勇者「失礼します」魔王「どうぞ」(141)
ガチャ
魔王「こんにちわ、今日はどういったご用件でしょうか」ニコ
勇者(魔王を倒すつもりで入ったら受付嬢がいた……しかも人間だ……)
勇者「ま、魔王さんを倒しに来たんですが…」
魔王「あ、勇者さまでしたか。でしたら、こちらのフロアにお上がりください」
勇者(これは一体どういうことなんだ……)
勇者(あのフロアに上がったらきっと魔王が出てくるに違いない。そのとき、あの少女はどうなるんだ……)
勇者(グハハハお主の用はもうない、とか言って食べられてしまうに違いない……)
魔王「勇者さま?どうされました?」
勇者「あ、いえ!す、少し精神統一しているだけです」アセ
勇者(どうするどうする……!こういうとき頼りになる賢者は四天王と戦っている……)
勇者(あの少女をどうすれば守れるっ!俺がどこまで進めば魔王が出てくるんだろうか……)
勇者(くそっ!少女の真後ろなんかに現れたら最悪だっ!)
魔王「あのー?まだお時間かかりますでしょうか?四天王さん達が来てしまいますよ?」
勇者「す、すいません。もう少々待ってくださいっ。あと四天王に俺の仲間は負けません!」
勇者(とりあえず少女を魔王城から救い出そう…!)
勇者「あの!ちょっと一緒に来てくださいませんか!」
魔王「へ?あ、はい。構いませんよ」トテトテ
勇者「ちょっと着いてきてください」ニギ
魔王(え、あ、え?ゆ、勇者さまが手を!?ど、どうしてどうして!?)
魔王「あ、あのど、どちらへ行かれるんですか……?」
勇者「安全な場所です」
魔王(ま、まさかこのお城を壊さないために!?優しい勇者さまだあ……)
勇者「ところで貴女のお名前は?」
魔王「は、はい!魔王と申します!」
勇者「え?」
魔王「魔王です!」
勇者(聞き間違えじゃないよな……?え?どういうことだ?彼女が魔王?)
勇者(いやいや、そんなわけないじゃないか!この華奢な手からも分かる。きっと魔王の親戚の姪っ子とかだろう…)
勇者「そ、そうですか。あ、改めまして勇者です」
魔王「はい。ご活躍は常々耳にしております」
勇者「それは嬉しいですね。世界を魔王から守り、平和にするため尽力していますから」
魔王「素晴らしい心がけです。ですが、私も負けませんよ?」
勇者(私!?いや、魔王ごっこか?でも俺と同じくらいの年だ。ごっこする年齢じゃない……)
勇者(そうか、魔王がこの子を身代わりにして騙すつもりだったんだな!なんと卑劣な……)
勇者「いえ、僕だってだてに勇者をしていません。レベル上げにも励みました」
魔王「そうなんですか。ステータス見せていただけません?」
魔王(ふふ、優しい勇者さまだし見せてくれるよね)
勇者「どうぞ」ファン
魔王(ふぇぇ……思ったより強いよ……ぎりぎり勝てるかな……)
魔王「と、とってもお強いんですね。冷や汗をかいてしまいました」
勇者「冷や汗……ですか。では、このコートを羽織ってください。風邪をひくといけません」ヌギヌギ
魔王「え、あ、だ、大丈夫ですよっ。滅多に風邪ひきませんから」
勇者「いえ、女性に寒い思いをさせるわけにはいきません。この城の廊下は結構寒いですからね」バサ
魔王(暖かい……人の温さだ……)
魔王「ありがとうございます……」
勇者「ところで、魔王さんのステータス見せてもらっていいですか?」
勇者(魔王に使われてるなら、空腹ゲージが減っていないか心配だ……)
魔王(ま、まさかさっきの仕返し!?そ、その手にはのらないぞっ)
魔王「すいません、私ステータスないんです……」
勇者「え?そうなんですか?……そういう人初めて聞きました」
魔王「な、なんか先天性の病気みたいですっ!め、珍しすぎてほとんど誰も知らないんです」
勇者「それはお気の毒に…。ステータスないと不便でしょう?」
魔王「そ、そんなことはありませんよ。自分の力が分からないって楽しいです!」
魔王(嘘ばっか……。うーあんまり嘘はつきたくないよー)
勇者「ほー、中々面白そうですね。魔王戦が終わったらステータス見ずに修行してみます」
魔王「が、がんばってくださいね!そうだ!お仲間はどちらへ行かれたんでしょうか?」
勇者「賢者、戦士、魔法使い、泥棒と商人がそれぞれ四天王と戦っています。少し心配ですね…」
魔王「なるほど。お仲間が多いんですね」
勇者「それほどでも。魔王なんかは魔物全員が仲間みたいなものでしょう?それに比べたら少ないくらいです」
魔王「そんなこともないですよ?命令を聞かない魔物もいますし。まあそういうお馬鹿さんは打ち首ですけど」
勇者「き、厳しいんですね。魔王を続けるのも意外に大変そうです……」
魔王「えへへ、そう言って頂けると苦労が報われます。領土が広がるときは中々に快感ですけどね」
勇者「はー、できれば止めていただきたいですが、自分の領土を広げるってない感覚なので気になります」
魔王「なんか、世界は私のものだ!うははは!って感じでいいです!」ギュ
勇者(!!楽しそうに話す魔王さんが俺の腕を抱いて…!む、胸が当たってる!!)
勇者「そ、それは良いですね。ところで、魔王さん……も、もう少し離れていただけますか……?」
魔王「え?あっ…ご、ごめんなさい。興奮してしまってつい……///」
魔王(ち、近づきすぎちゃったかなあ?で、でも手は繋いだままだし、いっかあ……って何考えてるのわたし!)バシバシ
勇者「?突然自分の頭を叩いて、どうかされました?」
魔王「いえ!お気になさらず!」
勇者「そうですか。よく分かりませんが、あまり自分をお責めになるのは止めてください」
魔王「はい、すいません……」シュン
勇者「そういえばお年はいくつですか?あまり女性の年齢を尋ねるのはよくないとは思うのですが……」
魔王「いえ、もう何年生きたか覚えてないので大丈夫です。勇者さまは?」
勇者「僕は孤児なので何歳かわからないんですよ」
魔王「そうなんですか、失礼しました。でも(魔王と勇者がどっちも年齢分からないなんて)なんか運命感じちゃいますね」
勇者「そ、そうですね運命感じますね…」ドキドキ
魔王「お顔赤いですよ?熱あるんですか?」ピト
勇者「だ、大丈夫です!回復はばっちりですからっ」
魔王「そうでしょうね、私と戦うのに全力じゃないといけませんもんね」クスッ
勇者(笑った顔、か、かわいい……)
勇者「もちろんですっ」
魔王「私は危なくなってから全力を出しますけどね。魔王の余裕ってやつです」フンス
勇者「ダメですよ、最初から全力じゃないと。油断大敵ってやつです」
魔王「そうですか?んー……よく考えときます」
ドカーン
勇者「な!なんだ!?」シャキーン(剣を抜く
戦士「ん?おお!勇者か!なんでここに?もう魔王倒したのか!?あれ?その女の子誰だ!?」
魔王「ほぇ?私は魔お……」
勇者「魔王のところにいた子だ!危険だったから外に連れて行っている!」
戦士「そうか!さすが紳士だな!」
四天王①「おい、戦士……。話している場合か?」バーン
戦士「ちゃんとそっちも見てるよっ!」カキーン
魔王「お!①じゃん!がんばって~」フリフリ
四天王①「ま、魔王さま!こやつの首、全力でぶった切って持ち帰ります!少々お待ちを!」
勇者「おいおい、四天王までこの子を魔王だというのか……」ボソッ
魔王「ん?何かおっしゃいましたか?」
勇者「いえ、早くここを抜けましょう。巻き添えになります」
勇者「おい戦士!!倒せよ!」
戦士「おお!」
四天王①「小ざかしい!早く倒れぬか!」
勇者「さ、行きましょう」パシッ
魔王「は、はい!」
魔王(私の手を取って走る勇者さまカッコイイ……。まるでお姫様になった気分……)キュン
これで寝ます ゆっくりしたペースですがお付き合いください^^
勇者「ここまでくれば安心でしょう」
魔王「はい……」ドキドキ
魔王(走ったくらいじゃ全然疲れないはずなのに……胸の動悸が止まらない……)
勇者「どうされました?」
魔王「な、なんでもないですよ?」アセアセ
勇者「そうですか。この辺りは暑いですね……」
魔王「この城は四天王の能力に合わせて気候を変えてますから」
勇者「やっぱりそうですか。この仕掛けには苦心させられますよ」
魔王「お褒めに預かり光栄です。かなり魔力を使いましたからね」
勇者「魔王ほどになると無尽蔵の魔力があるんでしょうね」
魔王「勇者さま程度ですよ。足りない分は魔物から奪うんです」
勇者「さすが魔王ってところですね、私達には真似できません」
魔王「人間は他者を犠牲にすることを嫌うようですね。一部の非道な人を除いて」
勇者「仮にも魔王と名乗る人が非道とは面白いですね」
魔王「あ、いえ。自分の行為を正当化しようとか、勇者さまに良く思われたいとかそういうんじゃないですよっ」
勇者「分かってます」
魔王「あ、でもやっぱり良くは思われたいかもです……」ボソッ
勇者「ん?何かおっしゃいましたか?」
魔王「いいい、いえ!!べ、別になにも……キャッ」コケッ
勇者「おっと」ギュ
魔王「あっ……///」
魔王(勇者さまの腕の中……男らしい匂いがする……)クンクン
勇者「どうされました?」
勇者(こけそうだったから抱きとめたものの……女の子の匂いがする……)
魔王「あっ!なんでもないですっ!あっ、きゃぁっ」ズルッ
バターン
魔王「いったぁ……」
勇者「だ、い、じょう、ぶ、で、す、か?」
魔王(?なんだか勇者さまの言葉がゆっくり?)
勇者(やばいやばい!倒れた拍子に俺の手が!魔王さんの胸に!!気づかれる前に動きたいが……手が動かないっ)
魔王「ちょっと頭を打ちましたが大丈夫ですよ?」
魔王(なんだろう?勇者さまの視線が私の顔と下のほうを行ったりきたり……)
勇者「すいませんっ、い、今すぐどきますねっ……」
魔王「ええ……?」
魔王(でも、これを逃したら勇者さまの匂い嗅げないなぁ……って私のばかっ!嗅がなくてもいいしっ)
勇者(魔王さんの膨らみを感じる右手から意識を逸らして……立たないと……)
魔王「ひゃぁんっっ……!」
勇者「へ?」
魔王(膝がっ……勇者さまの膝が私のお、お、お股に……っ///)
勇者「……っ!!!!!すいませんっっ!!すっすぐにどきます!」
魔王「はい……///」
勇者(涙目の魔王さんはすごく可愛らしいけど、早くどけないと!失礼すぎる!紳士としての俺を思い出せっ)
スクッ
勇者「失礼しました魔王さん……ほんとなんと謝ればいいか……」
魔王「わ、私がころんだのがいけないんですからっ、勇者さまが謝ることはないですよっ」
勇者「いえ、それでも……その……胸を触ってしまったことはすいませんでした……」
魔王「えっ?胸?えっ!ええええええ!!む、む、胸もおさわりになってたんですか!」
勇者「えっ?(もしかして気づいてなかったのか!!うわ……言わなければよかった……)」
魔王「もうお嫁にいけませんよぉお……」ウルウル
勇者「すいません……」
魔王「紳士な人かと思っていたのに変態勇者さまだったんですね!」
勇者「すいません……」
魔王「すいませんすいませんって!!婿になるくらい言ったらどうですかーー!!」
勇者「……む、婿になります!!」
魔王「ふぇ?」
魔王(勢いで言っただけなのに!うわどうしよう、うわぁ!ぁわわ……)
勇者「私のせいで魔王さんが嫁にいけないのなら、責任をとって私が貰います……!」
魔王「いや、あのあのっ……。う……貰ってください……」
魔王(勇者さまの真っ直ぐな眼差しをくらって冗談なんて言えるわけないじゃない!)
勇者「ですが、魔王を倒さなければなりません。その後でよろしいでしょうか?」
魔王(ん?つまり、私を倒して自分も死んで天国でハッピーになるってこと?……ん?よくわかんないよお)
魔王「それって……勇者さまも死ぬってことですか?」
勇者「え?あ、いえ。私は死にません。貴女も死なせません」
勇者(そうか、この子は自分を魔王って偽らなければならないんだ……。魔王さんを魔王と扱って話を進めよう……)
勇者「とどめをささずに、爆発かなんかに紛れて二人で逃げるんです」
魔王「わああ!それいいですね!ほんとうにお姫さまみたい……」
勇者「よかった……満足していただけたようで」
魔王「ふふん♪」
魔王(なんで私はこんなに嬉しいんだろう……昔から憧れてたお姫様みたいだからかな?)
勇者(機嫌が直ったようでよかった……。にしても魔王を倒してこの子をお嫁に……か)フッ
勇者(はっ……いかん。気を引き締めなければ……!まだ魔王は倒していないんだ)
勇者「そういえば、さっきの非道な人間の中に魔物に賄賂を渡すものもいるとか…」
魔王「そういう輩は大抵返り討ちにあいますよ。賄賂を贈る人間は魔物でも信用しません」
勇者「魔物も理性ありますもんね。なんで共存できないんでしょうか」
魔王「魔物は生まれながらの殺人鬼みたいなものですから。低級ならその衝動は低くなりますし、高級なら自制できますけどね」
魔王「現に私たちは今朝、城でポーカーしてましたしね」
勇者「なんかすいません。余暇活動を邪魔してしまって」
魔王「いえいえ、これも運命ですから」
勇者「共存したいんですがね……」
魔王「け……結婚できたら共存させましょうね」
勇者(!!!これは……て、照れるぞ……)
勇者「そ、そうですね……」
魔王(なんだか、勇者さまはしかめっ面をしている……。さっきのは私の機嫌をよくするための嘘だったのかな……?)
魔王「もしそうなら魔王より非道かも」ボソッ
ガチャ
賢者「あ~、勇者ぁ~。あら、しかめっ面じゃない。機嫌悪いのお~?」ギュ
勇者「け、賢者かっ」
魔王(なになに!いきなり扉から出てきたと思ったら勇者さまに抱きついて!!)
魔王「な、なんですか貴女……」ムー
賢者「だれぇ?このちっぱい」ボイーン
勇者「ま、魔王さんだよ」
魔王「……ちっぱい……」
賢者「へぇ~こんな小さいのに?偽者でしょ」
魔王「うるさいですね!貴女こそなんですか!勇者さまに抱きついて!」
賢者「賢者だけど?ね~勇者」チュッ
勇者「お、おい、止めろよ……」
魔王「!!!!!」
賢者「いけず~唇にさせなさいよぉ~。頬はもう飽きたっての~」
勇者「年下をからかうなって」
賢者「むー、暗に年取ってるって言ったぁ~。お姉さん怒るぞぉ」プンプン
魔王「あの!早く離れてください!」
賢者「あらいたの?」ギュウ
魔王「うぐぐ…っ」
勇者「ところで四天王は?」
賢者「あそこよぉ」
四天王②「ふぁっく!!ウチの服を返せ!!」
魔王「②……なんでカーテンに隠れているの?」
賢者「私があの子の服燃やしちゃった」テヘッ
魔王「②、でてきて。服作ってあげる」
四天王②「はい!」バサッ
四天王②「はい!」バサッ
勇者(うわ……綺麗な体……お椀型のおっぱいが……じゃなくて!)
勇者「ちょっ……賢者離せっ……見えてしまうっ」
賢者「いーや。てか目を瞑ればいいじゃないの~」
勇者「そ、そうだけどな!(それじゃあ本能に負けてしまいそうなんだが!)」
賢者「そんなに見たいなら私のカラダ見せてあげてもいいのよぉ~」
勇者「え、遠慮するっ!」
賢者「とか言っちゃってぇ~。今も私の豊満なおっぱいの感触を楽しんでるくせにぃ」グリグリ
勇者「いやっ楽しんでないっ……せっかく意識しないようにしていたのにっ!」
魔王(気になる……気になるよ……勇者さまは大きいほうが好きなのかなあ)
四天王②「魔王さま、お願いします……」
魔王「……」
賢者「ほれほれ~どう?また大きくなったのよぉ」
勇者「ばかっやめっ……なんで逃げれないんだよっ」
賢者「ん~そうね~私がツボを抑えてるからかなぁ~。私頭良いからぁ」
勇者「賢者の頭の良さは別のところで使ってくれよっ」
四天王②「魔王さま?ウチも裸じゃ寒いんですけど……」ヘクチッ
魔王「……」ポケー
魔王(賢者って頭もいいんだ……力だったら勝てそうだけど……強い女の子って……魔王だし……)
賢者「そうだぁ~②ちゃ~ん。こっち来ない~?」
四天王②「はぁ!?なんでアバズレとヤリチンのところに行かなきゃなんねぇんだよ!シネっ!」
賢者「来たら、服返してあげてもいいけどぉ?」
勇者「え?さっき燃やしたんじゃ……?」
賢者「魔法で作り直すに決まってるじゃない~」
四天王まるに と書いてあります
文字化けするのなら書き方変えますね
四天王2「うるせっ!ウチは魔王さまに直してもらうんだ!ね!魔王さま!」
魔王「……大きくなるには揉めばいいかな……ないわけじゃないし……」ブツブツ
四天王2「」
賢者「ほらぁ?近寄ってきなよぉ~」
四天王2「く、くそっ!服直したらすぐに倒してやるっ!」
賢者「もうちょっと近くよぉ……。あ、少し右かしら」
勇者「?なんでそんなに細かく?」
賢者「はいっど~ぞ」エイッ
プニョン
四天王2「―――――――――っっっっ!!!!!///////」
勇者「!?!?!」
勇者(何か手にやわらかい感触が!?なんだ!?目を開けたいっ!!)
勇者「……なにをした……?」
賢者「ふふっ……そこの2ちゃんのおっp……」
四天王2「ふぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあっぁぁぁあああっく!!!黙れぇえええええええええ!!!」
勇者「……理解した……すまない」
四天王2「くそ勇者ぁあああああああ!てめぇもぶっ殺ぉすっ!」
魔王「はぇっ!?な、なになに!?なにが起きたの!?」
賢者「魔王ちゃんはもうちょっと周りを見るべきよ~」
魔王「は、はい……?あ、2の服直してあげるね」ペカー
四天王2「あざす!よっしゃ賢者シネっ!屈辱を味わった仕返ししてやるっ!」
勇者「もう目開けていいか?」
賢者「だ~め」
魔王「勇者さま逃げてください!!キスされます!」
勇者「うおっ……あぶね~」バッ
賢者「なによぉ~。嫌なの?」
勇者「いや、嫌ではないけど……。というか賢者こそまともにキスしたことないくせに」
賢者「……ぎく……さ、さあ四天王さんと戦うかなー」
四天王2「おおう?来るか?今度は卑怯な手にかからんぞクソビッチ!」
魔王「勇者さま、早く行きましょう……」
勇者「そうだな、賢者、気ぃ抜くなよ」
魔王「早くしてください」グイグイ
賢者「魔王ちゃん嫉妬ぉ?かわいー」
魔王「うるさいです!」
勇者「行きますか」
勇者「先ほどから無口ですね?」
魔王「いいえ、別に喋りますけど」
勇者「怒ってますか?」
魔王「怒ってないですけど」
勇者「足動くん早いですよ」
魔王「そんなことないですけど」
勇者「私何かしました?」
魔王「……」ピタ
魔王(さっきの賢者といい!私をお嫁さんにするって言ったときのしかめっ面といい、さいってい!)
勇者「どうしましたか?」
魔王「なんでもないです」スタスタ
勇者(なんか子どもみたいな人だなあ…)
勇者「魔王さん、怒るのやめてくれませんか?」
魔王「……やです」
勇者「ですよね……」
魔王「でも、私の方が可愛いって言ってくれたら許し……あっ」
魔王(考えてるつもりが口にだしちゃった!!)
魔王「あーーーーあーーーあーー!なんでもないです!なんでもない!」
勇者「そうですか……。あの、なにか私の行動で不機嫌になっているのならせめて理由を教えてくださいませんか?」
魔王「……」ツーン
勇者「なんで怒られているのか分からなければどうしようもありません……」
魔王(そっか……私が言わなきゃ変わんないか)
魔王「あの……小さいおっぱいでもいいですか……?」
勇者「はい?」
魔王「け、賢者の大きいおっぱいと私の大きくないおっぱいどっちがすきですか!」
勇者「……ぇえええええええ!いや、その、それは、えっと……」
魔王「……」ジー
勇者(そんな泣きそうな目で睨まれても……可愛い……というか、そんなことで怒っていたのか!?)
勇者「あの……大きくなくてもいいと思います……」
魔王「そうですか。煮え切らない回答ですが良しとします」
勇者「もう怒ってないですか?」
魔王「はい。あんまり考えるのやめました。結局勇者さまは勇者ですし」
魔王(だから、決着をつけるときまでは……)
勇者「まあ勇者ですが……」
魔王「気にしないでください」
勇者「ええ……」
四天王3「ナンパ?」
魔王「うわっ……!びっくりした!」
勇者「おお!?」
魔法使い「3さん、待ってー早いよー」
魔王「ナンパされてないよ!」
魔法使い「勇者さんこの子お持ち帰りですか?」
勇者「違うっ!」
四天王3「魔王さま、なんで勇者倒さないのですか?」
魔王「え?いや……その……」
魔王「というか、3もなんで戦っていないの?」
魔法使い「なんか息合っちゃって。殺しあうのは良くないって話になりましてね(嘘だけど)」
勇者「それでいいのか……」
勇者(でも、どうせ魔法使いのことだ。腹黒いからな……)
魔王「そうか。まあいい、仲良くな」
四天王3「魔王さまは早く彼と二人になりたいんですね?」
魔王「―――っ///うるさい!(ななな何でばれたの!!)」
魔法使い「勇者さんやるじゃん。仲良くねー」
魔法使い(勇者さんも騙まし討ちかな……?でもそんな器用な人じゃなかったような……)
勇者「そんなんじゃないよ、ほんとに」
魔王「もういい!四天王たちに会うとろくなことがない!」ダッ
勇者「あ、魔王さん待ってください!」ダッ
魔法使い「いってらっしゃ~い(そろそろ3を倒すかな)」
四天王3「魔王さまもお年頃ですかね~(さあ魔法使いをだまし討ちするか)」
魔法使い「そうみたいですねー。私たちも結婚しますか?3さん結構タイプなんですよぉ」ウルウル
四天王3「またまた、ご冗談を。貴女のような可憐な女性を娶るなど恐れ多いですよ」
魔法使い「私は良いと思いますが。あ、ならお茶でもいかがです?おいしい(毒入り)紅茶があるんですよ!」
四天王3「では、部屋へ行きましょうか。綺麗な花がある(罠ばかりの)部屋がありますよ」
魔法使い「楽しみですね……うふふふふ」
四天王3「楽しませてさしあげましょう……ははははは」
寝ます。読んでいただいている方ありがとうございます
魔王「あの、あまり彼らの言ったことは気にしないでください」
勇者「分かりました。気にしないように尽力します」
魔王「尽力するほどのことですか?」
勇者「それくらいの意気込みってことです」
魔王「そうですか……」
勇者「……」
魔王「……」
魔王(仲良くしろって言われたのを頑張って気にしないって……)
魔王(確かに気にするなって言ったけど!でも!……うう……)
勇者「次はどこでしたっけ……」
魔王「……勇者さま」
勇者「は、はい!」
魔王「あの……手、握ってもいいですか?暗くなってきたので……怖くって……」モジモジ
勇者「……?まあ、構いませんよ」ニギ
勇者(怖いだなんて。可愛らしいな……)
魔王「……いつもは四天王の誰かに手を握ってもらうんです……」
勇者「明るくすればいいんじゃないですか?」
魔王「いえ。この先に闇を司る四天王がいるので……」
勇者「自分の都合で明るくはできない、と」
魔王「そうです。闇の四天王は好きじゃないんです。良くないことですけどね」
勇者「人には得手不得手がありますから仕方ないですよ」
魔王「でも、仲間なのにって考えてしまうと自己嫌悪です……」
盗賊「大丈夫っす。アタシも昔は暗いとこ苦手だったけど、今は立派に盗賊してるっす」
魔王「そうですか、えらいんですね」
盗賊「そんなことないっす!魔王さんも克服できるっすよ!」
魔王「本当ですか……って……きゃぁああああああ」
勇者「魔王さん落ち着いてください!人間です!怖いものじゃありません!」
盗賊「いえ、アタシはお化けっすよ?」
魔王「お、お化け……!!!いやぁああああああ」ウエーン
勇者「大丈夫です!僕の仲間ですよ!」ギュ
魔王「ぐすっ…本当ですか……ぐす……」チラ
盗賊「お化けっすよぉおおおお」バァーー
魔王「ひぎゃぁああああああ!!!!!」
商人「……やめろ」ベシ
盗賊「痛いっす!」
商人「……お前が悪い……謝れ」
魔王「うぅ……ぐすんぐすん……ぅぅ…」シクシク
盗賊「驚かせてすいませんでしたっす。アタシは盗賊っす。人間っす」
商人「……俺は商人……」
勇者「お前ら…いくら真っ暗だからって自然に出てくるなよ…俺までビックリしてしまった」
盗賊「勇者さんは慣れたもんじゃないっすか。いつものことっすよ」
魔王(勇者さまのお仲間さん……ぅぅ……お化けかと思ったよぉ……)
勇者「まあそうだが……。二人は暗闇が好きすぎだ」
盗賊「えー暗闇いいじゃないっすかー!こう、微かな光の中映し出される艶やかな肢体が……」
商人「……死体が……」
盗賊「ちょっ!そっちじゃないっす!」
勇者「盗賊は賢者の影響受けるなよ……」
魔王「……肢体……ってどういう意味ですか?」
勇者「知らなくていいこともありますよ……」
商人「……来たぞ……」
四天王4「yeah!!」バコーン
魔王「ひゃうっ」ビクゥッ
盗賊「おっと危ないっす!いきなり攻撃なんてナンセンスっすよ!」
四天王4「nonsense? hahaha! i don't know nonsense!yeah!」ドカーン
商人「……日本語話せ……」ガツーン
四天王4「why!? i can speak english only! oh,yeah!!」ボカッ
勇者「聞き取ることは出来るんだな」
魔王「私、英語わかんないです……だから苦手です……」
勇者「じゃあ、手を繋いでもらうのは何故ですか?」
魔王「そっ……そ、それは……お、おっ……お化けが……怖いからです///」カー
勇者「可愛らしいですね」
魔王「いえっ……そんなことないです!ま、魔王失格ですよ……」
勇者「自信を持ってください。魔王さんは失格じゃありませんよ」
魔王「そうですかね……?魔王がお化け怖いって変じゃないですかね……?」
勇者「女の子らしくていいじゃないですか」
魔王「そうなんだ……えへへ……」
盗賊「なに抱きついたまま話してるっすか?ときめきメモリあってるっすか?」
魔王「――――っ/////」バッ
勇者(忘れてたっ!あまりに自然に腕の中にいるから……っ)
勇者「す、すいません!!」
商人「そこ……危ない……」
勇者「っ!!!」
魔王「ふぇ?」
四天王4「huuuuuuuu!!」
ボカーン
魔王「けほっ……けほっ」
勇者「魔王さん、大丈夫ですか?飛ばされてしまいましたね」
魔王「はい、大丈夫ですが……って勇者さま!?」
勇者「っ……このくらいどうってことないですよ……」
魔王「そんなことないです!!腕が捻じ曲がってますよ!」
勇者「しくじりました、利き手が曲がってます。魔法が使えませんね……」
魔王「……じっとしててください」チュッ
勇者「なっ///」
勇者(魔王さんが俺の腕の怪我にキスをしてっ……!な、なめてるっ……)
魔王「んっ……ちゅっ……はぁ……ちゅるっ……」
勇者「ま、魔王さん………?」
魔王「んちゅ……っ……あむっ……ちゅっ……」
勇者「な、何をし、してるんですかっ」
魔王「黙っててくらはい……ちゅっ……ちゅるっ……んっ……」
勇者「くっ……」
魔王「ちゅ……んはぁ……治りましたよ」
勇者「え?あ、本当だ!!ありがとうございます!」
勇者(急に舐めてどうしたのかと思ったら……治ってる……魔王さんの舌、えろかったな……)
魔王「ただの気まぐれです……」
勇者「でも……何でなめたんですか?回復魔法があるんじゃ……」
魔王「なっ……舐…めたのは、私の体液に回復作用があるからです……。回復魔法は魔物系は習得できませんし」
勇者「そうだったんですか。すごいですね……!」
魔王「いえ……ある程度のクラスの魔物にはありますよ。まあ私が一番早く治りますが……」
勇者「ほんとありがとうございます。感謝してもしきれないくらいです」
魔王「そんなことは……ないです///」
勇者「にしても……ここは危険ですね……早く出ましょう」
魔王「そうですね。もう四天王の部屋は全て通り過ぎたので扉まで一直線です」
勇者「よし、腕もおかげさまでもう全快ですし、行きますか」ニギ
魔王「は、はいっ」
魔王(まだ少し暗いからかな……手、握ってくれた……ふふ……嬉しい)
勇者(ちょっと下心が見えたか……?でも、自然に出来たはずだ……)
魔王「なんか、勇者さまは勇者じゃないみたいですね」
勇者「そうですか?もう少し威厳みたいなのがいりますかね……?」
魔王「大体似たような感じかもしれません。なんというか、優しすぎです」
勇者「国民全員を守らなければなりませんから。優しくない勇者は蔑まれます」
魔王「……私が魔王でも?」
勇者「?貴女は人間でしょう?魔王のフリをさせられているだけでしょう?」
魔王「え?違いますよ!本物の魔王です!」
勇者「いえいえ、騙されませんよ。本物の魔王に脅されているのでしょう?それで魔王の部屋で受付なんて……」
魔王「だから、私が本物の魔王です!証拠もあります!」
勇者「証拠ですか?」
魔王「ほら!このネックレス見てください!代々魔王に受け継がれた呪いのネックレスです!魔王以外がかけたら死にます」
勇者「ふむ……伝説と同じネックレスですね。本物ですか?」
魔王「疑うのなら、おい魔物a!!出て来い!」
魔物a「はっ!魔王様、何用でございましょうか」
魔王「このネックレスを首にかけよ」
魔物a「はっ!は?はい?え、それって呪いのネックレスでございますよね?」
魔王「そうだ。ほらかけよ」
魔物a「……魔王の命とあらば……」シュルン
魔物a「……うっ!ぐっぐぁああああああああああああああああ!!!!……」シーン
勇者「しんでしまいましたね」
魔王「本物ですから」
勇者「ということは、貴女が本物の……魔王!?」
勇者(なんでことだ!!!それじゃあ俺はずっと勘違いをしていたのか!?)
勇者(しかも!本物の魔王相手に結婚を申し込んだなんて!!)
魔王「はい。まだ証明が必要ならあの遠くに見える山も壊しますが……」
勇者「い、いや!山には人が住んでいるかもしれません。ただ、一つ、炎系の魔法を見せていただいてもよろしいですか?」
魔王「はい」バーン
勇者「……目の前の石畳の道がマグマに……」
魔王「信じていただけましたか……?」
勇者「はい」
魔王「……」
勇者「……」
魔王(もしかして、これって嫌われちゃったかな……?)
勇者「あのっ」
魔王「ひゃ、ひゃい!……あっ///」カー
魔王(びっくりして噛んじゃったよぉ……うわー……恥ずかしい…)
勇者「あ、あの。貴女が魔王なら戦う……運命ですよね」
魔王「はい。そのために私達は生まれ、生きてきたのですから。代々続く宿命です」
勇者「ならば、遠慮はしません……倒させていただきます……」
魔王「私だって負けるわけにはいきません。魔物たちの運命がかかてますから」
魔王「お嫁さんにって言いましたが……あの、忘れてもらっていいです……」
勇者「忘れはしませんが……倒してしまっても文句は聞きません」
魔王「勇者さまが倒されますけどね」
勇者「聞いておきたいんですが、何故勇者さまと?」
魔王「小さいころから絵本を読んでいたんです。勇者さまとお姫さまの物語を」
勇者「なるほど。まあお姫様はいませんが……絵本に負けないような勇者をしてみせますよ」
魔王「楽しみにしてます……では」
バッ(マントを脱ぐ
シャキーン(剣を抜く
勇者(とはいったものの……攻めにくい……)
魔王(これ……どうしよ……攻めたくない……)
勇者(というか、魔王さんの服……ゴスロリか……はっいかんいかん!集中しなければ!)
魔王(勇者さまのコートも自分のマントも脱いだら寒いなあ……勇者さまの温もりが……ってダメダメ!)
勇者「……」ジリジリ
魔王「……」ジリジリ
勇者(スキはいくらでもあるのに攻めれない……俺の心はどうしてしまったんだ!魔王を倒すと意気込んでいたのに!)
勇者(魔王はおっさんという先入観のせいか?魔王さんが女の子だからか?……違う……これは……)
魔王(いつでも攻撃できるのに……全然やる気でない。お父さんが先代の勇者に倒されて勇者を恨んでいたのに……)
魔王(勇者さまはかっこよくて、私にも優しくて……どきどきしちゃうし……もしかしてこれって……)
勇者魔王((……恋だ……))
ドカーン
勇者「!?」
魔王「!!し、城から何か出てきた!!」
勇者の仲間たち「「「「勇者!!」」」」
四天王1234「「「「魔王さま!!」」」」
勇者「なんで皆がここに!?」
魔王「なぜ皆来たの!?」
戦士「戦ってたらな!」
1「ちょうど城の入り口にまできた」
賢者「なんかねぇ~みんながねぇ」
2「ふぁっく!揃っちまったんだ!」
魔法使い「で、四対四になったから」
3「魔王さまも交えて最終決戦かと」
盗賊「勇者さまの戦いに参戦するっす!」
商人「……つまり……」
4「you ain't heard nothin' yet!」
勇者「なるほど……」
魔王「むむむ……なんていったんですか?4は」
勇者「お楽しみはこれからだ!、と」
魔王「ふむ、ではこれが勇者対魔王の決戦というわけですね……」
勇者「そうです。決着をつけなければいけません……」
魔王「全力で……いかせてもらいます……」
勇者「……もちろんです」
勇者(皆が着てしまった……本気で戦わなければ……いけないのか……)
魔王(四天王が見てる……恋って気づいたのに……倒さないといけないの?)
勇者魔王((でも、これが運命。覆ることはないのなら!))
勇者「うぉおおおおおおおお!!!」
魔王「はぁああああああああ!!!」
===
勇者「魔王、今日も朝からご飯がおいしいな」
魔王「そう?照れるなあ///」エヘヘ
子「ママお顔真っ赤ぁ~」
勇者「子もママの血を継いでるからすぐ赤くなるかもな」
子「ええ~やだぁ~恥ずかしい」
魔王「もう、勇者ったら」
勇者「事実だろう?そういえば今日は昔の仲間が来るらしいぞ」
魔王「そうなの?四天王も来るって言ってたよ」
勇者「じゃあ、決戦のときのメンツが揃うのか、懐かしいなぁ」
子「おじさんとおばさんたちがくるのぉ~?」
魔王「子、おじさんとお姉さんって言わないと怒られちゃうよ?」
勇者「お兄さんじゃなくていいのか」
魔王「だって、おじさんじゃない。私達から見てもね」
勇者「まあ、そうだが……」
魔王「そうだ、子。ちょっと外の様子見てきてくれない?もう来てるかも」
子「は~い」ダッ
勇者「?仲間がくるのは午後だぞ?」
魔王「四天王も午後からだけどね」チョコン
勇者「なんだ、膝の上に座って……。あぁ、そういうことか」チュ
魔王「んっ……えへへ……子がいるとおはようのキスもできないから……///」
勇者「可愛いなあ、あのときから変わらない」
魔王「勇者も変わらず優しいよ。朝ごはん、お塩とお砂糖間違えたのに」
勇者「そうだったか?」
魔王「ふふっ」
子「誰もいなかったよ~!あれ……?なんでママ、パパのお膝に座ってるの?」
魔王「えっ……あっ……いや~」
勇者「子も座るか?暖かくていいぞ」
子「いくいく~~!」
魔王「幸せだぁ……」
===
勇者「……」ピタ
魔王「……」ピタ
仲間たち「ん?」
四天王「え?」
勇者「みんなゴメン……。魔王さん、やっぱり切れないです」
魔王「私も勇者さまと戦えません……」
賢者「……ははぁ~ん、勇者やるぅ~」
3「ああ、なるほどわかりました。魔法使いとの黒い駆け引きはもう必要ないんですか」
魔法使い「おおーなるほどです。素敵ですね!3さんの悪ぅい罠をよけなくていいんですね」
戦士「どういうことだ!」
4「oh!!love!!it's love!!」
2「魔王さまが手篭めにあっったんですか!?勇者ぶっ飛ばす!!」
盗賊「戦いの狭間で生まれる恋っすか……いいっすねぇ」
1「けしからん……が、魔王さまが良いならよいであろう」
商人「……見事……」
勇者「おい、俺はまだ何も言ってないだろう!」
魔王「私も戦えないとしか言ってない!」
賢者「んなのどぉでもいいから~、お邪魔者は退散しようかしらぁ」
4「yes! let's go!!」
みんなの前でヤってしまったん?
勇者「みんな行ってしまいましたね」
魔王「戦うそぶりすら見せませんでした」
勇者「戦う気をなくしたんでしょうかね」
魔王「それで……あの、なんで私を……切れないんですか」
勇者「あ、それはですね……あまり良いことではないのですが、よいですか?」
魔王「お構いなく(悪いことなのかぁ……)」
>>125
ヤってないです
普通に戦おうとしただけ
勇者「許されない、とは思っています。ですが、俺は魔王さんに……恋してしまいました。好きです」
魔王「……え?」
勇者「あの……だから、好きです……。会って、話して、好きになりました……///」
魔王「え、あっ!それ本当ですか!!」
勇者「本当です……」
魔王「あのっ!私もあの!す、すっ……す、好きです!!」
勇者「……本当ですか…?」
魔王「本当ですっ……。よかった……私だけ好きで、倒されたら……どうしようかと」ウルウル
勇者「私も同じこと思いました。それで……貴女を約束通り、嫁にいただけませんか?」
魔王「もちろんです!私と結婚……しましょう……」
勇者「はい」ニコニコ
魔王「あの……敬語やめませんか?好きじゃないみたいに感じるので……」
勇者「大丈夫、ちゃんと好きだから」ギュ
魔王「うん……」
勇者「でも、これ運命に逆らって大丈夫かな」
魔王「分からない。女神に聞けばわかるかも」
勇者「あの女神、結構気まぐれだからな……」
魔王「呼んでみないと分からないよ?」
勇者「そうだな。女神さま!!どうかご光臨ください!」
ピカーン
女神「何だ?リア充か?」
勇者「ははは……あの、勇者と魔王が戦う運命を変えたいのですが……」
女神「私は今、私のパンチラを拝んだやつを呪うので忙しい、好きにしろ」
女神「待ってろよあの野郎!!」
魔王「行っちゃったね」
勇者「よく分からんが、つまり俺たちは好きにしていいのか」
魔王「ふふ……やった……」
勇者「人間と魔物が共存する世界を作って、幸せになろうな」
魔王「うん。頑張ろ!」
勇者「……愛してる」チュ
魔王「んっ……私も、あ、愛してるよ」
4「love is forever……」
fin
終わりです
ここまで読んでくださりありがとうございました
本番はいらないはず
前作はこれです
女神「パンツ見られた恨み!」男「noooooooo!?」
女神「パンツ見られた恨み!」男「Noooooooo!?」 - SSまとめ速報
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