡「国語の成績でカバーしたけど」
沙希「はあ…」
ため息をつくと幸せが逃げるらしいぞ川内さん
八幡「数学って難しいみたいだな」
沙希「他人事みたいに言うな」
八幡「なんつうか、使い道が分からんとやる気になれん」
国語が得意なのも使い道が思い付くから結構楽しいんだろうな
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