提督「今回の人事異動で島風が自分の艦隊に異動してきた」 (100)


とある鎮首府。

提督執務室。


羽黒「ほ…本日付で御艦隊に所属させて頂く事になりました、重巡洋艦 羽黒です。よ…よろしくお願いします」ぺこり

提督「うん。よろしく頼むよ。羽黒には我が艦隊の主力の一角としての活躍を期待している」

羽黒「あ…ありがとうございます。ご期待に添える様に頑張ります」ぺこり

提督「えっと…次は……」


島風「………………島風」ふいっ

提督「ん?どうした島風?どこか調子でも――――」

島風「何でもない!挨拶したんだから、もういいでしょ!!」
くる…
すたすた

提督「おっおい島風!?」


島風「失礼しました!!」

ばたん!


 
  


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龍驤「…………どうしたんかいな。あの娘?」

提督「うーん。何だか相当機嫌が悪かったみたいだが……」

龍驤「そうやな……何荒れてるんやろな」

提督「しょうがない。後でもう一度呼んで話を聞くか」

龍驤「せやな。後でウチが連れて来たるわ」

提督「そうか。済まないがよろしく頼む龍驤」

龍驤「うん。こういう事は秘書艦である、この龍驤さんに任せとき」にか


羽黒「………………」そわそわ…
おろおろ…

提督「おっそうだった。羽黒も脅かせて済まなかったな。改めてよろしく頼む。本営からの移動で疲れただろう。今日のところはもう下がって休んでくれ」

龍驤「着任早々ちょっとアレな感じでごめんやで」

羽黒「…………い…いえ。大丈夫です。ありがとうございます。あっ…改めてよろしくお願いします」ぺこり

提督「こちらこそよろしく頼む」

龍驤「よろしくやで」

羽黒「はい」



―――

提督(…………さて…どうしたものかな……)ふむ…


 



しばらく後。

提督執務室。


島風「……………………………挨拶はもう終わったじゃない。まだ何かあるの?」ぶす…

提督「…………島風、こっちに来てから随分と機嫌が悪いみたいだが、何か気に入らない事でもあるのか?」

島風「…………」

提督「それとも慣れない環境で戸惑っているだけなのか?黙っていたら判らないぞ」

龍驤「島風…何でもいいからちょっと話してみいへんか?この提督、こう見えても結構話の分かる人やから」

提督「龍驤。お前の目には俺はどう見えているんだ?」

龍驤「あはは。気にせんといて」

提督「……まったく。それはいいとして、そうだな…何か要望があったら、出来る事なら聞くから。ちょっと話してくれないかな?」

島風「…………………どうして……」ぼそ…

提督「ん?」

島風「――――――どうして私だけ!私だけ所属艦隊を異動させられなきゃイケナイの!?大和さんは残れたのに!!」

龍驤「大和?」


提督(…………大和………………あっそういう事か)はっ



 


島風「私だって…私だって異動なんてしたくなかったのに!どうして大和さんは残れて私は残れなかったの!?」

提督「島風……」

提督(そういえば…確か大和は本来なら今回の異動で、今の提督の元での実習期間を終えて、総司令官率いる第一艦隊の旗艦に就く手筈だったんだが、大和が何故かそれを頑なに固辞して、そのまま所属艦隊に残って本営から前線基地に異動したんだったな……)

提督(そう思うと島風の異動は、大和のソレに比べて必ずしも必要のない事だから、確かに不公平に思っても仕方がないな……でも、それは――――――――)

提督「…………島風は前の艦隊が相当気に入ってたんだな」

島風「そうだよ。だから今すぐにでも戻りたいけど駄目なんでしょ?」

提督「それはそうだが……でもな。この艦隊だってそんなに捨てたもんじゃないz――――――」

島風「それに何なのこの艦隊は?戦艦も空母もいないじゃない!」

提督「確かに戦艦はいないが、ウチには…ほらこの龍驤という立派な空母がいるぞ」

島風「空母って言っても正規空母じゃない軽空母でしょ!」

龍驤「………………」


島風(……………!!)はっ



 


提督「島風!」

島風「ふっ…ふんだっ!とにかくこの艦娘一のスピードスターであるこの島風ちゃんが、こんな頼りない提督の、こんな小っさな艦隊に所属させられる事自体がおかしいの!!判ったでしょ!これ以上…話す事なんてないから、もう行くね!」
くるっ

すたすた…


島風「…………………」ふんっ

ばたん!


 


提督「…………………済まないな龍驤」

龍驤「ええからええから。確かにウチは軽空母だし。この艦隊が小艦隊なのも間違ってないし」

提督「…………それは…そうだが……」

龍驤「それに提督が頼りないのも、あながち間違っとらんし?」ニヤリ…

提督「うぐっ!それを言うな龍驤」

龍驤「あはは。じょーだん冗談。少なくてもウチは何だかんだで提督のコト頼りにしてるから」にこ

提督「……まったくお前は」はぁ

龍驤「あはは…そういう事やから。まぁ…島風に関してはウチもそれとなく何とかしてみるから」

提督「ありがとう龍驤。いつも済まないな」


龍驤「うん。ええって事で」にこ


 

とりあえずこんなお話になります
短い上にゆっくな感じになると思いますが
よろしくお願いします

それでは。


とある日。

食堂。


島風「………………」
もぐもぐ

すっ
龍驤「隣り座ってもええかな?」

島風「!……………うん」こく


龍驤「どや。この食堂のメニューは?本営のやつと変わらないくらい美味しいやろ?」

島風「…………うん」もぐもぐ

龍驤「ふふ…よかった。どうやら取り敢えず、ここの食事だけは気に入ってくれたみたいやな」

島風「あ…あの……龍驤さん…」おず…

龍驤「ん?何や?この広島風お好み焼きが食べたいんか?」

島風「そうじゃなくて…その……この前は御免なさい……その…失礼な事を言って……」

龍驤「失礼?…………あっもしかしてこの前のウチが軽空母云々ってやつか?」

島風「……うん…」こく


龍驤「あはは…そんな事言ってもウチは確かに軽空母やから、そんなん気にする事なんか何もないからな」


 


島風「でも……私は―――――」

龍驤「でもな。確かにウチは軽空母やけど、そんじょそこらの正規空母に負けとるなんて思ってないから。それにな、この艦隊はウチを含めてナリが小さい艦娘が多いけど、それでも他の艦隊に負けとるなんて思ってないから。そこんとこだけは勘違いせんといてな?」

島風「うん」こく

龍驤「まぁそんな事言いつつ……やっぱり島風は言うだけの事はあるなぁと思うんやけどな」

島風「え?」

龍驤「いや…この前の演習の時。連携はイマイチやったけど、それでも何だかんだであれだけの戦績を収めとったからな」

島風「そんな……大した事じゃ…………」


龍驤「いや、艦娘一と謳われたスピードはもとより、火力も普通の駆逐艦のレベルじゃないでアレは」うんうん


 
 


島風「えへへ…そうかな……」

龍驤「提督も感嘆しとったわ。流石、自分が見込んだ艦娘だって」

島風「えっ!?て…提督が……?」どきっ

龍驤「うん。とっても嬉しそうやったわ。ふふ…提督も言うとったけど、これで更に他のみんなとのスムーズな連携が取れる様になったとしたら、もっと凄い事になると思わへんか?」

島風「たしかにそうだけど…でも……」

龍驤「でも?」


島風「私を見ると…みんなそわそわする感じだし……」


 


龍驤「その事か…まあアンタは最初、結構ピリピリしとったからな。みんなどうしていいか判らんくてな。でもみんな、ホントは島風と仲良うしたいと思っとるんやで」

島風「ホント……?」

龍驤「うん。で、島風はみんなと仲良うしたくないんか?それとも一人でいる方がええんか?」

島風「そんな事ないけど……でも大丈夫かな?」

龍驤「大丈夫大丈夫。その辺はウチが取り持つから。それにな…何と言っても島風といちばん仲良うしたいと思ってんのは、このウチやしな」にか

島風「龍驤さん……」

龍驤「だから安心して大船に乗った気でいてや……ってウチらがその艦か?」


島風「あはは」



 


龍驤「よっしゃ。だったら取りあえず明日にでも、みんなでご飯でも食べよっか?羽黒もまだちょっとここに慣れとらんみたいやし、ちょっと遅くなった感じやけど、明日は二人のささやかな歓迎会や。そんでええな島風?」

島風「ホントにいいの?」

龍驤「勿論や。じゃあこれで決まりやな。みんなにはウチから言っとくから、楽しみにしたってや」

島風「ありがとう龍驤さん……でも…どうして私なんかに、こんなに良くしてくれるの?」

龍驤「ふふん。これでもウチはこの艦隊の秘書艦やからな。艦隊のみんなの為に、こん位の事は勿論するし、こん位の事は朝飯前や。それにやっぱりウチも個人的に島風や羽黒ともっと親しくしたいしな」

島風「龍驤さん……」

龍驤「あとな…島風は提督の事はどう思っとるん?やっぱりあまり好かんか?」

島風「提督の事……?べ、別にキライって訳じゃ……でも…………」

龍驤「まあ…確かにあの人は島風の前の提督に比べて、若いし頼りなく見えるトコもあるかも知れへんけど……決して悪い人やないし、イザとなったら案外あれで頼りになるとこもあるんよ?」

島風「龍驤さんは提督の事をよく知ってるんだね」

龍驤「そうやなぁ…まぁあの人が提督になった時からの付き合いやからな……多分、艦娘の中でウチが、一番あのヒトと一緒に居る時間が長いんやないかな。まぁ腐れ縁ってやつや?」

島風「そうなんだ……」


島風(そんな事言いながら、龍驤さん何か嬉しそうな顔してる……)



 


龍驤「そのウチが言うんやから間違いはないで?島風もあんまり毛嫌いしないで、ちょっとづつでいいから、話し合ったりしてくれたりしたら…ウチとしては嬉しいかな」

島風「うん……」

龍驤「まぁそうしてくれると実際問題、この艦隊にとってもプラスになるし」

島風「艦隊の為…………………そうだよね…うん、分った。今度…提督と話してみるから……多分…………だけど」

龍驤「ふふ…やっぱり島風はウチが思った通りのいい娘やで。そんなに焦らなくてもいいから、気分のいい時にでも話してみてな」

島風「うん」

龍驤「決まりやな。それはいいとして、島風が前に所属していた艦隊と提督の話が聞きたいんやけど、どんなカンジだったんや?」


島風「うん…あのね―――――――」


――――――


 


午後にもう少しだけ書く予定です



とある日。

提督執務室前。


島風「………………」
きょろきょろ

島風(あれから……龍驤さんのお蔭でみんなと仲良くなる事が出来た……その龍驤さんが提督と話してくれへんか?って言うんだから仕方ないよね……)うん
そわそわ

島風(それにあのヒト……私があんな態度をとっても怒んなかったし、私に期待もしてくれてるみたいだし…そんなに悪い人じゃないのかも……)

島風(それに…ホントに何となくなんだけど前の提督にちょっと似てる気もするし……ちょっとだけ…ちょっとだけ話してみたいかも………ってそれは龍驤さんや艦隊のみんなの為なんだからね!別に私が個人的に提督とお近付きになりたいとか、お話してみたいとか、そういう訳じゃないんだから!!)うんうん


島風(でも…………いざ、部屋の前に来るとちょっと緊張しちゃうよ……)ううー
ドキドキ


 


ドキドキドキドキドキドキ…

島風(うーやっぱりダメだ!!)ぶんぶん

島風(そ…そうだ…龍驤さんも焦らないっでいいって言ってたから、今日のところh―――――)


?「島風。俺の部屋の前で、何をこそこそしてるんだ?」


島風「てっ提督!?」ドッキーン
ドキドキドキドキ…

提督「そんなに驚いてどうし―――――」はっ

提督「ああ…そうか俺と話をしたいと思って来てくれたのか。いやー嬉しいな。それならそうと――――――」

島風「なっ何でもない!!//////////」ぶんぶん
あせあせ

提督「ん?」

島風「何でもないんだからーーーー!!!!」
だっ

提督「おいっ島風っ!?ちょっ待てよ!」
がっ

島風「きゃっ!?」
じたばた

島風・提督「「あっ!?」」


ばったーん


 


提督「あたた…島風……大丈夫か―――――ん!?」


提督(こ…この眼前に広がる、モノは―――――――)まじまじ


島風「―――――――――!?//////////」かぁぁ

島風「な…ナニ見てるの……?」ふるふる…


提督「みっ見てない!見てない!!島風の島に覆われている、しまかぜのしましまパンツなんて断じてまじまじとドアップでなんか見てないぞ――――――」


島風「―――――――――――――!!!!////////」かぁぁぁぁぁ

島風「ア…アンタなんて……アンタなんて―――――――」ぐぐぐ…



島風「ダイッキライだーーーーーー!!!!!」

だだっ


 


提督「おいっ島風!これは誤解だ!!」


島風「このヘンタイ提督―――――――!!!!!」
だだだっ―――――


提督「!?」


提督(ヘンタイ……だと?)


―――


提督「あ……行ってしまった・……しまったなぁ…せっかく島風と親睦を深めるチャンスだったのに……」はぁ



 

とりあえず今日はここまでです

それでは。


とある日。


演習場。


龍驤「さぁ!皆!今日も気合い入れていくで!!演習だからって気ぃ抜いたらアカンからな!!」

艦娘たち「「「「はい!!」」」」

龍驤「羽黒もよろしく頼むで。ここのところ動きも良うなっとるし、他の艦娘達との意思疎通や連携もしっかり出来る様になっとるしな」

羽黒「ありがとうございます。龍驤さんが私とこの艦隊の方々との間を、取り持って下さったおかげです」

龍驤「何より駆逐艦の多いこの艦隊では重巡のアンタの火力が何より頼もしいからな。今回も期待しとるで」

羽黒「はい!龍驤さんのご期待に応えられる様に頑張ります」


龍驤「うん。頼んだで」


 


龍驤「島風もよろしく頼むな。いつもの様にそのスピードで、相手の陣形とメンタルを掻き乱したってな」

島風「…………うん……」

龍驤「ん?なんや。ちょっと元気ないみたいやけど大丈夫か?」

島風「うっうん!だ…大丈夫だから」

龍驤「ならええんやけど……」


龍驤「――――――――では各々のポジションに着け!散開!!」


艦娘たち「「「「はい!!」」」」



 


――――――


島風「……………………」


島風(まったく……あんな事になるなんて。一瞬でもあのヒトの事が知りたいとか話してみたいとか思った自分がバカみたい…………)


島風から少し離れた処。

龍驤(…………あの様子だと、どうも上手くいかんかったみたいやな……提督もあれから何も言ってくれへんし……)

龍驤(やっぱり何かあったんやろか?あれから更に険悪な雰囲気になっとるし。とは言っても島風が提督に対して一方的に…やけど…………)


龍驤(二人が良好な関係になるには、もう少し時間が必要なもかもしれへんな)はぁ


―――――



 



演習実践中。


島風「…………………………………」
ぼー

島風(…………あんな事するなんて……やっぱりあのヒトは私の事がキライなんだ……)

島風(ふんっ…だ。私だってアンタの事なんか大キライですよーだっ!)
じわ…

島風「!?」

島風(…………だったらどうして、私は今…泣きそうになってるの……?)
ぶんぶん

島風(ううん!コレはあんなコトされて、ただ悔しいだけ!他のキモチなんか何もない!!)

島風(そうだよ…あんなエッチでヘンタイな提督なんて大っ嫌いなんだから!!)


島風(…………でも――――――――)


 



龍驤「島風!!!!」



島風「え?」

島風(あ…――――――――)


ドオォーーン


島風(――――――――あっ…私…………うたれ…て―――――――)




――――


龍驤「―――――――島風!!!!」


羽黒「―――――――島風さん!!」



――――――



 


それから。


入渠ドッグ前。


島風(演習だったからすぐに回復できたのはいいけど…………)

島風(私…何をやってんだろ……ぼんやり考え事して、それで棒立ちになって……それであんな普段なら何でもない砲撃を受けて…大破して……ホントばかみたい――――――)


?「島風!!」


島風「てっ提督!?」
ビクッ


提督「島風…大丈夫だったか?龍驤に砲撃を受けて大破したって聞いたんだが」



島風「ふんっおかげさまでね」ふい


  


提督「そうか良かった…本当に良かった……」ほっ

島風「……そんな事言って、ホントは私が沈んだ方が良かったって思ってるんでしょ?」

提督「!?」

島風「でも残念でした。これが演習じゃなくて実戦だったら、私は轟沈して提督はせーせい出来たのにね?」

提督「……………………」

島風「ん?どうしたの提督?ははっ…黙ってるって事は、やっぱりそうなんだ。提督にとって私なんかイラナイ子なんだよn―――――」


提督「バカ野郎!!!!」


島風「!?」びくっ

提督「自分の艦隊の艦娘が沈んで喜ぶ提督なんているわけないだろ!!そこまで俺を見損なうな!!」


島風「え…………?」
おろおろ


 


島風「だ…だって…だってぇ……私は提督にヒドイ事言ったりしたし……だから絶対に嫌われてると思って…………」

提督「そんな事はいいんだよ。そりゃ不本意な異動をさせられたら、誰だって穏やかじゃいられなくなるもんだ。だから俺はそんな事で、お前たちを嫌いになったりなんかしないよ」

島風「提督……」

提督「俺は艦隊は一つの大家族であるとも思ってるんだ。その中で一人くらい反抗期の娘がいても何もおかしくはないだろ?だから俺にとってお前も大事な家族の一員なんだよ。イラナイ娘なんて一隻(ひとり)もいる訳がない」

島風「――――――――――――――――!!」

島風「て…提督……ご…ごめん――――」じわっ…


島風「ごめんなさーい!!!!」わぁぁぁぁん


提督「ふぅ…やっと一寸だけ認めてくれたかな?」


 


島風「――――ごめんな…さい……」ひっく

提督「島風…もういいから……」すっ
なでなで

島風「あっ……///////」どきっ


島風「………………」
ふきふき

提督「島風。ちょっとは落ち着いたか?」

島風「うん…………」

提督「ならいいが。さっきは怒鳴って悪かったな」

島風「ううん……いいの。それよりも怒ってくれてちょっと嬉しかった……//////」

提督「そうか……」


島風「うん…//////」こく


 


提督「………………あの…さ島風。いきなりだが、お前は前の艦隊の提督の事を慕っていたみたいだけど…………」

島風「………………」

提督「実はあの人、俺の新人の頃の教官みたいな人だったんだよ」

島風「えっ?」

提督「まぁ言ってみれば俺はあの人の弟子みたいなもんなんだ。だからって言うのかな…何とかそういう目で見てもらって、前
提督補正でも何でもいいから、少しずつ俺にも慣れていってくれると嬉しいかな」

島風「…………うん」

提督「あとな…………これを言ったら…また怒られてしまうかもしれないけど、今回の人事異動及び配置転換で、提督に島風をどうしても譲って欲しいって頼み込んだのは俺なんだ」

島風「えっ!?」

提督「前に提督の艦隊の演習を見学させてもらった時にな、島風の可憐で凛々しい勇姿に思わず見惚れてしまったんだよ。それでどうしても島風を自分の艦隊に入れたいって思ったんだ」

島風「…………そうなんだ……」

提督「ごめんな島風。俺のせいでお前に嫌な思いをさせてしまって。どうしてもって言うなら直ぐにっていう訳にはいかないけど、今度の配置転換で――――――」


島風「もういいよ」


 


提督「えっ?」

島風「そんなにこの島風ちゃんの事が気に入ってるなら、仕方ないからもう少し提督の艦隊にいてあげる」

提督「島風……」

島風「その代わり、この島風という艦を大事に扱ってね。そうしたらその分、戦果でお返ししてあげるから」

提督「ああ。ありがとう島風。必ずお前を艦娘一の駆逐艦にしてやるからな」

島風「うん」にこ

島風「でも私は既にもうナンバーワンなんだけどね」

提督「こいつ」

島風「ぷっ…」


島風「あはは」

提督「あはは」



提督・島風「「あはははは―――――」」



 


とりあえずここまでです
それでは。


それから。


島風「―――――提督。今日の演習でS評価を貰ったよ」

提督「よくやったな島風」

島風「うん。じゃあご褒美に…いつものやって////////」
すっ

提督「分った分かった」すっ
なでなで…

島風「えへへ……」


提督(島風は一度、気を許した相手にはとことん甘える性格らしく、あれから演習や実戦で戦果を上げると、決まって頭をなでなでして等とせがんだり、食事の時など、食べさせてとか言って口をあーんと開けて俺にせがむ等、色々と甘えてくる様になった)

提督(今までのツンツンした態度が、その反動からか、今までとは考えられないくらいデレデレとした態度を取る様になった)

提督(そう思うとたまに…もう今日は頭をなでなでよりも、肩をもみもみしてほしい気分なのっ!もうそれくらい判ってよね!気が利かないんだから!などとツンツンとなったりするのだが、そんなネコみたいに気紛れな処も可愛かった)


提督(俺はそんな島風の元気で溌剌とした天真爛漫さと、戦闘時に見せる凛々しい可憐な勇姿に改めて、彼女にどんどん惹かれていくのを感じていた…………)



そんな中である実戦から帰還した時だった―――――。



 


提督「島風…大丈夫だったか?被弾したと聞いたが……」

島風「うん。でも小破したくらいだから大丈夫だよ。入渠してもう直ちゃったし」

提督「そうか……それならいいが」

島風「ねっ…提督――――////////」
すっ

提督「ああそうか…よし今日はいつもより更に頑張ったみたいだし、たくさん頭をなでなでしてやるからな」

島風「そんなんじゃダメ」ふいっ

提督「え?」

島風「提督も今言ったでしょ?今日はいっぱいいっぱい頑張ったから、だから今日は―――――」もじもじ…


島風「キス……して――――――//////////」かぁぁぁ


提督「えっ?」ドキッ

島風「やっぱり…ダメ?提督は島風とキスするのは……イヤ?」じ…

提督(うっ…島風……なんて切なげな表情(かお)するんだ…………)


提督「そ…そんな事……ないが……」
どきどき


 


島風「じゃあ…いいの?///////」
どきどき

提督「あ…ああ……寧ろこちらからお願いしたいくらいだ」
どきどき

島風「えへへ…嬉しい―――――――////////」

島風「提督――――――」
すっ

提督「島風――――――」
すっ


チュッ…


島風「えへへ…………アリガト。ご褒美のキス貰っちゃった/////////」はにかみ


提督「!!」ドキッ


提督(俺は……自分の艦隊の艦娘たちを大きな家族だと思っている)

提督(勿論。みんなに同じように愛情を込めて接しているつもりだし、それを変えるつもりもない)

提督(だけど…島風に向ける愛情(それ)は、他の艦娘に向けるソレと明らかに違っている事に気付く)


提督(そう…俺は島風の事を―――――――)


提督(そしてそれから俺は悩みに悩み抜いた末に―――――)



提督(俺はある決断をした――――――)



 



とある日。


提督執務室。


提督「龍驤。折り入って話があるんだ……」

龍驤「どうしたん提督?そんな畏まった顔して。似合わへんで?」

提督「龍驤……俺は…近い内に秘書艦及び旗艦を交代しようと思っている」

龍驤「…………そうか」

提督「…………ああ。こう言っては何だが、あまり驚かないんだな」

龍驤「いや…じゅーぶん驚いとるよ。驚き過ぎて逆に冷静っぽくなっとるだけや。そんで…ウチの代わりに誰を秘書艦にするんや?」

提督「それは……」

龍驤「島風か?」

提督「えっ!?」

龍驤「その表情(かお)やと図星みたいやな」

提督「ど…どうして…………」

龍驤「そりゃ…このところの提督と島風の蜜月ぶりを見せ付けられたら、アホやって判るわ……まぁそうやなくても、ウチはいつもアンタの一番傍でアンタを見とるからな」

提督「龍驤……俺はどうしても島風を秘書艦……旗艦にしたいんだ」

龍驤「そっか……」

提督「…………………」


龍驤(………………旗艦に…………そっか…やっぱり……そういう事か……)


提督「龍驤…俺が提督になった時から、ずっと秘書艦で居続けてくれたお前に、こんな事を言うのはとても心苦しいが……」



龍驤「ええよ」


 
 



 


提督「えっ?」

龍驤「アンタが一度、決断した事は曲げないって事くらいウチは知ってるし。それ以前に秘書艦と旗艦の任命権は提督にあるのやから、ウチから言える事は何もないわ」

提督「俺の我儘で済まない……龍驤…………でも本当にいいのか?」

龍驤「今更何言っとるんや。でも…まっ、もし島風に袖を振られたら、またウチが秘書艦をやったるから、安心して玉砕してき」にこ

提督「…………ありがとう龍驤。やっぱりお前は俺のとって大切な艦隊と言う家族の一員であり、尊敬すべき最高の戦友だ」

龍驤「そっか……」

提督「ああ。俺は心からお前の事をそう思ってる。じゃあ…行ってくる」

龍驤「男を見せる時やで。あんじょう気張ってや」


提督「おう!」

ばたん……



龍驤「…………戦友……か」

じわ…

龍驤「確かにそうかもしれへんな……でも―――――」

ぽろぽろ…




龍驤「でもアンタは艦娘(おんなのこ)のキモチなんてなーんも分っとらんわ…………」



 
 

とりあえずここまでです
とりあえずもう少しになると思うので
出来たら今日中にもう少しだけ書けたら書こうと思います
書けなかったら済みません

それでは。


それから。


談話室。


島風「どうしたの提督?突然、話がしたいってやって来て、こんなところに連れ出して」

提督「島風……突然だが…俺の秘書艦になってくれないか?」

島風「え?秘書艦?いきなり過ぎて、よく分からないんだけど……」

提督「俺はお前が受けてくれたら、近い内にお前を新しい秘書艦に任命したと思っている」

島風「私を…秘書艦に……?どうして?それにこの艦隊の秘書艦は龍驤さんって決まってるんじゃ……」

提督「龍驤にはもう話はしてある。了承も得た」

島風「でも……秘書艦だったら、やっぱり私なんかより龍驤さんの方が……」

提督「確かに…龍驤は俺が提督の任に就いてから、ずっと秘書艦をやってくれている、掛け替えのない最高の秘書艦だ」

島風「それなら―――――」



提督「でも……それでも俺はお前を秘書艦として迎え入れたいんだ」


 


島風「そんなに…私の事…………」

提督「ああ。だから…受けてくれないか?」

島風「そこまで言ってくれるなら………………はい。お受けさせて頂きます」こく

提督「ありがとう島風」

島風「でも…ホントにどうしてなの?」

提督「それは……だな…………」コホン…

島風「それは?」

提督「もしこれから先…俺が提督として島風が旗艦として秘書艦として一人前になったら。その時は――――――」
すっ…

島風(えっ!?この小さい箱……って――――――)

パカ…

島風(ゆび…わ…………?)

提督「俺と――――――――――」



提督「俺とケッコンカッコカリをしてくれないか」


 
島風「――――――――――――――!!!!!!」



 


提督「唐突にこんな事を言って済まない。でも俺はどうしてもこの気持ちを、今…お前に伝えたかったんだ」

島風「ほ…本気で言ってるの?///////」どきどき

提督「こんな事…冗談で言える訳がないだろう」

島風「それに本当に唐突直ぎるよ///////」ドキドキ

提督「それに関しては本当に済まない。でも…どうしても気持ちが抑えられなかったんだ」ぐっ

島風「―――――!!」ドキッ

島風(提督の真剣さが…伝わってくる……この人は本気で私を―――――でも――――)

島風「ほ…本当に私でいいの?その…龍驤さん…じゃなくて?」

提督「龍驤?どうして、ここで龍驤の名前が出て来るんだ?確かに彼女は俺にとって大切な存在だ。そして俺は彼女の事は掛け替えのない戦友だと思っている。だからケッコンカッコカリをしたいとかっていう関係じゃない。龍驤だって俺に対してはそう思っている筈だ」

島風「そう…なんだ……でも…ホントに本当に……私でいいの?」

提督「ああ。勿論だ。寧ろ俺にはお前しかいないよ」


島風「だったら…だったら証拠を見せてよ」じ…


 


提督「証拠?」

島風「私の事が好きだっていう証拠を見せてって言ってるの!」

提督「分った…………」
すっ
ぎゅっ

島風「あっ…//////////」

提督「島風…………俺はお前の事が好きだ」す…

島風「…………私も……提督の事が大好き//////////」ん…


チュッ…


 



――――

島風「えへへ…証拠のキスもしたし。これで私たちはコイビト同士…だね////////」

提督「ああ」

島風「ここまでしたんだから、絶対にセキニンを取ってよね」

提督「勿論だ」

島風「逃げたりしたら赦さないんだから」

提督「ああ。逃げたりなんかしないよ」

島風「ま…とは言っても―――――――」


島風「この島風からは絶対に逃げられないんだけどね」
にこ


おしまい。


 

とりあえずこれでおしまいです
と言いたいところですが
これで終わるのも何なのでもう少し書くかもしれません
と言いたいところですが
概要を少し書き始めた結果あまりいい感じがしないので
書き直す事になるかもしれなません
そうなった場合かなり間が空くと思いますのでご了承ください
あと書き直す場合は実験的な意味合いで
もしかしたら没ったお話を他で上げるかも知れません
いずれにせよ全部終わった時点で依頼を出します

ともあれ何にせよ取り敢えず終わらせる事が出来ました

ありがとうございました

それでは。



おまけ。

提督執務室前。


提督から秘書艦交代を告げられた直後。


龍驤(ウチは近い内に秘書艦をクビにされて……)

龍驤(おまけに提督にフラれて……)

龍驤(そんな提督に発破を掛けて送り出したのはいいけど……)

龍驤(そのくせ…そんな事はないって判っとるけど…それでもウチはもう要らない娘なんやろか?って思ってまうな……)

龍驤(この何とも言えない消失感―――――)

龍驤(これが所謂…秘書艦ロス、提督ロスってやつなんやろか……?)

龍驤(ま…そんな言葉ないんやけど……)


龍驤(とどのつまり。ウチはこれからどうすればいいんやろ…………)はぁ


 


?「龍驤さんどうかしたのですか?こんなところでぼうっと立ったままで。ご気分でも優れないのですか?でしたら――――」

龍驤「羽黒か……いや、何でもないから」

羽黒「ですが…目元が赤く腫れて……もしかして―――――」

龍驤「せやからウチは泣いとらんし、何でもないからっ!」

羽黒「そうですか……」

龍驤「それでウチに何か用でもあるんか?無いなら、今はちょっと一人でいたい気分なんや」

羽黒「ごめんなさい………」

龍驤「いやウチも声を荒げたりしてごめんな。じゃあ……また――――――」

羽黒「あのっ…ごめんなさいちょっとだけ。ちょっとだけでいいですから私の話を聞いてくれませんか?」


龍驤「……分った。で、どうしたんや?」


 


羽黒「……私…引っ込み思案でいつもおどおどしてて…でも龍驤さんのお蔭で、いつもより全然早く艦隊のみなさんと仲良くなる事が出来ました。他にもいろいろして下さって、私…本当に龍驤さんには感謝しているんです」ぺこり

龍驤「はは…そうか。でも改めて言われると。ちょっと照れてまうな……///////」テレっ

龍驤「でもウチは艦隊のまとめ役の秘書艦…………やし……」

羽黒「?」

龍驤「とっとにかく、ウチは当たり前の事をしただけや」

羽黒「龍驤さん……」

龍驤「それに島風もそうやけど。羽黒も頑張って、着実に戦果を上げてるのも知っとるし、二隻(ふたり)とも、もうこの艦隊に無くてはならない存在や」

羽黒「龍驤さん……私はそんなに―――――」

龍驤「それにウチは羽黒がやさしい娘だって事も知っとる。前の演習で島風が大破した時に、一番早く駈け付けて、救助したのも羽黒やったしな。アンタは自分が思っとるよりずっと出来るしええ娘や。もっと自分に自信を持ちや」

羽黒「…………龍驤さんにそう言って頂けて、本当に嬉しいです」


龍驤「ウチも羽黒にそう言って貰えて嬉しいで」にこ


 


羽黒「――――――――!!」きゅん////////

龍驤「そういう事やから……もうええかな?」

羽黒「あ…あの……龍驤さん。龍驤さんはこんなに小柄で愛らしい方なのに……とっても頼りになってお姉さんで……///////」どきどき
もじもじ

龍驤「?」

羽黒「もう言っちゃいます……私…………そんな龍驤さんの事…………その……す―――――」

龍驤「す?」



羽黒「好きになってしまいました―――――――――//////////」



龍驤「えっーーーー!?//////」どっきーん!


 


羽黒(ついに…ついに言ってしまった……もう覆水が盆に返らないのなら……それなら――――――)ぐっ

羽黒「龍驤さん…これからは龍驤さんの事……その……………」ぐぐっ



羽黒「お…お姉さまって呼んでもいいですか?///////////////」かぁぁ



龍驤「!!?」どきっ

龍驤「おっ…お姉さま……だと…………!?」

羽黒「だ…だめ……ですか……?」うるうる

龍驤「!?」

龍驤(まっなんて切なげな瞳と顔でウチを見詰めてくるんや―――――――)

龍驤「え…ええで……」こくん


羽黒「―――――――――!!!!!」


 


羽黒「お姉さま!嬉しいです!!」ぱぁぁ

龍驤(おっ思わず流されて言ってしもたーーーーーー!!!)

羽黒「もうっ我慢できません!!」
がばっ
だきっ

龍驤「!?//////////」

羽黒「嬉しい…お姉さま…大好きです…………//////////」
ぎゅう……

龍驤「お…おう……」

龍驤(どうしてこうなった!?)

龍驤(でも…羽黒のカラダ…柔らかくてキモチよくて……)
すんすん…

龍驤(いい匂いがする……///////)ほわぁ…

龍驤(それに抱き締められると、どこか…ほっと安心する…………)ほっ…



龍驤(ア…アカンなんかイケナイものに目覚めてしまいそうやーーーー!!)がーん


 


羽黒「お姉さま……これからもずっと私のお姉さまでいてください……」
ぎゅっ

龍驤「…………………」

龍驤(そっか…ウチをまだまだ必要としてくれるヒトがいるんやな……)

龍驤(そうやっ!まだまだウチにもやれる事は有る筈や!!)

龍驤(腐っている場合なんかやないで!!)ぐっ


羽黒「フフフ…お姉さま小さくてかわいー」
なでなで


龍驤(…………羽黒のなでなで…心もカラダもええ気持ちや……/////////)ほゎ~


龍驤(アレ?でもこれだと…ウチの方が妹っぽくなってないか……?)


龍驤(まっ…えっか……今のところは羽黒に甘えさせてもらお……)
ぎゅっ…



 



それから。


提督「島風。今日から本格的に、秘書艦としての仕事始めだな。よろしく頼むぞ」

島風「う…うん」

島風(うう…一応、研修とかで一通りお仕事の流れを憶えたつもりだけど……ううーやっぱり不安だよー)どきどき…

提督「では…さっそく本日の業務報告を頼む」

島風「う…うん。え……ちょっちょっとまって…たしか―――――」


ぬっ…

?「あかんあかんそんなんじゃアカンで?」


 


島風「!?」

島風(りゅ…龍驤さんが何故か提督の机の下から、ぬっと出て来たーーーー!!!!?)びくっ
あんぐり

龍驤「ふふふ…開いた口が塞がらんみたいやな」

島風「龍驤さん…ど…どういう事?」

提督「…………………」

龍驤「こんな事もあろうかと、提督の机の下で様子を伺ってたんやけど、案の定やそんなんじゃ全然アカン。もっとパッパッと言わなアカンで?」

島風「うう……」

龍驤「まったく。提督の予想通り、こういった業務は苦手みたいやな?」

島風「えっ?」ちら


提督「………………」


 


龍驤「そういう訳で、提督からの直々のご指名で、これからウチが秘書艦指導監督艦として、ビシバシ指導したるから、あんじょう気張ってや」

島風「え!?」

島風(提督ご指名!?秘書艦監督艦!?)びくっ

龍驤「返事は?」

島風「……う…うん」

龍驤「うんやないっ!!」

島風「はいっ!!」

龍驤「よし。いい返事や。それではさっそく始めるで」


島風「はいっ!!」
びしっ


 



龍驤(うん。ウチにだって、まだまだやれる事はある。羽黒っていうカワイイ妹分も出来た事やし。まだまだ必要とされている内は、これからも艦隊の為、提督の為、やれる事をめいっぱいやっていくで!)


―――


龍驤(でもこれって…そう言えば、提督はよく自分の艦隊を家族に例えるけど……ウチは何となくその中では、お母さんとかお上さんなんかなーとか思とったけど…こんな感じやと、差し詰め正味の話。小うるさい小姑みたいなもんやったんやな……)はは…

龍驤「……………」フッ…



龍驤(ま、それはそれで、もしかしたら…ウチにはそーいうのがあっとるのかもしれへんな)はは…



おまけのおしまい。


 



おまけのおまけ。


とある日。


提督執務室。


島風「ねぇ…提督」

提督「ん?」

島風「提督はどうして龍驤さんに私の教育係を頼んだの?」


提督「それはだな――――――」


 




島風が秘書艦になる少し前。


提督執務室。


龍驤「なぁ提督。もうすぐ島風が秘書艦デビューするけど大丈夫なん?」

提督「どうかな……多分大丈夫だと思うけど……あいつ事務処理とかスケジュールの段取りとか苦手そうだからな……」

龍驤「そんなんじゃアカンやろ?普通に考えて、新入りのしかも駆逐艦が、いきなり最古参で軽空母のウチを出し抜いて、旗艦・
秘書艦になるってゆうたら、他の艦娘たちが、ざわつくとは思わへんか?」

提督「確かに……」

龍驤「しかもその秘書艦がロクに仕事をこなされへん、旗艦がロクに指揮を執られへん……て、事になったら……」


龍驤「お気に入りの艦娘を常に傍に置きたいが為に、私的な判断で秘書艦・旗艦にした職権乱用提督って呼ばれてまうかもな……そうなったら、提督はもとより島風まで立場が悪くなってしまうかも知れへんな……」


 


提督「うっ!?」ぎくっ!

提督(そ…そう言えば先輩が、必ず旗艦を戦艦、空母にしていたのは、そういう事だったのか……)

提督「な…ならどうしたら?」

龍驤「そんなん簡単や」

龍驤「もう一度ウチを秘書艦に戻せばええだけや」どやっ

提督「!?」

龍驤「あはは…冗談や。そんなびっくりせんでもええやろ?」

提督「まったく……冗談に聞こえないぞ」


龍驤「あはは…まあ冗談はさておき。そんなん簡単な事やわ。島風が艦隊の皆から一目置かれる、一人前の旗艦・秘書艦になればいいだけや」びしっ


 


提督「確かにそうだが……」

龍驤「まぁ正味の話、すぐにはそういう風になる訳にはいかへんけどな」

提督「だったらどうすれば……」

龍驤「そうやなぁ……手っ取り早くするならそれこそ、島風に誰か教育係でも付けたら…ええんちゃうかな?その方が覚えも早いと思うし……」

提督(教育係――――――)

龍驤「……………………」にこにこ

提督「!!」はっ

提督「そうか…成程…そういう事か。なら龍驤…頼む。お前がその島風の教育係を引き受けてはくれないか?」


龍驤「………………しゃーないな。他ならぬ提督と、カワイイ後輩秘書艦の為や。よし分った。ウチが一肌脱いだる」にこ


 



――――――


提督(流石に職権乱用とか…島風の立場に関わる様な事は言えんな……)うーむ

島風「?」


提督「――――――その…なんだ。やっぱり島風には、出来るだけ早く一人前の立派な秘書艦になって貰いたいからな。その為には、龍驤の様な経験豊富な艦に、教えを受けるのが一番だと思ったからだよ」

島風「ふーん。そういう事か……すぐにでも私を一人前にしたいと」

提督「そう言う事だ。現に龍驤の指導もあって随分と仕事が板についてきたじゃないか」

島風「確かにそうだけど……でもそれって―――――――」



島風「スグにでも私をオヨメサンにしたいって事だよね」



提督「!?」

提督「うっ…いや……俺は純粋にお前の成長を願ってだな……」


島風「ふーん…じゃああの時。私とケッコンカッコカリをしたいって言ってくれたのは、ウソなんだ?」


 


提督「そっそんな事はない。俺はケッコンカッコカリをするのはお前しかいないと思ってる」

島風「じゃあ。やっぱり私をオヨメサンにしたいんだ?」

提督「そ…それは勿論――――」

島風「オヨメサンか……でも…確かに私は提督の事がスキだけど……」

島風「でも提督って、ヒトのパンツを覗く様なエッチなヘンタイさんだからなぁ……」

提督「またそれか?だから断じて俺はエッチでも変態でもない」

島風「えーそうなの?じゃあ提督は―――――」

島風「私のパンツを見たくないの?」

提督「えっ!?」

島風「これからずっと私を大切にしてくれるなら、その時は……前はたまたま普通のパンツだったけど、今度はいつも穿いてる…もっとキワドイモノをトクベツに見せてアゲよっかな?」

提督「えっ!?」ドキッ

島風「ソレをトクベツにこの前より…もっと近くで見て、クンカクンカさせてアゲル……」フフフ…

提督「!?」



提督(クンカクンカ…………だと!?)


 


――――

提督「まったく…お前と言う奴は。提督を揶揄うもんじゃないぞ?」ふぅ

島風「えへへ…びっくりした?でも私。そんなエッチでヘンタイさんな提督もスキだから……//////」

提督「だから俺は―――――でも俺も…そんな悪戯っ娘なお前も好きだよ」


島風「提督……」
す…

提督「島風……」
すっ…


ちゅっ…


 



更にそれから。


広範囲の海域哨戒中。

ザザ…
提督『―――――…――――……島風…島風聴こえるか?』

島風「提督?どうしたの?」

提督『いまそちらの海域の前線基地近くで、敵の攻撃を受けて基地から艦娘たちを撤退させるために。お前の前の提督と大和が囮になって敵と戦っているらしい』

島風「えっ!?」

提督『そちらに急行して様子を見た上で、もし救出出来そうな状況なら、拾ってやってくれないか?』

島風「……提督と…大和さん…………」

提督『俺もお前もあの人にはお世話になったし、もう大和に対する蟠りもないだろう?」

島風「うん…もうないよ……………了解しました」

提督『ありがとう。よろしく頼むぞ島風』



島風「はい!この島風ちゃんにおまかせあれ!!」



おま0けのおまけのおしまい。



 

これで全部おしまいです
グダグダ且つこんな終わり方で大変申し訳ありませんでした

ありがとうございました

それでは。

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