【安価】少女たちと異世界の少年 (301)

 みんなが喜ぶから、その姿を演じてきた。
 みんなのために俺はそれを続けてきた。
 だけどもいつしかそれは、自分のためになってきたのかもしれない。
 いや、そもそも最初から――

 俺なんてどこにもいなかったのかもしれない。

【おそらくR-18的な要素を含みます】

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1419604202

 
 
 
 眠りの中、俺は声を聞いた。

 女性――だろう。それくらいしかわからないくらいうっすらとしたものだけど、確かに聞いた。

???「……」

 僅かにしか聞こえない声。悲しげに聞こえるもの。
 それは多分――


 選択
 1・泣きじゃくる声
 2・すすり泣く声
 3・静かに泣く声

 安価↓1

 そう。
 泣きじゃくる少女の声だった。
 悲しげに――いや、ただただ理不尽を嘆き、悲しげに泣く声。
 俺はそれを聞いて、助けたいと思った。

 けれどきっと、それは叶わない。
 だって俺にはそんな力などないから。
 理不尽を振り払う力なんてどこにもない。せいぜいふざけるのが関の山。
 ――多分、そうなのだ。


 安価↓1 コンマで主人公の戦闘能力を判定。

 1~3 一般人より強いくらい
 4~7 強者ランク
 8~9又は0 最強クラス

 剣や斧、大剣、魔法、召喚など戦闘方法も指定可

【最強クラス、折角なので↓1の安価も採用で拳で】

 俺は、彼女を救える――のだろうか。
 救えないとしても、せめて彼女の涙を止めることができるなら……俺は、なんだってしよう。
 見ず知らずの他人かもしれない。けれど、他人が泣いているのを見て、見てみぬ振りなんてできやしない。

 だから、俺は――

 
 
 目が覚めた。

 夢――だったのだろうか。
 まだ半分眠っている頭を働かせ、俺は周囲を見回した。

???「あれ?」

 すると、気付く。
 俺は見慣れない場所にいた。
 干し草が積まれた木製の――決して豪華とはいえない小屋。馬小屋みたいな場所に、俺は寝ていたのだ。

???「――いかん。俺はなにをしていたんだ?」

 焦りと不安から一気に覚醒する。
 昨日は確か……普通に部屋で寝たはずだ。服だって寝間着だしなにより俺の記憶がそう言っている。

???「よし、思い出そう」

 回想。
 俺の名前はユウキ。日本の関東に住んでいる普通とはいえない女子みたいな高校生で――うん、記憶に問題はない。
 長い黒髪をかきあげ、俺は一人頷く。
 とてもこんな場所で眠るような過程は歩んでいない。
 となれば、何かトラブルが生じたということ。

ユウキ「なんでかわいい俺が……」

 いやむしろかわいいから? なんて言っている場合ではない。なんとか現状を把握せねば。

 選択
 1・とりあえず叫んでみる
 2・周囲を確認

 安価↓1

ユウキ「おーい、誰かいないか?」

 口に手を当てて、俺は叫んでみる。
 ――が、反応はなし。

ユウキ「誰もいないのか」

 いて返事をしていない可能性もあるのだが、面倒なので考えずとりあえず目についたドアへ近づく。
 小屋の中にある唯一の扉。それを軽く押してみるものの、びくともしない。多分外から鍵がかかっているのだろう。

ユウキ「うーむ……出られん」

 さてどうしよう。頭を悩ませた瞬間、小屋のどこかから声が上がった。

???「うー……ん」

 ねぼけているような声。
 どこか聞き覚えのあるものだ。ひょっとして……あの夢の?

ユウキ「おい、どこにいる?」

 何があるかわからない。俺は警戒しつつ周囲を見回す。
 すると、小屋に置かれていた干し草の山、その一つから少女が顔を出した。

???「もう、しゅっぱつ――えっ? だれ?」

 子供っぽい、舌っ足らずな口調。
 干し草を散らし身体を起こしたのは小さな少女――いや、幼女?
 よくは分からないけど、とにかく小さい。そして……見間違いでなければ、犬耳のようなペタンと垂れた耳が……。
 粗末な、ぼろぼろなワンピースを着ており、顔立ちは可愛らしい。髪は茶のショートヘア。ふらふわと流れるような感じで、もふもふしてそうな、耳も相まって犬というイメージを彷彿とさせる。
 美少女、なのだけど、なんだかあちこち汚れていて黒っぽい。お風呂とか入っているのだろうか。

ユウキ「……お前こそ誰だ」

???「……ミル」

 尋ねると、少女はすんなり答えた。

ミル「おねえさんだれ?」

ユウキ「お姉さんではなくお兄さんだ。俺はユウキ」

ミル「え、お兄さん?」

ユウキ「ああ。ところで、ここはどこなんだ?」

ミル「――それはミルにもわからない」

 一瞬きょとんとする彼女だったが、俺の問いにフッと悲しげな顔をする。
 ここがどこだかわからない? なにを言っているのだろう。

【キャラメイクは他のヒロイン候補とかで。最初の選択肢で最初に登場するヒロイン候補は決まったので
 話が通じる理由はまたおいおい】

ユウキ「まぁいい。俺はここから出る」

 彼女がどこだがわからないと言うなら、俺はここがどこだか自力で調べるしかない。
 短く思考を終え、俺は唯一のドアへと近づいていった。

ミル「どこからでるの? ドアはかたい」

ユウキ「……そうなのか?」

 木製の小屋だから、てっきり鍵――ドアも粗末かと思ったけれど、さすがにそんな甘くはないか。

ユウキ「でもま、とりあえず……」

 固いことは分かった。けれどこのままここでジッとしているわけにもいかない。
 ダメ元で、俺はドアを適当に殴りつける。
 か弱い男性の拳。勿論、これで壊れるほどやわなドアだとは思っていない。思ってはいないのだが――俺の拳が触れると同時に、ドアが派手な音を立てて壊れた。外でドアを閉めていたであろう、錠前とともに。

ユウキ「……」

ユウキ「さ、さすがは俺様」

 自分でも戸惑いを隠せない。なにをしたらああなるというのか。

ミル「――いまの、まほう?」

ユウキ「いや違う。俺様本来の力だ。すごいだろ」フフン

 ――うん? 魔法?

ミル「うん、すごい。ユウキ」キラキラ

 なにはともあれ、これで外へ出られるようになったわけだ。
 さて……。


 選択
 1・「一緒に出ようか」
 2・「お前はどうする?」

 安価↓1

 放っておくわけにもいかない。

ユウキ「……一緒に出ようか」

ミル「……?」

 誰に言ったか分かっていないのだろう。
 きょとんとした顔で後ろを確認し、首を傾げる。

ユウキ「お前だ、ミル」

ユウキ「こんな場所で一人汚れてんのなんて嫌だろ」

ユウキ「俺と来い」

 とはいっても、俺も行く宛などないのだが。それでもここからは動かないといけない。それははっきり分かる。

ミル「でも、ミルは――ごしゅじんさまのいうこときかないと」

ユウキ「ご主人様?」

ミル「うん……」

 今にも泣き出しそうに、小さく頷く。
 きっとロクでもないご主人様なのだろう。

ユウキ「お前の状態を見れば、だいたいどんな事情か分かんけど――」

ユウキ「ここにはいたくないだろ」

ミル「……」

ユウキ「はい時間切れ。俺と脱走だな」

 黙りこむミルの手を掴む。
 彼女が狼狽えたように何か言っていたが、俺は強引に彼女とともに外へ出た。

 小屋の外は……なんていうか、森みたいな場所だった。
 周りは木々が生えていて、穏やか。ここがどこだか分かれば、あるいはすぐ隣に見える大きな屋敷がなければ、少しは気持ちも安らいだ筈だ。

ユウキ「……」

ミル「……っ」

 俺の服の袖を掴む手にグッと力を入れるミル。
 俺と小屋で話しているときは明るそうに見えたが、今はその面影もない。

ユウキ(まさかとは思っていたが……)

 薄汚れた格好。家畜が入るような小屋。そしてミルくらいなら楽々生活できるだろう大きな屋敷。
 奴隷、というやつだろうか。
 彼女の姿は人間ではなさそうだし、奴隷なんてものが現実にいるのかも定かではないし……嗚呼頭がこんがらがる。

ユウキ(……連れだして正解、なのか)

 事情はわからない。だから正しいのかもわからないが――知ったことか。

ユウキ「さて、出るか」

 結論の出ない思考をやめ、俺は独りごちた。
 見知らない場所だが道に出れば少しくらいは。

ユウキ「こういうのは、屋敷の前に出入り口があるもんだよな」

 今は木々が邪魔で見えないけれど、きっとそうだ。
 問題はそこへの行き方で――

 選択
 1・屋敷の正面を堂々と歩く
 2・脇道をこっそりと
 3・むしろ屋敷に入る

 安価↓1

ユウキ「堂々といくか」

 こちとら悪いことをしているわけじゃない。
 小屋にいて、そこのドアに鍵がかかっていたからドアごと壊した。うん、なにも不自然なことはないじゃないか。
 それでたまたま中にいた女の子を助けてあげたんだし……むしろ感謝されて当然。

ユウキ「行くぞ」

 隣のミルへ問いかけると、彼女は困惑した様子を見せた。怖いのかもしれない。俺の服を掴むその手は震えている。

ユウキ「大丈夫だって。なにも問題ない」

ユウキ「ただ歩いて、ぱぱっと帰れば――」

 屋敷の正面を歩き、中庭へ。すると予想通り屋敷の向かい側、少し歩いた先には門らしきものがあった。
 俺はまっすぐそこへ歩いていこうとするのだが――

男1「お前たち、何者だ」

 まぁそう簡単にはいかないという。冷静になれば、当然のことなのだが。
 どこからともなく現れた男達。その数は三人程度か。おそらく中庭に入る前から感付かれていた――のだろう。俺たちを囲むようにして三人が立っている。

ユウキ「通りすがりの人間だ。帰るところだから通してくれないか?」

男2「そうはいかないぜ」

男3「片方は知らないが――その女はご主人様のペットになる予定だ」

 よくもまぁ、真面目な顔でそんなことが言えることで。
 こんな小さな女の子をペット……。それにくわえて、鎧を身に纏った男たち。しっかり武器も持っている。
 いよいよをもって現実味がなくなってきた。夢ではなさそうだし――どうなっているんだ?

ミル「……ユウキ」

ユウキ「だ、大丈夫だ。多分」

 若干どころではなく、ものすごく怖い。けどこんな連中をのさぼらせておく気もない。
 ――多分、さっきドアとか壊したし、俺もそれなりに戦えるはず。やるしかない。

男2「それに……お前も、中々いい見た目をしているじゃないか」

男3「捕えてご主人様に献上だな」

 この方々に自分は男だと告げたらどんなリアクションをするだろうか。ふっふふ。
 俺は内心得意気になり、ポーズを決めるように構えをとる。寝間着のショートパンツ、パーカー姿で。

ユウキ「下がってろ、ミル」

 多分ペットとか言っていたし、そう簡単に傷つけたりはしないだろう。
 男たちも丸腰の女二人と油断しているのか武器を抜かないし――ちょっと痛い目をみてもらおう。



【今日は落ちます】

男1「妙な気は起こすなよ」

男2「ま、痛いことはしないぜ」

 構えをとった俺に、若干の警戒を見せる男達。
 ふむ――どうしたものか。この人数差だとひどいことになりそうな。捕まったら終わりなわけだし。

男3「こいつになにかできるとは思ってないがな」

 考えている最中に、一人の男が俺に手を伸ばす。
 捕まるわけにはいかない。ほぼ反射的に俺はその手を払った。
 何気ない動作。いつもの俺ならば、そのまま男に腕を掴まれてもおかしくはない。なのに、男が尻もちをついた。

男達『……』

 突然のことに呆然とする男達。勿論俺も驚いた。
 ただか細い少女に手が触れただけで体勢を崩す警備がどこにいるのか。全員から困惑の色が見て取れた。

ユウキ「とうっ」

 これぞ好機。目の前で尻もちをついた男の股間を、俺は咄嗟に蹴る。
 蹴りは至って普通の威力なのか、それほど強力な感覚はしなかった。蹴られた男は悶絶してたけど。

男1「――なっ、お前、本当に何者だ」

 一人を無力化され、男達に動揺が走る。
 素人の俺が動けるのは、男らが混乱している今くらいだろう。
 止まってしまいそうになる自分に言い聞かせ、俺は一番近くの男へと接近。無造作に拳を振るう。
 風切り音。我ながら感心してしまうほど凄まじい勢いで、パンチが放たれる。

男2「っと。危ないなお嬢さん」

 が、それは空を切った。軽い口調で言った男は身体を横にして回避。不敵な笑みを浮かべ、お返しとばかりに足を払う。

ユウキ「いっ、つ」

 身体が浮く感覚。前のめりに倒れそうになる。
 ――まずい。倒れればあっという間に捕縛されてしまう。
 焦りが頭を支配し、なんとか倒れないようにと俺が掴んだのは、足払いを仕掛けた男。
 突き出していない、もう片方の手で彼を掴む。次いで地面についた右足を軸に転倒しないよう踏ん張り、その力を利用し男を引っ張る。そしてよろけたところへ全体重を乗せた蹴り。
 一連の動きが綺麗に決まり、男は植えてある植物の茂みの中へと転がっていった。

ユウキ「はぁっ、はぁ……」

 殆どまぐれだが、これで一対一。俺のどこにこんな力があったというのか。やはり選ばれし人間は火事場で力を発揮するということなのだろうか。これが主人公補正……嬉しいけど正直、あってもこんな状況に巻き込まれるならノーサンキューだ。

男1「ここへ気付かれず侵入していた時点で気付くべきだったか」

 攻めるか否か。その判断をする間もなく、男が武器を抜く。
 一振りの剣。人間を殺すには充分すぎる凶器が目の前の人物の手に。
 今度の敵は油断もなにもしていない。力だけの俺が真正面から戦って、果たして勝てるのか。
 何かすべき、なのか?


 選択
 1・カウンター狙い
 2・全力を込めて殴る

 安価↓1

 下手な小細工をすれば、裏目に出ることは必然。
 となればここは……。

ユウキ(全力で殴る!)

 剣に対向する手段もわからないのだ。カウンターなどできるはずもない。
 深呼吸。そして走り出す。死ぬ覚悟、なんてできないけど――今この時を乗り越えねば。

男1「甘い――」

 男が切っ先を前に。おそらく突き。
 拳と剣ではリーチが段違いだ。どちらが先に届くかは明白。分かってはいるのだが、俺は止まることができなかった。
 止められない攻撃。拳はまっすぐ男へ。しかしその間には男の剣が。
 一瞬の後におとずれるであろう惨状。が、それが現実になることはなかった。
 全力の拳は剣に触れる前に衝撃波のようなものを放つ。自分でもよくわからない攻撃。それは男を軽く吹き飛ばして、撃退した。

ユウキ「……あれ?」

 悲鳴もなく飛んでいく男を見送り、首を傾げる。
 なにこれ。か弱い女装少年の俺が、なんでこんな……意味分からん。

ユウキ「ま、まぁいいか。ミル、怪我ないか?」

ミル「う、うん。ない」ガタガタ

 ミルも心なしか怯えているような。
 俺も自分の力が恐ろしいぜ……。自慢などではなく。

ユウキ「……出るか」

 ミルが俺の袖を掴むのを待ち、歩き出す。
 派手に戦闘をしたにも係わらず、それから誰かが止めにきたりすることはなかった。
 単に警備がいなくなっただけか、それとも三人を蹴散らした俺に警戒しているのか。いずれにせよ有り難いことだ。さっさと行くことにしよう。

 屋敷の敷地から外へ出ると、そこは見慣れない街だった。
 石畳。レンガで造られた建物。ちょっと遠くにはお城みたいなものも見える。
 そこを歩く人々はものすごく古臭い格好をしていて、武器を携帯している人間も見える。さながらゲームの世界のようだ。

ユウキ「……頭痛くなってきた」

 人が苦手なのか、俺の腕に顔をくっつけるようにするミルを見つつ、俺はつぶやく。
 こんな場所があるなんて聞いたこともないし……明らかに異常だ。

ユウキ「ミル。どこに行けばいいか――は分からねえよな」

ミル「……」コクン

 困った。俺の格好が珍しいのか視線が集まるし――長居するとまた厄介なことになりそうだ。
 どうしようか。


 選択
 1・そこらを歩く人へ聞き込み
 2・城へ向かってみる
 3・いい意味で適当に歩く

 安価↓1

ユウキ「適当に歩く……うん」

 それしか選択肢はないか。
 俺はため息を吐いて、適当に本能の赴くまま歩きはじめた。


 で、ちょっとして。

ユウキ「結局は食い物に釣られるわけか」

 俺とミルは店が並ぶ通りの端っこに来ていた。
 前にあるのは――なんだろうか。外からだといまいちわからないけど、雑貨屋だ。
 そう看板にも書いてあるのだけど、何故かここからは甘くていい匂いがする。

ユウキ「腹減ったな……」

ミル「ん」コクン

 どこだか分からない場所で、一文無しで小さな女の子と二人。改めて考えると、結構危機的だ。

ユウキ「どうすっか……」ハァ

 ミルを連れてきた以上、彼女のことはなんとかしなくては。
 でもアテもないし、このまま店を眺めていてもなにもないし――どうしよう。
 頭を悩ませていると、不意に雑貨屋のドアが開いた。

???「……」

 そこから出てきたのは……。


【ヒロイン候補の一人です。まずは名前から安価 ↓1~3ほどで気ままに採用します】

【ではトワで】

【次にキャラの特徴について】

【容姿だったり性格だったり、余程のものでなければ↓1~3くらいで採用です】

【ロリとかお姉さんとかかぶった場合は、最初のものを優先ということで】

【そして今日はここで落ちます】

【ロリ、天才、天才的な太刀の使い手ときて、女騎士】

【これらを採用しますー】

名前:トワ
性別:女
種族:【未定】
年齢:【未定】
容姿:ロリ的な見た目。
職業:女騎士

備考:天才的な太刀の使い手。戦う実力に加えて、頭脳も明晰。文武両道な天才。


【次は種族で。基本的に人型で 安価↓2です】

【半エルフ採用で。人間とのハーフにします】

名前:トワ
性別:女
種族:エルフと人間のハーフ
年齢:【未定】
容姿:ロリ的な見た目。
職業:女騎士

備考:天才的な太刀の使い手。戦う実力に加えて、頭脳も明晰。文武両道な天才。


【次は年齢。不明でも、3桁でも。 安価↓1】

【では102ということで】

名前:トワ
性別:女
種族:エルフと人間のハーフ
年齢:102
容姿:ロリ的な見た目。
職業:女騎士

備考:天才的な太刀の使い手。戦う実力に加えて、頭脳も明晰。文武両道な天才。


【次は性格、及び口調を】

【性格は↓1 口調は↓3】

【性格は心優しく、口調は丁寧な口調、敬語としておきます】

名前:トワ
性別:女
種族:エルフと人間のハーフ
年齢:102
容姿:ロリ的な見た目。
職業:女騎士

備考:天才的な太刀の使い手。戦う実力に加えて、頭脳も明晰。文武両道な天才。心優しい性格で、弱い者は決して見捨てない。丁寧な口調で話す。

【最後に容姿。服装は――大まかな選択肢を選ぶ形で、番号とともに詳細を記載してもらって構いません】

トワの服装
 1・太刀使いらしく和服
 2・女騎士らしく鎧
 3・同じく鎧姿で、露出度高め

 安価↓1

【和服で決定です】

【次、顔立ちと髪】

【両方とも選択肢】

 顔立ち
 1・きりりとした顔立ち
 2・おっとりとした顔立ち
 3・その他(詳細を記載)

 髪(色や細かな髪型も指定)
 1・ロング
 2・セミロング
 3・ショート

 安価 顔立ち↓1 髪↓3

【ではそのように】

名前:トワ
性別:女
種族:エルフと人間のハーフ
年齢:102
容姿:ロリ的な見た目。身長は低く、髪はロングでそのままおろしている。色は暗い茶。基本的に和服を好んで着ており、背中には身長ほどの太刀を背負っている。顔立ちはあどけなさを若干感じさせる、凛としたもの。
職業:女騎士

備考:天才的な太刀の使い手。戦う実力に加えて、頭脳も明晰。文武両道な天才。心優しい性格で、弱い者は決して見捨てない。丁寧な口調で話す。

【最後にバストサイズ、加えて追加の特徴でも】

【バストサイズは選択肢式
 1・ロリ巨乳
 2・ぺったんこ
 3・普通】

【特徴の方は見た目、容姿、職業、その他これまで決めたもの以外で】

【バストサイズは安価↓1 特徴は↓3】

【↓1の安価は番号指定がなかったので、その下を採用でぺったんこです】

【特徴の方は再安価で。説明不足でしたね。何か性格的というか、大食いだとか美形好きだとか、そんな特徴でお願いします】

安価↓1~2辺りでよいもの採用で

【安価すべて採用で】

名前:トワ
性別:女
種族:エルフと人間のハーフ
年齢:102
容姿:ロリ的な見た目。身長は低く、髪はロングでそのままおろしている。色は暗い茶。基本的に和服を好んで着ており、背中には身長ほどの太刀を背負っている。顔立ちはあどけなさを若干感じさせる、凛としたもの。胸はぺったんこで、身長や見た目通り。
職業:女騎士

備考:天才的な太刀の使い手。戦う実力に加えて、頭脳も明晰。文武両道な天才。心優しい性格で、弱い者は決して見捨てない。丁寧な口調で話す。 武器である太刀には雷の力が宿っていて、雷攻撃を得意としている。
 好物は麻婆豆腐。中毒かと思われるくら大好きで、特に激辛の麻婆豆腐を好んで食べている。

【ヒロイン候補の一人はこのようになりましたー】

【では本編へ戻る――と、同時に安価】

【雑貨屋から出てきた際の、ユウキらを見たトワの最初の台詞は? 安価↓1(殺しにかかったりあまりに変なものは下から採用か再安価)】

【把握です】
【これから眠くなるまで更新します】

 見慣れた服を着た、不思議な雰囲気の少女であった。
 年齢はミルと同じくらいだろうか。ただやはり彼女もまた人間ではないようで、耳の形が特殊だ。エルフ、とかいう種族だろうか。ゲームではちょこちょこ見る。作りものでもなさそうだし、わざわざ作る意味もないだろう。
 髪は茶。癖のないさらさらとした腰ほどまである髪を下ろした髪型で、顔立ちは――なんていうか、綺麗な感じだ。幼い見た目ながら威厳があるというか、それでいて優しいような。しゃきっとした目に、微笑を浮かべた口元。将来が楽しみな子だ。
 そんな見た目だからか、彼女の着ている着物はよく似合っている。一般的、かは分からないけれど若草色の裾の長いもので帯は色鮮やかな紅。落ち着きのある綺麗な色だ。
 ――これで背中にでっかい武器を背負ってなければ、印象が少し変わったのだろう。

???「……ふぅ。あれ?」

 これまで見てきた住人らとは違う少女をじっくり見ていると、彼女もまた俺のことを見てきた。
 流石に凝視しすぎたかと思い、俺は目を逸らす。

???「……」テクテク

 しかし少女は無造作に俺の前へと歩いてきた。
 今度は彼女が俺のことをじーっと真顔で見つめる。値踏みするように下から上へ、こちらが恥ずかしくなるくらいに。

???「なるほど……」ペタ

ユウキ「――おい」

 ついには俺の腹に手を置いてきた少女へ、俺は反射的に声を出す。

???「あ、ごめんなさい。つい魅力的で」

 ツッコミのつもりで言った台詞に、少女は頭をぺこりと下げた。
 俺から一歩距離を置き彼女は口を開く。

トワ「私はトワ。この国の騎士をしている者です」

 見た目とはそぐわない丁寧な口調で彼女は言う。

トワ「見たところ、あなた……この世界の住人ではありませんね」

ユウキ「――そ、そうなのか?」

 ここがどこだかは分からない。今まではっきりしていなかった疑問への答えらしきものに、俺はくいつく。

トワ「ええ。おそらく地球、という惑星からやってきた方でしょう?」

ユウキ「あ、ああ。そうだ」

トワ「やはり。ではここは貴方にとって異世界です」

 異世界。なんとなく予想はしていたけれど、それをはっきり断言されるとショックを受けてしまう自分もいた。

ユウキ「異世界、か」

トワ「……あの、色々と考えることがあるでしょうが――私とともに来てくれませんか?」

ユウキ「お前と?」

 行く宛もないし、悪い人間でもなさそうだ。
 断る理由もないのだが――どうしようか。


 選択
 1・頷く
 2・断る

 安価↓1

 断るわけにもいかないか。

ユウキ「分かった――が、理由くらいは聞くぞ。なんで一緒に行かないといけないんだ?」

トワ「この世界は地球から来た者を優遇しています。過剰なくらいに」

トワ「なので、貴方がこの国の住人、特に庶民と接するとその庶民に矛先が向かうこともあるのです」

ユウキ「……は?」

 意味が分からん。そんなことして何になるというのか。
 思わぬ言葉に俺は首を捻るものの、目の前にいる少女もまたそれに納得はしていない様子だった。

トワ「私と行けばわかると思います」

ユウキ「……分かった。ミル、いいか?」

ミル「……いい。ついていく」

 トワに警戒しているのか、俺の腕をぎゅっと抱きしめているミル。彼女は微かな声で答え、頷いた。

ユウキ「――案内してくれるか?」

トワ「はい。では、こちらへ」

 ミルへ一瞬視線を向け、トワは頷く。そして歩き出した。
 彼女が向かっている先はおそらく城。国だとか言っていたし、おそらく王城に連れて行かれるのだろう。
 俺の身の心配はしなくても大丈夫そうだが……これからどうなることか。不安だ。

 そしてやってきたのは、やはりお城。
 街から見えていた城は思ったほど遠くはなく、すぐに到着した。
 ただその分大きさは予想以上のものなのだが。この科学がロクに発展してなさそうな世界で、これだけの大きな城を作るなど、気が遠くなりそうな話だ。

トワ「ここです」

ユウキ「……ああ。で、ここで何すんだ?」

トワ「まずは国王様との謁見です」

 淡々と答えるトワ。
 国王との謁見。王様も忙しいだろうに、なんで俺なんて人間と謁見せにゃならんのだ。
 なんて思うが、トワの顔は真剣そのもの。門を守っていた兵士へ、俺に聞こえないよう小さな声で話している。すると兵士は俺へビシッと敬礼した。どうやら過剰に優遇されているという話は本当らしい。兜の隙間から見える兵士の目が、微かに羨望の色をはらんでいることに俺は気づいた。
 ――どうにも慣れない。

ミル「……」

 仰々しい雰囲気に、ミルの手にも力がこもる。元々他人が苦手そうだし、こんな場所は苦手なのだろう。俺の近くにいるから注目もされるはずだし。

 城に入る。
 中もまた凄まじい広さで、天井が高い。赤絨毯の上を、おずおずと進む俺達に対して前を行くトワは堂々としている。

トワ「あ、そちらのお嬢様は謁見の間、私と一緒にいてもらいます」

ユウキ「ミルと? 俺はいいが――」

 ちらりとミルを見る。ダジャレではない。
 ミルは口をぎゅっと結び、俺と視線が合うと首を横に振った。どうやら嫌みたいだ。

ユウキ「……どうしてもか?」

トワ「ええ。王と会う権利があるのはあなただけですから。それに、身支度をした方がいいと思いまして」

 ――確かに。小さい女の子が薄汚れた姿では可哀想だ。

ユウキ「そんじゃ頼む。綺麗にしてやってくれ」

トワ「はい。任されました」

 自分の隣でブンブンと風の音が聞こえてくるけど、これも彼女のため。仕方ないことだ。俺がするわけにもいかんし。
 なんて会話をしている内に入り口から真っ直ぐ続く道の突き当りに来た。その前にあるのは大きな扉。左右には警備が立っていて、見るからに厳重そうだ。

ユウキ「ここか?」

トワ「そうです。では……この子のお名前は?」

 トワがミルへ一歩近づく。ミルの耳と尻尾がびくんと揺れた。
 これだけ背丈が同じなのに、雰囲気って違うものだ。

ユウキ「ミルだ。ちなみに俺様はユウキ」

トワ「ミルさんですね。ミルさん、こちらへ」

 スルーされた。悲しい。

ミル「……や」

 手をのばすトワへ、ミルは拒絶の色を見せる。ぎゅっと俺にしがみついて顔を押し付ける。
 トワは困り顔。強引に引き剥がすわけにもいかないのだろう。

ユウキ「行ってこい、ほれ」

 ここは俺がやるしかない。ため息を小さく吐いて、俺はミルを自分から剥がす。
 手をぱたぱたさせていたがやがて諦めたのか、ミルは上目遣いにこちらを見やり、トワの近くに立った。

ミル「……」

トワ「――じゃあ、行ってきます。あなたはこのまま中へどうぞ」

 若干ショックそうな顔をしたトワについていくようにしてミルも歩いていく。時折ミルはこちらを見てきたが、素直にトワへついていった。

ユウキ「……さて、と」

 二人を見送った後、俺は大きな扉へと視線を向けた。
 話の流れ的にはここに王様やら偉い人がいるんだろう。
 で、色々話をするわけだ。優遇されていると言っていたし、そんな変なこともされないだろう。
 ――うん、怖くない。
 ごほんと咳払い。俺は扉の横にいる兵士へ目を向ける。

ユウキ「えっと、ここでいいんですよね?」

 女の子ぶって高音ボイスにキャピキャピな仕草を加える。若干不審そうな目で見られたものの、そこは俺。有り余る可愛らしさでカバー。
 ――重ねて言うが、別に権力が怖いわけではない。歳上、偉い人には失礼のないよう接する――いわば礼儀だ。

兵士「はい。トワ様から話は通っております」

ユウキ「話を? いつのまに……」

兵士「通信魔法により、連絡を受け取ったとのことで」

 魔法……魔法か。もう本当にここは俺の世界じゃないんだなぁと実感してしまう。

ユウキ「そうなんですか。分かりましたっ。では行ってきますね」

 手を振って、俺は頭を軽く下げる。
 もはや台詞だけでは誰だか分からない変わりようだろう。

 大きなドアを開けてもらい、その中へ。
 幻想的に美しく、厳かな広間――いや、謁見の間というやつだろうか。
 警備に偉そうな人達。想像していたよりは人数が少なかったけれど、予想以上に雰囲気が重苦しかった。

ユウキ「……」

 緊張する少女ふうの反応装いつつ、足を進める。
 俺が歩く絨毯の先、大きな椅子に座った男性が一人。
 会ったこともないけど、一目で分かる。王冠を頭にかぶっていて、すごく高そうなマントつけてるし。ザ・王様って感じだ。

ユウキ「は、はじめまして」

王様「うむ。はじめまして。あなたが異界の者か」

 王様らしい人物が、笑顔を浮かべて頷く。見た目に反して親しみやすそうな人だ。

ユウキ「はい。ユウキといいます」

王様「ユウキ様か」

 ――うん?

王様「私はグラン。この王国、アインツの王だ」

グラン「ユウキ様はこの世界、国へやって来た大切な客人……。丁重にもてなしをさせていただきたい」

ユウキ「は、はぁ……」

 優遇というレベルじゃないぞこれ。
 違和感を抱いた俺は、適当になにか質問してみることにする。


 選択
 1・もてなしって何してくれるんですか?
 2・なんでそんなことを?
 3・ここってどこ?

 安価↓1

ユウキ「なんでそんなことを?」

 俺は問いかける。この対応だ、質問くらいしても大丈夫だろう。

グラン「それはユウキ様が異界から来た者だからだ」

グラン「我々王国民は異界から来た者に大きな恩がある。それを返すため――と言っても、あなたには信じがたいかもしれませんな」

 うーむ。概ね納得できる。でもこれ異界から来たとか、詐欺する人が出てくるんじゃないだろうか。

グラン「それに。異界は卓越した高度な文明が発展していると聞く」

グラン「言語能力をはじめ、何かしらの力を持つ者も多い。そんな方々を安心して暮らせるようもてなす……自然なことだ」

 顎に手を当てて思考。俺は結論を出す。

ユウキ(これ監視管理だ……)

 自分も確かに力を持っていた。
 仕組みは分からないけど、異界からやってきた人間はなにかしら力を持っていることが多い。それにくわえて、この世界の到達していない領域の科学を知っている。教えたり、何か作れたりするかは別問題として。
 それなら、表に出すよりは王国で保護していた方が何かと有意義だろう。文句が出ないよう、手厚く。

グラン「ということで、衣食住国ですべて保証しよう」

グラン「その代わりと言ってはなんなのだが……」

 グランの視線が俺の顔からちょっと下へ。なに? 代価は身体とか言わないよな?

グラン「ユウキ様の召し物か私物を提供していただきたい」

 謁見の場でこの発言。中々変態チックだ。いやまぁ意図は分かるのだけれど。

グラン「研究のためで、他意はない」

ユウキ「ええ、分かってます」

 名残惜しいけどこれで暮らすのに困らないなら――仕方ない。
 あっちの世界にいてもどうせなにもない。それなら俺はここで気楽に暮らすさ。
 俺はパーカーのポケットを漁る。中には携帯電話と電灯の操作リモコンが。寝るときにめんどくさくなってポケットに入れたな、俺。
 でもこれならおあつらえ向きだろう。慣れた手つきで俺は携帯を操作。メール、通話がいくつか着信しているのを見て、小さく息を吐く。

ユウキ「これでどうですか? 服も、着替えられるならいつでも」

グラン「おお、それは『機械』というものか」

グラン「これで充分だ。ありがとう」

 王様が手を挙げると、どこからともなく兵士がやってきてそれを回収する。
 携帯とリモコンで保護を受けられる世界――どうなんだろ。

グラン「では今後のことについては、担当の者がつく」

グラン「服や家、食事やその他のことはその者へ遠慮無く申し付けてくれ」

ユウキ「分かりました」

 本当、優遇だ。申し訳ない気持ちになるくらい。

グラン「――よし、来てくれ」

 王様が手を軽く鳴らす。すると、謁見の間の横。柱の影辺りから一人、誰かがこちらへとやってきた。


 選択 その担当とは?
 1・先に異世界に来ていた幼なじみ(男)
 2・セクシーなサキュバスさん
 3・堅苦しい騎士さん

 安価↓2

【担当はサキュバスさんで決定です】

【ここでキャラメイクを】

【これまでの方法だと時間がかかるので――】

【安価↓1~3でキャラの特徴を募集します。容姿だったり性格だったり戦闘方法だったり】

【かぶったり、矛盾が出る場合は先に出た方を採用します】

【安価になかったところは勝手に作ります】

【あ、ちなみにいくつでもおーけーです。採用できる数に限りはありますが】
【ここから安価↓1~4程度で募集します】

【今日は落ちま】

【どうもです。貧乳以外採用でいきます】
【ヒロインの特徴はある程度人数が出たところでまとめます】

???「はじめまして」

 やってきたのは綺麗な女性だった。
 年齢は10台後半といったところだろうか。まず目につくのは綺麗な色をした金髪。ウェーブがかったそれは胸ほどの長さで、あまり広がっていないところから見るに、一部を編み上げているようだ。
 顔立ちは悔しいことに美しい。かわいいを全面に押した俺とは違い、女性としての魅力が感じられる。垂れ目で、唇は柔らかそうで、紫色をした瞳は吸い込まれそうなほど綺麗だ。よもや妖艶という単語を顔立ちだけで彷彿とさせられるとは。
 そして次いで、彼女のスタイルに目がいった。でかい。胸が容易に大きいと分るほどのサイズで、体つきも女性らしい。太ってはいないがさわり心地がよさそうな……。
 全体的にセクシーな感じのお姉さん。けれど服装は至って真面目。
 黒のシャツにカーディガンのようなもの、下はレギンスを穿いたミニスカート。ひらひらした飾りはなく、一見すると地味めだ。スタイルのせいでそんな印象は全然ないのだが。
 ――俺にこんな女性を担当につけるとは……あれか、ハニートラップというやつか。

???「私はフルーフだよ。よろし……あれ?」

 姿をしっかり観察していると、フルーフと名乗った彼女は首を傾げた。
 彼女は怪訝そうな顔をして俺を見ると、国王へ視線を向ける。

フルーフ「国王様。あの、男性だから私が選ばれたと聞いたのですが」

 その発言にこの場にいる偉そうな人が気まずそうな顔をした。やはりハニートラップ……。

グラン「連絡では確かにそうだったが――」

ユウキ「私は男です」

 なにやら国王も迷っていた様子だったので、俺は答える。
 まぁ俺の可愛さなら仕方ないことだからな。っていうかトワが俺の性別を見破っていたことが驚きだ。

フルーフ「嘘……人形抱いててもおかしくない感じなのに」

 この人正直。結構好きな性格である。

グラン「……コホン。それでは、フルーフ。ユウキ様のことを頼んだぞ」

フルーフ「はい。お任せください」

 恭しく礼をするフルーフ。若干大げさだ。

フルーフ「さぁ、行こっか。お姉ちゃんが色々教えてあげるよ」

ユウキ「はい。お願いします」

 気さくでいい人そうだ。堅苦しい男性だとか担当につけられたら落ち着かない。その点、このハニートラップには感謝せねば。
 俺は先導するフルーフに続いて、王様に礼をして謁見の間から出ていった。

 それから彼女の案内で、城の一室へ。

フルーフ「まずはここかな」

 フルーフが部屋の中心へ。周囲を見回して、一度頷いた。
 そこは一言で言えば大きなクローゼットだった。三枚ほどある大きな鏡。数多くの服。
 テレビに出る芸能人の豪邸に、こんな部屋が一室はあるような気がするけど……これはそんなレベルじゃなかった。

フルーフ「ここで服を着替えてもらおうかな。今のままじゃ目立つし」

ユウキ「はい、そうですね」

フルーフ「あ、敬語はいいよ。疲れるだろうし、お互い気楽にいこう?」

 笑顔で言って、彼女は歩き出す。そして沢山ある服をあさりはじめた。

フルーフ「なにがいいかなー」

フルーフ「ねえ、ユウキはなにがいい?」

ユウキ「服、だよな……」


 選択
 1・ゴスロリ
 2・メイド服
 3・その他自由に指定

 安価↓1

【1を採用しま】
【そして今日は落ちます】

ユウキ「こんな感じがいいな、俺は」

 多くある服の中で目についたそれ。
 黒く、ひらひらとしたフリルのついた派手なゴスロリ服を俺は手に取った。
 興味はあったけれど、俺がいたところは田舎。こんなもの中々手に入らなかったし――ここは異世界。
 和服や、武器を背負って出掛けている人間がいるのだ。これくらいなら許されるはず。

フルーフ「ほうほう、なるほど……なら、それと同じようなものを幾つか発注しておかないと」メモメモ

 その場でメモをとる彼女。意外とマメだ。

フルーフ「じゃ、早速着替えてもらえるかな?」

ユウキ「ああ。分かった」

 頷いて、服を脱ぐ。
 まず上着を脱ごうと――

フルーフ「わあああ!? なななにしてるの!?」

 ――したら、悲鳴を上げられた。
 首を傾げてフルーフを見れば、彼女は顔を真っ赤にさせて震えていた。

ユウキ「なにって、着替えるんだろ?」

フルーフ「そうだけど……恥じらいってものを持ってよ!」

フルーフ「外行ってくるから、着替えたら呼んで!」

 女の子にまさかそんなことを言われるとは。
 言葉に困る俺を置いて、フルーフは走って去っていく。

ユウキ「……ん?」

 唖然とする俺は、彼女の背中に黒い翼を見つけた。
 人間だと思っていたけれど、あれがあるということは悪魔、だろうか。
 いやでも男性の俺の担当につけられたってことだから、サキュバスだったりして。
 そこまで考えた俺の頭に、今しがた見せた彼女のリアクションがフッと浮かぶ。
 ……サキュバスはないな。うん。

 初めての服で戸惑ったが、なんとか着ることができた。
 黒と白のゴスロリ。どこかのお姫様みたいな服で、頭にはカチューシャ。スカートはわりかしミニだ。
 下着は……まぁ気にしないでおこう。

ユウキ「着替えたぞー」

フルーフ「そう? 思ったより早い――」

 がちゃっとドアが開いてフルーフが顔を出す。
 彼女は俺の姿を眺め、


 選択
 『主人公は下着も女性用なのか』

 安価↓1


 『フルーフの反応は』

 安価↓3

女性用

相当気にいったらしく、おしゃれに細部までプロデュースしてくれる

【服装はゴスロリであります】
【ので、>>102 >>104採用します】

フルーフ「ふむふむ……いいね!」

 グッと親指を立てて笑顔を浮かべる。
 彼女は俺の近くへやってくると、俺が届かない背中や頭の部分をちょこちょこと手直しする。

フルーフ「やっぱり元がいいと違うなぁ。ここはこうで……」

 鼻歌をうたいつつ俺を立たせて、部屋のあちこちを行き来するフルーフ。
 靴、首元に付けるアクセサリー、しまいには熊の人形を持ってきて――俺に持たせた。

ユウキ「おいこれ必要あんのか?」

フルーフ「わぁー! やっぱり人形が似合う!」

ユウキ「そ、そうか? ふふ、当然だがな」

 まぁ確かに鏡に写った姿は可愛いし、人形も念のため持っておこう。

フルーフ「女の子だったらなぁ、妹みたいなのになぁ」

ユウキ「残念だったな」

フルーフ「これもこれでアリって人もいるかもしれないけどね。よし次行こうか」

 俺の頭に手を置いて、フルーフは部屋を出る。
 次はどこへ向かうと言うのか……。

 城の中を進む。

フルーフ「次は住むところだね」

 住むところか。
 王国から優遇されているのだ、かなりすごいところに住めるかもしれない。

ユウキ「ああ、わかった」

 だが正直、そんな豪華なところに住むのは申し訳ないような気も――

ミル「ユウキ!」

ユウキ「ごふっ」

 前方、死角からなにかがタックルを仕掛けてくる。
 ぼんやり考えていた俺はそれをかわすこともできず受け止めた。自然と手がぶつかってきたものへを向かい、なにやらモフモフした感触が伝わる。
 そこにいるのはどうやらミルらしかった。


 『ミルの服は?(※コンマで偶数ならはいてない。奇数ならはいてる)』

 安価↓1

【メイド服で、はいてない、に決定ですー】

ユウキ「ミル……なんでメイド服なんだ?」

 俺に飛びついてきたミルは、オーソドックスなメイド服を身に付けていた。スカートは割りとミニだ。
 犬らしい彼女にこの服装は似合うのだが――何故、この服。

トワ「あなたが言えたことではないと思いますが」

ユウキ「……トワ」

フルーフ「と、トワ様!」ビシッ

 ミルから少し遅れて、トワがやってくる。

ユウキ「確かに俺も奇抜だが……理由を話してくれるか?」

トワ「彼女はユウキ様が主人だと言っていましたので。それに本人も満更ではないようですよ」

ミル「……」

 その本人は俺の身体に顔を押し付けて何も言わない。
 ――この服でいいってことなのだろうか。

ユウキ「ミル、この服でいいのか?」

ミル「ん。ミル、ユウキにたすけてもらったから。ごほうしする」

 ぎりぎり聞こえそうな声で、彼女はぼそぼそと言う。
 これ俺の世界なら間違いなく通報されてたな。

ユウキ「――ありがとな、トワ。綺麗にしてくれて」

 ミルの頭を撫でる。カチューシャの感触に混ざって、ふさふさの髪と耳の感触が。
 いい香りもほんのりとする。肌や髪の色も綺麗になったし――やはり女の子はこうじゃないとな。

トワ「いえ。異界の方のお仲間ですから」

トワ「では私はこれで」

 ぺこりと頭を下げて、彼女は去ろうとする。
 背中を向け――

トワ「ミルさんをしっかり守ってあげてくださいね。手に入れようとする人は多いでしょうから」

 最後に一言残してどこかへと歩いていった。

ユウキ「どういうこっちゃ」

 言われずとも、俺が連れてきたのだ。面倒は見るつもりだ。
 いまいち彼女の言わんとしていることの意味が分からなかった。

フルーフ「私に何も言わなかった……」

ユウキ「知り合いなのか?」

フルーフ「ううん、そういうわけでも。でも同じお城で働く人なんだから、挨拶くらいはって思ってたんだけど」

 フルーフはしょんぼりする。
 大人びた彼女がトワについて落ち込む。見ていて面白い。

ユウキ「家を探しに行くんだろ? そろそろ行くぞ」

フルーフ「あ、そうだった。早く決めないとね。ちなみにユウキは希望ある?」

ユウキ「希望? ミル、どうだ?」

ミル「……どこでも」

 どこでも、か。それは俺もおんなじなんだけどな。
 俺に判断を委ねるのだ。選択の幅があるに違いない。さて、どうしようか。


 選択
 1・豪華なホテル
 2・城
 3・フルーフの家

 安価↓1

ユウキ「フルーフの家がいい」

 まったく知らない世界で、知らない場所に住む。
 その不安は大きい。それにミルもいるし、人が多い方がいいだろう。

フルーフ「ええ? いいの? その……ミルちゃん、だっけ? もいるのに」

 驚いたように目を見開くフルーフ。

ユウキ「ミルがいるからなんだ?」

フルーフ「そのぉ……二人きりで、あの……楽しんだり」カアアァ

 すさまじい誤解をされているような気がする。

ユウキ「んなことしねえ。俺は成り行きでこいつと一緒にいるだけだ」

フルーフ「そうなの? えっと」

 ずいっと俺に近づき、耳打ちをする。おそらく、ミルに気を遣ったのだろう。

フルーフ「奴隷、とかじゃないの?」

ユウキ「んなっ!?」

フルーフ「ほら、異界の人って待遇いいでしょ? だから好き勝手する人も多いんだけど」

ユウキ「そ、そうなのか?」

フルーフ「うん。奴隷だとか、綺麗な人をお嫁さんにしてハーレムだとか」

ユウキ「どこの成金だ、それ」

 驚愕する俺から離れ、フルーフはきょとんとした顔で俺を見る。
 どうやら異界からやってきた人間は相当性格が歪んでいるようだ。
 けどまぁ、仕方ないことだと思う。
 いきなり知らない世界に来て、そこで盛大に歓迎されるのだ。それに甘える人間がいてもおかしくはない。
 しかし奴隷……か。ミルに会ったときまさかとは思ったが、その可能性も高まってきた。むしろそれしかない。
 ――となると、俺は誰かの奴隷だったミルを連れてきたのか。
 なるほど。トワの言葉も納得できる。

【落ちます】

ユウキ(護る……か)

 果たして俺にできるだろうか。
 ――いや、しないといけないんだろうな。俺が連れてきて、今のところ俺にしか頼れないんだから。

ユウキ「とにかくだ。俺はリーフを仲間のつもりで連れてきた。二人きりだとか気にすんな」

フルーフ「うん。考えてみたら来たばっかりだしね」

ユウキ「来たばかりじゃなくても、んなこと興味ねえ」

フルーフ「やっぱり心も女の子とか?」

 フルーフの家に住み込むことは許してくれたのだろう。
 彼女はゆっくりと歩き出し、こちらを見つつ雑談を継続。

ユウキ「それもねえって。俺は男なのにかわいいを売りにしてんだ」

フルーフ「なにそれ」

ユウキ「希少価値ということだ」

フルーフ「さっぱり分からない……」

フルーフ「結局女の子に興味はあるの?」


 選択
 1・「ある」
 2・「フルーフみたいな綺麗な人なら」
 3・自由に台詞

 安価↓1

ユウキ「フルーフみたいな綺麗な人なら」

フルーフ「ぶふっ!?」

 真面目に俺が言うと、フルーフが露骨なくらい慌てた。

ユウキ「やっぱり付き合うなら美人だよな」

フルーフ「び、美人……綺麗……」

ユウキ「――お前、大丈夫か? 凄まじく心配になるちょろさだぞ」

フルーフ「ちょ、ちょろくなんかないよ!」

 そんな顔を赤くさせて言われても……。

フルーフ「面と面を向かって言われたのがびっくりしただけ」

ユウキ「そうか」

 前を歩く彼女を見る。髪をしきりに撫で付けて、落ち着きが無い。

ユウキ「それにしてもフルーフは綺麗だな」

フルーフ「ひえ!? や、やめてよ……」

 ――すごく心配だ。身体がびくんとしてたぞ。

ミル「……ユウキ、いじわる」

ユウキ「ふっ、ついからかいたくなってな」

 あれほどいい反応を見せられると、こちらとしてもからかい甲斐があるというものだ。そしてそれを隠そうと強がるのだからなおさら。

フルーフ「……着いたよ。ここが私の家」


 意外と近い。数分の後にフルーフが立ち止まる。


 家のレベル、豪華さ(コンマ0~99で高いほど豪華に低いほど貧しく)

 安価↓2

 フルーフの家。
 それはまぁ……小さかった。見た目も割りとぼろかったり。
 言いたくはないけれど、俺が目覚めた小屋の方が見た目は良かったり――。
 城で働く人にしてはあれだな。

ユウキ「おい……」

フルーフ「あっ、今ぼろいとか思ったでしょ!?」

ユウキ「自覚はあるんだな」

フルーフ「ぐっ……お城から近いところは高いんだから仕方ないじゃん」

 立地というやつだろうか。お城から近いと安全だし、店も揃っているし色々と便利そうだ。
 となれば値段が上がるのも納得ということで。

フルーフ「で、でも一応三人住めるくらいだから! ギリだから!」

ユウキ「……ギリなのか。贅沢は言わんが」

 顔見知りがいるなら、それに越したことはないか。
 俺はため息を吐いて、家を見上げる。住まわせてもらう分際で文句は言えまい。

ユウキ「フルーフもいるし、ここでいい。さっさと入ろう」

 今日は疲れた。早く休みたい。

フルーフ「……釈然としない。まぁいいや。ささ、入って入って」

 鍵を開け、中へ招く彼女。
 俺達は先へ入った彼女へ続いて入室。家の中は外見に反して広く、綺麗で、片付いていた。
 しかし……気のせいか、ドアが二つ、ベッドが一つしかないような。

フルーフ「台所がここ、お風呂がここ、ベッドがここでトイレはあそこ」

 次々と部屋のあちこちを指差す彼女。どうやらトイレとお風呂だけがここと別室――ってことらしい。まぁ上等といえば上等か。風呂トイレ別、部屋は広め――うん、そう聞くと良い方にも思えてくる。

ユウキ「都会のマンション暮らしかと……」

フルーフ「ん? どゆこと?」

ユウキ「なんでもない。寝るところはどうするんだ?」

フルーフ「そうだよね……急な話だったから、どうしよう?」

 だよな。急に言った俺のせいだ。
 どうするか……。


 『寝床はどうするか』
 選択(コンマ1又は2で追加イベント)

 1・「全員一緒で」
 2・「俺がベッド以外で寝る」
 3・「俺がベッドで寝る」

 安価↓1


【本日は落ちます】

ユウキ「全員一緒で」

フルーフ「ああ、そうだよね。普通は――えええ!?」

 いいリアクションだ。流石は初なフルーフ。
 俺が予想するよりもはるかにいい反応を見せてくれた。

ユウキ「多分いけるだろ。他に寝られそうな場所もないし……仕方ないだろ?」

フルーフ「それはまぁ、そうだけど……。ああぁ……こんなことなら、もっと大きいベッド買うんだった」

 頭を抱えて彼女は言う。ここで、別の住居を勧めない辺り、異世界の者は本当に立場が高いのだなぁと思う。もしくは、彼女がただ単に抜けているだけなのか。

ユウキ「悪いな。もし寝られなかったら、ミルだけでもいいから寝かせてやってくれ」

フルーフ「うん……」

ユウキ「これで住むところも大丈夫だな」

フルーフ「とりあえずこれでこの世界で暮らす準備はできた、かな」

ユウキ「これからはじめるわけか……異世界生活が」

 まったくはじまるという気はしない。
 けれどこれからに期待してしまう自分がいることは否定できなかった。
 地球では地味というか浮いていたけど、ここでは楽しくすごせたら――なんて。

【さて、ここからメインとなる行動選択が解禁されます】
【このSS、誰に会うか、どこに行くか、何をするかで好感度を貯めてイベントを起こし、エンディングを迎えるのが目的です】
【ヒロインは7人程度。他キャラは適当に】
【メインストーリーなどもありますが、どれが先に進むかは不明】
【ちなみにある程度好感度が上がると、デートに出かけることも。R―18的要素もそこがメインで、先程あったようなコンマでちょこちょこと】
【お家は一週間経過で引っ越しできる――など、決まりはちょくちょく追加】

【初期好感度はこれまでの選択肢で適当に決定します】

【キャラ紹介】

主人公  ユウキ
 ゴスロリ姿の、少女にしか見えない少年。自分に絶対の自信を持っていて、ナルシスト気味。この世界へやって来た際に強大な力を手に入れたが、戦闘に関しては素人。黒髪のロングで、身長は平均的。男性と思えないほど細く、顔立ちは少女そのもの。人形を抱いていてもおかしくはない見た目なのだとか。割りと単純で馬鹿。

元囚われの少女 ミル
 とある屋敷にとらわれていた少女。幼女と言っても差し支えない幼い容姿をしており、ユウキに連れだされたことに感謝しメイド服を愛用している。一切の事情が不明だがユウキを慕っており、とても従順。犬のような耳、ふんわりとした茶のショートヘア。どこか悲しげな目をしている。トワ曰く、手に入れようとする人が多いらしい。

騎士 トワ
 王国の騎士。天才的な太刀の使い手であり、頭脳もまた優れている文武両道な騎士。心優しい性格で、弱い者は決して見捨てない。丁寧な口調で話す。種族はエルフと人間のハーフ。年齢は102だが、小さなロリ的な見た目。身長は低く、髪はロングでそのままおろしている。色は暗い茶。基本的に和服を好んで着ており、背中には身長ほどの太刀を背負っている。顔立ちはあどけなさを若干感じさせる、凛としたもの。胸はぺったんこで、身長や見た目通り。

担当 フルーフ
 ユウキの担当となったサキュバスのお姉さん。見た目の年齢は10台後半。綺麗な色をした金髪。ウェーブがかったそれは胸ほどの長さで、後ろで一部を編み上げている。顔立ちは女性としての魅力が感じられる美しいもの。垂れ目で、唇は柔らかそうで、紫色をした瞳は吸い込まれそうなほど綺麗。服は黒のシャツにカーディガンのようなもの、下はレギンスを穿いたミニスカート。ひらひらした飾りはなく、一見すると地味め。が、胸がでかく地味という印象はない。凄まじいウブ、らしい。



 『ヒロインの好感度』
・ミル   【30】
・トワ   【20】
・フルーフ 【25】

ユウキ「……夜、までは時間があるな」

フルーフ「まぁね。っていうか、お昼にもなってないよ」

 そんなに時間が――って当然か。まだまだ何もしてないからな。

ユウキ「初めてこの世界に来たし……なにかするか」

 土地勘を鍛えておきたいし、何かしたほうがいいだろう。
 【デートが限定解法されます】


 行動選択
 1・誰かに会う(ミル、トワ、フルーフ、???から選択)
 2・デート (ミル、トワ、フルーフから選択)
 3・どこかに行く(街、城、街の外から選択)

 安価↓2

【今日は落ちます】

【今回は特別なシーンなので、複数でいきます】
【ではデートの説明を】
【デートでは向かう場所を選択し、そこで会話をします。その際に選択肢を選択。
 良いものを選ぶと『コンマ×1』の数が機嫌値に加算。普通だと『コンマの半分』の数値が加算。悪いものを選ぶと『コンマの半分の値』がマイナスされます。ちなみに右から二桁の値で計算します】
【場所選択はだいたい三回。選択肢も三回】
【デート終了後、機嫌値が80を越えていれば追加でイベントです】

【今回は二人となので、追加のイベントがあった際はコンマか多数決で】


ユウキ「……出かけるか」

 しばし思考をした後、俺はつぶやく。

ユウキ「フルーフ。俺達にこのへんのこと案内してくれないか?」

フルーフ「いいよ。ってことはミルちゃんも一緒だね」

 まぁ当然そうなるのだが――果たして大丈夫だろうか。俺はミルをちらりと見た。
 相変わらず俺にくっついたままの彼女は、フルーフをただ黙って見つめている。街を歩くことになるのだが、特に嫌でもないらしい。
 とりあえずは問題なしか。ミルが疲れないように気をつけないとな。

ユウキ「ああ。んじゃ早速行くぞ」

ミル「……」コクン

 ミルの頭に手を置いて、声をかける。彼女は上目遣いで頷いた。


 さて、まずはどこに行こうか……


 選択
 1・大通り
 2・雑貨屋
 3・城
 4・食堂
 5・銭湯

 安価↓1


 とりあえず大切な場所を紹介してくれと頼んだところ、フルーフが連れてきたのはここだった。
 生活に必要な物を買える場所――雑貨屋。
 大きな通りにあるこのお店は、なんとなく高級品を扱っていることが分かった。この通り自体がそんな感じのお店ばかりだし――全体的に『無駄』という単語が頭をよぎる。
 勿論、悪い意味で無駄なのではない。贅沢、ということだ。普通に暮らしていく分には必要ないクオリティ、飾り……そういったものが目につく場所だった。

フルーフ「生活するなら雑貨は重要だよね」フフン

ユウキ「まぁそうだけどな。ここ高そうだぞ?」

フルーフ「大丈夫大丈夫。お金ならお城から出るから、そう無茶しなければ怒られもしないよ」

ユウキ「無茶のレベルが分からねえ……」

 高級品を無茶と言われるほど買うなんて、やりたくもない。自分の金でもないし。
 いまいち釈然としないが、ミルのために良い品を買うっていうのは大切かもしれないな……。
 なんて思いつつ、高そうな椅子を見る。
 雑貨のくくりってのは大きいものだ。店に並ぶ商品を見ると改めてそう思う。

ユウキ「ミル、なにか欲しい物あるか?」

ミル「……ない」

 店内を見回し、ミルは首を横に振る。

ユウキ「ま、大体のものは家に揃ってるしな。今は必要ないか」

ミル「うん、フルーフのおうちもいい」

 だよな。いきなり押しかけたんだ。あれくらいでいい。

フルーフ「あれ? なにも買わないの?」

 冷やかし気分で見ていると、フルーフが近くへやって来る。

フルーフ「ほら、お皿とかバッグとかソファとか必要と思わない?」キラキラ

 その目はやらた輝いていた。まるで何か期待しているような。
 ……自分の意見を言うことにしよう。


 選択
 1・「そのためにここに来たのか」
 2・「お前が普段使ってる店の方がいい」
 3・「買ってやろうか?」

 安価↓1

【機嫌値 +23  計23】

ユウキ「買ってやろうか?」

 これまた釈然としないが……これまで、これからのお礼だ。
 それに俺には必要ないように思えるかもしれないが、彼女には必要なのかもしれない。
 ――頭の中で自分に言い聞かせ、俺は尋ねた。

フルーフ「へっ?」

ユウキ「なんでそこできょとんてなるんだ」

フルーフ「ええと、ユウキが欲しいものはないの?」

ユウキ「俺は……全然ないな。何が必要かわからん」

フルーフ「――わりかし真面目なんだね、ユウキって」

ユウキ「? なんでだ?」

フルーフ「だって欲しい欲しくないじゃなくて、必要か不必要かなんて」

 なるほどな。確かに。わりかしってのが気にかかるが。

ユウキ「とにかく、俺はいいんだ。フルーフ、お前が買いたいものとかあるんじゃないか?」

フルーフ「ないけど」

 きっぱり答えやがったこいつ。

ユウキ「なら今さっきの期待の瞳はなんだったんだ」

 ため息混じりに問いかける。するとフルーフは照れくさそうに笑った。

フルーフ「ユウキ達が喜んでくれてるかなーって」

ユウキ「……」

 どうやら、俺達に気を遣ってくれたみたいだ。
 例えるなら、やたら食べ物を勧めてくるおばあちゃんみたいに。
 てっきり買いたいもののおねだりかと思ったが、間違いだったか。謝っておこう。心の中で。

ユウキ「お人好しだな、ったく」

フルーフ「あー、そんなこと言う? 私がユウキのお財布の紐握ってるようなものなんだからね」

ユウキ「……喜んでるよ」ボソ

フルーフ「私に敬意を――え? なんか言った?」

ユウキ「なんも言ってねえ」

ミル「よろこんでるって――むぐぅ」

ユウキ「よし、ミル。こっちでリボンでも見てくかー」

 素直に教えようとするミルの口を塞ぎ、店の奥へ。
 ああいうことを言うのは恥ずかしいのだ。聞こえるか、聞こえないかくらいがちょうどいい。


選択
 1・大通り
 3・城
 4・食堂
 5・銭湯

 安価↓1


【今日は落ちます】

 
 次に俺達は大きな建物の前にやって来た。
 石造りのそれは、他の建物と一風違った雰囲気を放っている。

ユウキ「なんだか和風な……」

 雑貨屋と同じ通りにあるのだが、これだけやたら和風だ。
 店前にベンチが置かれていて、竹のように見える飾り、温泉のマークが描かれたのれん。ここだけ日本だと言われても納得ができそうだ。

フルーフ「あ、やっぱりなんか感じる?」

 横に立つフルーフが俺へ視線を向ける。

ユウキ「まぁな。あれって、異世界が関係してたり……」

フルーフ「うん。ユウキみたいにここへ来た人達が作ったらしいよ」

 やっぱりか。

フルーフ「銭湯ってものらしいね。入ったことないけど、結構話題だよ。値段もお手頃だし」

フルーフ「なんと言ってもここの目玉は温泉。個室もあったりして、バリエーション豊かで……楽しそうだよね」

ユウキ「へえ、そうなのか。折角だから入っていくか?」

フルーフ「うん! 来たんだし、そうしないと損だよね」

フルーフ「ミルちゃん、いいかな?」

ミル「……ん」コクン

 さて。お風呂に入る方向に決まったが……


 選択
 1・個室で
 2・普通に男女分かれて
 3・混浴とかないのか?

 安価↓1

【機嫌値 -3 計20】

ユウキ「混浴とかないのか?」

二人『……』ジトーッ

 凄まじく冷たい目で見られた。何故だろうか。

フルーフ「女の子相手にしれっとよく言うよね……」

ユウキ「へ? ――あ、いやそういう意味じゃない! 俺はただミルが心配なだけだ」

 人見知りするミルがお風呂に無事入ることができるのか。それが心配だっただけで、他意はない。
 ……本当だ、うん。

ユウキ「若干見たい気持ちがあったのも否定しねえけど――」

ミル「……いこ」

フルーフ「うん。じゃあユウキ、心配しないでゆっくり入ってきてね。あ、お金渡しとくよ」

ユウキ(なんだろう。すごい疎外感……)

 二人とも微笑しているのに、目が笑っていないというか。怖い。
 あたふたとする俺を置いて、二人は銭湯へと入っていく。

ユウキ「……俺も入るか」

 しばらくして、俺も銭湯へと向かった。
 当然のことながら、やたら他人から視線を感じたりもしたが、大きなお風呂は気持ちよかった。
 また機会があれば来てみたいと思う。


選択
 1・大通り
 3・城
 4・食堂

 安価↓1

 お風呂も入り、さっぱりしたところで大通りを散歩する。

フルーフ「ここに来れば大抵のものは手に入ると思うよ」

ユウキ「だろうな。色々店があんから」

 大通りには様々なお店がある。
 さきほど見たような雑貨屋もそうだし、バリエーション豊かだ。綺麗で、お店もお客さんも身なりがいい。

ユウキ「しっかし、俺にはとことん縁がなさそうな場所だな……」

フルーフ「前の世界ではそうかもしれないね。でも今は異界の人間。超VIPだよ」

ユウキ「実感がなさすぎる……」

フルーフ「大体のお願いは聞き入れてくれると思うけど、ユウキってそういうの欲がないの?」

ユウキ「そういう欲か……」


 選択
 1・かわいい女の子がほしい
 2・食べ物がほしい
 3・ミルの服とか

 安価↓1

【機嫌値 +56  計76】


ユウキ「ミルの服とか」

 強いて欲しいものなら、それだろう。

ミル「……ユウキ。ありがとう」

フルーフ「ふふっ、欲なんてなさそうだね」

 優しげな、嬉しそうな目でこちらを見てくる二人。銭湯の時とは打って変わって好印象だ。

ユウキ(これはこれで照れくさいんだな……)

 どうすればいいんだか。我ながら複雑だ。

フルーフ「それじゃ、ミルちゃんの服を見に行こっか!」

ユウキ「ああ。年頃だからな……可愛くしてやらないと」

ミル「たのしみ」

 お金の心配はないみたいだし……思う存分可愛くしてやるとしよう。
 メイド服以外にはどんな服が似合うだろうか。わくわくした気持ちで、俺とフルーフ、ミルは通りの店をあちこち見て回った。


【デートイベント終了】
【機嫌値76 追加イベントはなしです】

 こうして初日はあっというまに過ぎていった。
 思えば、色々ありすぎた。
 世界を移動し、それについて説明され、優遇すぎる対応に戸惑って街を案内してもらって……楽しい、けれど不安がないかと言えば断じてノーだ。
 俺みたいなぽっと出が優遇される。その反対――恵まれていない人がいるのはもう絶対だと言っても過言ではないだろう。
 この世界の歪み。初日ながらそれをまざまざと感じさせられた。

フルーフ「……で、だけど」

 食事もして、身支度をして――で、寝る時間になった。
 俺達は当初決めていた通り三人でベッドに眠ろうとしたのだが、何か問題があるらしい。フルーフが恥ずかしそうにもじもじしつつ、俺らへと向き直る。

フルーフ「どうやって寝る?」

 どうやって? 三人で寝るんじゃねえのか? なんて、最初は思ったが少し考えて疑問の意味を理解した。
 どの並び順で眠るか……。きっとそのことだろう。どうでもいいんだが、フルーフは意外と恥ずかしがり屋。考えて提案してあげないとな。


 『どの並び順で眠るか』 ※自由に記述してください

 安価↓1

フルーフ「健全――だね。ギリギリ」

ユウキ「だろ」

 そもそも男性と女性が同じベッドに、なんて状況が不健全だが――そこに小さな女の子を挟むと健全に思えるから不思議だ。

フルーフ「じゃあ私がここで……ミルちゃん、おいで」

 まず壁際のフルーフが先に寝転がり、次にミル。最後に俺がベッドへ。
 一応俺は彼女らへ背を向けて寝る。

ユウキ(予想以上にすごいな……)

 女性二人と間近で寝床を共に。背中を向けて姿は見えないものの、それは想像以上に未経験な感覚であった。
 匂い、夜特有の静けさに、二人の息遣いが聞こえ――

ユウキ「なぁ、ミル。俺に抱きつかないと寝られないか?」

 背中にはミルの感触が。
 しっかり俺の身体をホールドしており、背中に彼女の柔らかい感触が伝わる。

ミル「ねられない」

 まさかそうきっぱり答えられるとは思ってもみなかった。
 この状態、俺も寝られないのだが……我慢か。それしかない。

フルーフ「くぅ……すー」

 こいつはこいつですぐ寝てるし。

 その夜、もんもんすることしばらく。俺は気づいたらいつの間にか寝ていた。
 初日なのにこの恵まれよう……地球の男性はさぞかし羨むことだろう。


【ミル、フルーフともに好感度 +3】

・ミル   【33】
・トワ   【20】
・フルーフ 【28】

 翌日。
 国から配給されたという食材で、豪華な朝食――のはずなのだが。


 『今日の料理担当は誰?』 (ミル、トワ、フルーフ、ユウキの中から誰か一人選択。コンマ右から二桁で腕前が決まります。)

 安価↓1

【トワ 料理の腕『75』で凄腕】

トワ「どうですか? 我ながら自信作です」

 ――何故か食材とともにトワまでやってきた。
 いやまぁ、美味しいんだけど。プロなのかと思うくらい美味しい朝食なんだけど。
 なんで彼女がわざわざここへ朝食を作りに? なんて思っても仕方ないだろう。

ミル「……」モグモグガツガツ

フルーフ「すっごく美味しいです! 先輩!」

 みんな喜んでくれてるし、いいのか……?

ユウキ「本当に美味いなこれ……」

 ただのトースト、スクランブルエッグ、スープ……なんてことはないメニューなのにその一つ一つが感心してしまうくらい美味しい。食べ合わせのこともしっかり考えてあるようで、トーストにはバターが少し多めに。スクランブルエッグにはバター少なめ。スープはコンソメベースの野菜多めのもの。それぞれを順番に口に含めば――幸せな気分。
 カリッとした食感に柔らかな卵、そして野菜のみずみずしい歯ごたえ。食感の楽しさに加えて、コンソメのスープの旨味に溶けるバターの調和、あたたかなスープ……。身心ともに温まるメニューだ。
 パンはおやつの域を出ないと力説する俺も、その説を覆したくなるほど完成度が高い。

トワ「ふふ……昨日から計画していた甲斐がありますね。おかわりもありますから、言ってください」

ミル「おかわり」

フルーフ「スープおかわりで!」

ユウキ「もうワンセット頼む」

 朝からこんなにばくばく食べて大丈夫だろうか。若干心配になるものの、この美味しさの上ではそんな不安は些細なことであった。


【トワの料理の腕が凄腕になりました】
【トワ 好感度+1】

フルーフ「食べ過ぎた……」

ミル「ミルも……」

ユウキ「……俺もだ」

 朝食後。起床から満足するほど食べた俺達は、椅子やベッドの上でだらけていた。
 ――さて、二日目だ。時間は全然あるし、なにをするにも困らないだろう。どうしようか。



 行動選択
 1・誰かに会う(ミル、トワ、フルーフ、???から選択)
 2・デート【選択できません】
 3・どこかに行く(街、城、街の外から選択)

 安価↓2


【今日は落ちます】


【???は大体予想がつくかもしれませんが、新ヒロインです】
【というわけでキャラメイクを】

【まず、キャラの職業を】
【誰かの知り合いだったり、友人だったり、そのようなことを指定しても構いません】

 安価↓1 キャラの職業
 安価↓2~4 他キャラとの関係(矛盾するものは先に出たものを採用)

【ニートさんで決定です】
【他キャラとの関係はなし、もしくは流れで勧めます】

【次に種族、見た目の年齢(10~30程度まで)を】

 安価↓1 種族
 安価↓3 年齢

【コボルトはミルと若干かぶるかと思いますので、再安価。年齢は16で決定】


種族↓1

【では人間で】

 年齢:16
 種族:人間
 職業:ニート

【次に名前。↓1~2で採用します】

【メルトリリスで。長いのでメルトやメリスなど愛称を後々】

名前:メルトリス
性別:女
年齢:16
種族:人間
職業:ニート

 次に性格です。基本となる性格から、好き嫌い趣味嗜好など↓1~3で採用します。
 前と同じく二つとると矛盾するものは前のものを採用。


【今日は落ちます】

【容姿はまた次辺りで】
【性格以外も結構きましたが、容姿以外採用しときます】
【トワにあこがれていて、敬語を使っている。病弱で趣味は読書。トワから剣術を習っていて、トワと互角程度の実力】
【性格はおとなしい。が、妄想癖がある。家の窓から見えた人であれこれ想像するのが好きで、本に出てくるような刺激あふれる世界に憧れている。嫌いなものは退屈な現実】

【次に容姿を】
【↓1~4くらいで、ほどよく時間を見て締め切ります】

【体力が極端にない感じにします。剣はアレンジした我流で】
【で、褐色が肌か髪か分からないのですが――髪にしておきます】
【褐色のストレートロングで、全体的に細い体つきで、白い肌】
【身長は年齢相応くらいで。他も合うように決めます】

【次は口調で。一人称、三人称なども記載してくれると有り難いです】

 安価↓2

【丁寧な口調で、あまり離し慣れていない感じ】
【一人称は私。三人称は名前にさん付けで】


名前:メルトリス
性別:女
年齢:16
種族:人間
職業:ニート
性格:おとなしい。が、妄想癖がある。家の窓から見えた人であれこれ想像するのが好きで、本に出てくるような刺激あふれる世界に憧れている。嫌いなものは退屈な現実
容姿:褐色のストレートロングの髪。体つきは細めでスタイルもスレンダー。雪のような白い肌が特徴的。大人しそうな顔立ちで、眉は下がりがち。読書をする際は眼鏡を身につける。服装はキャミソールのようなノースリーブのシャツと腰までの短めのマント、下はショートパンツ。靴は至って普通の茶のブーツ。腰に一本、剣を差している。
口調:一人称は私。三人称は名前にさん付け。丁寧な口調で、話し慣れていない感じ

備考:ひきこもりの少女。病弱で趣味は読書。トワにあこがれていて、敬語を使っている。憧れの人物であるトワから剣術を習っていて、トワと互角程度の実力。が、体力がないため長くは戦えない。


【最後にキャラ初登場のシチュエーションを】
 1・トワからメルトリスを真人間にするべく紹介
 2・街で遭遇。衝突して、メルトリスさん倒れる

 安価↓1

 朝食後。
 休憩を挟んでから外へ。眠ってしまったミルはフルーフに任せて、俺は街を散策することに。

ユウキ「あー、幸せな気分だな」

 お腹はいっぱい。外は爽やか。お金の心配はなく、なにかに追われることもない。
 そんな状態で街を気ままに歩く。その気分は中々に爽快だ。
 鼻歌をうたいつつ俺は左右を眺め、通りを歩く。店に、集まる人に、にぎやかな声。誰もが品が良さそうな、拒絶反応が出そうな場所だが、平和だ。

ユウキ「たまには脇道に」

 フッと笑い、なんとなく目についた分かれ道へ向かう。
 こんなふうに進んでいくのもまた一興。たまにこうしていると思わぬ収穫が――

???「あふっ!?」

 衝撃。と同時になにやら可愛らしい声が。
 ちょっと固めな――あ、いや、控えめな感触だったが、女の子にぶつかってしまったのだろうか。

ユウキ「っと……すまん。大丈夫か?」

 よろけるも、そこは男。倒れずに俺は前の少女らしき人へ声をかける。
 初対面の人間に高圧的でナルシストな態度をとる俺ではない。紳士的なのは俺の特徴である。手を差し出して――

ユウキ「あれっ?」

 ――いるのだが、反応がない。
 見ればその少女、気を失っているようだった。
 衝突して、気絶。嫌な予感がした。

ユウキ(まさか殺……?)

 命を奪ってしまった!?
 あり得なくもない。まずい……人を、ましてや少女をやってしまうなんて。

ユウキ「と、とりあえず人に見せないといけないよな」

 どう見ても不審者だが抱えて――って、軽いな。
 俺の力のせいか? 羽みたいな軽さだ。

ユウキ「どこに行くか……」

 人に見せるとして、誰にするか。


 選択
 1・城へ
 2・フルーフの家へ

 安価↓1

ユウキ「助けてくれ!」

 近い、と思われるフルーフの家へ避難。
 できるだけ人目につかないよう急いで帰宅。ようやく到着した俺は、早速助けを求める。

フルーフ「……助けが欲しいのはそこの女の子に見えるけど?」

ミル「……」ジトーッ

 が、出迎えたのはすごく冷たい視線だった。
 なんだろうこの、俺の信頼度が目に見えて下がっていく感じは。

フルーフ「いい人そうに見えたのに、いきなりお持ち帰りなんて……」

ミル「はーれむねらい?」

 凄まじい誤解をされていた。

ユウキ「いや、これはだな――」

 俺は慌てて二人へ事情を説明した。

フルーフ「え? ぶつかって殺めた?」

ミル「はんざいしゃ……」

 更に好感度が下がったような気がする。

ユウキ「殺してなんかねえ! 多分。息はしてるから、治療をだな……」

フルーフ「うん、わかったよ。ちょっと待っててね」

 ふざけていたのか、それとも人の命がかかっている故の冷静さか、フルーフが俺がベットにおろした少女へ近づき、具合をみはじめる。

ユウキ「どうだ?」

フルーフ「気を失ってるだけ……みたい。傷もないし」

ユウキ「そ、そうか」

 良かった。とりあえず犯罪者にはならなかった。

フルーフ「だとしたら、なんで気を失ったんだろう……」

ミル「……なぞ」

ユウキ「だな」

 ひょっとしてかなり弱い人間だったり。それはそれで心配だ。

ユウキ「……」

 しかしまぁ、こいつも結構かわいい見た目をしている。
 詳しいことはキャラ紹介を見てもらうことにして――スレンダーな女の子もまた魅力的なものだ。

ミル「ユウキ。なんでじっと見てるの?」

フルーフ「やはり誘拐……」

ユウキ「違うっての!」

 俺の信用度が著しく低い。やっぱり女装がいかんのか。

???「うーん……」

 人形を抱いてシュンとしていると、ベッドの上にいた少女が声をもらす。どうやら気づいたようだ。

【ちょっと変更。丁寧に話す設定は入れず、喋りなれてない感じだけにします。トワへの敬語設定があるので】


???「――あ、あれ? なんで私……こんなところに」

ユウキ「よう。気がついたみたいだな」

 きょろきょろと周りを見る彼女へ声をかける。

???「あ! 君は……」

ユウキ「悪かったな。正直に言うと前を見てなかった」

???「いや……私も、すみません」ペコリ

 状況的に彼女が謝ることはないんのだが……。

???「貧弱、で」

 ああ、そういうことか……。

ユウキ「んなの、ぶつかった俺が悪いんだ、気にすんな。身体の方は平気か?」

???「うん、大丈夫……。むしろ、寝れて元気な……感じ」

 中々面白い喋り方だ。眠っているときはそんな印象なかったけど、結構おどおどしてるんだな。気が弱そうだ。

???「ここ、は……?」

ユウキ「こいつ、フルーフの家だ。気を失ってるから連れてきた」

フルーフ「どうも。フルーフだよ。うちのユウキが迷惑かけてごめんねー」

???「ユウキ……?」

 俺の名前を聞いた少女が反応を示す。
 どうやら誰かから名前を聞いていたようだ。


 選択 少女の反応
 1・「ライバル……!」と敵対心を露わに
 2・「異界の……!」と好奇心を
 3・(その他自由に)

 安価↓1

???「異界の……!」

 目を輝かせる少女。彼女は俺のことをジッと見つめて、納得したかのように頷く。

???「女の子にしか見えない見た目に、ゴスロリ……聞いてた、通り」

ユウキ「誰に聞いたんだ?」

???「トワ様」

 ……様?

フルーフ「知り合いなんだ……トワさん私とは話してくれなかったのに」

 こいつは未だそれを気にしてるし。人気なのだろうか、トワは。

???「知り合い……よりは、弟子、だね。私は」

ユウキ「弟子?」

???「剣の」

ユウキ「嘘だろ」

 衝突で外傷もなく気を失う人間が、あの騎士で有名なトワの弟子だとは信じられん。

???「――これでも、強いんだけど」

ミル「そうなの?」

フルーフ「あの人の弟子ならあり得るかも……」

ユウキ「強いのか……」

 ふむ。そうは見えない。
 俺はおもむろに少女へ近づいて、彼女の額を軽く押す。

???「あてっ。な、なにするの……」

 コテンと彼女はベッドに倒れてしまった。
 戸惑った様子で言う彼女は、のんびりと時間をかけて起き上がる。
 ……やっぱり、強そうには見えない。

【今日は落ちます】

ユウキ「弟子の件はまぁいい。城の関係者ならこれから世話になりそうだな。……改めて。ユウキだ、よろしく」

???「あ、うん。私はメルトリス……よろしく、ユウキさん」

 メルトリスか。他の人と比べると長い名前だな。

ユウキ「で、この子が」

ミル「ミル……」

メルトリス「うん、よろしく。……あの、一ついい?」

 自己紹介を簡単にした後、少しの間気まずそうに視線を動かして、不意に彼女は手を挙げた。

ユウキ「なんだ?」

メルトリス「私は、何も仕事してない……から」

 あの身体能力に仕事なし……なんだかダメ人間に見えてきた。

ユウキ「そ、そうなのか……かわいそうにな」

フルーフ「」バシン
ミル「」バシッ

 二人に同時に叩かれた。

メルトリス「いえ、自分が選んでる感じも、あるから。お気に……なさらず」

ユウキ「う、うむ」

 また正直にものを言えば叩かれてしまうかもしれない。俺はこくりと頷いて、黙っておく。

メルトリス「じゃあ、私は……これで。家で本を、読みたいから」

 すると絶妙なタイミングでメルトリスが床に立った。
 ぺこりと礼をして、家のドアへと向かう。

メルトリス「あ、そうだった……」

 かと思いきや立ち止まる。彼女は静かに振り向いて、俺のことをじっと見た。

メルトリス「今度良かったら、一緒に出掛けたり……」

ユウキ「ああ、いいぞ。暇なときなら」

メルトリス「そか……嬉しい」

メルトリス「じゃあ、みんな、また今度」

 手を軽く振り、去っていく。
 登場のインパクトこそ大きいものの、大人しいやつだ。すっかり慌てていた俺も落ち着いてしまっている。

フルーフ「なんていうか……色々心配になる子だったね」

 フルーフがぽつりと漏らした言葉に、俺はひそかに同意した。

【ヒロインにメルトリスが追加されました。初期好感度は20です】

 三日目の朝。
 適当に朝食を済ませて、今日一日の予定を考える。
 とくに用事もないし、なにをするか。


 行動選択
 1・誰かに会う(ミル、トワ、フルーフ、メルトリスから選択)
 2・デート【選択できません】
 3・どこかに行く(街、城、街の外から選択)

 安価↓2

 街を歩くことにした。
 賑やかな通りを歩き、適当に、気が向くままに歩いていく。
 やはりこういうのはいいものだ。心が洗われ――ん?

男1「こいつ……大丈夫なのか?」

女1「いや、分からないね。なにも反応しないし」

男2「なにかよからぬ呪いでも受けてんじゃないか?」

 おそらく貴族のエリアであろうところを抜けたちょっと先。
 いつも通らない通りへ足を踏み入れてしばらくすると、脇道に立つ三人の男女と、その視線の先に立つ少女が目についた。
 彼女は感情を感じさせない顔で、どこか一点を見つめていて……なんだか、無性に心配になる。



【というわけで、連続で新キャラ登場の選択肢を踏みました】
【今回はある程度設定が決まっているので、メイクする点は性格と容姿、武器などだけで少なめです】
【ちなみにメインのストーリーと係わっている人物です】


名前:【未定】
性別:女
年齢:不明
種族:不明
職業:不明
性格:不明
容姿:【未定】
口調:機械的な口調。ですます口調で話し、基本的に必要なこと以外は話さない。

備考:街で遭遇した不思議な少女。表情には感情の一切を感じさせない。



【少女は感情をいくつか失くしている設定です】
【まず最初に、その感情を決定します。それによって感情を取り戻した際に性格が変わります】
【喜びだったり、悲しみだったり、睡眠欲であったり、性欲だったり、ほぼなんでもありです。判断はこちらの独断で決めますので、気軽に】

【安価↓1~キリのいいところまで適当に。多いいとストーリーが終わらない可能性も出てくるので、ここらへんも私の判断です】

【あと二つ、三つ程度お願いします】
【連取も構いません】
【安価↓1~3で】

【怒り、人を愛する心、正義感、勇気、恐怖、武芸百般……ということで】
【では次に容姿を。安価↓1~5くらいで募集します。髪だったりスタイルだったり。いつも通り矛盾するものは先に出たものを採用で】

【ここまでで】
【銀髪のミディアムヘアで、目が前髪で隠れている。胸は並程度。瞳の色が左右で違い、背中が大きく空いた服を着ている】
【という感じで、後は私が】

名前:【未定】
性別:女
年齢:16~19程度
種族:不明
職業:不明
性格:不明
容姿:髪は銀色のミディアムヘア。前髪で目が隠れており、その瞳の色は右は翠で、左は蒼。身長は平均的より低めで、体つきもまた平均的。胸もほどよい感じ。服装は背中が大きく空いた黒のドレス。どこかの貴族みたいに立派な品。
口調:機械的な口調。ですます口調で話し、基本的に必要なこと以外は話さない。

備考:街で遭遇した不思議な少女。表情には感情の一切を感じさせない。


【次に彼女の武器、強さを】
【安価↓1で武器を指定。主人公と同じくそのコンマで強さが決まります】

 1~3 一般人より強いくらい
 4~7 強者ランク
 8~9又は0 最強クラス

【銃で、一般人より強いランクです】


名前:【未定】
性別:女
年齢:16~19程度
種族:不明
職業:不明
性格:不明
容姿:髪は銀色のミディアムヘア。前髪で目が隠れており、その瞳の色は右は翠で、左は蒼。身長は平均的より低めで、体つきもまた平均的。胸もほどよい感じ。服装は背中が大きく空いた黒のドレス。どこかの貴族みたいに立派な品。
口調:機械的な口調。ですます口調で話し、基本的に必要なこと以外は話さない。

備考:街で遭遇した不思議な少女。表情には感情の一切を感じさせない。武器は銃を使用し、実力は一般人より強い程度。

【ひとまずはこれで決定です。性格の基本部分は選択肢で決まります】

【今日は落ちます】

 見ず知らずの人に声かけるのはあれだが……放ってはおけまい。

ユウキ「どうしたんですかぁ?」

 可愛こぶり全開。絡まれると厄介なので、無害な女の子を装う。

男1「ん? ああ、この女の子全然動かないんだ」

男2「心配する筋合いもないと思うんだけどな、あまりにも動かないから心配でな」

女1「おお、ちょうどいいところに。若い女の子同士、交流できないかい?」

 存外人が好さそうに笑みを浮かべて答えてくれる三人。

ユウキ「なるほどー。ちょっとやってみますね」

 ウインク。知り合いが見たら引かれそうなテンションで言い、俺は動かない少女へ近づいていく。

ユウキ「こんにちは。初めまして。お元気ですか?」

???「……」

 とりあえず初対面らしい言葉を投げかけると、驚くことに少女が反応を示した。


 選択 少女の反応
 1・「マスター」 と小さな声で
 2・「誰でしょうか?」 と小さな声で
 3・「結婚してください」 と小さな声で

 安価↓1

【少女の性格傾向が変化しました】

 口を微かに開き、彼女は一言。

???「結婚してください」

ユウキ「おい」

 猫をかぶっていたことなどすっかり頭から抜け、俺は即座につっこみを入れる。
 なんだこいつ。何も考えてなさそうな、感情すらなさそうな顔をしておきながら、いきなり求婚してきやがった。

女性1「よ、よかったじゃないか。好かれているみたいだね」

男性1「友情だな」

 驚かれるとともに若干引かれてるし。
 皆の注目の中、第一声を発した少女は俺へ視線を向ける。髪でよく見えないけれど、多分俺を見た。

???「私はあなたを待っていました」

ユウキ「なんだナンパか?」

???「あなたと親密になれるなら、それでも」

ユウキ「なんなんだよ、こいつ。本当に動かなかったのか?」

男女『』コクコク

 だとすると……何かわけありか? それとも、単におかしなやつか。
 俺を待っていたと言っているし、前者の方が可能性が高い……のだろうか。

ユウキ「――とりあえず、ついてこい。話を聞いてやる」

 とにかく、ここは俺ではなく誰かに意見を求めた方がいい。
 俺の言葉に、少女はこくんと一度頷く。とりあえず、こちらに危害を加えたりはしなそうだ。


 選択 【コンマ1~3で追加イベント】
 1・場所を変えて少女に質問
 2・フルーフに訊く
 3・トワに尋ねる

 安価↓1

 ってなわけで、またここへ。

フルーフ「ユウキ……二日連続でお持ち帰りとは」

ミル「もてもて?」

 フルーフの家に帰り、彼女に意見を求めようと思ったのだが――当然の如く警戒される。

ユウキ「だからそういうんじゃないっつってんだろ。ほれ、事情話すから聞け」

???「はい」

ユウキ「お前じぇねえ」

 全員で椅子に座り、事情を話す。
 こいつを見つけたこと。こいつが言っていたこと。俺には何も分からないからここに来たこと。
 少女への自己紹介を兼ねつつすべてを話すと、俺への疑いは少し晴れたようで、二人は真面目な表情で頷いた。

フルーフ「ふんふん、なるほど……君はどこから来たの?」

???「わかりません」

フルーフ「名前は?」

???「知りません」

フルーフ「……な、何してたかは?」

???「目覚めたときすでに街にいました」

フルーフ「……」

 顎に手を当てて思考。真剣な顔をした彼女はしばし考えた後に答えた。

フルーフ「さっぱり分からない!」

 やっぱりか。

フルーフ「とりあえず……放ってはおけないよね」

ミル「かわいそう」コクコク

フルーフ「四人かぁ……大所帯」

 遠い目をして、しかしどこか嬉しそうにしてフルーフは言う。
 この家に四人。確かに辛いものがある。

ユウキ「悪いな、人を増やして」

フルーフ「いいよいいよ、異世界人の仲間って言っておけばそれなりに補助されるし、心配ないよ」

 もしそうだとしても、フルーフは間違いなくお人好しカテゴリの人間だろう。見ず知らずの女の子を家に住まわせるとは。本当、有り難い。

ユウキ「ま、そういうことだから――夜俺はソファで寝る」

 さすがに四人は無理があるだろう。俺は言い、伸び。

フルーフ「いいの? ……でも、そうするしかないかな」

ユウキ「ああ、だから気にすんな。寒いわけでもねえし充分だ」

???「お世話になります」

 相変わらず表情を変えず、少女は頭を下げる。

ユウキ「そういや、お前名前はなんていうんだ?」

???「名前はありません。不便なら、あなたがつけてください」

ユウキ「いや、それはさすがにな……」

 なんて言いかけるが、名前のないほうが面倒だと気付く。俺のネーミングセンスでいい名前がつけられるかは分からないが……ま、しょうがないか。一時的なものだ。


 『少女の名前を』(響きがいいものを適当に採用します)

 安価↓1~3

【ここはアリアでいきますー】

ユウキ「アリア……でいいか?」

アリア「アリア……。はい」

フルーフ「一応報告しておかないとなぁ。ちょっと行ってくるね」

ユウキ「ああ。ありがとな」

ユウキ「さて、と……」

 出て行ったフルーフを見送り、俺は考えはじめる。
 時間はまだまだある。これからなにをしようか……。街に出掛けたり、買い物に行ったりするのもいいかもしれない。

行動選択
 1・誰かに会う(ミル、トワ、フルーフ、メルトリス、アリアから選択)
 2・デート(アリア)
 3・どこかに行く(街、城、街の外から選択)

 安価↓2

好感度一覧

・ミル   【33】
・トワ   【21】
・フルーフ 【28】
・メルトリス【20】
・アリア  【40】



 なんとなくトワへ会いに行く。
 あれから会っていないし、なにをしているのだろうか。

ユウキ「こんにちはー」

兵士「こんにちは。ユウキ様ですね。今日のご用件は?」

 城の門の前。兵士に声をかけると、礼儀正しい返事がくる。

ユウキ「トワに会いに来まして。どこにいます?」

兵士「トワ様ですか。トワ様ならお城の訓練場にいると思います」

ユウキ「なるほど……入っても大丈夫ですか?」

兵士「ユウキ様は通すように言われてますので。大丈夫です」

 本当優遇だな……嬉しいけれど。

ユウキ「ありがとうございます。じゃあ」

 城の中へ。訓練場とは聞いたけど、一体どこにあるのだろうか。
 適当に城内を歩く。するとすぐ、外から声が聞こえてきた。

???『おい! そこ動きが遅い! かわしたらすぐ反撃!』

 凛と通る大きな声の後、『はい!』と男性の返事が。
 あの声……聞き覚えがある。けどいつもと口調が違うな。

 まぁ行ってみよう。
 とことこと、声がする方向へまっしぐら。城内から、脇のドアを通り外へ。
 そこは学校のグランドのような場所だった。地面は土。流石はお城と言いたくなる広さで、設備などは一切ないがとにかく動きやすそうな場所だ。
 で、そこではおそらく騎士団らしい人達が訓練していた。
 鎧を身にまとい、武器を持った彼らは二人一組で組手をしているようだ。一人一人が真剣で、金属がぶつかり合う物騒な音が周囲に響き――空気は張り詰めきっている。

トワ「盾をうまく使え!」

 そんな中、目立っているのがトワ。鎧の中、和服でいるのもその要因の一つなのだが、優しげな彼女が表情をきりっとさせて鋭い指示をあちこりに飛ばしているのだ。普段とのギャップがすごい。

ユウキ「それだけ真面目ってことか」

トワ「こら、お前も――あ」

 まじまじ観察していると、トワの視線が俺を捉えた。
 彼女は続けるように騎士達へ指示を出すと、ドア近くの俺へと近づいてくる。

トワ「ユウキ様、こんにちは。ここへなにかご用ですか?」

 さっきまで叫んでいたとは思えないおしとやかさで、彼女は頭を軽く下げる。

ユウキ「用、か……」

 正直気まぐれだが、何も用がないっていうのもあれだよな。ううむ。


 選択
 1・「稽古つけてくれないか?」
 2・「戦ってくれ」
 3・「トワに会いに」

 安価↓1

ユウキ「トワに会いに」

 口にしていて恥ずかしいが、当初の目的はそうだったので正直に言う。

トワ「私にですか。……ありがとうございます」

 それなりに好印象――だったと思う。少なくとも嫌そうな様子はない。

トワ「ですが今はちょっと仕事がありますので……よろしかったら訓練を見ていってください」

ユウキ「ああ。急に来たのに、ありがとな」

トワ「いえ。私もユウキ様に会いに来ていただき、光栄です」

 では、と言って彼女は小さく礼。騎士らがいる場へと戻っていく。

 その後俺は彼らの訓練を見学した。
 連携のとれた動き、綺麗な型、彼らの動きはトワの的確な指示により洗練されていき、上達していく様は見ていて興味深かった。
 俺もせっかく力があるんだし、活用する術を身につけるのもいいかもしれない。

 ――それにしても、これを見ているとメルトリスの件がますます信じられなくなるな。あいつ本当に戦えるのか?

【トワの好感度が5上がりました。合計26です】

 
 夜。フルーフの家。

ユウキ「んじゃ、寝るぞー」

フルーフ「うん。ランプの灯り消すね」

ミル「……うん」

アリア「了解です」

 就寝の時間になり、三人の女性がベッドに。俺がソファに。本来あるべきポジションに落ち着き、俺は前よりいくらかリラックスした気分で眠りにつく。
 やっぱり近くに女の子がいない方が寝やすいよな……男として。


 安価↓1 コンマ0~3で追加イベント。フルーフ、ミル、アリアの三人から選択可

 なにか、物音がするような。

???「ユウキさん……」

 声も聞こえる。そして近くから息遣いも……。

ユウキ「ん……?」

 眠りについていた意識が徐々に覚醒し、目を開く。暗い中、月明かりでかすかに部屋の状況がわかった。
 俺の隣に誰かいる。そしてすっごい密着している。いいにおいに柔らかい感触……とても寝られる状況ではない。

ユウキ「――おい」

 声をかける。すると俺の横にいる人物は怯む様子もなく、顔を上げた。

アリア「おはようございます」

 アリアである。平然とした顔で――とは言っても目はよく見えないのだが、彼女は静かに挨拶。とりあえず額をぺしんと軽く叩いておく。

ユウキ「なにしに来た」

アリア「夜這いです」

ユウキ「……お前な」

 すごく浪漫がある状況なのに、そうもあっさり言われるとつい呆れてしまう。

アリア「というわけで、大人しくしていてください」

 何がというわけだ……。


 安価↓1 イベント内容 (本番だったり、スカなどよほどマニックでもない限り可。コンマ二桁で数が少ないほど主人公受け身です)

アリア「寝ますので」

ユウキ「……」

 なにもしないんかい。いや、してほしいわけでも……ないんだけども。うん。

ユウキ「お前夜這いの意味わかってるか?」

アリア「寝ているところに襲いにかかることです」

 大体合ってるから、無闇なことが言えない。俺はため息を吐く。

ユウキ「はぁ……寝るなら早く寝ろ」

アリア「はい。おやすみなさい」

 俺の横に、腕を枕にするようにして彼女は目をとじる。
 すぐにでも寝てしまいそうだ。それに対して俺は――しばらく寝られそうにない。
 こいつ何しに来たんだか……嫌がらせ?

【アリアの好感度が2上がりました。 合計は42です】



 安価↓1 翌朝の料理当番は?(コンマで実力決定。トワは指名不可)

【コンマ72で、トワと同じく凄腕レベル】

ユウキ「ふふ……自信作だぜ、これは」

 翌朝。アリアと一緒に寝ていたため二人には怪訝そうに見られたものの、なんとかごまかした。
 で、朝食だ。今回は俺が用意することに。元々腕前には自信があるため、今回の朝食も自信作だ。今度は夕食をつくるのもいいかもしれない。

ユウキ「味噌汁と、焼き魚に簡単な漬け物……俺の世界の定番だな」

 異世界人の影響か、材料は難なく手に入ったため、簡単に再現することができた。
 手間をかけて出汁からしっかり作り、魚は塩加減から焼き加減まで、細かくあれこれ見て――まぁ、腕前というよりは根気の要素が強いのかもしれない。

フルーフ「ふぅ……ほっとする味だね」

ミル「ユウキのごはん、おいしい」

アリア「やはりお嫁さんに貰いたいです」

 三者三様、感想を口にするものの、全員好印象のようだ。

【三人の好感度が2上がりました】


 4日目。


行動選択
 1・誰かに会う(ミル、トワ、フルーフ、メルトリス、アリアから選択)
 2・デート【アリア】
 3・どこかに行く(街、城、街の外から選択)

 安価↓2

【1で、イベント内容の指定も可とします。ただし濡れ場的なのは追加イベントか、デートのみで】

ユウキ「今日も行っとくか……」

 朝食を食べた後、俺はミルをフルーフに任せてお城へと向かった。
 相変わらず堅苦しい雰囲気のそこ。俺は背筋をちょっと伸ばしつつ、トワがいるであろう訓練場に向かうのだが――今日はなにやら城内の雰囲気がおかしかった。
 みんなピリピリしているというか、不安や興奮、その他感情が入り混じり、なんとも居づらい雰囲気である。

ユウキ「……なにかあったのか?」

 見ず知らずの人に問いかけるのは面倒。ということで、俺は歩くペースを上げた。何かあるならトワが知っているだろう。

 訓練場へ。そこにはやはり騎士達が集まっていて、訓練を――してないな。

トワ「では各自準備を行え。これより一時間後に出発する」

 まじめな顔をしたフル装備の騎士を前に、いつもの和服姿な彼女は指示を飛ばす。
 ここもまたいつもと雰囲気が違う。
 騎士らがきびきびとした動作で解散していくのを眺め、トワだけが残ると俺は彼女に近づいた。

ユウキ「なにかあったのか?」

トワ「――ユウキ様ですか」

トワ「隣町の近くでゾンビが出たのです」

 振り向いた彼女はぺこりと頭を下げ、語る。
 その討伐に向かう、ということか。城内の様子もなんとなく理解できた。

トワ「討伐隊――ゾンビを討伐するメンバーは私を含め騎士の半数程度で向かう予定です」

ユウキ「そんな大事なのか。大変だな」

 ということはトワはしばらくここからいなくなると……。

ユウキ「……俺もついていっていいか?」

 ここは違う世界。いざというときのために戦う力をつけておきたい。
 いきなり実戦なのはどうかと思うが、それでもこれはいい機会だ。
 単にトワのことが心配、という気持ちもあるのだが。

トワ「勇者様が騎士団に? ……何故ですか?」

ユウキ「強くなっておきてえ。それだけだ」

トワ「危険ですよ。正直、私も王国に責められるかもしれませんし……できれば、やめていただければ」

 苦笑混じりにトワは言う。

ユウキ「俺の独断だ。勝手についてきただとか言っとけ。俺もそう言うから」

トワ「あはは……分かりました。しかし、最低限自分の身は自分で守ってください」

ユウキ「ん。それは当然だな」

 よし。半ば強引にだが同意を得られた。
 俺も準備――する必要は特にないか。
 もしかしたら長丁場になるかもしれないし、誰か連れてきてもいいかもしれない。


 選択
 1・自分一人で
 2・仲間を連れていく(ヒロインから一人選択)

 安価↓1

 迷惑をかけるのはあれか……一人でいくことにしよう。
 となれば事情説明だな。よし、フルーフの家に行っておくか。

ユウキ「じゃ、俺は家に行ってくる」

トワ「はい。お待ちしています」

 さて……みんなはどんなリアクションをするやら。



 ○


 一時間後。
 やたらついてこようとするミルやアリア、責任がと大騒ぎするフルーフに言い聞かせ、俺は城へと戻ってきた。
 下着類の着替えなどをリュックに入れて、騎士達の隊列に加わる。
 他の騎士から見れれていたが――すぐに俺が異世界の人間だと分かったのか、見ようとはしなくなった。

トワ「全員揃っていますね」

 トワがやって来る。いつもよりキリッとした様子の彼女は騎士達の前に。俺にちらりと視線を一度向け、すぐ前に戻す。

トワ「では出発します。被害を出さぬよう努めてください」

 騎士一同、その声に応える。
 地響きすら起きそうな大きな声に、身を縮こませ、俺は周囲を見た。そういえば、なんでここから出発するんだ?

 俺の周囲は大声援に包まれていた。

男「トワ様ー!」

女「頑張って騎士様ー!」

 城を出て通りを堂々と討伐隊で通行。通りの左右には大勢の住人が。誰も皆興奮に目を輝かせている。
 さながら英雄扱いである。騎士団への声援も多いが、トワ個人への声援も多い。

ユウキ「お前ってすごい人気なのな……」

 つい話しやすいトワの隣を歩いているのだが、それを後悔する俺である。

トワ「有り難いことです」

ユウキ「全然動じてもねえし……」

 こんな中表情を全然変えないトワは、よほど肝がすわっているのだろう。
 これだけの期待、普通はプレッシャーになるはずだが。生まれついての英雄、ということか。ちょっと感心っていうか、驚きだ。

トワ「……」

 で。街の門から馬車へ。
 何台もの中の一台に俺とトワは乗り込み、やがてそれはゆっくりと走りだした。

トワ「……ふぅ。ようやく一休みですね」

ユウキ「だな。……ところで、なんで俺とトワしかいないんだ?」

 向かい合うように席に座り、席に寄りかかる。車内は俺とトワしかおらず、他の騎士はいない。
 他の馬車はこんなに広くはないだろうに。

トワ「女性専用の馬車です。私はいいと言っているのですが」

ユウキ「男だぞ俺」

トワ「騎士達が一緒に居づらいとのことで」

 それで俺も女にカテゴリされたと。まぁ、いい。ここの方が安全だろうし。色々と。

トワ「……ちょうどいい機会ですし、ここで何か私に質問ありませんか?」

 少し沈黙した後、ふとトワが言う。
 窓から見える景色を眺め、俺は考えた。


 選択 (コンマ4~6で追加イベント)
 1・ミルについて(質問内容指定可)
 2・アリアについて(上に同じく)
 3・自分について(上に同じく)
 4・自由に

 安価↓1

ユウキ「俺って……みんなの役に立ってんかな?」

トワ「役にですか? 立っていると思いますよ」

 自信がないからこその問いだったが、彼女はあっさりと返した。

トワ「ミルさんを助けましたし、最近だとアリアさんを助けたそうではないですか」

ユウキ「ああ、まぁそうだが……」

トワ「国にお世話になっているのが気後れしますか?」

 俺はハッとした。この質問を投げかけたのは、俺がみんなの役に立っているか心配だったから。けど、そう思う真の原因はきっと……。

ユウキ「……そう、だな」

 ミルのように奴隷にされている人がいる。なのに俺はあんな優遇されて――

トワ「そう思っているだけでユウキ様は他の異世界人とは異なります。役に立っていますよ」

ユウキ「……なら、いいが」

【トワの好感度が2上がりました。 合計は28です】


トワ「他にありますか?」

 
選択 (コンマ4~6で追加イベント)
 1・ミルについて(質問内容指定可)
 2・アリアについて(上に同じく)
 3・自分について(上に同じく)
 4・自由に
 5・ない

 安価↓1

今気づきましたが何連続も連取なので、再安価とします。

安価↓1です

ユウキ「あーと……な。まだある。ちょっと言いにくいことだが」

 ここに来てずっと気になっていたこと。ミルのことも含めて、あることが気になっていた。

ユウキ「その、性――奴隷だとか、多いのか? ここは」

トワ「ふむ……」

 セクハラまがいな発言だけども、トワは真面目に受け取ってくれたらしい。フルーフだとパニくられそうだし彼女で良かった。

トワ「奴隷は――この国に沢山います。国の大きな問題の一つと言っても過言ではないでしょう」

ユウキ「そう、なのか……」

トワ「ミルさんはおそらく、まだ何もされてないでしょう。身体に傷一つありませんし、拐われたばかりなのかもしれません」

トワ「――奴隷が沢山いる原因。それはひとえに階級の格差にあるでしょう」

ユウキ「階級?」

 俺が復唱すると、トワは神妙な面持ちで頷いた。

トワ「国は異世界人をはじめ、身分の高い人間を優遇し、それ以外の人間は自力で生き抜いていくしかない」

トワ「そうなると、弱い人間は強い人間に従うしかない……ということです」

ユウキ「なるほどな。王はそれを薦めていると」

トワ「そうですね。強い人間からの支持を得られているため、反感を抱く弱い者の意見は通りません」

 彼女は腕を組み、遠い目をして窓を見やる。

トワ「英雄――などと呼ばれる人がいないから、でしょうか」

トワ「この現状を変えるにはやはり強い人が立ち向かわないといけませんね」

トワ「その点、私はユウキ様には期待していますよ」

ユウキ「俺に? 俺なんて強くないだろ」

トワ「異世界人というだけでかなり強いですよ。権力的には」

ユウキ「そう、なのか。そうなのかもしれないな……」

トワ「ふふ。……おかしなところでしょう? ここは」

 自嘲するように言って、悲しげな顔をする彼女。
 トワと俺はそれから何度か会話を交わして、半日近くかけ隣街へと到着した。

【トワの好感度が1上がりました。 合計は29です】

 隣街に着いてはじめに行ったのは、朝を待つこと。
 この人数で宿に泊まるわけにはいかず、俺達は入り口の前で野宿することに。
 隣街は森の中にある穏やかな場所だった。空気が綺麗で、動物たちの鳴き声が時折聞こえる――とてもゾンビだとかが出る場所だとは思えない。

ユウキ「ふぅ……」

 キャンプの準備をする騎士らを眺め、俺は息を吐く。
 待機するように言われたけれど、どうしようか。


 選択
 1・騎士と話す
 2・トワを探す
 3・適当に歩いてみる

 安価↓1

 騎士達と話してみようか。
 なにかいい話を聞けるかもしれない。

ユウキ「あのー」

 一応女の子モードで。笑顔を浮かべ、警戒されないようキャンプで火の準備をしていた騎士に話しかける。
 鎧を着ているものの、至って普通の中年男性だ。見た限り、結構話しやすそうな。

騎士「――はっ!? ゆ、ユウキ様! いかがされました?」

 だとか思ったのだが、俺だと気づくと彼は背筋をぴんと立てる。多分俺のことを知っているのだろう。
 となれば性別も知ってるか。まぁいい。タメ口で話すのは気が引けるしな。

ユウキ「ちょっと話でもと。準備しながらでもいいですよ」

騎士「は、はい。では」

 緊張した様子で騎士は再びしゃがみ、火の用意を再開する。
 さて、こっちが話題を提供してもいいし、あっちが話しだすのを待ってもいい。ここは……


 『騎士、もしくはユウキの提示する話題』を
 安価↓1

ユウキ(訊いてみるか……)

ユウキ「あの、ちょっと訊きたいことが」

 俺は出来る限りおもいついた特徴を上げ、アリアの捜索依頼が出ていないかを問いかけた。
 騎士ならば街のことも知っているだろうし、行方不明者が出ればわかるはずだ。

騎士「……知りませんね」

 しかし、返ってきたのはそんな答え。

騎士「その方が貴族などなら、すぐ依頼は来るのですが……」

 言いづらそうに彼は目を逸らす。
 続きを言わずとも分かった。身分が低い、国に相手にされていない人間ならば――捜索依頼など出ないのだ。

ユウキ「そうですか……分かりました。ありがとうございます」

 これ以上追求するのは彼に酷というもの。俺は頭を下げ話を終わらせる。
 少なくともアリアは貴族など階級が高い人ではないらしい。あんな高価そうな格好をしていてそれはないと思うのだが……これはどういうことだろうか。他のどこかからやって来た、とかか?

ユウキ(面倒そうだな……こう言っちゃ悪いが)

 まぁそれでも俺が連れてきたんだ。最後まで付き合わないとな。


選択
 1・騎士と話す(話題指定可)
 2・トワを探す
 3・適当に歩いてみる

 安価↓1

 まだまだ訊けることはある。
 それなら気が済むまでしないと損だよな。

ユウキ「あの、ゾンビについて訊きたいんですけど」

騎士「はい、何でしょうか?」

ユウキ「まず定期的に出るのか。後は弱点とか、知ってる情報をなんでも」

騎士「定期的にまではいきませんが、時折あります。何年か前に人が大勢死んだ地は特に」

騎士「弱点は……特にありません。いわゆる雑魚ですから。一対一ならば街の住人でも倒せる程度です。そちらの世界の創作物のように感染することもありません」

 火の具合を見ながら、緊張は解けてきたのか饒舌に騎士は語る。
 弱点を考える必要なしの雑魚。そう聞くと、こんな大人数で出かける必要もないように思えるが。

騎士「ただし、力が強く数が多いためそうも簡単にいかないのが現状です」

ユウキ「なるほど……」

 確かに、ゾンビの恐ろしさは数なのかもしれない。映画とかでも大抵わらわら出てくるし。

ユウキ「分かりました。気をつけますね」

騎士「はい。こちらも全力で戦いますが、ユウキ様に危険が及ばないとも断言できませんので」

 ふむ。この人結構いい人だ。正直だし、優しい。……なんて多く語ると死亡フラグになりそうなので黙っておく。

ユウキ「……そろそろ準備はおしまいですね」

 ふと周囲を見回し、俺はつぶやく。
 キャンプの準備も終わったし、後はゾンビの群れを捜索している隊の報告を待つのみ。しばしの間、ゆっくりさせてもらおう。


 安価↓1
 コンマ2~5で追加イベント

【6で追加イベントなし】

 その後、食事をとった俺はトワとともに馬車で仮眠。
 女生と二人きりというのもあり、若干緊張したものの、そこは俺様。普段から同じベッドで女性二人と寝ている経験値を生かして、それなりに休むことができた。

 で、早朝前。
 調査をしていた騎士が、ゾンビの群れを発見したとの報告をもってきた。

トワ「いよいよですね。ユウキ様、準備は」

ユウキ「大丈夫だ。体調はいい」

 馬車の前。すでに現場へと向かう騎士らを眺めつつ伸びをし、俺は笑う。
 トワは小さく頷くと、走りだした。

トワ「では参りましょう」

 ゾンビ、か。元は人間なのだが――果たしてどうなるか。


 安価↓1
 コンマの数が大きいほど戦闘で活躍

【4。基本値が高いため、普通に活躍――レベルです】
 
 戦場というものは中々厳しいものだ。
 ゾンビの群れがいるという場所についた俺は、暫し棒立ちしていた。
 人間の形をした何かと、人間の戦い。騎士らは不意を突かれないよう列をつくり周囲を警戒。ゾンビらは本能でそこへのこのこ歩いていき、撃破される。傍から見ると単純な作業であった。もっとゾンビの数が多ければ圧倒されていただろう。しかし騎士団の半数を派遣したこともあり、その心配はなさそうだった。
 ゾンビが近づけば撃破され、倒しきれない場合は下がり、その横の騎士が武器を振るう。誰かがダメージを負えば下がり、回復を行う。
 その繰り返し。確実ではあるものの、時間がかかりそうだ。

トワ「ユウキ様。少々、私についてきてくれませんか?」

ユウキ「……ん?」

 人が人を殺すような景色をただ眺めていると、隣から声がかかる。見れば、そこには太刀を構えたトワがいる。

トワ「ユウキ様の力なら――おそらくゾンビ程度敵ではないはず」

トワ「私とユウキ様、一緒に中心につっこみ、一気に撃破します」

 ずいぶんと大胆な作戦だが――自分が活躍するにはそれしかないか。俺は頷き、前を見た。

トワ「行きます」

 トワが駆け出す。静かに地面を蹴り、勢いよく加速。軽く跳躍し、騎士らの壁を越えていく。

ユウキ「ちょ、待てって!」

 遅れて俺も飛び出す。さすがに人を飛び越そうとは思えず、強引に騎士の壁の間を通り、戦場の前線へ。
 すると、目の前にゾンビが。腐りかけているのか臭いがひどく、ただれたような顔は人であったのかと疑ってしまうほど醜い。
 ――有り難い。人間、と思わなくてもよさそうだ。

ユウキ「くそっ!」

 握り拳をつくる。下から上へ小さな動作でアッパー。綺麗に頭が吹っ飛び、ゾンビの身体が倒れる。
 豆腐でも触ったかのような手応えだった。しかし確かに殺してしまったと、俺は認識する。
 人間――だったもの。だから、大丈夫。俺は自分に言い聞かせ、前を見る。

ユウキ「すぐ終わらせてやる!」

 恐怖と罪悪感、そして戦闘による高揚。
 様々な感情が混ざり、俺は叫ぶ。近づいてくるもの、口を開きかじろうとするもの、それらすべてを攻撃が当たる前に片っ端から殴っていく。気づけばいつの間にかゾンビ達はいなくなっており、俺はやつらの体液まみれで立っていた。


【トワの好感度が3上がりました。合計は32です】


 安価↓1
 コンマ2~5で追加イベント


【今日はここで落ちます】

 
 街の風呂を借りて、ようやく人心地ついた俺は騎士らのいる街の出入口へ。
 この街、誰かと出掛けたりするのにいい場所かもしれない。露天風呂とか、ご飯だとか、見た限り結構よさそうだった。

【デートの行き先で森林の街が選択できるようになりました】

トワ「ユウキ様、今回はありがとうございました」

 街を出てすぐ、待っていたトワから声がかかる。彼女は丁寧に礼をし、微笑した。

トワ「すばらしい戦いっぷりでした。流石は異世界の方」

ユウキ「まぁな。まだ適当に戦ってる部分もあんけど」

トワ「ですね。ですがそれは慣れていないだけでしょう? よろしければ、今度騎士団のところへ来てください。きっと力になれるはずです」

ユウキ「ありがとう。覚えとくよ」

ユウキ「とにかく今は馬車に行こう。疲れちまった」

 聞けばこれから少ししたら移動らしい。馬車での移動はかなり疲れるし、今のうちに休んでおきたい。
 身体はそれなりに強くなったが、精神の方は成長していないらしい。

トワ「はい。では先に行ってますね」

 歩いていくトワを見送り、俺は小さく息を吐く。
 ……まだ時間はあるし、休む以外も選択肢がありそうだ。


 選択
 1・辺りを散策
 2・馬車へ
 3・その他自由に

 安価↓1

 なにかないか見ておくか。
 なんとなく気ままに、街の外、その周辺を歩く。
 森の中なのもあり、気分がいい。身体もさっぱりしたことも加わって気分は爽快だ。
 鼻歌まじりに進んでいく。

ユウキ「……ん?」

 そうしていると不意に俺は、何かの気配を感じた。
 背後。妙な胸騒ぎにそちらを振り向くと、俺の頬をすれすれで何かが通り過ぎ、地面に刺さる。
 ちらりと横目で見れば、それは鋭いナイフであった。
 安心するとともに、俺の心臓の動きが早くなる。武器。それはつまり、人間が俺に殺意を向けているということで。

???「外したか」

 俺の前に、一人の人間が現れる。木からおりてきたのだろう。
 その人物は……女性だった。



【ヒロインの一人です】
【ということでキャラメイク】


名前:【未定】
性別:女
年齢:【未定】
種族:【未定】
職業:暗殺者?
性格:【未定】
容姿:褐色肌。
口調:【未定】

【まずは種族、容姿を】
【安価↓1で種族。安価↓2~4辺りで、容姿の特徴を募集です。ルールは前と同じです】

【ピグミー分からないですし、再安価でいきます】
【まず種族を安価↓1で】

木の上に登れるぐらいの種族か・・・・・

ダークエルフ
は可能かな?

【巨人などは街などの関係上、ヒロインとしてできる気がしないので、やめときます】
【二回やったので、普通に人間にします】

【つぎに年齢を安価↓1で大体10~29くらいの間で】

【向き不向きはともかく実力がないので、書けないものは書けないと言おうかと】
【年齢は29でいきます】

名前:【未定】
性別:女
年齢:29
種族:人間
職業:暗殺者?
性格:【未定】
容姿:褐色肌。
口調:【未定】

【次に容姿を。ルールは前と同じ。安価↓1~3くらいでお願いします】

【時間が結構経ったので、出たものから採用。それ以外はこちらが決めます】

名前:【未定】
性別:女
年齢:29
種族:人間
職業:暗殺者?
性格:【未定】
容姿:褐色肌。鋭い目つきで、身体の大きさは成人の割に小柄。スタイルはよく、出るところは出て、しまるところはしまっている。瞳の色は赤。通常は素顔が割れないよう目以外を包帯で隠している。服は身体を覆う大きなマント。その下は必要最低限の部分を隠すシャツに、ショートパンツ。腹や肩、腕や太ももなどがさらされており、普段はマントでおおっているがかなり大胆。
口調:【未定】


【次に性格です。安価↓1~2辺りで募集します。
 それと同時に、>>264で出たものを見落としていたため、ダークエルフでいいか、ダメか意見を求めたいと思います。性格に加えて記載してくれるとありがたいです】

【では折角なのでダークエルフに】
【性格はひょうひょうとしていて、仕事はきっちりこなす主義。クールで真面目な感じで】

【最後に口調です。安価↓1で】

【ザンスは無理ザンスということで、キャラメイクも選択肢式にします】
【選択肢に関係ないことがあったら、安価の一つ下をとります】

 選択
 新キャラの口調は

 1・男口調  「~だな」、「~なのか?」
 2・無口   三点リーダ多用。必要最低限の台詞
 3・敬語   トワさんよりクール成分高め

 安価↓1

名前:【未定】
性別:女
年齢:29
種族:人間
職業:暗殺者?
性格:飄々とした性格。仕事はきっりちこなす主義。あまり自分の意見を口にしないが、仕事などに関しては真面目で責任感がある
容姿:褐色肌。鋭い目つきで、身体の大きさは成人の割に小柄。スタイルはよく、出るところは出て、しまるところはしまっている。瞳の色は赤。通常は素顔が割れないよう目以外を包帯で隠している。服は身体を覆う大きなマント。その下は必要最低限の部分を隠すシャツに、ショートパンツ。腹や肩、腕や太ももなどがさらされており、普段はマントでおおっているがかなり大胆。
口調:三点リーダ多用。必要最低限の台詞で話す


【最後に名前、備考欄についてです。変なものや、矛盾したものは却下で 名前は安価↓2 備考欄は安価↓1~3くらいで。名前の選択肢と共に、備考に追加したいことを。備考には食べ物などの好き嫌いや、誰かと知り合いだとかキャラの細かい設定を】

 選択
 1・レイト
 2・シャオ
 3・アティ

【名前はシャオで。備考欄については今回は私で入れますが、何かあったら、>>278のアンカーつけて書き込んでくれれば、それまでの展開で矛盾がなければ追加します】


名前:シャオ
性別:女
年齢:29
種族:人間
職業:暗殺者?
性格:飄々とした性格。仕事はきっりちこなす主義。あまり自分の意見を口にしないが、仕事などに関しては真面目で責任感がある
容姿:髪は白。ショートヘアで、ツンツンとしている。頭の左右で犬の耳のような跳ねている毛がある。褐色肌。鋭い目つきで、身体の大きさは成人の割に小柄。スタイルはよく、出るところは出て、しまるところはしまっている。瞳の色は赤。通常は素顔が割れないよう目以外を包帯で隠している。服は身体を覆う大きなマント。その下は必要最低限の部分を隠すシャツに、ショートパンツ。腹や肩、腕や太ももなどがさらされており、普段はマントでおおっているがかなり大胆。
口調:三点リーダ多用。必要最低限の台詞で話す

備考:ユウキの命を狙う暗殺者? その正体は今のところ謎。


【これで完成ですー】

ユウキ「てめえは……?」

暗殺者「……名乗る必要はない」

 俺の問いに暗殺者らしき人物はクールに答える。
 名乗る必要も義務もないが……きっちり俺の言葉に返事してくれるのな。ちょっと感心。

ユウキ「俺を殺すつもりか」

暗殺者「……」

 返事の代わり、だろうか。彼女はナイフを新たに一本取り出す。
 先程投げたナイフよりも立派な物だ。おそらく、あれを投げることはないはず。

ユウキ(撃退、だよな……とりあえず)

 逃げているところにまた投げられては困る。
 俺は静かに構えをとり、どうしようか考えた。


 選択
 1・「勝ったら言うことを聞いてもらおうか」と不意に提案
 2・「かかってこい」と宣戦布告
 3・「やめておけ」と忠告

 安価↓1

ユウキ「かかってこい」

 俺の実力は相応――のようだし、相手は接近戦をしてくれる様子を見せている。
 ならばきっと勝てるはず。

暗殺者「……」

 暗殺者が駆け出す。足音は小さく、しかし風のような速度で肉薄。
 派手さは皆無だが不気味なほど速い。彼女は俺へ近づくと、ナイフを横へ振るう。コンパクトな軌道。なんとかそれを目に捉え、俺は回避。彼女へ近づくようにしてナイフの刃から逃れる。そして、拳を腹部めがけて振るった。
 ばっちりなタイミング。けれども手応えはなく、暗殺者は後ろへと大きく跳ぶ。

暗殺者「……」

 息が上がってきた俺に比べて、動いているはずの暗殺者は落ち着いている。
 この辺りは実戦経験の差だな。……どうしようか。


 コンマ判定で、4以上で勝利
 安価↓1

暗殺者「……遅い」

 ……強い。
 最初は当たるかと思ったが、惜しかったのは最初だけ。
 後は攻撃をする前から間合いから逃げられて、こちらは防御一方。技術の差がここまで出るとは思ってもみなかった。

ユウキ「そっちが速すぎんだ」

 悪態をつく。
 ――本当にどうしようか。怪我は負っていないものの、かなりきついぞこれ。体力はほぼないし。

暗殺者「そろそろ……とどめ」

 頭をフル回転させていると、暗殺者がこちらへと接近をはじめた。
 ナイフを手に、まったく衰えない速度で走ってくる。

ユウキ「くそっ……」

 頭の中ではどどどどどうしようなんて思っているものの、もう身体を動かす元気はない。
 せめてクールを装い、俺は暗殺者を見つめた。

暗殺者「――なんてタイミング」

 ――と、急に暗殺者が立ち止まる。
 彼女はそのままおもむろに、という感じで振り向いて、素早くナイフを振った。
 刹那、空中から雷のように閃光が煌めく。金属がぶつかりあう甲高い音。

トワ「ユウキ様になにかご用ですか?」

 空から、否、木から降りてきたのはトワだった。

暗殺者「……用はない」

 鍔競り合いから、あっさりとナイフを引いて下がる。
 暗殺者は端的に言うとそのまま上へ。音もなく去っていき――気配が消えた。

トワ「さすがに早いですね……」

トワ「大丈夫でしたか?」

 太刀を納刀し、俺へ笑いかけるトワ。
 さっきまでの殺気や真剣な雰囲気はなく、ただただ優しげだ。

ユウキ「あ、ああ。大丈夫。怪我はない」

トワ「そうですか。……それにしても、もうあんな人間が……なにか心当たり有りますか?」

 もう、って言うところに違和感を覚えるが、まぁいい。
 心当たりか。命を狙われる理由は……。


 『暗殺者がやってきた理由は?』
 安価↓1

【訂正 選択肢式にします】

 選択
 1・異世界人を優遇する国への反乱のため
 2・ミルを捕えていた権力者の命令

 安価↓1

ユウキ(あれしかないよな……)

 頭に思い浮かぶのは、ミルを連れだした日のこと。
 俺は思い切り顔を見られていたし、警備に止められたわりにはあっさり外に出ることができた。
 ――妙な胸騒ぎは覚えていたのだ。

ユウキ「ミルを――あ」

トワ「……? どうしました?」

 見た目相応の幼い仕草で小首を傾げるトワ。
 果たして、他人の屋敷からミルを釣れ出したことを言っていいのだろうか。……下手しなくても犯罪者だよな、俺。

ユウキ(ううむ……)


 選択
 1・正直に話す
 2・話さない

 安価↓1

ユウキ(やめとこう……うん)

ユウキ「心当たりはないな。ひょっとしたら、あれじゃないか? 異世界人の優遇さに腹を立てた反乱軍とか」

トワ「ええ……私もその線を怪しんでいます」

 こくりと頷くトワ。

トワ「しかし早過ぎるような気がしまして。もしや内部に裏切り者が……」

 余計なことしちまったか……? いやでも、正直に話してお縄にかかるのもな。
 はぁ……近いうちにミルのことをなんとかしないとな。俺のためにも、ミルのためにも。



 それから俺は、行きと同じように馬車に乗って街へと帰った。
 適当に決めた同行だが、この出来事を経てこの世界でやるべきことが見えてきたような気がする。

【二日経過しました】

 6日目。

行動選択
 1・誰かに会う(ミル、トワ、フルーフ、メルトリス、アリアから選択)
 2・デート【アリア】
 3・どこかに行く(街、城、街の外から選択)

 安価↓2


 昨日のこともあるし……挨拶していくか。
 早速稽古つけてくれるかもしれんし。

ユウキ「ということで来たんだけどな……」

 ため息。今俺はお城の一室、騎士団の詰め所にいる。
 なんでも遠征に出たことで、今日は殆どの騎士が休息をとっているらしく、詰め所はほぼ無人。トワ以外の騎士はちらほらと見かけるくらいで、遠征に出ていない騎士は街の警備をしているらしい。

トワ「……たまには休息も大事ですよ」

 で、会いに来たトワもまたお休みらしく、詰め所でお茶をしていた。
 誘われるままに俺もそれにお邪魔することになったのだが――稽古を期待していた俺には少し拍子抜けだ。

ユウキ「それもそうだが……強くならないといけない事情もあってだな」

トワ「あの暗殺者のことですか? 大丈夫です。街の中で襲うようなことはしないでしょうし、しばらくは時間もあるでしょう」

ユウキ「だといいんだけどな」

トワ「……ユウキ様、焦っていませんか?」

 テーブルを挟み、向い合せで座っている俺達。ティーカップから口を少し離し、トワは静かに問いかけた。

ユウキ「焦り? んー」

 焦りか。正直なところ、どうなのだろうか。


 選択
 1・焦ってはいるな
 2・特に焦ってなんかいない
 3・どうでもいいだろ?

 安価↓1

ユウキ「焦ってはいるな」

 俺は考え、答えた。

トワ「あら、意外ですね。認めるとは」

ユウキ「自覚はしてんだ。それで、焦らざるを得ない状況ってこった」

トワ「なるほど。ふふ。でもそれほど焦る必要もないと思いますが」

トワ「戦い方さえ分かれば……ですけど」

ユウキ「頑張るよ。――とりあえず今日は休んどくさ」

トワ「はい。ゆっくりしてくださいね」

 にっこりと笑い、お茶を口にするトワ。
 強くならなければならない。それは確かだ。……けど、焦ってばかりではダメだろう。
 可愛い子を前にゆっくりリラックス……うん、いい日だ。

【トワの好感度が3上がりました。 合計は35です】

 さて、俺はトワとのお茶会を終えると、適当に街を散策しはじめた。


 安価↓1 翌朝の料理当番は?(コンマで実力決定。トワ、ユウキは指名不可)
   【さらにコンマ3~5で追加イベント。フルーフ、ミル、アリアの中から指定可。指定する時は二行目以降に】

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