橘ありす「芸名」 (38)
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橘ありす(以下、ありす)「346プロダクションからアイドルデビューした私」
ありす「プロジェクトクローネの一員として活動していましたが」
ありす「自分の可能性を確かめるため、別の企画にも参加することになりました」
ありす「でも新しい可能性を探すのなら、いっそ名前から新しくしてもいいのではないでしょうか?」
ありす「というか、新しいプロデューサーに下の名前で呼ばれるのが気に入りません」
ありす「そう思いませんか? 文香さん」
鷺沢文香(以下、文香)「ズバッと言いましたね……」
ありす「そもそも本名で活動するのはリスクが高いですよ」
文香「確かに……」
文香「有名になれば、暮らすだけでも難しくなりそうです」
ありす「文香さんは珍しい苗字ですから、すぐ特定されちゃいますよ!」
文香「ファンの方が家に来たりしたら、困りますね……」
文香「ありすちゃんは、何か考えてみました?」
ありす「それが……私も思い付いたばかりで」
文香「すぐには思い浮かばないですよね」
ありす「それで、その、もしよければ……」
ありす「文香さんにも、考えるのを手伝ってほしくて……」
文香「ありすちゃん……」
文香「いいですよ、私でよければ」(ニコ
ありす「あっ……」
ありす「ありがとうございます」(ニコー
文香「早速ですが、何かイメージはありますか?」
文香「こんな雰囲気がいい、といったような……」
ありす「やっぱり、覚えやすいものがいいですよね」
ありす「他の人と間違えないで、呼びやすくて」
ありす「覚えやすくて、変わってなくて……」
文香「ありすちゃん」
ありす「はい」
文香「ありす、のままでいいんじゃないでしょうか……」
ありす「」(マバタキー
ありす「ダメです」
文香「ダメですか……」
文香「でも、そんなにいい名前、簡単には……」
文香「手掛かりというか、足掛かりというか、もう少し、ないでしょうか?」
ありす「調べてみましょうか」
文香「タブえもんですか?」
ありす「ひとのタブレットに変な名前付けないでください」
文香「練習のつもりだったのですが……」
文香「楓さんみたいでしたね、今の……」
名前 ジェネレーター [検索]
ありす「http://namegen.chobitool.com/」
ありす「ランダムに名前を付けてくれるところがあります」
文香「珍しさも指定できますね」
ありす「珍しさ16以上にしてみます」(ポチー
清松 汐音 きよまつ しおん
小田部 亜悠 おたべ あゆ
大田黒 瑞起 おおたぐろ みずき
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文香「予想はしていましたが……」
ありす「ちょっとキラキラしてますね」
文香「ややキラ……ですね」
ありす「いただきました」
ありす「ややキラ」
文香「響きは意外とふつうですからね」
文香「評価としては、まあ」
文香「ややキラで」
ありす「ややキラで」
文香「でも字がアレですね」
文香「それ持ってくるかという」
ありす「みずき……いいですね」
文香「そこ起きてくるか……という」
ありす「そこ攻めるんだという……アレが」
文香「アレが」
ありす「川島感が」
文香「ありますね」
ありす「結果はまだ続いてますね」
文香「もっと見てみましょう」
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秋葉原 美知瑠 あきはばら みちる
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闇野 真秀子 やみの まほこ
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友達 小鳥 ともだち ことり
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ありす「フゴフゴしながら発明しそうな人がいますね」
ありす「こっちは熊本で流行ってそうです」
文香「765さんで働いてそうな人もいます」
ありす「別の方に似合う名前ばかり見付かりますね……」
文香「ありすちゃんは、どうですか? 気に入る名前は」
ありす「それなんですけど」
ありす「いざこうして並べられると、どれも違う気がして……」
文香「新しい名前、といっても」
文香「今までの自分とあまり離れていると、しっくりこないものですね」
文香「じゃあ、こういうのはどうでしょう」
文香「作家さんのペンネームなどは、本名と同じ漢字で」
文香「読みを音読みにしたものを使う場合があります」
文香「私だったら、ぶんこう、でしょうか……」
ありす「ぶんこう」
文香「はい」
ありす「さぎさわぶんこう」
文香「はい」
ありす「ちょっと」
文香「はい」
ありす「ないですね」
文香「ズバッと言いますね……」
ありす「でも、いいかもしれません」
ありす「書類の書き換えも簡単そうです」
ありす「ただ……」
文香「ありすちゃんの名前は、ひらがなでしたね……」
ありす「あ。じゃあ、漢字にするのはどうですか?」
文香「当て字にしてみるんですね」
ありす「それをさらに読み替えたらどうでしょう」
文香「やってみましょう」
ありす「できました」
文香「はい。私も」
ありす「じゃあ、文香さんから」
文香「はい」
ありす「フリップを」
文香「はい」
文香「私が考えたのは、こちら、です」
[橘 愛里寿]
ありす「出ましたね」
文香「はい」
ありす「戦車乗ってる人」
文香「そう、ですね」
文香「流行に敏感でいたいという、姿勢で」
ありす「キラキラしてますね」
文香「ズバズバきますね、さっきから」
文香「ひとの名前に」
ありす「これ、の音読みは……どうでしょう?」
文香「そもそも音読みか訓読みかも分からないですね」
ありす「熟語感ありますね」
文香「ありますね……熟語感」
ありす「あい……あいり……」
文香「あいり……」
ありす「ことぶき」
文香「あいりことぶき」
ありす「……あいさと?」
文香「あー」
文香「あいさとさん」
ありす「あいさとことぶきさん」
文香「どうでしょう」
ありす「ちょっと」
文香「はい」
ありす「ないですね」
文香「はい、ズバッときていただいて……はい」
文香「じゃあ、ありすちゃんも。フリップの方を」
ありす「いいんですか?」
文香「え?」
ありす「これは……アレですよ」
文香「何ですか」
ありす「決まりますよ」
文香「いいですよ」
ありす「え?」
文香「いいんですよ、決めて。決めましょう?」
ありす「はい……」
ありす「私のは、はい、ジャン」
[橘 苺苺苺]
文香「うわ」
ありす「ちょっと」
文香「きました」
文香「当ててきましたね」
ありす「あの、今、うわって」
文香「フル当て字」
ありす「はい、あの」
ありす「元々ひらがなですから、好きな字でいいかなと」
文香「これは、理由、は……あるんでしょうか」
ありす「苺が好きなので」
文香「はい」
ありす「はい」
文香「……それだけですか?」
ありす「好きという気持ちを、はい、ぶつけて」
文香「あー」
文香「ぶつかってますね」
ありす「いいでしょう?」
文香「え?」
ありす「え?」
文香「これは、ちなみに……読み替えると?」
ありす「いちごです」
文香「え?」
ありす「橘いちごです」
文香「あー」
文香「いちごちゃん」
ありす「はい」
文香「うんうん」
文香「それもまた」
文香「アイドル活動ですね」
文香「却下です」
ありす「そんな」
宮本フレデリカ(以下、フレデリカ)「えー、いいと思うよー、いちごちゃん♪」
文香「わっ」
ありす「びっくりしました」
フレデリカ「ねー、アタシもびっくりー☆」
ありす「何言ってるんですか……」
文香「びっくりー……」(フフ
ありす「ちょっと」
フレデリカ「そこの廊下歩いてたら、二人の声が聞こえたから」
フレデリカ「ちょっと来ちゃった……ダメだった?」
ありす「ダメ、ではないですけど……」(チラッ
文香「?」
文香「フレデリカさんにも、相談してみたらどうでしょう?」
ありす「……文香さんが言うなら」
ありす「あの、フレデリカさん」
ありす「あ、まずどこまで聞いてました?」
フレデリカ「うーんとねー」
フレデリカ「戦車に乗ったありすちゃんが、苺に愛をぶつけるってとこ☆」
ありす「どこですかっ」
フレデリカ「芸名かー」
フレデリカ「それでいちごねー」
ありす「なかなか思い付かなくて……」
フレデリカ「そっかー」
フレデリカ「いちごが本名じゃないんだねー」
ありす「違いますっ、逆です逆」
文香「ありすちゃんのイメージから離れずに」
文香「新しい名前を付けることは、できないでしょうか?」
フレデリカ「へーきへーき♪」
フレデリカ「こういうのは、あいうえおを順番に入れるといいんだよ♪」
文香「なるほど」
ありす「嫌な予感しかしません」
フレデリカ「じゃ、『あ』からね? いくよー☆」
フレデリカ「ありす」
ありす「橘です」
フレデリカ「いりす」
文香「症候群です……」
フレデリカ「うりすえりすおりすかりす」
ありす「ムッコロ」
フレデリカ「きりぎりす」
文香「ありだけに」(フフ
ありす「ちょっと」
フレデリカ「くりすけりすこりすさりすしりしすりすせりす」
ありす「いとしーのー」
文香「あなたーはー……」
フレデリカ「そりすたりすちりすつりすてとりす」
ありす「□□□
□」
文香「□□□
□ 」
フレデリカ「なりすにりすぬりすねりすのりす」
ありす「勝ったぞー!」
文香「負けた……」
フレデリカ「はまやらわをんりす☆」
ありす「はしょらないでください」
文香「んりすちゃん」
フレデリカ「んりすちゃん」
ありす「やめてください」
フレデリカ「しりとりで大人気だねー」
文香「東北感ありますね」
フレデリカ「津軽の星」
文香「んりすちゃん」
フレデリカ「リンゴ大好き」
文香「んりすちゃん」
ありす「ちょっと」
文香「いいじゃないですか」
文香「新たな光に会いに行きましょう」
ありす「ぶんこう笑ったこと怒ってますね?」
フレデリカ「やっぱりさー、そのままが一番いいよ♪」
フレデリカ「ありすちゃんは、生まれてからずっと、ありす、って名前でやってきたんでしょ?」
フレデリカ「そんなありすちゃんには、ありすって名前が一番似合うし」
フレデリカ「ありすって名前も、ありすちゃんのことを一番よく表してるんだよ」
フレデリカ「これから先、どんな可能性を見付けて、どんな風に育っても、全部ありすちゃんなんだし」
フレデリカ「その全部を受け止めて、ありすちゃんとしてやっていくなら、ありすを続ける方がきっといいよ☆」
文香「……」
ありす「……」
文香「すごい、ですね」
ありす「はい……」
文香「なんだかいい話に聞こえますけど」
文香「フレデリカさんが口にしたという事実がすごい」
ありす「すごい」
ありす「適当言ってるんだろうなみたいな」
フレデリカ「まー、わかんないけどね♪」
文香「いいですね……」
ありす「これぞ、という」
文香「巧みな……味わい深さが」
ありす「味わい深い」
文香「深いですね……」
ありす「……私だって」
文香「ありすちゃん?」
ありす「私だって、この名前が嫌いなわけではないんです」
ありす「父と母が付けてくれた、大切な名前……」
ありす「ただ、あの人に呼ばれるのが……」
プロデューサー(以下、P)「おお、いたいた! ありすだよ!ありす!」
文香「噂をすれば」
ありす「下の名前で呼ばないでください!」
P「どうしたどうした? みんな集まってるけど」
フレデリカ「今ねー、ありすちゃんの新しい芸名を考えてたの♪」
P「芸名?」
文香「はい。でも結局……」
P「なんてタイミング!」
P「タイムリーだよ! タイムリー!」
文香「ええ?」
ありす「……どうしたんですか?」
P「新しい仕事が来たんだ。テレビだよ! テレビ!」
ありす「嫌な予感しかしません」
P「これすごいよ~、ガチンコだよ」
P「ライバルアイドルと真剣勝負!」
フレデリカ「いいねー♪ 何するの?」
P「料理対決だよ! 料理対決!」
文香「あっ」
ありす「ちょっと」
フレデリカ「勝ったら何かもらえるの?」
P「何も?」
P「でも負けた方は恥ずかしい名前にされる」
フレデリカ「例えば?」
P「椎名ドナ吉」
ありす「絶対ありすがいいです!」
以上になります、ありがとうございました。
HTML化依頼を出しておきます。
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