P「病室、きっと夕暮れ」 (103)
P「ん……ここは?」
小鳥「プロデューサーさん! 気がつきましたか!」
P「小鳥さん? ここは……?」
小鳥「ここは病室です。なにがあったか覚えていないんですか?」
P「いや、たしか遊園地にいて……」
小鳥「そうです。遊園地でのステージを下見している最中にセットが倒れてきて……」
P「そうだ、俺はその下敷きに……」
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小鳥「思い出しましたか。三日も寝たままだったので心配したんですよ」
P「三日も!? 仕事はどうなってますか!?」
小鳥「心配しなくても、社長と律子さんがフォローしてくれていますよ」
P「はぁ……よかった……」
小鳥「だいたい、仕事をしすぎなんですよプロデューサーさんは!」
P「すみません……逆に怒られるとは」
小鳥「その頑張りもいいところですけど、無理はしすぎないでくださいね?」
P「肝に銘じます」
小鳥「よろしい♪ ではリンゴをどうぞ!」
P「っと……おなか一杯になったら眠くなってきたな……」
小鳥「無理せず寝ても大丈夫ですよ」
P「すみません……」
小鳥「体力の回復を優先してください。そうしないと体がもちませんよ?」
P「へっ?」
小鳥「事務所のほうにも連絡しましたから、私以外の子たちもお見舞いに来てくれると思います」
P「ああ……なるほど」
小鳥「みんな心配していましたから、元気に相手をしてあげてくださいね」
P「わかりました」
小鳥「特に貴音ちゃんは、すごく心配してましたから」
P「そうですか……悪いことしたな」
小鳥「あと……その、プロデューサーさん」
P「なんでしょう」
小鳥「……気を落とさないでくださいね」
P「……ええ、ありがとうございます」
P「…………ん。寝すぎたかな」
「……起きましたか、あなた様」
P「……来てくれたのか、ありがとな」
貴音「ええ、あなた様が目を覚ましたと聞いて、いてもたってもいられなくなりました」
P「そうか……心配かけたみたいだな、すまん」
貴音「謝ることはありませんよ」
P「じゃあ……ありがとうな、来てくれて」
貴音「ところで、あの日のことは覚えているのですか?」
P「ああ、ぼんやりとだけどな」
貴音「そうですか。あの事故の前のこともですか?」
P「……ああ、なんとなくな」
貴音「……そうですか」
貴音「あなた様とはじめて回った遊園地……たくさんの驚きがありました」
P→765、モバP→346、グリP→シアター
やないんか?(素朴な疑問)
P「そうだったな」
貴音「こーひぃかっぷなるものは、もうしばらくは遠慮したいところですが」
P「はは、さすがに回しすぎたか」
貴音「あんなに回るものだとは知らず……恥ずかしい姿を見せてしまいました」
P「あれは貴音が回しすぎたんだろう」
貴音「あ、あれは! あなた様のほうが面白がって回していましたよ!」
P「まぁまぁ、そうムキになるなよ」
貴音「あなた様はいけずです……」
P「いけずで結構。で、悪いんだけど棚の上にある花瓶の水を換えてくれないか」
貴音「棚の上……ですか」
P「ん、どうした?」
貴音「あなた様、申し訳ないのですが先程のれっすんで腰を痛めてしまい……高い所にあるものをとるのは難しそうです」
P「そうか……大丈夫なのか? 腰は」
貴音「安静にしていれば大丈夫、とのことです」
P「わかった、無理はするなよ」
貴音「ありがとうございます、あなた様」
P「じゃあ、リンゴをむいてくれないか」
貴音「できました」
P「じゃあ、あーんしてくれ」
貴音「あ、あーん、ですか!?」
P「病人だしさ、これくらいは甘えてもいいかなって」
貴音「少し恥ずかしいですが……わかりました」
P「よっしゃ!」
貴音「では、あーん……」
P「あーん。ん、うまいなぁ」
貴音「ところであなた様」
P「ん?」
貴音「あの時の約束は覚えていますか?」
P「あの時……?」
貴音「あの、満月の日に言っていただけた言葉は、覚えていらっしゃいますか?」
P「ああ……覚えているよ」
貴音「とっぷあいどるになれたら……」
P「貴音の気持ちに応える」
貴音「…………ええ」
P「そう、貴音に言ったな」
P「覚えてるよ、もちろん」
貴音「おぼえていらっしゃいましたか」
P「もちろんだ。忘れるわけはない」
貴音「良かったです」
P「良かった、か」
貴音「もちろんです」
P「そうか、それなら……いいんだ」
P「……おっと!」
ガチャン!
貴音「あなた様!? 大丈夫ですか!?」
P「ああ、ちょっと不注意だっただけさ」
貴音「ああ、こーひぃが床に……」
P「申し訳ない……ふいてくれると助かるよ」
貴音「ふふっ、これくらいのことはいたしますよ」
P「すまないなぁ……こんな年下の世話になるのは申し訳ない気もするよ」
貴音「たまにはよいと思いますよ?」
貴音「さて……ではそろそろ日も落ちてきましたね」
P「ん? そうか、もうそんな時間だな」
貴音「夕日が差し込み、遠くでからすも飛んでいます」
P「そうみたいだな。じゃあ帰ってしまう前に、ちょっといいか」
貴音「なんでしょう?」
P「お前に謝らなくちゃいけないことがある」
P「ごめんな、俺はもう目が見えないから、お前のプロデュースはできそうにないよ」
貴音「いいえ、謝ることはありません……わかっていましたから」
P「そうか、そりゃ……そうだよな」
貴音「それより、わたくしの方からもあなた様に謝らねばいけないことがあります」
P「なんだ?」
貴音?「だましてごめんね、大好きだったよ」
ナイフで胸を刺された。激しい痛みとともに動機が早まり、流れる血は止まらない。
P「ぐぅっ……まさかいきなりとはな……」
貴音?「もうこうするしかないでしょ?」
P「……そっか、そこまで好きでいてくれたのか」
P「真美」
真美「……兄ちゃん、やっぱ気づいてたんだね」
P「当たり前だろ……どれだけ……お前たちのプロデューサーをしていたと思ってんだ」
P「真美のモノマネか本人かなんて、わかるに……きまってるさ」
真美「そっか……ありがとね」
真美「ほんとうに、大好きだよ」
P「ああ……なんとなく気づいてたよ」
真美「兄ちゃんとお姫ちんが付き合ってるってウワサを聞いてからも、ずっと」
真美「だから、確かめたかったんだ。だましてごめんね」
P「いや、いいさ……」
真美「お姫ちんの遊園地デート、楽しかったよね」
P「ああ……楽し……かった」
真美「そっかぁ。真美も、兄ちゃんと遊園地デートしたかったなー……」
真美「でももう、兄ちゃんは真美のものにならないってわかっちゃったから」
……もう、意識がもたない。
真美「でも、最後だからこれくらい……いいよね」
小さな唇と舌が俺の口内を激しく貪った。
それは、寂しさ、愛しさ、憎しみがないまぜになった濃いもので、
真美「好きだから、ちかたなかったんだ。ごめんね」
そして二回目の刺突を受け、俺は――――
終
読んでくれてありがとうございます!
過去作
美穂「私にとってのアイドル」
モバP「まほうのメガネ」
oh...
いやすまん、盲目トリックありきで作ったのでなんか中途半端になってしまった。
あと765プロは意外と苦労した……設定をさかのぼるのにも時間かかったし。
ネタ発案から、だいたい3時間くらいかかっただろうか。
おつ!
>>67
荒らしがひどかったのに見てくれてありがとう。
次はもっと明るいやつを書くよ!!
おつおつ
あとスレタイに765なんて付ける必要ないから気にするなよ
付けたら付けたで荒らしてくるぞ
>>69
読んでくれてありがとう。
>>71
ありがとう!不安になって確認してしまったw
荒らし耐性が低いからこういうの言ってもらえると精神的に助かる
おつー
災難やったな……
>>74
見てくれてありがとう。
ええんや。見てくれる人がいる、それだけでプライスレスだから。
おつ
765なんて絶対つけんなー
>>76
OK! つけへんで!
衝撃的なオチだが面白かった
乙
>>78
見てくれてありがとう。
思いついたらやってみたくなってしまった。
いま思うと、三作目にしてはじめてちゃんとオトした気がする。
HTML化出してきます~
荒らしに負けず乙
この後貴音が真美刺して、亜美が貴音刺して…
長編かと思ったら短かったぜくそったれぇ!
>>81
見てくれてありがとうやで。
実は心中エンドも考えてた(ボソッ
>>82
見てくれてありがとうやで
長編がんばって書いてみたいとは思ってる!
そいじゃ落ちます。見てくれてありがとうございました。
荒らしに負けずに見てくれた人ほんとにありがとうございます。
荒らしのひとは世知辛い世の中かもしれんけど、腐らず明日もがんばるんやで!!
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira100987.png
[ゴンベッサ・先原直樹]
ネット上でゴンベッサと呼ばれている、都道府県ssの後書き「で、無視...と。」の作者。
2013年に人気ss「涼宮ハルヒの微笑」の作者は自分であると自称し、物議を呼んだ。
詳しくは「ゴンベッサ」で検索
1990年3月30日生 岡山県津山市出身 血液型B型
実家の住所 岡山県津山市大田277-1 電話番号0868-27-1823
騒動から二年以上経った現在も自分のヲチスレに粘着し、監視を続けていることが判明。
【都道府県SS】ゴンベッサ総合★8【先原直樹】→ http://goo.gl/ER3pu5
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