提督「…　まぁ、その……　元気だせ」

阿武隈「無理です…　こんな簡単な言葉もかんでしまうなんて…」

提督「どこかの軽空母とはまた違った良さがあったぞ」

阿武隈「あんまり慰めになってなーいー！」

提督「ごはんある？」

阿武隈「ありますぅ…」



提督「うまいっす」

阿武隈「おいしいです…」

提督「ご馳走さま」

阿武隈「お粗末さまでした…」

提督「じゃあ風呂いこっかな」

阿武隈「食べてすぐは体に良くないっていいますけど…」

提督「そう？　じゃあ少しゆったりしよう」

阿武隈「そうですよ！　お仕事お疲れ様でした」

提督「ありがと」

阿武隈「えへへっ」

提督「お前がそばにいてくれて良かった」

阿武隈「なっ、なんですか急に！」

提督「ううん、特に理由は」

阿武隈「…　私も、貴方だからおっけーなんです」

提督「どういうこと？」

阿武隈「きっと、提督と同じことを考えてますよ」ﾆｺｯ

提督「」ﾄｩﾝｸ


提督「そろそろ風呂行くかな」

阿武隈「はーい」

阿武隈「いい湯ですね～」

提督「そうだね」

潮「あ、提督と阿武隈さん。どうも」

提督「やー」

阿武隈「どうぞー」

潮「失礼します」ﾁｬﾌﾟ

阿武隈「………」

潮「…　？　どうかしましたか？」

阿武隈「潮ちゃんって元帥さんのところから来たんだよね？」

潮「は、はい！　そうですけど」

阿武隈「……　何かセクハラとかされなかった？」

潮「えぇぇっ！？　そ、そんな事されてません！」

阿武隈「そ、そう……」

潮「……　？」ﾊﾞｲｰﾝ

阿武隈「……　何故だ」ﾊｲｰﾝ

提督「みんな違ってみんないい、だ」

阿武隈「ですけどぉ！」

潮「な、なんかごめんなさい…」

提督「潮が結構な数、遠征してくれてるおかげで大分助かってるところがあるんだ」

阿武隈「よく鎮守府にいませんもんね」

潮「これも私の仕事ですから…」

提督「ありがとな」

潮「いえそんな！　私は当然のことをしたまでで…」

阿武隈「誇っていいんだよ、こういうときはね」

潮「で、でも…」

提督「そうだ、胸張っていけ」ﾊﾊﾊ

阿武隈「分かって言ってます？」

提督「なんのことだか」

阿武隈「もぉー！」

潮「む、胸…」ｶｧｧｯ

提督「ふぅー…　そろそろ上がるかな」

阿武隈「ですね」

提督「潮はまだいいのか？」

潮「お風呂は好きなんです」ﾁｬﾌﾟﾁｬﾌﾟ

提督「そか」



提督「んー」ﾉﾋﾞｰ

阿武隈「んー！」ﾉﾋﾞｰ

提督「はぁ」ﾀﾞﾗｯ

阿武隈「ふぅ」ﾀﾗｯ

提督「……　月が綺麗だな」

阿武隈「ですね！」

提督「写真撮っていい？」

阿武隈「月ですか？」

提督「阿武隈の」

阿武隈「ええっ！？　そ、そんな、髪セットしてないですし～！」

提督「よいではないか」

阿武隈「ううー」

阿武隈「もう、いいですよ、提督なら」

提督「やったね。じゃあ、そこ立って」

阿武隈「ここですか？」

提督「うん、窓開けます」ｶﾞﾗｯ

阿武隈「あっ、風、少しありますね」

提督「うん、いい感じ――　少し笑って…　うん、そうそう」ﾊﾟｼｬｯ

阿武隈「そんなに写真撮ってどうするんですか？」

提督「売る」

阿武隈「」

提督「ていうのは冗談。青葉に薦められてカメラを買ったから」

阿武隈「あー、新しい物をつかいたくなるあれですか」

提督「あれです」

阿武隈「他に何を撮ったんですか？」

提督「えっ」

阿武隈「見せてくださいよ～」

提督「だ、ダメだ。これは機密なことで――」

阿武隈「えいっ」ｶﾞﾊﾞｯ

提督「うおっ」

阿武隈「えーっと、どれどれ…　え！？　私の寝顔ばっかりじゃないですか！　動画もあるし！」

提督「………」

阿武隈「ど、どういうことですか？」

提督「あまりにも可愛くて…　つい…」

阿武隈「……」ｷｭﾝ

阿武隈「も、もう！　しょうがないですね！　これからは起きてる時のを撮ってくださいね！」

提督「あい…」

提督「…　阿武隈が遠征や任務でここにいない時にな」

阿武隈「…　？」

提督「こうやって写真を眺めていると、少し気分が安らぐんだ」

阿武隈「そ、そんなことをこんな真顔で言わないでください！」///

提督「そのためのカメラなんだよ」

阿武隈「…　うぅ」

提督「だから…　な？」

阿武隈「…　し、仕方ないですね！　今回だけですよ、今回きりです！」ｼｭﾙﾙ

提督「…　録画おっけー…」

阿武隈「いつもより緊張します…」

提督「ばっかお前…　俺がついてるだろ」

阿武隈「提督…」

阿武隈「いい景色ですね」

提督「ここはな。また夜に来よう」

阿武隈「夜ですか？」

提督「まぁ、帰ってくる頃にはもう太陽沈んでるだろう」

阿武隈「そうだと思いますけど」

提督「ん、行こっか」

阿武隈「はい！」

友提督（以下友）「よぉー！　久しぶりだな！」

提督「ああ、そっちは？」

金剛「金剛デース！　テートクがいつもお世話になってマース！」

提督「滅多にあわないよ」ｸｽｸｽ

友「偉く綺麗な子だな…　こんな艦娘居たか？」

阿武隈「け、軽巡阿武隈です」

友「え、阿武隈！？　阿武隈って…　前髪気にしてばっかの子だったような」

阿武隈「提督は髪のセットが上手なんです。私とは違う方向ですけど」

金剛「そっちのテートクがセットしたの？　スゴイネー…」ｼﾞｰｯ

友「出来るかいそんなフレンチクルーラー」

金剛「知ってマシタ」

提督「知ってる顔が大体だな」

友「そりゃそうだろうよ。元帥ケッコン三周年記念舞踏会なんて、馬鹿な企画だ」

提督「そんな馬鹿な企画に参戦する俺たちはもっと馬鹿だな」ｸｽｸｽ

友「違いねぇ」ｸｯｸｯｸ

阿武隈「仲良いですね」

金剛「本当ネ」

元帥「やぁやぁ」

友「おうジジイ」

金剛「ちょ、元帥に向かって――」

元帥「いいんですよ」

提督「めでたいですね」

元帥「ありがとう」

大和「あ、あちらに女提督さんがいらっしゃいますよ」

元帥「おお、行こう。それじゃあな」

阿武隈「……　え、これだけですか？」

提督「こんくらいでいいの」

友「てかあいつ来てんのかよ」

提督「遠いところ御足労様だな」

阿武隈「…　あ、提督、あっちに長良お姉ちゃんがいるので行ってきます」

提督「俺はいいか？」

阿武隈「どっちでもいいです」

提督「いきます」

友「じゃな」

提督「おう」

長良「あー！　阿武隈とその旦那さんじゃないですか！　お久しぶりです！」

提督「どうも」

阿武隈「久しぶりー」

提督「君はここの艦娘だったよね」

長良「はい！　ここ長良型一人しかいなくて少しだけ淋しいんですよね」ｸｽｸｽ

阿武隈「みんなバラバラですから」ｸｽｸｽ

提督「まだ会ったことない子もいた気がする」

長良「阿武隈をよろしくお願いしますね」

阿武隈「ちょっお姉ちゃん！」///

提督「言われなくとも」

長良「よろしい！」ﾆｺｯ

阿武隈「も、もう…」///

今日はこの辺で寝ます。
またネタ要求するかもしれないです。

提督「さ、一曲どうかな」ｽｯ

阿武隈「提督となら何曲でもいいですよ」ｸｽｯ



女提督「あー踊ってる。時雨、どう？」

時雨「あの人じゃないとヤダ」

女提督「えっ」


阿武隈「……　なんか注目されてません？」

提督「気のせいだろ」

阿武隈「そうですかねぇ…」


時雨「…　この曲ってパートナー交代あった？」

女提督「無いはず――　あ、曲変わった」

時雨「これは？」

女提督「あると思うよ」

時雨「いこう提督」

女提督「はいはい」

阿武隈「曲かわりましたね」

提督「この曲か…　うーん…　阿武隈、うまくやれよー」ﾋｮｰｲ

阿武隈「ええっ！！？　ちょ、ちょちょ！」ﾄｯﾄｯﾄｯﾄ

友「やぁ」ﾎﾟｽｯ

阿武隈「あっ…　金剛さんの」

友「まぁ三十秒くらいさ」

阿武隈「むぅー…」


時雨「やぁ提督」

提督「久しぶりだな」

時雨「会いたかった」

提督「そんなに距離詰められると踊りにくいんだが」

時雨「提督なら大丈夫さ。踊り上手だから」

提督「ワハハ」

時雨「～～♪」

提督「さ、そろそろだ」

時雨「え、もうかい？　ヤダな」

提督「これで一生のお別れって訳じゃないんだ。それっ」

時雨「もー…」


阿武隈（全然知らない人と手をつないで踊ってる…）

阿武隈（提督が遠いよぉ～）

現中将「大丈夫か？」

阿武隈「あっはい！　すみません…　慣れてなくて…」

現中将「大将殿の鎮守府の方…　あ、指輪が」

阿武隈「あ、ご存知でしたか？」

現中将「それはもう！　私も微力ですが作戦に加担させていただいた身で――」

阿武隈（…　提督って有名人なんだ）

阿武隈（私の知らない提督もいるんだな…）

現中将「ではまた、良ければお話しましょう」

阿武隈「ええ、是非」ｸｽｯ

阿武隈（英雄とか、革命家とか…　普段のあの人からは想像もつかないな）

阿武隈（こういうのも、たまにはいいかも）

大佐「どうかなさいましたか？」

阿武隈「いえ…　ちょっと誇らしくなっちゃって」ｸｽｸｽｯ

大佐「…　誇るべきですよ、あの人のやった事は…　本当に素晴らしいことです」

阿武隈「そう、ですね」

阿武隈（考えなくてもそうだ）

阿武隈（数え切れないほどの不幸を掻っ攫った、MK作戦の先導者）

大佐「是非私も、あの人のお話を聞きたいものです」

阿武隈（こうやって尊敬されるのも、当たり前なのかも）

阿武隈「提督は優しいですから、いつでもいらっしゃってください」ｸｽｯ

大佐「あっ、ありがとうございます！」

阿武隈（悪い気分じゃないな…）ｸｽｯ

提督「おかえり」

阿武隈「んふふ～、ただいまです、あなた♡」

提督「熱い」

阿武隈「…　いっぱいいろんな話聞きました」

提督「俺もだけどな」ｸｽｯ

阿武隈「惚れ直したっていうかー、なんていうかー」

提督「…　少し抜けるか？」

阿武隈「そうですね。ゆっくり話しましょう」ﾆｺｯ



提督「ふぃー、疲れた」

阿武隈「いろんな人達に、あなたの話を聞きました」

提督「そうかい」

阿武隈「私の旦那さんは、すごい人だって、改めて分かりましたよ」ｸｽｯ

提督「そうかそうか、そりゃよかった」

阿武隈「提督はどんな話してたんですか？」

提督「それぞれのそれから」

阿武隈「…　どうだったんです？」

提督「みんな元気だってさ」

阿武隈「それは良かったです」

提督「本当な。ようやっと一安心って感じ」

阿武隈「飲み物でも持ってきましょうか？」

提督「行くなら一緒にいこう」

阿武隈「あ、はい！」

元帥「――　それではフタサンサンマルまで、ご自由に」


友「よー！　お前のファン集めてきたぜ」

提督「ファンって…　男か」

阿武隈「もう！　私というものがありながらァ～！」ﾌﾟﾝｽｶ

提督「おとなしく座ってなさい」

阿武隈「はぁ～い」ﾋｯｸ

友「めっちゃ酔ってるな」

提督「上機嫌でね」


少将「――　で――　と聞きましたが」

提督「ああそれは――　んで――　だな」

少将「おー…」

大佐「では――　は　――　では？」

提督「それも――　で、例えば――　とか」

大佐「なるほど――」

阿武隈（すごい…　提督の真面目な顔だぁ）

阿武隈（かっこぃい～　さすがは私の旦那さん！）

阿武隈「…　もぅていとく～　かまってくらさいよ～」

友「そうだな。もっと詳しい話したかったら直接鎮守府に行けばいい」

＜ｱ､ﾊｲ！　ｱﾘｶﾞﾄｳｺﾞｻﾞｲﾏｼﾀ！

提督「いいのいいの。はいはい構いますよ」

提督（ありがとな）ﾁﾗｯ

友「」ｂ

提督「今日はお疲れだったな」ｵﾝﾌﾞ

阿武隈「えへへぇ…　てーとくさんの背中あったかいれす」

提督「はいはい」


阿武隈「……　ここは」

提督「行きにきた場所だな」

阿武隈「な、なんですか…　これ」

提督「…　あ、知らないのか」

阿武隈「優しい黄色の光…　なんでしょう…　あ、虫…　？」

提督「蛍だよ」

阿武隈「ほたる…　？」

提督「この季節になるとな、綺麗な水があるところに集まるんだ」

阿武隈「へぇ…」

提督「少し落ち着いたか？」

阿武隈「まだ体は暑いですが…」ｴﾍﾍ

阿武隈「なんでこんな光を？」

提督「求愛行動だったはずだ。よく覚えてないが」

阿武隈「へぇ…　じゃあ、私もどこか光らせたら、提督が寄ってきますかね」ﾆﾔﾆﾔ

提督「なに訳わからんこと言ってんだ」

阿武隈「むぅ…　いいですよー」

提督「別に…　目立つ様に光ったりしなくても、お前ならすぐ見つけられるよ」

阿武隈「……　っ！」///

阿武隈「そ、そういうのは反則ですよ～…」

提督「…　少し…　俺も、少し酔ったみたいだ」ｸﾞｲｯ

阿武隈「え？」


提督「」ﾁｭｯ


阿武隈「………」

阿武隈「――　っ！　ちょ、も、もう！　は、恥ずかしいですよぉ！！！」

提督「俺も恥ずい」

阿武隈「……　もう」///

阿武隈「……　何があっても…　どんな時でも…　見つけてくださいよ？」ﾌﾟｲｯ

提督「……」ｸｽｯ

提督「ああ、必ず」

阿武隈「……」ﾆﾋｯ

提督「……」ｸｽｯ

阿武隈「…　こういう時にするのが、一番すきです」

提督「阿武隈…」


阿武隈「」ﾁｭｰｯ


提督「……　長かったな」

阿武隈「仕返しですよ」

提督「そう、か…」///

阿武隈「えへへ」

提督「もうおぶらなくていいか？」

阿武隈「ええ！」

提督「……　急なのは嫌だったかな」

阿武隈「……」


阿武隈「そうですねぇ…　ああいうのが一番すきって言いましたけど」

阿武隈「提督の不意打ちは二番目にすきです！」ﾆｺｯ


提督「…　敵わないな」

阿武隈「それは私も同じです！」ｷﾞｭｯ