【咲‐saki‐】サキ「レイヴンになりたい」【AC】 (34)

・咲キャラでACパロをしてみるスレです。
・筆者は咲×ACでSSを書くのは初めてです。
・後々残酷描写やR-15くらいの描写はあるかもしれません。R-18まで行くかもしれません。R-15描写さえないかもしれません。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1456927782

かつて『大破壊』と呼ばれる最終戦争が起きた。
文明社会も自然環境もまとめて滅ぼして余りある超兵器の激突に、地球全土が甚大な被害を被り、
僅かに生き延びた人々は、その生活圏を地下に移すことを余儀なくされた。

国籍も人種も意味を成さなくなった暗い暗い地の底の営みの中で、それでも争いはなくならなかった。
国家に変わって台頭した企業という存在が、地底世界の管理・運営を巡って対立。
最初は対話や圧力によってのみ行われていた駆け引きが、ある存在の登場を境にその様相を一変させる。

地下世界の拡大に貢献してきたMT(マッスル・トレーサー)を兵器として改良・発展させた、汎用機動兵器、AC(アーマード・コア)。
そして、ACを自在に操る力を持つ存在、レイヴン。

何者にも縛られず、ただ報酬によってのみ戦場を駆け抜ける彼らを主役に、過去幾度もの戦いが勃発し、収められてきた。

そして、今また……。

○ ??? - 廃墟


キュインッキュインッキュインッキュインッキュインッ

サキ(この警告音、何度聞いても慣れない……)

サキ(っと、いけない、集中集中)

サキ(なんとかここに誘い込むことまでは出来た……)

サキ(けどまだもうちょっと……この先の開けた場所で勝負をかける!)
> 引き撃ち(RF(ライフル))
シャアアアアッ
ガウンッ! ガウンッ!

???「……」
> BD(前進) > EVADE!!!
ギュイイーーンッ

サキ「く……!」

サキ(ほとんど真っ直ぐ前進しながら、最小限の動きでかわしてくるなんて……)

サキ(やっぱり、凄い……!)

サキ(――っと、ここを曲がって……もうちょっと……!)
> 小ジャンプ(後退)
シュインッ! シュインッ!

ガクンッ!

サキ「あっ!?」

サキ(しまった! 障害物……!?)

???「……」

サキ(っでも、この角度なら……!)

サキ「行け……ッ!」
> RF
ガウンッ! ガウンッ! ガウンッ!

???「……」
> 小ジャンプ(回避)
シュインッ! シュインッ!

サキ「!?」

サキ(後退気味に切り返した……!)

サキ(このまま退くようなら深追いせず体勢を立て直す。まだ向かってくるなら……)

???「……」
> OB(オーバードブースト)
キュイーーーー……

サキ「あ!?」

サキ(ここでOB……!? ……!! 仕掛けてくるならいっそ……!)

???「……」
> OB(前進)+LS(レーザーソード)
ドウッ!!!

サキ(迎え撃つッ!!!)
> LS


ブンッ!!
ブンッ!!

ジッ!!!
ザギャアアアッ!!!


???「……」
> HIT!!!
AP 1232 → 1098

サキ「あぁ……」
> HIT!!!
AP 523 → 0
バヂッ……バヂジヂッ……
ドガアアアアンッ

○ レイヴンズ・アーク - シミュレータールーム


COM《システム カイジョ》

サキ「ふぅ……」つ ピッ

COM《仮想戦闘システム解除。ACシミュレーターを終了します。お疲れ様でした》

サキ「うん……」

サキ(って返事する必要ないんだ)

サキ「……」

サキ(前よりは戦えた……と思う)

サキ(けど、最後あそこを勝負どころに選んだのは失敗だったかなぁ)

サキ(そもそも、AP20%スタートとか弾数制限とか、いくつもハンデくれてるから出来るような作戦を組むのも考え物だと思うし……)

ガチャッ

サキ「はぁ……」

ユウキ「サキちゃん、おつかれー。ほれ」つ スポドリ

サキ「あ、ありがとうユウキちゃん」

サキ「……」チュー

ユウキ「……なんか凹んでるな少女よ」チュー

サキ「ん……」

ユウキ「そうだ。良かったらこれから、今日の復習がてら、いつものとこで夕食でもどうだ?」

サキ「うん。いいよ」

サキ「あ、でも私、今はお酒は……」

ユウキ「わかってるわかってる。今度の試験に向けて禁酒とはいい心がけだじぇ」

ユウキ「じゃ、ちょうどいい時間だし、早速行こうか」

サキ「うん」

○ バー・テックス


アーダコーダアーデモナイコーデモナイ


ユウキ「……よしっと、とりあえず今日の気になったところはこのくらいかな」

サキ「うん……」

サキ(やんわりとだけど、最後の戦術はやっぱり叱られちゃったな……)

サキ(使うつもりのなかったOBを使わせた……らしいことは褒められたけど、)

サキ(褒められるだけのことをしたって実感がわかないよ……)

ユウキ「ちょいとサキちゃん、全然食べてないじゃないか、冷めちゃってないか?」モグモグ

サキ「ん、大丈夫だよ」モグモグ

サキ「うん、美味しい」

サキ「改めてだけど、ここのお店の料理って本当に美味しいね」

ユウキ「あのリュウモンブチがアソシエーションと提携して運営してる、レイヴンと同伴者しか入れない店だからなー」

ユウキ「安い、早い、タコスが旨いと三拍子揃った理想の店だじぇ」モグモグ

サキ「そ、そうだね」モグモグ

女性「あれー? ユーキじゃん」

ユウキ「……? ああ、アワイちゃんか」

サキ(え? こ、この人って……)

アワイ「久しぶりー。元気だった?」

ユウキ「まぁまぁだじぇ。アワイちゃんこそ、昨日はお疲れ様」

アワイ「ん、ありがと」

アワイ「ってか相変わらずタコス食べてんだ。飽きないの?」

ユウキ「微塵も」モグモグ

アワイ「うへー」

アワイ「……ところでこの子は?」

ユウキ「私の友達のサキちゃんだじぇ」

ユウキ「レイヴンになりたいってんで色々教えてあげてるんだ」

サキ「さ、サキです」ペコ

アワイ「へー。レイヴン志してるなら私のことわかるかな? 私はアワイ。”あの”アワイよ。よろしく、サキ」

サキ「は、はい、もちろん知ってます、一目でわかりました。よろしくお願いします」

アワイ「にしてもユーキの弟子かー。ユーキもそういう時期になったのねえ」ウンウン

ユウキ「まぁ、一応な」

ユウキ「相手がサキちゃんじゃなかったら、指南役なんてまだ引き受けなかったと思うけど」モグモグ

アワイ「ふむ」ジーー

サキ「……?」

アワイ「ふーん……」ジーーーー

サキ「あ、あの、何か……」

アワイ「君さー、もしかしてテルーとなんか関係ある?」

サキ「!?」

ユウキ「?」モグモグ

アワイ「……」ニッ

サキ「ど、どうしてアリーナのチャンピオンと私が……」

アワイ「いや、いーや。問い詰めても教えてくれなそーだし」

サキ「……」

アワイ「でーもー。ちょっといいこと思いついちゃった」

サキ「え?」

アワイ「それじゃ私もう帰るとこだから。またね、二人とも」

アワイ「なれるといいね、レイヴンに」ヒラヒラ

サキ「あ、ありがとうございます……」

ユウキ「じゃあなー」ヒラヒラ

サキ「……」

ユウキ「なーんか企んでるみたいだったな」モグモグ

サキ「うん……。っていうか、ユウキちゃん、アワイさんと知り合いだったんだね」

ユウキ「まぁな。アワイちゃんは、私の最終試験の相方だったんだじぇ」

サキ「えっ!? そうだったの!?」

ユウキ「ああ。別に隠してたわけじゃないんだけどな」

サキ「びっくりだよ……」

ユウキ「…………最終試験か……」

サキ「え?」

ユウキ「いや……そういえば、サキちゃんがレイヴンになりたい理由、ちゃんと聞いてなかったなって思ってな」

サキ「え? それは最初に……」

ユウキ「建前の話じゃないじぇ。……気付いてないと思ったか?」

サキ「……」

ユウキ「ま、私は詮索する趣味はないから、話したくなったら話してくれればいいけどなー」

ユウキ「ほらほら、とっとと食べようじぇ。本格的に冷めちゃうぞ」モグモグ

サキ「……うん」

○ ナガノブロック - アパートサンカンツ - サキの部屋


サキ「ふー……」つ 髪フキフキ

サキ「……」 > ベッド バフッ


アワイ「君さー、もしかしてテルーとなんか関係ある?」


サキ(IHアリーナランクAのレイヴンの一人、アワイさん)

サキ(お姉ちゃんの後継者って言われてる人……)

サキ「はぁ……」ゴロン

サキ「……」つ 携帯端末 ピッ

サキ「…………あれ?」つ 携帯端末 ピッピッ

サキ「……………………あ、ここか」つ 携帯端末 ピッピッピッピッ

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咲「……」つ 携帯端末ピッ


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サキ「……お姉ちゃん……」

サキ「…………」

サキ「……駄目だ、今日の録画見て復習しようと思ってたのに、集中出来そうもないよ……」

サキ「今日はもう寝ちゃおうかな……」

サキ「……でもやっぱり……」

サキ「…………」

サキ「…………」ウト…

サキ「…………」

サキ「……」スー…スー…

――数日後。



○ レイヴンズ・アーク - サキのガレージ(仮)


ユウキ「これがサキちゃんのACか。キヨスミのスタンダードモデルだな」

サキ「うん。やっぱりこれがいいかなって」

ユウキ「うむ。大手四社のスタンダードモデルの中で最も標準的な性能を備える、初心者に扱いやすい、いいアセンブリだじぇ」

ユウキ「誰かに言わせれば、無難すぎてつまらないらしいけどな」

ユウキ「よし、そんじゃ早速、実際にACを動かしてみようか」

サキ「うん……」

ユウキ「そう緊張することはないじぇ。基本は今まで使ってたデジタルACシミュレーターと同じだ」

ユウキ「いや基本どころか、機体のレスポンスから振動、熱、衝撃等々肌で感じる感触とか、本当によく再現してたんだなって感心すると思うじぇ」

ユウキ「決定的に違うのは、コアが被弾すれば自分にも被害が及ぶこと。最悪どうなるかは……まぁMT経験が長いサキちゃんには言わずもがな、か」

サキ「ん……」

ユウキ「本当ならもっと早くから本物のACに乗せてやりたかったんだが、規則ってのは面倒なもんだじぇ」

ユウキ「最終試験一週間前に支給される自分のACでないと、テストルームで乗ることも許されないなんてな」

サキ「しょうがないよ」

ユウキ「そうだな、愚痴愚痴言っててもしょうがない。さぁ練習だ。まずは基本動作の確認から」

ユウキ「そうそう、最後に一回軽く手合わせもする予定だからそのつもりで」

ユウキ「メールで伝えた通り、私の都合でサキちゃんの練習に付き合えるのはこれが最後になるから、今日はかなり過密になると思うけど、ついて来て欲しいじぇ」

サキ「うん!」

○ バー・テックス


ユウキ「うまー」モグモグ

サキ「うん」モグモグ

ユウキ「いやー、しかし今日はサキちゃんのMT時代の十分な実戦経験が生きたって感じがしたな」

サキ「そう?」

ユウキ「うむ。実際のACに乗っていきなりあれだけ思い切った動きが出来るのは大したもんだじぇ」

ユウキ「やっぱり本物とシミュレーターじゃ、緊張感が段違いだからな。私が最初本物に乗ったときはああは出来なかった」

ユウキ「でも、本物に乗ってみて、シミュレーターの再現度も凄かったのはわかっただろ?」

サキ「うん、驚いたよ」

アワイ「あれ、また会った」

ユウキ「おー、アワイちゃん」

アワイ「やっほー二人とも。一緒していい?」

ユウキ「サキちゃん?」

サキ「私は大丈夫です」

アワイ「へへー。じゃーサキの隣いただきー」

サキ「わわ」

サキ(ち、近い、近いよアワイさん……)

ウェイトレス「どうぞ」つ 水

アワイ「ありがと。注文はいつもので」

ウェイトレス「かしこまりました。少々お待ちくださいませ」

アワイ「で? 何の話してたの?」

ユウキ「今日サキちゃんのACが支給されたんで早速乗せてみたんだ。それで、サキちゃんはやっぱり筋がいいって話をな」

アワイ「なーる。流石チャンピオンの……っと、関係ないんだったね、ごめんごめん」

サキ「……」

ユウキ「アワイちゃん」

アワイ「まぁまぁ。で、サキはどこの選んだの? 何て名前?」

サキ「あ、キヨスミのスタンダードモデルです。名前はまだ……」

アワイ「なーんだつまんないの。てかホントに無難なの選んだね。やっぱりユウキの薦めで?」

ユウキ「100%自分で選ばせたじぇ」モグモグ

アワイ「自主性や感性を尊重ってやつ? 私だったら絶対シライトダイのアタックモデル薦めたけどなー」

ユウキ「言うと思った。サキちゃんにあれは合わないじぇ」

アワイ「なんでわかんのよー」

ユウキ「私がどれだけサキちゃんを見て来たと思ってるんだ」

アワイ「むー」

ウェイトレス「お待たせしましたー」

アワイ「ありがと。いただきまーす」

ウェイトレス「ごゆっくりどうぞー」

アワイ「んーー。うまうま」モグモグ

サキ「ちなみにユウキちゃん……とアワイさんは、最初はどのACを選んだんですか?」

ユウキ「私はキヨスミのスタンダードモデル。サキちゃんのとほとんど同じだじぇ」

アワイ「私はシライトダイのアタックモデルね。試験での私の活躍見せてあげたかったわー」

サキ「……さっきも出てましたけど、シライトダイのアタックモデルって、あの?」

ユウキ「そう。あのシライトダイのアタックモデル」

アワイ「何よ二人して」

ユウキ「この反応が正しいじぇ。あれを選ぶだけでも変人なのに、使いこなしてバッチリ戦果上げるとかもう変態だじぇ」

アワイ「ちょっと、それ女の子に言う台詞? 失礼しちゃうわー」

サキ「でも、アワイさんは本当に凄いですよね。歴代最速でAランクに上がっただなんて」

アワイ「ふふーん、まぁね」

アワイ「ちなみに私の前の最速は知ってる? あ、ユーキには聞いてないから黙っててよ」

ユウキ「まったく……」

サキ「それは…………チャンピオン、です」

アワイ「んんー? チャンピオンって誰のことかな? のどっち?」

サキ「そ、そっちじゃなくて……テルさん、です」

アワイ「テルさんなんて、他人行儀な」

サキ「…………」

ユウキ「アワイちゃん、そーいうのは感心しないじぇ」

アワイ「何よユーキ。てかユーキはなんか知ってんの? このこと」

ユウキ「いや何も」

アワイ「ふーん」

サキ「……」

ユウキ「……っとまずい。私そろそろ帰らないと」

サキ「あ、そうだったね」

ユウキ「アワイちゃん、サキちゃんのことよろしくお願いしていいか?」

ユウキ「でないと、サキちゃんも私と一緒に帰らないといけないんだじぇ」

アワイ「わかってるわかってる。いいよ、任せなさい」

ユウキ「あー……それとサキちゃん、この後なんかあったらすぐに逃げて、私に知らせるんだじぇ」

サキ「……? う、うん?」

アワイ「大丈夫よ、私が付いてるんだから」

ユウキ「だから言ってるんだじぇ」

サキ「え……?」

アワイ「失礼しちゃうわー」

ユウキ「よく言うじぇ白々しい……。まー、サキちゃん今は禁酒中だから大丈夫だとは思うけど」

アワイ「えー、そーなの?」

サキ「はい。最終試験前なので、当日まで気を引き締める意味でもと」

アワイ「うーわ、かったー」

ユウキ「アワイちゃんは少しはサキちゃんのこういうところを見習うべきだじぇ」

アワイ「ないわね」

ユウキ「っと――そんじゃまたな二人とも。サキちゃん、試験合格を祈ってるじぇ」

サキ「うん。合格したら一番に知らせるから」

ユウキ「おう」ヒラヒラ

アワイ「じゃーね」ヒラヒラ

サキ「……」

アワイ「ユーキ、明日から任務なんだ?」

サキ「……」

アワイ「ふふ……なんだわかってるじゃん」

アワイ「公の場で任務の話はご法度ってレイヴンの大原則」

サキ「さぁ、なんのことでしょう」

アワイ「生意気」

ズイ

サキ「え」

アワイ「ねぇ。さっきのユーキの口ぶりだと、もう試験までの間ユーキの指導は受けられないんでしょ?」

サキ「さ、さぁ……」

サキ(か、顔が近いよ……)ドキドキ

アワイ「私が見てあげよっか?」

サキ「…………え?」

アワイ「ほら、私さっき、ユーキにサキのことよろしくって言われたしさ」

サキ「そ、それはこの店の話で……」

アワイ「あれ、私の指導力が不安? それとも私じゃサキの指導役には力不足?」

サキ「そ、そんなことは……」

アワイ「いいでしょ? ね? 悪いようにはしないからさ」

サキ「え、えっと……」

アワイ「……」つ 携帯端末ピッピッ

アワイ「……」つ 携帯端末ピッピッ

アワイ「はいこれ、私のプライベートアドレス」

サキ「え……」

アワイ「そう警戒しないでよ。私のを教えるだけだって」

アワイ「私しばらく空いてるから、良かったら連絡頂戴。ほら、端末出して」

サキ「は、はい……」つ 携帯端末

アワイ「ほい」つ 携帯端末ピッ

アワイ「届いた?」

サキ「えーと……はい、届いたみたいです」

アワイ「よし」

サキ「あ、ありがとうございます……」

アワイ「別にまだお礼を言われるようなことはしてないよ」

アワイ「さ、食べよ食べよ」モグモグ

サキ「はい……」モグモグ

アワイ「おいしー」モグモグ

サキ「ごちそうさまでした」

アワイ「ごちそうさまー。あー美味しかった。ホントいい店だわここ」

サキ「そうですね」

アワイ「……サキって不思議だよねー」

サキ「え?」

アワイ「自慢じゃないけど、私のコネって、そこらのレイヴンなら喉から手が出るほど欲しがるものなんだよ?」

アワイ「そういう輩にうんざりするほど絡まれたし」

アワイ「それがサキったら全然興味なさそうでさ」

アワイ「これじゃまるで、私がサキに取り入りたがってるように見えるじゃない」

サキ「え……ええっ!?」

アワイ「ま、取り入るだと少しニュアンス違うだけで、そう間違ってないけど」ボソ

サキ「……?」

アワイ「ううん。なんでもない」

アワイ「さてと、私たちももう帰る? それとも飲み物とか頼んでもうちょっと粘る? 奢るけど」

サキ「い、いえ、そんな大丈夫です。もうお暇しましょう」

アワイ「残念。遠慮しなくていいのにさ」

その後、店を出るや家まで送ると言い出したアワイさんをどうにか説得して、私は一人で自宅であるアパートに帰った。
真っ暗ひんやりした部屋の、明かりとエアコンをつけて、バスルームに入る。

いつもの温度に調整したはずの水流が少し熱く感じたので、水温を微調整。
初めて本物のACに乗った興奮からかずっと体が火照っているのを感じたが、どうやら気のせいでもなかったらしい。
今日の私には、少し冷たいくらいの水温がちょうどいいようだ。
本物のACの感覚を思い出しながら、しばらくシャワーに打たれる。

体をよく拭いてバスルームから出ると、冷え切っていた部屋はほどよい暖かさになっていた。
薄い壁の向こう、隣室から話し声が聞こえる。今晩また二人で盛り上がるのかなと少しため息。
話し声が聞こえるのはしょうがないけど、ああいう声は精神衛生上よくないからやめて貰いたい。

寝間着の前を開けたままベッドに腰掛け、携帯端末を手に取る。
ネストを閲覧しようと端末を操作して、ふと思い出す。アワイさんのことだ。

どうしようか……。アワイさんほどの人に指導して貰えるなんて、光栄なことには違いない。
ただ、お姉ちゃんのことで引っかかる物言いをしてくるあの人のことが、私は正直苦手だった。少しスキンシップが激しいところも。
せっかくの技量を高めるチャンス。アワイさんの思惑。私のメリット・デメリット。アワイさんのメリット・デメリット。
いろんなものを天秤にかけて思案した末、私はやっぱりお断りのメールを送ることにした。

文面に四苦八苦しながら何とか書き上げ、送信。
アワイさんほどのレイヴンの機嫌を損ねたら後が怖いかもと少し後悔し始めた矢先、着信音が鳴ってびくりと体が反応する。アワイさんだ。

MESSAGE
FROM | アワイさん
TITLE | 残念

サキの性格考えたらそんな気がしてたわ。
私は気にしてないから、サキも気にしないでよね。
次会ったとき謝るのとかもなしで。

それじゃ、ばいばーい。

- END -

よかった。私の後悔は杞憂ですんだようだ。
メールでは感情が読み取れないから、実際のところはわからないのは不安だけど……。
と、再び着信音。またアワイさんだ。

MESSAGE
FROM | アワイさん
TITLE | それはそれとして

ま、私はしばらくアリーナの予定も空いてるから、気が変わったらメールしてよ。
元々依頼もしばらく受けないつもりだったし、プライベートの用事とブッキングしなければ付き合うからさ。

それじゃ、ばいばーい。

- END -

私は携帯端末から目を離すと、一つ息をついて、ベッドに仰向けに倒れた。
仰向けになると自然と目が行く天井のしみ。最近広がってきたような気がするのは気のせいだろうか。

アワイさんが私を気にかけるのは、やはりお姉ちゃんのことがあるからだろう。
単なる好奇心か、他に何か思惑があるのかは分からないけど、やっぱり気分のいいものではない。
今度会う約束をしたわけではないが、この先私が正式にレイヴンになってバー・テックスなどレイヴン御用達の施設に赴いていれば、また偶然出会うこともあるだろう。
はたしてどう接したものか……。
アワイさんのこと、レイヴン試験のこと、お姉ちゃんのこと……悶々と悩んでいるうちに、私の意識は深く沈んでいった。



そして、試験当日――。


○ ナラブロック - 街 - 上空


試験官「あなた方の最終試験を兼ねる今回の作戦内容を、もう一度確認します」

試験官「あなた方の任務は、街を占拠している武装集団の排除」

試験官「この任務に成功すれば、あなた方はマージャン・アソシエーションに登録され、レイヴンとなります」

試験官「我々の支援の下でACを駆るという特権を与えるに足る力を持っているのかどうか、私たちに見せてください」

試験官「……間もなく作戦領域に到達」

試験官「健闘を祈ります」

サキ「ふー……」

僚機「――」

サキ「……」
> 歩行(前進)
ガションガション
シュー――ン

サキ「……」つ コンソールピッ
キュイーン
COM(CV:カナ・ウエダ)《システム キドウ》



To Be Continued...

信者の方に「新スレあったの気づかなかったけど荒らしてくれたから気がつけたわ」と感謝されたので今回も宣伝します!

荒らしその1「ターキーは鶏肉の丸焼きじゃなくて七面鳥の肉なんだが・・・・」

信者(荒らしその2)「じゃあターキーは鳥じゃ無いのか?
ターキーは鳥なんだから鶏肉でいいんだよ
いちいちターキー肉って言うのか?
鳥なんだから鶏肉だろ?自分が世界共通のルールだとかでも勘違いしてんのかよ」

鶏肉(とりにく、けいにく)とは、キジ科のニワトリの食肉のこと。
Wikipedia「鶏肉」より一部抜粋

信者「 慌ててウィキペディア先生に頼る知的障害者ちゃんマジワンパターンw
んな明確な区別はねえよご苦労様。
とりあえず鏡見てから自分の書き込み声に出して読んでみな、それでも自分の言動の異常性と矛盾が分からないならママに聞いて来いよw」

>>1「 ターキー話についてはただ一言
どーーでもいいよ」
※このスレは料理上手なキャラが料理の解説をしながら作った料理を美味しくみんなで食べるssです
こんなバ可愛い信者と>>1が見れるのはこのスレだけ!
ハート「チェイス、そこの福神漬けを取ってくれ」  【仮面ライダードライブSS】
ハート「チェイス、そこの福神漬けを取ってくれ」  【仮面ライダードライブSS】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1456676734/)


とりあえずここまでです。
ありがとうございました。

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