幼鬼「まったく、最近の罪人どもは……」(98)

地獄の鬼がかわいい女の子だったら……というだめな妄想
衣装は、もちろんトラじまのビキニで……へっへっへ

わずかにエロ有り。ご用心ご用心

幼鬼「昔の罪人どもは、まだかわいげがあったのに」
助手「そうですね、泣いて許しを乞うたものでした」

幼鬼「極楽に行ったものも、地獄に堕ちたものも、魂には変わりないんだから、権利を認めろって」
助手「自分が地獄に落ちたってことは棚に上げるんですよね」

幼鬼「ほんともう、いやになるよ」
助手「まったくです」

幼鬼「でも……罪人とはいえ、やだなぁ、いじめるの。ほんとは好きじゃないんだよ?」
助手「いけませんよ幼鬼様、懲らしめるとおっしゃってください」

幼鬼「やることは同じじゃないか」
助手「心の問題です……では…どうぞっ」

幼鬼「ふふふ……やけた火箸を、爪の間に……そーれっ」
罪人「ひぎゃああああっ」

助手(幼鬼様って、笑いながら拷問するのよね)

幼鬼「おはよう、助手」
助手「おはようございます、幼鬼様」

幼鬼「さて、今日の罪人は?」
助手「なんでも、地獄の浅い階層から担当をたらいまわしにされて、この最下層までくるらしいです」

幼鬼「そんなにすごい罪を犯したの?」
助手「正当防衛として、夜盗を1ダースほど殺しました」

幼鬼「それだけ? 悪人を懲らしめたんなら、むしろ極楽行きじゃない?」
助手「いえ、これは本人が望んだことなので」

幼鬼「地獄行きを望んだの?」
助手「はい、閻魔様もそうとうお困りのようでして」

幼鬼「白黒はっきりつけるくらいしか能のない、あの閻魔様が?」
助手「罪人が言うには、自分が人を殺めたのは事実なのだから、地獄に落としてくれ……とのことです」

幼鬼「うわ、やっかいそうだね」
助手「まったくです」

幼鬼「罪人の成績は?」
助手「えー高いほうから、正義値830、任侠値812、道徳値796……」

幼鬼「ずいぶんすごい値だね、普通の人の10倍以上だ」
助手「ええ、逆に低いほうからですと、私欲値3、蔑視値3、怠惰値8……」

幼鬼「ほんとにこれ、人間? ……いやだよ、天使の抜き打ち査察なんて」
助手「それなら、成績もわかりにくく作るはずですし、本物と考えてよろしいかと」

幼鬼「他には?」
助手「子供の頃に弟妹に食べさせるため、数回の盗みをやったくらいですね……それもどちらかといえば、美徳に入るのではないかと思われますが」

幼鬼「やだよ、こんな人……いじめられるわけないって」
助手「懲らしめるとおっしゃってください」

幼鬼「だって、歴史に残る聖人なみじゃない、転生したら、すくなくとも座天使、もしかしたら熾天使クラスだよ?……わたしにいじめる資格なんてないよぉ」
助手「そうおっしゃらずに、相手は罪人、あなたはそれを懲らしめる鬼、それだけなんですから」

善人「ごめんください」

幼鬼「ひゃっ『きちゃったよ、どうしよう……』」
助手「『どうしようもなにも、幼鬼様にお任せするしか』」

善人「あの」

助手「『御武運をお祈りします』」
幼鬼「『ず、ずるいよ…助手』」

善人「すいません、幼鬼さんですか?」
幼鬼「は、はい……今日から担当する幼鬼です……よ、よろしく」

助手(……すでに負けてる?)

幼鬼「『どうしよう、どうするよ、助手?』」
助手「『とりあえず、オーソドックスに針山地獄なんてどうですか?』」

善人「あの……」

幼鬼「それでは、こちらへ……すこし歩きますよ」
善人「あ、はい」

助手(しかし、でかい男だなー)


…………

ギンギンギラギラ

善人「これは……」
幼鬼「地獄名物、針山地獄です」
助手「それでは、向こう岸まで渡ってください」

善人「はあ…わかりました……」ぬぎぬぎ

幼鬼「え、何で服を……!」
助手「す、すごい彫り物!」

善人「服が破けそうですから……よっと」

幼鬼「ちょ、ちょっと助手、見て!」
助手「針が全然刺さっていませんね……私たちも、橋を渡って向こう側へ……」

善人「よっと……ほいほいっと」

幼鬼「あいつ、私達より速いよ?」
助手「急ぎましょう」

善人「ふう」

幼鬼「ぜーはー…ぜーはー」
助手「ふー…ふー」

善人「もっと、しっかり踏むべきでしたか?」

幼鬼「いや、もういいよ『ねえ、助手、針山の先が折れてるよ』」
助手「『整備に時間がかかりそうですね』」

善人「あの……」

幼鬼「つぎは……そう、血の池地獄へ行きましょう」
助手「うん、あそこなら……」

ぐつぐつ……

善人「真っ赤な温泉ですか……」

幼鬼「ここが血の池地獄です」
助手「あっついですよー、苦しいですよー」

善人「ここに入るんですね?」 ぬぎぬぎ……

幼鬼「ひゃっ……『やっぱり、すごい身体してる。背中は彫物だぁ』」
助手「『千手観音様を彫りこまれてますね』」

ざぷん

善人「ふう」

幼鬼「……あれ?熱くないの?」
助手「余裕って表情ですね」

善人「鬼さん」

幼鬼「はいっなんでしょう罪人さん」
善人「もっと熱くなりやせんか?」

幼鬼「ふぇ、もっと熱く?」

助手「珍しいことをおっしゃいますね」
善人「これくらいじゃあ、罰にもなりません」

幼鬼「じゃあ、そこのつまみを回してください、熱くする限りでは、いくらでもできますから」
善人「これかい?」きりきりきり……

助手(自分で温度を上げる罪人って、初めて見るなー)

ぼこぼこぼこ……

善人「ぜんぜん、熱くならねえな」 きりきりきり……

幼鬼「いえ、もうフットーしてますから」
助手「あの……そろそろつまみを回すのやめていただかないと……」

ぼしゅううううう……

幼鬼「罪人さん、すとっぷ、すとーっぷ」
善人「へ?」

助手「あ、血の池地獄が干上がっちゃいましたね」
善人「えーと、その、すいません」

幼鬼「どうしよう……『怒られるよね、これ、空焚きしちゃったし』」
助手「『設備部から文句が来るでしょうね……でも今はそれどころじゃありません』」

幼鬼「あなたみたいに、迷惑を掛ける罪人には、もっとむごくて、きつーいいじめがいいよね」
善人「ええ、おもいっきり罰してください」

助手「なんだかなあ」
幼鬼「……『とはいうものの、どうしよう、助手』」

助手「『拷問部屋なんてどうでしょうか』」
幼鬼「『あ、いいかもしんない』……それじゃあ、ついてきて下さい」

…………

善人「……ここは?」

幼鬼「針から痛覚倍加装置まで、古今未来東西南北の拷問器具を取り揃えた、私こと幼鬼の、地獄一の拷問部屋です」

助手「ここで、どれほどの穢れた魂が、その痛みに消し飛んで行ったか…ふふふ……」

善人「おねがいします」

幼鬼「『お願いされちゃったよ、どうしよう』」
助手「『やりにくいですね』」

幼鬼「まずは、手始めに、鞭打ち!」
助手「おお、よりによって蠍鞭ですか、本気ですね」

幼鬼「もちろん! さあ、いくよっ!」
善人「はい! お願いします!」

ピシッ ビシッ

善人「……」

幼鬼「……傷ひとつ付きません」
助手「……つきませんね」

幼鬼「じゃ、じゃあつぎは、つめの間に針を……」
助手「ふつうの針では、たぶん無理です、ここは畳針を」

幼鬼「え、でもそれじゃあ、痛すぎないかな?」
善人「おねがいします」

幼鬼「え、いいの?」
助手「お願いされましたからね」

幼鬼「それでは、えいっ…」ざくっ
助手「刺さりましたね」

善人「……」

幼鬼「もっともっと」 ざくっ ずぶっ ぐりりっ
助手「うわぁ……むごい。指の爪に極太針なんて、耐えられるはずありません」

幼鬼「ふふふ、痛いでしょ?苦しいでしょ?つ・ら・い・で・しょ~?」
善人「いえ、まったく」

幼鬼「ええええ?なんで?」
助手「本当に、痛くないんですか?」
善人「はい」

幼鬼「…」
助手「……」
善人「………」

幼鬼「まゆ一つ動かしてないもんね」
助手「やせ我慢ってわけじゃあ、なさそうですね」

幼鬼「とりあえず、両手足のつめに3本ずつ畳針をさしてみたんだけど」

善人「……」

助手「……無駄な労力でしたね」
幼鬼「いや、これからよ」

幼鬼「ふふふ」じじじっ
助手「おお、つめの針を火であぶるんですか……なんと残酷な」

じりじりじり……

善人「……」

幼鬼「どう?」
善人「まったく、痛くありやせん」

幼鬼「そういえば、血も出てないよね」
助手「どうなってるんでしょうか」

善人「俺に言われても……」

幼鬼「ああもうっ! つめ責めは終わりっ」
善人「そうですか」

……

幼鬼「つぎはもっとつらいぞー! そろばん責めだ!」
善人「この洗濯板のようなとこに正座するんですね?」

幼鬼「そうそう。さて、石を抱いてもらおうか」
助手「これなら、あるいは……」

善人「……」

幼鬼「助手、500t積んだが、石が足りなくなった」
助手「もう、ありませんよ、どこかから借りてこないと」

善人「あの……」
幼鬼「だいじょうぶです、きっと罰して見せますから」

助手「……」
善人「……」

幼鬼「とはいうものの……そろばん責めもだめか」
助手「もっと苛烈なやつにしませんと」

幼鬼「重さではだめ」
助手「針も効果なし」

幼鬼「熱もだめだった……ならば」

…………

善人「……これは?」
幼鬼「水車です……苦しいよぉ」

助手「ふふふ、これなら」

善人「……」ざばん

幼鬼「と、ほんとうならここで引き上げるんだけど、念のために、30分ほど放置しよう」
助手「うわぁ、さすが鬼ですね」

助手「幼鬼様、水槽の中を見てください」
幼鬼「ん?」

助手「この罪人、口から空気が出続けてます、まるで呼吸しているかのような……」
幼鬼「……もう、なにがあっても驚かないよ」

30分後

善人「……」ざばぁ

幼鬼「……苦しかった?」
善人「いえ」

幼鬼「息ができてたって?」
善人「はい」

助手「なんという……」

幼鬼「肉体的な責めでは効果がないね」
助手「そのようですね」

幼鬼「なら、時間責めかな」

…………

善人「これはなんでしょうか」
幼鬼「時間庫です」

助手「内部の時間は、外界の数億倍で流れていきます」
善人「数億倍、ですか」

幼鬼「じゃあ、真っ暗闇で孤独な時間をすごしてください」
助手「ばいばーい」ばたん

幼鬼「半日たったけど、大丈夫かな」
助手「並みの魂なら蒸発してますね」

幼鬼「あけてみよう」

ばたん ぎいぃぃ……

善人「……あ、おひさしぶりです」

幼鬼「なんで平気なの?」
善人「いや、暗かったですよ?」

幼鬼「怖くはなかったの?」
善人「ええ」

幼鬼「……」
助手「……時間庫もダメ……と」

幼鬼「一般的な責めはみんなやっちゃったよ?」
助手「あとは、虫責め、飢餓責め、快楽責め……」

幼鬼「特殊な罪を犯した人向けだからね」
善人「何でもかまいません、どうか罰を」

幼鬼「って言うからねぇ」
助手「じゃあ、虫責めをしてみますか」

幼鬼「ああ、良いかもしれないね」
助手「やりますか」

幼鬼「それじゃあ、こっちへ来てください」

ざわざわ……
ごそごそ……
げよげよ……

善人「これは?」
幼鬼「あらゆる飢えた虫を閉じ込めた、蟲壷です。この中に入ってもらうよ」

助手「えぐさなら、地獄の拷問でも最上級です」

善人「わかりました」

幼鬼「軽く言うね……ムカデだよ?ハチだよ?毛虫だよ?リオックも、ヒヨケムシだっているんだよ?」
助手「もはや結果も見えている気がしますが……」

幼鬼「せっかくだから、払いのけられないように手足を縛って……」

ぎゅっ!

助手「それでは、壷の穴へ……ぽーんと」

幼鬼「どう?見える?」
助手「いえ、虫に埋もれて、どこにいるのか……」

幼鬼「あの手前の骨は違うよね?」
助手「あれは女性の骨ですから」

善人「あっはっはっは! こそばゆい! くすぐったい!」

幼鬼「あ、いた」
助手「虫がくっついてはいますけど、かじられる気配すらありませんね」

幼鬼「……」
助手「……」

善人「あっはっは! はっはっは!」

幼鬼「……時間の無駄だ」
助手「引き上げましょう」

善人「……おわりですか?」

幼鬼「……うーん『時間庫に入れたから、飢餓責めが効果ないのはわかってるし、精神も並じゃなく丈夫そうだし……』」
助手「……むーん『じゃあ、あとは快楽ですか?いやですよ私』」

善人「あの……」

幼鬼「『時間庫で平然としてる奴を、真っ赤なトウモロコシをつるした部屋に閉じ込めても、意味ないでしょ?』」
助手「『ううう、私、トウモロコシの拷問が大好きなのに……』」

善人「……」

幼鬼「『しかたないじゃん、くすぐったいのはガマンできないみたいだから、あとは快楽責めくらいだよ?』」
助手「ううう……『わかりましたよぉ……』」

幼鬼「それじゃあ、私の家にもどるよ」
善人「え、戻るんですか?」

助手「そうです」
善人「はあ、わかりました」

幼鬼「『ほら、結構な色男じゃない』」
助手「『そうですけど、私のあれ、見せるんですよね……』」

幼鬼「さて、こちらのベッドに寝てください」
善人「は、はぁ……」

幼鬼「……」シュル……
助手「……」パチン……プチ……

善人「幼鬼さん、助手さん……なにを……」

幼鬼「ふふふ……『おー、見てる見てるっ』」するっ
助手「ううう……『がんばれ……私っ』」ぱらりっ

善人「ななな……なにを」

幼鬼「本当なら、ゴーカンとかした人用の罰なんだけど」
助手「あなたがそれほど罰せられたいのなら」

善人「え……あ」

幼鬼「最後の最後の一滴まで搾り取って、血が噴き出すまで、絶対にやめないから……」
助手「地獄の執行人のプライドを甘く見ないでください」

善人「そ……それだけは……」

幼鬼「おや?反応が違うね」
助手「そうですね」

善人「お、俺には操を立てた相手がいるんです……だから……」

幼鬼「地獄に落ちたからには、選択肢なんてないんだよ?」
助手「『これこれ!こういう反応がほしかったの!………』」

善人「ひっ……」

幼鬼「『操の相手だって?目が釘付けじゃない』……ふふふ、私達のここで」くちっ
助手「『うう…見られてるよ……もう嫌ぁ……くすん』………搾り取ってア・ゲ・ル」くぱぁ

善人「やめ……」

しゅるしゅる……はらり

幼鬼「ふふふ、なんだかんだいって、ここはちゃんと反応……『げっ』」
助手「『お、おっきい……』」

善人「え?」

幼鬼「じょ……助手ちゃんから、先にどうぞ」
助手「いえいえ、幼鬼様からどうぞ」

幼鬼「『何言ってんの、こんなの入れたら裂けちゃうでしょ?』」
助手「『私だっていやですよ、こんなの入りません』」

幼鬼「『そんなこと言っても、ここまできたら、引き返せないよ』」
助手「『では、じゃんけんでは?』」

幼鬼「『するか、じゃーんけーん』」ぱー
助手「『じゃーんけん』」ぐー

善人「?」

幼鬼「勝ったー」
助手「くぅっ……」

幼鬼「それでは、助手ちゃん、がんばってね、レッツ騎乗位!」
助手「くっ……それでは罪人さん、覚悟してください…ふふふ、おいしそう……『ふえーん…こんなの入らないよ』」

善人「う・・・ぁ」
助手「くっ」ぬぷぷっ

幼鬼「おお、入った」

助手「はっん…おっき……ああん」

ずずっ…ぬぷんっ…ずずずっ…ぐぷんっ

助手「んっは…うあっ…あう…」
善人「くっ…きつ……い」

幼鬼「おーおー、罪人もやっと苦しそうな顔になってるね」

善人「うあ……」
助手「んっ…あんっ…あんっ…ああっ」

善人「くっ……でるっ」

 びゅるるっ どくどくんっ

助手「んっ……ふあああああっ」

幼鬼「あら、助手も果てちゃったか」

助手「ん、ふあ……」
善人「……」ぐいっ

ずっぷ…ぐっぷ……ずずっ………
助手「ひゃあああん、だめっああああっ」

幼鬼「え?」

幼鬼「ちょ、ちょっとまて、罪人!」

助手「イってるのっ……イってるのにぃっ…あああっ」
善人「ふんっ……ふっ…」

ずんっ…ずずっ…ずっく…ずっく……

善人「……っ!」
助手「ふあああっ…またでてるっ……ださえれるぅっ」

ずっぷ…ぱん…ぱんぱん!

幼鬼「おい、もう止め……」

助手「もうだめぇ、こわれりゃううっ……あ…ああああああああっ」

幼鬼「抜かずの35連発……」
助手「あ……ひ………ぴゅ」

幼鬼「人間のクセに、助手をここまで……」

善人「幼鬼さん」がしっ
幼鬼「は、放せっ」

善人「……幼鬼さん……すいません……もう、我慢が……」
幼鬼「操を立てた相手がいるんじゃないのかよ」

善人「もう、無理です……それに、これは罰なんでしょう?」
幼鬼「ひっ」

幼鬼「こ、こんなことしたら、オマエの罪状に婦女暴行と地獄の公務執行妨害がつくぞっ」

善人「望むところです、俺は罰していただきたいのですから」
幼鬼「そ、そんな」

みちっ……みちぃっ……

幼鬼「かはっ……息が……」
善人「助手さんよりきつい、ですね」

幼鬼「やめ……動かない……で」 
善人「いやです」

ずずずずっ………ぐぷんっ……ずぞぞっ……ぐりんっ

善人「6回で気絶……助手さんでさえ15回までは耐えたのに」
幼鬼「……うぇ」

善人「では、こっちに入れるかな」

つぃっ……ぬぷん

幼鬼「っ!……やああ……そこ、ちがっ……」
善人「違いませんよ、しっかりと絡み付いてきますし」

幼鬼「だめっ……だめぇっ」
善人「大丈夫、やわらかいです」

幼鬼「えう……たすけて……」
善人「何を言っているんですか、一滴残らず搾り取るんですよね? 俺、まだまだ出しますから……」

善人「ふっ……くっ」
幼鬼「…おしりっ…おしりに……だめぇっ……」

 びゅるるるっ びゅるっ

善人「ふう、ふんっ……」

 ずっく……ずっちゅ……

幼鬼「ふぁ……やめてぇ……」

善人「やめられませんよ……すごく熱くて…やわらかくて……それでいてしっかり締まって……」
幼鬼「そんなこと…いうなぁ………んっ…だめっ…いくっ…あああああああっ」

…………
………
……


善人「すみませんでした……」

幼鬼「……」ほっこり
助手「……」つやつや

幼鬼「どうしましょ」
助手「どうしましょうか」

善人「……」

幼鬼「思うさまイかされて、精気を搾りまくって……私達は、つやっつやなのに」
助手「罪人さんには、すこしの疲れも見えませんからねぇ」

善人「……」

幼鬼「これは、何かの加護があると考えるのが自然かもね」
助手「そうですね」

善人「加護……ですか?」

幼鬼「そう、ここまで丈夫で、私達を……その……」
助手「地獄の鬼に性技で勝つなんて、人間じゃあ無理ですもん」

善人「そういうものですか」

幼鬼「なにか、心当たりとかない?」
助手「頻繁にお参りに行ったとか、なんでもいいんですが」

善人「いえ、月参りくらいしかしませんでしたね」

幼鬼「月参りをするだけでも、それは感心だけど……」
助手「それだけじゃちょっと……えーと、生前のお仕事は……火消しさんですか」

善人「そうです」

幼鬼「火消しか」
助手「うーん、大火のときにお寺を守ったりした?」

善人「ええ、を組の頭でしたが、浅草寺と雷門を守れたのを、自慢にしていました」

幼鬼「げ」
助手「げげっ」

善人「なんです?」

幼鬼「もしかして、罪状の殺人って……」
善人「えーと、公家様を人質にとった逆徒を、を組の奴等を引き連れて、叩きのめしたんです」

助手「ああー」
善人「それで、ひっ捕らえた悪人を連れて殿様に直訴に行くとき、逆徒どもの残党の襲撃に遭いまして」

幼鬼「ふむ……罪状には…切るわ突くわの大立ち回りで、14人を殺害……」
助手「それでも最後には斬られて、お仲間もみんな殺されてしまった……とあります」

善人「……」

幼鬼「あんたさ、地獄に落ちるような人じゃないよ」
助手「そうですよ」

幼鬼「あんたのお仲間は、みんな極楽に行ってるよ」
助手「マジメに生きて、しっかりお仕事したんですから……こんなところにいる必要ないんですよ?」

善人「……」

幼鬼「それに、いろんな加護が、何重にも働いているから」
助手「私達では、あなたを罰することなんてできないんです」

善人「そんな……」

幼鬼「たしかに、あんたは人を殺したかもしれない」
助手「でも、その罪は、あなたの魂をこれっぽっちも汚していないんです」

善人「でも! 俺はたしかに人を!」

幼鬼「加護があるってことは神様が許してるってこと、そんでもって、私達、鬼も許してるんだから、何のやましいところがあるの?」
助手「そうですよ、気兼ねなく極楽でのんびりしてください」

善人「でも……」

幼鬼「あー、もう!仕事の邪魔だって言ってんの!助手っ!蜘蛛の糸に縛り付けて、極楽に送っちゃって!」
助手「わかりました」

ぐるぐる まきまき

善人「ちょっと、やめろ……俺は……」

幼鬼「じゃーねー」
助手「ふふ、罪人さん、ごちそうさまでした……」

善人「うわあああああぁぁぁぁ……」

びよよよよ~ん

幼鬼「すごい勢いで飛んでったね」
助手「そうですね、蜘蛛の糸の勢いを見ても、あの人はやっぱり極楽にいるべきだったんですよ」

幼鬼「それでも、自分の罪を償おうとし続けるんだろうね、律儀なやつ……」
助手「そうですね……やっぱり、将来の大天使様かもしれません」

幼鬼「彫り物しょった?」
助手「そういう天使様がいても、いいじゃありませんか」

幼鬼「あの罪人に殺された奴らは?」
助手「ほとんどが浪人だったみたいです、極楽と地獄へは半々かと」

幼鬼「そうか」
助手「それに、地獄に落ちても、こんな最下層まで来るような人たちじゃありません」

幼鬼「そっか、つまらんなー」
助手「懲らしめてやろうと思ってましたか?」

幼鬼「当然じゃない、あんな善い奴を殺したんだよ?もう、感覚を残したままミンチにしてやりたいくらい」
助手「そうですねぇ……あ……」

幼鬼「どうした?」
助手「あの罪人さんが言っていた、逆徒の親玉……悪徳商人が処刑されたようです、こちらに送られてきます」

幼鬼「え、本当?……罪状は?」
助手「罪状の巻物が長すぎて、……うわ、私欲値847、正義値0、近年まれに見る悪人ですっ!」

幼鬼「ほほう」
助手「おまけに、悪事のデパートです、悪いことなら何でもやっているのに、善いことはひとつも……」

幼鬼「ひとつも? 家族にはやさしいとかないわけ?」
助手「ええ、自分の娘も手篭めにするような輩です」

幼鬼「へえ……そりゃあ、手加減するわけにはいかないねぇ…残念だなぁ……くふふ……」
助手「まったくです……うふふ……」


end

3年ほど前に書いて放置してたモノを、この機会に投下。
枯れ木も山の賑わい、楽しんでいただけたら幸い。

それでは皆様、おやすみなさい

幼鬼「節分……だと?」

鬼だし、節分だし。
エロ注意。
乱暴な表現注意。

幼鬼「はぁ……」
助手「どうされました? 幼鬼様」

幼鬼「罪人が改心しないまま、この季節が来てしまったよ」
助手「この季節……ああ、節分ですか?」

幼鬼「やめて! 言わないでっ! いまいましい!」
助手「そんなに怒らないでください」

幼鬼「もう、ストレス発散しちゃる! ムチを!」
助手「はい、どうぞ」

ビチイイッ! バシイイッ!

悪徳商人「ぎゃああああっ!」

幼鬼「それそれそれ! おまえの罪を数えろ! うひひひひ!」
助手「待ってください幼鬼様。肉が削れて骨が見えちゃってますって!」

悪徳商人「ぶひ……えぶぅ」ピクピク

幼鬼「ったく、つまらん。蟲壺にでも放り込んでおけ」
助手「期間は?」

幼鬼「知るか! 骨になるまで毒虫どもにかじらせろ」
助手「あいあいさー!」

悪徳商人「やめてくれ……金なら……いくらでも払う……」

幼鬼「はい、公務員贈賄の容疑で罪状プラスね」
助手「この期に及んでまだ罪を重ねますか……」

悪徳商人「ワシを……ワシを誰だと……」

幼鬼「豚でしょ? もう、蟲壺も生ぬるい。コイツを蟲といっしょに鉄の処女に入れて、時間庫に閉じ込めよう!」
助手「あ、良いですね」

幼鬼「そう。ほらほら、痛くするからここにおとなしく入りなさい。くふふ」
助手「抵抗したら、罪状を足しますよ?」

悪徳商人「う、うるさい! チビに年増! ワシは江戸の問屋を牛耳る……」

幼鬼「チビ?」 ピクッ
助手「年増?」 ピククンッ

悪徳商人「今に見てろ! ワシは……ワシは……」

幼鬼「助手、侮辱罪追加ね」
助手「はいはい」サラサラ

悪徳商人「く……きさまら、この恨み、はらさておくべきか!」

幼鬼「はい鉄の処女到着! あなた、処女好きだったよねえ」
助手「借金のカタに奪った娘を、犯し壊すのが趣味でしたね」

悪徳商人「やめろ! 触るな!」

幼鬼「うるさい! 早く中に入れ!」ギュムギュム
助手「蟲もたっぷり……不死身の虫ですから、踏みつぶしても無駄ですよ?」 ゾワゾワ

悪徳商人「ぐわああ! 囓る! 喰われる!」

幼鬼「フタ閉めてっと」
助手「時間庫に入れますね」

悪徳商人「出せ! ここから出せ!」 ドンドン

幼鬼「うん。3日になったら出してあげる」
助手「それまで、蟲にかじられ続けてください」

悪徳商人「貴様ら! コイツを開けろ!」 ドンドン

幼鬼「はい、時間庫に……」
助手「閉じ込めたっ!」

ガチャン!

幼鬼「3日までかぁ……時間庫の中だと時間の進みが早いから……」
助手「今からだと罪人さんの主観時間で100万年ですね」

幼鬼「ちょっとは反省してくれれば良いんだけど……」
助手「そうじゃないと、私たち……」

幼鬼「はぁ……節分か」
助手「あの人の良心に賭けましょう」

2月3日 節分。

幼鬼「よし、開けるよ」
助手「反省してますように、反省してますように……!」

ガパンッ

ゾンビ悪徳商人「貴様ら、よくも……」 げちょげちょ

幼鬼「うっわあ……えぐい! 全身蟲にかじられて、ジューシーなゾンビになってる!」
助手「地の文が無くて、本当に良かったです!」

幼鬼「じのぶんって?」
助手「いえ、こちらの話」

ゾンビ悪徳商人「このワシを……このワシを……ゆるさん!」 げちょげちょ

幼鬼「きゃー!」
助手「ひゃー!」

ゾンビ悪徳商人「逃げるな! ……ん? 空が明るく……」

ぱああああぁぁ……

ゾンビ悪徳商人「こ、この光は!?」

善人「おや? 悪徳商人さんじゃねえか」

ゾンビ悪徳商人「そういう貴様は、を組の頭! なんだその格好は!」

善人「ええ、仏様から天界の仕事をいただきましてね。こんなきらびやかなの、俺には似合わないと思うんですが……そういう悪徳商人さんこそ、ひどいなりで……」

ゾンビ悪徳商人「ふん! ココの鬼に罰を受けているが、このくらいでワシはへこたれんぞ!」 げちょげちょ

善人「とは言っても、それだと全身かゆいだろ。それっ!」

悪徳商人「う……おっ!? 傷が治った!?」

善人「まあ、このくらいはな。それと、仏様から渡せと」

悪徳商人「なんだこの袋は? ……炒り豆?」じゃらっ

善人「節分だからな、鬼を追い払わねえといけないらしくって。そんじゃ、たしかに渡しましたよ」

しゅんっ!

悪徳商人「……消えた。なんじゃあいつ、下郎のくせに良いものを着て……ワシはボロだというのに」

幼鬼「うわ、善人のヤツが豆もって来ちゃったよ」 コソコソ

助手「善人様、ご立派になられて。でも、私はユーウツになってきました」 トボトボ

悪徳商人「貴様ら、見てたのか……」

幼鬼「まあね。その豆、その辺に捨てちゃいなよ」

助手「そうそう。私たちに投げつけたりせず……」

悪徳商人「なんだと?」

幼鬼「言うな! 助手のバカ!」

助手「す、すみません!」

悪徳商人「鬼……豆……節分……」

幼鬼「ほ、ほら、悪いこと言わないから、その袋よこしなさい」

助手「そーですよ。こっちに渡して……」

悪徳商人「まさか……試しにひとつぶ」 ポイッ……パチッ

幼鬼「ぐっ! きゃあああああっ!」

助手「よ、幼鬼様っ!」

悪徳商人「ほれっ」 ポイポイッ……パチッパチンッ

幼鬼「ひぐっ!? あああっ!」

助手「ぎゃあああぁぁ……いたい、痛いぃ!」

悪徳商人「やはり、そういうことか」 ニタァ

幼鬼「ううぅ、痛い。もうヤダぁ……」

助手「なんでこんなモノを……ううう」

悪徳商人「がっはっは! やはり、仏は救うべき者、罰すべき者をわかっておる。地獄の鬼に罰を与えるとはな」

幼鬼「く……豆をよこせ!」 シュバッ

助手「思い通りにはさせません!」 ババッ

悪徳商人「ほれほれっ」 ポイポイッ……ピシッパシッ

幼鬼「……ぐっきゃあああ!」 ジタバタ

助手「ひぎいいい!」 ゴロゴロ

悪徳商人「くっくっく……無様に鳴きおるわ。ほれ、鬼は外」 ビシビシッ

幼鬼「あ……が……」ピクピク

助手「も……だめ」 ちょろろ……

悪徳商人「おお、痛みで漏らしおったか……どれどれ」 じゅるるっ

幼鬼「やめろ……助手に手を出すな……」

助手「うそ、私の……飲んで……んああっ!?」

悪徳商人「まったく、うるさいわ!」 ザラッ……グニュッ

幼鬼「ひぎっ!? そ、そこに豆入れっ!? が……あああああっ!」 ビクビク

助手「お、女の子になんてことっ!」

悪徳商人「ぐふふ、おぼこの女陰に焼けた火箸を突っ込んだこともあるが、おまえの反応はそれ以上。いい気味だ」

幼鬼「ぐえ……げぇ……死ぬ……」 ピクピク

助手「幼鬼様っ! お気をたしかに……ひっ!?」

悪徳商人「おまえにも入れてやろう……ほうれ」 ズニュニュッ

助手「ぎああああっ! やめ……やめてえええ!」

悪徳商人「陸にあげられた魚のようだ。無様だぞ……さて」ボロンッ

助手「や……きたないぃ……」

悪徳商人「くっくっく、ワシのを見ておなごが浮かべる嫌悪。たまらんな」 グイッ

助手「やめ、まだ豆が……中に……」

悪徳商人「だから、かき回してやろうとな……そ……れっ」 ぬぷんっ

助手「ぎ……あああああっ!」 ビクン

悪徳商人「ほう、しっかり締めて、絡みついて……膣内で豆がごろついて……」 グリグリ

助手「やめ……いたい……ホントに痛いの……うううぅ」 ポロポロ

悪徳商人「おお涙か、おなごの涙は良い。生き返る」 ペロッ

助手「汚い……いや……」 ポロポロ

悪徳商人「そう言うわりには、しっかり締めて、上も下もぐちゃぐちゃに濡れているなっ!」 グチュンッ

助手「ぎ……あ……ぎゃあああああっ!」

悪徳商人「とんとご無沙汰だったからな……ぐふふ……」

助手「ま、まさか……ぎぃっ!?」

悪徳商人「ほらっ! 受け止めろ!」

助手「うそ……やっ! 出さないで!」

悪徳商人「くうっ!」 ビュルルルルッ!

助手「や……いやあああっ!」

ドクドク……トクン……トクン……

助手「ううぅ、ひどい……」

悪徳商人「くっくっく、年増のわりに、良いものもってるな」 ズルン

助手「あぎっ!?」

悪徳商人「暴れられても面倒だ。豆を詰め込んでやろう」 グイグイ

助手「ぎああああっ! やめ、とってえええ」

悪徳商人「自分で股をほじれば良いじゃないか、たかが豆だろうに」 ニヤニヤ

助手「そんな、無理……いたい……あ……」 カクン

悪徳商人「ほれ、どうした?」 グチョグチョ

助手「……」

悪徳商人「ほほう、白目を剥いて。鬼も痛みで失神するのか……なあ、幼鬼サマ?」

幼鬼「ひっ!」

悪徳商人「手下が犯されているのに、震えてだんまりとは、良くないだろ?」

幼鬼「や、やめろ! この豆とってくれ。本当に痛いんだってば!」

悪徳商人「ほれ、可愛がってやろう」 グイッ

幼鬼「こ、コラ! パンツ返せ!」

悪徳商人「くはは、良い眺めだ……じゅるっ」

幼鬼「くそ、なめんな……あっ……」

悪徳商人「嫌と言っても、ここは……ぐふふ……じゅるるっ」

幼鬼「ひああああっ!? うそ、なんでコイツ……ああああっ!」

悪徳商人「床の楽しみなら味わいつくしたからな……ほれっ」クリン

幼鬼「ふぁっ? それ、剥いちゃ……」

悪徳商人「おや? こんな所に豆がついてるな」ギリリッ

幼鬼「いぎっ!? ああああっ! 痛あっ!」

悪徳商人「おかしいなぁ、どう引っ張っても取れん」グリグリ

幼鬼「と、取れるわけ……」

悪徳商人「さっきは取ってくれと言ったからな。ワシも鬼ではない。とってやろう」

幼鬼「は……?」

悪徳商人「歯で噛み切れば、さすがに取れるだろ」ニタァ

幼鬼「うそだろ? やめ……」ガタガタ

悪徳商人「それ……んむちゅ」

幼鬼「あひっ」

悪徳商人「んじゅ……そらっ」ギリリ

幼鬼「や、やめえええ! 噛むな! 噛むなああああっ!」

悪徳商人「んぐふふふ」ギリリリッ

幼鬼「ちぎれるっ! ちぎれ……わたしの……あ……」ガクン

ちょろろろろ……

悪徳商人「おーおー、こっちも漏らしおった。地獄の鬼といっても、所詮はおなごじゃの……よっと」ぬぷんっ

幼鬼「……」

悪徳商人「ほほう、身体が小さいから、よく締まって、熱くて濡れて、いい穴だ」ユッサユッサ グッチュグッチュ

幼鬼「あ……が……」ガクン ガクン

悪徳商人「中で大豆がこすれる感触がたまらんな……ぐふふ」 グッチョグチョ ゴリリン

幼鬼「ぐえ……あぐぅ……」

悪徳商人「また……出るぞっ!」

幼鬼「ふぇ……何か入って……あっ! やめ! 出すなっ!」

悪徳商人「たっぷり孕め! ぐっふぅ!」ビュルルルルッ!

幼鬼「や……やぁぁ……」

………………
…………
……

……
…………
………………

悪徳商人「ふーっ ふーっ! 存分出したな……ぐふふ」

幼鬼「げぁ……」ピクピク
助手「もうダメ」ガクガク

悪徳商人「反撃されてもかなわんからな。たっぷり胎につめこんで……おや?」

幼鬼「や、やっとなくなった」
助手「この人、お豆が多すぎます」

悪徳商人「な、ないっ! 袋の豆が無くなってしまった……さっきまで、あんなにあったのに」

幼鬼「ふぅ……くたびれた」スクッ
助手「良くも好き放題、やってくれましたね」

悪徳商人「く……バカなっ! これは仏がワシにくださった……」

幼鬼「だから、それも罰なの」
助手「私たちには出来ない処罰の仕方ですけどね」

悪徳商人「な……なんだと? おまえら、詰め込んだ豆はどこにやった!」

幼鬼「もう消えたよ。さすがにあなたの良くない心は強烈だったけどね」
助手「でも、もう浄化されました」

悪徳商人「来るな! 寄るなぁっ!」

幼鬼「鬼は外、福は内と言うでしょ」
助手「生きてた頃あなたがしてきたこと、思い出してください」

悪徳商人「なに? ……あ」

幼鬼「悪い心のバリアが無くなっただけ。罪の意識は直に感じるでしょ?」
助手「苦しいでしょうけど、ガマンしてください」

悪徳商人「あ……あああああ!」

幼鬼「あなたは悪い心を豆にして外に投げ出しちゃった」
助手「後には良い心が残るけど、記憶も罪もそのままです」

悪徳商人「ワシは……ワシは、なんということを……」

幼鬼「泣いてもムダ。あなたは小さな女の子を、借金のカタに両親の目の前で犯した。罪も無い人を落とし入れ、私腹を肥やしてきた」
助手「自分の娘でさえ、金のための道具にしか見てませんでしたね」

悪徳商人「そうだ、娘は? ワシの娘はどうなった!?」

幼鬼「遊郭に売られたよ。さんざんに客を取らされて、あんたに恨みのある客から病気をうつされて……」
助手「ええっ? ……そうそう、遊郭に売られました」

悪徳商人「そんな……娘は、娘は極楽に行けるんでしょうか?」

幼鬼「さてね。わたしの知ったことじゃない」
助手「残念です。もしあなたが節分前に罪を悔いてくだされば、私たちにも出来ることはあったのですが……」

悪徳商人「そんな……そんな……ああああああ!」

………………
…………
……

……
…………
………………

商人「ううぅ、ワシは……ワシはなんてことをしてきたんだ……うううぅ……」

幼鬼「ふむ。罪を悔いたね」
助手「悔いましたね」

商人「……え? なんとおっしゃいました?」

幼鬼「あなたは、もう十分に罪を悔いた」
助手「まっさらな良心に、あなたの罪は重すぎます」

商人「そうだ……罪だ。お願いします。ワシを罰してください」

幼鬼「はぁ、悪い心を出し切ったあんたを、どう罰しろって言うのさ」
助手「まったくの荒療治でしたけどね」

商人「……は?」

幼鬼「ひねくれた心のあなたには、どんな地獄の痛みも罰にはならない」
助手「でも、清い心のあなたには、極楽の雲の寝床も、この上ない悔悟の座となるでしょう」

商人「そんな、ワシの罪は? 罰はどうなるんですか!?」

幼鬼「そうやって悔いるのが罰。極楽で悩み続けろってことさ。はい、蜘蛛の糸登場!」
助手「せっかくだから首に結びつけて……っと」

商人「ぐええええっ!?」

幼鬼「あ、ひどい結び方……ま、いいか! じゃーね!」
助手「さようなら! 女の子は大切に扱うんですよー」

びよよよよーん

商人「うわあぁぁ……」

幼鬼「おー、飛んでった。飛んでった」ノシ
助手「お豆を使うと、さすがに早く飛んでいきますね」ノシ

幼鬼「悪い心を出し切っちゃうからね」
助手「あの人の良心が、罪に耐えられれば良いのですが……」

幼鬼「もとから良い心はそんなに無いんだけどね」
助手「数値に変化が……道徳値15 正義値12。私欲値は125です」

幼鬼「……」
助手「……」

幼鬼「ま、及第点だね」
助手「左様ですか」

幼鬼「それにしてもアイツめ、好きかってしやがって」

助手「ええ、まだヒリヒリします」

幼鬼「いくらわたしたちでも、あんな量の悪心は、ちょっとキツいよね」

助手「まあ、期日までに罪人を改心させられなかった私たちへのペナルティでもあるわけですし……」

幼鬼「ペナルティね、仏様もひどい方法をお考えになる……あれ? 連絡だね」

助手「なになに? ああ、罪人に嘘をついた件で、仏様からおしかりです」

幼鬼「ああ、あいつの娘についてか」

助手「最後の一押し、良い薬になりました」

幼鬼「だってあいつの娘、真面目に働いて商売を再開してるからなあ……」

助手「悪どい商売をしていたころより、むしろ儲かっているくらいですから、経営者として素質があったんでしょうね」

幼鬼「遊郭に売られたってのは、さすがに効いたね」

助手「嘘も方便と言いますからね」

幼鬼「ともかく、この一件は片付いた!」

助手「ええ、お疲れ様でした」

幼鬼「待ちに待ったお休みだ!」

助手「私は帰省しようかと……幼鬼さまは?」

幼鬼「うーん、現世に行こうかな」

助手「え……今は節分のまっただ中ですよ?」

幼鬼「だからいいんじゃない。人間たちと遊んでくるよ」

助手「遊ぶって……もう、ひどいコトしちゃダメですよ?」

幼鬼「わかってるって……じゃあね、良い休暇を」

助手「はい、良い休暇をお過ごしください。それではっ!」 ひゅーん

幼鬼「……さすがに早いなぁ、わたしもそろそろ行こ」



幼鬼「今年は……どんな人の所に行こうかな」



end

鬼は外、福は内。
罪を悔いる以上の罰は無いと、昔のえらい人は言っていました。
それでは皆さま、おやすみなさい。

幼鬼の休暇。

幼鬼「オニはそとっ♪」 @vip

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