梨沙「くしゅんっ」
梨沙「うー……ティッシュ、ティッシュ」チーン
心「風邪?」
梨沙「違うと思うけど……今日寒いから」
心「最近あったかくなったり寒くなったり忙しいからな♪ 体調には気をつけるんだぞ☆」
梨沙「ホントよね。もう春かなーと思ったら次の日はまた冬に逆戻りしてるし」
梨沙「まったく、うじうじせずにズバッと季節変わりなさいよ!」
梨沙「アタシのパパなんて決める時ははっきり決めるわ!」
心「日本の気候と自分のパパを比べる子は初めて見たなぁ」
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心「ま、アイドルにとっては身体は資本だし、文句言いたい気持ちはわかるわ♪」
心「飛鳥ちゃんも、屋上行くのはいいけど風邪ひかないようにね☆」
飛鳥「あぁ。防寒はしっかりしているつもりだよ」
梨沙「わざわざコート羽織ってまで寒い屋上に行く理由がよくわかんない」
飛鳥「理由がなくとも意思はある。それもいいじゃないか」
梨沙「はいはい。いってらっしゃい」
心「レッスンまでには戻るんだぞー」フリフリ
テレビ「週末は冷え込みますが、それ以降は本格的に春が訪れる見込みです」
心「おー、やったね梨沙ちゃん♪ 来週から春だってさ」
梨沙「本当でしょうねぇ」ジトーー
心「天気予報は100パーセントじゃないけど、とりあえず信じてやろうじゃないの☆」
梨沙「そもそも、冬と春ってどういう基準でわけてるの?」
心「うーん、そうだなあ。暦の上だと、節分が終わったらもう春だったりするよ?」
梨沙「そうなんだ。じゃあもう春?」
心「暦の上だとそうなるんだけど……実際はまだまだ寒いよね♪」
心「あと、気象庁の用語的には3月からが春らしいぞ♪」
梨沙「あ、そっちのほうがそれっぽい」
心「2月いっぱいは全然寒いもんな☆ はぁとも、春って言われたら3月くらいなイメージ」
梨沙「くらい、かあ」
心「ま、細かく決めるのは難しいわな☆ 毎年暖かくなる時期なんてバラバラだし♪」
梨沙「それもそうよね」
梨沙「なんでもいいけど、早いところ暖かくならないかしら。寒いのもう飽きた」
梨沙「あーあ。さっさと春が来ないかなあ」
晴「おっす。今日は外寒いな~」ガチャ
心「お、願いどおりハルが来たぞ☆」
梨沙「余計に寒くなるようなこと言わないでよ」
心「やん、厳しい♪」
晴「?」
屋上
光「へん……しんっ! とおっ!」
千佳「マジカルチェーンジ♪ ラブリーチカさんじょー♪」
飛鳥「屋上には先客がいたか……」
光「あっ、飛鳥ちゃん」
千佳「一緒に遊ぶー?」
飛鳥「いや、今日は遠慮しておくよ」
千佳「そっかー。じゃあ光ちゃん、続きやろ?」
光「うん」
飛鳥「………」カチャカチャ
飛鳥「外部の音をシャットアウトする準備はできている」E:イヤホンと音楽プレイヤー
飛鳥「(自分のセカイに入れないからといって、毎度毎度隣のビルまで行くのは正直手間だ)」
光「ふっ、はっ」
千佳「わぁ、かっこいい!」
飛鳥「………」カチッ
~~~♪
飛鳥「(今日は寒いな。梨沙達も言っていたが、ここ最近寒暖の差が激しい)」
飛鳥「(季節の変化を楽しむことも悪くはないが、それで体調を崩しては元も子もない、か)」
飛鳥「(風邪で休んでしまえば、みんなに迷惑がかかるし)」
飛鳥「………」
飛鳥「……みんな、か」フッ
~~♪(口笛演奏中)
飛鳥「(少しずつ、ボクの中で何かが変化している)」
飛鳥「(それの正体を明確につかむことはできないが……)」
光「………」ジーー
千佳「………」ジーー
飛鳥「………?」
飛鳥「……どうしたの?」
千佳「かっこいい!」
飛鳥「?」
光「口笛を吹きながら虚空を見つめる姿……今流行のダークヒーローっぽい!」
千佳「あたし知ってる! 最初は敵だけど、あとで仲直りして一緒に戦ってくれるんだよね」
光「最初は主人公のことを認めないんだけど」ワイワイ
千佳「最後は『フッ。仕方あるまい』みたいなこと言うんだよね」キャッキャッ
飛鳥「はぁ。それは光栄……でもないか」
千佳「ねえねえ、他の歌は吹けないの?」
飛鳥「他の歌か。たとえば」
千佳「えっとねー、プリキュアのオープニングは?」
飛鳥「ぴゅーぴゅっぴゅっぴゅー、ぴゅーぴゅっぴゅっぴゅー」
千佳「あ、それ最初のやつでしょ! DVDで見たことあるよー♪」
千佳「今のやつは?」
飛鳥「見ていないから曲を知らないんだ」
光「ライダーは? ウルトラマンは? スーパー戦隊は? メタルヒーローは?」
飛鳥「キミはまず注文を絞ってくれ」
千佳「知らないなら教えてあげる! 千佳、魔法使いプリキュアのオープニング歌いまーす♪」ラララー
光「じゃあアタシは宇宙刑事ギャバンのオープニング!」ギャバーン
飛鳥「ま、待て。同時に歌われてもわけがわからなくなるだけ」
千佳「ラララー♪」
光「ズンドコズンドコ♪」ギャバーン
飛鳥「うっ、とんでもない旋律が頭の中に……!」
梨沙「なるほど。それで魔法使いギャバンを口笛で吹けるようになったと」
飛鳥「何を吹いても途中で脳内にギャバンコールが割り込むようになってしまった」ギャバーン
心「飛鳥ちゃんは感受性豊かだからな☆」
心「アップなテンポと力強さが合わさって最強のメロディー、なんちゃって♪」
梨沙「めちゃくちゃになってるところの方が多いわよ。こういうの、フキョー……フキョー……」
飛鳥「不協和音、だね」
梨沙「そうそう、それそれ。不協和音よ」
飛鳥「プロがきちんとミックスすれば、そういう箇所も減るんだろうけど。ボクの力量では難しい」
心「いっそ音楽家に頼んでみるか、なんてね♪ ほい、飛鳥ちゃんのぶんのココア」
飛鳥「ありがとう」
梨沙「やっぱり寒い日はあったかいココアね」ホカホカ
心「お、わかってるねぇ♪」
飛鳥「ふー、ふー」
心「あ、そうだ♪ 来週からはもう暖かくなるらしいよ☆」
飛鳥「あくまで予報だろう? 本当にそうなるかは理解らないね」
心「もう少し素直に信じる心を持たない?」
梨沙「持ちなさいよねっ」
心「キミもだよ、キミも。さっき予報信じてなかっただろ」
梨沙「そうだったっけ?」
心「都合のいい脳味噌してるなー♪ そういうとこは子どもなんだから」
飛鳥「自分の都合のいいように状況を持っていくのは大人のほうが得意じゃないかな」
心「いやそういう話をしてるわけじゃなくてだな」
梨沙「そうなの? じゃあアタシももっともっとずる賢くなったほうがオトナっぽいのね」ニヤリ
心「あーもうっ、キミらホントにめんどくさいな☆」
心「はぁとが子どものころはそんなんじゃなかったぞ☆」
梨沙「ガキ大将?」
心「そうそう♪ 近所のみんなを従えて他のグループと戦いを――」
心「って、なに言わせてんだこのこのっ☆」ウリウリ
梨沙「きゃっ! じ、自分で勝手に言いだしたんでしょうが!」
心「しゅがーはぁとは裏表のない素敵なアイドルです☆」
梨沙「あははっ、くすぐったいってば!」
飛鳥「ふー、ふー……そろそろ飲めるかな」チビチビ
梨沙「とりあえず、暖かくなってくれるんならなんでもいいわ」
飛鳥「冬はもう満足かい?」
梨沙「うん、もういい。今は春よ、春!」
心「でもそんなこと言ってると、あっという間に暑くなってくるんだよね♪」
心「いつの間にか夏が来て、秋が来て、そしてまた冬が来る」
心「生まれてからずーっとこれの繰り返しだけど、なんだかんだ飽きないんだよねー」
梨沙「次は27周目だっけ?」
心「やかましいわ☆」
飛鳥「ボクはまだ15周目だけど……確かに、飽きることはないね」
梨沙「アタシも、次に冬になった時はまたあれこれやりそう」
心「次かぁ。その時は、はぁとなにしてんだろ」
梨沙「アタシはそろそろトップアイドルが見えてくるころね!」
心「それはこっちに譲ってほしいな♪ 賞味期限ギリギリだから、マジで☆」
飛鳥「………」
飛鳥「また冬が来た時も……同じ光景を見ることになるかな」フッ
梨沙「ん? なんか言った?」
飛鳥「……いいや、別になにも」
梨沙「そう。ならいいけど」
心「あ、そうそう。冬を味わいたいなら、二人ともいっぺん長野来てみるといいぞ☆ ガチで凍えるから☆」
梨沙「めちゃくちゃ寒いんだっけ? 社会の授業で習ったわ」
心「そりゃもう寒いのなんのって――」
おしまい
おわりです。お付き合いいただきありがとうございます
シリーズ前作:モバP「的場梨沙ってどんな子でしょう?」(モバP「的場梨沙ってどんな子でしょう?」 - SSまとめ速報
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ぼちぼち総選挙だからPRしたい
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