八幡「女子達の好感度がおかしい」 (208)




――部室前



八幡「…………」



<でね、その時ヒッキーが……

<それは大変ね



八幡(雪ノ下も由比ケ浜も、もう来てるみたいだな)

八幡「…………」

八幡「……行くか」





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がららっ


八幡「おいーす……」



がたがたがたっ!


雪乃「こんにちは、比企谷君」

結衣「ヒッキー、やっはろー!」


八幡「お、おう」






雪乃「今日はいつもより遅いじゃない。何かあったのかしら」

八幡「来る途中で自販機寄ってただけだ」

結衣「せっかくヒッキーと一緒に部室来ようと思ってたのに~、すぐいなくなっちゃうんだもん」

八幡「三浦達と話してたから邪魔しちゃ悪いと思ってな」


ぎゅっ


雪乃「まぁ、こうしてきちんと部活動に出席したのだから良しとしましょう」ぎゅ~

結衣「そだねー」ぎゅ~

八幡「…………」






八幡「……あのー…」

雪乃・結衣「?」

八幡「……座りにくいので、離れてくれませんかね」


結衣「やだ」ぎゅ~

雪乃「却下」ぎゅ~



八幡「…………」






八幡「いや、本とかも読めねぇし……な?」


雪乃「昨日の続きのラノベかしら?なら私が読み聞かせてあげるから問題ないわ」

結衣「わたしも!二人で役割分担しようよゆきのん」


八幡「ちょ、自分で読むから……」


雪乃「良いけれど、ちゃんと読めるかしら?」

結衣「うっ、よ、読めるよ?……多分」

雪乃「分からなかったら言って頂戴。振り仮名をふってあげるから」

結衣「……そ、その時はお願いします」

雪乃「ふふっ」






八幡「おーい、こんな至近距離で無視しないで?」


雪乃・結衣「「無視なんかしてない」」


八幡「……す、すいませんした」


雪乃「そうしたら、この主人公の役を私が……」

結衣「えっと、じゃあわたしはこの子?あ、でも……」


ぎゅ~



八幡「…………」

八幡(うん、どうしてこうなった)






こんな感じでゆっくりやっていきます。





八幡(思えば、こんな風になったのも2年に上がってからだ)


雪乃「もう少し、そちらに詰めてもらえないかしら。これ以上体を寄せると読み聞かせどころでは無くなってしまうわ」

結衣「こっちはもうギリギリだよ……そうだ!ヒッキーのひざに座れば解決だよ!」

雪乃「!!」

八幡「待て由比ヶ浜、その提案はおかしい。雪ノ下も座れ、『その手があったか!』みたいな顔してるけどやらせないからね?」



雪乃・結衣「「!?」」

八幡「?」



雪乃「や、やらせるって……/////」ぷしゅー

結衣「ひ、ひひひひひひっきーのえっち!////」ぷしゅー

八幡「」



八幡(ちょっと口出しただけでこんなんじゃ、迂闊に喋れねぇなコレ)

八幡「…………」


八幡(そもそもこの奉仕部に入れられた時も―――)






――――――――――――――――――――



@職員室



平塚『なぁ、八……比企谷。授業で出した作文の題は何だったかな?』

八幡『「高校生活を振り返って」ですが』

平塚『だとしたら……なんだこの作文は』ぎろっ

八幡『ひっ!?』






八幡『ちゃ、ちゃんと俺なりに高校生活を振り返って書いたんですよ。その上で考察してですね……』

平塚『あのなぁ』



平塚『きちんと文章を書けているのに、こんな内容では評価出来ないだろう。勿体無い』



八幡『はぁ、すいませ……ん?』

平塚『漢字もよく書けている。まぁ君の国語の成績ならば当然か』

八幡『……あ、あの』

平塚『全体の構成で言えば、まだまだ未熟な部分は有るが、それはこれから直していけば良いだろう。うん』

八幡『…………』


八幡(え、俺なんで褒められてるの?今絶賛お説教タイムじゃないの?)






八幡『……あの、先生』

平塚『静だ』

八幡『は?』



平塚『君と私の間で、そんな他人行儀な呼び方は無しだ。先生ではなく「静」と呼びなさい』



八幡『』ぼーん

八幡(どうしよう。オラ、この人が何言ってんのか分かんなくなったぞ☆)

八幡(……怖いから、取り敢えず無視しよう)

八幡『えー、俺をわざわざ職員室まで呼んだ理由は、これ(作文)ですよね?』


平塚『呼んでくれないのか、名前……』しゅん

八幡『…………』



八幡『……し、静、先生』

平塚『!!』



平塚『う、うむ!まぁ「先生」が余計だが良しとしよう!ふふふふふ////』にやにやにやにや


八幡(あぁ、小町……お兄ちゃんはエラい人に捕まってしまった様だ……)






八幡(これ以上この場にいると危険だ。早いとこ話を終わらせないと)

八幡『作文の件はすいませんでした。あー、恐らくきっと多分明日までに書き直して来れたらするんで。じゃっ』


平塚『待ちなさい』むぎゅっ


八幡『どぅぇっ!』どさっ

平塚『お、ふぅ……////』

八幡『!?』



八幡(あ…ありのまま、今起こった事を話すぜ!)

八幡(「家に帰ろうと先生に背を向けたと思ったらいつのまにか抱きしめられていた」)

八幡(な、何を言っているのかわからねーと思うが俺も何をされたのかわからなかった)

八幡(っていうか先生の爆発しそうなむ、胸が……あ、頭がおかしくなりそうだぜ)



平塚『すぅぅ~……はぁぁぁ~……////』

平塚『な、なんだコレは……ヤバい。ヤバいぞぉ……////』むらむら

平塚『……も、もう少しだけ……////』はすはすはすはす

八幡『/(^o^)\』






~~しばらくして~~



平塚『はぁ……堪能した/////』つやつや


八幡『…………』

八幡(消えろ煩悩!あの感触を忘れるんだ!仕事しろ理性!)


平塚『ふぅ~……さて、実は作文の他にもう一つ話が有るんだ』

八幡『はぁ……なんすか』

平塚『ときに、君は今所属している部活動は無かったな?』

八幡『ないですよ。部活動にうつつを抜かす暇など無いので』

平塚『それは都合が良い!!』

八幡(……嫌な予感がする)






平塚『私が顧問をしているとある部の話なんだ』

八幡『…………』

平塚『今のところ、まだ一人しか部員がいなくてね』

八幡『それは最早、部ではないのでは』


平塚『そこで、二人目の部員として君に白羽の矢が立ったという訳だ!』


八幡『という訳だ!じゃねえよ。生贄ですか俺は』

平塚『どの部活動にも属せず、その若く瑞々しい体を持て余している君を……な』じゅるっ

八幡『何故そんな卑猥な言い方するんですか』

平塚『ふふふふふ……///』

八幡『…………』ぞくっ






八幡『そ、そもそも俺は部活なんて入る気ありませんから。あんなのデメリットしかない……』

平塚『そう言うな。君のためでも有るんだよ。な?』

八幡『俺、結構忙しいんですよ。家事とか妹の面倒見なくちゃいけないんで』

平塚『…………』

八幡『ですから、せっかくのご提案ですけど辞退させて頂きm』


がしっ


八幡『?』



平塚『どうしても、入りたくないのか?』うるうる



八幡『あ、え……』

平塚『なぁ……』ぎゅぅ

八幡『っ』






八幡『…………』

平塚『…………』うるうる



八幡『と、取り敢えず見るだけなら……』



平塚『!君ならそう言ってくれると思っていたよ!』なでなでなでなで

八幡『は、恥ずかしいんで止めてくれませんかね』

平塚『よし、早速行くとしよう!』

八幡『え、今からですか!?』

平塚『思い立ったが吉日、だ!!』ぐいっ

八幡『なんで腕組むんですか…っておっと!?』



――――――――――――――――――――






八幡(……最初から全力だったもんな、あの人)

八幡(あの後、まさか書き直しの用紙と一緒に婚姻届を渡されるとは、当時の俺は全く予想していなかったのであった)

八幡(なにその超展開。予測できるわけねーだろ)



雪乃「いけない、紅茶を淹れるのを忘れていたわ」

結衣「手伝う?」

雪乃「いえ、大丈夫。比企谷君はMAXコーヒーが良いのかしら?」

八幡「俺も紅茶で頼むわ」

雪乃「砂糖を沢山入れて?」

八幡「普通で良い、普通で。お前が淹れてくれるのはストレートで十二分に美味いし」

雪乃「……そう。なら、少しだけ待っていて」




雪乃「飛びっきりのをご馳走するから♪」ちゅっ

八幡「」






結衣「あー!ゆきのんズルい、あたしも!」ちゅっ

八幡「」

雪乃「~~♪」



八幡(……うん。落ち着こう。冷静になれ冷静になれ冷静になれ)

八幡(軽く頬にキs……いや、うっかり頬がぶつかっただけだ。世界が俺に向かって動いただけだ)

八幡(きっとそうだ。そうに違いない)



結衣「えへへ……///」すりすり

雪乃「ふふ……///」



八幡「…………」

八幡(……そう言えば雪ノ下と由比ヶ浜も―――)






――――――――――――――――――――



平塚『ここが部室だよ』

八幡(結局なすすべなく、連れてこられてしまった)

八幡(ってかなんで当然の様に腕組んでんだこの人……めっちゃ笑顔だし)




がららっ


平塚『失礼する!!』


雪乃『……はぁ』

雪乃『先生……ノックをして下さいといつも言っt』



八幡『し、失礼しまーす……』



雪乃『!?』がたがたっ






八幡『あの、見た感じ机と椅子しか無いんですが』

平塚『うむ』

八幡『一体何する部なんですかここ』



雪乃『っ』あせあせ

雪乃『か、鏡は……』がさごそ



平塚『それは、彼女に聞いてくれ。この部の部長様に』

八幡『え……?』




雪乃『…………』←鏡を見ながら髪を整えている




八幡『何か取り込み中みたいなんで、俺帰った方が良いんじゃないすか?良いですよね?なんでこれで失礼し』

平塚『待て』ぎゅむっ

八幡『っ!!』






平塚『このまま抱っこされ続けるか、きちんと挨拶をするか。無論、私はこのm』

八幡『しますから!しますから離して!』




雪乃『こんなものかしら……』

八幡『あの、すんません』

雪乃『きゃっ!?』

八幡『…………』



八幡『……先生、あの人怖がらせてしまったみたいなんで帰ります』

平塚『待て、急に後ろから声を掛けられれば誰でも驚くだろう?それと、私の事は名前で呼びなさい』

八幡『はぁ』

八幡(声かけただけで引かれるとか……中学時代のトラウマが)






雪乃『……あ、あの』


八幡(はぁ……帰りたい。はよ帰って小町に癒されたい)



雪乃『…………』

雪乃『…………』しゅん



平塚『こら、比企谷』ぴしっ

八幡『痛っ』

平塚『女を待たせるのは感心しないぞ』

八幡『え?』




雪乃『』ずーーーーん




八幡『!』






八幡(うわ、綺麗な人だ。気付かなかったわ……何故かすげぇ落ち込んでるけど)

八幡『こ、こんにちは』



雪乃『!!』ばっ

雪乃『こ、こんにちは比企谷君!』ぱぁぁ

八幡『っ!』



八幡(さっきの落ち込み様が嘘みたいだな……と言うか)

八幡『か、可愛い……』


雪乃『え……』

雪乃『えぇ!?/////』ぼんっ






八幡『っ!?し、しまった、つい本音が……』


雪乃『ひ、比企谷君が私の事を可愛い……可愛いと……』

雪乃『…………』



雪乃『ふふふふふふふ/////』にやにやでれでれ



平塚『はは、仲良く出来そうじゃないか。これから比企谷のことを頼むぞ、雪ノ下』

雪乃『はい……//////』

平塚『八……もう八幡でいいや。八幡も仲良くするんだぞ』なでなでなでなで

八幡『いや、俺入るなんていってな』

平塚『ん~?』

八幡『……なんでもないっす』



八幡(美人教師が顧問の部活で可愛い同級生と二人きりとか……それなんてエロゲ?)

八幡『ってか、結局何をする部活なんだここは』



――――――――――――――――――――






八幡「懐かしいな……」

八幡(ここが奉仕部だと分かったのもかなり後の事だった)



結衣「ふふ~ん、ねぇねぇヒッキー」

八幡「ん?」


結衣「じゃーん!紅茶のお供に、クッキー焼いてきたんだ♪」

結衣「二人に食べてもらおうと思って頑張ったんだよ」


八幡「そ、そうか」

結衣「うん!」わくわくわくわく

八幡「…………」

結衣「じー」そわそわそわそわ

八幡「効果音を自分で言うな」


八幡(上目遣いの「褒めて褒めて!」アピールがすごい……)






八幡「取り敢えず、いい子だから今すぐその包みを鞄にしまいなさい」

結衣「うん♪わかった――ってなんで!?」

八幡「説明しなくちゃダメか?」

結衣「っ、こ、今回は大丈夫だから!ゆきのんに教えてもらったとおりに作ったし!」

八幡「ホントかよ……」

結衣「本当だってば!もう」


八幡(言ってもこいつは数え切れない程の前科があるからな)

八幡(またこの前みたいに「スペイン風だよ」とか言ってバルサミコ酢入れたりしてないとは言い切れない)






結衣「ねぇ」

八幡「ん?」



結衣「ヒッキーはさ、あたしが作ったの……そんなに食べたくない?」うるっ



八幡「!……いや、食べたくないなんて事は無いとも言えなくもな」

結衣「ぅえ……」じわっ

八幡「食べたいですね、すごく。ガハマさんの手料理バンザーイ」

結衣「ヒッキー!」だきっ

八幡「は、はは……」

結衣「えっへへ///」



八幡(由比ヶ浜はコロコロとすぐ表情が変わる)

八幡(この部室で初めて顔を合わせた時もそうだった―――)






――――――――――――――――――――



@部室



八幡『…………』

八幡(高校二年にして、遂に部活デビュー……だけど)



雪乃『~~~♪』ぐっ



八幡(なんだろう。俺の知っている部活動と違う。もう全ッ然違う)

八幡(雪ノ下はピッタリ密着してきてるし、落ち着かん……)


雪乃『?』ちらっ

雪乃『ふふっ』にこにこ

八幡『っ!』


八幡(何この笑顔、この子俺のこと好きなの?)

八幡(い、いや、騙されるな。今まで何回こんな勘違いを――)


雪乃『んっ』すりすりすりすり


八幡(そう。これもただ単に額の角質を近くにあった制服の肩で取っているだけ。ただの女子力女子力……)






雪乃『どうかしたの?』

八幡『ひゃっ!?』びくっ


雪乃『「ひゃ」って……』

八幡『す、すまん。ちょっとビックリしただけで』



雪乃『か、可愛い声出すのね、比企谷君は///』てれてれ



八幡『可愛い……?』

雪乃『あ、ごめんなさい。誤解させてしまったかしら』

八幡『お、おう』

八幡(そ、そうだよなやっぱり。危ない所だったぜ、まさに経験値の勝利)



雪乃『可愛いだけではなくて、勿論その……格好良いと思う、わ////』かぁぁ



八幡『』

八幡(はちまんは こんらん している)






コンコンッ



八幡『おっと……』

雪乃『(平塚先生かしら?)』

八幡『(だと思うが……他にここへ用が有る人いないだろうし)』


雪乃『はい、どうぞ』きりっ




『し、失礼しまーす』がららっ




結衣『あの、奉仕部の部室って……』

八幡(先生じゃなかった……誰だ?)



結衣『……え?』



雪乃・八幡『『?』』






結衣『ひ、ヒッキー……?』



八幡『……は?』

八幡(え、本当に誰だ?何で俺のこと知ってる風なリアクションを――)




結衣『っ……うぅ……』ぽろぽろぽろぽろ




雪乃・八幡『『!!??』』






雪乃『比企谷君、由比ヶ浜さんに一体何をしたの?』

八幡『し、知らん!俺は何もやっていない!』

雪乃『本当かしら?』

八幡『本当だって……そもそも由比ヶ浜さん?って、名前すら知らない相手に何が出来るって言うんだ』

雪乃『あなたの事だもの、言葉を交わさずとも既に彼女を虜にして……』

八幡『それこそ本当に有り得ないだろ!』

雪乃『この女たらし』ぷいっ

八幡『誹謗中傷が理不尽すぎる』




結衣『ぅ…ひっく……』ぽろぽろぽろぽろ



雪乃『とにかく、このままでは埒が明かないわ。比企谷君』

八幡『……そうだな。取り敢えず落ち着かせないと』






八幡『あの~……ゆ、由比ヶ浜、さん?大丈夫ですk』

結衣『うわーんひっぎー!!』ぎゅっ

八幡『おいっ!?』

雪乃『!?』


八幡(なんだ!?何故俺は抱きつかれているんだ!?)

八幡(うわ、さっきはあんま見ない様にしてたけど、かなり発育が良い……じゃない!なんとか引きはがして)ぐいっ


ぎゅ~


結衣『うわ~~~んごべんねぇひっきー!!』

八幡『ぐぇっ!?』

八幡(や、ヤバい。なんだこのパワー、どっから出てんだ?)






八幡『ゆ、雪ノ下!ちょ、助けて――』



雪乃『そ、そんな……私の比企谷君が……』がくっ



八幡『なに訳分からんこと言ってるんだ!しっかりしろ!』

結衣『うぅ、ご、ごめんなさいぃぃぃ!!』

八幡『お前じゃないから!違うから一旦落ち着いて腕の力抜いてぇぇ』

八幡『ゆ、雪ノ下!雪乃!』



雪乃『――はっ!わ、私は一体……』

八幡『帰ってきたか……とにかく助けてくれ!』

雪乃『比企谷君!そ、そうね、ごめんなさい。ちょっと気が動転してしまって……もう大丈夫よ』すたすた

八幡『た、頼む』


ぎゅっ


八幡『え?』






雪乃『異性を抱きしめるなんて、は、初めてだけれど……あ、あなたのためなら……///』すりすり



八幡『いやいやいやいや。おかしいだろ、助けてくれる話はどこへ?』

雪乃『いきなりの事で由比ヶ浜さんに遅れを取ってしまったけれど、もう大丈夫よ……////』

八幡『何が大丈夫なんですかね?むしろ事態が悪化してるんですが』

結衣『うぅぅ……ぐしゅ』ぐりぐり

八幡『制服の胸で鼻かむのやめて。初対面でポケットティッシュ扱いって舐められ過ぎだろ俺』

雪乃『比企谷君の背中……うっ、鼻血が出そうだわ……///』はぁはぁ

八幡『絶対に出すなよ?歩く現代アートみたいになっちゃうから』




がららっ


平塚『はっはっは!諸君、今日も元気で部活動に勤しんで……なん、だと……?』




八幡『先生!?』






平塚『こ、これはどういう事かな八…比企谷?』

平塚『部の様子を見に来てみたら、奉仕活動ではなく淫行に勤しんでいるとは……』



八幡『ち、違います!これは決してその、先生が考えているようなインモラルな事案ではなくてですね』

平塚『……いぞ』

八幡『俺も何が起きているのかさっぱり……はい?』



平塚『ずるいぞ!私も混ぜろ!!』ばーん



八幡『……はぁ?』


結衣『………////』 ←落ち着いてきた

雪乃『比企谷君あたたかい……///』ぽー




――――――――――――――――――――






八幡「あの時は焦ったわ……」



結衣「あのときって?」

八幡「なんでもない。それよりいい加減離れろ」

結衣「え~、ゆきのんもやってたし良いじゃん。嫌なの?」

八幡「嫌ってか、正面から抱きつかれてるからその……当たってるんだよ」

結衣「へ?当たってる……あ////」

八幡「お前もこんなボッチに意識されるなんて嫌だろ?だったら」

ぎゅむっ

八幡「え?」



結衣「あ、あたしはヒッキーが相手なら……嫌じゃないよ?///」てれてれ

結衣「むしろしたいって言うか……へ、変な意味じゃなくてね!?」



八幡「」


八幡(顔を真っ赤にした女の子からこんな事を言われて、動揺しない男子高校生がいるだろうか。いや、いない)

八幡(なにこのアホの子。可愛すぎでしょ)






雪乃「お待たせしてごめんなさい、二人とも。紅茶が入ったわ」


結衣「わーい、ありがとゆきのん!」ぱっ

八幡「ほっ……」

雪乃「少し時間は掛かってしまったけれど、今日は特に美味しく出来たわ」すっ


雪乃「あなたへの愛情がたっぷり入っているから、ね」ちゅっ


結衣「あー!ゆきのんまたー!」ぎゃーん

雪乃「早い者勝ちよ」ふふん



八幡「」

八幡「ちょ、ちょっと風に当たってくる……」






がたっ

八幡「ふぅ」

八幡「…………」ちらっ



雪乃「……なんですって?」

結衣「だから、ゆきのんとヒッキーに食べてもらおうと思って、クッキー焼いてきたの」

雪乃「そ、そう、偉いわね。良い子だからおとなしくその箱をしまいなさい」

結衣「また同じこと言われた!?」



八幡「…………」

八幡(青春なんて欺瞞だと、偽りだらけの馴れ合いだと――その考えは今も変わっていない)

八幡(だが不覚にも、こんな風に過ごす放課後を悪くないなんて思い始めてる自分がいる)

八幡(まぁ、放課後ティータイムをリアルやってるのが奉仕部の活動とは呼べないだろうが)



雪乃「何してるの比企谷君、せっかく淹れた紅茶が冷めてしまうわ」

結衣「ヒッキー!今度こそ美味しくできたから食べてみて!」



八幡「……はいはい」







結衣「えへへ、食べさせてあげるね。はい、あ~ん…」

雪乃「!?」

八幡「おい、その手に持ってるの何?ダークマター?」

雪乃「私は飲ませてあげるわ、ほら、あ~ん」

八幡「飲ませるってなんだよ、やめっ、熱い!おでんコントみたいになってる!」



八幡(……やっぱ選択間違ったかな)






@自宅



がちゃっ


八幡「たでーまー」



だだだだだだだっ……



小町「お帰りっ、お兄ちゃん!」ぴょん


八幡「こら、いきなり飛びつくと危ないだろ」

小町「ぶ~、可愛い妹がこうしてお出迎えしてるのにその反応は、小町的にポイント低いなー」ぎゅっ

八幡「悪かったよ。お出迎えご苦労さん」なでなで

小町「えへへへへ♪」


八幡(はぁ、癒される。やっぱりウチの小町は世界一ィ!)

八幡(……そろそろ高校生になろうかというのにこの甘えっぷりは、兄として少し心配だが)






小町「んむぅ……よしっ!ヒッキー成分補給完了!」

八幡「なんだその怪しい成分」

八幡(“ヒッキー”の時点で、120%由比ヶ浜が関わってるんだろうけどな。小町に変な事吹き込みやがって……)

小町「小町の動力源だよ。因みに、補給ゲージが0になったら死んでしまうのです」

八幡「物騒な話だな」

小町「だーかーらー……」



小町「今日も、小町のこといっぱい可愛がってね?///」

小町「なんてねっ、今の小町的にポイントたかーい!///」きゃるーん



八幡「………言われなくてもそうするわ!」わしゃわしゃわしゃ

小町「きゃー!お兄ちゃんってばケダモノー!」きゃっきゃ

八幡「誰がケダモノだ」

八幡(まぁ、可愛いから許すけども。可愛いは正義)






小町「でも、意外だなぁ」

八幡「何がだよ」

小町「ぶ・か・つ。『部活に割く時間なんかない』とか散々言ってたのに、よく続いてるね」

八幡「……まぁな」

八幡(言えない。部活の内容があのザマなんて口が裂けても言えない)

小町「うぅ……お兄ちゃんやっと社会復帰したんだね!小町嬉しいよ!」

八幡「嘘でしょ、俺ってば服役してたの?」

小町「ものの例えでしょ!」


八幡「…………」

八幡(俺自身が一番驚いてるよ、本当に)






――夜


八幡「……ふぅ」

八幡(俺の入っている風呂に闖入してきた小町と格闘すること小一時間……)

八幡「疲れた、もう寝――」


<~~♪


八幡「………」


pi♪




FROM 雪ノ下雪乃
――――――――――――――――――――
TITLE 奉仕部連絡
――――――――――――――――――――
明日も奉仕部は活動する予定です。
決してサボタージュなど考えないように。


いつも通り、美味しい紅茶を淹れて待っているから。
なるべく早く来てくれると嬉しいわ。



八幡「ツンデレ乙」

八幡(……ちょっとトキめいてしまった。くそぅ)






<~~♪


FROM ☆★ゆい★☆
――――――――――――――――――
TITLE nontitle
――――――――――――――――――
こんばんわ?

明日は部活一緒に行こうね!
先に行っちゃダメだからね(`・ω・´)



八幡「なんで挨拶が疑問形なんだよ」

八幡(さて、明日はどうやって切り抜けようか……)



<~~♪


FROM 比企谷静
――――――――――――――――――
TITLE 夜遅くにごめんなさい。
   起こしてしまいましたか?
――――――――――――――――――
最近会えなくて寂しいです。
シャイなあなたの事だから、わざわざ会いに来るのが恥ずかしいのかもしれませんね(笑)
そんな所も可愛いです。

でも、気にすることは有りません。
何故なら、私達は心から信頼し合っている夫h



八幡「うん。これはスパムメールかな。比企谷静さんとか知り合いにいないし」

八幡(何回、メアドを消してもいつの間にか復活してるのがホントに怖いんですけど)






八幡「またパスワード変えないと……無駄な気もするけど」

八幡「取り敢えず、それぞれに返信するか」

八幡(先生には、『これ以上やったら通報します』と)

八幡「……うん。寝よう」



がちゃっ!

小町「それじゃ今日も一緒に寝ようね!お兄ちゃん!」ばーん



八幡「…………」

八幡(……部屋の鍵も付け替えないとダメか)






<戸塚編>



@中庭



八幡「今日は良い天気だな。助かった」

八幡(最近ずっと雨だったから飯食う場所無かったし……ぼっちはつらいよ)

八幡「いただきます」


がたっ

八幡「!?」

八幡(やべっ、誰か来た――)



結衣「あー、ヒッキー!こんなとこにいたんだ。お昼ごはん?」



八幡「由比ケ浜か……そうだよ、悪いか」

結衣「悪いなんて言ってないじゃん。一人?」

八幡「この状況見たら分かるだろ。てか俺に対してその質問は酷くないですかね?」

結衣「なんで部室来て食べないの?ゆきのんも一緒に食べたがってるのに。もちろんあたしも!」

八幡「あそこで飯食おうとすると普通に食う倍以上疲れるんだよ……」

八幡(誰かさん達が、競い合うかのように食べさせようとしてくるからな。生まれたてのヒナの気分になる)






八幡「そういうお前はなんでここにいんだよ」

結衣「ゆきのんとヒッキーゲームやってたんだけど負けちゃって、ジュース買いに来たの」

八幡「なんですかそのゲーム。引きこもり耐久レース?」

結衣「違うから!ヒッキーゲームは――」


結衣「二人で順番にヒッキーの好きなとこ言い合って先に詰まった方が負けってゲーム!」


八幡「……さ、さいですか」

結衣「ちょうど108個目で噛んじゃって……自信あったんだけどなー」

八幡「ひゃ、108個か、煩悩の数と同じだなすごいなー」現実逃避

八幡(そもそも、本人の前で言うなよ。さすが天然ビッチ……)






結衣「でもいーや。負けちゃったおかげでヒッキーに会えたし♪」ぎゅっ

八幡「なぜ横に座る。罰ゲームどうした」

結衣「ちゃんと買ってあるもん……ね、一緒に部室行こうよ」

八幡「遠慮しておく。そろそろ飯も食い終わるから行く意味無いしな」

結衣「でもゆきのんにメールしちゃったし。『ヒッキーと一緒に帰るよー』って」

八幡「俺の答えを聞く前にそのメールはおかしくない?今すぐキャンセル送ってくれ」

結衣「あ、もう返信来た。『比企谷君と一緒ってどういう事かしら、詳しい説明を要求するわ。私だって会いたいのに由比ヶ浜さんずるい――」

八幡「こえーよ、返信スピードも内容も」

結衣「あと『準備するから五分だけ待って』だって」

八幡「準備ってなに?もしかして俺刺されたりすんの?」

結衣「『りょーかい!』っと」ぴっ

八幡「だからなんで俺の意思を聞かないの?ねぇ?」






結衣「じゃ、あと五分だけこのまま♪」ぎゅむっ

八幡「やめろ、他の生徒に見られたらどうすんだよ」

結衣「はは、そしたらカップルだと思われちゃうかも……///」

八幡「そんな真っ赤になるほど恥ずかしいなら言うな」

結衣「えへへ///」

八幡「はぁ……」


八幡(……まぁ、良いか。どうせあと数分だ)

結衣「ひっきー……///」すりすり




??「あ、由比ヶ浜さんと……比企谷くん」

??「仲良さそう……良いなぁ」





――放課後



がららっ


八幡「こんちゃーす」

雪乃「こんにちは、比企谷君」がたっ

八幡「お、雪ノ下一人か」

雪乃「ええ。そういうあなたこそ、由比ヶ浜さんと一緒じゃなかったのね」すっ

八幡「気がついたら、もう教室にいなかったぞ」

雪乃「そう……昨日、今度こそは一緒に行くのだと意気込んでいたから、てっきり一緒なのかと思ったわ」ふぁさっ

八幡「…………」

雪乃「どうしたの」






八幡「……一つ聞いていいか」

雪乃「?」

八幡「なぜ制服の上着を脱がせた」

雪乃「何故って……そんなの決まっているでしょう」



雪乃「将来結婚した時のための予行演習よ」ばーん



八幡「決まってないな。着るから返してくれ」

雪乃「まぁ……あと少しだけ、少しだけ」くんかくんか

八幡「少しだけってなんだ。ちょ、恥ずかしいからやめろ!!」

雪乃「クリーニングして返すわ」すりすり

八幡「しなくていいから今すぐ離してくれませんか」






がららっ


結衣「やっはろー、依頼人連れてきたよー!」ばーん



雪乃「こんにちは、由比ヶ浜さん」きりっ

八幡「た、助かった……うわ、涎つけやがったこいつ……」

結衣「へ?よだれ?」

雪乃「何でもないわ。それより、いま依頼人がどうとか」

結衣「そうなの!今日はね、奉仕部部員として仕事をとってきました!」

雪乃・八幡「「!!??」」



雪乃「そ、そんな……由比ヶ浜さんが仕事を……?」びっくり

八幡「お前って、奉仕部部員だったのか……」びっくり



結衣「二人とも反応ヒドくない!?」がーん






八幡「だってなぁ……」

雪乃「ねぇ……」


結衣「もういいや……入っていいよ、彩ちゃん」



??「し、失礼します……あ」



戸塚「比企谷くん!」ぱぁぁ



八幡「と、戸塚か?」

雪乃・結衣「「!?」」






木曜日の更新分トリミスってましたね、すんません



戸塚「比企谷くん、奉仕部だったんだね」きゅっ

八幡「お、おう。実はそうだったんだよ」

戸塚「良かった、知らない人ばっかりかもしれないって不安だったから」にっこり

八幡「そ、そうか。ふひっ」

八幡(我ながらキモい声が出てしまった。男に手を握られただけなのになんでこんなに胸がトキめいているんだろうか)



がしっ

結衣「え、待ってヒッキー!彩ちゃんのこと知ってるの!?」

八幡「あぁ、ついこないだの体育で知り合ってな」

雪乃「どういう事?体育の時間にあなたは彼と一体何をしていたというのかしら?」ぎりぎり

八幡「授業受けてたに決まってるだろ」

結衣「ホントに……?」

八幡「他に何が出来るって言うんだよ……」






八幡「お前らさっきから反応おかしいぞ。いくらぼっちの俺だって、同級生に知り合いくらいいるよ?戸塚とか」

八幡(あとは、戸塚とか戸塚とか……戸塚とか?)


戸塚「うん。そうだね……でも」



戸塚「比企谷くんと僕は、知り合いじゃなくて“友達”でしょ?」てれてれ



八幡「」

結衣「……ねぇねぇゆきのん、彩ちゃんが照れてるのおかしいよね」つんつん

雪乃「そうね、おかしいわ。あれはもう確実にオトされている顔よ」つんつん

八幡「脇腹をつんつんしながら変なこと言うのやめてください」

戸塚「そ、そんな……た、確かに比企谷くんのことは好きだけど……///」わたわた

八幡「落ち着くんだ戸塚。いまとんでもないことを口にしてるからね?」






~~少しして~~



雪乃「こほん……つまり、あなたはテニスの技術向上について相談に来たと云う事ね」

雪乃「比企谷くんと会って、甘い時間を過ごすためなどでは無く……」ちらっ


戸塚「は、はい」

八幡「初めからそう言ってるだろうが」

雪乃「…………」じー

八幡「その疑惑の目やめなさい」

結衣「じーー」

八幡「だから擬音を口で言うな」



雪乃「まぁ良いけれど……それで、授業中に比企谷君を見かけたと」

戸塚「うん。テニス部に入って欲しいって、お願いしたんだ。断られちゃったけどね」

八幡「ごめんな、やっぱり俺には向いてないと思うんだ」

八幡(テニス部なんてリア充の巣窟、考えただけで蕁麻疹が出そうだ)

戸塚「ううん、気にしないで」






雪乃「そうね。賢明な判断だと思うわ」

八幡(……運動部なんて無理だってことは、自分が一番よく分かってますよ)

雪乃「もし比企谷君が、高校部活の花形であるテニス部に入ったりなんてしたら……」



――――――――――――――――――――



八幡「ふっ、ふっ!」すぱーん



女子1「やだ、何あの人……かっこいい……///」

女子2「わたし、ちょっと教えてもらって来ようかな……///」

女子3「え、でも恥ずかしいし……///」

女子4「そしたらさ、皆で一緒に行って――」



ぽてん、てん、てん…………


八幡「あ……ごめん、そのボール取ってくれるかい?」きらきら



女子s「「「「きゃーーーーーー//////」」」」



――――――――――――――――――――



雪乃「間違いなくこうなるわ」

八幡「間違いなくならねぇよ。誰だコイツは」






結衣「でも、ヒッキーがテニスやってるの見たかったなー。やっぱりかっこよかった?」

戸塚「うん。壁打ちしてるだけなのに、その……とっても格好良かった///」

結衣「いいなー……男女で一緒にやんないのなんでだろ」

雪乃「貴方達はまだ良い方よ……私なんてクラスまで違うと言うのに……」ずーん

結衣「どんまい、ゆきのん」ぽんぽん



八幡「……そろそろ本題に戻らない?話が一向に進まないんですけど」

八幡(これ以上褒め殺し食らったら恥ずか死するわ)






雪乃「そうね、話を戻しましょう」



雪乃「……比企谷君に合うテニスウェアはどれか、だったかしら」ぺらぺら



八幡「違いますけど。どっから出したのその分厚いカタログ」

結衣「あ、これこれ!絶対ヒッキー似合うって!」

八幡「自然に混ざるな。あとそんな派手なウェアは死んでも着ないからな」

戸塚「ぼ、僕はこっちかな……」

八幡「頼む戸塚、お前までそっちに行ってしまったら俺はどうすればいいんだ」






~~数十分後~~



雪乃「――さて、大体リストアップ出来たかしら」

結衣「うぅ、目が疲れた~!」



八幡「……ほぅ」

八幡(結局、話は逸れたまま待ちぼうけを食らうこと一時間弱)

八幡(何回か帰ろうと思ったけど、この状況で雪ノ下と由比ヶ浜にバレず教室から抜け出すのは不可能)

八幡(よって、冷めてしまった紅茶を啜りながら夕日を眺めているしかないのだった。完)



戸塚「二人とも、ありがとう。わざわざ一緒に考えてくれて……」

雪乃「良いのよ、貴方の男性視点からのアドバイスは大変役に立ったわ」

結衣「彩ちゃん、選ぶセンスも良いもんね」



八幡「……戸塚のアドバイス?」

八幡(激しく気になる。聞いたら男として色々と終わる気がするけど気になる)






雪乃「取り敢えずは、明日の昼休みにテニスコートで集合しましょう」

戸塚「え、それじゃあ……」

雪乃「比企谷君のテニス部入部は無理だけれど、貴方の依頼はあくまで『テニスの技術向上』でしょう?ならば何も問題ない」

雪乃「奉仕部部長として、全力でサポートするわ」

結衣「あたしも頑張って協力するよ彩ちゃん!」

戸塚「ありがとう!」



八幡「…………」

八幡(戸塚の依頼も無事に認可されて万々歳のはずなのに、なんだろうこの胸騒ぎは)ざわ…ざわ…






結衣「でもテニスかー。実はあんまりちゃんとやったことないんだよね」

雪乃「私がしっかり比企谷君を着せ替え……こほん、テニスの特訓をしてあげるから」


八幡「心の声が漏れてるぞ」

八幡(さっきの胸騒ぎはこれか……)


結衣「でもさ、衣装こんなに候補いっぱいあったら、持ってこれないんじゃない?」

雪乃「最悪、姉さんに持ってこさせるわ」

結衣「え、ゆきのんお姉ちゃんいたの!?」

八幡「…………」






雪乃「だから遠慮せずに、もっと提案してくれていいのよ?」

結衣「わーい!」


きゃっきゃうふふ




八幡「どうやら俺は、着せ替え地獄から逃れる事は出来ない様だ……ガッデム」


とんとん


八幡「ん?」

戸塚「…………」もじもじ


八幡「あれ、天使かなコレ」

戸塚「え?てんし?」

八幡「何でもない」






八幡「なにか用かい?」

戸塚「……急に来て、色々決めちゃって。迷惑じゃなかった?」

八幡「戸塚の頼みなら、迷惑なんてある訳ない」

戸塚「そっか……ありがとう、嬉しい」

八幡「っ!お、おう……」



戸塚「明日から、よろしくね八幡」にっこり



八幡「うぉぉおおお!任せろ戸塚ァ」










途中でしたソーリー



八幡「なにか用かい?」

戸塚「……急に来て、色々決めちゃって。迷惑じゃなかった?」

八幡「戸塚の頼みなら、迷惑なんてある訳ない」

戸塚「そっか……ありがとう、嬉しい」

八幡「っ!お、おう……」




戸塚「明日から、よろしくね八幡」にっこり




八幡「うぉぉおおお!任せろ戸塚ァ!!」




結衣「うわっ、テンション高いヒッキーめずらしい!!」カシャカシャ

雪乃「そうね。かなりのレア、レア八幡よ」●REC






――次の日・昼休み――




八幡「…………」



雪乃「さて、全員が揃った様だからトレーニングを始めましょう」

戸塚「よ、よろしくお願いします!」

結衣「頑張ろうね彩ちゃん」



八幡「……おい」



雪乃「先ずは、筋力トレーニングからかしら。基礎代謝を上げていくためにも」

戸塚「なるほど……」めもめも

結衣「ね、ねぇゆきのん。キソタイシャって何?」ぼーん



八幡「おい!」






雪乃「あら、どうしたの比企谷君?あなたの仕事はそこで私達を優しく見守っていることだと、さっき説明したでしょう?」

八幡「その仕事の必要性をまるで感じないんだが」

結衣「必要だよ!ヒッキーがいるのといないのじゃ全然違うもん」

戸塚「!!」こくこく

雪乃「その通りよ。大事なモチベーション要員なのだから、自覚をしっかり持ちなさい」

八幡「いや、だからたかが筋トレにモチベーション要員なんて……」

雪乃「何を言っているの?」



雪乃「比企谷君が見ている事によって興ふ……安心感と適度な緊張感が生まれ、それがトレーニングの効率を上げてより良い成果が期待できる」

雪乃「逆に比企谷君がいなければ、著しいテンションの下落によって注意力が散漫になり、結果的にミスを誘発してそれが原因で死……こほん」

雪乃「それだけの影響力があるのよ。あなたという存在は」



八幡「話が途中からぶっ飛びすぎだから。そもそも、一歩間違えると死ぬレベルのトレーニングは止めとけマジで」

八幡「てか、俺が今言いたいのはそこじゃない」

雪乃「?」







八幡「なぜお前らはジャージで、俺だけテニスウェア着せられてんの?」



雪乃「勿論、趣m……効率を考えた上での判断よ」

結衣「やっぱ思ったとおり似合ってるよヒッキー、カッコいいじゃん!!」

戸塚「うん。本物のテニス部員みたい」

雪乃「出来るなら、その場で軽く踊って歌ってくれるともっとボルテージが上がるわ」

八幡「一人テニプリミュージカルとか恥ずかしすぎて死ねるので嫌です。帰っていい?」

結衣「大丈夫、今はあたしたちしかいないし。ね?」

八幡「ね?じゃねーよ。だから余計に嫌なの」

雪乃「もっと観客が欲しいのかしら?何なら校内放送をかけて人を呼んでも……」

戸塚「ぼ、僕もテニス部の人とかクラスの友達とか連絡するよ」

八幡「いや、他に外野がいたらその時点で明日からの不登校決定だ。絶対にやめろ」






雪乃「こうして話していても仕方が無いわ。我が儘な比企谷くんは一先ず置いて、練習を始めましょう」さらっ

八幡「俺がワガママって事になんの?嘘だろ」

結衣「ヒッキーってば……」じとー

八幡「はいはい、俺が悪うございました。黙ってるから早く練習始めてくれ」

戸塚「はは……」




雪乃「昨日言った通り、先ずは基礎トレーニングから始めましょう」

戸塚「は、はい!」

結衣「基礎トレーニングって、何するの?」

雪乃「筋トレね」

戸塚「筋トレか……僕あんまり得意じゃないけど、大丈夫かな?」

雪乃「問題ないわ。ちゃんと策は練ってあるから」






八幡「はぁ~……よいせっ、と」

八幡「…………」

八幡(何が悲しくて、一人こんな格好をしなきゃいけないんだ)

八幡(しかも、やることが無くて木陰に座ってトレーニングの観察って……)


八幡「……別に他にやることもねーしなー……」


八幡(丁度いい、寝よ。よしんばそのまま放課後を迎え……ダメだ。この格好で授業サボったりしたら高校生活が終わる)

八幡(まぁ、元々始まってるかどうかも怪しいけども。はは、泣ける)





雪乃「比企谷くん、出番よ!」





八幡「は?」



このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年03月02日 (水) 13:12:31   ID: QhqWLX2I

期待してるぞ!していますよ!

2 :  SS好きの774さん   2016年03月02日 (水) 23:08:52   ID: kqnf-i5e

期待

3 :  SS好きの774さん   2016年03月03日 (木) 00:59:31   ID: gR6HI8sP

期待大

4 :  SS好きの774さん   2016年03月08日 (火) 22:05:38   ID: XAbz3RUX

いいよいいよー

5 :  SS好きの774さん   2016年03月18日 (金) 19:39:56   ID: uTeYep4F

くっ、なんてうらやま…
なんて可愛いゆきのんだ…

6 :  SS好きの774さん   2016年03月22日 (火) 15:02:30   ID: KDf1ZBBa

ガハマさんかわいいよガハマさん

7 :  SS好きの774さん   2016年03月26日 (土) 15:31:35   ID: h-TWsk7Y

小町いぃぃかわいぃぃぃ!良いぞもっとやれ

8 :  SS好きの774さん   2016年04月08日 (金) 08:57:54   ID: Ub7DH0PX

期間かけていいから完結おなしゃす!おなしゃす!

9 :  SS好きの774さん   2016年04月19日 (火) 22:48:14   ID: KobANvIp

はよかけくださいおねがいします

10 :  SS好きの774さん   2016年04月24日 (日) 10:30:04   ID: 3Xlu5sjj

続きがねぇと寝れねー

11 :  SS好きの774さん   2016年04月27日 (水) 18:40:00   ID: ip4QDSJV

待ってました!!

12 :  SS好きの774さん   2016年04月28日 (木) 20:40:58   ID: c699aacX

続きに期待( ´ ▽ ` )ノ

13 :  SS好きの774さん   2016年04月29日 (金) 00:15:55   ID: DYArDKug

川崎さんがどうなるかに期待

14 :  SS好きの774さん   2016年05月10日 (火) 00:31:11   ID: MrKxZpWG

材木座に期待

15 :  SS好きの774さん   2016年05月22日 (日) 18:22:07   ID: I42zkoLQ

葉山グループの面々に期待

16 :  SS好きの774さん   2016年07月16日 (土) 20:24:23   ID: rGVVpYWR

こゆーのをまっていた!

17 :  SS好きの774さん   2016年09月18日 (日) 07:40:46   ID: xEZwoa02

続きはよ

18 :  SS好きの774さん   2018年01月18日 (木) 13:48:48   ID: wK0eS9ND

良作がエタるのほんともったいない
頼むから続きを書いてくれー!

19 :  SS好きの774さん   2018年03月25日 (日) 21:25:01   ID: 45icAO2t

こういうヒッキーが苦労することもなくただ幸せをエンジョイするだけのSSもあっていいと思うんだ
いいゾーコレ

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